JPH1058098A - 連続鋳造用注湯装置 - Google Patents

連続鋳造用注湯装置

Info

Publication number
JPH1058098A
JPH1058098A JP22372196A JP22372196A JPH1058098A JP H1058098 A JPH1058098 A JP H1058098A JP 22372196 A JP22372196 A JP 22372196A JP 22372196 A JP22372196 A JP 22372196A JP H1058098 A JPH1058098 A JP H1058098A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
magnetic field
molten metal
immersion nozzle
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22372196A
Other languages
English (en)
Inventor
Masafumi Morishita
雅史 森下
Kenzo Ayada
研三 綾田
Toshiya Miyake
俊也 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP22372196A priority Critical patent/JPH1058098A/ja
Publication of JPH1058098A publication Critical patent/JPH1058098A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸漬ノズルの吐出口から鋳型長辺双方向に溶
湯を吐出させて注湯する連続鋳造用注湯装置において、
上流側のスライドバルブの開閉やノズル自体の内壁への
付着物によって生じるノズル内偏流を低減して、鋳型へ
の吐出流を均一に制御できる連続鋳造用注湯装置を提供
する。 【解決手段】 浸漬ノズル(3) の溶湯(M) 面上に位置す
る外周部に、該浸漬ノズル(3) を鋳型(9) 長辺方向に貫
通する静磁場(H) (ないしは低周波交流磁場)を発生す
る磁石(5) を配してなる構成の注湯装置とする。 【効果】 浸漬ノズルに鋳型長辺方向の磁場を作用さ
せ、その浸漬ノズル内を流下する溶湯流に生じる起電力
と磁場との相互作用によって、溶湯流の流速に対応する
電磁力を発生させてノズル内偏流を低減し、鋳型内への
双方向吐出流を均一に制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳片の連続鋳造に
おいて溶湯を鋳型内に注湯するために用いる連続鋳造用
注湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳片の連続鋳造には、通常、浸漬ノズル
を備えた注湯装置が用いられ、また、スラブなどのよう
に断面形状が長方形の鋳片を連続鋳造する際には、鋳型
の長辺双方向に向けて開口させた1対(あるいは複数
対)の吐出口から溶湯を吐出する有底型の浸漬ノズルを
備えた注湯装置が広く用いられている。
【0003】ところで、連続鋳造において、鋳片の生産
速度を向上させるには、浸漬ノズルから吐出する溶湯の
単位時間当たりの流量を増加させる必要がある。しかし
ながら、浸漬ノズルからの吐出流量が増加すると、鋳型
内での溶湯の流速が増加し、それに伴い偏流や湯面変動
が起こり、鋳片に気泡・介在物欠陥やコーナー割れ等の
品質欠陥が発生し易くなる。更に、鋳型長辺双方向に吐
出する後者の浸漬ノズルにあっては、上流側のスライド
バルブの開閉や、自体の内壁への付着物の不均一な付着
によって吐出流に偏りが生じ易く、上記問題がより顕著
となる。
【0004】そこで、鋳型内の流速を制御し、生産速度
と品質とを両立させるため、種々の検討が加えられ、そ
の形態から大別すると、ノズル形状により受動的に吐
出速度を低減する浸漬ノズル、Ar等の不活性ガス気
泡により能動的に流動を制御する浸漬ノズル、電磁力
による型内流動制御装置などが開発されている。上記従
来技術の例としては、例えば〔図9〕の (a)図に示す
ように、複数対の吐出口(11a),(11b) を設けて開口断面
積を増すことで、溶湯の吐出速度を低減する多孔浸漬ノ
ズル(11)が挙げられる。また、上記従来技術の例とし
ては、例えば同 (b)図に示すように、吐出口(21a) の開
口位置に対応する浸漬ノズル(21)内面に、該浸漬ノズル
(21)内壁に独立して設けたガス流路(22a),(23a) に連な
る多孔質吹込部(22),(23) を設け、この多孔質吹込部(2
2),(23) から選択的に不活性ガスを流出させ、そのガス
気泡により各吐出口(21a) それぞれの吐出量を制御し
て、鋳型(23)内での偏流の防止する浸漬ノズル(21)が挙
げられる。また、上記従来技術の例としては、例えば
(c)図に示すように、鋳型(32)の両側に配した電磁石(3
1)により浸漬ノズル(33)からの溶湯吐出流域に静磁場を
作用させ、電磁ブレーキによって溶湯流の速度を減速す
る型内流動制御装置(30)が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、それぞれ鋳型内の流動制御効果は認められ
るものの、いずれについても次のような課題が残されて
いるため、十分な品質改善効果が得られていないのが現
状である。すなわち、上記従来技術の例では、ノズル
形状により吐出流速の低減効果が得られるのは、浸漬ノ
ズルが初期形状を維持している間だけで、付着物により
部分的な狭窄が生じると、吐出流が一方に偏るなどして
鋳型内での溶湯流が高速化し、品質欠陥が増大するとい
う問題がある。また、上記従来技術の例では、Ar等
の不活性ガスを鋳型内に供給すること自体が、気泡・介
在物欠陥の原因となるという、基本的な問題がある。ま
た、上記従来技術の例では、電磁石を鋳型の両側に配
するため磁極間距離が大きくなり、磁極間の磁気抵抗が
大きくなること、更に、磁極と溶湯の間に鋳型銅板が存
在するため交流磁場の減衰が大きくなることから、これ
に対応できる磁場を得るには巨大な電磁石を必要とし、
それでも十分な流動制御効果は得難いという問題があ
る。しかも、電磁石は各鋳型に一体に組み込まれるた
め、電磁石を鋳型の数だけ準備する必要があり、設備費
用が嵩むという別の問題もある。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点を解消す
るためになされたもので、上流側のスライドバルブの開
閉やノズル自体の内壁への付着物によって生じるノズル
内偏流を低減して、鋳型への吐出流を均一に制御でき、
よって鋳型内の溶湯流を安定させて、鋳片に気泡・介在
物欠陥等が発生することを確実に防止でき、しかも構成
が比較的簡易で設備費用を低く抑えられる連続鋳造用注
湯装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成とされている。すなわち、本
発明に係る連続鋳造用注湯装置は、水平断面形状が長方
形状の鋳型の中央部に、対称2方向に開口する吐出口を
下端部に有する浸漬ノズルを浸漬させ、この浸漬ノズル
の吐出口から鋳型長辺双方向に溶湯を吐出させて注湯す
る連続鋳造用注湯装置において、前記浸漬ノズルの溶湯
面上に位置する外周部に、該浸漬ノズルを鋳型長辺方向
に貫通する静磁場ないしは低周波交流磁場を発生する磁
石を配したことを特徴とする。
【0008】上記本発明装置では、浸漬ノズルに鋳型長
辺方向の磁場を作用させ、その浸漬ノズル内を流下する
溶湯流に生じる起電力と磁場との相互作用によって、該
溶湯の流速に対応する電磁力を発生させて吐出口に向か
う溶湯流を均等化し、鋳型への吐出流を均一に制御する
ことができる。この磁場の作用について、〔図4〕によ
り以下に更に詳しく説明する。
【0009】〔図4〕の (a)図に示すように、タンディ
ッシュ(図示省略)の下底部に配したスライドバルブ
(1) の下方に、保持金具(4) を介して、整流ノズル(2)
と浸漬ノズル(3) とを連ねて配し、かつ浸漬ノズル(3)
を、その下部に軸対称の対の吐出口(3a),(3b) を有する
有底型とした通常の注湯装置では、上流側のスライドバ
ルブ(1) の開閉や、整流ノズル(2) および浸漬ノズル
(3) 内壁に不均一に付着した付着物(D) の影響によっ
て、浸漬ノズル(3) 内の溶湯流(C1),(C2) ならびに各吐
出口(3a),(3b) からの吐出流(S1),(S2) に偏りが生じ易
い。そして例えば、同 (a)図中の黒矢印で示すように、
浸漬ノズル(3) 内の溶湯流(C1),(C2) に偏りが生じる
と、一方の吐出口(3a)の吐出流(S1)が、他方の吐出口(3
b)の吐出流(S2)よりも流速が大きくなり、かつ、その吐
出角度が、〔図6〕の(a)図(数値解析によるシミュレ
ーション図)に示すように、より下向きとなる傾向があ
る。また、この下向きの流れが強くなると、その流れに
よって引き込まれた気泡や介在物が、凝固界面に補足さ
れて気泡・介在物欠陥となる。ここで、同 (a)図および
(b)図( (a)図のA−A断面図)に示すように、この浸
漬ノズル(3) に鋳型(9) 長辺方向に貫通する均一な静磁
場(H) を印加すると、該浸漬ノズル(3) 内の溶湯流
(C1),(C2) には、それぞれの流速に応じ、鋳型(9)短辺
方向の起電力(E1),(E2) が発生する。すなわち、流速の
大きな溶湯流(C1)側の起電力(E1)は、流速の小さな溶湯
流(C2)側の起電力(E2)よりも大きくなり、その結果、浸
漬ノズル(3) 内部には、 (b)図に示すように、小さな方
の起電力(E2)に打ち勝って水平方向にループを描く電流
(i) が流れる。そして、この電流(i) と印加した静磁場
(H) との相互作用(フレミングの左手の法則)により、
流速の大きな溶湯流(C1)に対しては流れを減速する方向
の電磁力(F1)が、流速の小さな溶湯流(F2)に対しては流
れを加速する方向の電磁力(F2)がそれぞれ働き、その電
磁力(F1),(F2) の効果によって、浸漬ノズル(3) 内を流
下して吐出口(3a),(3b) に向かう溶湯流(C1),(C2) が均
等化され、つまり浸漬ノズル(3) 内での偏流が自動的に
補正されて、〔図6〕の (b)図(数値解析によるシミュ
レーション図)に示すように、鋳型(9) への吐出流
(S1),(S2) の流速や角度の偏りが低減する。また、偏流
が上記と逆になった場合には、発生する電磁力の方向も
逆になり、同様な偏流低減作用が得られる。この結果、
鋳型内の溶湯流を安定させて、鋳片に気泡・介在物欠陥
や、コーナ割れ等が発生することを確実に防止し、生産
速度と品質とを両立させることができる。なお、作用さ
せる磁場は、静磁場であることが望ましいが、10Hz以下
の低周波交流磁場であってもほぼ同様の効果を得ること
ができる。
【0010】また、上記磁石が、発生する磁場の鋳型長
辺方向の磁束密度勾配を制御可能とされていることが好
ましい。この磁場の磁束密度勾配を制御することの作用
を〔図5〕により説明する。浸漬ノズル(3) の各吐出口
(3a),(3b) からの吐出流(S1),(S2) の偏りを低減するた
めには、原則として浸漬ノズル(3) 内の溶湯流(C1),
(C2) を均等化する必要があることは先に説明した通り
である。しかしながら、〔図5〕の (a)図に示すよう
に、いずれかの吐出口(3a),(3b) 近傍に付着物(D')が偏
って付着した場合、浸漬ノズル(3) 内の溶湯流(C1),
(C2) が均等でも、各吐出口(3a),(3b) からの吐出流
(S1),(S2) に偏りが発生することがある。このような場
合には、付着物(D')の影響を打ち消すよう、溶湯流
(C1),(C2) はむしろ偏った方が望ましい。ここで、例え
ば、一方の吐出口(3a)の吐出流(S1)が他方の吐出口(3b)
の吐出流(S2)よりも高速になった場合には、同 (a)図
( (a)図のA−A断面図)に示すように、高速な吐出流
(S1)側が低速な吐出流(S2)側よりも磁束密度が大きくな
るように磁束密度勾配を制御する。すると、浸漬ノズル
(3) 内の溶湯流(C1),(C2) が均等でも、高速な吐出流(S
1)側に発生する起電力(E1)の方が、低速な吐出流(S2)側
に発生する起電力(E1)よりも大きくなり、その結果、浸
漬ノズル(3) 内には、(b)図に示すように、小さな方の
起電力(E2)に打ち勝って水平方向にループを描く電流
(i) が流れる。そして、この電流(i) と印加した静磁場
(H) との相互作用により、高速な吐出流(S1)側の溶湯流
(C1)を減速する電磁力(F1') と、低速な吐出流(S2)側の
溶湯流(S2)を加速する電磁力(F2') とが発生し、付着物
(D')が吐出流(S1),(S2) に与える影響を打ち消す作用が
得られる。また、偏流が上記と逆に発生した場合には、
磁束密度勾配を逆に制御すれば同様の効果が得られる。
【0011】また、上記磁場の最大磁束密度が 0.3〜
1.5Tであることが好ましい。これは、鋳型長辺方向に
静磁場を作用させる場合にあっても、磁束密度が 0.3T
未満では偏流低減効果が弱くて、十分な品質改善効果が
得られず、また 1.5Tを越えて強くしても偏流低減効果
は飽和する。従って、磁束密度の最大値は 0.5〜 1.5T
とすることが好ましく、更には 0.5〜 1.0Tとすること
がより望ましい。
【0012】また、前記磁石の鉛直方向の磁極長さが 1
00〜500mm であることが好ましい。これは、鉛直方向の
磁極長さが 100mm未満では偏流低減効果が弱くて、十分
な品質改善効果が得られない。一方、鉛直方向の磁極長
さを長くするほど効果は大きくなるが、その磁極長さを
長くするためには、浸漬ノズルを長くする必要があり、
反面あまり浸漬ノズルの長さを長くすると閉塞発生率が
増大するという問題が派生する。従って、磁石の鉛直方
向の磁極長さは、 100〜500mm であることが好ましく、
更には 200〜300mm とすることがより望ましい。
【0013】なお、上記本発明での磁場を発生させる磁
石としては、常伝導(水冷銅)電磁石の他、超伝導電磁
石を利用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る注湯装置の実
施の形態を図面を参照して説明する。〔図1〕は、本発
明の実施例1の要部断面図であって、 (a)図は要部の縦
断面図、 (b)図は (a)図のA−A横断面である。なお、
同図において〔図4〕と同じ構成部については同符号を
付して重複説明を避ける。
【0015】〔図1〕に示す本例の注湯装置では、同
(b)図に示すように、コの字状のヨーク(6) の中央部に
コイル(7) を巻回してなる電磁石(5) を、そのヨーク
(6) 先端の対の磁極(5a),(5b) が浸漬ノズル(3) の溶湯
(M) 面上に位置する外周部を所定間隙をおいて対向して
挟むように、配置している。また、この電磁石(5) は、
コイル(7) に流す電流を変化させることで、対の磁極(5
a),(5b) 間に発生する磁場(H) 、つまり浸漬ノズル(3)
を貫通する磁場(H) の磁極密度を制御できるようにされ
ており、また、必要に応じて着脱できるように配置され
ている。
【0016】上記本例の注湯装置により、以下の鋳造条
件で連続鋳造を行った。 (a) 鋳造する金属種;炭素鋼、(b) 鋳型サイズ;短辺 2
40mm、長辺 1260mm 、(c) 鋳造速度; 1.8 m/min、(d)
整流ノズルの長さ; 160mm、(e) 浸漬ノズルのサイズ;
内径 85mm 、長さ 800mm、(f) 磁石の条件;鉛直方向の
磁極長さ 300mm(磁場作用領域は浸漬ノズル部のみ)、
磁束密度 0〜 1.5T(均一磁場)。
【0017】そして本例では、上記条件のもとで、磁場
(H) を鋳型(9) の長辺方向と短辺方向とに作用させた場
合それぞれについて、磁束密度が浸漬ノズル(3) 内の偏
流指数に及ぼす影響を調べた。その結果を〔図7〕のグ
ラフに示す。なお、ここでのノズル内偏流指数とは、鋳
型の長辺方向両側の流速差を、磁場を作用させていない
時の流速差で割った値であり、その値が大きいほど偏流
が大きいことを示す。
【0018】同グラフに示す結果からみると、いずれの
方向に磁場を作用させた場合も、磁束密度を大きくする
ほど偏流低減効果が大きくなるが、同じ偏流低減効果を
得るのに必要な磁束密度は、鋳型の長辺方向の磁場の方
が短辺方向の磁場よりも遙に小さい。これは、静磁場を
鋳型の長辺方向に作用させた方が、同長辺方向の偏流防
止に有効な電流ループが形成されるためである。ここ
で、例えばスラブ連鋳用鋳型のような断面形状が長方形
の鋳型において、その長辺方向と短辺方向との偏流を比
較すると、より弊害が大きいのは長辺方向の偏流である
から、磁場は浸漬ノズルを鋳型長辺方向に貫通するよう
に作用させなければならないことがわかる。
【0019】また、同グラフに明らかなように、鋳型長
辺方向に静磁場を作用させる場合にあっても、磁束密度
が 0.3T未満では偏流低減効果が弱く、十分な品質改善
効果が得られない。一方、磁束密度を 1.5Tより強くし
ても偏流低減効果は飽和してしまう。従って、作用させ
る磁場の磁束密度の最大値は 0.5〜 1.5Tとすることが
好ましく、更には 0.5〜 1.0Tとすることがより望まし
い。
【0020】〔図2〕は、本発明の実施例2の要部縦断
面図である。なお本例は、電磁石の鉛直方向の磁極長さ
が異なる点を除いて前記実施例1と同構成であるので、
ここでは〔図1〕と同じ構成部に同符号を付して重複説
明を避け、差異点のみを要約して説明するものとする。
【0021】〔図2〕に示す本例の注湯装置では、電磁
石(5')の対の磁極(5a'),(5b') の鉛直方向の長さを前記
実施例1よりも長くして、浸漬ノズル(3) と上方の整流
ノズル(2) に鋳型(9) 長辺方向に貫通する磁場(H) を作
用させるようにしている。また、この構成では、保持金
具(4) の外側から磁場(H) を浸透させる必要があること
から、その保持金具(4) は常磁性材(本例では非磁性
鋼)からなるものとしている。
【0022】上記本例の注湯装置により、炭素鋼の連続
鋳造を行った。なお、本例において前記実施例1と異な
る条件は、次の通りである。 磁石の条件;鉛直方向の磁極長さ 100〜 500mm、磁束密
度 0.5T(均一磁場)、磁場は鋳型長辺方向のみに印
加。
【0023】そして本例では、上記磁束密度のもとで磁
極の鉛直方向の長さを上記範囲内で変え、磁場を作用さ
せない場合との比較において、鉛直方向の磁極長さが、
ノズル内偏流指数に及ぼす影響を調べた。その結果を
〔図8〕のグラフに示す。
【0024】同グラフに示すように、鉛直方向の磁極長
さが 100mmでも大きな偏流低減効果が認められるが、更
に長くすると効果が大きくなることがわかる。しかし、
鉛直方向の磁極長さを長くするためには、浸漬ノズルの
長さをより長くする必要があるが、浸漬ノズルをあまり
長くすると閉塞発生率が増大するという問題が派生す
る。従って、磁石の鉛直方向の磁極長さは、 100〜500m
m であることが好ましく、更には 200〜300mm とするこ
とがより望ましい。
【0025】〔図3〕は、本発明の実施例3の要部横断
面図である。なお本例は、電磁石の形態が異なる点を除
いて前記実施例1と同構成であるので、ここでは〔図
1〕と同じ構成部に同符号を付して重複説明を避け、差
異点のみを要約して説明するものとする。
【0026】〔図3〕に示す本例の注湯装置では、電磁
石(5")が、コの字状のヨーク(6) の両腕部に2つのコイ
ル(8),(8')を巻回してなり、その2つのコイル(8),(8')
に流す電流を別々に制御することで、鋳型(9) 長辺方向
の磁場(H) の磁束密度勾配を制御できるようにされてい
る。すなわち、一方(図上の左側)のコイル(8) への電
流を、他の一方(図上の左側)のコイル(8')よりも大き
くすると、図上のヨーク(6) の右側で磁束の漏れが多く
なり、左高右低の磁束密度勾配が生じ、逆に、他の一方
のコイル(8')への電流の方を大きくすると左低右高の磁
束密度勾配が生じる。
【0027】このように、磁束密度勾配を制御できる本
例の注湯装置では、鋳造中の鋳型内偏流を、例えば鋳型
内温度計等で、常時測定し、その偏流測定結果に応じ
て、鋳型(9) 長辺方向の磁束密度勾配を変更して常に偏
流が最小になるようにフイードバック制御を行うことが
可能となる。また、この場合、磁束密度勾配を変更して
も一定限度内に偏流を制御できないほど閉塞が進んだ時
には、浸漬ノズル交換信号を出力するように制御システ
ムを構成することも望ましい実施形態である。
【0028】なお、本発明は、以上に述べた3実施例に
限定されるものでなく、鋳型に注湯するノズル部に鋳型
長辺方向に貫通する磁場を作用させる本発明の要旨を逸
脱しない限り、以上の3実施例とは別の配置構成を採用
されて良いことは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る連続
鋳造用注湯装置は、上流側のスライドバルブの開閉やノ
ズル自体の内壁への付着物によって生じるノズル内偏流
を、鋳型長辺方向に貫通する磁場の作用で自動的に低減
して、鋳型への吐出流を均一に制御でき、よって鋳型内
の溶湯流を安定させて、鋳片に気泡および介在物欠陥や
コーナ割れ等が発生することを確実に防止し、生産速度
と品質とを両立させることができる。また、その偏流低
減効果は、ノズルを鋳型長辺方向に貫通する磁場の作用
によるので、ノズル形状により受動的に流動制御する従
来の浸漬ノズルと異なり、閉塞状況に応じて能動的に流
動を制御できる。また、不活性ガス気泡により能動的に
流動制御する従来の浸漬浸漬ノズルのように、流動制御
用ガスにて品質欠陥が生じるなどの懸念は一切ない。更
に、電磁ブレーキによる従来の型内流動制御装置と異な
り、ノズル部分だけに磁場を作用させるため、磁場作用
空間が小さく、かつ磁極間距離が小さくなるので、磁気
抵抗も小さくなり、しかも磁場を透過させるノズルは通
常、電気伝導度が小さい常磁性材からなるので、鋳型銅
板のような大きな磁場減衰は生じず、従来の型内流動制
御装置に比べ、遙にコンパクトな磁石によって、十分な
偏流減衰効果が得られ、加えて、磁石は鋳型と完全に分
離して設けるので、鋳型の数だけ磁石を備える必要がな
く、これらのことにより装置構成を簡易化して設備費を
低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る注湯装置の実施例1の要部断面図
であって、 (a)図は要部の縦断面図、 (b)図は (a)図の
A−A横断面である。
【図2】本発明に係る注湯装置の実施例2の要部縦断面
図である。
【図3】本発明に係る注湯装置の実施例3の要部横断面
図である。
【図4】本発明に関わる磁場によるノズル内偏流低減作
用の説明図であって、 (a)図は縦断面図、 (b)図は (a)
図のA−A横断面である。
【図5】本発明に関わる磁場の磁束密度勾配の制御によ
るノズル内偏流低減作用の説明図であって、 (a)図は縦
断面図、 (b)図は (a)図のA−A横断面である。
【図6】本発明に関わるノズル内偏流と吐出角度との関
係を示す図であって、 (a)図は磁場なしの場合、 (a)図
は磁場を作用させた場合それぞれでの数値解析によるシ
ミュレーション図である。
【図7】本発明に関わる磁場の磁束密度とノズル内偏流
指数との関係を異なる磁場方向で対比して示すグラフで
ある。
【図8】本発明に関わる磁石の鉛直方向の磁極長さとノ
ズル内偏流指数との関係を示すグラフである。
【図9】従来の注湯装置の浸漬ノズルおよび型内流動制
御装置の概要構成を示す図面であって、 (a)図はノズル
形状により受動的に流動制御する浸漬ノズルの例を示す
縦断面図、 (b)図はAr気泡により能動的に流動制御する
浸漬ノズルの例を示す縦断面図、 (c)図は電磁ブレーキ
により溶湯速度を制御する型内流動制御装置の例を示す
上面図である。
【符号の説明】
(1) --スライドバルブ、(2) --整流ノズル、(3) --浸漬
ノズル、(3a),(3b) --吐出口、(4) --保持金具、(5) --
電磁石、(5a),(5b) --磁極、(5')--電磁石、(5a'),(5
b') --磁極、(5")--電磁石、(6) --ヨーク、(7) --コイ
ル、(8),(8')--コイル、(9) --鋳型、(C1),(C2) --溶湯
流、(D),(D')--付着物、(E1),(E2) --起電力、(F1),
(F1'),(F2),(F2') --電磁力、(H) --磁場、(i) --電
流、(M) --溶湯、(S1),(S2) --吐出流。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平断面形状が長方形状の鋳型の中央部
    に、対称2方向に開口する吐出口を下端部に有する浸漬
    ノズルを浸漬させ、この浸漬ノズルの吐出口から鋳型長
    辺双方向に溶湯を吐出させて注湯する連続鋳造用注湯装
    置において、前記浸漬ノズルの溶湯面上に位置する外周
    部に、該浸漬ノズルを鋳型長辺方向に貫通する静磁場な
    いしは低周波交流磁場を発生する磁石を配したことを特
    徴とする連続鋳造用注湯装置。
  2. 【請求項2】 前記磁石が、発生する磁場の鋳型長辺方
    向の磁束密度勾配を制御可能とされている請求項1記載
    の連続鋳造用注湯装置。
  3. 【請求項3】 前記磁場の最大磁束密度が 0.3〜 1.5T
    である請求項1または2記載の連続鋳造用注湯装置。
  4. 【請求項4】 前記磁石の鉛直方向の磁極長さが 100〜
    500mm である請求項1、2または3記載の連続鋳造用注
    湯装置。
JP22372196A 1996-08-26 1996-08-26 連続鋳造用注湯装置 Pending JPH1058098A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22372196A JPH1058098A (ja) 1996-08-26 1996-08-26 連続鋳造用注湯装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22372196A JPH1058098A (ja) 1996-08-26 1996-08-26 連続鋳造用注湯装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1058098A true JPH1058098A (ja) 1998-03-03

Family

ID=16802646

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22372196A Pending JPH1058098A (ja) 1996-08-26 1996-08-26 連続鋳造用注湯装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1058098A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112105469A (zh) * 2018-07-17 2020-12-18 日本制铁株式会社 铸模设备及连续铸造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112105469A (zh) * 2018-07-17 2020-12-18 日本制铁株式会社 铸模设备及连续铸造方法
CN112105469B (zh) * 2018-07-17 2022-04-15 日本制铁株式会社 铸模设备及连续铸造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100376504B1 (ko) 연속주조방법및이에이용되는연속주조장치
KR100641618B1 (ko) 전자기장을 사용하여 연속 주조중의 금속흐름을 제어하는방법 및 장치
AU716170B2 (en) Magnetic brake apparatus for continuous casting mold and continuous casting method using the same
JPH1058098A (ja) 連続鋳造用注湯装置
JPS63154246A (ja) 静磁場を用いる鋼の連続鋳造方法
JPH0810917A (ja) 溶融金属の連続鋳造方法およびその装置
JP3253012B2 (ja) 連続鋳造用鋳型の電磁ブレーキ装置及びそれを用いた連続鋳造方法
WO1999011404A1 (en) Method and device for continuous or semi-continuous casting of metal
JPS63104758A (ja) 連続鋳造の湯面制御方法
JP6036144B2 (ja) 連続鋳造方法
RU2419508C2 (ru) Перемешивающее устройство
JPS63140745A (ja) 連続鋳造用タンデイツシユ
JPH0471759A (ja) 溶融金属の流動制御方法
JP3491099B2 (ja) 静磁場を用いた鋼の連続鋳造方法
JP2887625B2 (ja) 連続鋳造装置
JP2008178884A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP3039346B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造装置
JPH07136747A (ja) ブルームの連続鋳造方法およびその装置
JPH04251660A (ja) 溶鋼中介在物の除去方法及びその装置
JPH09277006A (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
JPH03118949A (ja) 連続鋳造方法及び装置
KR960007626B1 (ko) 연속주조 주형의 전자기 브레이킹 장치
JPH09192803A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JPH10328791A (ja) 連続鋳造用鋳型の電磁ブレーキ装置及びそれを用いた連続鋳造方法
JP2004082197A (ja) 連続鋳造方法およびスライディングノズル