JPH1057804A - 浄水発生土から製造するリン酸、砒素、フッ素吸着材 およびその製造方法 - Google Patents

浄水発生土から製造するリン酸、砒素、フッ素吸着材 およびその製造方法

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JPH1057804A
JPH1057804A JP25367396A JP25367396A JPH1057804A JP H1057804 A JPH1057804 A JP H1057804A JP 25367396 A JP25367396 A JP 25367396A JP 25367396 A JP25367396 A JP 25367396A JP H1057804 A JPH1057804 A JP H1057804A
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JP
Japan
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phosphoric acid
soil
arsenic
fluorine
mixing
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JP25367396A
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English (en)
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Tomotaka Yanagida
友隆 柳田
Youshiyuu Kou
耀宗 江
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Createrra Inc
Original Assignee
Createrra Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浄水発生土が高いリン酸、砒素、フッ素吸着
能力を持っている利点を生かすとともに、大量の有機物
を含む欠点を克服することによって、リン酸、砒素、フ
ッ素吸着能力およびその持続力が高い水質浄化用リン
酸、砒素、フッ素吸着材得ることおよびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 浄水発生土に対し、過酸化水素或いは過
酸化カルシウムを添加、浸漬、噴霧する工程、または鉄
塩、アルミニウム塩、カルシウム塩から選ばれる1種以
上を添加する工程および土壌を添加する工程を、その
後、成形し、焼成する工程に単独もしくは組み合わせて
製造する高性能リン酸、砒素、フッ素吸着材およびその
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理水中のリン
酸、砒素、フッ素を吸着固定し,その濃度を低減するこ
とにより河川や湖沼などの水質浄化に寄与するリン酸、
砒素、フッ素吸着材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】河川や湖沼などの汚染源としては、各家
庭から排出される雑排水や小規模工場の排水などが大き
な比重を占めている。それらの排水に含有されているリ
ン酸や窒素や砒素やフッ素が河川や湖沼などの汚染や悪
臭の原因となっている。
【0003】汚染源となっている雑排水や工場排水など
の河川や湖沼などへの流入を阻止するためには、早急な
下水設備および下水処理場の設置が望まれる。しかし、
これらの設置には、用地確保や莫大な建設費用の問題に
加え、仮に建設に着手したとしても実際に稼働するまで
に長い年月を要するため、その間にも継続する汚染を防
止することが問題となる。また、より簡便で安価な合併
浄化槽などを家庭や小規模地域ごとに設置することも考
えられる。しかし、一般家庭においては設置費用が高額
となり,都市圏においては設置場所の確保自体が困難と
なる。したがって、工場排水や雑排水などの河川や湖沼
などへの流入を完全に阻止することは、当分の間は不可
能であるというのが現状である。
【0004】一方、河川や湖沼の自然水域などは本来的
に自浄作用を有している。このため、汚染物量を減少さ
せてやれば自然水域に対する負荷が軽減され、前記自浄
作用が発揮されることにより水質浄化が達成されること
が期待される。
【0005】なお、リン酸、砒素、フッ素イオンが陰イ
オンであり、吸着機構がほぼ同様であるため、以下では
リン酸を例として記述する。砒素、フッ素の吸着につい
ては実施例で説明する。
【0006】このような考えの下に、水中のリン酸濃度
を低下させるべく、従来より各種のリン酸吸着材が開発
されてきている。例えば、特公昭63−39308号公
報、特開平2−95490号公報、特公平4−3775
6号公報には、鉄塩或いはアルミニウム塩を使用してリ
ン酸を吸着させる方法が記載されている。しかし、これ
らの発明は、リン酸を吸着して生成する懸濁物質(リン
酸鉄又はリン酸アルミニウム)を処理水中から除去する
後処理が必要となるため、工数が増加し、煩雑となる。
さらに、鉄イオンやアルミニウムイオンが吸着材から速
やかに水中に溶出してしまうため、効果の持続性が低
い。
【0007】また、特開平6−304472号公報に
は、土壌に対し鉄塩或いはアルミニウム塩の添加、焼成
により高性能リン酸吸着材を得る方法が記載されてい
る。これらの従来の製造技術では、原料となる土壌がリ
ン酸吸収係数が高い土壌に制限される傾向があり、それ
らの資源が限られている。より多様な原料に適用できる
技術の開発が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】浄水発生土は浄水製造
過程に硫酸バンドやポリ塩化アルミニウムを凝集剤とし
て添加し、源水に浮遊する粘土粒子や植物遺体を凝集沈
澱し、沈澱物を加圧脱水して発生したものである。現
在、全国で年間30万トン以上排出されている。一般的
に産業廃棄物として処分されているのが現状である。
【0009】浄水発生土に大量の水酸化アルミニウムが
含有されているので、リン酸吸着力は極めて高い。しか
し、浄水発生土は大量の有機物を含んでいるため、浄水
発生土に通水すると、水中に有機物を大量に溶出し、水
中のCOD,アンモニウム態窒素、硝酸態窒素が増加
し、新しい汚染源となる。したがって、これらを取り除
かないかぎり水質浄化用リン酸吸着材として利用するこ
とができない。
【0010】そこで本発明は、現在も汚染され続けてい
る河川や湖沼、とくに閉鎖水域である湖沼の水質浄化
を、それが有する自浄作用を発揮しやすくすることによ
って達成するため、浄水発生土が有する高いリン酸吸着
能力を生かしつつ、大量の有機物を含む欠点を克服する
ことによって、リン酸の吸着能力およびその持続力が高
い水質浄化用リン酸、砒素、フッ素吸着材を得ることお
よびその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、浄水発生土を
成形し、焼成する工程を具備することを特徴とするリン
酸、砒素、フッ素吸着材およびその製造方法により上記
課題を解決するものである。
【0012】また、本発明は、浄水発生土を成形し、焼
成する工程、その後、過酸化水素を浸漬もしくは噴霧な
どすることにより、反応させる工程を具備することを特
徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着材およびその製造方
法により上記課題を解決するものである。
【0013】また、本発明は、浄水発生土に過酸化水素
を加えて混合する工程、その後、成形し、焼成する工程
を具備することを特徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着
材およびその製造方法により上記課題を解決するもので
ある。
【0014】また、本発明は、浄水発生土に過酸化カル
シウムを加えて混合する工程、その後、成形し、焼成す
る工程を具備することを特徴とするリン酸、砒素、フッ
素吸着材およびその製造方法により上記課題を解決する
ものである。
【0015】また、本発明は、 浄水発生土に鉄塩,ア
ルミニウム塩、カルシウム塩から選ばれる1種以上を加
えて混合する工程、その後、成形し、焼成する工程を具
備することを特徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着材お
よびその製造方法により上記課題を解決するものであ
る。
【0016】また、本発明は、 浄水発生土に鉄塩,ア
ルミニウム塩、カルシウム塩から選ばれる1種以上を加
えて混合する工程、次に成形し、焼成する工程、その
後、過酸化水素を浸漬もしくは噴霧などすることによ
り、反応させる工程を具備することを特徴とするリン
酸、砒素、フッ素吸着材およびその製造方法により上記
課題を解決するものである。
【0017】また、本発明は、 浄水発生土に鉄塩,ア
ルミニウム塩、カルシウム塩から選ばれる1種以上を加
えて混合する工程、次に過酸化水素を加えて混合する工
程、その後、成形し、焼成する工程を具備することを特
徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着材およびその製造方
法により上記課題を解決するものである。
【0018】また、本発明は、 浄水発生土に鉄塩,ア
ルミニウム塩、カルシウム塩から選ばれる1種以上を加
えて混合する工程、次に過酸化カルシウムを加えて混合
する工程、その後、成形し、焼成する工程を具備するこ
とを特徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着材およびその
製造方法により上記課題を解決するものである。
【0019】上記各発明のリン酸、砒素、フッ素吸着材
およびその製造方法において、成形前の原料混合物に土
壌を混合する工程、その後、成形し、焼成する工程を具
備することを特徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着材お
よびその製造方法により上記課題を解決するものであ
る。
【0020】以下において、各リン酸、砒素、フッ素吸
着材およびその製造方法を上記の順序にしたがい説明す
る。それぞれの発明において原料とする浄水発生土を単
独で又は土壌など2種以上を組み合わせて原料とするこ
ともできる。
【0021】まず、請求項1に記載の発明(以下、便宜
的に「第1発明」と称する)について説明する。第1工
程は、浄水発生土に対し、有機物、窒素を除去するとと
もに,リン酸、砒素、フッ素吸着力を維持および向上さ
せる目的で、所望の形状に成形し,焼成する工程であ
る。成形方法はその形状に応じて適宜選択することがで
きる。なお、成形工程およびそれに至る混合操作におい
て、それらの作業性を容易にするため、適宜必要量の水
を加えることができる。
【0022】焼成条件は、200〜800℃で、2〜6
0分間であることが好ましく、とくに600〜700℃
で、5〜20分間であることが好ましい。
【0023】次に、請求項2に記載の発明について説明
する。まず、第1工程は、浄水発生土を成形し、焼成す
る工程である。この工程の処理は上記第1発明の第1工
程と同様に行うことができる。
【0024】第2工程は、第1工程で作られた焼成物に
過酸化水素を浸漬もしくは噴霧などすることにより、反
応させる工程である。過酸化水素浸漬液量は、焼成物1
00重量部(乾物重換算)に対して30%過酸化水素6
0〜90容積部であることが好ましい。過酸化水素噴霧
量は、焼成物100重量部(乾物重換算)に対して10
〜35容積部であることが好ましい。なお、焼成直後の
熱い段階で浸漬もしくは噴霧するほうが好ましい。
【0025】次に、請求項3および請求項4に記載の発
明について説明する。まず、第1工程は、浄水発生土に
過酸化水素或いは過酸化カルシウムを添加して混合する
工程である。この添加量は浄水発生土の有機物含量の多
少によって決定する。過酸化水素の添加量は、100重
量部(乾物重換算)に対して30%過酸化水素0.1〜
20容積部であることが好ましい。過酸化カルシウムの
添加量は、100重量部(乾物重換算)に対して0.1
〜40重量部であることが好ましい。
【0026】第2工程は、成形し、焼成する工程であ
る。この工程の処理は上記第1発明の第1工程と同様に
行うことができる。
【0027】次に、請求項5に記載の発明について説明
する。まず、第1工程は、浄水発生土に鉄塩或いはアル
ミニウム塩或いはカルシウム塩を加えて混合する工程で
ある。ただし、鉄塩の添加量は、100重量部(乾物重
換算)に対して1〜30重量部であることが好ましい。
アルミニウム塩の添加量は、100重量部(乾物重換
算)に対して1〜30重量部であることが好ましい。カ
ルシウム塩の添加量は、100重量部(乾物重換算)に
対して1〜30重量部であることが好ましい。
【0028】第2工程は、成形し,焼成する工程であ
る。この工程の処理は上記第1発明の第1工程と同様に
行うことができる。
【0029】次に、請求項6に記載の発明について説明
する。まず、第1工程は、浄水発生土に鉄塩或いはアル
ミニウム塩或いはカルシウム塩を加えて混合する工程で
ある。上記の請求項5の第1工程と同様に行うことがで
きる。
【0030】第2工程は、成形し、焼成する工程であ
る。この工程の処理は上記第1発明の第1工程と同様に
行うことができる。
【0031】第3工程は、第1、2工程で作られた焼成
物に過酸化水素を浸漬もしくは噴霧などすることによ
り、反応させる工程である。上記の請求項2の第2工程
と同様に行うことができる。
【0032】次に、請求項7および請求項8に記載の発
明について説明する。まず、第1工程は、浄水発生土に
鉄塩或いはアルミニウム塩或いはカルシウム塩を加えて
混合する工程である。上記の請求項5の第1工程と同様
に行うことができる。
【0033】第2工程は、浄水発生土に過酸化水素或い
は過酸化カルシウムを加えて混合する工程である。上記
の請求項3および請求項4の第1工程と同様に行うこと
ができる。
【0034】第3工程は、成形し、焼成する工程であ
る。この工程の処理は上記第1発明の第1工程と同様に
行うことができる。
【0035】次に、請求項9に記載の発明について説明
する。上記した請求項1乃至請求項8に記載のリン酸、
砒素、フッ素吸着材およびその製造方法において、成形
前の原料混合物に土壌を加えるほかは、各発明と同様に
行う。
【0036】土壌の添加量は、リン酸、砒素、フッ素吸
着力および粘性を高めるため、成形前の原料100重量
部(乾物重換算)に対して1〜30重量部であることが
好ましい。
【0037】このような各製造方法により得られるリン
酸、砒素、フッ素吸着材の形状や大きさはとくに制限さ
れるものではなく、使用方法に応じて適宜選択すること
ができる。例えば、ブロック状に焼結し、湖沼底に敷設
したりすることもできる。しかし、通常は取扱の容易さ
や水との接触面積を大きくするため、粒径が0.6〜5
mmの球形の粒状物であることが好ましい。また、より
一層水との接触面積を大きくするため、孔隙率が60〜
80%の範囲の多孔質であることが好ましい。
【0038】本発明の製造方法により得られるリン酸、
砒素、フッ素吸着材は、そのままで水質浄化材として使
用することができ、さらに必要に応じて適当な容器に充
填したり、担体に担持させたりしても使用することがで
きる。このようなリン酸、砒素、フッ素吸着材は、直接
被処理水、例えば、湖沼などの中に投入することによ
り、そこに含まれているリン酸、砒素、フッ素を吸着固
定する。また、例えばカラム状の容器に充填して用いれ
ば、リン酸、砒素、フッ素吸着材と同時にろ過材として
も使用することができる。さらにこのリン酸、砒素、フ
ッ素吸着材は、水中の懸濁物質の凝集剤としても使用す
ることができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0040】実施例1〜10および比較例1 浄水発生土をミキサーで混練しながら、押し出して直径
3.0mm、長さ約5mmの円柱状体を作成した。乾燥
後、自動温度調節式電気炉の中において、100〜10
00℃で20分間焼成した。このようにして得られた吸
着材は多孔質な球形の粒状物である。
【0041】次に、得られた吸着材を用い、リン酸の吸
着率、有機物含量、全窒素含量、化学的酸素消費量の試
験を行った。それらの結果を表1に示す。
【0042】リン酸吸着率の試験方法は、リン酸アンモ
ニウム液法に準じて行った。リン酸吸着材2.5gを
250mlの三角フラスコにとり、2.5%リン酸アン
モニウム水溶液100mlを加え、ときどき振り混ぜな
がら室温で24時間放置した。その後、乾燥濾紙でろ過
し、ろ液を分光光度計を用いて波長440nmの吸光度
を測定した。この測定値からリン酸吸着材1g当たりの
リン酸吸着量を求め、さらに前記リン酸吸着量の初期リ
ン酸量に対する百分率を求め、それをリン酸吸着率とし
た。 *土壌標準分析・測定法委員会編:土壌標準分析・測定
法,博友社,東京(1986)
【0043】有機物含量の試験方法は、チューリン法
に準じて行った。 *土壌標準分析・測定法委員会編:土壌標準分析・測定
法,博友社,東京(1986)
【0044】全窒素含量の試験方法は、ケルダール法
に準じて行った。 *土壌標準分析・測定法委員会編:土壌標準分析・測定
法,博友社,東京(1986)
【0045】化学的酸素消費量の試験方法は、JIS
K0102*100℃における過マンガン酸カリウムに
よる)に準じて行った。なお、流出水は、流水速度SV
=0.6で、24時間の全流出液を試料とした。 *日本工業標準調査会 審議編:工業排水試験方法JI
SK0102,p.41〜43,日本規 東京(199
3)
【0046】
【表1】
【0047】表1に示したように実施例1〜5における
リン酸吸着率は比較例1よりもやや増加したが、実施例
6〜10におけるリン酸吸着率は比較例1よりも低下し
た。また、実施例1〜10における有機物含量、全窒素
含量、化学的酸素消費量は比較例1よりも顕著に低下し
た。リン酸の吸着率、有機物含量、全窒素含量、化学的
酸素消費量の面から総合的に考察すると、実施例6〜7
が水質浄化材として優れた結果が得られた。
【0048】実施例11〜12および比較例2 浄水発生土をミキサーで混練しながら、押し出して直径
3.0mm、長さ約5mmの円柱状体を作成した。乾燥
後、自動温度調節式電気炉の中において、600℃で2
0分間焼成した。その後、焼成物100g(乾物重換
算)を30%過酸化水素80mlに10分間浸漬し、乾
燥した。また、焼成物100g(乾物重換算)を30%
過酸化水素25mlで噴霧し、乾燥した。このようにし
て得られた吸着材は多孔質な球形の粒状物である。
【0049】次に、得られた吸着材を用い、実施例1と
同様にしてリン酸の吸着率、有機物含量、全窒素含量、
化学的酸素消費量の試験を行った。それらの結果を表2
に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2に示したように実施例11〜12にお
けるリン酸吸着率は比較例2よりもやや低下したが、実
施例11〜12における有機物含量、全窒素含量、化学
的酸素消費量は比較例2よりも顕著に低下した。リン酸
の吸着率、有機物含量、全窒素含量、化学的酸素消費量
の面から総合的に考察すると、実施例11〜12が水質
浄化材として優れており、とくに実施例11が優れてい
た結果が得られた。
【0052】実施例13〜14および比較例3 浄水発生土にそれぞれ過酸化水素或いは過酸化カルシウ
ムを添加し、ミキサーで混練しながら、押し出して直径
3.0mm、長さ約5mmの円柱状体を作成した。乾燥
後、自動温度調節式電気炉の中において、600℃で2
0分間焼成した。なお、過酸化水素の添加量は、浄水発
生土100g(乾物重換算)に30%過酸化水素20m
lを添加した。過酸化カルシウムの添加量は、浄水発生
土100g(乾物重換算)に過酸化カルシウム40gを
添加した。このようにして得られた吸着材は多孔質な球
形の粒状物である。
【0053】次に、得られた吸着材を用い、実施例1と
同様にしてリン酸の吸着率、有機物含量、全窒素含量、
化学的酸素消費量の試験を行った。それらの結果を表3
に示す。
【0054】
【表3】
【0055】表3に示したように実施例13〜14にお
けるリン酸吸着率は比較例3よりもやや低下したが、実
施例13〜14における有機物含量、全窒素含量、化学
的酸素消費量は比較例3よりも顕著に低下し、とくに有
機物含量、全窒素含量がゼロ近くになった。リン酸の吸
着率、有機物含量、全窒素含量、化学的酸素消費量の面
から総合的に考察すると、実施例13〜14が水質浄化
材として優れており、とくに実施例13が優れていた結
果が得られた。
【0056】実施例15〜17および比較例4 浄水発生土にそれぞれ鉄塩或いはアルミニウム塩或いは
カルシウム塩を添加し、ミキサーで混練しながら、押し
出して直径3.0mm、長さ約5mmの円柱状体を作成
した。乾燥後、自動温度調節式電気炉の中において、6
00℃で20分間焼成した。なお、鉄塩の添加量は、浄
水発生土100g(乾物重換算)に硫酸第一鉄3gを添
加した。アルミニウム塩の添加量は、浄水発生土100
g(乾物重換算)に硫酸アルミニウム3gを添加した。
カルシウム塩は、浄水発生土100g(乾物重換算)に
硫酸カルシウム3gを添加した。このようにして得られ
た吸着材は多孔質な球形の粒状物である。
【0057】次に、得られた吸着材を用い、実施例1と
同様にしてリン酸の吸着率、有機物含量、全窒素含量、
化学的酸素消費量の試験を行った。それらの結果を表4
に示す。
【0058】
【表4】
【0059】表4に示したように実施例15〜17にお
けるリン酸吸着率は比較例4よりも増加した。実施例1
5〜17における有機物含量、全窒素含量、化学的酸素
消費量は比較例4よりも低下した。リン酸の吸着率、有
機物含量、全窒素含量、化学的酸素消費量の面から総合
的に考察すると、実施例15〜17が水質浄化材として
優れていた結果が得られた。
【0060】実施例18〜26および比較例5 浄水発生土にそれぞれ鉄塩或いはアルミニウム塩或いは
カルシウム塩を添加し、ミキサーで混練しながら、押し
出して直径3.0mm、長さ約5mmの円柱状体を作成
した。乾燥後、自動温度調節式電気炉の中において、6
00℃で20分間焼成した。その後、過酸化水素を用
い、浸漬或いは噴霧処理をし、乾燥した。このようにし
て得られた吸着材は多孔質な球形の粒状物である。な
お、過酸化水素の浸漬或いは噴霧量は実施例11〜12
と同様、鉄塩、アルミニウム塩、カルシウム塩の添加量
は、実施例15〜17と同様に行った。
【0061】次に、得られた吸着材を用い、実施例1と
同様にしてリン酸の吸着率、有機物含量、全窒素含量、
化学的酸素消費量の試験を行った。それらの結果を表5
に示す。
【0062】
【表5】
【0063】表5に示したように実施例18〜26にお
けるリン酸吸着率は比較例5よりも増加した。実施例1
8〜26における有機物含量、全窒素含量、化学的酸素
消費量は比較例5よりも低下した。リン酸の吸着率、有
機物含量、全窒素含量、化学的酸素消費量の面から総合
的に考察すると、実施例18〜26が水質浄化材として
優れていた結果が得られた。
【0064】実施例27〜33および比較例6、7 浄水発生土にそれぞれ鉄塩或いはアルミニウム塩或いは
カルシウム塩を添加してから、過酸化水素或いは過酸化
カルシウムを添加し、ミキサーで混練しなから、押し出
して直径3.0mm、長さ約5mmの円柱状体を作成し
た。乾燥後、自動温度調節式電気炉の中において、60
0℃で20分間焼成した。このようにして得られた吸着
材は多孔質な球形の粒状物である。なお、過酸化水素或
いは過酸化カルシウムの添加量は実施例13〜14と同
様に、鉄塩、アルミニウム塩、カルシウム塩の添加量
は、実施例15〜17と同様に行った。
【0065】次に、得られた吸着材を用い、実施例1と
同様にしてリン酸の吸着率、有機物含量、全窒素含量、
化学的酸素消費量の試験を行った。それらの結果を表6
に示す。
【0066】
【表6】
【0067】表6に示したように実施例27〜30にお
けるリン酸吸着率は比較例6よりも増加した。実施例2
7〜30における有機物含量、全窒素含量、化学的酸素
消費量は比較例6とほぼ同程度であった。実施例31〜
33におけるリン酸吸着率は比較例7よりも増加した。
実施例31〜33における有機物含量は比較例7よりも
低下したが、全窒素含量、化学的酸素消費量は比較例7
とほぼ同程度であった。リン酸の吸着率、有機物含量、
全窒素含量、化学的酸素消費量の面から総合的に考察す
ると、実施例27〜30および実施例31〜33が水質
浄化材として優れていた結果が得られた。
【0068】実施例34〜36および比較例8 浄水発生土にそれぞれ鉄塩或いはアルミニウム塩或いは
カルシウム塩を添加してから、土壌を添加した。その
後、過酸化水素或いは過酸化カルシウムを添加し、ミキ
サーで混練しながら、押し出して直径3.0mm、長さ
約5mmの円柱状体を作成した。乾燥後、自動温度調節
式電気炉の中において、600℃で20分間焼成した。
このようにして得られた吸着材は多孔質な球形の粒状物
である。なお、土壌の添加量は、浄水発生土100g
(乾物重換算)に火山灰土壌10gを添加した。過酸化
水素或いは過酸化カルシウムの添加量は実施例13〜1
4と同様に、鉄塩、アルミニウム塩、カルシウム塩の添
加量は、実施例15〜17と同様に行った。
【0069】次に、得られた吸着材を用い、実施例1と
同様にしてリン酸の吸着率、有機物含量、全窒素含量、
化学的酸素消費量の試験を行った。それらの結果を表7
に示す。
【0070】
【表7】
【0071】表7に示したように実施例34〜36にお
けるリン酸吸着率は比較例8よりも増加した。実施例3
4〜36における有機物含量、全窒素含量、化学的酸素
消費量は比較例8よりも低下した。リン酸の吸着率、有
機物含量、全窒素含量、化学的酸素消費量の面から総合
的に考察すると、実施例34〜36が水質浄化材として
優れていた結果が得られた。
【0072】実施例37〜38および比較例9、10 実施例6で作られた吸着材を用い、砒素の吸着試験を行
った。吸着材10gに0.57ppm、1.11ppm
の砒素溶液を200ml添加し、10分間振蕩した。1
5分間、30分間、60分間にサンプリングし、砒素濃
度を測定した。それらの結果を表8に示す。
【0073】砒素の試験方法は、JIS K0102*
のジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法に準じて行
った。 *日本工業標準調査会 審議編:工業排水試験方法JI
S K0102、P.246〜247、日本規格協会、
東京(1993)。
【0074】
【表8】
【0075】表8に示したように実施例37〜38にお
ける砒素の吸着能力は低濃度、高濃度とも著しく高く、
短時間に吸着できることに明らかになった。実施例37
〜38が水質浄化材として優れていた結果が得られた。
【0076】実施例38〜40および比較例10、11 実施例6で作られた吸着材を用い、フッ素の吸着試験を
行った。吸着材1gに1.0ppm、10.0ppmの
フッ素溶液を100ml添加し、10分間振蕩した。そ
の後、ろ過してフッ素濃度を測定した。それらの結果を
表9に示す。
【0077】フッ素の試験方法は、JIS K0102
*のイオン電極法に準じて行った。 *日本工業標準調査会 審議編:工業排水試験方法JI
S K0102、P.113〜115、日本規格協会、
東京(1993)。
【0078】
【表9】
【0079】表9に示したように実施例39〜40にお
けるフッ素の吸着能力は低濃度、高濃度とも著しく高
く、短時間に吸着できることに明らかになった。実施例
39〜40が水質浄化材として優れていた結果が得られ
た。
【0080】
【発明の効果】本発明による浄化発生土から製造するリ
ン酸、砒素、フッ素吸着材は、リン酸、砒素、フッ素の
吸着、固定能力が優れており,有機物、全窒素、COD
含量も除去されている。また、ろ過剤や凝集剤としても
使用することができる。さらに水中で崩壊して懸濁した
りすることもないので効果が長期間持続し、河川、湖沼
などの水質浄化材として非常に有用である。また、本発
明の使用する原料の浄水発生土は産業廃棄物であり、廃
棄物量を低減し、有効利用ができるとともにリン酸、砒
素、フッ素吸着材の製造コストの低下に資することがで
きる。このようなリン酸、砒素、フッ素吸着材を河川、
湖沼の水質浄化に適用することにより、リン酸、砒素、
フッ素の負荷が低減されるため、自然水域が本来的に有
している自浄能力が発揮され、それにより所望の水質浄
化の達成が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/28 C02F 1/28 L 11/00 11/00 M C

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄水工程で発生する浄水発生土(浄水ケ
    ーキ又は浄水汚泥)を成形し、焼成する工程を具備する
    ことを特徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着材およびそ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 浄水発生土を成形し、焼成する工程、そ
    の後、過酸化水素を浸漬もしくは噴霧などすることによ
    り、反応させる工程を具備することを特徴とするリン
    酸、砒素、フッ素吸着材およびその製造方法。
  3. 【請求項3】 浄水発生土に過酸化水素を加えて混合す
    る工程、その後、成形し、焼成する工程を具備すること
    を特徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着材およびその製
    造方法。
  4. 【請求項4】 浄水発生土に過酸化カルシウムを加えて
    混合する工程、その後、成形し、焼成する工程を具備す
    ることを特徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着材および
    その製造方法。
  5. 【請求項5】 浄水発生土に鉄塩、アルミニウム塩、カ
    ルシウム塩から選ばれる1種以上を加えて混合する工
    程、その後、成形し、焼成する工程を具備することを特
    徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着材およびその製造方
    法。
  6. 【請求項6】 浄水発生土に鉄塩,アルミニウム塩、カ
    ルシウム塩から選ばれる1種以上を加えて混合する工
    程、次に成形し、焼成する工程、その後、過酸化水素を
    浸漬もしくは噴霧などすることにより、反応させる工程
    を具備することを特徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着
    材およびその製造方法。
  7. 【請求項7】 浄水発生土に鉄塩,アルミニウム塩、カ
    ルシウム塩から選ばれる1種以上を加えて混合する工
    程、次に過酸化水素を加えて混合する工程、その後、成
    形し、焼成する工程を具備することを特徴とするリン
    酸、砒素、フッ素吸着材およびその製造方法。
  8. 【請求項8】 浄水発生土に鉄塩,アルミニウム塩、カ
    ルシウム塩から選ばれる1種以上を加えて混合する工
    程、次に過酸化カルンウムを加えて混合する工程、その
    後、成形し、焼成する工程を具備することを特徴とする
    リン酸、砒素、フッ素吸着材およびその製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8項に記載のリン酸、砒
    素、フッ素吸着材およびその製造方法において、成形前
    の原料混合物に土壌を混合する工程を具備することを特
    徴とするリン酸、砒素、フッ素吸着材およびその製造方
    法。
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