JPH1057672A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗濯物載置用ネットによりパルセーターが洗
濯物を攪拌しないで洗濯を行う洗濯機において、衣類に
機械力を加えることなく、傷めずむらなく汚れを落と
し、むらなくすすぐことができるようにする。 【解決手段】 洗濯兼脱水槽４の内底部にパルセーター
５を配設し、洗濯兼脱水槽４の側壁の高さ方向の途中に
略水平方向に洗濯物載置用ネット９を設ける。この洗濯
物載置用ネット９は、略中央部をパルセーター５の略中
央部に着脱可能に取り付け、パルセーター５の回転によ
る水流の勢いで回転可能としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯物載置用ネッ
トによりパルセーターが洗濯物（衣類）を攪拌しないで
洗濯を行う洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の洗濯方式を、パルセーター式洗濯
機を例に挙げて説明すると、底部にパルセーターを備え
た洗濯槽に洗濯物（衣類）を投入した後、所定量の水と
洗剤を投入し、パルセーターを回転させることによっ
て、洗濯物と洗剤液を攪拌し、洗濯物同士の摩擦や、洗
濯物と洗濯槽の内壁およびパルセーターとの摩擦によっ
て、汚れの除去を行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このパルセーター式で
は、洗濯物（衣類）の種類によっては、摩擦により衣類
表面の毛羽立ちやほつれが生じたり、また、衣類をまん
べんなく洗い、すすぐために、パルセーターの回転によ
り、衣類を攪拌し位置を変える必要があるので、衣類同
士が絡み、伸びや型くずれなど衣類を損傷させてしまう
といった問題を有しており、衣類に機械力を加えて傷め
ることなく、まんべんなく洗い、すすぐことが要求され
ている。

【０００４】本発明は、衣類に機械力を加えることな
く、傷めずむらなく汚れを落とし、むらなくすすぐこと
を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、洗濯槽の内底部にパルセーターを配設し、
洗濯槽の側壁の高さ方向の途中に略水平方向に洗濯物載
置用ネットを設け、この洗濯物載置用ネットは、略中央
部をパルセーターの略中央部に着脱可能に取り付け、パ
ルセーターの回転による水流の勢いで回転可能としたも
のである。

【０００６】これにより、パルセーターの回転による水
流の勢いでネットが衣類を載せたまま回転するので、衣
類に機械力を加えることなく、傷めずむらなく汚れを落
とし、むらなくすすぐことができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、洗濯槽の内底部に配設したパルセーターと、前記洗
濯槽の側壁の高さ方向の途中に略水平方向に設けた洗濯
物載置用ネットとを備え、前記洗濯物載置用ネットは、
略中央部を前記パルセーターの略中央部に着脱可能に取
り付け、パルセーターの回転による水流の勢いで回転可
能としたものであり、衣類を洗濯物載置用ネット上に置
くことにより、パルセーターが衣類を直接攪拌しないよ
うにすることができ、パルセーターの回転による水面の
上下変動により、衣類の中を洗浄水を通過させ汚れを落
とすことができ、さらに、パルセーターの回転による水
流の勢いで洗濯物載置用ネットが衣類を載せたまま回転
するので、洗いむらやすすぎむらをなくすることができ
る。

【０００８】請求項２に記載の発明は、洗濯槽の内底部
に配設したパルセーターと、前記洗濯槽の側壁の高さ方
向の途中に略水平方向に設けた洗濯物載置用ネットとを
備え、前記洗濯物載置用ネットは、略中央部を前記パル
セーターの略中央部に着脱可能に取り付け、パルセータ
ーの回転による水流の勢いで回転可能とし、かつ外周部
に洗濯槽との接触部分を有し、洗濯槽との接触により洗
濯物載置用ネットの回転角を規制するように構成したも
のであり、衣類を洗濯物載置用ネット上に置くことによ
り、パルセーターが衣類を直接攪拌しないようにするこ
とができ、パルセーターの回転による水面の上下変動に
より、衣類の中を洗浄水を通過させ汚れを落とすことが
でき、また、パルセーターの回転による水流の勢いで洗
濯物載置用ネットが衣類を載せたまま回転するので、洗
いむらやすすぎむらをなくすることができ、さらに、洗
濯物載置用ネットの回転角を規制することにより、洗濯
物載置用ネット回転中に生じる衣類同士の摩擦を抑える
ことができる。

【０００９】請求項３に記載の発明は、上記請求項１ま
たは２に記載の発明において、パルセーターの回転時の
ポンプ作用により洗浄水を洗濯槽の側壁の上方に向かっ
て導く循環水路と、この循環水路の上方部に設けた吐出
口とを備え、この吐出口から洗浄水を洗濯槽の中央に向
け吐出するように構成したものであり、洗浄水をネット
上の洗濯物全体に上から注ぐことにより、少ない水でも
洗濯可能とするとともに、洗濯物内部に洗浄水を連続し
て通過させることにより、洗浄力を向上することができ
る。

【００１０】請求項４に記載の発明は、上記請求項１〜
３に記載の発明において、洗濯物載置用ネットは、その
外周部に弾性体よりなる凸部を有し、この凸部が洗濯槽
と接触するようにしたものであり、洗濯物載置用ネット
の外周の弾性体よりなる凸部が洗濯槽と接触するので、
洗濯物載置用ネットの回転角を規制するときに音を立て
ないようにすることができる。

【００１１】請求項５に記載の発明は、上記請求項１〜
４に記載の発明において、洗濯槽は、洗濯物載置用ネッ
トの少なくとも外周部分を保持する保持部を有するもの
であり、洗濯物載置用ネットの外周部がたわみ、パルセ
ーターと接触するのを防止することができる。

【００１２】請求項６に記載の発明は、上記請求項５に
記載の発明において、洗濯槽の保持部は、洗濯槽の内面
と洗濯物載置用ネットの外周部との間の間隙を下方より
塞ぐ構成としたものであり、洗濯物載置用ネットの外周
部分がたわみ、パルセーターと接触するのを防止すると
ともに、洗濯物載置用ネット上の衣類がネットとパルセ
ーター間に落ち込むのを防止することができる。

【００１３】請求項７に記載の発明は、上記請求項１〜
６に記載の発明において、パルセーターの回転を制御す
る制御手段を有するものであり、洗濯物の種類に応じ
て、パルセーターの回転時間、回転方向を制御し、衣類
の傷みを抑え、汚れを落とすことができる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００１５】（実施例１）図１に示すように、洗濯機外
枠１は、内部に吊り棒２により水受け槽３を吊り下げて
いる。洗濯兼脱水槽（洗濯槽）４は、水受け槽３内に回
転自在に配設し、この洗濯兼脱水槽４の内底部にパルセ
ーター５を回転自在に配設している。モータ６は、Ｖベ
ルト７および減速機構８を介して、パルセーター５およ
び洗濯兼脱水槽４を駆動する。

【００１６】洗濯物載置用ネット９は、外周部を合成樹
脂、金属などの剛性を有する材料で形成し、合成樹脂、
繊維などで多数の通水用の穴１０を有するように形成し
たもので、小球１１を介して、略中央部をパルセーター
５の略中央部に設けた取り付け部のリング状の凸部１２
に回転自在に取り付けている。したがって、パルセータ
ー５の回転は直接洗濯物載置用ネット９に伝わらないよ
うにしている。

【００１７】この洗濯物載置用ネット９は、パルセータ
ー５に着脱可能とし、ボタン１３を押すことにより、洗
濯物載置用ネット９とボタン１３が上下方向にずれ、小
球１１が外側にずれ凸部１２より外れ、両者は着脱でき
るようにしている。

【００１８】上記構成において動作を説明すると、洗濯
物（衣類）を洗濯物載置用ネット９の上にセットし、つ
ぎに、所定量の水と洗剤を投入した後、運転を開始す
る。これによって、モータ６が駆動し、Ｖベルト７およ
び減速機構８を介してパルセーター５が回転する。洗濯
物は、洗濯物載置用ネット９により、パルセーター５と
仕切られているので、パルセーター５の回転により直接
攪拌されることはない。

【００１９】パルセーター５の回転によって、パルセー
ター５上部の洗浄水（洗濯液またはすすぎ液）は、洗濯
兼脱水槽４の中央からパルセーター５の上面部を経由し
て、外側へと強制的に送水される。このため、洗浄水面
の中央部の上方から下方に向けて、矢印で示すように、
水流が発生することになる。このようにパルセーター５
の回転により洗濯物載置用ネット９の上面の洗濯物に対
し、上方から下方への水流によって、洗濯物内部を強制
的に通過させることになる。また、洗濯物載置用ネット
９は、パルセーター５の回転による水流の勢いで洗濯物
を載せたまま回転する。

【００２０】このように本実施例によれば、洗濯物載置
用ネット９の上にセットした洗濯物の内部に洗浄水を強
制的に通過させることにより、洗濯物を傷めることなく
汚れを落とし、洗濯物載置用ネット９を衣類を載せたま
ま回転させることにより、まんべんなく洗いとすすぎを
行うことができる。

【００２１】（実施例２）図２および図３に示すよう
に、洗濯兼脱水槽（洗濯槽）１４は、内周側面部に複数
の突出部１５を設けている。洗濯物載置用ネット１６
は、外周部に洗濯兼脱水槽１４の突出部１５と接触する
凸部１７を設け、突出部１５と凸部１７により洗濯物載
置用ネット１６の回転角を規制するように構成してい
る。他の構成は上記実施例１と同じである。

【００２２】上記構成において動作を説明すると、洗濯
物（衣類）を洗濯物載置用ネット１６の上にセットし、
つぎに、所定量の水と洗剤を投入した後、運転を開始す
る。これによって、モータ６が駆動し、Ｖベルト７およ
び減速機構８を介してパルセーター５が回転する。洗濯
物は、洗濯物載置用ネット１６により、パルセーター５
と仕切られているので、パルセーター５の回転により直
接攪拌されることはない。

【００２３】パルセーター５の回転により洗濯物載置用
ネット１６の上面の洗濯物に対し、上方から下方への水
流によって、洗濯物内部を強制的に通過させることにな
る。洗濯物載置用ネット１６は、パルセーター５の回転
による水流の勢いで洗濯物を載せたまま回転するが、洗
濯物載置用ネット１６の外周部の凸部１７が洗濯兼脱水
槽１４の突出部１５と接触すると、洗濯物載置用ネット
１６は停止する。このとき、パルセーター５は回転を続
けているので、上方から下方への水流は生じたままであ
る。

【００２４】このように本実施例によれば、洗浄水を洗
濯物載置用ネット１６の上にセットした洗濯物の内部に
強制的に通過させることにより、洗濯物の汚れを落と
し、洗濯物載置用ネット１６の衣類を載せたまま回転す
る回転角を規制することにより、まんべんなく洗いとす
すぎを行い、かつ洗濯物載置用ネット１６の回転中に生
じる衣類同士の摩擦を抑えることができる。

【００２５】また、洗濯物載置用ネット１６の外周部に
設けた凸部１７を弾性体で構成することにより、洗濯兼
脱水槽１４の突出部１５と接触したとき、音をたてず、
洗濯物載置用ネット１６の回転角を規制することができ
る。

【００２６】（実施例３）図４に示すように、パルセー
ター５に設けた裏羽根１８の外周部にポンプ室１９を形
成し、洗濯兼脱水槽４の側壁にポンプ室１９に連通した
循環経路２０を形成している。循環経路２０の上方部に
吐出口２１を設け、この吐出口２１から洗浄水を洗濯兼
脱水槽４の中央に向けて吐出するように構成している。
他の構成は上記実施例１と同じである。

【００２７】上記構成において動作を説明すると、洗濯
物を洗濯物載置用ネット９の上にセットし、つぎに、所
定量の水と洗剤を投入した後、運転を開始する。これに
よって、モータ６が駆動し、Ｖベルト７および減速機構
８を介してパルセーター５およびパルセーター５の裏羽
根１８が回転する。パルセーター５の裏羽根１８の回転
により、洗濯兼脱水槽４内の洗浄水がポンプ室１９から
循環経路２０へと送水される。

【００２８】循環経路２０へ送水された洗浄水は、循環
水路２０の上方部に設けた吐出口２１より洗濯兼脱水槽
４の中央に向けて吐出され、洗濯物載置用ネット９上の
洗濯物に注ぐ。一方、洗濯物は、洗濯物載置用ネット９
により、パルセーター５と仕切られているので、パルセ
ーター５の回転により直接攪拌されることはない。パル
セーター５の上部の洗浄水は、洗濯兼脱水槽４の中央か
らパルセーター５の上面部を経由して、外側へと強制的
に送水される。

【００２９】このため、洗浄水面の中央部の上方から下
方に向けて、矢印で示すように、水流が発生することに
なる。このようにパルセーター５の回転により洗濯物載
置用ネット９の上面の洗濯物に対し、上方から下方への
水流によって、洗濯物内部を強制的に通過させることに
なる。また、洗濯物載置用ネット９は、パルセーター５
の回転による水流の勢いで洗濯物を載せたまま回転す
る。

【００３０】このように本実施例によれば、洗浄水を洗
濯物載置用ネット９の上にセットした洗濯物に上から注
ぎ、洗浄水を洗濯物内部に強制的に連続して通過させる
ことにより、洗濯物を傷めることなく、少ない水で汚れ
をしっかり落とし、洗濯物載置用ネット９を衣類を載せ
たまま回転させることにより、まんべんなく洗いとすす
ぎを行うことができる。

【００３１】なお、本実施例では、実施例１の洗濯兼脱
水槽４の側壁にポンプ室１９に連通した循環経路２０を
形成し、洗浄水を洗濯物載置用ネット９の上にセットし
た洗濯物に上から注ぐようにしているが、実施例２の洗
濯兼脱水槽１４の側壁にポンプ室に連通した循環経路を
形成し、洗浄水を洗濯物載置用ネット１６の上にセット
した洗濯物に上から注ぐようにしてもよい。

【００３２】（実施例４）図５および図６に示すよう
に、洗濯兼脱水槽２２は、内底部の周縁に洗濯物載置用
ネット９の外周部を保持する複数の保持部２３を設けて
いる。他の構成は上記実施例１と同じである。

【００３３】上記構成において動作を説明すると、パル
セーター５の回転により洗濯物載置用ネット９の上面の
洗濯物に対し、上方から下方への水流によって、洗浄水
を洗濯物の内部を強制的に通過させる。洗濯物および洗
濯物載置用ネット９には、上から下への力が加わるが、
洗濯物載置用ネット９のたわみが大きくなると、洗濯物
載置用ネット９の外周部が洗濯兼脱水槽２２に設けた保
持部２３に接触して保持される。このため、洗濯物載置
用ネット９の外周部がたわみ、パルセーター５と接触す
るのを防止することができる。

【００３４】このように本実施例によれば、洗濯兼脱水
槽２２に洗濯物載置用ネット９の外周部を保持する保持
部２３を設けることにより、洗濯物載置用ネット９の外
周部分がたわみ、パルセーター５と接触するのを防止す
ることができる。

【００３５】なお、本実施例では、実施例１の洗濯兼脱
水槽の内底部の周縁に洗濯物載置用ネット９の外周部を
保持する保持部２３を設けているが、実施例２の洗濯兼
脱水槽１４の内底部の周縁に洗濯物載置用ネット９の外
周部を保持する保持部２３を設けてもよい。

【００３６】（実施例５）図７および図８に示すよう
に、洗濯兼脱水槽２４は、内底部の周縁に連続した保持
部２５を設け、この保持部２５により洗濯兼脱水槽２４
内面と洗濯物載置用ネット９の外周部との間の間隙を下
方より塞ぐように構成している。他の構成は上記実施例
１と同じである。

【００３７】上記構成において動作を説明すると、パル
セーター５の回転により洗濯物載置用ネット９の上面の
洗濯物に対し、上方から下方への水流によって、洗浄水
を洗濯物の内部を強制的に通過させる。洗濯物および洗
濯物載置用ネット９には、上から下への力が加わるが、
洗濯物載置用ネット９のたわみが大きくなると、洗濯物
載置用ネット９の外周部が洗濯兼脱水槽２４に設けた保
持部２５に接触して保持される。

【００３８】このため、洗濯物載置用ネット９の外周部
がたわみ、パルセーター５と接触するのを防止すること
ができるとともに、洗濯物載置用ネット９上の衣類が洗
濯物載置用ネット９とパルセーター５間に落ち込むのを
防止することができる。

【００３９】このように本実施例によれば、保持部２５
により洗濯兼脱水槽２４の内面と洗濯物載置用ネット９
の外周部との間の間隙を下方より塞ぐことにより、洗濯
物載置用ネット９の外周部がたわみ、パルセーター５と
接触するのを防止するとともに、洗濯物載置用ネット９
上の衣類が洗濯物載置用ネット９とパルセーター５間に
落ち込むのを防止することができる。

【００４０】なお、本実施例では、実施例１の洗濯兼脱
水槽の内底部の周縁に設けた保持部２５により洗濯兼脱
水槽２４の内面と洗濯物載置用ネット９の外周部との間
の間隙を下方より塞ぐように構成しているが、実施例２
の洗濯兼脱水槽１４の内底部の周縁に洗濯兼脱水槽１４
の内面と洗濯物載置用ネット９の外周部との間の間隙を
下方より塞ぐように保持部２５を設けてもよい。

【００４１】（実施例６）上記実施例３のパルセーター
５の回転を制御する制御手段（図示せず）を有し、この
制御手段により、パルセーター５を制御して得られる水
流の基本パターン図を図９に示している。図９(a)に示
す水流パターンは、デリケートな衣類を洗う場合で、パ
ルセーター５を同方向に回転する。他の構成は上記実施
例３と同じである。ただし、洗濯物載置用ネット９に
は、実施例２と同様に、洗濯兼脱水槽４と接触する凸部
を設けている。

【００４２】上記構成において動作を説明すると、パル
セーター５の回転により洗濯物載置用ネット９上面の洗
濯物に対し、上方から下方への水流によって、洗濯物内
部を強制的に通過させることになる。パルセーター５の
裏羽根１８の回転により、洗濯兼脱水槽４内の洗浄水が
ポンプ室１９から循環経路２０へと送水される。循環経
路２０へと送水された洗浄水は、洗濯兼脱水槽４の上方
部に設けた吐出口２１へと送られ、洗浄水が吐出されて
洗濯物に洗浄水を注ぐ。

【００４３】また、洗濯物載置用ネット９は、パルセー
ター５の回転による水流の勢いで洗濯物を載せたまま回
転し、洗濯物載置用ネット９の外周部の凸部が洗濯兼脱
水槽４と接触すると、洗濯物載置用ネット９は停止す
る。その後、パルセーター５は同方向に回転、停止を繰
り返すが、パルセーター５および裏羽根１８の回転時
は、洗濯物載置用ネット９上の洗濯物には、上方から下
方への水流が通過し、吐出口２１により洗浄水が注がれ
るが、洗濯物載置用ネット９は、外周部の凸部が洗濯兼
脱水槽４と接触したままなので停止している。

【００４４】その後、パルセーター５を反対方向に回す
ことにより、洗濯物載置用ネット９は回り、洗濯物に洗
浄水がまんべんなくかかる位置に移動し、外周部の凸部
が、洗濯兼脱水槽４と接触し、洗濯物載置用ネット９は
停止する。さらに、同方向に回転、停止を繰り返し、洗
濯物載置用ネット９上の洗濯物には、上方から下方への
水流が通過し、吐出口２１より洗浄水が注がれる。

【００４５】このように、パルセーター５を同方向に回
転させ、洗濯物載置用ネット９を停止させたまま、洗浄
水を洗濯物に上から注ぎ、洗浄水を洗濯物内部に強制的
に通過させることにより、洗濯物載置用ネット９の回転
中に生じる衣類同士の摩擦を抑え、汚れを落とすことが
できる。また、途中からパルセーター５を反対方向に回
し、洗濯物載置用ネット９上の衣類の位置を変えること
により、まんべんなく洗浄水がかかり、むらなく洗いと
すすぎを行うことができる。

【００４６】また、図９(b)に示す水流パターンは、一
般衣類を洗う場合で、パルセーター５を左右に反転させ
る。パルセーター５を回転させると、洗濯物載置用ネッ
ト９は一定の角度間を回り、洗濯物に洗浄水がまんべん
なくかかる位置に移動し、外周部の凸部が、洗濯兼脱水
槽４と接触し、洗濯物載置用ネット９は停止する。つぎ
に、パルセーター５を反対方向に回転させる。洗濯物載
置用ネット９を衣類を載せたまま一定の角度間を回転す
ることになり、洗濯物載置用ネット９の回転時、回転
中、停止時に生じる衣類間の摩擦により、粒子汚れの除
去しながら、まんべんなく洗いとすすぎを行うことがで
きる。

【００４７】このように、パルセーター５の回転を制御
する制御手段により、洗濯物の種類に応じて、パルセー
ター５の回転時間、回転方向を制御し、衣類の傷みを抑
え、汚れを落とすことができる。

【００４８】なお、本実施例では、実施例３のパルセー
ター５の回転を制御する制御手段により、パルセーター
５を制御して得られる水流の基本パターンについて説明
したが、実施例３以外の各実施例についても、同様に構
成することができ、同様の効果を得ることができる。

【００４９】なお、上記各実施例では、洗濯兼脱水槽を
用いた脱水兼用洗濯機について説明したが、いわゆる２
槽式洗濯機についても同様に構成することができ、同様
の効果を得ることができる。

【００５０】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１に記載の
発明によれば、洗濯槽の内底部に配設したパルセーター
と、前記洗濯槽の側壁の高さ方向の途中に略水平方向に
設けた洗濯物載置用ネットとを備え、前記洗濯物載置用
ネットは、略中央部を前記パルセーターの略中央部に着
脱可能に取り付け、パルセーターの回転による水流の勢
いで回転可能としたから、洗浄水を洗濯物載置用ネット
の上にセットした洗濯物内部に洗浄水を強制的に通過さ
せ、洗濯物を傷めることなく汚れを落とし、洗濯物載置
用ネットを衣類を載せたまま回転させることにより、ま
んべんなく洗いとすすぎを行うことができる。

【００５１】また、請求項２に記載の発明によれば、洗
濯槽の内底部に配設したパルセーターと、前記洗濯槽の
側壁の高さ方向の途中に略水平方向に設けた洗濯物載置
用ネットとを備え、前記洗濯物載置用ネットは、略中央
部を前記パルセーターの略中央部に着脱可能に取り付
け、パルセーターの回転による水流の勢いで回転可能と
し、かつ外周部に洗濯槽との接触部分を有し、洗濯槽と
の接触により洗濯物載置用ネットの回転角を規制するよ
うに構成したから、洗浄水を洗濯物載置用ネットの上に
セットした洗濯物内部に洗浄水を強制的に通過させ、洗
濯物の汚れを落とし、洗濯物載置用ネットを衣類を載せ
たまま一定の角度間を回転させ、まんべんなく洗いとす
すぎを行い、かつネット回転中に生じる衣類同士の摩擦
を抑えることができる。

【００５２】また、請求項３に記載の発明によれば、パ
ルセーターの回転時のポンプ作用により洗浄水を洗濯槽
の側壁の上方に向かって導く循環水路と、この循環水路
の上方部に設けた吐出口とを備え、この吐出口から洗浄
水を洗濯槽の中央に向け吐出するように構成したから、
洗浄水を洗濯物載置用ネットの上にセットした洗濯物に
上から注ぎ、洗浄水を洗濯物内部に強制的に通過させ、
洗濯物を傷めることなく、少ない水で汚れを落とし、洗
濯物載置用ネットを衣類を載せたまま回転させ、まんべ
んなく洗いとすすぎを行うことができる。

【００５３】また、請求項４に記載の発明によれば、洗
濯物載置用ネットは、その外周部に弾性体よりなる凸部
を有し、この凸部が洗濯槽と接触するようにしたから、
洗濯物載置用ネットの回転角を規制するときに音を立て
ずにネットの回転角を規制すことができる。

【００５４】また、請求項５に記載の発明によれば、洗
濯槽は、洗濯物載置用ネットの少なくとも外周部分を保
持する保持部を有するから、洗濯物載置用ネットの外周
部がたわみ、パルセーターと接触するのを防止すること
ができる。

【００５５】また、請求項６に記載の発明によれば、洗
濯槽の保持部は、洗濯槽の内面と洗濯物載置用ネットの
外周部との間の間隙を下方より塞ぐ構成としたから、洗
濯物載置用ネットの外周部分がたわみ、パルセーターと
接触するのを防止するとともに、洗濯物載置用ネット上
の衣類がネットとパルセーター間に落ち込むのを防止す
ることができる。

【００５６】また、請求項７に記載の発明によれば、パ
ルセーターの回転を制御する制御手段を有するから、洗
濯物の種類に応じて、パルセーターの回転時間、回転方
向を制御し、衣類の傷みを抑え、汚れを落とすことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の洗濯機の縦断面図

【図２】本発明の第２の実施例の洗濯機の縦断面図

【図３】同洗濯機の要部断面図

【図４】本発明の第３の実施例の洗濯機の縦断面図

【図５】本発明の第４の実施例の洗濯機の縦断面図

【図６】同洗濯機の要部断面図

【図７】本発明の第５の実施例の洗濯機の縦断面図

【図８】同洗濯機の要部断面図

【図９】(a) 本発明の第６の実施例の洗濯機の水流の一
例を示す図 (b) 同洗濯機の水流の他の例を示す図

【符号の説明】

４ 洗濯兼脱水槽（洗濯槽） ５ パルセーター ９ 洗濯物載置用ネット

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯槽の内底部に配設したパルセーター
   と、前記洗濯槽の側壁の高さ方向の途中に略水平方向に
   設けた洗濯物載置用ネットとを備え、前記洗濯物載置用
   ネットは、略中央部を前記パルセーターの略中央部に着
   脱可能に取り付け、パルセーターの回転による水流の勢
   いで回転可能とした洗濯機。
2. 【請求項２】 洗濯槽の内底部に配設したパルセーター
   と、前記洗濯槽の側壁の高さ方向の途中に略水平方向に
   設けた洗濯物載置用ネットとを備え、前記洗濯物載置用
   ネットは、略中央部を前記パルセーターの略中央部に着
   脱可能に取り付け、パルセーターの回転による水流の勢
   いで回転可能とし、かつ外周部に洗濯槽との接触部分を
   有し、洗濯槽との接触により洗濯物載置用ネットの回転
   角を規制するように構成した洗濯機。
3. 【請求項３】 パルセーターの回転時のポンプ作用によ
   り洗浄水を洗濯槽の側壁の上方に向かって導く循環水路
   と、この循環水路の上方部に設けた吐出口とを備え、こ
   の吐出口から洗浄水を洗濯槽の中央に向け吐出するよう
   に構成した請求項１または２記載の洗濯機。
4. 【請求項４】 洗濯物載置用ネットは、その外周部に弾
   性体よりなる凸部を有し、この凸部が洗濯槽と接触する
   ようにした請求項１〜３のいずれか１項に記載の洗濯
   機。
5. 【請求項５】 洗濯槽は、洗濯物載置用ネットの少なく
   とも外周部分を保持する保持部を有する請求項１〜４の
   いずれか１項に記載の洗濯機。
6. 【請求項６】 洗濯槽の保持部は、洗濯槽の内面と洗濯
   物載置用ネットの外周部との間の間隙を下方より塞ぐ構
   成とした請求項５記載の洗濯機。
7. 【請求項７】 パルセーターの回転を制御する制御手段
   を有する請求項１〜６のいずれか１項に記載の洗濯機。