JPH1056892A - 浮遊式水耕栽培システム及びこれを利用する水質浄化 装置 - Google Patents

浮遊式水耕栽培システム及びこれを利用する水質浄化 装置

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JPH1056892A
JPH1056892A JP8216318A JP21631896A JPH1056892A JP H1056892 A JPH1056892 A JP H1056892A JP 8216318 A JP8216318 A JP 8216318A JP 21631896 A JP21631896 A JP 21631896A JP H1056892 A JPH1056892 A JP H1056892A
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floating
hydroponic
plant
pot
floating hydroponic
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Atsushi Sato
敦 佐藤
Hideo Ebisawa
英雄 海老澤
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MITSUI SEKIKA SANSHI KK
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MITSUI SEKIKA SANSHI KK
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    • Y02P60/216

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生育した植物等の根部分に自然状態で酸素を
充分に供給して、還元障害を防ぎ、水域から水質汚濁源
を確実に除去する。 【解決手段】 少なくとも植物の種子2を担持する覆土
資材3を収容する多孔質な植生ポット4を、浮き水耕ベ
ット5に着脱自在に嵌挿ないし嵌着することで、植生ポ
ット4に種2を蒔きある程度生育してから、浮き水耕ベ
ット5に着すことができ、生育が終了した作物を収穫す
る際も植生ポット4ごと浮き水耕ベット5から除去し
て、水域から水質汚濁源を確実に除去し、作物の収穫が
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の生育に欠か
せない窒素とリンおよび懸濁物質(以下、SSという)
とが、水質汚濁の大きな原因になっているのに鑑み、窒
素とリンとが多い水域で水耕栽培を行い、植物に栄養源
として利用させて生育させ収穫し、同時に窒素とリンと
を水域から除去し、併せて覆土資材やSS集積材による
懸濁物質の吸着による浮遊式水耕栽培システム及びこれ
を利用する水質浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水耕栽培システムは、水槽の中に
栄養となる物質を溶かした溶液を張り、その上方に植物
の苗を植え、溶液中の養分を植物の生育に合わせてコン
トロールし、更に、植物の生育に障害となる微生物を繁
殖しないようにして、植物の生育を図るものである。こ
のような水耕栽培システムによれば、植物の本来持って
いる生育能力をそのまま発現し易く、思いも掛けないよ
うな生育能力を出す。しかしながら、常時溶液中の養分
や植物の生育に障害となる微生物の繁殖をコントロール
するのは、現実には困難を極める。
【0003】そして、最近、植物の生育に欠かせない窒
素とリンとが多く含まれ、富栄養化の進んだ水域の水辺
に葦などの植物を生育させ、その過程でその植物に窒素
とリンとを栄養分として吸収させて、水域の富栄養化の
養分を減少させ、生育した植物を利用する試みが成され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
水辺に葦などの植物を生育させる方法では、植物を根か
ら刈り取らずに、植物はそのまま放置され嫌気分解され
る過程で吸収した窒素、リン酸は、再び水域に回帰する
ことになり、何ら水域の富栄養化を防止する事にはなら
ない。また、浮き水耕ベットに作物を植生させる方法
は、生育した作物を必ず浮き水耕ベットから除去するこ
とになり、その作物を水域に戻さない限り、水域を再び
汚染することがなく都合がよい。しかし、浮き水耕ベッ
ト上で生育した作物は、根部分が大きくなるにつれて、
水域のSS分が多量に集積し通気性が低下し酸素の供給
が制約される。しかも、SS分に起因したCOD濃度も
上昇し、酸素を大量に消費するため、作物根は還元障害
を受け(酸素欠乏)、生育量が低下したり、作物が枯れ
たりする結果となる。
【0005】そこで、本発明の目的は、生育した植物等
の根部分に自然状態で酸素を充分に供給して還元障害を
防ぎ、生育した植物等を利用することで水域から確実に
除去し、生育した植物等の利用と水域の水質汚濁の防止
とを共に図ることが出来る浮遊式水耕栽培システム及び
これを利用する水質浄化装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の浮遊式水耕栽培
システム及びこれを利用する水質浄化装置は、上記目的
を達成するために提案されたものであって、下記の構成
からなることを特徴とするものである。すなわち、本発
明によれば、少なくとも植物の種子を担持する覆土資材
を収容する多孔質な植生ポットを、浮き水耕ベットに着
脱自在に嵌挿したことを特徴とする浮遊式水耕栽培シス
テムが提供される。この発明によれば、この植生ポット
に種を蒔きある程度生育してから、浮き水耕ベットに嵌
着することができ、生育が終了した作物を収穫する際も
植生ポットごと浮き水耕ベットから除去できる。
【0007】また、本発明によれば、前記植生ポット
が、多孔質材料の外管及び内管でリング状の容器を構成
し、該リング状の容器内に少なくとも植物の種子を担持
する覆土資材を収容して、植物を植生させる上記浮遊式
水耕栽培システムが提供される。この発明によれば、植
物の根部分が多孔質の材料で構成されているために外側
及び内側から十分な酸素を供給出来る。
【0008】。また、本発明によれば、前記植生ポット
が、細長い直方体で幅と長さの比(W/L)が1/20
ないし1/10の範囲にあり、多孔質材料の容器で構成
し、該容器に少なくとも植物の種子を担持する覆土資材
を収容して、植物を植生させる上記浮遊式水耕栽培シス
テムが提供される。この発明は、前記リング状の容器を
長方形にしたもので、植物の根部分に長い範囲に構成し
た容器の両側から十分な酸素を供給出来る。
【0009】また、本発明によれば、前記多孔質材料
が、その開孔率が3ないし15%の範囲にある上記浮遊
式水耕栽培システムが提供される。このように構成する
ことで、植物の根張り及び水の流通が好適に行われ、し
かも覆土資材の収容や他の材料の収容にも支障が無い。
【0010】また、本発明によれば、前記浮き水耕ベッ
トに浮上性脚柱を着脱自在に取り付けた上記浮遊式水耕
栽培システムが提供される。浮き水耕ベットをこのよう
に構成することで、植物の生育及び水域の汚染物質のS
S分の集積による重量の増大に対応して、植生ポットと
水面との距離(=間隔)を一定に保持でき、その部分か
らの酸素の供給を可能にする利点がある。
【0011】また、本発明によれば、前記容器に浮遊物
質集積材を充填した上記浮遊式水耕栽培システムが提供
される。このように構成することによって、水域の汚染
物質のSS分を集積し易く、植物の収穫時、これら汚染
源のSS分も同時に水域から除去することができるよう
になる。
【0012】また、本発明によれば、上記浮遊式水耕栽
培システムを利用した水質浄化装置が提供される。本発
明の浮遊式水耕栽培システムを遂行することにより、植
物の生育の過程で水域に溶け込んでいる窒素、リンを吸
収し、かつSS集積材に付着した水域の汚染源であるS
S分を収穫時に除去することができ、水域の水質改善に
寄与することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態をあげて本発明
を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明の実施形
態を示す浮遊式水耕栽培システムの斜視図、図2は本発
明の実施形態を示す植生ポットの斜視図、図3は植生ポ
ットの底板を示す斜視図、図4は本発明の実施形態を示
す浮き水耕ベットの斜視図である。図面において、1は
浮遊式水耕栽培システムを示し、この浮遊式水耕栽培シ
ステム1は、少なくとも植物の種子2を担持する覆土資
材3を収容する多孔質の植生ポット4を、浮き水耕ベッ
ト5に着脱自在に嵌挿ないし嵌着したものである。
【0014】前記植生ポット4は、外管10とその内側
に配置した内管11とからなり、リング状の容器12と
なって、底にはリング状の底板13が取り付けられる
か、またはこれらが一体となって形成され、外管10の
外周に止め板14が取り付けられている。この例では止
め板はリング状に形成されている。これら外管10及び
内管11は、植物の根張り及び水の流通が出来、しかも
覆土資材3の収容や他の材料の収容も出来るように、多
孔質、例えばネット状のものが採用される。この多孔質
な点を具体的な数値で表示すると、開孔率が3ないし1
5%の範囲にあり、開孔率が3%に満たないと、植物の
根張り及びSS(浮遊物質)、COD(化学的酸素消費
量)等の濃度の高い水の流通が不充分となり、開孔率が
15%より大きいと、各種材料が流出するなどの収容に
支障をきたす虞がある。
【0015】また、リング状の底板13も上記外管10
及び内管11と同様に多孔板になっており、その開孔率
もほぼ同じである。そして、底板13の内縁及び外縁に
は突起13a、13aが設けられ、底板13自体あるい
は突起13a、13aの弾性を利用して、リング状の容
器12の底部に簡単に着脱できる。更に、底板13は、
各種材料を収容し支持するため十分な強度、ならびに好
適な開孔率を持つ素材が適宜選択される。
【0016】止めリング14は、浮き水耕ベット5に着
脱自在に設けるのを担保するためのものであり、リング
状の容器12内で生育した植物を容易に着脱させるため
に、リング状の容器12の外径は前記浮き水耕ベット5
に開けられた装着開口15よりもかなり小さくなってい
る。
【0017】この植生ポット4は、浮遊式水耕栽培シス
テム1に使用されものであるから、軽量でかつ物理的強
度を備えた比重1以下のプラスチックが最適である。こ
のプラスチックは、スチレン系、オレフィン系、ウレタ
ン系、ポリエステル系などの熱可塑性のものが使用され
るが、これに限定されるものではなく、金属、あるいは
金属とプラスチックの複合材で構成されていてもよい。
【0018】前記覆土資材3は、植物の種子2が担持で
き、発芽に良いものであれば、特に限定されないが、こ
の実施例では、細粒ゼオライトと木炭をミックスしたも
のが使用されている。また、覆土資材3に蒔く植物の種
子2も、特に限定しないが、なるべく作物全体を採取
し、そのまま流通するようなものが優れている。例え
ば、枝豆(大豆)、小豆、インゲン豆、セスバニア、花
などが良い。この覆土資材3の下のリング状の容器12
には、SS集積資材16用として天然ゼオライトが収容
されている。この天然ゼオライトは、水域の各種汚染物
質を無機化したり、分解に寄与したり、鉄分、亜鉛分等
の微量元素の供給等の作用をする。
【0019】前記浮き水耕ベット5は、水域に浮べてお
くものであるから、なるべく軽くかつ浮力の大きいもの
が良く、例えば発泡スチロールなどが使用される。そし
て、浮き水耕ベット5は、矩形状の板20に前記植生ポ
ット4を挿入保持するための前記装着開口15が開けら
れている。矩形状の板20下面には、浮き水耕ベット5
の浮力を調整するための浮上性脚柱21が着脱自在に取
り付けられるようになっている。これは、植生ポット4
内で生育した作物21の重量増大、SS集積資材16に
より集積したSS分による重量増大に対応して、植生ポ
ット4と水面との距離を一定に保ち、酸素を常に供給で
きるようにしたものである。
【0020】次に上記構成になる浮遊式水耕栽培システ
ム1の使用状態を説明する。まず、植生ポット4内で生
育させる植物の種類を決め、その植物の種類に合うサイ
ズの植生ポット4を選択し、植生ポット4のリング状の
容器12内に少なくとも覆土資材3を収容する。必要に
応じて覆土資材3を収容する前に、リング状の容器12
の底にリング状の底板13を嵌め、SS集積資材16で
ある天然ゼオライトを収容する。そして、覆土資材3に
植物の種子2を蒔き、そのまま浮き水耕ベット5の装着
開口15に植生ポット4を装着しても良い。通常は、温
室などで発芽させ、ある程度植物が生育してから、浮き
水耕ベット5に装着する。浮き水耕ベット5に植生ポッ
ト4を移動した後、植物が生育する過程で、水域の富栄
養化の原因となる窒素、リンを栄養源として吸収し、そ
の分水域の窒素、リンは減少することになる。また、S
S集積資材16である天然ゼオライトを収容している場
合は、その作用によっても、水域の水に溶けている窒
素、リンを減少させ、更に、天然ゼオライト中を汚染水
を通過する過程でSS分を捕捉し、このSS分はCOD
が高く、一部天然ゼオライト中で嫌気化が進み、還元菌
の働きによりCOD分としての有機成分を分解し、更に
その回りの好気性菌の作用により、アンモニア態窒素、
亜硝酸態窒素を酸化し、植物が吸収し易い状態の硝酸塩
類にする。一方、リンもリン酸態リンにして植物が吸収
し易い状態にする。
【0021】このような作用をし続けることにより、植
物は生育し、SS集積資材16に水域のSS分が集積す
ると、植生ポット4全体が重量を増し、浮き水耕ベット
5が沈むようになる。この状態になると、植生ポット4
と水面との距離を一定に保持できなくなるから、矩形状
の板20下面に、浮き水耕ベット5の浮力を調整するた
めの浮上性脚柱21を取り付け、植生ポット4と水面と
の距離(=間隔)を一定に保持する。
【0022】生育した植物の収穫時になると、浮き水耕
ベット5から植生ポット4ごと植物を収穫する。この
際、植生ポット4の下部は肥大した根と共にSS分も大
量に取ることになり、そのSS分も水域に戻すことな
く、田畑に還元することにより農地の肥沃度を高めるこ
とができ、同時に水域の水質汚染を大幅に削除できる
し、作物はそのまま利用できる。そして、植生ポット4
自体は再利用すべく、覆土資材3及びSS集積資材16
を取り除く。再度同じことを繰り返すことにより、水質
の改善と作物の収穫とが可能になる。
【0023】図6ないし図9は、本発明の他の実施形態
を示す浮遊式水耕栽培システム1aで、図1ないし図5
に示す実施形態との相違点は、前記植生ポット4aが、
二重管タイプでなく、細長い直方体で幅と長さの比(W
/L)が1/20ないし1/10の範囲にあり、多孔質
材料の容器22で構成し、この容器22に少なくとも植
物の種子2を担持する覆土資材3を収容して、植物を育
成させる点にある。
【0024】すなわち、容器22は、細長い箱体のカー
トリッジであり、その上部に浮き水耕ベット5に着脱自
在にするための止め板14が形成され、止め板14の略
中央部には運搬を容易にするための把手23が取り付け
られている。そして、この容器22の形状に合うよう
に、浮き水耕ベット5の装着開口24は細長い矩形をな
している。この容器22は、幅と長さの比(W/L)が
1/20ないし1/10の範囲にあるから、二重管タイ
プと同様に両側から酸素を植物の根に充分に供給するこ
とになり、作物根に還元障害が発生しない。その他の構
成、作用は図1ないし図5に示す実施形態と同様なの
で、図面に符号を付して、その説明を省略する。
【0025】次に、本発明の浮遊式水耕栽培システム1
の優位性と、水質浄化装置としての効果を実証するた
め、具体的な実施例につき説明する。 <実施例1ないし3>本発明の浮遊式水耕栽培システム
1は、浮き水耕ベットは発泡スチロールで、そのサイズ
を60cm(L) ×40cm(W) ×3cm(T) 、面積0.24
とし、植生ポットは本発明の構造のものを使用し、ネト
ロンパイプ(商標名:三井石化産資製)を二重に使用
し、そのサイズを5cm(D) ×10cm(H)として、ゼオラ
イトを一植生ポットあたり、75gとした。この植生ポ
ットを一つの浮き水耕ベットあたり16個装着し、その
状態の浮き水耕ベットを実験水路(全長184m)に浮
かべた。作物は枝豆及びセスバニアとした。そして、作
物の乾物重、窒素吸収量、リン酸吸収量を測定した。そ
の結果を表1ないし3に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】表1ないし3によれば、実施例1ないし3
は、生育初期は、枝豆及びセスバニアともに差がなく、
190gm-2程度であり、中期以降は、枝豆は急激に老
化し、最終的な乾物重は124gm-2、窒素吸収量及び
リン酸吸収量はそれぞれ3.03gm-2、0.71gm
-2に減退した。これに対して、セスバニアは中期以降も
旺盛に生育し、最終的に乾物重は1,923gm-2、窒
素及びリン酸吸収量はそれぞれ43.29gm-2、9.
50gm-2となった。
【0030】<実施例4ないし7>植生ポットにゼオラ
イトのみ充填したものと、ゼオライトと木炭との混合し
たものとで、作物の乾物重、窒素吸収量、リン酸吸収量
を測定した。その結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】枝豆、セスバニア共に、植生ポットにゼオ
ライトのみを充填した方が良い結果を得ることができ
た。
【0033】<実施例7>次に、水質の浄化を測定す
る。実験水路(全長184m)の始点A1に取水ポンプ
P1、末端C2には循環ポンプP2を設置し、取水ポン
プP1を止め循環ポンプP2を稼働させれば、実験水路
の水は循環するように設定した。循環ポンプP2の循環
流量(3.10m3/min )は1時間当たり約180m
流下するように調節し、循環時間によって流下距離が換
算できる条件下で、実験水路におけるDO、SS、T−
N、T−Pの水質浄化量について測定した。その結果を
表5ないし8に示す。
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】表5において、循環前のSS濃度はA1地
点では41.5mgl-1、C2地点では13.5mgl
-1と、静水条件下水路末端でSSは1/3程度削減され
ることを示す。循環過程ではSS濃度は変動するが、5
時間循環(=1080m地点)で、SS濃度は1.0m
gl-1に低下しており、初期濃度に比べてSSは98%
除去されたことを示す。表6において、循環前のT−P
濃度はA1地点では0.28mgl-1、C2地点では
0.14mgl-1となり、静水条件下、水路末端でT−
Pは1/2程度削減されることを示し、5時間循環(=
1080m地点)で、T−P濃度は0.07mgl-1
低下しており、初期濃度に比べてT−Pは78%除去さ
れたことを示す。
【0039】表7において、循環前の実験水路のDOは
A1地点では3.86mgl-1、C2地点では0.45
mgl-1と、静水条件では、水路のDOは急速に低下す
ることがわかり、循環過程ではA1地点ではDOは13
0%(ばっ気効果)に高まるが、C2地点では約70%
と低下する状態が繰り返された。表8において、循環前
の実験水路のT−NはA1地点における初期濃度は1.
15mgl-1で、循環過程におけるC2地点のT−N濃
度は0.73mgl-1で、除去率は36%と、SSやT
−Pに比べて低い状態にある。
【0040】なお、表9には、実験水路におけるT−N
濃度の変化(除去率)を示し、表10には、同実験水路
におけるT−P濃度の変化(除去率)を示した。
【0041】
【表9】
【0042】
【表10】
【0043】以上、本発明の実施形態を説明したが、具
体的な構成はこれに限定されるものではなく、発明の要
旨を逸脱しない限りにおいての変更、追加が許容される
ことは認められるべきである。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
植生ポットに種を蒔きある程度生育してから、浮き水耕
ベットに着すことができ、生育が終了した作物を収穫す
る際も植生ポットごと浮き水耕ベットから除去できる浮
遊式水耕栽培システムが提供される。従って、種蒔きか
ら収穫まで最も良い状態を保持でき、植生ポットに付着
したSS分も同時に除去することができる。また、植生
ポットの壁面全体を多孔質の材料で構成することによ
り、植物の根部分に外側及び内側から酸素を供給出来、
還元障害を回避できるばかりでなく、植物の根張りおよ
び水の流通にも支障なく、しかも覆土資材の収容や他の
材料の収容にも支障無く、その各資材の入替えも容易に
行うことができるという特徴がある。また、浮き水耕ベ
ットに浮上性の脚注を取りつけることにより、上記効果
に加え、植物の生育及び水域の汚染物質のSS分の集積
による重量の増大に対応して、植生ポットと水面との距
離を一定に保持でき、植物の生育に必要な酸素を供給さ
れ、還元障害を回避できる。さらに、これらの水耕栽培
システムを遂行することにより、植物の生育の過程で水
域に溶け込んでいる窒素、リンを吸収し、かつ根部分に
付着した水域の汚染源であるSS分を収穫時に除去する
ことができ、水域の汚染源を最大限除去することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す浮遊式水耕栽培システ
ムの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態を示す植生ポットの斜視図で
ある。
【図3】植生ポットの底板を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態を示す浮き水耕ベットの斜視
図である。
【図5】本発明の浮遊式水耕栽培システムの使用状態を
示す側面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明の他の実施形態の使用状態を示す側面図
である。
【図10】従来例を示す側面図である。
【符号の説明】
1,1a 浮遊式水耕栽培システム 2 植物の種子 3 覆土資材 4 植生ポット 5 浮き水耕ベット 10 外管 11 内管 12 リング状の容器 13 底板 13a 突起 14 止め板 15,24 装着開口 16 SS集積資材 20 板 21 浮上性脚柱 22 容器 23 把手

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも植物の種子を担持する覆土資
    材を収容する多孔質な植生ポットを、浮き水耕ベットに
    着脱自在に嵌挿したことを特徴とする浮遊式水耕栽培シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 前記植生ポットが、多孔質材料の外管及
    び内管でリング状の容器を構成し、該リング状の容器内
    に少なくとも植物の種子を担持する覆土資材を収容し
    て、植物を植生させる請求項1記載の浮遊式水耕栽培シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記植生ポットが、細長い直方体で幅と
    長さの比(W/L)が1/20ないし1/10の範囲に
    あり、多孔質材料の容器で構成し、該容器に少なくとも
    植物の種子を担持する覆土資材を収容して、植物を植生
    させる請求項1記載の浮遊式水耕栽培システム。
  4. 【請求項4】 前記多孔質材料が、その開孔率が3ない
    し15%の範囲にある請求項2または3記載の浮遊式水
    耕栽培システム。
  5. 【請求項5】 前記浮き水耕ベットに浮上性脚柱を着脱
    自在に取り付けた請求項1ないし4のいずれか1項記載
    の浮遊式水耕栽培システム。
  6. 【請求項6】 前記容器に浮遊物質集積材を充填した請
    求項2ないし5のいいずれか1項記載の浮遊式水耕栽培
    システム。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
    浮遊式水耕栽培システムを利用した水質浄化装置。
JP8216318A 1996-08-16 1996-08-16 浮遊式水耕栽培システム及びこれを利用する水質浄化 装置 Pending JPH1056892A (ja)

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