JPH1056821A - 緑化用基盤材 - Google Patents

緑化用基盤材

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JPH1056821A
JPH1056821A JP8221014A JP22101496A JPH1056821A JP H1056821 A JPH1056821 A JP H1056821A JP 8221014 A JP8221014 A JP 8221014A JP 22101496 A JP22101496 A JP 22101496A JP H1056821 A JPH1056821 A JP H1056821A
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greening
fertilizer
seeds
polyvinyl alcohol
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JP8221014A
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Koichi Naito
高一 内藤
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工時における作業性がよく、保水性、通気
性及び保肥性が優れており、法面等の土木工事用として
好適な緑化用基盤材を得る。 【解決手段】 ココヤシ外殻非繊維物、肥料及び種子を
混合し、所望形状に圧縮成形したものを、ポリビニルア
ルコールフィルムで包み込み、緑化用基盤材を得る。こ
の緑化用基盤材においては、母材となるココヤシ外殻非
繊維物が吸水し、膨潤するため、保水性、通気性及び保
肥性が優れている。また、ココヤシ外殻非繊維物は生分
解速度が遅いため、種子が発芽し、十分に生育するま
で、風雨や低温から植物を保護することができる。さら
に、ポリビニルアルコールフィルムの溶解性を調整する
ことにより、種子等の発芽時期を調整することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ココヤシ外殻非繊
維物を母材として含有しており、道路の法面工事用及び
河岸、海岸、湖岸の護岸工事用として、さらには都市、
山岳、ゴルフ場等の緑化及び農業用として好適な緑化用
基盤材に関する。
【0002】
【従来の技術】環境保全意識の高まりを受け、道路の法
面工事や河岸、海岸、湖岸の護岸工事において、従来よ
り行われてきた環境破壊を伴う工法に対する批判が高ま
ってきており、それを見直す方法のひとつとして植栽に
よる工法が注目されている。もちろん従来より、法面に
コンクリート枠、網張り又はござ敷き等を施工ののち、
芝生、牧草、灌木等の植物を植える工法は採用されてい
た。しかし、施工場所に土壌や肥料を運んだり、種子を
蒔いたり苗を植えたりする負担が大きく、さらに植物が
根付く前に雨により流出してしまうなど、非常に効率の
悪いものであった。
【0003】そこで、このような問題点を解決するた
め、植栽用の人工基盤についての技術がいろいろと提案
されている。例えば、特開平4−44521号公報に
は、法面工事用として、土壌、砂、石、苦土石灰、ピー
トモス、ヤシガラ、バーク、有機肥料、化学肥料、海
草、苔、腐葉土、魚粉、骨粉、人工土壌活性材、高吸水
性物質から選ばれた植生のための材料及び接着剤を含む
成形体であって、密度が成形体全部分において同一であ
るか又は外側部分は密度が高く、内部は密度が低くなっ
ている植生基盤材が提案され;特開平4−281703
号公報には、法面等の緑化資材として、泥炭、パーク堆
肥からなる有機質腐植資材、ゼオライト、ベントナイト
及び種子を配合したものに、バーミキュライトを配合
し、加圧成型したものが提案され;特開平7−5434
2号公報には、法面等の工事用として、澱粉系高分子と
易崩壊性プラスチック(エチレン−酢酸ビニル共重合体
けん化物)からなる組成物をフィルム成形し、延伸配向
して得られたスプリットヤーンを混合機器で開繊して得
られた易崩壊性繊維状物と肥料を含む土砂、種子からな
る土木工事用組成物が提案され;特開平7−23635
4号公報には、護岸工事や法面工事用として、加水分解
性樹脂と多孔性無機質とを含有して特定形状に固化され
た易崩壊性構造体が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】護岸工事、法面工事等
に使用する植栽用の人工基盤等に要求されるものとして
は種々あるが、まず、施工が容易であることが要求さ
れ、施工後においては、植物の発芽生長に寄与するた
め、保水性、保肥性及び通気性等がよいことが要求され
る。そして、植物が発芽生長したあとは、それが十分に
根づくまで、風雨、温度等の外的要因から保護し、具体
的には幼苗が雨水で流出したり、低温又は高温で枯死し
たりすることを防止し、その後は生分解して周辺環境を
汚染しないことが等が要求される。このような各種要求
を満たす上において、植栽用の人工基盤等の主成分をな
す母材の存在は、肥料、ピートモス、ココナッツ繊維
(やし殻繊維)、ゼオライト、ベントナイト、バーミキ
ュライト等の土壌改良材等と比べてもその重要性は非常
に大きなものである。
【0005】また、寒冷地及び豪雪地帯における緑化工
事は、作業性を考慮して通常夏期に工事がなされるが、
その場合には緑化用の植物が秋に発芽して枯死すること
を防止するため、夏期においては基礎工事だけにとど
め、春になってから再び種子を蒔いたり、苗を植えたり
という二次作業が必要となる。
【0006】本発明は、植栽用の人工基盤等における母
材の重要性に着目し、母材としてココヤシ外殻非繊維物
を用い、上記要求を十分に満たすとともに、さらに発芽
時期を調整できる緑化用基盤材を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するための手段として、母材となるココヤシ外殻非繊
維物及び肥料と、種子、幼苗又は根分株が、ポリビニル
アルコールを含むフィルム等の包装体により被包されて
いることを特徴とする緑化用基盤材(以下「第1発明」
という)を提供するものである。
【0008】また本発明は、上記目的を達成するための
他の手段として、母材となるココヤシ外殻非繊維物及び
肥料を含む成形体又は圧縮成形体と、種子、幼苗又は根
分株が一体化されたものがポリビニルアルコールを含む
フィルム等の包装体により被包されていることを特徴と
する緑化用基盤材(以下「第2発明」という)を提供す
るものである。
【0009】さらに本発明は、上記目的を達成するため
の他の手段として、さらに、土壌改良材又は土壌活性材
を含有する第1又は第2発明の緑化用基盤材を提供する
ものである。さらに本発明は、上記目的を達成するため
の他の手段として、種子や幼苗の水分含有率が30重量
%以下である第1又は第2発明の緑化用基盤材を提供す
るものである。さらにまた本発明は、上記目的を達成す
るための他の手段として、根分株の水分含有率が40重
量%以下である第1又は第2発明の緑化用基盤材を提供
するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、第1発明の緑化用基盤材に
ついて説明する。第1発明の緑化用基盤材は、ポリビニ
ルアルコールを含むフィルム等の包装体により、母材と
なるココヤシ外殻非繊維物及び肥料と、種子、幼苗又は
根分株が被包されてなるものである。この第1発明の緑
化用基盤材においては、ココヤシ外殻非繊維物及び肥料
は成形されておらず、単なる混合物としてポリビニルア
ルコールを含むフィルム中または包装箱中に存在してい
るものである。この緑化用基盤材は包装体中で真空状態
で気密保持されることが好ましく、必要に応じては、窒
素ガス又はアルゴンガスの不活性ガス下で置換しておく
ことができる。
【0011】第1発明で用いるココヤシ外殻非繊維物
は、その外観が似ていることからココピートとも称せら
れるもので、ココヤシ外殻から、タワシ等の材料として
汎用され、ココナツ繊維又はヤシガラ繊維等とも称せら
れる繊維を取り除いた残部を意味するものである。ココ
ヤシ外殻非繊維物の形態は、粉末状、細片状又は0.5
〜30mm程度の短い繊維状、その他の不定形物が混在し
たものであり、その性質に影響を与えない程度のヤシガ
ラ繊維や内核の破砕物等も含有されている。ココヤシ外
殻非繊維物は、原料となるココヤシが天然物であるた
め、その組成は必ずしも一定したものではないが、その
一分析例を表1に示す。
【0012】
【表1】 ココヤシ外殻非繊維物の組成 成 分 含有割合(%) 水 分 11.38 pH(乾物相当量 1:10 25℃) 4.9 (以下乾物換算値) 窒素全量 0.77 リン酸全量 0.44 カリウム全量 1.14 有機物 95.19 陽イオン交換容量 70.9meq/100g
【0013】このような一組成で示されるココヤシ外殻
非繊維物は、ポーラス化しており、雨水等を吸水して速
やかに膨潤する性質を有している。また、ココヤシ外殻
非繊維物は、最終的には生分解するもののその速度は非
常に遅く、通常は、完全に分解するまでに約1年以上も
の期間を要する。よって、ココヤシ外殻非繊維物は、保
水性、保肥性及び通気性等が優れており、植物が十分に
大きく成育するまでの間の風雨からの保護作用も優れて
いる。
【0014】第1発明で用いる肥料としては、腐植酸苦
土肥料又は商品名キチントップE(日本キレート社製)
等として市販されている、甲殻質肥料粉末(カニ殻粉末
等)を主成分とし、これに米糠とカニ殻抽出液を混ぜた
うえ有用菌を入れて発酵させたボカシ肥(以下「ボカシ
肥」という)等を配合することが好ましい。ここで腐植
酸苦土肥料は、酸性矯正をなし、リン酸の肥料効果を高
める作用をするものであり、次に、腐植酸苦土肥料の組
成の分析例を表2に示す。
【0015】
【表2】 腐植酸苦土肥料の組成 成 分 含有割合(%) 腐植酸 60 く溶性苦土 4 (内水溶性苦土) (2) 窒素全量 3 ケイ酸 4 鉄 2 有機物 95.19 陽イオン交換容量 70.9meq/100g
【0016】ボカシ肥は、農薬、肥料及び土壌改良材と
して作用するものである。ボカシ肥は、上記のとおり、
カニ殻粉末、米糠及びカニ殻抽出液を原料として用いた
発酵肥料である。各成分の一分析例を示すと、カニ殻粉
末は、キチン質32.6%、カルシウム29.3%、マ
グネシウム5.6%、窒素4%、リン酸4%、カリウム
0.5%、蛋白質29.5%及び水分7.2%であり、
米糠は、窒素2.1%、リン酸3.8%及びカリウム
1.4%である。また、カニ殻抽出液は、カニの甲羅か
ら抽出したキチンを脱アセチル化して得られるキトサン
の溶液であり、60〜1000倍に希釈して使用するも
のである。
【0017】また、第1発明においてはそのほかにも、
通常の植物栽培に用いる各種有機肥料及び化学肥料も必
要に応じて配合することができる。肥料の配合割合はそ
の種類に応じて適宜調整することができる。例えば、腐
植酸苦土肥料の配合量は、ココヤシ外殻非繊維物100
重量部に対して8〜12重量部が好ましく、ボカシ肥の
配合量は、ココヤシ外殻非繊維物100重量部に対して
1.5〜3.5重量部が好ましい。
【0018】さらに、第1発明においては、土壌改良材
としてピートモスを配合することができる。ピートモス
の配合割合は、ココヤシ外殻非繊維物100重量部に対
して30〜50重量部が好ましい。ピートモスは水苔が
堆積して泥炭化した繊維性土壌改良材であり、その一分
析例を表3に示す。
【0019】
【表3】 ピートモスの組成 成 分 含有割合(%) 水 分 53.33 pH(乾物相当量 1:10 25℃) 3.5 窒素全量 0.78 リン酸全量 0.03 カリウム全量 0.01 マンガン全量 0.002 (以下乾物換算値) 有機物 94.54 腐植酸 8.61 陽イオン交換容量 138.0meq/100g
【0020】また、第1発明においてはそのほかにも、
通常の植物栽培に用いる各種土壌改良材、例えば、天然
硬質ゼオライト等も必要に応じて配合することができ
る。ゼオライトの配合割合は、ココヤシ外殻非繊維物1
00重量部に対して3〜4重量部が好ましい。ゼオライ
トは、塩基置換容量を高めて地力を付与し、同時に含有
されている各種微量成分により土壌の有害物を吸着して
植物の健全発育を促し、土壌の緩衝能を高める作用をす
るものであり、各成分の一分析例を表4に示す。
【0021】
【表4】 天然硬質ゼオライトの組成 成 分 含有割合(%) ケイ酸 70.17 アルミニウム 12.15 鉄 1.14 マンガン 0.06 カルシウム 1.88 マグネシウム 0.33 ナトリウム 1.95 カリウム 2.34 チタン 0.17 強熱残量(1g.loss) 9.29 pH 6.9 水素イオン濃度(pH)1%水溶液 7.20 陽イオン交換容量(CEC) 130〜160meq/100g
【0022】さらに、第1発明においては、土壌活性材
としてアルギン酸ソーダ系化合物を主成分とする粉末状
土壌活性材を配合することができる。また、アルギン酸
ソーダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活性材は、微
生物を土壌に固定化し、微生物の働きを永続化させるよ
うにするものである。アルギン酸ソーダ系化合物を主成
分とする粉末状土壌活性材の配合割合は、ココヤシ外殻
非繊維物100重量部に対して1〜2重量部が好まし
い。これらの各成分の一分析例を表5に示す。
【0023】
【表5】 粉末状土壌活性材の組成 成 分 含有割合(%) アルギン酸ソーダ系化合物 75.0 窒素全量 6.8 リン酸全量 6.0 カリウム全量 6.0 微量成分(60種類) 2.0 pH(乾物相当量 1:10 25℃) 4.9
【0024】さらに、第1発明においては、VA菌根
(Vesicular-Arbuscuiar mycorrhiza)等の内性菌根、腹
菌類等の外性菌根のような菌根菌を配合することができ
る。内性菌根としてのVA菌根は、菌糸が植物の細胞内
に入るもので、植物の生育助長、病原抵抗性の付与、植
物の水分保持の補助的作用、リン酸分の吸収促進作用等
に資するものであり、その例としては、アカウロスポラ
属(Acaulospora sp.)、エントロホスポラ属(Entoroph
ospora sp.) 、ギガスポラ属(Gigaspora sp.)、グロム
ス属(Glomus sp.) 、スクレロシツチス属(Sclerrocys
tis sp.)、スクテロスポラ属(Scutellospora sp.)を挙
げることができる。外性菌根としての腹菌類等は、胞子
多産型で胞子による接種が可能で乾燥にも強いことか
ら、腹菌類に属するコツブダケ、タマコツブダケ、ナガ
エノコツブダケ等のキノコを挙げることができる。
【0025】さらに、第1発明においては、そのほかに
も、通常の植物栽培に用いられる上記菌のボカシ菌等を
配合することができる。
【0026】第1発明で用いるポリビニルアルコールを
含むフィルム等の包装体は、ココヤシ外殻非繊維物及び
肥料と、種子、幼苗又は根分株を包み込むことにより、
保管及び運搬を容易にし、施工時の作業性を向上させる
ためのものである。また、そのほかにも、所望の時期に
雨水等により溶解して内部に通水し、種子等の発芽を促
す、発芽調整作用をするためのものでもある。よって、
ポリビニルアルコールを含むフィルムは、どのような作
用効果を第1義に得ようとするかにより、適宜その組成
等を調整することができる。例えば、単なる被覆材料と
して用いる場合には特に考慮する必要はないが、発芽調
整作用を主として得ることを目的とする場合、ポリビニ
ルアルコールの水に対する溶解性を調整する必要があ
る。ポリビニルアルコールの水に対する溶解性は、重合
度、けん化度、結晶化度等により変化し、さらに、耐水
化剤の配合や耐水化処理によっても変化するため、第1
発明においては、これらの要素を適宜組み合わせて、所
望の期間、耐水性を保持できるようにすることが好まし
い。
【0027】第1発明で用いるポリビニルアルコールを
含むフィルムとしては、重合度が約500〜約2500
の範囲、好ましくは重合度1000以上のものを用いる
ことができる。また、けん化度は、例えば、重合度が1
700のものの場合、常温における溶解性を低下させる
ため、90%を超えるものが好ましく、完全けん化物を
含む95%を超えるものが特に好ましい。ただし、施工
直後に溶解することを目的とする場合には、よりけん化
度の低いものを用いることができる。
【0028】また、さらに耐水性を付与しようとする場
合には、硼砂、グリオキザール等の耐水化剤を配合した
り、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を併用す
ることもできる。さらに、熱処理により結晶化度を高め
ることにより耐水化したり、アセタール化反応により耐
水化したりすることでもできる。
【0029】第1発明の緑化用基盤材は、ココヤシ外殻
非繊維物、肥料及び種子、幼苗又は根分株等を混合した
のち、そのままポリビニルアルコールを含むフィルムで
包み込み、必要に応じて端部同士を熱接着して密封する
ことにより得ることができる。この場合のフィルムの厚
さは特に制限されるものではなく、通常、市販されてい
る数十μm程度のものでよく、作業性を考慮してより高
い機械的強度のものを得ようとする場合には、複数枚の
フィルムにより、二重、三重に包み込むこともできる。
また、ポリビニルアルコールを含むフィルムを袋状に成
形したものも用いることができる。第1発明の緑化用基
盤材は、平板状、円柱状、直方体状、立方体状、帯状等
の所望の形状にすることができる。
【0030】第1発明の緑化用基盤材は、施工前の保管
時における種子等の発芽を防止するため、施工時までに
おける水分含有率が30重量%以下(根分株は40重量
%以下)であることが好ましく、15重量%以下である
ことが特に好ましい。また、このように水分を調節する
ことにより、フィルムを除く比重を約0.1〜0.5に
することができる。
【0031】次に、第2発明の緑化用基盤材について説
明する。第2発明の緑化用基盤材は、ポリビニルアルコ
ールを含むフィルムにより、母材となるココヤシ外殻非
繊維物及び肥料を含有する成形体又は圧縮成形体と、種
子、幼苗又は根分株が一体化されたものが被包されてな
るものである。
【0032】第2発明において成形体とは、必要に応じ
て結着材を用い、人力又はそれと同等の道具類により
(即ち、機械的手段により圧縮することなく)所望の形
状に成形したものをいい、圧縮成形体とは、必要に応じ
て結着材を用い、機械的手段により所望の形状に圧縮成
形したものをいう。このような成形体又は圧縮成形体
は、施工状況に応じた所望の形状、例えば、平板状、立
方体状、直方体状、球状、円柱状、棒状、帯状等の種々
の形状にすることができる。また、その大きさも、施工
状況に応じた所望の大きさのものにすることができる。
【0033】第2発明において一体化されているとは、
ココヤシ外殻非繊維物及び肥料等を含有する成形体又は
圧縮成形体と、種子、幼苗又は根分株が、発芽及び生育
が可能な程度に接触していることを意味するものであ
る。この一体化の態様としては、成形体又は圧縮成形体
の上面(施工後において外気と接触する面)に種子等が
適度に分散されて置かれていること、付着されているこ
とを含み、成形体又は圧縮成形体が薄い場合には、下面
(施工後において法面等に接触する面)に対して、上面
の場合と同様に種子を付着等することも含まれる。ま
た、成形体又は圧縮成形体の内部に種子等が発芽可能な
程度の深さにまで埋め込まれている態様のほか、ココヤ
シ外殻非繊維物、肥料及び種子等を一緒に成形して得ら
れた成形体又は圧縮成形体も含まれる。
【0034】ここで、ココヤシ外殻非繊維物は、圧縮に
より、容易にかつ大幅に体積を減少させる性質を有して
おり、雨水等を吸水したときには、約1.5〜15倍も
の体積に速やかに膨潤する性質を有している。復元体積
量は、吸水量や時間経過、圧縮率、素材の種類や配合量
等によって調整され、好ましくは3〜8倍とすることが
できる。
【0035】第2発明で用いるココヤシ外殻非繊維物、
肥料及び種子、幼苗又は根分株、さらに、ポリビニルア
ルコールを含むフィルムは第1発明と同じものであり、
そのほか、第1発明において例示した、土壌改良材、土
壌活性材、菌根菌等のその他の材料を配合することがで
きる。
【0036】第2発明の緑化用基盤材は、まず、種子等
と一体化した成形体又は圧縮成形体を製造し、次に、そ
れらをポリビニルアルコールを含むフィルムにより包み
込むことにより得ることができる。ここで種子等と一体
化した成形体又は圧縮成形体の製造方法としては、例え
ば、コヤシ外殻非繊維物及び肥料等を混合し、必要に応
じて、水溶性又は腐食性の結着材を用いて成形体又は圧
縮成形体を得たのち、成形体又は圧縮成形体の所望の面
に、種子等をそのまま又は必要に応じて結着材等を用い
て付着させるか、指等で発芽可能な程度の深さに埋め込
む方法;コヤシ外殻非繊維物、肥料及び種子等を混合
し、同様にして成形体又は圧縮成形体を得る方法;種子
等の位置を調整するため、まずコヤシ外殻非繊維物と肥
料を用いて2つの成形体又は圧縮成形体をつくり、それ
らの間に種子等を挟み込んだのち、一つの成形体又は圧
縮成形体にする方法;種子等を生分解性の小袋に入れた
のち、前記の二つの方法に従って、成形体又は圧縮成形
体を得る方法等を挙げることができる。
【0037】このような第2発明の緑化用基盤材におい
ても、第1発明と同様に、水分含有率が30重量%以下
(根分株は30重量%以下)であることが好ましく、1
5重量%以下であることが特に好ましい。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0039】実施例1 まず、ココヤシ外殻非繊維物100重量部に対して、ピ
ートモス38重量部、腐植酸苦土肥料7.6重量部、ゼ
オライト3.0重量部、アルギン酸ソーダ系土壌活性材
1.5重量部及びボカシ肥1.5重量部とウィーピング
ラブグラスの種子を配合し、混合した。次に、この混合
物を、ポリビニルアルコールフィルム(厚さ0.05m
m;重合度1700,けん化度88%)により包み込
み、第1発明の緑化用基盤材を得た。
【0040】実施例2 実施例1と同一組成の各材料及びポリビニルアルコール
の粉粒体等の水不溶性の結着材とウィーピングラブグラ
スの種子を混合し、機械を使用することなく成形し、幅
30cm、長さ50cm及び厚さ5cmの板状成形体を得た。
次に、実施例1と同様にして前記板状成形体をポリビニ
ルアルコールフィルムにより包み込んで、第2発明の緑
化用基盤材を得た。この緑化用基盤材の重量は約150
0gで、含水率は22重量%であった。なお、別の板状
成形体に3リットルの水をかけると速やかに吸水し、幅
45cm、長さ75cm及び厚さ7.5cmとなり、約3.5
倍にまで膨潤した。また、膨潤後においては、板状成形
体内部の水はそのまま保持されていた。
【0041】実施例3 実施例1と同一組成の各材料及びウィーピングラブグラ
スの種子を混合し、機械的に30〜80kg/cm2 の圧力
を加え、幅13cm、長さ27cm及び厚さ4cmの板状の圧
縮成形体を得た。次に、実施例1と同様にしてポリビニ
ルアルコールフィルムにより包み込んで、第2発明の緑
化用基盤材を得た。この緑化用基盤材の重量は約140
0gで、含水率は15重量%であった。
【0042】実施例4、5及び6 実施例1、2及び3において用いたポリビニルアルコー
ルフィルムの代わりに、ポリビニルアルコールフィルム
(厚さ0.05mm;重合度1700,完全けん化物)を
用いたほかは同様にして、各緑化用基盤剤を得た。
【0043】試験例1 実施例2及び3と実施例5及び6で得られた各緑化用基
盤材を用い、道路法面への施工試験を行った。試験は、
各緑化用基盤材を道路法面に敷設し、2週間放置したの
ちの状態を観察することにより行った。その結果、実施
例2及び3の緑化用基盤材は、試験期間中の雨によりポ
リビニルアルコールフィルムが溶解し、内部の成形体及
び圧縮成形体は吸水して大きく膨潤しており、そこから
ウィーピングラブグラスが発芽し、生育していた。一
方、実施例5及び6の緑化用基盤材は、ポリビニルアル
コールフィルム及び内部の成形体及び圧縮成形体のいず
れにも外観上の変化は見られなかった。
【0044】実施例7 まず、ココヤシ外殻非繊維物100重量部に対して、ピ
ートモス28.6重量部、腐植酸苦土肥料7.1重量
部、ゼオライト2.9重量部、アルギン酸ソーダ系土壌
活性材1.4重量部及びボカシ肥1.4重量部とメドハ
ギの種子を配合し、混合した。次に、この混合物を、ポ
リビニルアルコールフィルム(厚さ0.05mm;重合度
1700,完全けん化物)により包み込み、端部同士を
熱接着して内容物を密封し、第1発明の緑化用基盤材を
得た。この緑化用基盤材の重量は約1350gで、含水
率は20重量%であった。
【0045】実施例8 実施例7と同一組成の各材料及び水不溶性の結着材とメ
ドハギの種子を混合し、機械を使用することなく成形
し、幅30cm、長さ50cm及び厚さ5cmの板状成形体を
得た。次に、実施例7と同様にしてポリビニルアルコー
ルフィルムにより包み込んで、第2発明の緑化用基盤材
を得た。この緑化用基盤材の重量は約1400gで、含
水率は20重量%であった。
【0046】実施例9 実施例7と同一組成の各材料及びメドハギの種子を混合
し、機械的に30〜80kg/cm2の圧力を加え、幅13c
m、幅27cm及び厚さ4cmの板状の圧縮成形体を得た。
この板状の圧縮成形体に2リットルの水をかけると速や
かに吸水し、幅45cm、長さ78cm及び厚さ20cmとな
り、約5.5倍にまで膨潤した。また、膨潤後において
は、板状の圧縮成形体内部の水はそのまま保持されてお
り、外部に流れ出ることはなかった。次に、実施例7と
同様にして前記板状の圧縮成形体をポリビニルアルコー
ルフィルムにより包み込んで、第2発明の緑化用基盤材
を得た。この緑化用基盤材の重量は約1300gで、含
水率は20重量%であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の緑化用基盤材は、小型でかつ軽
量であるため、保管及び運搬が容易であり、施工時にお
ける作業性もよい。また、本発明の緑化用基盤材は、雨
水等を吸水した場合には、母材であるココヤシ外殻非繊
維物の作用により、水を吸収して速やかに膨潤し、保水
性も優れている。そして、前記膨潤により、保水性と同
時に通気性及び保肥性も向上されるため、種子等の健全
な発芽及び生育において非常に有効である。さらに、母
材であるココヤシ外殻非繊維物は、生分解速度が非常に
遅いため、植物が十分に生育するまでの間、施工当初の
形態を保持することができ、それにより、種子等を鳥や
小動物から保護したり、低温や風雨から保護したりでき
る。また、本発明の緑化用基盤材は、水分の蒸発を抑制
する作用、保水作用の一層の向上、多量の雨水により生
じた水流を緩和する作用等も発揮することができる。
【0048】とくに、本発明の緑化用基盤材におけるポ
リビニルアルコールを含むフィルムの水に対する溶解性
を調整することにより、発芽時期を調整することができ
るため、施工可能な期間を拡大することができる。よっ
て、例えば寒冷地や豪雪地帯では夏期に施工作業をし、
植物の生育に最適な春に発芽させることもできるため、
施工作業の期間選択度が広がり、種蒔き等の二次作業が
不要となるため作業負担も軽減される。本発明の緑化用
基盤材は、道路法面の緑化による保全工事、川岸,湖
岸,海岸等の護岸工事、都市部,山岳、ゴルフ場等にお
ける緑化、ハウス栽培,苗床又は露地栽培における農業
的用途等において非常に有用なものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材となるココヤシ外殻非繊維物及び肥
    料と、種子、幼苗又は根分株が、ポリビニルアルコール
    を含むフィルム等の包装体により被包されていることを
    特徴とする緑化用基盤材。
  2. 【請求項2】 母材となるココヤシ外殻非繊維物及び肥
    料を含む成形体又は圧縮成形体と、種子、幼苗又は根分
    株が一体化されたものがポリビニルアルコールを含むフ
    ィルム等の包装体により被包されていることを特徴とす
    る緑化用基盤材。
  3. 【請求項3】 さらに、土壌改良材又は土壌活性材を含
    有する請求項1又は2記載の緑化用基盤材。
  4. 【請求項4】 種子、幼苗の水分含有率が30重量%以
    下である請求項1又は2記載の緑化用基盤材。
  5. 【請求項5】 根分株の水分含有率が40重量%以下で
    ある請求項1又は2記載の緑化用基盤材。
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