JPH1055617A - 信号処理装置、記録媒体およびディスクカッティング装置 - Google Patents

信号処理装置、記録媒体およびディスクカッティング装置

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JPH1055617A
JPH1055617A JP8211361A JP21136196A JPH1055617A JP H1055617 A JPH1055617 A JP H1055617A JP 8211361 A JP8211361 A JP 8211361A JP 21136196 A JP21136196 A JP 21136196A JP H1055617 A JPH1055617 A JP H1055617A
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JP
Japan
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signal
scramble
timing
initial value
key signal
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Application number
JP8211361A
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English (en)
Inventor
Yotaro Shinkai
陽太郎 新海
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オリジナル信号を記録したディスクを再生し
て、再生データに基づいて不正にディスクをカッティン
グする海賊版を防止することができる信号処理装置、記
録媒体およびディスクカッティング装置の提供を目的と
する。 【解決手段】 この信号処理装置は、符号化手段およ
び、符号化された複数の素材信号を多重化してオリジナ
ル信号を新規に作成する多重化手段としてのエンコード
およびマルチプレクス部4を有する信号処理装置におい
て、オリジナル信号をキー信号に基づいてスクランブル
して被スクランブル信号を出力するスクランブル手段と
してのスクランブル回路5と、キー信号によりスクラン
ブルの初期値を変化させると共にスクランブルのタイミ
ングを変換するスクランブルタイミング制御手段6とを
設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、DVD
(ディジタル・ビデオ・ディスク)に記録すべきデータ
を作成する信号処理装置、このデータを記録した記録媒
体およびこのデータに基づいてマスターディスクを作成
するディスクカッティング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に、ビデオデータとオーディオデー
タとを同時に符号化処理するエンコーダを用いたDVD
の編集システム(オーサリングシステム)の構成例を示
す。このオーサリングシステムは、ディジタルVTR6
0と、エンコーダ61と、コンピュータ62とを有す
る。
【0003】このディジタルVTR60は、ディジタル
方式で記録されたビデオテープTP(Tape1)から
ディジタルビデオデータを再生するビデオ再生部60A
と、ディジタル方式で記録されたオーディオテープTP
(Tape2)からディジタルオーディオデータを再生
するオーディオ再生部60Bとを有する。
【0004】エンコーダ61は、コンピュータ62によ
る制御によってディジタルVTR60から再生されるビ
デオデータDvおよびオーディオデータDaをそれぞれ
符号化し、さらにこれら符号化されたビデオデータおよ
び符号化されたオーディオデータとを多重化して一連の
ビットストリームとして出力する。
【0005】ビデオデータDvおよびオーディオデータ
Daの各符号化は、MPEG2(Moving Pic
ture Experts Group2)によるデー
タ圧縮のための符号化であり、コンピュータ62の主記
憶装置にストアされたビデオ符号化プログラムおよびオ
ーディオ符号化プログラムにそれぞれ記述された各アル
ゴリズムに従って行われ、符号化されたビデオデータと
符号化されたオーディオデータの多重化は、同じくコン
ピュータ62の主記憶装置にストアされた多重化プログ
ラムに記述されたアルゴリズムに従って行われる。
【0006】このようにして、このオーサリングシステ
ムにおいては、ディジタルVTR60等からの再生デー
タとしてのビデオデータDvおよびオーディオデータD
aを符号化処理し、ビデオデータDvおよびオーディオ
データDaとをそれぞれ所定のデータレートに変換す
る。
【0007】このようなオーサリングシステムでのデー
タの作成はスタジオ等で行われ、オーサリングシステム
で作成したデータを記録媒体に記録して、カッティング
マシーンのある工場に持ち込んで、両者を予め決められ
たフォーマットに並び変えて、DVDなどの記録媒体に
記録することにより、マスターディスクを製作するよう
にしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のオーサ
リングシステムでは、真正な製作者が製作した正規な信
号データを記録したディスクやテープ等の記録媒体か
ら、第三者が信号データを再生させて、この再生データ
を記録媒体にコピーして不正なデータを作り、このコピ
ーデータが記録された記録媒体を工場に持ち込むことが
あった場合でも、工場側では真正なデータとコピーされ
た不正なデータとの区別がつかないため、カッティング
マシーンで不正なデータでマスターディスクを作成して
しまい、このマスターディスクでいわゆるディスクの海
賊版の製造が行われ、このような不正なデータによる海
賊版の製造を防止することができないという不都合があ
った。
【0009】これに対して、従来では、海賊版の防止対
策は何等取られていなかったが、以下に述べる2つのコ
ピー対策は講じられていた。第1のコピー対策は、カッ
ティングマシーンにおけるカッティング中に信号部分の
ある特定のビット(例えばLSB)を反転させて信号部
分にカッティング時の痕跡を残すようにして、このカッ
ティング時の痕跡を検出することにより、扱う信号がコ
ピーしたものであるのか、オリジナルなものであるのか
を判定するものである。なお、この特定のビットの反転
は、人間には判別できない程度のものであり、画像上で
も影響の無いものであり、信号がコピーかオリジナルか
の判定のみに用いられる。しかし、このような判定も特
定ビットの反転を検出することができる再生装置でのみ
できるので、通常のプレーヤー等で何等問題なく信号を
再生することができるため、海賊版の対策としては不十
分である。
【0010】また、第2のコピー対策は、DAT(ディ
ジタルオーディオテープ)システム等で採用されている
SCMS(シングルコピーマネージメントシステム)方
式によるコピー制限であり、ディジタルコピー禁止ビッ
トを1回だけ立てることにより、1回だけコピーを許可
するものである。しかし、このような方式でも1回だけ
ならコピーができるので、同様に、海賊版の対策として
は不十分である。
【0011】本発明は、かかる点を考慮してなされたも
のであり、オリジナル信号を記録したディスクを再生し
て、再生データに基づいて不正にディスクをカッティン
グする海賊版を防止する信号処理装置、記録媒体および
ディスクカッティング装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の信号処理装置
は、複数の素材信号をそれぞれ符号化する符号化手段
と、上記符号化手段により符号化された複数の素材信号
を多重化してオリジナル信号を新規に作成する多重化手
段とを有する信号処理装置において、オリジナル信号を
キー信号に基づいてスクランブルして被スクランブル信
号を出力するスクランブル手段と、キー信号によりスク
ランブル手段のスクランブルを行う際のタイミングを制
御するスクランブルタイミング制御手段とを設けたもの
である。
【0013】また、本発明の記録媒体は、複数の素材信
号がそれぞれ符号化され、符号化された複数の素材信号
が多重化されてオリジナル信号が新規に作成されたと
き、オリジナル信号をキー信号に基づいてスクランブル
して出力される被スクランブル信号と、スクランブルの
初期値を変化させると共に、スクランブルを行う際のタ
イミングを変化させるようにしたキー信号とを記録する
ようにしたものである。
【0014】また、本発明のディスクカッティング装置
は、入力信号から、入力信号に対して初期値を変えてス
クランブルをかけると共に、スクランブルを行う際のタ
イミングを変化させるようにしたキー信号を検出するキ
ー信号検出手段と、キー信号に基づいて初期値を変える
共に、スクランブルを行う際のタイミングを変化させて
スクランブルされた入力信号をもとに戻すディスクラン
ブルをかけるディスクランブル手段とを備え、ディスク
ランブル手段によりディスクランブルをかけられた被デ
ィスクランブル信号からカッティングデータを生成し
て、カッティングデータに基づいてマスターディスクを
作成するようにしたものである。
【0015】本発明の信号処理装置によれば、以下のよ
うな作用をする。信号処理装置において、オリジナルの
信号データが符号化手段および多重化手段に供給され
る。具体的には、映像符号化手段に映像信号が供給さ
れ、音声符号化手段に音声信号が供給され、補助データ
符号化手段に補助データ信号がそれぞれ供給される。映
像符号化手段において映像信号は動画圧縮符号化を施さ
れる。音声符号化手段において音声信号はオーディオ符
号化を施される。補助データ符号化手段において補助デ
ータ信号は符号化を施される。各符号化手段において符
号化された信号は多重化手段に供給される。多重化手段
において各信号は、映像、音声、補助データ等のデータ
のパケットに切り換えられて、時分割して多重化され一
本のビットストリームに変換される。
【0016】一方、オリジナル信号の保有者は、キー信
号をキーボードを押下して入力する。このキー信号がス
クランブル初期値変換手段に供給される。スクランブル
初期値変換手段において、このキー信号はキー信号で指
定された複数のスクランブル初期値に変換される。ま
た、タイミング入力手段によりタイミングを設定変更す
ることにより、キー信号に基づいて変換されたスクラン
ブル初期値を生成するタイミングを変換する。そして、
このように設定されたタイミングで、M系列生成多項式
のキー信号に相当する項を指定することによって上記多
項式のうち帰還する次数の項が決まり、スクランブル手
段においてM系列の疑似ランダム信号が発生する。つま
り、複数段シフトレジスタにおいて、最終段に1を入れ
て、キー信号で指定されたj段目および対応する段に1
を入れて、他の段に0を入れた状態で所定段を帰還する
ことにより入力信号としてのビットストリームに対して
スクランブルがかけられる。このようにして、メイン信
号のビットストリームにキー信号で指定された係数を持
つ疑似ランダム関数(M系列生成多項式)でスクランブ
ルがかけられる。
【0017】また、本発明の記録媒体によれば、以下の
作用をする。上述の信号処理装置において、スクランブ
ルをかけられたビットストリーム中から信号の同期を取
り易くして、ディスクカッティング装置等の後段部での
各種動作をスムーズに行えるようにするため、同期信号
を含むヘッダ信号をセクターと呼ばれる各信号単位で信
号ブロックの先頭に挿入する。このとき、マスターディ
スクのカッティング時のディスクランブルのために、ス
クランブルで使用したスクランブルの初期値を変化させ
ると共に、スクランブルを行う際のタイミングを変化さ
せるようにしたキー信号をヘッダ信号の一部に入れる。
ビットストリームは、編集後の最終データを意味する完
パケデータとして、その信号データおよびキー信号が記
録媒体に記録される。
【0018】また、本発明のディスクカッティング装置
によれば、以下の作用をする。ディスクカッティング装
置において、上述した記録媒体に記録されて出力された
完パケデータが入力信号として供給される。入力信号か
ら同期信号が検出された後に、検出された同期信号はキ
ー信号検出手段に供給される。キー信号検出手段におい
て、検出された同期信号に基づいてヘッダ信号部が抽出
され、スクランブルで使用したキー信号が抽出される。
抽出されたキー信号はディスクランブル初期値変換手段
およびディスクランブルタイミング変換手段に供給され
る。
【0019】また、入力されたビットストリームからス
クランブル化された領域の信号部分が分離される。分離
された被スクランブル信号だけがディスクランブル手段
に供給される。
【0020】ディスクランブル初期値変換手段におい
て、スクランブルと同様のM系列生成動作が行われる。
つまり、キー信号はキー信号で指定されたディスクラン
ブル初期値に変換される。ディスクランブル初期値が変
換されたキー信号はディスクランブル手段に供給され
る。ディスクランブルタイミング変換手段において、ス
クランブルの際に設定されたディスクランブルのタイミ
ングに変換される。そして、このように変換されたディ
スクランブルのタイミングで、ディスクランブル手段に
おいて、M系列生成多項式のキー信号に相当する項を指
定することによって上記多項式のうち帰還する項の次数
が決まり、ディスクランブル手段においてM系列の疑似
ランダム信号が発生する。つまり、複数段シフトレジス
タにおいて、キー信号で指定されたj段目および対応す
る段に1を入れて、他の段に0を入れた状態で所定段を
帰還することにより被スクランブル信号に対してディス
クランブルがかけられる。このようにして、スクランブ
ルされたメイン信号のビットストリームにキー信号で指
定された初期値を持つ疑似ランダム関数(M系列生成多
項式)でディスクランブルがかけられ、被スクランブル
信号からM系列疑似ランダム信号分が引き算されて、元
の符号が復号される。このようにして復号されたデータ
がディスクにカッティングされるべき本来のデータとな
る。
【0021】このようにして、再生された本来のデータ
信号からカッティングデータを生成して、カッティング
マシンでマスターディスクにデータ信号で変調されたレ
ーザ光を照射させてカッティングを行い、原盤となるデ
ィスクが作成される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本実施の形態について説明
する。まず、図1を参照しながら、本実施の形態のオー
サリングシステムおよびカッティングマシーンシステム
の構成を説明する。このシステムは、信号データ入力部
1と、キー信号入力部2と、オーサリングシステム3お
よびカッティングマシーンシステム13とを有する。信
号データ入力部1は、例えば、複数の素材となる信号デ
ータを再生する再生装置またはこの信号データを伝送す
る伝送ラインであり、信号データを供給する機能を有す
る。キー信号入力部2は例えばキーボードであり、キー
信号を供給する機能を有する。
【0023】オーサリングシステム3は、エンコードお
よびマルチプレクス部4と、スクランブル回路5と、ス
クランブルタイミング制御手段6と、オーサリングデー
タ生成部7と、信号データおよびキー信号出力回路8と
を有する。エンコードおよびマルチプレクス部4は信号
データ入力部1から供給される複数の素材となる信号デ
ータを圧縮処理するために符号化を行うと共に符号化さ
れた複数の素材となる信号データを多重化して、オリジ
ナルの信号データを出力する機能を有する。ここで、エ
ンコードおよびマルチプレクス部4は、符号化手段およ
び多重化手段を構成する。スクランブル回路5は、M系
列の疑似ランダム信号を発生させて、オリジナルの信号
データにM系列の疑似ランダム信号でスクランブルをか
ける機能を有する。
【0024】ここで、スクランブル回路5はスクランブ
ル手段を構成し、オリジナル信号を入力とし、複数段の
シフトレジスタと、少なくともキー信号で指定された段
のシフトレジスタの出力に基づいてシフトレジスタの入
力に帰還する信号を出力するイクスクルシブオア回路と
を有する。スクランブルタイミング制御手段6は、複数
段のシフトレジスタに対応してそれぞれ異なるスクラン
ブル初期値を設け、キー信号入力手段2から供給される
キー信号で指定されたスクランブル初期値に変換すると
共に、キー信号に基づいてスクランブル初期値の設定タ
イミングを変えることによりスクランブルのタイミング
を変えて、スクランブル手段にM系列の疑似ランダム信
号を発生させる機能を有する。スクランブルタイミング
制御手段6はスクランブル回路5と一体に設けても良
く、また別体に設けても良い。
【0025】オーサリングデータ生成部7は、スクラン
ブル回路5でスクランブルされた被スクランブル信号を
所定のサイズにセクタライズして、その被スクランブル
信号にヘッダ信号を付加する際にキー信号を挿入し、オ
ーサリングデータを生成する機能を有する。
【0026】信号データおよびキー信号出力回路8は、
オーサリングデータ生成部7から供給されるキー信号入
力部2から出力されるキー信号を付加している信号デー
タを所定の記録媒体に記録して出力する機能を有する。
信号データおよびキー信号出力回路8は、ディスク出力
部9と、テープ出力部10と、ハードディスク出力部1
1と、オンラインデータ出力部12とを有する。ディス
ク出力部9と、テープ出力部10と、ハードディスク出
力部11と、オンラインデータ出力部12は、各出力信
号の記録される媒体の形式によって切り換えられる。デ
ィスク出力部9は記録媒体がディスクの場合に用いら
れ、ディスク記録装置で構成される。テープ出力部10
は記録媒体がテープの場合に用いられ、テープ記録装置
で構成される。ハードディスク出力部11は記録媒体が
ハードディスクの場合に用いられ、ハードディスク装置
で構成される。また、オンラインデータ出力部12は転
送の媒体がオンラインデータの場合に用いられ、インタ
フェース部分とオンラインケーブルとで構成される。
【0027】このように各記録媒体は、複数の素材信号
がそれぞれ符号化され、符号化された複数の素材信号が
多重化されてオリジナル信号が新規に作成されたとき、
オリジナル信号をキー信号に基づいてスクランブルして
出力される被スクランブル信号と、スクランブルの初期
値を変化させると共に、スクランブルのタイミングを変
えるようにしたキー信号とを記録するように構成してい
る。
【0028】カッティングマシーンシステム13は、キ
ー信号分離部14と、ディスクランブルタイミング制御
手段15と、ディスクランブル部16と、カッティング
データ生成部17と、レーザ変調部18と、マスターデ
ィスク作成部19とを有する。キー信号分離部14は、
記録媒体に記録された信号データおよびキー信号からキ
ー信号を分離して取り出す機能を有する。キー信号分離
部14で分離された一方のキー信号はディスクランブル
タイミング制御手段15に供給され、他の被スクランブ
ル信号データはディスクランブル部16に供給される。
ここで、キー信号分離部14は、入力信号から、入力信
号に対して、スクランブルの初期値を変えると共に、タ
イミングを変えるキー信号を検出するキー信号検出手段
を構成する。ディスクランブル部16は、オーサリング
システム3のスクランブル回路5で信号データにかけら
れたスクランブルを戻す機能を有する。つまり、ディス
クランブル部16はスクランブル回路5と逆の動作を行
うように構成されている。
【0029】ここで、ディスクランブル部16はキー信
号に基づいて初期値を変えると共に、タイミングを変え
てスクランブルされた入力信号を、もとに戻すようにデ
ィスクランブルをかけるディスクランブル手段を構成
し、被スクランブル信号を入力とし、複数段のシフトレ
ジスタと、少なくともキー信号で指定された段のシフト
レジスタの出力に基づいてシフトレジスタの入力に帰還
する信号を出力するイクスクルシブオア回路とからなる
ディスクランブル回路を有する。キー信号分離部14
は、スクランブルされていない、ヘッダ信号からキー信
号を分離すると共に、スクランブルをかけられたデータ
領域も分離して、スクランブルを戻すためディスクラン
ブル部16へ送るため、ディスクランブル部16が、キ
ー信号分離部14から送られてくる信号からスクランブ
ルをかけられていない信号とスクランブル回路からの被
ディスクランブル信号とを切り換える信号切り換え回路
を有する。
【0030】ディスクランブルタイミング制御手段15
は、複数段のシフトレジスタに対応してそれぞれ異なる
ディスクランブル初期値を設け、キー信号分離部14か
ら供給されるキー信号で指定されたディスクランブル初
期値に変換すると共に、ディスクランブルを行うタイミ
ングをキー信号に合わせて変えるようにし、ディスクラ
ンブル手段にM系列の疑似ランダム信号を発生させる機
能を有する。ディスクランブルタイミング制御手段15
はディスクランブル部16と一体に設けても良く、また
別体に設けても良い。
【0031】カッティングデータ生成部17は、ディス
クランブルをかけてもとに戻された信号データに対して
セクタライズを行い、誤り検出コードの付加を行い、信
号のDC成分のオフセットを取り除く為のスクランブル
処理を行い、誤り訂正コード処理を追加して、8/16
変調を行い、同期信号を挿入する機能を有する。レーザ
変調部18は、この様に処理されたデータ信号でレーザ
光出力に変調を施す機能を有する。マスターディスク作
成部19は、この様に変調されたデータに応じたレーザ
ビームを発生させて、マスターディスク上のフォトレジ
ストを感光させることで信号をディスクにカッティング
する機能を有する。
【0032】このようにカッティングマシーンシステム
は、キー信号検出手段と、ディスクランブル手段とを備
え、ディスクランブル手段によりディスクランブルをか
けられた被ディスクランブル信号からカッティングデー
タを生成して、カッティングデータに基づいてマスター
ディスクを作成する機能を有する。
【0033】次に、図1に示したオーサリングシステム
3およびカッティングマシーンシステムの詳細な構成を
それぞれ図2および図3を用いて説明する。まず、図2
において、オーサリングシステム3の構成を説明する。
図2において、図1に示したものと同一部分には同一の
符号を付してその説明を省略する。信号データ入力部1
は、映像信号入力部20と、音声信号入力部21と、補
助データ信号入力部22とを有する。映像信号入力部2
0は、例えば、図6で示したようなディジタルVTR6
0のビデオ再生部60Aで構成され、ヘリカルトラック
を再生することにより再生映像信号が出力される。音声
信号入力部21は、同様に、ディジタルVTR60のオ
ーディオ再生部60Bで構成され、ヘリカルトラックを
再生することにより再生音声信号が出力される。補助デ
ータ信号入力部22は、同様に、ディジタルVTR60
の、例えば補助信号再生部で構成され、コントロール信
号等の長手トラックを再生することにより補助データ信
号が出力される。
【0034】エンコードおよびマルチプレクス回路4
は、映像信号を符号化するエンコード回路23と、音声
信号を符号化するエンコード回路24と、補助データ信
号を符号化するエンコード回路25と、符号化された音
声信号と音声信号および補助データ信号をそれぞれ多重
化するマルチプレクス回路26とを有する。エンコード
回路23、エンコード回路24およびエンコード回路2
5は、MPEG2(Moving Picture E
xperts Group2)によるデータ圧縮のため
の符号化を行う。MPEG標準には、CD−ROM等の
蓄積メディアのための圧縮符号化標準であるMPEG1
と、MPEG1のアプリケーションも含む広い範囲のア
プリケーションのための圧縮符号化標準であるMPEG
2とがあるが、本実施の形態ではDVDの動画圧縮に最
適なMPEG2を用いている。
【0035】映像用のエンコード回路23は、MPEG
2による動画圧縮を行うように、入力信号をDCT(D
iscrete Cosine Transform)
変換するDCT変換回路と、DCT変換された係数を量
子化する量子化回路と、量子化された変換係数を逆量子
化する逆量子化回路と、逆量子化された変換係数を逆D
CT変換する逆DCT変換回路と、逆DCT変換された
信号に動き補償をする動き補償回路と、動き補償された
信号を逆DCT変換された信号に加算する加算器と、入
力信号から動き補償された信号を減算する減算器とを有
する。
【0036】音声用のエンコード回路24は、入力信号
の時間サンプルを周波数成分のサブバンドに変換するフ
ィルタバンクと、入力信号を聴覚心理モデルによりビッ
ト割り当てするビット割当回路と、この周波数成分のサ
ブバンドをサブバンド毎に量子化する量子化回路と、ビ
ットストリーム形成回路とを有する。
【0037】マルチプレクス回路26は、エンコード回
路23、エンコード回路24およびエンコード回路25
で符号化された映像、音声および補助データのビットス
トリームを同期を含めて統合して1本化するようにして
多重化する。この多重化の方式には、1つのプログラム
(番組)を構成するプログラム・ストリーム(Prog
ram stream,MPEG2−PS)と、複数の
プログラムを同時に構成できるトランスポート・ストリ
ーム(transport stream,MPEG2
−TS)の2種類の方式がある。本実施の形態では、M
PEG2−PSを用いている。このようにして、メイン
の信号データのビットストリームが生成されるように構
成される。
【0038】パケットによる多重化は、例えば、映像、
音声、補助データ等の信号データを多重化する場合、映
像、音声、補助データ等のそれぞれをパケットと呼ばれ
る適当な長さのストリーム(ビット列)に分割して、後
述するヘッダ信号等の付加情報を付加して、適宜、映
像、音声、補助データ等のデータのパケットに切り換え
て時分割して一本のビットストリームにする。これらの
各パケットには、先頭部分に後述するヘッダ信号と称さ
れる映像、音声、補助データ等のデータの属性を識別す
る情報が設けられる。
【0039】パケット長は、蓄積メディアまたは伝送ネ
ットワークの仕様に依存する。例えば、光ディスクのよ
うに長いものもあり、各パケット長は固定長でも可変長
でも良い。MPEG2−PS(プログラム・ストリー
ム)では、映像、音声、補助データ等のデータの上位に
パック・レイヤと称する階層があり、通常は複数個のパ
ケットを束ねたパックと呼ばれる単位で取り扱われる。
【0040】一方、キー信号入力部2は、このオーサリ
ングシステム3に供給したオリジナル信号の保有者によ
り、キー信号を出力するように、所定のキーを有して構
成される。スクランブル回路5は、図4に示すように、
帰還用の最終段を有するn段シフトレジスタ41と、n
段シフトレジスタ41のキー信号で指定される段(j)
および帰還用の最終段(n)の出力を入力とするイクス
クルシブオア回路42と、イクスクルシブオア回路42
の出力と入力信号Bmとを入力として出力の被スクラン
ブル信号Amをn段シフトレジスタ41の初段(1)に
帰還するイクスクルシブオア回路43とを有する。入力
信号Bmはマルチプレクス回路26から出力される信号
であり、被スクランブル信号Amはスクランブル回路5
から出力される信号である。ここで、キー信号はスクラ
ンブル回路5のn段シフトレジスタ41に与える初期値
を指定すると共に、スクランブルのタイミングを変える
機能を有する。また、このときのキー信号は、外部に対
しては記号としてしか意味を示さず、実体はオーサリン
グシステム中の機器内部で特定されるように構成され
る。このようにすることにより、外部からのキー信号の
盗用をより一層困難にすることができる。スクランブル
回路5は、この初期値に基づいてM系列疑似ランダム信
号を発生させる。このスクランブル多項式を数1に示
す。
【0041】
【数1】a(n−1)X**(n−1)+a(n−2)X
**(n−2)+・・・+a1X **1+a0X**
【0042】数1で示す多項式の各項はそれぞれ図4に
示したn段シフトレジスタの格段に対応する。つまり、
第1項はn段、第2項は第n−1段、・・・第n−1項
は第2段、第n項は第1段に対応する。つまり、第2項
から第n項まではキー信号で指定される項である。そし
て、各項の係数a(n−1)〜a0のうちキー信号で指
定される項の係数a(n−1)〜a0の段の、スクラン
ブル初期値が変換されるように構成される。
【0043】ここで、図4に示したn段シフトレジスタ
のキー信号で指定される段(j)の出力をAm−j,帰
還用の最終段(n)の出力をAm−nとすると、スクラ
ンブル回路5から出力される被スクランブル信号Am
は、以下の数2に示すようになる。
【0044】
【数2】Am=(Bm□Am−j□Am−n) ここで、□はmod2による相加(イクスクルシブオ
ア)を示す。
【0045】スクランブルタイミング制御手段6は、n
段のシフトレジスタ41に対して異なるスクランブル初
期値を設け、キー信号で指定されたスクランブル初期値
に変換して、各初期値に対応してスクランブル回路5に
M系列の疑似ランダム信号を発生させるスクランブル初
期値変換手段6bを有して構成される。スクランブル初
期値は、各項の係数a(n−1)〜a0のうちまず第1
項の係数a(n−1)に相当する第n段を”1”とし、
キー信号で指定される項に関連して、その他の係数a
(n−2)〜a0に相当する他の段を適宜”1”と”
0”を指定してM系列関数を特定させて、キー信号に応
じてスクランブル初期値が変化するように構成される。
ここで、係数a(n−2)〜a0に相当する他の段に入
れる”1”の数は複数である。キー信号に対応する初期
値は内容の機密保持を図るため、予めハードで固定的に
指定するように、例えば、レジスターやメモリー等の可
変素子で構成される。このようにすることにより、パソ
コン等により外部から初期値を設定することが可能とな
り、万一キー信号の中身が漏れた場合でも早急に内容を
変更設定して対策を講じることによりシステムの適応性
を強くすることができる。
【0046】また、スクランブルタイミング制御手段6
は、n段のシフトレジスタ41に対して異なるスクラン
ブルタイミングを設け、キー信号で指定されたスクラン
ブル初期値でタイミングを変えてスクランブルをかける
スクランブル回路5にM系列の疑似ランダム信号を発生
させるスクランブルタイミング変換手段6aを有して構
成される。このスクランブルタイミングは、オーサリン
グシステム3の外部からキー信号入力部2によって制御
するか、またはオーサリングシステム3の内部から制御
信号入力部2aによって制御することによりさらに複雑
なスクランブルのタイミングを設定することができる構
成となっている。ここで、キー信号入力部2、制御信号
入力部2aは、タイミング入力手段を構成する。スクラ
ンブルタイミング変換手段6aは、例えば、乱数発生回
路やタイミングコントロールをプログラムしたタイミン
グプログラム回路で構成される。このようにして、スク
ランブルタイミング変換手段6aは、オーサリングシス
テム3の外部または内部からのコントロールによりスク
ランブルをかけるタイミングをコントロールすることが
でき、一層強力な海賊版防止対策をすることができる。
つまり、ここでのスクランブルのタイミングとは、スク
ランブル初期値変換手段6bでキー信号に基づいて指定
されたスクランブルの初期値をn段のシフトレジスタ4
1に設定するタイミングを示す。従って、このスクラン
ブルのタイミングの設定によって、ある初期値でスクラ
ンブルがかけられる信号部分とスクランブルがかけられ
ない信号部分とを生じさせることができるし、n段のシ
フトレジスタ41の各々に対してそれぞれ異なるタイミ
ングで異なる初期値を設定してスクランブルをかけるよ
うに構成することもできる。このように、スクランブル
タイミング変換手段6aは、キー信号によりスクランブ
ル回路5における被スクランブル信号の生成をコントロ
ールする機能を有する。
【0047】また、オーサリングデータ生成部7は、セ
クタライズ回路27と、ヘッダ信号およびキー信号挿入
回路28とを有する。セクタライズ回路27は、スクラ
ンブルをかけられたビットストリームを含む信号処理の
単位であるセクター長単位に分割する。ヘッダ信号およ
びキー信号挿入回路28は、セクター単位にブロック化
されたビットストリームに同期信号や付加情報を含むヘ
ッダ信号をその信号ブロックの先頭に挿入する構成を有
する。付加情報としては、映像信号や音声信号を識別す
る属性を示す信号等がある。また、ヘッダ信号およびキ
ー信号挿入回路28は、スクランブルに用いたキー信号
をヘッダ信号の一部に挿入する。このようにして、オー
サリングデータを生成するのは、ビットストリーム中か
ら信号の同期を取り易くし、カッティングマシーンシス
テム等の後段部での処理動作をスムーズに行えるように
するためである。
【0048】このときヘッダ信号およびキー信号挿入回
路28においては、スクランブルをかけたセクターには
使用したキー信号をヘッダ信号の一部に入れておくよう
にし、その他のスクランブルをかけていないセクターに
はキー信号の位置にすべて”0”等の予め決めておいた
特定の信号列を当てるように構成する。このようにする
ことにより、システム後段のキー信号抽出側においてキ
ー信号が指定されていないセクターに対しては、スクラ
ンブルがかけられていないことを容易に判断することが
できる。
【0049】このようにして構成された多重ビットスト
リームのデータ構造は、MPEG2−PS(Progr
am Stream)に準じていて、そのデータ構造と
ビットストリームは、以下のように階層的構造になって
いる。このビットストリームは、1ビットのフラグ等を
多数有し、ヘッダ信号等の各セクター単位毎にバイト整
列されたバイトストリームとなっていて、固定長でない
データ部分には、長さを示す情報が先行して置かれ、不
要な部分をスキップしたりできる構成となっている。
【0050】多重ビットストリームのデータ構造(MP
EG2−PS)は、下位レイヤ(パケットレイヤ)と上
位レイヤ(パックレイヤ)とを有する。上位レイヤ(パ
ックレイヤ)については、以下のように構成される。1
つのプログラムは、シーケンスと称されることもあり、
先頭のパックヘッダに始まり、終了コードで終わる。パ
ックは、一般に複数個のパケットから構成され、プログ
ラムの先頭のパックには、システムヘッダと称されるス
トリーム全体の概要をパラメータ情報として記述した情
報グループがある。このシステムヘッダは、先頭のパッ
クには、付加することが義務づけられているが、2番目
以降のパックではオプションとなっている。
【0051】下位レイヤ(パケットレイヤ)について
は、以下のように構成される。MPEGのパケットはP
ES(Peckeized Elemntary St
remPacket)と称され、この構造は、MPEG
2−TSと共用して用いられるため、ヘッダ部分が複雑
になっているが、階層的に理解し易くなっている。32
ビットの「パケット開始コード」は、24ビットの固定
部分と8ビットのストリームID(識別)部分からな
る。MPEG2−PSでは、最大でビデオ16チャンネ
ル、オーディオ32チャンネルまで可能となるようにス
トリームIDが定義されている。これに続く「パケット
長」は、このフィールドに続くパケットのデータ長を示
す。パケット長に続く2ビットの制御コードはMPEG
1との識別用に用いられている。
【0052】このようにして、生成されたオーサリング
データは信号データおよびキー信号出力回路8に供給さ
れて、ディスク出力部9、テープ出力部10、ハードデ
ィスク出力部11またはオンラインデータ出力部12の
うちから選択された出力部において該当する記録媒体に
記録される。このような信号データおよびキー信号出力
回路8から出力されて各記録媒体に記録されるデータを
完パケデータと呼んでいる。ここで、記録媒体に記録さ
れるデータには、信号データとスクランブルの初期値を
変化させると共に、スクランブルのタイミングを変える
ようにしたキー信号である。
【0053】次に、図3において、カッティングマシー
ンシステムの構成を説明する。キー信号分離部14は、
同期検出回路30と、キー信号分離回路31と、被スク
ランブル信号分離回路32とを有する。同期検出回路3
0は、ヘッダ信号を検出し、ヘッダ信号に含まれる同期
信号を検出する構成を有する。ここで、キー信号分離回
路31は、キー信号検出手段を構成する。ビットストリ
ームからヘッダを検出する処理を以下に示す。MPEG
2のビデオデータのデータ構造は、シーケンス層、GO
P層、ピクチャ層、スライス層、マクロブロック(M
B)層、ブロック層の6層階層を有している。画像タイ
プに関して、ピクチャにはIピクチャ、(フレーム内符
号化画像)、Pピクチャ(フレーム間順方向予測符号化
画像)、Bピクチャ(双方向予測符号化画像)の3種類
があり、これらは、ピクチャ層のヘッダ中のPSC(P
icture Coding Type)によって特定
することができる。
【0054】同期検出の処理を以下に示す。同期検出
は、アクセスユニット単位で行われる。例えば、映像信
号では1フレーム、音声信号では1オーディオフレーム
がアクセスユニットとなる。MPEG2の同期方式は、
映像信号、音声信号、補助データ信号等の他のデータの
各アクセスユニットに、いつ同期検出、再生復号すべき
かを示すタイムスタンプという情報が付加されている。
このタイムスタンプには、SCR(System Cl
ock Reference、システム時刻基準参照
値)という情報によって時間基準が与えられる。このタ
イムスタンプには、PTS(再生出力の時刻管理情報)
とDTS(復号の時刻管理情報)の2つがある。
【0055】キー信号抽出回路31は、ヘッダ信号中か
らキー信号を抽出する。キー信号の抽出は、例えば、ヘ
ッダ信号の先頭または同期信号から特定のバイト数をカ
ウンタで計数することによりキー信号の先頭部分を検出
し、この先頭部分からキー信号分のバイト数を読み取る
ことにより抽出することができる。また、被スクランブ
ル信号分離回路32は、ビットストリームからスクラン
ブル化された領域の信号部分に分離するように構成され
る。ここで、予めスクランブルをかけたセクターには使
用したキー信号をヘッダ信号の一部に入れてあり、その
他のスクランブルをかけていないセクターにはキー信号
の位置にすべて”0”等の特定の信号列を当てるように
構成されているので、同期検出回路30においてキー信
号を分離する際にキー信号が指定されていないセクター
に対しては、スクランブルがかけられていないことを判
断することができる。これによって信号分離回路32
は、スクランブルがかけられている信号列とスクランブ
ルがかけられていない信号列とを分離することができ
る。
【0056】ディスクランブル部16は、図5に示すよ
うに、帰還用の最終段(n)を有し、被スクランブル信
号Amを入力とするn段シフトレジスタ50と、n段シ
フトレジスタ50のキー信号で指定される段(j)およ
び帰還用の最終段(n)の出力を入力とするイクスクル
シブオア回路51と、イクスクルシブオア回路51の出
力と被スクランブル信号Amとを入力として出力信号C
mを出力するイクスクルシブオア回路52とを有する。
被スクランブル信号Amは被スクランブル信号分離回路
32から出力される信号であり、出力信号Cmはディス
クランブル部16から出力される信号である。ディスク
ランブル部16は、M系列疑似ランダム信号を発生させ
て、被スクランブル信号AmからM系列疑似ランダム信
号分を引き算して、元の符号に復号する構成である。こ
のディスクランブル多項式はスクランブルに用いたもの
と同じ数1式を用いる。また、ディスクランブル部16
は、信号切り替え回路16bを有する。信号切り替え回
路16bは、ディスクランブル回路16aからの被ディ
スクランブル信号と被スクランブル信号分離回路32か
らのスクランブルがかけられていない信号とを切り換え
る機能を有する。
【0057】数1で示す多項式の各項はそれぞれ図5に
示したn段シフトレジスタの各段に対応する。図4で示
したと同様に、第1項はn段、第2項は第n−1段、第
3項は第n−2段、・・・第n−1項は第2段、第n項
は第1段に対応する。つまり、第2項から第n項までは
キー信号で初期値を指定される項である。そして、各項
の係数a(n−1)〜a0のうちキー信号で指定される
項に関連して、ディスクランブル初期値が変換されるよ
うに構成される。ここで、図5に示したn段シフトレジ
スタのキー信号で指定される段(j)の出力をAm−
j,帰還用の最終段(n)の出力をAm−nとすると、
ディスクランブル部16から出力される出力信号Cm
は、以下の数3に示すようになる。
【0058】
【数3】 Cm=(Am□Am−j□Am−n) =(Bm□Am−j□Am−n□Am−j□Am−n) =Bm ここで、□はmod2による相加(イクスクルシブオ
ア)を示す。
【0059】ここで、ディスクランブルタイミング制御
手段15は、ディスクランブル初期値変換手段15aを
有して構成される。ディスクランブル初期値変換手段1
5aは、n段のシフトレジスタ50に対応して異なるデ
ィスクランブル初期値を設け、キー信号で指定されたデ
ィスクランブル初期値に変換して、ディスクランブル回
路16にM系列の疑似ランダム信号を発生させるように
構成される。ディスクランブル初期値は、各項の係数a
(n−1)〜a0のうちまず第1項の係数a(n−1)
に相当する第n段を”1”とし、キー信号で指定される
項に関連して、その他の係数a(n−2)〜a0に相当
する他の段を適宜”1”と”0”を指定してM系列関数
を特定させて、キー信号に応じてディスクランブル初期
値が変化するように構成される。
【0060】また、ディスクランブルタイミング制御手
段15は、n段のシフトレジスタ50に対して異なるデ
ィスクランブルタイミングを設け、キー信号で指定され
たディスクランブル初期値でタイミングを変えてディス
クランブルをかけるディスクランブル回路16aにM系
列の疑似ランダム信号を発生させるディスクランブルタ
イミング変換手段15bを有して構成される。このディ
スクランブルタイミングは、スクランブルのタイミング
と同じである。ディスクランブルタイミング変換手段1
5bは、例えば、乱数発生回路やタイミングコントロー
ルをプログラムしたタイミングプログラム回路で構成さ
れる。ここでのディスクランブルのタイミングとは、デ
ィスクランブル初期値変換手段15aでキー信号に基づ
いて指定されたディスクランブルの初期値をn段のシフ
トレジスタ50に設定するタイミングを示す。ここで
は、スクランブルのタイミングの設定によっては、スク
ランブルがかけられる信号部分とスクランブルがかけら
れない信号部分とが生じるため、スクランブルがかけら
れている信号列に対してディスクランブルをかけるよう
にディスクランブルのタイミングを変換するように構成
される。
【0061】カッティングデータ生成部17は、セクタ
ライズ回路33、誤り検出符号(EDC)付加回路3
4、スクランブル回路35、誤り訂正符号(ECC)処
理回路36、8/16変調回路37、同期信号挿入回路
38を有する。セクタライズ回路33は入力ビットスト
リームを信号の処理単位のセクターに分割し、誤り検出
符号付加回路34は誤り検出コード(EDC)を付加
し、スクランブル回路34は、信号記録により生じる直
流成分(DC)のオフセット分を減じるように、例え
ば、偶数サンプルのデータをCIRCの2単位分遅延さ
せて並び換える。誤り訂正符号(ECC)処理回路36
はデータ信号に誤り訂正コード(ECC)処理をする。
この誤り訂正コード処理は、リードソロモン積符号をイ
ンターリーブで結合した形式で、CIRC(Cross
Interleaved ReedSolomon
Code)を用いるように構成される。
【0062】ECC処理まで行われたセクター化された
ビットストリームは次に8/16変調回路37でディス
ク上の信号に適した変調をかけられた後に、同期信号挿
入回路38により付加情報を含む同期信号を信号ブロッ
クの先頭に挿入する構成を有する。8/16変調回路3
7は、元の信号を8ビット毎に区切り、記録信号を16
ビットに対応させるEFMplus変調を行うように構
成される。
【0063】レーザ変調部18は、レーザ変調器39を
有する。レーザ変調器39は、カッティング用レーザ光
のレーザ光出力を変調させる。マスターディスク作成部
19は、レーザビーム発生器40と、マスターディスク
MSと有する。レーザビーム発生器40は、高出力レー
ザ発振器で構成される。マスターディスクMSは、DV
Dの製版の原盤となるディスクである。図示はしない
が、マスターディスクMSは、カッティング中にはステ
ッピングモーター等の回転駆動手段により回転駆動され
る構成となっている。
【0064】このように構成されたオーサリングシステ
ムおよびカッティングマシーンシステムによれば以下の
ような動作をする。図2に示すオーサリングシステムに
おいて、信号データ入力部1からオリジナルの信号デー
タがエンコードおよびマルチプレクス回路4に供給され
る。具体的には、映像信号入力部20からエンコード回
路23に映像信号が供給され、音声信号入力部21から
エンコード回路24に音声信号が供給され、補助データ
信号入力部22からエンコード回路25に補助データ信
号がそれぞれ供給される。エンコード回路23において
映像信号はMPEG2標準による動画圧縮符号化を施さ
れる。エンコード回路24において音声信号はMPEG
2標準によるオーディオ符号化を施される。エンコード
回路25において補助データ信号は所定の符号化を施さ
れる。各エンコード回路23、24、25において符号
化された信号はマルチプレクス回路26に供給される。
マルチプレクス回路26において各信号は、映像、音
声、補助データ等のデータのパケットに切り換えられ
て、時分割して多重化され一本のビットストリームに変
換される。
【0065】一方、オリジナル信号の保有者は、キーボ
ードを押下してキー信号入力部2に入力する。キー信号
入力部2からキー信号がスクランブル初期値変換手段6
bに供給される。スクランブル初期値変換手段6bにお
いて、キー信号で指定されたスクランブル初期値に変換
される。そして、数1式で示したM系列生成多項式のキ
ー信号に相当する項を指定することによって上記多項式
のうち初期値を変換する次数の項が決まり、スクランブ
ル回路5においてM系列の疑似ランダム信号が発生す
る。つまり、図4に示すn段シフトレジスタ41におい
て、M系列生成多項式の各項の係数a(n−1)〜a0
のうちまず第1項の係数a(n−1)に相当する第n段
を”1”とし、キー信号で指定される項に関連して、そ
の他の係数a(n−2)〜a0に相当する他の段を適
宜”1”と”0”を指定してM系列関数を特定させて、
キー信号に応じてスクランブル初期値が変化する。この
ようにして、メイン信号のビットストリームにキー信号
で指定された初期値を持つ疑似ランダム関数(M系列生
成多項式)でスクランブルがかけられる。
【0066】ここで、スクランブルタイミング変換手段
6aにおいて、n段のシフトレジスタ41に対して異な
るスクランブルタイミングに変換されることにより、キ
ー信号で指定されたスクランブル初期値で同じキー信号
で指定されたタイミングに従ってスクランブルのタイミ
ングを変えてスクランブルをかけるようにしてスクラン
ブル回路5にM系列の疑似ランダム信号を発生させる。
このスクランブルのタイミングは、キー信号を解読する
ことにより指定されるが、別にオーサリングシステム3
の内部から制御信号入力部2aによって制御することに
よりさらに複雑なスクランブルのタイミングを設定する
こともできる。このようにして、スクランブルタイミン
グ変換手段6aにより、オーサリングシステム3の外部
または内部からの制御信号を用いたコントロールにより
スクランブルをかけるタイミングをコントロールするこ
とにすれば、一層強力な海賊版防止対策をすることがで
きる。つまり、ここでのスクランブルのタイミングと
は、キー信号に基づいて指定されたスクランブルの初期
値をn段のシフトレジスタ41に設定するタイミングを
示す。従って、このスクランブルのタイミングの設定に
よって、スクランブルがかけられる信号部分とスクラン
ブルがかけられない信号部分とを生じさせてより複雑な
スクランブルをかけることができる。また、n段のシフ
トレジスタ41の各々に対してそれぞれ異なるタイミン
グで初期値を設定して複数の初期値によりスクランブル
をかけるようにしてさらに複雑なスクランブルをかける
こともできる。いずれにしてもこのような、スクランブ
ルタイミング変換手段6aでのタイミング情報は、スク
ランブル回路5において同様に使用される初期値情報と
ともにディスクランブル側へ伝達されるキー信号の中に
重ねられる。
【0067】その後、スクランブルをかけられたビット
ストリームはセクタライズ回路27に供給される。セク
タライズ回路27において、ビットストリームは信号ブ
ロックを形成する各セクター単位に分けられる。その
後、ビットストリームはヘッダ信号およびキー信号挿入
回路28に供給される。スクランブルをかけられたビッ
トストリーム中から信号の同期を取り易くして、カッテ
ィングマシーンシステム等の後段部での各種動作をスム
ーズに行えるようにするため、ヘッダ信号およびキー信
号挿入回路28において、同期信号を含むヘッダ信号を
各セクターの信号単位で信号ブロックの先頭に挿入す
る。
【0068】ここで、ヘッダ信号およびキー信号挿入回
路28において、マスターディスクのカッティング時の
ディスクランブルのために、スクランブルで使用したキ
ー信号をヘッダ信号の一部に入れる。このときヘッダ信
号およびキー信号挿入回路28において、スクランブル
をかけたセクターには使用したキー信号をヘッダ信号の
一部に入れておくようにし、その他のスクランブルをか
けていないセクターにはキー信号の位置にすべて”0”
等の特定の信号列が当てられるように処理する。このよ
うにすることにより、システム後段のキー信号抽出側に
おいてキー信号が指定されていないセクターに対して
は、スクランブルがかけられていないことを容易に判断
することができるからである。
【0069】オーサリングデータとして生成されたビッ
トストリームは、編集後の最終データを意味する完パケ
データとして、信号データおよびキー信号出力回路8に
供給される。信号データおよびキー信号出力回路8にお
いて選択された記録媒体に応じてディスク出力部9から
信号データおよびキー信号が記録されたディスクが出力
される。テープ出力部10から信号データおよびキー信
号が記録されたテープが出力される。ハードディスク出
力部11から信号データおよびキー信号が記録されたハ
ードディスクが出力される。また、オンラインデータ出
力部12から信号データおよびキー信号がオンライン伝
送ケーブル上に送出される。
【0070】図3に示すカッティングマシーンシステム
において、上述した記録媒体に記録されて出力された完
パケデータが同期検出回路30に供給される。同期検出
回路30において、同期信号が検出され、検出された同
期信号はキー信号抽出回路31に供給される。キー信号
抽出回路31において、検出された同期信号に基づいて
ヘッダ信号部が抽出され、スクランブルで使用したキー
信号が抽出される。抽出されたキー信号はディスクラン
ブル初期値変換手段15aおよびディスクランブルタイ
ミング変換手段15bに供給される。
【0071】また、同期検出されたビットストリームは
被スクランブル信号分離回路32に供給される。被スク
ランブル信号分離回路32において、入力された完パケ
データのビットストリームからスクランブルされたメイ
ン信号のビットストリームが分離される。分離されたス
クランブルされたビットストリームはディスクランブル
回路16に供給される。ここで、先に述べたように、予
めスクランブルをかけたセクターには使用したキー信号
をヘッダ信号の一部に入れてあり、その他のスクランブ
ルをかけていないセクターにはキー信号の位置にすべ
て”0”等の特定の信号列が当てられているので、同期
検出回路30においてキー信号を分離する際にキー信号
が指定されていないセクターに対しては、スクランブル
がかけられていないことが判断される。これによって信
号分離回路32において、スクランブルがかけられてい
る信号列とスクランブルがかけられていない信号列とが
分離され、スクランブルがかけられている信号列がディ
スクランブル回路16aを介して信号切り替え回路16
bに供給されると共に、スクランブルがかけられていな
い信号列は直接信号切り替え回路16bに供給される。
信号切り替え回路16bにおいて、スクランブルがかけ
られている信号列とスクランブルがかけられていない信
号列とが切り替えられて出力される。
【0072】ディスクランブル初期値変換手段15aに
おいて、スクランブルと同様のM系列生成動作が行われ
る。つまり、図5に示すn段シフトレジスタ50におい
て、M系列生成多項式の各項の係数a(n−1)〜a0
のうちまず第1項の係数a(n−1)に相当する第n段
を”1”とし、キー信号で指定される項に関連して、そ
の他の係数a(n−2)〜a0に相当する他の段を適
宜”1”と”0”を指定してM系列関数を特定させて、
キー信号に応じてディスクランブル初期値が変化する。
このようにして、被スクランブル信号Amのビットスト
リームにキー信号で指定された初期値を持つ疑似ランダ
ム関数(M系列生成多項式)でディスクランブルがかけ
られる。そして、被スクランブル信号AmからM系列疑
似ランダム信号分が引き算されて、元の符号が復号され
る。このようにして復号されたデータがディスクにカッ
ティングされるべき本来のデータとなる。
【0073】ここで、ディスクランブルタイミング変換
手段15bにおいて、n段のシフトレジスタ50に対し
て異なるディスクランブルタイミングに変換されること
により、キー信号で指定されたディスクランブル初期値
でタイミングを変えてディスクランブルをかけるように
してディスクランブル回路16aにM系列の疑似ランダ
ム信号を発生させる。このディスクランブルタイミング
は、キー信号を検出することにより、スクランブルをか
けたタイミングと同じタイミングが設定される。このよ
うにして、ディスクランブルタイミング変換手段15b
により、ディスクランブルをかけるタイミングを変換す
ることができる。つまり、ここでのスクランブルのタイ
ミングとは、キー信号に基づいて指定されたディスクラ
ンブルの初期値をn段のシフトレジスタ50に設定する
タイミングを示す。従って、このディスクランブルのタ
イミングの設定によって、ディスクランブルがかけられ
る信号部分とディスクランブルがかけられない信号部分
とが生じることにより複雑なディスクランブルをかける
ことができる。また、n段のシフトレジスタ50の各々
に対してそれぞれ異なるタイミングで初期値を設定して
ディスクランブルをかけるようにしてさらに複雑なディ
スクランブルをかけることもできる。
【0074】このようにして、再生された本来のデータ
信号はセクタライズ回路33でセクター単位に分割さ
れ、誤り検出符号(EDC)付加回路34に供給され
る。誤り検出符号付加回路34において、データ信号は
誤り検出コード(EDC)が付加される。誤り検出コー
ド(EDC)が付加されたデータ信号は、スクランブル
回路35に供給される。スクランブル回路35におい
て、データ信号は直流成分を減じるためのスクランブル
をかけられる。スクランブルをかけられたデータ信号は
誤り訂正符号(ECC)処理回路36に供給される。誤
り訂正符号処理回路36ではECC処理が行われ、次の
8/16変調回路37に供給される。8/16変調回路
37において、元の信号は8ビット毎に区切られ、記録
信号を16ビットに対応させるEFMplus変調が行
われる。8/16変調が行われたビットストリームは同
期信号挿入回路38へ供給される。
【0075】同期信号挿入回路38において、データ信
号はセクター単位に付加情報を含む同期信号を信号ブロ
ックの先頭に挿入される。同期信号挿入回路38からの
信号はレーザ変調器39へ供給される。
【0076】カッティングデータ生成部17で各種信号
処理が行われ、同期信号を挿入された信号はレーザ変調
器39に供給される。レーザ変調器39において、入力
された信号はカッティングのためのレーザ発光用に変調
される。レーザ発光用に変調された信号はレーザビーム
発生器40に供給される。レーザビーム発生器40にお
いて、高出力レーザ発振器はマスターディスクMSにレ
ーザ光を発光してカッティングを行い、DVDの製版の
原盤となるディスクが作成される。このようにして作ら
れたマスターディスクを用いてスタンピングすることに
より商用のディスクを多数作成することができる。
【0077】上例では、セクター部のキー信号の有無に
より当該セクターがスクランブルされているか否かとい
うスクランブル情報と、スクランブルされているとすれ
ばそのときのスクランブルおよびディスクランブルに対
するレジスタ用の初期値がキー信号により定義されてい
る。これは、キー信号を使用する際には、キー信号を盗
まれて容易に海賊版を作られないようにシステム全体の
安全性を高めるために多数のキー信号を用意することが
考えられるが、このようにするとこれまでのキー信号を
スクランブル/ディスクランブル回路そのものに対応さ
せていると、多数のスクランブル回路およびディスクラ
ンブル回路がオーサリングシステムおよびカッティング
マシーンシステムとに用意されなくてはならなくなり、
回路規模が増大してしまい、装置の小型化とこれによる
低コスト化を阻むことになる。
【0078】上例では、キー信号として初期値を選定す
る際に、キー信号の盗用に対抗する手段としてキー信号
に多くのバリエーションを持たせることができるよう
に、キー信号に対応する初期値を多数用意するようにす
れば、これに対応するスクランブル回路およびディスク
ランブル回路は1種類用意すればよくなるので、回路規
模を小型化し、装置の小型化と低コスト化を実現するこ
とができる。さらにキー信号の有無でスクランブルがか
かっていたりかかっていなかったりするので万一キー信
号の内容を盗まれてもデータを正確に再現するためには
すべてのセクターからキー信号を抽出しなければならな
いので海賊版の製作はより困難になる。このように、単
に海賊版を防止するだけでなく、装置の小型化と低コス
ト化を図りながらキー信を盗用しにくくして海賊版の防
止をすることができる。
【0079】また、キー信号が初期値だけでなくタイミ
ングもあらわしているので、使用するキー信号を複数用
いて変化させるように構成しても良い。これにより、セ
クター毎にキー信号が異なり、初期値も異なるため、2
または3種類の少しのキー信号の種類でもより複雑なス
クランブルおよびディスクランブルをかけることができ
るので、より一層高度な海賊版防止のためのシステムを
実現することができる。
【0080】また、ディスクランブルのためのキー信号
の中に初期値のみでなくスクランブルするセクター区間
を示すデータを入れるようにし、キー信号を抽出しそれ
から指定された区間のセクターをスクランブルし、それ
以外のセクターはなにも処理しないように構成しても良
い。この場合、最初にスクランブルをかけたセクターの
ヘッダ信号にあるキー信号でその後のいくつのセクター
にスクランブルをかけるかを初期値と共に指定するよう
に構成することにより、単に一部のセクターのヘッダ信
号部を抽出してもそこがスクランブルされているかいな
いかは分からないため、キー信号の盗用に対して強い海
賊版防止のためのシステムを実現することができる。さ
らに、この場合もスクランブルをかける区間を変化させ
て、例えばランダムにすることにより、単にキー信号の
スクランブル方法を盗んだとしても時間方向の設定がそ
れぞれで変化しているので、より強い海賊版防止のため
のシステムを実現することができる。この場合も、上例
のように、オーサリングシステム3の内部または外部か
ら設定を替えるように制御することにより、一層強い海
賊版防止のためのシステムを実現することができる。
【0081】このように、上例では、オーサリングシス
テムでデータ層に予めキー信号に基づくスクランブルを
施し、マスターディスクを作成するディスクカッティン
グシステムで信号データからキー信号を読み取ってそれ
に基づいてディスクランブルをかけて正常なデータに戻
してから通常の手順に従ってマスターディスクを作成す
るが、信号データを不正にコピーしてカッティング工場
に持ち込み海賊版を作成しようとしても、ディスクカッ
ティングシステムは持ち込まれた信号データがスクラン
ブルされているものとして、必ずディスクランブルの工
程を経るようにしているので、正規のスクランブルがか
かっていない信号データは、そのデータ内容がランダム
にディスクランブルがかけられてしまうため、いわゆる
海賊版を作成することができなくなる。
【0082】また、ディスクカッティングシステムにお
いてキー信号が特定できない場合に、アラーム信号を発
生するようにし、それ以降の工程に進むことをストップ
するようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】この発明の信号処理装置は、複数の素材
信号をそれぞれ符号化する符号化手段と、符号化手段に
より符号化された複数の素材信号を多重化してオリジナ
ル信号を新規に作成する多重化手段とを有する信号処理
装置において、オリジナル信号をキー信号に基づいてス
クランブルして被スクランブル信号を出力するスクラン
ブル手段と、キー信号によりスクランブル手段のスクラ
ンブルを行う際のタイミングを制御するスクランブルタ
イミング制御手段とを設けたので、キー信号により指定
されるスクランブル初期値を異なるタイミングで設定し
てオリジナル信号に対して複雑なスクランブルをかける
ことができるので、キー信号およびスクランブル初期値
を正当に知る者でない者、つまり、オリジナル信号の保
有者以外の第三者はスクランブルを解くことができなく
なるので、この被スクランブル信号をコピーしても正常
な信号を記録することができず、ランダムにスクランブ
ルされた不正な信号が記録されるため、いわゆるディス
クの海賊版を防止することができるという効果を奏す
る。
【0084】また、この発明の信号処理装置は、上述に
おいて、スクランブル手段は、オリジナル信号を入力と
し、複数段のシフトレジスタと、少なくともキー信号で
指定された段のシフトレジスタの出力に基づいてシフト
レジスタの入力に帰還する信号を出力するイクスクルシ
ブオア回路とを有し、スクランブル制御手段は、複数段
のシフトレジスタに対応してそれぞれ異なる初期値を設
け、キー信号で指定されたスクランブル初期値に変換す
るスクランブル初期値変換手段と、スクランブル初期値
変換手段で変換されたスクランブル初期値を生成するタ
イミングを変換するスクランブルタイミング変換手段と
を有し、スクランブル手段にM系列の疑似ランダム信号
を発生させるようにしたので、簡単な構成でオリジナル
信号に対して複雑なスクランブルをかけることができる
という効果を奏する。
【0085】また、この発明の信号処理装置は、上述に
おいて、スクランブル手段は、オリジナル信号を入力と
し、複数段のシフトレジスタと、少なくともキー信号で
指定された段のシフトレジスタの出力に基づいてシフト
レジスタの入力に帰還する信号を出力するイクスクルシ
ブオア回路とを有し、スクランブル制御手段は、複数段
のシフトレジスタに対応してそれぞれ異なる初期値を設
け、キー信号で指定されたスクランブル初期値に変換す
るスクランブル初期値変換手段と、スクランブル初期値
変換手段で変換されたスクランブル初期値を生成するタ
イミングを変換するスクランブルタイミング変換手段
と、スクランブルタイミング変換手段のタイミングを設
定変更するタイミング入力手段とを有し、スクランブル
手段にM系列の疑似ランダム信号を発生させるようにし
たので、スクランブルの困難性を高くして、オリジナル
信号に対して複雑なスクランブルをかけることができる
という効果を奏する。
【0086】また、この発明の記録媒体は、複数の素材
信号がそれぞれ符号化され、符号化された複数の素材信
号が多重化されてオリジナル信号が新規に作成されたと
き、オリジナル信号をキー信号に基づいてスクランブル
して出力される被スクランブル信号と、スクランブルの
初期値を変化させると共に、スクランブルを行う際のタ
イミングを変化させるようにしたキー信号とを記録する
ようにしたので、オリジナル信号の保有者以外の第三者
はスクランブルを解くことができなくなるので、この被
スクランブル信号をコピーしても正常な信号を記録する
ことができず、ランダムにスクランブルされた不正な信
号が記録されるため、いわゆるディスクの海賊版を防止
することができるという効果を奏する。
【0087】また、この発明のディスクカッティング装
置によれば、入力信号から、入力信号に対して初期値を
変えてスクランブルをかけると共に、スクランブルを行
う際のタイミングを変化させるようにしたキー信号を検
出するキー信号検出手段と、キー信号に基づいて初期値
を変える共に、スクランブルを行う際のタイミングを変
化させてスクランブルされた入力信号をもとに戻すディ
スクランブルをかけるディスクランブル手段と、を備
え、ディスクランブル手段によりディスクランブルをか
けられた被ディスクランブル信号からカッティングデー
タを生成して、カッティングデータに基づいてマスター
ディスクを作成するようにしたので、スクランブルをか
けられた入力信号に対してはキー信号を基にしてディス
クランブルをかけて元の正常な信号に戻してから、マス
ターディスクのカッティングを行うことができるが、ス
クランブルをかけられていない不正は入力信号に対して
はそもそもキー信号を検出することができず、しかも、
この信号に対してディスクランブルをかけてランダムな
異常な信号しか再生できないため、いわゆるディスクの
海賊版を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における信号処理装置およびディスクカ
ッティング装置の一実施の形態のオーサリングシステム
およびカッティングマシーンシステムの構成を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明における信号処理装置の一実施の形態の
オーサリングシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明におけるディスクカッティング装置の一
実施の形態のカッティングマシーンシステムの構成を示
す図である。
【図4】本発明における信号処理装置の一実施の形態の
スクランブル回路の回路図を示す図である。
【図5】本発明におけるディスクカッティング装置の一
実施の形態のディスクランブル回路の回路図を示す図で
ある。
【図6】従来のオーサリングシステムの構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 信号データ入力部、2 キー信号入力部、2a 制
御信号入力部、3 オーサリングシステム、4 エンコ
ードおよびマルチプレクス部、5 スクランブル回路、
6 スクランブルタイミング制御手段、6a スクラン
ブルタイミング変換手段、6b スクランブル初期値変
換手段、7 オーサリングデータ生成部、8 信号デー
タおよびキー信号出力回路、9 ディスク出力部、10
テープ出力部、11 ハードディスク出力部、12
オンラインデータ出力部、13 カッティングマシーン
システム、14 キー信号分離部、15 ディスクラン
ブルタイミング制御手段、15a ディスクランブル初
期値変換手段、15b ディスクランブルタイミング変
換手段、16 ディスクランブル部、16a ディスク
ランブル回路、16b 信号切り替え回路、17 カッ
ティングデータ生成部、18 レーザ変調部、19 マ
スターディスク作成部、20 映像信号入力部、21
音声信号入力部、22 補助データ信号入力部、23
エンコード回路、24 エンコード回路、25 エンコ
ード回路、26 マルチプレクス回路、27 セクタラ
イズ回路、28 ヘッダ信号およびキー信号挿入回路、
30 同期検出回路、31 キー信号抽出回路、32
被スクランブル信号分離回路、33 セクタライズ回
路、34 誤り検出符号付加回路、35 スクランブル
回路、36 誤り訂正処理回路、37 8/16変調回
路、38 同期信号挿入回路、39 レーザ変調器、4
0 レーザビーム発生器、MS マスターディスク、4
1 n段シフトレジスタ、42 イクスクルシブオア回
路、43 イクスクルシブオア回路、50 n段シフト
レジスタ、51 イクスクルシブオア回路、52 イク
スクルシブオア回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の素材信号をそれぞれ符号化する符
    号化手段と、上記符号化手段により符号化された複数の
    素材信号を多重化してオリジナル信号を新規に作成する
    多重化手段とを有する信号処理装置において、 上記オリジナル信号をキー信号に基づいてスクランブル
    して被スクランブル信号を出力するスクランブル手段
    と、 上記キー信号により上記スクランブル手段のスクランブ
    ルを行う際のタイミングを制御するスクランブルタイミ
    ング制御手段とを設けたことを特徴とする信号処理装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の信号処理装置において、 上記スクランブル手段は、上記オリジナル信号を入力と
    し、複数段のシフトレジスタと、少なくとも上記キー信
    号で指定された段のシフトレジスタの出力に基づいて上
    記シフトレジスタの入力に帰還する信号を出力するイク
    スクルシブオア回路とを有し、 上記スクランブル制御手段は、上記複数段のシフトレジ
    スタに対応してそれぞれ異なる初期値を設け、上記キー
    信号で指定されたスクランブル初期値に変換するスクラ
    ンブル初期値変換手段と、上記スクランブル初期値変換
    手段で変換されたスクランブル初期値を生成するタイミ
    ングを変換するスクランブルタイミング変換手段とを有
    し、上記スクランブル手段にM系列の疑似ランダム信号
    を発生させるようにしたことを特徴とする信号処理装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の信号処理装置において、 上記スクランブル手段は、上記オリジナル信号を入力と
    し、複数段のシフトレジスタと、少なくとも上記キー信
    号で指定された段のシフトレジスタの出力に基づいて上
    記シフトレジスタの入力に帰還する信号を出力するイク
    スクルシブオア回路とを有し、 上記スクランブル制御手段は、上記複数段のシフトレジ
    スタに対応してそれぞれ異なる初期値を設け、上記キー
    信号で指定されたスクランブル初期値に変換するスクラ
    ンブル初期値変換手段と、上記スクランブル初期値変換
    手段で変換されたスクランブル初期値を生成するタイミ
    ングを変換するスクランブルタイミング変換手段と、上
    記スクランブルタイミング変換手段のタイミングを設定
    変更するタイミング入力手段とを有し、上記スクランブ
    ル手段にM系列の疑似ランダム信号を発生させるように
    したことを特徴とする信号処理装置。
  4. 【請求項4】 複数の素材信号がそれぞれ符号化され、
    符号化された複数の素材信号が多重化されてオリジナル
    信号が新規に作成されたとき、上記オリジナル信号をキ
    ー信号に基づいてスクランブルして出力される被スクラ
    ンブル信号と、 上記スクランブルの初期値を変化させると共に、上記ス
    クランブルを行う際のタイミングを変化させるようにし
    た上記キー信号と、を記録するようにしたことを特徴と
    する記録媒体。
  5. 【請求項5】 入力信号から、上記入力信号に対して初
    期値を変えてスクランブルをかけると共に、上記スクラ
    ンブルを行う際のタイミングを変化させるようにしたキ
    ー信号を検出するキー信号検出手段と、 上記キー信号に基づいて初期値を変える共に、上記スク
    ランブルを行う際のタイミングを変化させてスクランブ
    ルされた上記入力信号をもとに戻すディスクランブルを
    かけるディスクランブル手段と、 を備え、上記ディスクランブル手段によりディスクラン
    ブルをかけられた被ディスクランブル信号からカッティ
    ングデータを生成して、上記カッティングデータに基づ
    いてマスターディスクを作成するようにしたことを特徴
    とするディスクカッティング装置。
JP8211361A 1996-08-09 1996-08-09 信号処理装置、記録媒体およびディスクカッティング装置 Pending JPH1055617A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004023476A1 (ja) * 2002-09-03 2004-03-18 Nec Corporation 情報記録再生媒体、情報記録再生装置、情報記録再生方法、及び、情報記録再生用媒体のデータ構造
KR100620240B1 (ko) * 2005-08-08 2006-09-06 (주) 태양기전 친수성을 가지는 자동차용 보조사이드미러

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