JPH1054927A - 光源装置 - Google Patents

光源装置

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JPH1054927A
JPH1054927A JP8212745A JP21274596A JPH1054927A JP H1054927 A JPH1054927 A JP H1054927A JP 8212745 A JP8212745 A JP 8212745A JP 21274596 A JP21274596 A JP 21274596A JP H1054927 A JPH1054927 A JP H1054927A
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JP
Japan
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light
optical fiber
layer
film
light source
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Application number
JP8212745A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Okuda
伸之 奥田
Yoshinobu Ueha
良信 上羽
Hiroya Kimura
浩也 木村
Taku Kamimura
卓 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源としてのエレクトロルミネッセンス素子
の発光面積を、光ファイバの直径等に関係なく十分に確
保することが可能である、新規な光源装置を提供する。 【解決手段】 光ファイバ1の外周面に、透明電極層2
1と発光層22と電極層23とをこの順に積層して、光
源としての薄膜積層型のエレクトロルミネッセンス素子
2を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光源を光ファイ
バと一体化した光源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば光ファイバ通信等に用いられる
光ファイバにおいては、光源として半導体レーザや発光
ダイオード等が用いられていた。しかし、上記光源から
の光を、直径およそ数百μm〜数mm程度である光ファ
イバの入射端面に効率よく導くためには集光レンズや導
光体等の光学部材が必要であり、またさらに、上記光
源、光学部材、および光ファイバを所定の位置関係に保
持するパッケージ等も必要となるなど、光源装置の構造
が複雑化し、かつ大形化してしまうという問題があっ
た。
【0003】また上記の各部からなる光源装置は、温度
変化や振動等によって光軸がずれ、それによって光源か
ら光ファイバへの入射光量が変動するといった問題を生
じるおそれもあった。またさらに、上記各部からなる光
源装置では、各部の界面での屈折、反射によって、光源
からの光の一部がロスされるという問題もあった。
【0004】そこでこれを解決するために、光ファイバ
の入射端面に直接に、薄膜積層型のエレクトロルミネッ
センス素子を形成して一体化することが提案されている
(特開平3−94209号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述したよ
うに光ファイバの入射端面はその直径がおよそ数百μm
〜数mm程度と小さいために、かかる入射端面に形成さ
れるエレクトロルミネッセンス素子は発光面積が限られ
てしまい、とくに光ファイバの直径が小さいと、十分な
光量がえられないという問題があった。
【0006】また近時、光ファイバ内を送信される情報
量を増加させるべく、1つの光ファイバに2つ以上の異
なる波長の光を同時にあるいはタイムシェアリング的に
伝送させることなどが要求されるようになってきたが、
上述したように光ファイバの入射端面は極めて狭いた
め、ここへ発光波長の異なる2つ以上のエレクトロルミ
ネッセンス素子を形成することは困難であった。またも
し形成できたとしてもそれぞれのエレクトロルミネッセ
ンス素子の発光面積がさらに小さくなるため、実用的な
光量がえられないという問題があった。
【0007】この発明の目的は、光源としてのエレクト
ロルミネッセンス素子の発光面積を、光ファイバの直径
等に関係なく十分に確保することが可能である、新規な
光源装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の光源装置は、光ファイバの外周面に、透
明電極層と発光層と電極層とがこの順に積層されて、光
源としての薄膜積層型のエレクトロルミネッセンス素子
が形成されていることを特徴としている。
【0009】上記構成からなるこの発明の光源装置にお
いては、入射端面のように面積が限られない光ファイバ
の外周面に、上記のように光源としての薄膜積層型のエ
レクトロルミネッセンス素子を形成しているため、たと
えば光ファイバの長手方向に沿って素子の形成領域を延
長することにより、当該素子の発光面積を、光ファイバ
の直径等に関係なく拡げることができる。よってこの発
明によれば、光源としてのエレクトロルミネッセンス素
子の発光面積を十分に確保することが可能となる。
【0010】また上記のように光ファイバの外周面は面
積が限られないので、当該光ファイバの長手方向に沿っ
てエレクトロルミネッセンス素子を複数個、それぞれ別
個に発光しうるように配置することができ、しかもそれ
ぞれのエレクトロルミネッセンス素子の発光面積をいず
れも、光ファイバの直径等に関係なく、十分な光量がえ
られる程度に拡げることもできる。よってこの発明によ
れば、たとえば発光波長の異なる2つ以上のエレクトロ
ルミネッセンス素子を形成した場合にも、それぞれの素
子についていずれも、実用的な光量をえることが可能と
なる。
【0011】なおエレクトロルミネッセンス素子として
は、発光層が、1層または2層以上の有機の層により構
成された、いわゆる有機エレクトロルミネッセンス素子
が好適に採用される。かかる有機エレクトロルミネッセ
ンス素子は、発光材料としての有機化合物の分子設計に
より、無機発光材料ではえられない種々の波長の光を発
光できることや、あるいは無機発光材料を用いた素子に
比べてより低電圧の印加で、高効率、高輝度の発光が可
能であり、より長距離の送信が可能であること、応答速
度がns(ナノ秒)オーダーであって、従来の光源に比
べて遜色ない送信速度を確保できること等の利点を有し
ている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の光源装置を、そ
の実施の形態の一例を示す図面を参照しつつ説明する。
まず、図1(a)(b)に示した光源装置について説明する。
図の例の光源装置は、光ファイバ1の、一方の端面11
の近傍に、当該光ファイバ1の外周面の全周にわたっ
て、薄膜積層型のエレクトロルミネッセンス素子2を形
成したものである。また上記端面11には、エレクトロ
ルミネッセンス素子2からの光を反射する反射手段とし
ての、金属薄膜4が形成されている。
【0013】上記のうちエレクトロルミネッセンス素子
2は、透明電極層21と、発光層22と、電極層23と
を、光ファイバ1の外周面上の全面にわたって、この順
に積層形成したもので、図1(a) に示すように透明電極
層21を電源3の陽極、電極層23を電源3の陰極と接
続すると、両電極層21、23から印加された電圧によ
って発光層22が発光し、この光が、透明電極層21を
通して光ファイバ1内に入って、当該光ファイバ1内
を、図中白矢印で示す光の伝送方向に伝送されるように
構成されている。
【0014】またこの際、後述するように金属にて形成
された、電極層23の電極膜23aが反射手段として作
用して、発光層22から当該電極膜23aへ向かった光
を光ファイバ1の方向へ反射するとともに、光ファイバ
1の端面11に形成した金属薄膜4が反射手段として作
用して、発光層22から上記端面11へ向かった光を、
図中矢印で示す光の伝送方向に反射するため、発光層2
2で発生した光のロスが減少し、光の利用効率が向上す
る。
【0015】上記各層のうち透明電極層21としては、
発光層22からの光の透過率にすぐれるとともに、表面
の仕事関数が大きく、しかも表面が平滑である膜が好適
に採用される。また上記透明電極層21は、発光層22
からの光を効率よく光ファイバ1内に入射させるべく、
当該光ファイバ1の外層よりも高屈折率であるのが好ま
しい。
【0016】かかる透明電極層21としては、これに限
定されないがたとえばITO(インジウムチンオキサイ
ド)膜、SnO2 膜、ZnO膜等の酸化物系導電膜や、
あるいはAuの蒸着薄膜等があげられる。透明電極層2
1の膜厚はとくに限定されないが、たとえば上記ITO
膜等の酸化物系導電膜の場合は、前述した表面の平滑性
等の、電極層としての特性を考慮すると、30〜300
nm程度であるのが好ましい。
【0017】上記の透明電極層21を電源3と接続する
には、図1(a) に示すように当該透明電極層21を、そ
の上に形成される発光層22および電極層23よりも、
光ファイバ1の長手方向に長めに形成して、素子外へ露
出させるようにすればよい。発光層22としては、前述
したように1層または2層以上の有機の層が好適に採用
される。かかる有機の層としては種々の層構成のものが
考えられるが、この例では、図1(b) に拡大して示した
ように、透明電極層21上に形成された、ホール輸送性
にすぐれた有機化合物(ホール輸送材料)を含有するホ
ール輸送層22aと、このホール輸送層22a上に形成
された、電子輸送性にすぐれた有機化合物(電子輸送材
料)を含有する電子輸送層22bの2層からなる2層構
造のものを採用している。
【0018】上記2層構造の発光層22は、両電極層2
1、23から電圧が印加されると、ホール輸送層22a
と電子輸送層22bのうちのいずれか一方、または両方
が発光する。ホール輸送層22aと電子輸送層22bの
いずれが発光するかは、両層の膜厚の違いや、後述する
輸送材料単独の膜か樹脂分散膜かといった構造の違い、
あるいは両層に含まれるホール輸送材料、電子輸送材料
の組み合わせ等によって適宜、設定できる。
【0019】ホール輸送層22aおよび電子輸送層22
bとしてはそれぞれ、上述したようにホール輸送材料や
電子輸送材料単独からなる膜や、あるいはホール輸送材
料や電子輸送材料を適当なバインダー樹脂中に分散した
樹脂分散膜等があげられる。このうち前者の単独の膜
は、いずれかの輸送材料を蒸着するか、あるいはいずれ
かの輸送材料を適当な溶媒中に溶解した溶液を塗布した
のち乾燥する、いわゆる塗布法により形成される。また
後者の樹脂分散膜は、ホール輸送材料または電子輸送材
料と、バインダー樹脂とを適当な溶媒中に溶解した溶液
を用いて、上記と同様に塗布法により形成される。
【0020】ホール輸送層22aに含まれるホール輸送
材料としては、従来公知の種々の、ホール輸送性を有す
る有機化合物がいずれも使用可能である。かかるホール
輸送材料としては、これに限定されないがたとえば式
(1) :
【0021】
【化1】
【0022】で表されるN,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(3−メチルフェニル)−1,1′−ビフェ
ニル−4,4−ジアミン(TPD)等の、比較的低分子
量の芳香族アミン類や、あるいはポリフェニレンビニレ
ン(PPV)、ポリ−N−ビニルカルバゾール(PV
K)等の、それ自体がキャリヤ輸送性を有する高分子な
どがあげられる。
【0023】このうち前者の、比較的低分子量の芳香族
アミン類をホール輸送材料として使用する場合には、ホ
ール輸送層22aの耐熱性を考慮して、当該ホール輸送
層22aを、前述した樹脂分散膜とするのが好ましい。
電子輸送層22bに含まれる電子輸送材料としては、従
来公知の種々の、電子輸送性を有する有機化合物がいず
れも使用可能である。かかる電子輸送材料としては、こ
れに限定されないがたとえば式(2) :
【0024】
【化2】
【0025】で表されるトリス(8−キノリノラート)
アルミニウム(III) 錯体(Alq)等があげられる。ホ
ール輸送層22a、または電子輸送層22bが樹脂分散
膜である場合に、上記のホール輸送材料、電子輸送材料
とともに膜を形成するバインダー樹脂としては、たとえ
ば前記PPVやPVK等を使用してもよいが、一般的に
はキャリヤ輸送性を有しない通常の高分子が使用され
る。
【0026】上記キャリヤ輸送性を有しない高分子とし
ては、たとえばポリメチルメタクリレート、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン等の、光学特性にすぐれた種々の
高分子が、いずれも使用可能であるが、とくに層の耐熱
性を向上するためには、たとえば式(3) :
【0027】
【化3】
【0028】で表される繰り返し単位を有するポリエー
テルスルフォン(PES)や、ポリスルフォン(いわゆ
るユーデル・ポリスルフォン)等のポリスルフォン系樹
脂など、剛直な主鎖を有し、ガラス転移温度の高い高分
子が好適に使用される。ホール輸送層22aおよび電子
輸送層22bの膜厚はとくに限定されないが、輸送材料
単独の膜の場合はおよそ30〜80nm程度であるのが
好ましく、樹脂分散膜の場合はおよそ20〜60nm程
度であるのが好ましい。
【0029】上記2層構造の発光層22は主に、透明電
極層21から注入されたホールと、電極層23から注入
された電子との、ホール輸送層22a内および/または
電子輸送層22b内での再結合により生成した励起子に
よって、同じ層中に含まれる前記ホール輸送材料および
/または電子輸送材料が励起されることにより発光する
が、輸送材料の発光波長は限られるため、それ以外の波
長で発光させるには、たとえばレーザー用の色素等の、
励起子によって発色しうる種々の蛍光色素を、1種また
は2種以上添加してもよい。
【0030】かかる蛍光色素としては、たとえばシアニ
ン染料、キサンテン染料、オキサジン染料、クマリン誘
導体、ペリレン誘導体、アクリジン染料、アクリドン染
料、キノリン染料等があげられる。なお、上記2層構造
以外の有機の発光層としては、たとえば1層の有機の層
のみからなる単層構造のものの他、3層あるいは4層等
の多層構造のものがあげられる。
【0031】上記のうち3層構造の発光層の例として
は、たとえば前述したホール輸送層と電子輸送層の間に
発光材料を含む狭義の発光層を挟んだものや、上記両輸
送層の間に、陽極から注入されたホールをホール輸送層
に封じ込める働きをするホールブロック層を挟んだもの
(この場合はホール輸送層が発光する)、あるいは上記
両輸送層の間に、陰極から注入された電子を電子輸送層
に封じ込める働きをする電子ブロック層を挟んだもの
(この場合は電子輸送層が発光する)等があげられる。
【0032】さらに4層構造の発光層の例としては、た
とえば陽極からホール輸送層にホールが注入されるのを
助けるホール注入層と、ホール輸送層と、前述した狭義
の発光層と、電子輸送層との組み合わせや、あるいは上
記ホール注入層と、ホール輸送層と、ホールブロック層
と、電子輸送層との組み合わせ(この場合はホール輸送
層が発光する)等があげられる。
【0033】発光層22の上に積層される電極層23
は、図1(a)(b)の例の場合、当該発光層22の直上に形
成された電極膜23aと、この電極膜23aの上に形成
された保護膜23bとからなる。上記のうち電極膜23
aとしては、表面の仕事関数が小さく、かつ前述したよ
うに発光層22からの光を反射しうる材料からなる膜が
好適に採用される。
【0034】かかる電極膜23aとしては、これに限定
されないがたとえばMg膜、Mg/Ag膜、Al/Li
膜等の金属または金属合金の蒸着膜や、あるいはY、L
a、Sm、Eu、Yb等の希土類金属、または上記希土
類金属を含む合金の蒸着膜があげられる。電極膜23a
の膜厚はとくに限定されないが、50〜200nm程度
であるのが好ましい。
【0035】上記電極膜23aの上に形成される保護膜
23bとしては、発光層22や電極膜23aを水、酸素
等から保護しうるとともに、物理的あるいは機械的な強
度にもすぐれたものが好適に採用される。
【0036】かかる保護膜23bとしては、これに限定
されないがたとえばAu膜、Ag膜等の金属蒸着膜があ
げられる。保護膜23bの膜厚についてもとくに限定さ
れないが、100〜1000nm程度であるのが好まし
い。また電極層23は、前述した電極膜23aのみの単
層構造とし、上記保護膜23bに代えて、絶縁性の保護
膜によって、発光層22や電極膜23aを保護するよう
にしてもよい。
【0037】かかる絶縁性の保護膜としてはたとえば、
ポリふっ化ビニリデン等のふっ素含有ポリマーやポリビ
ニルアルコールの膜、あるいはこれらの複合膜等の高分
子膜や、Al23、SiO2等の金属化合物膜等があげ
られる。このうち高分子膜の膜厚は、数μm〜数百μm
程度が好ましい。
【0038】上記各部からなるエレクトロルミネッセン
ス素子2が外周面に形成される光ファイバ1としては、
ガラス、プラスチック等からなる、従来公知の種々の構
造のものがいずれも採用できる。なお、上記光ファイバ
1のうち、外周面にエレクトロルミネッセンス素子2が
形成された部分には、たとえば図2に示すように円すい
状のハーフミラー12を配置することもできる。この円
すい状のハーフミラー12は、たとえば光ファイバの端
部を円すい状に加工し、この円すいの表面にMgF2
のハーフミラーを蒸着したのち、当該円すいと嵌合する
凹の円すい状に端部を加工した光ファイバを接続する等
の方法により、光ファイバ1中に配置される。
【0039】かかる円すい状のハーフミラー12を配置
すると、エレクトロルミネッセンス素子2からの光のう
ち、図1(a) 中に白矢印で示す光の伝送方向への屈曲が
できずにロスとなっていた、光ファイバ1の長手方向と
直交する方向(図2中に一点鎖線の矢印で示す方向)の
光と、その前後の方向の光とを、上記光の伝送方向へ屈
曲できるので、エレクトロルミネッセンス素子2からの
光の利用効率がさらに向上する。
【0040】また、上記ハーフミラー12ほどではない
にしろ同様の効果がえられる構成としては、たとえば光
ファイバ1の、エレクトロルミネッセンス素子2が形成
された部分に、当該光ファイバ1の中心部から外側へ向
けて、屈折率の勾配をつける、詳しくは光ファイバ1の
中心部から外側へ向かうほど屈折率が高くなるようにす
ることも考えられる。
【0041】かかる構成では、光ファイバ1の長手方向
と直交する方向の光は屈曲できないが、その前後の方向
の光については、先の場合と同様に光の伝送方向へ屈曲
できるので、やはりエレクトロルミネッセンス素子2か
らの光の利用効率が向上する。上記光ファイバ1の端面
11に形成された、反射手段としての金属薄膜4として
は、エレクトロルミネッセンス素子2からの光を反射す
る性質にすぐれたものが好適に採用される。
【0042】かかる金属薄膜としては、たとえばAl
膜、Ag膜等の金属蒸着膜があげられる。上記の各部か
らなる光源装置においてはさらに、光ファイバ1の端面
近傍の、エレクトロルミネッセンス素子2が形成された
部分(図1(a)に示した部分)の全体を、前述した高分
子膜や金属化合物膜等の保護膜でカバーしてもよい。
【0043】つぎに、図3に示した光源装置について説
明する。図の例の光源装置は、光ファイバ1の途中の位
置に、当該光ファイバ1の外周面の全周にわたって、薄
膜積層型のエレクトロルミネッセンス素子2を形成した
ものである。
【0044】上記の光源装置においては、エレクトロル
ミネッセンス素子2からの光が、光ファイバ1内を、図
中白矢印および黒矢印で示すように、エレクトロルミネ
ッセンス素子2を挟んで両方向に伝送される。このため
上記の光源装置は、光ファイバ1の所定位置から両方向
へ同時に送信する必要のある場合等に適している。上記
のうちエレクトロルミネッセンス素子2は、前記と同様
に、透明電極層21と、発光層22と、電極層23と
を、光ファイバ1の外周面上の全周にわたって、この順
に積層形成することで構成されている。また発光層22
としては、前記と同じ理由で有機の発光層が好ましく、
かかる有機の発光層としては、前記図1(b) に示したよ
うにホール輸送層22aと電子輸送層22bとからなる
2層構造の発光層や、あるいは前述した単層構造の発光
層、3層構造の発光層、4層構造の発光層等が好適に採
用される。さらに電極層23としても、前記図1(b) に
示した電極膜23aと保護膜23bとからなる2層構造
のものが好適に採用される。
【0045】エレクトロルミネッセンス素子2を構成す
る上記各部の細部(材料、膜厚等)や、あるいは光ファ
イバ1の構造についても、前記と同様に構成できる。た
だし円すい状のハーフミラー12を光ファイバ1中に配
置する場合は、前記のように光の伝送方向が2方向であ
るため、2個以上のハーフミラーをそれぞれ、円すいの
向きを互いに逆方向に向けて配置するのが好ましい。
【0046】エレクトロルミネッセンス素子2の発光層
22を発光させるには、やはり前記と同様に、同図に示
すように透明電極層21を電源3の陽極、電極層23を
電源3の陰極と接続して、両電極層21、23から発光
層22に電圧を印加すればよい。また上記の各部からな
る光源装置においてはさらに、上記図3に示した、エレ
クトロルミネッセンス素子2が形成された部分の全体
を、前述した高分子膜や金属化合物膜等の保護膜でカバ
ーしてもよい。
【0047】つぎに、図4に示した光源装置について説
明する。
【0048】図の例の光源装置は、光ファイバ1の一方
の端面11の近傍の外周面に、当該外周面の全周にわた
る複数個(図では3個)の薄膜積層型のエレクトロルミ
ネッセンス素子2a〜2cを、光ファイバ1の長手方向
に沿って、それぞれ別個に発光しうるように配置したも
のである。また上記端面11には、エレクトロルミネッ
センス素子2からの光を反射する反射手段としての金属
薄膜4が形成されている。
【0049】上記各エレクトロルミネッセンス素子2a
〜2cは、たとえば図5に示すように、光ファイバ1の
一方の端面11の近傍の外周面に、その全周にわたって
形成された、3個の素子2a〜2cに共通の1つの透明
電極層21上に、それぞれ独立して、各素子2a〜2c
を構成する発光層22と、電極層23とをこの順に積層
形成したのち、全体を絶縁性の保護膜24にて被覆する
ことにより形成される。
【0050】また上記各素子2a〜2cの電極層23に
は、保護膜24を貫通して当該保護膜24外へ導出され
た取り出し電極25が接続されており、各素子2a〜2
cの取り出し電極25と、保護膜24の端から露出され
た透明電極層21との間に別個に電圧を印加すると、各
素子2a〜2cがそれぞれ別個に発光し、その光が、透
明電極層21を通して光ファイバ1内に入って、当該光
ファイバ1内を、図中白矢印で示す光の伝送方向に伝送
されるように構成されている。
【0051】上記各部のうち発光層22としてはやはり
有機の層が好ましく、かかる有機の層としてはたとえ
ば、図5に示したようにホール輸送層22aと電子輸送
層22bとからなる2層構造の発光層や、あるいは前述
した単層構造の発光層、3層や4層等の多層構造の発光
層が、いずれも好適に採用される。また上記ホール輸送
層22aや電子輸送層22b等の、発光層22を構成す
る各層や、あるいは光ファイバ1、透明電極層21、金
属薄膜4等の細部(材料、膜厚等)についても、前記と
同様に構成できる。光ファイバ1には、図2に示した円
すい状のハーフミラーを配置してもよいし、屈折率の勾
配を設けてもよい。
【0052】電極層23はこの場合、1層のみの構成で
あり、かかる電極層23としては、前述した2層構造の
電極層23のうち電極膜23aと同様の理由により、M
g膜、Mg/Ag膜、Al/Li膜等の金属蒸着膜が好
適に採用される。電極層23の膜厚も、前記電極膜23
aと同程度でよい。また保護膜24は、各素子2a〜2
cをそれぞれ別個に発光させるべく、前述したように絶
縁性である必要があり、かかる絶縁性の保護膜24とし
ては、やはり前述した高分子膜や金属化合物膜等があげ
られる。
【0053】また取り出し電極25としては、Au、A
g等の、導電性にすぐれるとともに耐候性にすぐれた金
属からなるものが好適に採用される。
【0054】なおこの発明の構成は、以上で説明した各
例に限定されるものではない。たとえば上記各図に示し
た例ではいずれも、エレクトロルミネッセンス素子2
を、光ファイバ1の外周面の全周にわたって形成してい
たが、かならずしもそのようになっている必要はなく、
たとえば光ファイバの外周面の一部を占めるようにエレ
クトロルミネッセンス素子を形成して、残りの部分には
光のロスがないように反射膜を設けたり、あるいは光フ
ァイバの外周面をいくつかの領域に分割して、複数個の
エレクトロルミネッセンス素子をそれぞれ、各領域内
に、別個に発光しうるように配置したりすることもでき
る。
【0055】その他、この発明の要旨を変更しない範囲
で、種々の設計変更を施すことができる。
【0056】
【実施例】以下に、この発明の光源装置を、実施例に基
づいて説明する。 実施例1 直径1mm、長さ30mmのガラス製光ファイバの一方
の端面の近傍の外周面の全周に、上記端面から光ファイ
バの長手方向に8mmの幅にわたって、膜厚150nm
のITO透明導電層を、真空蒸着法により形成した。
【0057】つぎに上記ITO透明導電層上に、上記端
面から光ファイバの長手方向に6mmの幅にわたって、
PES中にTPDを分散させた樹脂分散膜(ホール輸送
層、膜厚60nm)を、塗布法により形成したのち、こ
のホール輸送層上に、同じ幅にわたって、Alq単独の
膜(電子輸送層、膜厚60nm)を、真空蒸着法により
形成した。
【0058】つぎに上記電子輸送層上に、上記端面から
光ファイバの長手方向に5mmの幅にわたって、Mg/
Ag膜〔電極膜、Mg:Ag=10:1(モル比)、膜
厚100nm〕を、MgとAgの同時蒸着法により形成
したのち、この電極膜の上に、同じ幅にわたってAg膜
(保護膜、膜厚200nm)を形成してエレクトロルミ
ネッセンス素子を構成するとともに、上記光ファイバの
端面にも、反射手段としてのAg膜(膜厚100nm)
を形成して、図1(a)(b)に示す構造の光源装置を製造し
た。
【0059】上記のようにして製造した光源装置のIT
O透明導電層と保護膜とをそれぞれ、図1(a) に示すよ
うに電源3の陽極および陰極と接続して、室温、大気中
でエレクトロルミネッセンス素子に電圧を印加したとこ
ろ、8Vの印加電圧で、光ファイバの反対側の端面から
緑色の光が出射されるのが確認された。またその光量
は、光ファイバの端面に同様の素子を形成した場合の2
0倍であった。
【0060】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明の光源装
置によれば、光源としてのエレクトロルミネッセンス素
子の発光面積を、光ファイバの直径等に関係なく十分に
確保できるという特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a) は、この発明の光源装置の、実施の形
態の一例を示す斜視図、同図(b) は、同図(a) および図
3の例の光源装置のうち、エレクトロルミネッセンス素
子の層構成を示す断面図である。
【図2】図1(a) ないし図4の例の光源装置において、
光ファイバに設けてもよいハーフミラーの配置の例を示
す斜視図である。
【図3】この発明の光源装置の、実施の形態の他の例を
示す斜視図である。
【図4】この発明の光源装置の、実施の形態のさらに他
の例を示す斜視図である。
【図5】上記図4の例の光源装置のうち、エレクトロル
ミネッセンス素子の層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ 11 端面 2、2a、2b、2c エレクトロルミネッセンス素子 21 透明電極層 22 発光層 23 電極層 4 反射手段
フロントページの続き (72)発明者 上村 卓 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバの外周面に、透明電極層と発光
    層と電極層とがこの順に積層されて、光源としての薄膜
    積層型のエレクトロルミネッセンス素子が形成されてい
    ることを特徴とする光源装置。
  2. 【請求項2】発光層が、1層または2層以上の有機の層
    により構成されている請求項1記載の光源装置。
  3. 【請求項3】光源としてのエレクトロルミネッセンス素
    子が、光ファイバの、一方の端面の近傍に形成されてい
    るとともに、上記端面に、エレクトロルミネッセンス素
    子からの光を反射する反射手段が設けられている請求項
    1記載の光源装置。
  4. 【請求項4】光源としてのエレクトロルミネッセンス素
    子が、光ファイバの外周面に、当該光ファイバの長手方
    向に沿って複数個、それぞれ別個に発光しうるように配
    置されている請求項1記載の光源装置。
JP8212745A 1996-08-12 1996-08-12 光源装置 Pending JPH1054927A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2356464A (en) * 1999-11-22 2001-05-23 Cambridge Display Tech Ltd Fibre optic probe with electroluminescent light at distal end
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CN105276526A (zh) * 2014-06-26 2016-01-27 潘才法 一种纤维发光器件

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