JPH1054871A - 衛星測位装置 - Google Patents

衛星測位装置

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JPH1054871A
JPH1054871A JP21080996A JP21080996A JPH1054871A JP H1054871 A JPH1054871 A JP H1054871A JP 21080996 A JP21080996 A JP 21080996A JP 21080996 A JP21080996 A JP 21080996A JP H1054871 A JPH1054871 A JP H1054871A
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JP
Japan
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gps
ionospheric
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ionospheric delay
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JP21080996A
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English (en)
Inventor
Koichi Washizu
浩一 鷲頭
Harumasa Hojo
晴正 北條
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Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電離層遅延量をより正確に求める。 【解決手段】 GLONASSのL1及びL2を利用し
て求めた電離層遅延係数kを、GLONASSの航法信
号が電離層を通過した緯度・経度と対応付けて、記憶す
る。GPSの航法信号が電離層を通過した緯度・経度に
基づき、記憶している情報を参照しながら、その緯度・
経度における電離層遅延係数kGPS を演算する。従来の
近似モデルに代えて実測結果を利用しているため、航法
信号伝搬時間ひいては使用者位置の精度が高まる。GP
SとGLONASSの並行利用により、リアルタイム性
を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地球を周回する航
法衛星までの距離及び当該航法衛星の軌道に関する情報
を利用し、地球上の物体(以下「使用者」と呼ぶ)の位
置、速度等を求めるシステムであるGNSS(Global Na
vigation Satellite System)に関する。本発明は、GP
S(Global Positioning System) 、GLONASS(Glo
bal Orbiting Navigation Satellite System)等のGN
SSの一併用形態に関する。本発明は、特に、この種の
システムを利用して高精度の測位を行うことが可能な衛
星測位装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】GNSSでは、地球周回
軌道上に打ち上げられている多数の航法衛星から、エフ
ェメリス、アルマナック、送信タイミング等の情報を、
スペクトラム拡散変調された搬送波にて、航法信号とし
て送信する。使用者の側では、その航法信号を衛星測位
装置にて受信する。衛星測位装置は、航法信号の受信タ
イミングを検出する一方で、受信した航法信号をスペク
トラム逆拡散し、その結果得られた信号から上記情報を
取り出す。衛星測位装置は、取り出した情報に含まれて
いる送信タイミングと検出した受信タイミングとの差、
即ち航法衛星から衛星測位装置までの航法信号の伝搬時
間を求める。このようにして求めた伝搬時間は航法衛星
と衛星測位装置の間の距離を表している。他方、受信信
号から取り出した情報にはエフェメリス、アルマナック
等の軌道情報(前者は送信元航法衛星の詳細軌道に関す
る情報であり、後者はそのシステムに属する全衛星の概
略軌道に関する情報である)が含まれている。従って、
求めた伝搬時間と、取り出した軌道情報とを利用するこ
とにより、その航法衛星の位置を中心とする使用者存在
球面を画定することができる。検出した伝搬時間に誤差
が含まれないという仮想的な環境下では、使用者存在球
面を3種類画定できれば、それら使用者存在球面の交点
の演算により、使用者の3次元的位置を一意にかつ誤差
なしに求めることができる。
【0003】使用者存在球面を3種類画定するには、最
低3個の航法衛星から各々航法信号を受信する必要があ
る。実使用環境下では、伝搬時間の検出値に誤差がある
から、この誤差を除くため更に1個の航法衛星から航法
信号を受信できねばならない。即ち、合計少なくとも4
個の航法衛星から各々航法信号を受信し、これらに基づ
き合計4個の使用者存在球面を画定し、使用者の3次元
位置及び誤差という合計4個の未知数について4元連立
方程式を解く必要がある(測位演算)。なお、使用者の
高度が一定と見なせるような用途では、未知数を3個と
した測位演算にて使用者の位置を2次元的に求めるよう
にしてもよい。
【0004】このような測位演算を通じて、衛星測位装
置では、使用者の3次元的位置及びその誤差を検出して
いる。また、その結果得られる3次元的位置は、測位演
算にて未知数とした誤差分が除かれているため、他の原
理によるシステムでのそれに比べ精度の高い位置であ
る。特に、誤差を各航法衛星共通の未知数としているた
め、各航法衛星に関して共通に発生する性格の誤差であ
れば、上述の測位演算により好適に除去できる。例え
ば、各航法衛星に搭載されている時計(衛星時計)に対
し衛星測位装置に搭載されている時計(受信機時計)が
有している誤差、即ちクロックオフセットは、衛星時計
が非常に高精度であるのに比べ受信機時計がコスト面で
の要請上一般に比較的低精度であること、また異衛星上
の衛星時計が互いに高精度で同期していることから、各
航法衛星に関して共通に発生すると見られる。このよう
な性格の誤差成分は、上の4元連立方程式の求解演算に
て除去できる。
【0005】しかしながら、そのような性格を有してい
ない次のような誤差成分は、上の測位演算のみでは除去
できない。まず、航法衛星から衛星測位装置までの航法
信号伝搬路の一部には真空でないところ即ち大気圏内の
部分があるため、求めた伝搬時間を距離(誤差を含むた
め一般に「擬似距離」と呼ぶ)に換算する際に真空中の
光速を用いると、真空中での光速と大気中での光速との
差によって、誤差が生じる。航法信号が大気圏内を伝搬
する時間は送信元の航法衛星の位置により変わるから、
この誤差は各航法衛星に関して共通に発生するとは見な
せない。次に、航法信号は、地球を取り巻く電離層を通
過するとき遅延を受ける。電離層の状態は均一ではなく
位置(緯度・経度)によってばらつきがあるから、電離
層における遅延量は、航法信号が電離層を通過乃至貫通
する位置によって異なる値になる。従って、電離層遅延
による誤差も、各航法衛星に関して共通に発生するとは
見なせない。
【0006】これらの誤差のうち大気圏内伝搬による誤
差を抑制するため、GPSでは、送信タイミング情報と
受信機時計とに従い求めた伝搬時間を、全経路真空伝搬
時のそれに換算する、という手法を用いている。また、
電離層遅延による誤差を抑制するため、GPSでは、電
離層遅延量の推定値を伝搬時間から減ずる、という手法
を用いている。GPSでは、これらの誤差補償手法を実
現するため、大気圏内伝搬及び電離層遅延に関する近似
モデルを想定し、この近似モデルに従う演算により電離
層による遅延量を求め、送信タイミング情報及び受信機
時計に従い求めた伝搬時間から近似モデルに従い求めた
遅延量を減ずる、という演算手法を採用している。GP
Sでは、更に、近似モデル計算に必要なパラメタを、航
法信号の一部として航法衛星から送信している。
【0007】従来の問題点の一つは、近似モデルを用い
た電離層遅延量推定の精度が低いことである。まず、航
法衛星から近似モデル計算用に送信されるパラメタの更
新周期は1日という長い周期であり、電離層の短周期で
の状態変化に十分追随していない。更に、近似モデル自
体の精度も高くない。そのため、受信したパラメタを用
いても、電離層遅延量を十分高い精度で求めることはで
きず、現状では真値±50%程度の精度を余儀なくされ
ている。一般に電離層遅延量の最大値が数十nsである
ことを考えると、上の近似モデルを用いた計算では30
ns程度の遅延量検出誤差、即ち30ns×3×108
m/s=9mの擬似距離誤差が生じてしまう。可視衛星
数即ち使用者の現在位置から見通せる位置にある航法衛
星の個数が6〜8個という標準的な状況では、HDOP
(Horizontal Dilution Of Precision)の値は1〜2の間
であるので、擬似距離の誤差にこのHDOPを乗じた値
即ち水平方向誤差は、9〜18mという大きな値にな
る。なお、ここでいう水平方向誤差とは、使用者位置測
位結果の誤差のうち、地球中心を中心としかつその表面
に使用者が現在位置する球面に使用者の現在位置にて接
する平面即ち使用者位置での接平面の上での成分であ
る。
【0008】
【発明の概要】本発明の目的の一つは、誤差発生要因の
一つである電離層遅延量の推定という手法を廃止するこ
とにより、推定用近似モデルの精度、推定演算用パラメ
タの更新頻度等によって測位結果が精度上の制約を受け
ない高精度の衛星測位装置を実現することにある。本発
明の目的の他の一つは、電離層の状態の短周期変化例え
ば日変化にも追随可能なリアルタイム性の高い電離層遅
延補償方法及び衛星測位装置を実現することにある。本
発明の目的の他の一つは、電離層遅延量の補償に必要な
情報の提供と測位演算とを同時並列的に実行可能な、従
って更にリアルタイム性の高い電離層遅延補償方法及び
衛星測位装置を実現することにある。本発明の目的の他
の一つは、現状で使用が許されている電波資源を有効利
用することにより、GNSSの利用者部分のみの変更
で、即ちGNSSの制御部分や宇宙部分にシステム的変
更を施すことなく、高精度の測位を実現することにあ
る。
【0009】本発明においては、これらの目的を、電離
層遅延係数分布に関するデータベースのリアルタイム更
新と、これに並行して実行する電離層遅延補償とによ
り、達成している。更に、電離層遅延係数分布に関する
データベースのリアルタイム更新のために互いにその搬
送周波数が異なる2種類の航法信号を、また測位のため
に更に1種類の航法信号を、利用している。即ち、本発
明に係る衛星測位装置は、いずれも航法衛星から送信さ
れそのうち2種類は互いにその搬送周波数が異なる少な
くとも3種類の航法信号を受信する手段と、上記3種類
の航法信号の内上記2種類を利用して、地球表面所定高
度における電離層遅延係数分布に関するデータベースを
リアルタイム更新する手段と、上記データベースを利用
して電離層遅延を補償しながら、上記3種類の航法信号
の内残りの少なくとも1種類を利用してかつ上記データ
ベースの更新と並行して、上記航法信号の受信位置を演
算する手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】かかる構成を有する本発明によれば、電離
層遅延を補償するに際して、その分布がデータベース化
されている電離層遅延係数を利用できるため、従来の近
似モデルを利用する必要がなく、従って近似モデルの精
度の不足に起因する誤差は生じない。また、従来の近似
モデルに代えて利用しているデータベースは、互いにそ
の搬送周波数が異なる2種類の航法信号を利用してリア
ルタイムに更新されるもの、即ち実測結果に基づき得ら
れる最新のデータを有するものであるから、電離層の状
態の短周期変化に追従でき、従来のパラメタ更新頻度の
低さによる誤差は生じ得ない。加えて、データベースの
構築及び更新に使用する2種類の航法信号と、測位に使
用する航法信号とが、別の航法信号であるから、データ
ベースの更新も、そのデータベースを参照しながらの電
離層遅延補償及び測位も、いずれもリアルタイムにかつ
並列的に実行できる。
【0011】なお、上述の3種類の航法信号としては、
GPSのL1並びにGLONASSのL1及びL2を例
示できる。また、互いに搬送周波数が異なる2種類の信
号を利用して電離層遅延係数を求める方法の一つとして
は、電離層遅延量が搬送周波数の2乗に反比例するとい
う周知の特性を利用して連立方程式を立て、この連立方
程式を解くという方法を、例示できる。リアルタイム更
新の対象たるデータベースとしては、航法信号が電離層
をよぎった位置と電離層遅延係数とを対応付けるデータ
ベースを、例示できる。ここにいう“航法信号が電離層
をよぎった位置”とは、電離層が位置すると見られる高
度を航法信号がよぎった位置の緯度、経度等であり、送
信元航法衛星の位置及び使用者の位置から幾何学的演算
にて求められる。送信元航法衛星の位置は、軌道情報及
び時刻情報から求めればよく、使用者の位置は使用者に
よる設定操作により与え又は前回測位した位置とすれば
よい。更に、リアルタイム更新及び参照が可能なデータ
ベースは、2ポートメモリ等の利用により実現できる。
データベース上の情報を利用して電離層遅延を補償する
に際しては、測位に利用する航法信号が電離層をよぎっ
た位置と、データベース上にある位置との相対関係か
ら、補間演算等によって、測位に利用する航法信号が電
離層をよぎった位置における電離層遅延係数を求め、電
離層遅延量が搬送周波数の2乗に反比例するという周知
の特性を利用してこの電離層遅延係数を電離層遅延量に
変換し、クロック情報から求めた伝搬時間をこの電離層
遅延量を以て補正するという方法を、用いればよい。
【0012】また、以上の説明では、本発明を「衛星測
位装置」に関する発明としているが、本発明は他のカテ
ゴリ、例えば「衛星測位方法」、「電離層遅延補償処理
装置」、「電離層遅延補償方法」等として把握すること
もできる。これらのカテゴリ間の表現変更は本願の開示
を参照した当業者にとっては自明であり、かつ当業者は
変更後の表現を一意に理解し得る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図1に基づき説明する。図1に示した実施形態で
は、アンテナ10を用いて3種類の航法信号を受信して
いる。そのうち一つはGPSのL1、即ち各航法衛星毎
のC/A(Coarse Acquisition)コードによりスペクトル
拡散変調された1575.42MHzの搬送波により、
送信される航法信号である。GPSにはこの他に122
7.60MHzの搬送波により送信されるL2もある
が、L2は通常は各航法衛星毎のP(Precision) コード
によりスペクトル拡散変調されており運用当局である米
国国防総省がこのPコードの利用を一般使用者向けには
公開していないため、この実施形態では利用していな
い。但し、Pコードを利用できる例えば軍事関連の用途
では、GPSのL2を、本発明における測位或いはデー
タベース構築・更新に利用してもよい。
【0014】本実施形態にて利用する残りの2種類の航
法信号は、GLONASSのL1及びL2である。GL
ONASSのL1は、各航法衛星共通の擬似雑音コード
によりスペクトル拡散変調され1602MHz帯に属す
る搬送波により、またL2は各航法衛星共通の擬似雑音
コードによりスペクトル拡散変調され1246MHz帯
に属する搬送波により、送信される航法信号である。G
LONASSでは、GPSと異なり、擬似雑音コードを
各航法衛星共通にする一方で、各衛星毎に搬送周波数を
変えている(L1を例とすると、1602.5625〜
1615.5MHzの帯域を562.5kHzセパレー
ションで各航法衛星に割り当てている)。GPSとGL
ONASSの他の相違点として、GLONASSではL
1及びL2の双方をGPSのような制約なしに利用でき
る点がある。本実施形態では、この点に着目し、GLO
NASSのL1及びL2を、電離層遅延係数に関するデ
ータベースの構築・更新に利用している。但し、GPS
のL2を利用できる用途下では、データベースの構築・
更新にGPSのL1及びL2を利用し、GLONASS
のL1又はL2を測位に利用するようにしてもよい。無
論、GPS,GLONASS等と原理を同じくする他の
GNSS(将来実施のものを含む)も利用可能である。
【0015】図1に示されているTGPS 導出部12、T
L1導出部14及びTL2導出部16は、各々、GPSのL
1、GLONASSのL1又はGLONASSのL2の
受信結果に基づき伝搬時間を導出する機能を有してい
る。例えば、TGPS 導出部12は、GPSのL1を捕捉
し(即ち擬似雑音コードたるC/Aコードや搬送周波数
・位相と同期し)これに増幅、周波数変換等の処理を施
す受信部12a、受信部12aによる処理をへた信号か
ら送信タイミングに関する情報を取り出す送信時刻測定
部12b、並びに取り出された送信タイミングと受信機
時計18にて計時・検出された受信タイミングとの差の
演算によりGPSのL1の伝搬時間TGPSを求める伝搬
時間計算部12cを、有している。TL1導出部14は同
様の機能を有する受信部14a、送信時刻測定部14b
及び伝搬時間計算部14cを有しており、TL2導出部1
6もやはり同様の機能を有する受信部16a、送信時刻
測定部16b及び伝搬時間計算部16cを有している。
なお、TL1導出部14及びTL2導出部16の機能の解釈
・理解に当たっては、TGPS 導出部12に関する上の説
明中、“GPSのL1”“TGPS ”等の言葉を適宜読み
替えられたい。
【0016】TGPS 導出部12、TL1導出部14及びT
L2導出部16によって導出されるGPSのL1の伝搬時
間TGPS 、GLONASSのL1の伝搬時間TL1及びG
LONASSのL2の伝搬時間TL2のうち、TGPS は測
位演算に、またTL1及びTL2は電離層遅延補正用のデー
タベースの構築・更新に使用される。TGPS に基づく測
位演算は衛星測位装置の必須かつ本質的な機能である
が、本実施形態の特徴の一つは、TL1及びTL2を用いて
構築・更新したデータベースを電離層遅延の補償に利用
しその結果を用いて測位演算を行うことにある。そこ
で、ここでは、測位演算の説明に先立って、データベー
スの構築・更新に関し説明する。
【0017】まず、一般に、電離層遅延量は搬送周波数
の−2乗に比例しており、電離層遅延係数はその関係式
に現れる比例係数として定義される。従って、GLON
ASSのL1及びL2における電離層遅延量を各々τL1
及びτL2、搬送周波数を各々fL1及びfL2とすると、
【数1】τL1=k/fL1 2 τL2=k/fL2 2 と表される。更に、これらL1及びL2がある同一の航
法衛星から同時に受信したものであれば(本願では「同
時」とは有意な時間差のない場合を含む)、それらは同
一の伝搬経路を経て送受信されたものであると考えられ
るから、次の関係
【数2】τL1−τL2=TL1−TL2 が成り立つ。図1に示される機能ブロックのうち電離層
遅延係数計算部20は、上の三式を変形して得られる次
の式
【数3】k=(TL1−TL2)・fL1 2 ・fL2 2 /(fL2
2 −fL1 2 ) に、同一のGLONASS航法衛星から同時に受信した
航法信号に係るTL1及びTL2を代入することにより、k
を求める。このようにして得られるkは、その航法信号
が電離層を通過した位置におけるその電離層の状態を表
しており、かつ、搬送周波数に依存していない。
【0018】他方、位置計算部22は、受信部14a又
は16aにて受信された航法信号から、エフェメリスあ
るいはアルマナックに係る軌道データを取り出し、取り
出した軌道データと、時刻データとに基づき、その航法
信号を送信した航法衛星の3次元位置を求める。その
際、時刻データとしては、受信機時計18から与えられ
るものを用いてもよいし、あるいは送信時刻測定部14
b又は16bにて得られたものを用いてもよい。電離層
遅延係数記憶部24は、位置計算部22にて計算された
衛星3次元位置と、別途与えられる使用者の3次元位置
とに基づき、幾何学的計算によって、地上所定高度の面
を航法信号が通過乃至貫通した位置の緯度・経度(電離
層通過位置)を、求める。ここで想定している高度は、
例えば、300kmであり、電離層の代表的高度であ
る。即ち、実際には電離層は厚みを有しているが、ここ
では厚みを無視し、電子・イオン密度が一般に最も高い
高度である300kmを以て、電離層の代表的高度とし
ている。更に、この高度は、GPSにて用いられている
WGS−84(World Geodetic System-84)の回転楕円
体の表面から計る。ただし、WGS−84に依らない局
所座標系での地球表面から計ったとしても、高々1km
程度の差しか生じないから、実用上問題は生じない。ま
た、電離層遅延係数記憶部24にて位置計算に使用する
使用者の3次元位置は、初期的には使用者による設定操
作にて与えられ、その後は後述の測位計算部32から与
えられる。
【0019】電離層遅延係数記憶部24は、電離層遅延
係数計算部20にて計算されたkと、計算によって得た
電離層通過位置とを、対応付けて記憶する。一般に、G
LONASSの航法衛星のうち地球上の使用者からいっ
ときに見通せる位置にある航法衛星(可視衛星)の個数
は、6〜8個程度である。従って、1回の受信により、
電離層遅延係数記憶部24には、少なくとも6〜8か所
におけるkをその位置と対応付けるデータベースが、構
築される。電離層遅延係数記憶部24は、このデータベ
ースの信頼性を保つため、適当な頻度で、その内容を更
新する。例えば、全ての内容を廃棄し新たな内容にて置
換するといった処理を、各受信タイミング毎に実行す
る。但し、精度上許容される範囲内で同一の内容を維持
し続けることも、可能である。
【0020】以上の手順にて構築・リアルタイム更新さ
れるデータベースは、測位計算に先立つ伝搬時間補正に
利用される。図1に示されている機能ブロック中この伝
搬時間補正に関わるのは位置計算部26、電離層遅延係
数補間部28及び伝搬時間補正部30である。
【0021】まず、位置計算部26は、受信部12aに
て受信された航法信号から、エフェメリスあるいはアル
マナックに係る軌道データを取り出し、取り出した軌道
データと、時刻データとに基づき、その航法信号を送信
した航法衛星の3次元位置を求める。その際、時刻デー
タとしては、受信機時計18から与えられるものを用い
てもよいし、あるいは送信時刻測定部12bにて得られ
たものを用いてもよい。次に、電離層遅延係数補間部2
8は、位置計算部26にて計算された衛星3次元位置
と、別途与えられる使用者の3次元位置とに基づき、電
離層遅延係数記憶部24が行った計算と同様の手順によ
る計算にて、GPSのL1に係る航法信号の電離層通過
位置を求める。
【0022】次に、電離層遅延係数補間部28は、求め
た電離層通過位置及び(電離層遅延係数記憶部24と同
様の方法にて入力した)使用者の位置に基づき、また電
離層遅延係数記憶部24上のデータベースを利用して、
その電離層通過位置における電離層遅延係数kGPS を求
める。伝搬時間補正部30は、このkGPS 及びGPSの
L1の搬送周波数fGPS (既知)に基づき、次の式
【数4】τGPS =kGPS /fGPS 2 即ち前述の電離層遅延量対周波数の関係に従い、GPS
のL1における電離層遅延量τGPS を求める。伝搬時間
補正部30は、このτGPS を減ずることにより、伝搬時
間計算部12cにて既に求められているTGPS を、補正
する。測位計算部32は、補正されたTGPS 及び位置計
算部26にて計算された航法衛星の3次元位置に基づ
き、かつ真空中での光速を用いて、従来の衛星測位装置
と同様の測位演算を実行する。
【0023】その結果得られる情報、例えば使用者の位
置、移動速度、移動方向、移動軌跡等の情報は、図示し
ない外部の装置に供給される。また、そのうち使用者の
位置は、電離層遅延係数記憶部24及び電離層遅延係数
補間部28にも供給される。ここに、kGPS ひいては補
正後のTGPS は、リアルタイムに更新される電離層遅延
係数記憶部24上のデータベースを利用して導出された
もの、即ち電離層の状態の短周期変化をリアルタイムに
反映しかつこれを補償した結果たるものである。従っ
て、従来生じていた9〜18mという水平方向誤差は本
実施形態では生じない。
【0024】
【補遺】上述のように、電離層遅延係数補間部28で
は、求めた電離層通過位置及び使用者からの概略の或い
は測位計算部32からの前回の使用者の位置に基づき、
かつ電離層遅延係数記憶部24上のデータベースを利用
して、その電離層通過位置におけるkGPS を求めてい
る。kGPS を求める方法としては様々なものが考えられ
る。以下に示す方法は、その一例である。
【0025】まず、電離層遅延に影響する電子・イオン
密度は、太陽からの紫外線、X線、飛来荷電粒子等によ
り与えられるエネルギに依存しており、従って日変化
(1日内の時刻による変化)、緯度変化(緯度による変
化)を呈する。この種の変化は、全地球的規模では三角
関数的であるけれども、地球表面のある一点から見通せ
る範囲では二次曲線で近似できる。そこで、ここでは、
GLONASS航法信号の電離層通過位置(x,y)に
おける電離層遅延係数の分布を曲面z=f(x,y)で
表し、これをGPS航法信号の電離層通過位置(x0
0 )のまわりでテーラー展開し、2次の項まで取り出
すこととする。その結果得られる近似式は、
【数5】 となる。なお、上式では、3次以上の高次成分δ
(x0 ,y0 )の表記を省略している。
【0026】この近似式に含まれている未知数は、
【数6】 の6個である。従って、この近似式を(同一値のz及び
(x,y)に関して重複して立式しないよう)6個連立
させ、得られた6元連立方程式を解くことができれば、
上の6個の未知数の一つであるf(x0 ,y0 )即ちk
GPS を、知ることができる。他方、電離層遅延係数記憶
部24上のデータベースには、通常の環境下ではkとG
LONASS航法信号の電離層通過位置との組合せデー
タが、6〜8個程度は存在している。従って、データベ
ースから6組のデータを読み込み、kをzに、またGL
ONASS航法信号の電離層通過位置を(x,y)に代
入することで、解くことが可能な6元連立方程式を立て
ることができる。これを解けば、kGPS が得られる。
【0027】なお、電離層遅延係数記憶部24上のデー
タベースに6か所を上回る位置に関するデータが存在し
ているときには、そのうち6個を選択して連立方程式を
立ててもよいし、最小二乗法を適用してもよい。後者の
ほうが、蓋然性の高い結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る衛星測位装置の機
能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
12 TGPS 導出部、14 TL1導出部、16 TL2
出部、20 電離層遅延係数計算部、22,26 衛星
位置計算部、24 電離層遅延係数記憶部、28 電離
層遅延係数補間部、30 伝搬時間補正部、32 測位
計算部、TGPS,TL1,TL2 GPSのL1、GLON
ASSのL1及びGLONASSのL2各々の伝搬時間
(電離層遅延補償前)、k GLONASSによる電離
層遅延係数の実測値、kGPS GPSの航法信号が所定
高度を通過した緯度・経度における電離層遅延係数。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 いずれも航法衛星から送信されそのうち
    2種類は互いにその搬送周波数が異なる少なくとも3種
    類の航法信号を受信する手段と、 上記航法信号の内上記2種類を利用して、地球表面所定
    高度における電離層遅延係数分布に関するデータベース
    をリアルタイム更新する手段と、 上記データベースを利用して電離層遅延を補償しなが
    ら、上記3種類の航法信号の内残りの少なくとも1種類
    を利用してかつ上記データベースの更新と並行して、上
    記航法信号の受信位置を演算する手段と、 を備えることを特徴とする衛星測位装置。
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