JPH1053785A - 樹脂潤滑組成物及びその製造方法、並びにその製造装置 - Google Patents
樹脂潤滑組成物及びその製造方法、並びにその製造装置Info
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- JPH1053785A JPH1053785A JP9128801A JP12880197A JPH1053785A JP H1053785 A JPH1053785 A JP H1053785A JP 9128801 A JP9128801 A JP 9128801A JP 12880197 A JP12880197 A JP 12880197A JP H1053785 A JPH1053785 A JP H1053785A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 潤滑剤を含み且つ常温下でペースト状の樹脂
原料を連続して能率よく所定形状に成形可能とする。 【解決手段】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペー
スト状の混合物を、ポンプ等の圧送手段(1)で金型
(2)の供給口(3a)に連続して圧送する。この金型
(2)内を吐出口(3b)に向かって連続的に移送される
前記混合物をヒータ(7)で加熱して、これに含まれる
樹脂粉末を溶融させる。その後、これを冷却させつつ所
定形状に成形し、金型(2)の吐出口(3a)から連続的
に押出して長尺の成形体素材(4)を得る。
原料を連続して能率よく所定形状に成形可能とする。 【解決手段】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペー
スト状の混合物を、ポンプ等の圧送手段(1)で金型
(2)の供給口(3a)に連続して圧送する。この金型
(2)内を吐出口(3b)に向かって連続的に移送される
前記混合物をヒータ(7)で加熱して、これに含まれる
樹脂粉末を溶融させる。その後、これを冷却させつつ所
定形状に成形し、金型(2)の吐出口(3a)から連続的
に押出して長尺の成形体素材(4)を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑剤を含む樹脂
潤滑組成物及びその製造方法、並びにその製造装置に関
する。
潤滑組成物及びその製造方法、並びにその製造装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受の潤滑方法として、樹脂潤滑
組成物を用いる方法、すなわち超高分子量ポリオレフィ
ン等の樹脂粉末と鉱油等の潤滑剤とを混合し、これによ
り得られたペースト状の混合物を軸受空間(内・外輪間
の隙間)に充填した後、軸受を加熱処理して混合物を固
形化する方法が実用化されている(特公昭56-25480号、
特公昭63-23239号、特開平 6-41569号公報等参照)。こ
の固形化された樹脂潤滑組成物は、その使用時に、内部
に分散保持した潤滑油を徐々にしみ出させ、軸受の内輪
軌道面及び外輪軌道面等に油膜を形成して、転がり摩擦
や滑り摩擦の低減効果を発揮するもので、固形状である
ことから、通常の潤滑グリースを用いる場合のように密
封装置を必要とせず、軸受幅寸法の小型化が可能である
と共に、作業性が良い等の種々の効果を奏するものであ
る。
組成物を用いる方法、すなわち超高分子量ポリオレフィ
ン等の樹脂粉末と鉱油等の潤滑剤とを混合し、これによ
り得られたペースト状の混合物を軸受空間(内・外輪間
の隙間)に充填した後、軸受を加熱処理して混合物を固
形化する方法が実用化されている(特公昭56-25480号、
特公昭63-23239号、特開平 6-41569号公報等参照)。こ
の固形化された樹脂潤滑組成物は、その使用時に、内部
に分散保持した潤滑油を徐々にしみ出させ、軸受の内輪
軌道面及び外輪軌道面等に油膜を形成して、転がり摩擦
や滑り摩擦の低減効果を発揮するもので、固形状である
ことから、通常の潤滑グリースを用いる場合のように密
封装置を必要とせず、軸受幅寸法の小型化が可能である
と共に、作業性が良い等の種々の効果を奏するものであ
る。
【0003】この樹脂潤滑組成物は、上述のように潤滑
油のしみ出しによる優れた摩擦低減効果を発揮するの
で、これを滑り軸受に応用することも考えられる。滑り
軸受は、支持すべき軸との間に滑りを生じる軸受面を形
成したものであるが、これを上記樹脂潤滑組成物で形成
すれば、しみ出した潤滑油が軸受面に連続して供給され
るため、油膜切れの少ない長寿命の滑り軸受を実現でき
ると考えられる。
油のしみ出しによる優れた摩擦低減効果を発揮するの
で、これを滑り軸受に応用することも考えられる。滑り
軸受は、支持すべき軸との間に滑りを生じる軸受面を形
成したものであるが、これを上記樹脂潤滑組成物で形成
すれば、しみ出した潤滑油が軸受面に連続して供給され
るため、油膜切れの少ない長寿命の滑り軸受を実現でき
ると考えられる。
【0004】ところで、上記のような滑り軸受を製造す
る際には、上記樹脂潤滑組成物を、内径部に軸受面を有
する円筒状に成形する必要がある。この円筒状の樹脂成
形体は、例えば、一端を閉じた金型に樹脂粉末と潤滑剤
との混合物を充填し、これを密閉状態で加熱して溶融さ
せた後、冷却固化しても得ることができるが、これで
は、連続して成形品を得ることができず、生産効率が良
くない。
る際には、上記樹脂潤滑組成物を、内径部に軸受面を有
する円筒状に成形する必要がある。この円筒状の樹脂成
形体は、例えば、一端を閉じた金型に樹脂粉末と潤滑剤
との混合物を充填し、これを密閉状態で加熱して溶融さ
せた後、冷却固化しても得ることができるが、これで
は、連続して成形品を得ることができず、生産効率が良
くない。
【0005】一方、樹脂製品を連続成形するための装置
としては、図3に示すスクリュー押出機(21)が一般的
である。通常、樹脂材料は常温下で固形であるので、所
望の形状に成形しようと思えば、一度加熱して樹脂を可
塑化しておいてから、所定の金型に溶融樹脂を輸送しな
ければならない。上記スクリュー押出機(21)は、これ
ら一連の作業を連続的に行なうもので、ホッパ(22)か
ら供給される粒子状の原料樹脂(固相)をスクリュー
(23)で先端側に輸送しつつ、輸送途中でシリンダ(2
4)に設けたヒータ(26)で原料樹脂を加熱溶融させ、
溶融樹脂をスクリュー(23)先端から金型(25)に供給
し、金型(25)の吐出口(25a)から棒状又は筒状の成
形体を押し出すものである。吐出口(25a)から押し出
された長尺の成形体を所定の間隔で切断すれば、所望の
樹脂成形品を得ることができる。
としては、図3に示すスクリュー押出機(21)が一般的
である。通常、樹脂材料は常温下で固形であるので、所
望の形状に成形しようと思えば、一度加熱して樹脂を可
塑化しておいてから、所定の金型に溶融樹脂を輸送しな
ければならない。上記スクリュー押出機(21)は、これ
ら一連の作業を連続的に行なうもので、ホッパ(22)か
ら供給される粒子状の原料樹脂(固相)をスクリュー
(23)で先端側に輸送しつつ、輸送途中でシリンダ(2
4)に設けたヒータ(26)で原料樹脂を加熱溶融させ、
溶融樹脂をスクリュー(23)先端から金型(25)に供給
し、金型(25)の吐出口(25a)から棒状又は筒状の成
形体を押し出すものである。吐出口(25a)から押し出
された長尺の成形体を所定の間隔で切断すれば、所望の
樹脂成形品を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このス
クリュー押出機(21)で上記樹脂潤滑組成物の押出成形
を行なうと、以下の点が問題となる。
クリュー押出機(21)で上記樹脂潤滑組成物の押出成形
を行なうと、以下の点が問題となる。
【0007】 スクリュー押出機は、シリンダ(24)
内面と原料樹脂との間、及び、スクリュー(23)と原料
樹脂との間の摩擦力により輸送力を得るものである。と
ころが、原料樹脂が潤滑油等の潤滑剤を含んでいると、
原料樹脂とシリンダ(24)内面やスクリュー(23)との
間が油潤滑され、そのために十分な輸送力を得ることが
できずに原料樹脂がシリンダ(24)内で停滞するおそれ
がある。
内面と原料樹脂との間、及び、スクリュー(23)と原料
樹脂との間の摩擦力により輸送力を得るものである。と
ころが、原料樹脂が潤滑油等の潤滑剤を含んでいると、
原料樹脂とシリンダ(24)内面やスクリュー(23)との
間が油潤滑され、そのために十分な輸送力を得ることが
できずに原料樹脂がシリンダ(24)内で停滞するおそれ
がある。
【0008】 上記樹脂粉末と潤滑剤との混合物は、
通常、常温下でペースト状であるため、ホッパ(22)か
ら供給しても当該混合物がスクリュー(23)までスムー
ズに落下せず、ホッパ内で停滞する。
通常、常温下でペースト状であるため、ホッパ(22)か
ら供給しても当該混合物がスクリュー(23)までスムー
ズに落下せず、ホッパ内で停滞する。
【0009】そこで、本発明は、潤滑剤を含み且つ常温
下でペースト状の樹脂原料を連続して能率よく所定形状
に成形可能とすることを目的とする。
下でペースト状の樹脂原料を連続して能率よく所定形状
に成形可能とすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明では、樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペース
ト状の混合物を、連続押出し成形して得られた長尺の成
形体素材を、所定寸法に切断して樹脂潤滑組成物を成形
することとした(請求項2、10)。同様に、樹脂粉末
と潤滑剤とを混合してなるペースト状の混合物を、連続
押出し成形して成形体素材を成形することとした(請求
項1、9)。これら何れの場合でも連続して押出し成形
とすることから、密閉した金型で成形する場合に比べ、
能率よく樹脂成形品(樹脂潤滑組成物及び成形体素材)
を成形可能となる。
本発明では、樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペース
ト状の混合物を、連続押出し成形して得られた長尺の成
形体素材を、所定寸法に切断して樹脂潤滑組成物を成形
することとした(請求項2、10)。同様に、樹脂粉末
と潤滑剤とを混合してなるペースト状の混合物を、連続
押出し成形して成形体素材を成形することとした(請求
項1、9)。これら何れの場合でも連続して押出し成形
とすることから、密閉した金型で成形する場合に比べ、
能率よく樹脂成形品(樹脂潤滑組成物及び成形体素材)
を成形可能となる。
【0011】より詳細には、樹脂粉末と潤滑剤とを混合
してなるペースト状の混合物を、供給口と吐出口とを有
する金型に、前記供給口から連続的に圧送供給し、前記
金型内を吐出口に向かって連続的に移送される前記混合
物を前記金型の所定部分で加熱して、これに含まれる樹
脂粉末を溶融させ、その後、これを冷却させつつ所定形
状に成形し、前記金型の吐出口から連続的に押出して得
られた長尺の成形体素材を、所定寸法に切断して樹脂潤
滑組成物を成形する(請求項4、12)。同様に、樹脂
粉末と潤滑剤とを混合してなるペースト状の混合物を、
供給口と吐出口とを有する金型に、前記供給口から連続
的に圧送供給し、前記金型内を吐出口に向かって連続的
に移送される前記混合物を前記金型の所定部分で加熱し
て、これに含まれる樹脂粉末を溶融させ、その後、これ
を冷却させつつ所定形状に成形し、前記金型の吐出口か
ら連続的に押出して長尺の成形体素材を成形する(請求
項3、11)。何れの場合でも、混合物を金型の供給口
に圧送する際には、混合物が常温下でペースト状である
ことから、ポンプ等の圧送手段を使用することができ
る。
してなるペースト状の混合物を、供給口と吐出口とを有
する金型に、前記供給口から連続的に圧送供給し、前記
金型内を吐出口に向かって連続的に移送される前記混合
物を前記金型の所定部分で加熱して、これに含まれる樹
脂粉末を溶融させ、その後、これを冷却させつつ所定形
状に成形し、前記金型の吐出口から連続的に押出して得
られた長尺の成形体素材を、所定寸法に切断して樹脂潤
滑組成物を成形する(請求項4、12)。同様に、樹脂
粉末と潤滑剤とを混合してなるペースト状の混合物を、
供給口と吐出口とを有する金型に、前記供給口から連続
的に圧送供給し、前記金型内を吐出口に向かって連続的
に移送される前記混合物を前記金型の所定部分で加熱し
て、これに含まれる樹脂粉末を溶融させ、その後、これ
を冷却させつつ所定形状に成形し、前記金型の吐出口か
ら連続的に押出して長尺の成形体素材を成形する(請求
項3、11)。何れの場合でも、混合物を金型の供給口
に圧送する際には、混合物が常温下でペースト状である
ことから、ポンプ等の圧送手段を使用することができ
る。
【0012】ペースト状の混合物は、平均分子量約1×
106 〜5×106 の超高分子量ポリオレフィン粉末95〜1
wt%と、潤滑油又は潤滑グリース5〜99wt%とを混合し
たものとする(請求項5、6、13、14)。または、
平均分子量約1×106 〜5×106 の超高分子量ポリオレ
フィン粉末94.9〜1wt%と、潤滑油5〜98.9wt%と、金
属石けんおよびウレア化合物の中から選ばれる少なくと
も一種の化合物0.1 〜10wt%とを混合したものとする
(請求項7、8、15、16)。化合物の割合が0.1 %
より小さいと、吐出圧力の低減効果が十分ではなく、10
%よりも大きいと機械的強度が好ましくなくなる。
106 〜5×106 の超高分子量ポリオレフィン粉末95〜1
wt%と、潤滑油又は潤滑グリース5〜99wt%とを混合し
たものとする(請求項5、6、13、14)。または、
平均分子量約1×106 〜5×106 の超高分子量ポリオレ
フィン粉末94.9〜1wt%と、潤滑油5〜98.9wt%と、金
属石けんおよびウレア化合物の中から選ばれる少なくと
も一種の化合物0.1 〜10wt%とを混合したものとする
(請求項7、8、15、16)。化合物の割合が0.1 %
より小さいと、吐出圧力の低減効果が十分ではなく、10
%よりも大きいと機械的強度が好ましくなくなる。
【0013】上記成形体素材は、樹脂粉末と潤滑剤とを
混合してなるペースト状の混合物を圧送する圧送手段
と、圧送手段の吐出側に接続した供給口、供給口から供
給された前記混合物を加熱してこれに含まれる樹脂粉末
を溶融させるヒータ、溶融した前記混合物を冷却しつつ
所定形状に成形する成形部、成形部で成形された成形体
素材を連続的に排出する吐出口を備える金型とで構成さ
れた装置により成形可能となる(請求項17)。
混合してなるペースト状の混合物を圧送する圧送手段
と、圧送手段の吐出側に接続した供給口、供給口から供
給された前記混合物を加熱してこれに含まれる樹脂粉末
を溶融させるヒータ、溶融した前記混合物を冷却しつつ
所定形状に成形する成形部、成形部で成形された成形体
素材を連続的に排出する吐出口を備える金型とで構成さ
れた装置により成形可能となる(請求項17)。
【0014】この装置において、成形部を円筒形とすれ
ば、断面リング状の長尺の成形体素材を連続成形するこ
とが可能となる(請求項18)。この時、成形部の中心
部に軸方向に沿って円柱状の内型を配置すれば、容易に
且つ確実に成形体素材が成形可能となる(請求項1
9)。
ば、断面リング状の長尺の成形体素材を連続成形するこ
とが可能となる(請求項18)。この時、成形部の中心
部に軸方向に沿って円柱状の内型を配置すれば、容易に
且つ確実に成形体素材が成形可能となる(請求項1
9)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図1
及び図2に基づいて説明する。
及び図2に基づいて説明する。
【0016】図1に示すように、本発明では、樹脂粉末
と潤滑剤とを混合してなるペースト状の混合物を、圧送
手段(1)で供給口(3a)から金型(2)内に圧送し、
これを金型(2)の吐出口(3b)から連続して吐出する
ことにより、長尺の成形体素材(4)を押出し成形する
こととした。
と潤滑剤とを混合してなるペースト状の混合物を、圧送
手段(1)で供給口(3a)から金型(2)内に圧送し、
これを金型(2)の吐出口(3b)から連続して吐出する
ことにより、長尺の成形体素材(4)を押出し成形する
こととした。
【0017】樹脂粉末としては、粉末状の超高分子量ポ
リオレフィンを使用する。これは、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン若しくはこれらの共重合体から
なる粉末、又は、それぞれ単独の粉末を配合した混合粉
末で、各粉末の分子量は1×106 〜5×106 とされる。
リオレフィンを使用する。これは、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン若しくはこれらの共重合体から
なる粉末、又は、それぞれ単独の粉末を配合した混合粉
末で、各粉末の分子量は1×106 〜5×106 とされる。
【0018】潤滑剤としては、潤滑油が使用される。使
用可能の潤滑油としては、鉱油、ポリオールエステル
油、ジエステル油、合成炭化水素油、アルキルフェニル
エーテル油或いはこれらの混合物からなる潤滑油を挙げ
ることができる。
用可能の潤滑油としては、鉱油、ポリオールエステル
油、ジエステル油、合成炭化水素油、アルキルフェニル
エーテル油或いはこれらの混合物からなる潤滑油を挙げ
ることができる。
【0019】潤滑剤として潤滑油を使用する場合は、金
属石けん及びウレア化合物から選ばれる化合物を混合す
ると、ペースト状の混合物の流動性がさらに改善され、
より低圧での成形が可能となる。
属石けん及びウレア化合物から選ばれる化合物を混合す
ると、ペースト状の混合物の流動性がさらに改善され、
より低圧での成形が可能となる。
【0020】金属石けんとしては、ナトリウム、カルシ
ウム、アルミニウム、亜鉛、鉛、バリウム、リチウム、
ストロンチウムなどの金属と、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、12−ヒ
ドロキシステアリン酸などの脂肪酸をけん化したもので
あり、リチウムやナトリウムのステアリン酸や12−ヒド
ロキシステアリン酸との石けんが代表的である。
ウム、アルミニウム、亜鉛、鉛、バリウム、リチウム、
ストロンチウムなどの金属と、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、12−ヒ
ドロキシステアリン酸などの脂肪酸をけん化したもので
あり、リチウムやナトリウムのステアリン酸や12−ヒド
ロキシステアリン酸との石けんが代表的である。
【0021】また、ウレア化合物は、イソシアネート
[モノイソシアネート類、ジイソシアネート類(ジフェ
ニルメタン44ジイソシアネート等)]やアミン類[モノ
アミン類(アニリン、オクタデシルアミン等)、ジアミ
ン類(エチレンジアミン等)]等の原料を用い、
[モノイソシアネート類、ジイソシアネート類(ジフェ
ニルメタン44ジイソシアネート等)]やアミン類[モノ
アミン類(アニリン、オクタデシルアミン等)、ジアミ
ン類(エチレンジアミン等)]等の原料を用い、
【0022】
【化1】 等の反応により得られる分子内に、ウレア基−NH- C
O- NH− を通常2個以上有する化合物である。
O- NH− を通常2個以上有する化合物である。
【0023】具体的には、
【化2】 などが例示できる。
【0024】また、潤滑剤として潤滑グリースを使用す
ることも可能である。潤滑グリースの種類は、特に限定
されるものではなく、石けん又は非石けんで増稠した潤
滑グリースであれば、リチウム石けん−ジエステル系、
リチウム石けん−鉱油系、ナトリウム石けん−鉱油系、
アルミニウム石けん−鉱油系、リチウム石けん−ジエス
テル鉱油系、非石けん−ジエステル系、非石けん−鉱油
系、非石けん−ポリオールエステル系、リチウム石けん
−ポリオールエステル系等から適宜選択されるが、少な
くとも前記超高分子量ポリオレフィンのゲル化点よりも
高い滴点を有するものでなければならない。
ることも可能である。潤滑グリースの種類は、特に限定
されるものではなく、石けん又は非石けんで増稠した潤
滑グリースであれば、リチウム石けん−ジエステル系、
リチウム石けん−鉱油系、ナトリウム石けん−鉱油系、
アルミニウム石けん−鉱油系、リチウム石けん−ジエス
テル鉱油系、非石けん−ジエステル系、非石けん−鉱油
系、非石けん−ポリオールエステル系、リチウム石けん
−ポリオールエステル系等から適宜選択されるが、少な
くとも前記超高分子量ポリオレフィンのゲル化点よりも
高い滴点を有するものでなければならない。
【0025】前記超高分子ポリオレフィン粉末1〜95wt
%は、潤滑グリース99〜5wt%及び他の添加剤、例えば
油の滲み出しを抑制して離油率を低くするための固形ワ
ックス等と混合する。この混合物は常温下でペースト状
となる。
%は、潤滑グリース99〜5wt%及び他の添加剤、例えば
油の滲み出しを抑制して離油率を低くするための固形ワ
ックス等と混合する。この混合物は常温下でペースト状
となる。
【0026】この混合物を金型(2)に圧送するための
圧送手段(1)としては、ペースト状の混合物を圧送で
きるものであれば何でも良いが、例えばポンプが使用さ
れる。ポンプの種類は、特に限定されず、往復ポンプ、
回転ポンプ(ギヤポンプやねじポンプ等)、渦巻きポン
プ(遠心ポンプ)、軸流ポンプ等のあらゆる形式のもの
が使用可能であるが、少なくともペースト状の混合物の
ような高粘度液を安定して吸い込み、吐出できるもので
なければならない。特にグリース用ポンプとして市販さ
れているものは、概ね使用可能である。もちろん、ポン
プに限らず、同様の負圧による吸い込み・吐出機能を有
する限り他の圧送手段も適用可能である。
圧送手段(1)としては、ペースト状の混合物を圧送で
きるものであれば何でも良いが、例えばポンプが使用さ
れる。ポンプの種類は、特に限定されず、往復ポンプ、
回転ポンプ(ギヤポンプやねじポンプ等)、渦巻きポン
プ(遠心ポンプ)、軸流ポンプ等のあらゆる形式のもの
が使用可能であるが、少なくともペースト状の混合物の
ような高粘度液を安定して吸い込み、吐出できるもので
なければならない。特にグリース用ポンプとして市販さ
れているものは、概ね使用可能である。もちろん、ポン
プに限らず、同様の負圧による吸い込み・吐出機能を有
する限り他の圧送手段も適用可能である。
【0027】金型(2)は、円筒形の外型(5)と、外
型(5)の中心に軸方向に沿って貫通させた円柱状の内
型(6)とで構成される。外型(5)は、供給口(3a)
から供給された上記混合物を一旦貯留する溜り部(5a)
と、これを円筒状に成形する成形部(5b)とからなり、
円筒状をなす成形部(5b)のほぼ中間部分は、ヒータ
(7)によって覆われている。また、成形部(5b)の下
流側には、成形された成形体素材(4)を冷却固化する
ための冷却ジャケット(8)が配置されるが、自然冷却
で十分に固化できる場合にはこれを省略しても構わな
い。成形部(5b)のヒータ(7)を挟む上下位置には、
断熱材(9a)(9b)が介装されており、ヒータ(7)の
熱が溜り部(5a)や冷却ジャケット(8)へ伝熱される
のを防止している。
型(5)の中心に軸方向に沿って貫通させた円柱状の内
型(6)とで構成される。外型(5)は、供給口(3a)
から供給された上記混合物を一旦貯留する溜り部(5a)
と、これを円筒状に成形する成形部(5b)とからなり、
円筒状をなす成形部(5b)のほぼ中間部分は、ヒータ
(7)によって覆われている。また、成形部(5b)の下
流側には、成形された成形体素材(4)を冷却固化する
ための冷却ジャケット(8)が配置されるが、自然冷却
で十分に固化できる場合にはこれを省略しても構わな
い。成形部(5b)のヒータ(7)を挟む上下位置には、
断熱材(9a)(9b)が介装されており、ヒータ(7)の
熱が溜り部(5a)や冷却ジャケット(8)へ伝熱される
のを防止している。
【0028】以上の構成において、圧送手段であるポン
プ(1)を起動すると、タンク(T)からペースト状の
混合物が金型(2)内に圧送される。この時、ポンプ
(1)は、負圧による吸い込み作用で上記混合物を吸い
込み、吐出するものであるから、原料樹脂との間の摩擦
力に頼って輸送する従来のスクリューのように、混合物
中に含まれる潤滑油等によって輸送力不足に陥ることも
なく、安定して金型(2)に圧送することができる。ま
た、ホッパ内で重力に頼って混合物を移送するものでも
ないから、従来のようなホッパ内での混合物の停滞も起
こり得ない。
プ(1)を起動すると、タンク(T)からペースト状の
混合物が金型(2)内に圧送される。この時、ポンプ
(1)は、負圧による吸い込み作用で上記混合物を吸い
込み、吐出するものであるから、原料樹脂との間の摩擦
力に頼って輸送する従来のスクリューのように、混合物
中に含まれる潤滑油等によって輸送力不足に陥ることも
なく、安定して金型(2)に圧送することができる。ま
た、ホッパ内で重力に頼って混合物を移送するものでも
ないから、従来のようなホッパ内での混合物の停滞も起
こり得ない。
【0029】このようにして金型(2)内に圧送された
混合物は、ヒータ(7)によって樹脂粉末のゲル化点以
上の温度(150℃〜200℃程度)に加熱された成形
部(5b)に送られる。この成形部(5b)で樹脂粉末は、
溶解しつつ成形部(5b)内を移送される間に所定形状
(本実施形態では円筒状)に成形され、さらに冷却ジャ
ケット(8)で冷却されることにより全体が固形化して
長尺の成形体素材(4)となる。この成形体素材(4)
を所定間隔で切断することにより樹脂潤滑組成物が形成
される。さらにこの樹脂潤滑組成物に適当な切削加工等
の後処理を施すことにより、滑り軸受等にそのまま適用
可能となる。
混合物は、ヒータ(7)によって樹脂粉末のゲル化点以
上の温度(150℃〜200℃程度)に加熱された成形
部(5b)に送られる。この成形部(5b)で樹脂粉末は、
溶解しつつ成形部(5b)内を移送される間に所定形状
(本実施形態では円筒状)に成形され、さらに冷却ジャ
ケット(8)で冷却されることにより全体が固形化して
長尺の成形体素材(4)となる。この成形体素材(4)
を所定間隔で切断することにより樹脂潤滑組成物が形成
される。さらにこの樹脂潤滑組成物に適当な切削加工等
の後処理を施すことにより、滑り軸受等にそのまま適用
可能となる。
【0030】このようにして得られた樹脂潤滑組成物
は、滑り軸受の他に、図2に示すように、軸受装置の保
油機構として使用することも可能である。
は、滑り軸受の他に、図2に示すように、軸受装置の保
油機構として使用することも可能である。
【0031】この軸受装置は、レーザビームプリンタの
スキャナモータに組込まれたもので、ロータ(11)とス
テータ(12)との励磁力によって高速回転する軸(13)
を、ハウジング(14)に対して回転自在に支持する役割
をもち、焼結合金等からなる多孔質体に、軸(13)の外
周面(13a)と微小な軸受隙間(16)を介して対向する
軸受面(15a)を形成すると共に、潤滑グリース(又は
潤滑油)を含浸させた多孔質含油軸受(15)と、前記樹
脂潤滑組成物(4)とを備えている。軸(13)は縦軸姿
勢であり、上下方向に配置した一対の多孔質含油軸受
(15)の軸受面(15a)を滑り接触支持する構成にして
ある。
スキャナモータに組込まれたもので、ロータ(11)とス
テータ(12)との励磁力によって高速回転する軸(13)
を、ハウジング(14)に対して回転自在に支持する役割
をもち、焼結合金等からなる多孔質体に、軸(13)の外
周面(13a)と微小な軸受隙間(16)を介して対向する
軸受面(15a)を形成すると共に、潤滑グリース(又は
潤滑油)を含浸させた多孔質含油軸受(15)と、前記樹
脂潤滑組成物(4)とを備えている。軸(13)は縦軸姿
勢であり、上下方向に配置した一対の多孔質含油軸受
(15)の軸受面(15a)を滑り接触支持する構成にして
ある。
【0032】一対の多孔質含油軸受(15)及び樹脂潤滑
組成物(4)はいずれもリング形状であり、それぞれの
上下方向に相対向した端面同士(上側の多孔質含油軸受
15の下端面15bと樹脂潤滑組成物4の上端面4b、下側の
多孔質含油軸受15の上端面15cと樹脂潤滑組成物4の下
端面4c)が相互に接触している。なお、樹脂潤滑組成物
(4)の内周面(4a)と軸(13)の外周面(13a)との
間の隙間は、軸受隙間(16)の2倍以上の大きさに設定
されている。これは、トルクの上昇を招かないように配
慮したものである。
組成物(4)はいずれもリング形状であり、それぞれの
上下方向に相対向した端面同士(上側の多孔質含油軸受
15の下端面15bと樹脂潤滑組成物4の上端面4b、下側の
多孔質含油軸受15の上端面15cと樹脂潤滑組成物4の下
端面4c)が相互に接触している。なお、樹脂潤滑組成物
(4)の内周面(4a)と軸(13)の外周面(13a)との
間の隙間は、軸受隙間(16)の2倍以上の大きさに設定
されている。これは、トルクの上昇を招かないように配
慮したものである。
【0033】樹脂潤滑組成物(4)は、樹脂基材に潤滑
油等の潤滑成分を分散保持させた構造を有するため、特
に上側に配置された多孔質含油軸受(15)の下端面(15
b)から、軸(13)の回転に伴う油の流動によって漏れ
出ようとする油に対して壁の役目を果たし、軸受内部か
らの油の流失を抑制する。また、軸受隙間(16)から漏
れ出た油を吸収して、回収する役割も果たす。さらに、
多孔質含油軸受(15)の内部から油が流出して空孔が生
じた場合には、空孔部の毛細管力によって、樹脂潤滑組
成物(4)に分散保持された潤滑成分が、両者の接触面
(4bと15b、4cと15c)を介して多孔質含油軸受(15)
に補給される。このように、樹脂潤滑組成物(4)は、
油漏出抑制、油回収、補油の3つの機能を併せも
つ。従って、多孔質含油軸受(15)の内部には、常に油
が満たされた状態になり、長期にわたって良好な潤滑性
能が維持される。そのため、多孔質含油軸受(15)は、
長期にわたって優れた軸受機能を発揮し、また長寿命で
ある。さらに、従来、補油機構として用いられていた、
油を含ませたフェルトと違って繊維状のものを含まない
ので、軸受隙間内に繊維などのゴミが入り込むこともな
く、グリースと違って固形状であるため、回転する軸に
まとわりつくことがなく、トルク変動の原因となること
もない。そして、固形状であるので取り扱いが極めて容
易で、組立時の効率が良い等の特徴を有するものであ
る。
油等の潤滑成分を分散保持させた構造を有するため、特
に上側に配置された多孔質含油軸受(15)の下端面(15
b)から、軸(13)の回転に伴う油の流動によって漏れ
出ようとする油に対して壁の役目を果たし、軸受内部か
らの油の流失を抑制する。また、軸受隙間(16)から漏
れ出た油を吸収して、回収する役割も果たす。さらに、
多孔質含油軸受(15)の内部から油が流出して空孔が生
じた場合には、空孔部の毛細管力によって、樹脂潤滑組
成物(4)に分散保持された潤滑成分が、両者の接触面
(4bと15b、4cと15c)を介して多孔質含油軸受(15)
に補給される。このように、樹脂潤滑組成物(4)は、
油漏出抑制、油回収、補油の3つの機能を併せも
つ。従って、多孔質含油軸受(15)の内部には、常に油
が満たされた状態になり、長期にわたって良好な潤滑性
能が維持される。そのため、多孔質含油軸受(15)は、
長期にわたって優れた軸受機能を発揮し、また長寿命で
ある。さらに、従来、補油機構として用いられていた、
油を含ませたフェルトと違って繊維状のものを含まない
ので、軸受隙間内に繊維などのゴミが入り込むこともな
く、グリースと違って固形状であるため、回転する軸に
まとわりつくことがなく、トルク変動の原因となること
もない。そして、固形状であるので取り扱いが極めて容
易で、組立時の効率が良い等の特徴を有するものであ
る。
【0034】
[実施例1]超高分子量ポリエチレン(三井石油化学工
業社製:商品名「ミペロン」、平均粒径30μm、平均分
子量1×106 〜5×106 )50重量%と、潤滑油(興和
油化工業社製:商品名「IVYアトラス56」)50重
量%とを真空脱泡ミキサで10分間室温で混練して混合物
を生成した後、図1に示す装置において(外金型φ7m
m、内型φ3mm、長さ1m)、ヒータ(:全長50mm)を
150℃に加熱し、前記混合物を定量吐出ポンプ(トミ
タエンジニアリング社製:COP−D3)により、3.
0[ Kgf/cm2]の圧力で圧送したところ、金型(2)の
吐出口(3)より良好な成形体素材(4)が25[m/
h]の吐出量で連続的に得られた。この成形体素材
(4)は、φ6.3×φ2.7mmの寸法で、これを引張
試験したところ、引張強度180[ Kgf/cm2]の値が得
られた。
業社製:商品名「ミペロン」、平均粒径30μm、平均分
子量1×106 〜5×106 )50重量%と、潤滑油(興和
油化工業社製:商品名「IVYアトラス56」)50重
量%とを真空脱泡ミキサで10分間室温で混練して混合物
を生成した後、図1に示す装置において(外金型φ7m
m、内型φ3mm、長さ1m)、ヒータ(:全長50mm)を
150℃に加熱し、前記混合物を定量吐出ポンプ(トミ
タエンジニアリング社製:COP−D3)により、3.
0[ Kgf/cm2]の圧力で圧送したところ、金型(2)の
吐出口(3)より良好な成形体素材(4)が25[m/
h]の吐出量で連続的に得られた。この成形体素材
(4)は、φ6.3×φ2.7mmの寸法で、これを引張
試験したところ、引張強度180[ Kgf/cm2]の値が得
られた。
【0035】[実施例2]超高分子量ポリエチレン(同
上)20重量%と、潤滑グリース(リチウム石けん−鉱
油系)64重量%と、低分子量ポリエチレンを含有する
固形ワックス(三井化成社製、サンワックス)16重量
%とを実施例1と同様の工程で混練し、成形したとこ
ろ、良好な成形体素材(4)(φ6.3×φ3mm)を得
た。その際、圧送圧力は1.5[ Kgf/cm2]、吐出量は
20[m/h]であり、成形体素材(4)の引張り強度
は、32[ Kgf/cm2]であった。
上)20重量%と、潤滑グリース(リチウム石けん−鉱
油系)64重量%と、低分子量ポリエチレンを含有する
固形ワックス(三井化成社製、サンワックス)16重量
%とを実施例1と同様の工程で混練し、成形したとこ
ろ、良好な成形体素材(4)(φ6.3×φ3mm)を得
た。その際、圧送圧力は1.5[ Kgf/cm2]、吐出量は
20[m/h]であり、成形体素材(4)の引張り強度
は、32[ Kgf/cm2]であった。
【0036】[実施例3]超高分子量ポリエチレン(同
上)50重量%と、潤滑油(IVYアトラス56)4
8.5重量%と、ステアリン酸リチウム1重量%と、ウ
レア化合物(4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート
と4−メチルアニリンとの反応物) 0.5重量%とを実施
例1と同様の工程で混練し、200℃で成形したとこ
ろ、良好な成形体素材(4)(φ6.3×φ2.7mm)
を得た。その際、圧送圧力は1.5[ Kgf/cm2]、吐出
量は30[m/h]であり、成形体素材(4)の引張り
強度は、210[ Kgf/cm2]であった。
上)50重量%と、潤滑油(IVYアトラス56)4
8.5重量%と、ステアリン酸リチウム1重量%と、ウ
レア化合物(4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート
と4−メチルアニリンとの反応物) 0.5重量%とを実施
例1と同様の工程で混練し、200℃で成形したとこ
ろ、良好な成形体素材(4)(φ6.3×φ2.7mm)
を得た。その際、圧送圧力は1.5[ Kgf/cm2]、吐出
量は30[m/h]であり、成形体素材(4)の引張り
強度は、210[ Kgf/cm2]であった。
【0037】[実施例4]超高分子量ポリエチレン(同
上)50重量%と、潤滑油(松村石油、商品名「モレス
コハイルーブBS−68」)48.5重量%と、ステア
リン酸リチウム1.5重量%とを実施例1と同様の工程
で混練し、200℃で成形したところ、良好な成形体素
材(4)(φ6.3×φ2.7mm)を得た。その際、圧
送圧力は1.5[ Kgf/cm2]、吐出量は28[m/h]
であり、成形体素材(4)の引張り強度は、200[ K
gf/cm2]であった。
上)50重量%と、潤滑油(松村石油、商品名「モレス
コハイルーブBS−68」)48.5重量%と、ステア
リン酸リチウム1.5重量%とを実施例1と同様の工程
で混練し、200℃で成形したところ、良好な成形体素
材(4)(φ6.3×φ2.7mm)を得た。その際、圧
送圧力は1.5[ Kgf/cm2]、吐出量は28[m/h]
であり、成形体素材(4)の引張り強度は、200[ K
gf/cm2]であった。
【0038】[実施例5]超高分子量ポリエチレン(同
上)50重量%と、潤滑油(新日鐵化学、商品名「NC
−4」)45重量%と、ステアリン酸リチウム5重量%
とを実施例1と同様の工程で混練し、200℃で成形し
たところ、良好な成形体素材(4)(φ6.3×φ2.
7mm)を得た。その際、圧送圧力は1.5[ Kgf/c
m2]、吐出量は28[m/h]であり、成形体素材
(4)の引張り強度は、180[ Kgf/cm2]であった。
上)50重量%と、潤滑油(新日鐵化学、商品名「NC
−4」)45重量%と、ステアリン酸リチウム5重量%
とを実施例1と同様の工程で混練し、200℃で成形し
たところ、良好な成形体素材(4)(φ6.3×φ2.
7mm)を得た。その際、圧送圧力は1.5[ Kgf/c
m2]、吐出量は28[m/h]であり、成形体素材
(4)の引張り強度は、180[ Kgf/cm2]であった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂粉末と潤滑剤とを
混合してなるペースト状の混合物を押出し成形するの
で、混合物を金型に圧送する際に、ポンプ等の吸い込み
作用を有する圧送手段を用いることが可能となる。従っ
て、圧送手段としてスクリューを使用する場合のよう
に、混合物中に含まれる潤滑油によって輸送力不足に陥
ることもなく、安定して金型に混合物を圧送することが
できる。また、ホッパ内で重力に頼って混合物を移送す
る構造でもないから、従来のようなホッパ内での混合物
の停滞も起こり得ない。なお、本発明は、超高分子量ポ
リオレフィンと潤滑グリースとの混合物に限らず、潤滑
剤を含むペースト状の樹脂材料(樹脂の種類は問わな
い)を所定形状に押出し成形する際に同様に適用可能で
ある。
混合してなるペースト状の混合物を押出し成形するの
で、混合物を金型に圧送する際に、ポンプ等の吸い込み
作用を有する圧送手段を用いることが可能となる。従っ
て、圧送手段としてスクリューを使用する場合のよう
に、混合物中に含まれる潤滑油によって輸送力不足に陥
ることもなく、安定して金型に混合物を圧送することが
できる。また、ホッパ内で重力に頼って混合物を移送す
る構造でもないから、従来のようなホッパ内での混合物
の停滞も起こり得ない。なお、本発明は、超高分子量ポ
リオレフィンと潤滑グリースとの混合物に限らず、潤滑
剤を含むペースト状の樹脂材料(樹脂の種類は問わな
い)を所定形状に押出し成形する際に同様に適用可能で
ある。
【0040】以上の点から、潤滑特性に優れた樹脂潤滑
組成物を能率よく連続成形することが可能となる。この
樹脂潤滑組成物は、滑り軸受として、或いは、含油多孔
質軸受の保油機構として用いることができる。
組成物を能率よく連続成形することが可能となる。この
樹脂潤滑組成物は、滑り軸受として、或いは、含油多孔
質軸受の保油機構として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる樹脂潤滑組成物の製造装置を示
す断面図である。
す断面図である。
【図2】上記樹脂潤滑組成物を軸受装置に適用した際の
断面図である。
断面図である。
【図3】一般的な樹脂製品を成形するための押出し成形
機の断面図である。
機の断面図である。
1 圧送手段(ポンプ) 2 金型 3a 供給口 3b 吐出口 4 成形体素材(樹脂潤滑組成物) 5 外型 5a 溜り部 5b 成形部 6 内型 7 ヒータ 8 冷却ジャケット
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 101:02 117:02 143:02) B29K 23:00 C10N 10:02 40:02 50:08 70:00
Claims (19)
- 【請求項1】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペー
スト状の混合物を、連続押出し成形して得られた成形体
素材。 - 【請求項2】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペー
スト状の混合物を、連続押出し成形して得られた長尺の
成形体素材を、所定寸法に切断してなる樹脂潤滑組成
物。 - 【請求項3】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペー
スト状の混合物を、供給口と吐出口とを有する金型に、
前記供給口から連続的に圧送供給し、前記金型内を吐出
口に向かって連続的に移送される前記混合物を前記金型
の所定部分で加熱して、これに含まれる樹脂粉末を溶融
させ、その後、これを冷却させつつ所定形状に成形し、
前記金型の吐出口から連続的に押出して得られた成形体
素材。 - 【請求項4】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペー
スト状の混合物を、供給口と吐出口とを有する金型に、
前記供給口から連続的に圧送供給し、前記金型内を吐出
口に向かって連続的に移送される前記混合物を前記金型
の所定部分で加熱して、これに含まれる樹脂粉末を溶融
させ、その後、これを冷却させつつ所定形状に成形し、
前記金型の吐出口から連続的に押出して得られた長尺の
成形体素材を、所定寸法に切断してなる樹脂潤滑組成
物。 - 【請求項5】 ペースト状の混合物が、平均分子量約1
×106 〜5×106 の超高分子量ポリオレフィン粉末95〜
1wt%と、潤滑油又は潤滑グリース5〜99wt%とを混合
したものである請求項1又は3記載の成形体素材。 - 【請求項6】 ペースト状の混合物が、平均分子量約1
×106 〜5×106 の超高分子量ポリオレフィン粉末95〜
1wt%と、潤滑油又は潤滑グリース5〜99wt%とを混合
したものである請求項2又は4記載の樹脂潤滑組成物。 - 【請求項7】 ペースト状の混合物が、平均分子量約1
×106 〜5×106 の超高分子量ポリオレフィン粉末94.9
〜1wt%と、潤滑油5〜98.9wt%と、金属石けんおよび
ウレア化合物の中から選ばれる少なくとも一種の化合物
0.1 〜10%とを混合したものである請求項1又は3記載
の成形体素材。 - 【請求項8】 ペースト状の混合物が、平均分子量約1
×106 〜5×106 の超高分子量ポリオレフィン粉末94.9
〜1wt%と、潤滑油5〜98.9wt%と、金属石けんおよび
ウレア化合物の中から選ばれる少なくとも一種の化合物
0.1 〜10wt%とを混合したものである請求項2又は4記
載の樹脂潤滑組成物。 - 【請求項9】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペー
スト状の混合物を、連続押出し成形して長尺の成形体素
材を得る成形体素材の製造方法。 - 【請求項10】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペ
ースト状の混合物を、連続押出し成形して得られた長尺
の成形体素材を、所定寸法に切断して所望の樹脂潤滑組
成物を得る樹脂潤滑組成物の製造方法。 - 【請求項11】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペ
ースト状の混合物を、供給口と吐出口とを有する金型
に、前記供給口から連続的に圧送供給し、前記金型内を
吐出口に向かって連続的に移送される前記混合物を前記
金型の所定部分で加熱して、これに含まれる樹脂粉末を
溶融させ、その後、これを冷却させつつ所定形状に成形
し、前記金型の吐出口から連続的に押出して長尺の成形
体素材を得る成形体素材の製造方法。 - 【請求項12】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペ
ースト状の混合物を、供給口と吐出口とを有する金型
に、前記供給口から連続的に圧送供給し、前記金型内を
吐出口に向かって連続的に移送される前記混合物を前記
金型の所定部分で加熱して、これに含まれる樹脂粉末を
溶融させ、その後、これを冷却させつつ所定形状に成形
し、前記金型の吐出口から連続的に押出して得られた長
尺の成形体素材を、所定寸法に切断して所望の樹脂潤滑
組成物を得る樹脂潤滑組成物の製造方法。 - 【請求項13】 ペースト状の混合物が、平均分子量約
1×106 〜5×106の超高分子量ポリオレフィン粉末95
〜1wt%と、潤滑油又は潤滑グリース5〜99wt%とを混
合したものである請求項9又は11記載の成形体素材の
製造方法。 - 【請求項14】 ペースト状の混合物が、平均分子量約
1×106 〜5×106の超高分子量ポリオレフィン粉末95
〜1wt%と、潤滑油又は潤滑グリース5〜99wt%とを混
合したものである請求項10又は12記載の樹脂潤滑組
成物の製造方法。 - 【請求項15】 ペースト状の混合物が、平均分子量約
1×106 〜5×106の超高分子量ポリオレフィン粉末94.
9〜1wt%と、潤滑油5〜98.9wt%と、金属石けんおよ
びウレア化合物の中から選ばれる少なくとも一種の化合
物0.1 〜10wt%とを混合したものである請求項9又は1
1記載の成形体素材の製造方法。 - 【請求項16】 ペースト状の混合物が、平均分子量約
1×106 〜5×106の超高分子量ポリオレフィン粉末94.
9〜1wt%と、潤滑油5〜98.9wt%と、金属石けんおよ
びウレア化合物の中から選ばれる少なくとも一種の化合
物0.1 〜10wt%とを混合したものである請求項10又は
12記載の樹脂潤滑組成物の製造方法。 - 【請求項17】 樹脂粉末と潤滑剤とを混合してなるペ
ースト状の混合物を圧送する圧送手段と、圧送手段の吐
出側に接続した供給口、供給口から供給された前記混合
物を加熱してこれに含まれる樹脂粉末を溶融させるヒー
タ、溶融した前記混合物を冷却しつつ所定形状に成形す
る成形部、成形部で成形された成形体素材を連続的に排
出する吐出口を備える金型とで構成された成形体素材の
製造装置。 - 【請求項18】 成形部が円筒形である請求項17記載
の成形体素材の製造装置。 - 【請求項19】 成形部の中心部に軸方向に沿って円柱
状の内型を配置した請求項18記載の成形体素材の製造
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9128801A JPH1053785A (ja) | 1996-05-21 | 1997-05-19 | 樹脂潤滑組成物及びその製造方法、並びにその製造装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-125875 | 1996-05-21 | ||
JP12587596 | 1996-05-21 | ||
JP9128801A JPH1053785A (ja) | 1996-05-21 | 1997-05-19 | 樹脂潤滑組成物及びその製造方法、並びにその製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1053785A true JPH1053785A (ja) | 1998-02-24 |
Family
ID=26462180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9128801A Withdrawn JPH1053785A (ja) | 1996-05-21 | 1997-05-19 | 樹脂潤滑組成物及びその製造方法、並びにその製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1053785A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003026851A (ja) * | 2001-07-13 | 2003-01-29 | Mitsui Chemicals Inc | 含浸体、該含浸体を含むポリオレフィン組成物およびその製造方法、並びに該組成物から得られる成形体 |
KR20030042895A (ko) * | 2001-11-26 | 2003-06-02 | 우방공업 주식회사 | 발포 압출기용 냉각장치 |
-
1997
- 1997-05-19 JP JP9128801A patent/JPH1053785A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003026851A (ja) * | 2001-07-13 | 2003-01-29 | Mitsui Chemicals Inc | 含浸体、該含浸体を含むポリオレフィン組成物およびその製造方法、並びに該組成物から得られる成形体 |
KR20030042895A (ko) * | 2001-11-26 | 2003-06-02 | 우방공업 주식회사 | 발포 압출기용 냉각장치 |
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---|---|---|---|
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