JPH1053552A - 二量化アルデヒドの製造方法 - Google Patents

二量化アルデヒドの製造方法

Info

Publication number
JPH1053552A
JPH1053552A JP8212532A JP21253296A JPH1053552A JP H1053552 A JPH1053552 A JP H1053552A JP 8212532 A JP8212532 A JP 8212532A JP 21253296 A JP21253296 A JP 21253296A JP H1053552 A JPH1053552 A JP H1053552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aldehyde
producing
distillation column
dimerized
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8212532A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Mori
知行 森
Masaki Takai
正樹 高井
Koichi Fujita
幸一 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP8212532A priority Critical patent/JPH1053552A/ja
Publication of JPH1053552A publication Critical patent/JPH1053552A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アルデヒドをアルドール縮合反応及び脱水反応
させて二量化アルデヒドを製造する方法において、複雑
な処理工程を必要とせず、高沸点化合物の生成を極小に
し、二量化アルデヒドを高収率で製造する方法を提供す
る。 【解決手段】原料アルデヒドを塩基性触媒の存在下にア
ルドール縮合反応及び脱水反応させることによって二量
化アルデヒドを製造する方法であって、α位に1〜2個
の水素原子を有する原料アルデヒドを含有する有機供給
流を反応蒸留塔に供給し、該反応蒸留塔内でアルドール
縮合反応及び脱水反応を同時に行わせるものであり、か
つ、該反応蒸留塔として蒸気通過孔を有する多孔板型ト
レイを備え、該多孔板型トレイ上の各蒸気通過孔の開孔
面積が5×10-7〜2.3×10-42であり、気液接
触部面積基準の開孔率が0.5〜8.0%である蒸留塔
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルデヒドを塩基
性触媒の存在下にアルドール縮合反応(アルドール化反
応)及び脱水反応させて二量化アルデヒドを製造する方
法に関する。詳しくは、アルデヒドのアルドール縮合反
応及び脱水反応において、アルデヒド三量体等の望まし
くない高沸点化合物の生成を抑制し、二量化アルデヒド
を高選択率で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルデヒドをアルカリ水溶液等の
塩基性物質を触媒としてアルドール縮合反応及び脱水反
応させることにより、二量化アルデヒドを製造する方法
は知られており、例えば、n−ブチルアルデヒド(以
下、NBDと表す)をアルドール縮合及び脱水反応させ
ると、2−エチルヘキセナール(以下、EPAと表す)
が得られる。しかしながら、従来のアルドール縮合及び
脱水反応方法においては、目的生成物である二量化アル
デヒド(二量体の1種)が更に反応して、例えば、三量
体、四量体等の高沸点化合物が生成することが知られて
おり、結果として二量化アルデヒドの収率が低下する傾
向があった。こうした問題点に対し、従来、次のような
種々の改良が提案されている。
【0003】例えば、特公昭39−24787号には、
NBDとアルカリ水溶液とを充填物又は目皿を入れた塔
内で向流接触させ、かつこの塔に脈動を与えNBDを微
粒化させてEPAを製造する方法が記載されている。ま
た、特公昭52−43810号には、NBDとアルカリ
水溶液とを攪拌混合器及び管型反応器の2つの反応器を
用い、120〜130℃の温度及び4〜5kg/cm2
Gの圧力条件下で反応させる方法が記載されている。
【0004】更に、フランス特許第2058532号に
は、目皿塔を用いて苛性ソーダ希薄水溶液によりアセト
アルデヒドをアルドール化反応させる方法が開示されて
おり、反応を所望の選択率で行うために、塔底にアルカ
リ触媒を中和するための酢酸を加えてアルドール化反応
を希望の段階で停止させることが記載されている。この
方法では、アセトアルデヒドをアルカリ触媒によりアル
ドール化反応させるに際し、脱水反応まで同時に実施し
ようとすると、二量体であるクロトンアルデヒドのγ位
の水素が移動することによりエノレートイオンが生成
し、このエノレートイオンが更に縮合を繰り返し最後に
重合物になる可能性があるため、酢酸のような一種の反
応停止剤を反応系に導入しているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
39−24787号の方法では、生成したEPAの収率
はせいぜい94%であり、また、特公昭52−4381
0号の方法においても、アルドール縮合生成物及び高沸
点化合物の生成量が多く、また未反応のNBDも数%と
多いことから、従来技術においてはEPA等の二量化ア
ルデヒドは満足できる収率では得られていなかった。
【0006】一方、こうした問題を解決するため、副生
する高沸点化合物を原料アルデヒドと不飽和アルデヒド
とに分解させて回収する方法(特公昭39−24952
号,特公昭39−17907号)や、アルドール縮合生
成物を水添反応工程に導入する前に蒸発器において高沸
点化合物を分離し、この高沸点化合物を縮合反応工程へ
還流させることにより縮合工程の収率を向上させる方法
(特開昭51−41309号)も提案されている。しか
しながら、こうしたプロセスを工業的に採用した場合に
は工程が複雑となり、高沸点物の分解装置や除去装置が
更に必要となるため、建設費が増加することとなり経済
的に不利である。
【0007】更に、フランス特許第2058532号の
方法では、酢酸を添加するのでアルカリ触媒を繰り返し
使用することは現実的に不可能であり、経済的に不利で
ある。また、特表平7−505390号においては、ア
ルカリ触媒水溶液を用いたアルドール化−脱水反応の生
成物流をそのまま油水分離せずに、次工程である蒸留塔
に導入し、塔頂部より水とアルデヒドとの不均一共沸物
を留出させ、油水分離することにより中和処理を必要と
しない形態で排出する方法を提案している。
【0008】しかしながら、特表平7−505390号
の方法においては追加的な蒸留塔を必要とし、追加的な
設備費が必要となる。さらに、この方法において塔頂か
ら留出させる共沸物中のアルデヒドはアルドール縮合反
応の原料アルデヒドであり、水に対する溶解度が大きい
ので、油水分離して生成水を除去する際に水層中に溶解
する原料アルデヒドを回収するための追加的な後工程が
必要となり、工程の複雑さを招き、工業的には満足でき
るものではなかった。
【0009】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、アルデヒドをアルドール縮合及び
脱水反応させて、不飽和二量化アルデヒドを製造する方
法において、経済的な不利益を伴う複雑な処理工程を必
要とせず、二量化アルデヒドを高収率で製造し得る方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
につき鋭意検討を重ねた結果、α位の水素原子数が1〜
2個であるアルデヒドを塩基性触媒によりアルドール縮
合及び脱水反応させる方法において、アルドール縮合反
応と脱水反応とを特定の条件下にコントロールした反応
蒸留塔内で同時に行わせることにより、二量化アルデヒ
ドを高収率で製造し得ることを見出して、本発明に到達
した。
【0011】即ち、本発明の要旨は、原料アルデヒドを
塩基性触媒の存在下にアルドール縮合反応及び脱水反応
させることによって二量化アルデヒドを製造する方法で
あって、α位に1〜2個の水素原子を有する原料アルデ
ヒドを含有する有機供給流を反応蒸留塔に供給し、該反
応蒸留塔内でアルドール縮合反応及び脱水反応を同時に
行わせるものであり、かつ、該反応蒸留塔として蒸気通
過孔を有する多孔板型トレイを備え、該多孔板型トレイ
上の各蒸気通過孔の開孔面積が5×10-7〜2.3×1
-42であり、気液接触部面積基準の開孔率が0.5
〜8.0%である蒸留塔を用いることを特徴とする二量
化アルデヒドの製造方法、に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明で用いられる反応蒸留塔としては、多数の蒸
気通過孔を有する多孔板型トレイを塔内に有する蒸留塔
を用いる。多孔板型トレイとしては、通常のシーブトレ
イや特公昭55−51602号に記載されているような
一種のスロットを有するものが挙げられる。
【0013】本発明においては、このような多孔板型ト
レイを備えた反応蒸留塔を用いて、原料アルデヒドを塩
基性触媒の存在下アルドール縮合反応及び脱水反応させ
る際に、多孔板型トレイ上の各蒸気通過孔の開孔面積を
5×10-7〜2.3×10-42、好ましくは、2.7
5×10-5〜1.0×10-42とし、かつ、多孔板型
トレイ上の気液接触部面積基準の開孔率を0.5〜8.
0%、好ましくは、1.0〜5.0%、更に好ましく
は、1.1〜4.0%とし、更に好ましくは、反応蒸留
塔の多孔板型トレイ上の全蒸気通過孔面積基準の蒸気線
速度を2〜30m/sとすることにより、高収率で二量
化アルデヒドを得ることができる。
【0014】ここで、開孔率とは、トレイ上の気液接触
部の面積に対する蒸気通過孔の開孔面積の総和の割合を
示し、また、蒸気線速度とは、トレイ上の蒸気通過孔の
開孔面積の総和を基準とする上昇する蒸気流の速度を示
す。
【0015】こうした結果は、以下に述べる本発明者ら
の発見により説明できる。本発明のように化学反応を蒸
留塔のトレイの上で行う場合、通常の分離操作で用いら
れる蒸留塔を使用すると、気液接触部であるトレイ上に
おいては、ガスが連続相であり、液が分散相となる一種
のスプレー状態が保持されている。こうした条件のもと
でアルドール縮合及び脱水反応を行うと、トレイ上の液
のホールドアップが極度に低下して所望の反応時間が得
られず、更にスプレー状態に特有のはね散らし状態(s
plashing)を一部引き起こして化学反応を起こ
さないという現象が起こることが判明した。
【0016】本発明者らは、こうした問題の解決のため
に鋭意検討を重ねた結果、上述したような条件、つま
り、多孔板型トレイ上の各蒸気通過孔の開孔面積を5×
10-7〜2.3×10-42、かつ、多孔板型トレイ上
の気液接触部面積基準の開孔率を0.5〜8.0%とす
ることにより、更に好ましくは全蒸気通過孔面積基準の
蒸気線速度を2〜30m/sとすることにより、トレイ
上を液が連続相であり、ガスが分散相であるエマルジョ
ン状態にすることができ、トレイ上の液のホールドアッ
プを向上させ十分な化学反応時間を維持できることを見
出した。上記開孔率が0.5%より小さい場合には、ト
レイ上の液を均一にできないという問題が生じる。一
方、開孔率が8.0%より大きな場合は、蒸気流量の増
加による経済性の悪化をもたらす。
【0017】本発明で用いられる原料アルデヒドは、α
位に水素原子を1〜2個有するアルデヒドであり、中で
もα位に水素原子を2個有する飽和アルデヒドが好まし
く、単品でも混合物でも用いることができる。具体的に
は、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バ
レルアルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド等が挙げ
られ、好ましくはn−ブチルアルデヒド、バレルアルデ
ヒドであるが、特に、n−ブチルアルデヒドを用いるの
が好ましい。
【0018】本発明は、アルドール縮合反応及び脱水反
応を反応蒸留塔内で同時に行わせる方法である。したが
って、反応蒸留塔に供給する、原料アルデヒドを含む有
機供給流が、α位に2個の水素原子を有するアルデヒド
を、50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、
特に好ましくは90重量%以上含有するものであること
が、工業的な実施において、本願発明の効果を十分達成
し得るという点で好ましい。ここで、α位に2個の水素
原子を有するアルデヒドの含有量は、反応蒸留塔に供給
する上記有機供給流が塩基性触媒又はその水溶液を含有
している場合には、該触媒又はその水溶液を除いた有機
成分の重量を基準として算出を行なうものとする。
【0019】本発明で用いられる塩基性触媒としては、
アルドール縮合反応及び脱水反応を促進し得るものであ
れば特に制限はなく、たとえば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、ナトリ
ウムメトキシド、カリウムエトキシドなどのアルカリ金
属を含有する塩基性化合物、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、ジエチルアミン、ジ
プロピルアミン、ジブチルアミンなどの各種アミン化合
物、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、水酸化テ
トラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニ
ウムなどの水酸化第四アンモニウム化合物等の水溶性の
塩基性化合物を使用することもできる。これらの塩基性
触媒は通常適当な溶媒を用いた溶液として使用するのが
好適である。この場合、塩基性触媒溶液を構成する溶媒
としては、触媒を溶解する能力を有するものであれば特
に限定はないが、例えば水、アルコールあるいはこれら
の混合物を用いることが出来る。
【0020】この方法を工業的に実施する場合には反応
後の生成混合物と触媒との分離ならびに触媒の循環再利
用が容易に行い得るなどの点から、水に不溶性もしくは
難溶性の塩基性固体触媒を使用することもできる。水に
不溶性もしくは難溶性の塩基性固体触媒としては、たと
えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化
ストロンチウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムな
どのアルカリ土類金属含有塩基性化合物、これらのアル
カリ土類金属含有塩基性化合物を種々の担体に公知の方
法で担持させた触媒、塩基性イオン交換樹脂などを例示
することができる。
【0021】これらの塩基性触媒のうちでは、原料と反
応生成物との分離性の観点から水溶性の無機塩基性化合
物の水溶液が好ましく、中でもアルカリ金属の水酸化
物、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム等を水溶液の形で使用するのが好ましい。また、
塩基性触媒の濃度は、通常0.5〜10重量%であるの
が好ましい。
【0022】塩基性触媒を水溶液として用いる場合、反
応蒸留塔への触媒水溶液と原料アルデヒドとの供給比
(以下W/Oと表す)としては、重量基準で1〜5が好
ましく、2〜4が更に好ましい。W/Oが1以下の場合
は、反応速度が低下して収率低下が起こり、反応蒸留塔
の大型化を招くため好ましくない。また、W/Oを5以
上にしても反応には何ら問題はないが、全体の物流量が
増大し附属設備の大型化を招き経済的に不利である。
【0023】原料アルデヒド及び塩基性触媒の供給態様
は特に限定されないが、通常、その一方又は双方を連続
的に供給するのが好ましく、特に原料アルデヒドは連続
的に供給するのが好ましい。本発明の好適な実施態様と
しては、塔の中間部に原料供給口を、また該原料供給口
の上方及び下方の塔内にそれぞれ特定の多孔板型トレイ
を備えた蒸留塔を用意し、原料供給口の下方にあるトレ
イ上に塩基性触媒を存在させ、原料供給口からα位に2
個の水素原子を有するアルデヒドを含有する有機供給流
を供給し、塔内で原料アルデヒドのアルドール縮合反応
及び脱水反応を生起させて不飽和結合を有する二量化ア
ルデヒドを生成させ、蒸留塔の原料供給口よりも上方の
位置から原料アルデヒド及び水を含有する軽沸分を留出
させ、蒸留塔の原料供給口よりも下方の位置から二量化
アルデヒドを含有する生成混合物を抜き出し、該生成混
合物から二量化アルデヒドを回収する方法を採用するこ
とができる。
【0024】この場合、二量化アルデヒドを含有する生
成混合物は、蒸留塔の原料供給口と塔底との中間位置か
ら抜き出すのが好ましい。高沸点化合物の生成を抑制す
るという観点からは、反応帯域、即ちアルデヒドと触媒
溶液との接触帯域の理論段数が、2〜50段のものを用
いることが好ましい。本発明における反応帯域とは、例
えば図1の装置を用いた場合のB部及びC部を指す。上
記反応帯域の理論段数が2段未満の場合は、高沸点化合
物の生成量が増加し、二量化アルデヒドの収率の低下を
もたらす。また、上記理論段数が50段よりも大きい場
合は、不必要な設備費の増加につながるだけである。
【0025】また、蒸留塔としてリボイラーを備えた蒸
留塔を使用する場合には、リボイラーに供給する液流
が、塩基性触媒液に対して多量の反応生成物を含んでい
ると、反応生成物の分解及び高沸化が起こり、実質的に
収率が低下することとなる。したがって、リボイラーに
供給する液流としては、二量化アルデヒドを主成分とす
る有機相と塩基性触媒を含む水相との重量比が0.1以
下であるものが好ましい。
【0026】以下に、本発明の実施態様の一例を図1を
参照しつつ説明する。図1において、反応蒸留塔3の導
管1及び2よりそれぞれ原料アルデヒドと塩基性触媒の
水溶液とを供給する。反応蒸留塔内において、原料アル
デヒドと塩基性触媒とが接触してアルドール縮合反応及
び脱水反応を生起し、かつリボイラー8により加熱され
て塔内を上昇する蒸気と下降する液とが実質的に気液平
衡を維持するように反応蒸留を行わせる。
【0027】塔頂より留出する蒸気はコンデンサー6に
より冷却凝縮させ、未反応の原料アルデヒドの一部は反
応蒸留塔3の上部に還流させる。また、導管13から生
成した二量化アルデヒドを塩基性触媒水溶液と共に抜き
出し、油水分離により二量化アルデヒドを分離取得す
る。一方、塔底からは塩基性触媒水溶液と高沸点化合物
を導管9により抜き出し、油水分離器10にて油水分離
の後、塩基性触媒水溶液を導管21を経て反応蒸留塔に
再循環させる。一方、分離された高沸点化合物は、導管
11より抜き出され、例えば燃料として有効利用され
る。また、導管19は、反応で生成する水を排出する為
のラインである。
【0028】また、反応蒸留塔への原料アルデヒド及び
塩基性触媒液の導入方法は、向流、並流のどちらでも任
意に選択できる。反応蒸留塔の操作圧力は、通常、大気
圧〜10kg/cm2の範囲内から任意に選択すること
ができる。また、減圧下において操作しても特に問題は
ないが、原料アルデヒドの沸点が低い場合には反応蒸留
塔の塔頂に特別な冷却設備を必要とすることもある。反
応蒸留塔内の温度は塔内の圧力により任意に設定でき、
例えば原料アルデヒドがNBDの場合には、大気圧にお
いては70〜110℃の範囲内で実施される。
【0029】本発明の方法によれば、蒸留操作のために
必要な熱エネルギーの一部として、アルドール縮合及び
脱水反応の反応熱を利用することが可能となり経済的に
も有利となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施の態様を実施例により更
に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り、以下の実施例によって限定されるものではない。 実施例1 図1に示す装置を用いて、プロピレンのヒドロホルミル
化反応により得られたNBDのアルドール縮合−脱水反
応を行った。反応蒸留塔としては、塔内径が450mm
であり、理論段数として、A部5段、B部10段、C部
5段を備え、各蒸気通過孔の開孔面積(以下AHと表
す)が2.875×10-52である蒸留塔を用い、気
液接触部面積基準の開孔率(以下Eと表す)を1.3
%、全蒸気通過孔面積基準の蒸気線速度(以下GLVと
表す)を22m/sに維持した。塩基性触媒としては2
%の水酸化ナトリウム水溶液を使用した。原料NBD及
び塩基性触媒は、導管1及び導管2より、各々毎時0.
5×103kg及び1.5×103kgの流量で供給し
(この時W/O=3)、大気圧下で反応を行った。導管
1より供給した有機供給流のうちNBDの含有量は99
重量%以上であった。反応蒸留塔3の最下部に設置した
リボイラー8により加熱を行い、塔上部に蒸気を発生さ
せて塔内を実質的に気液平衡の定常状態に維持した。定
常状態における塔内の温度は、塔頂68℃、塔底103
℃であった。生成したEPAは塩基性触媒水溶液と共に
導管13より抜き出し、コンデンサー14にて冷却した
後、油水分離ドラム16に供給した。生成物であるEP
Aを含む油層を導管17により抜き出し、ガスクロマト
グラフィーにより分析を行った。一方、油水分離ドラム
16にて分離された水を導管18により抜き出し、反応
で生成する量の水を導管19によりパージし、残りは導
管20及び21を経て反応蒸留塔3内に循環させた。
【0031】また、塩基性触媒液及び極微量生成する高
沸点化合物は、反応蒸留塔3の塔底の導管9により油水
分離ドラム10に送り、導管11より高沸点化合物を排
出しガスクロマトグラフィーにより分析を行った。一
方、導管21より塩基性触媒液を抜き出し、導管20か
らの水と混合し導管21を経て反応蒸留塔3内へ再循環
させ使用した。この再循環が開始した段階で導管2から
の塩基性触媒液の供給を停止した。
【0032】また、塔頂より留出した蒸気はコンデンサ
ーにより冷却凝縮され液化された後、還流ドラム7へ送
られた。この液化された液は約95%以上のNBDを含
んでいた。更に、導管4により塔頂に一定量の還流を行
い、また、導管5からの抜き出し液量は還流ドラム7の
液面を一定に保つように設定した。この一連の操作によ
り得られた結果を表−1に示す。
【0033】実施例2 反応蒸留塔のAHを8.625×10-52、Eを3.
9%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行っ
た。結果を表−1に示す。 実施例3 反応蒸留塔のGLVを10m/sとしたこと以外は、実
施例1と同様の操作を行った。結果を表−1に示す。
【0034】比較例1 反応蒸留塔のAHを4.6×10-42、Eを10%、
GLVを9.0m/sとした以外は、実施例1と同様の
操作を行った。結果を表−1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の方法に従ってアルデヒドをアル
ドール縮合反応及び脱水反応させることによって、二量
化アルデヒドの選択率を上げるために反応停止剤等を添
加しなくても、高沸点化合物の生成を極微量に抑制する
ことができ、高選択的に二量化アルデヒドを製造するこ
とができる。また、本発明の方法では、触媒溶液を再循
環して使用することができるため、連続法で実施する場
合に特に有利であり、反応蒸留塔を用いることで、アル
ドール縮合反応と脱水反応とを同時に行うことができる
ため、工業化の際の設備コストを著しく削減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法において使用する反応装置の構成
例を示す図である。
【符号の説明】
3:反応蒸留塔 6,14:コンデンサー 7:還流ドラム 8:リボイラー 10,16:油水分離ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料アルデヒドを塩基性触媒の存在下に
    アルドール縮合反応及び脱水反応させることによって二
    量化アルデヒドを製造する方法であって、α位に1〜2
    個の水素原子を有する原料アルデヒドを含有する有機供
    給流を反応蒸留塔に供給し、該反応蒸留塔内でアルドー
    ル縮合反応及び脱水反応を同時に行わせるものであり、
    かつ、該反応蒸留塔として蒸気通過孔を有する多孔板型
    トレイを備え、該多孔板型トレイ上の各蒸気通過孔の開
    孔面積が5×10-7〜2.3×10-42であり、気液
    接触部面積基準の開孔率が0.5〜8.0%である蒸留
    塔を用いることを特徴とする二量化アルデヒドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 反応蒸留塔の多孔板型トレイ上の全蒸気
    通過孔面積基準の蒸気線速度が2〜30m/sである請
    求項1に記載の二量化アルデヒドの製造方法。
  3. 【請求項3】 原料アルデヒドを含有する有機供給流が
    α位に2個の水素原子を有するアルデヒドを50重量%
    以上含有するものである請求項1又は2に記載の二量化
    アルデヒドの製造方法。
  4. 【請求項4】 原料アルデヒドが、n−ブチルアルデヒ
    ド、イソブチルアルデヒド又はこれらの混合物からなる
    請求項1〜3の何れか1項に記載の二量化アルデヒドの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 原料アルデヒドが、バレルアルデヒド、
    2−メチルブチルアルデヒド又はこれらの混合物からな
    る請求項1〜3の何れか1項に記載の二量化アルデヒド
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 塩基性触媒がアルカリ金属又はアルカリ
    土類金属の塩基性化合物からなる請求項1〜5の何れか
    1項に記載の二量化アルデヒドの製造方法。
  7. 【請求項7】 塩基性触媒が水溶性の無機塩基性化合物
    からなる請求項1〜5の何れか1項に記載の二量化アル
    デヒドの製造方法。
  8. 【請求項8】 塩基性触媒を水溶液として用いる請求項
    7に記載の二量化アルデヒドの製造方法。
  9. 【請求項9】 反応蒸留塔への触媒水溶液と原料アルデ
    ヒドとの供給比が重量基準で1〜5である請求項8に記
    載の二量化アルデヒドの製造方法。
JP8212532A 1996-08-12 1996-08-12 二量化アルデヒドの製造方法 Pending JPH1053552A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8212532A JPH1053552A (ja) 1996-08-12 1996-08-12 二量化アルデヒドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8212532A JPH1053552A (ja) 1996-08-12 1996-08-12 二量化アルデヒドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1053552A true JPH1053552A (ja) 1998-02-24

Family

ID=16624240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8212532A Pending JPH1053552A (ja) 1996-08-12 1996-08-12 二量化アルデヒドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1053552A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540181A (ja) * 1999-03-29 2002-11-26 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 液状の粗製アルデヒド混合物を蒸留により分離する方法
JP2009507808A (ja) * 2005-09-07 2009-02-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア ジオキソランの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540181A (ja) * 1999-03-29 2002-11-26 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 液状の粗製アルデヒド混合物を蒸留により分離する方法
JP2009507808A (ja) * 2005-09-07 2009-02-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア ジオキソランの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2502895B1 (en) Process for producing acrylic acid
US4618709A (en) Waste water treatment in the production of methacrylic acid
JP2663413B2 (ja) アクリル酸およびそのエステルの製造プロセスからの蒸留残液中に存在する軽質有価物の回収方法
EP1740526B1 (en) Method for recovering acrylic acid
KR20060129427A (ko) 메탄올 카보닐화 공정 스트림으로부터 퍼망가네이트 환원화합물의 제거 방법
KR102364274B1 (ko) 2-메틸알릴 알코올의 연속 제조 방법
RU2723241C2 (ru) Способ производства сопряженных диенов
EP3063117B1 (en) Process for preparing methyl methacrylate
KR920009111B1 (ko) 화학탈수반응 진행방법 및 그 장치
EP1254887A1 (en) Process for producing methyl methacrylate
EP3841083A1 (en) Method for catalytic production of refined enal products from an aldehyde feed stream using a single enclosed unit
JPH11130727A (ja) ネオペンチルグリコールヒドロキシピバラート(ngh)の単離方法
US5667644A (en) Method for producing a dimerized aldehyde
US6265625B1 (en) Isolation of glycols
JP3532763B2 (ja) メタクリル酸メチルの精製法
JPH1053552A (ja) 二量化アルデヒドの製造方法
JP3541542B2 (ja) 二量化アルデヒドの製造方法
JPH0812612A (ja) アセトアルデヒドとヨウ化メチルの分離方法
JP3918528B2 (ja) (メタ)アクリル酸の精製方法
JP3543447B2 (ja) 二量化アルデヒドの製造方法
JP3036677B2 (ja) 炭酸ジメチルの蒸留分離方法
JP3870509B2 (ja) 二量化アルデヒドの製造方法
JP2001019654A (ja) 3,5,5−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−オン(β−イソフォロン)の連続製造方法
JPH10182536A (ja) 高沸点ビニルエーテルの連続的製造方法
JP2003226667A (ja) (メタ)アクリル酸類製造時の副生物の分解方法