JPH105343A - 管状器官の治療具 - Google Patents

管状器官の治療具

Info

Publication number
JPH105343A
JPH105343A JP18149196A JP18149196A JPH105343A JP H105343 A JPH105343 A JP H105343A JP 18149196 A JP18149196 A JP 18149196A JP 18149196 A JP18149196 A JP 18149196A JP H105343 A JPH105343 A JP H105343A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extension
catheter
linear element
tubular organ
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18149196A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Asano
寛幸 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Piolax Inc
Original Assignee
Piolax Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Piolax Inc filed Critical Piolax Inc
Priority to JP18149196A priority Critical patent/JPH105343A/ja
Publication of JPH105343A publication Critical patent/JPH105343A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体の管状器官の狭窄部に配置し、半径方向
に拡径させることにより狭窄部を拡張させ、その状態で
所定期間留置させた後、外科手術によることなく、容易
に回収することができる治療具を提供する。 【解決手段】 連続した線状要素、例えばワイヤの先端
部を好ましくは所定長さに亙って縮径させ、ループ状か
つジグザグ状に屈曲させ、更に円筒状に湾曲させて拡張
部12とする。また、上記ワイヤの基端部を上記拡張部
12から線状に延出された延長部13とし、治療具11
を構成する。拡張部12は、平面に展開したとき、屈曲
部の配列間隔Pよりも、その間隔内に配置された屈曲部
のループA、B、Cの半径r1 、r2 、r3 、r4 の合
計の長さの方が長くなるようにされている。なお、拡張
部12と延長部13とを別々に形成し、それらをロウ付
け等の手段で接合してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば血管、尿管
等の人体の管状器官に挿入され、管状器官の内腔を開い
た状態に維持させるための管状器官の治療具であって、
所定期間経過後、拡張部をカテーテル内に引き込んで回
収することが可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば心筋梗塞等の治療に際して、血管
の狭窄部にステントと呼ばれる拡張具を挿入し、血管の
閉塞を防止する治療が行われている。また、尿管結石等
の治療に際しても、結石が排出されやすくするため、尿
管を拡張した状態に維持するために、ステントを使用す
ることがある。
【0003】一般にステントは、縮径した形状でバルー
ンカテーテルの先端部外周に装着され、案内カテーテル
を通して閉塞患部に挿入された後、バルーンカテーテル
のバルーンを膨らませて強制的に押し広げ、その状態で
閉塞患部に留置させることにより、管状器官を拡張す
る。
【0004】ところで、ステントは、管状器官内に留置
したままにすることが多いが、ステントの内周に血栓や
粥状組織が付着して再狭窄することもある。このため、
一時的な処置のためにステントを挿入した場合には、管
状器官の閉塞の危険性がなくなったら速やかに回収する
ことが望まれる。例えば、バルーンカテーテルを用い
て、冠動脈拡張手術(PCTA)を行ったとき、術後2
4時間以内に起こりやすい収縮(クロージャー現象)に
よる閉塞を防止するためにステントを挿入することがあ
るが、そのような場合には、術後24時間経過して閉塞
の危険性がなくなったらステントを回収することが望ま
しい。
【0005】このため、回収可能なステントとして、特
開平2−68052号には、ジグザグ状に屈曲させた線
材を、更にコイル状に回巻させて得られるステントが開
示されており、このステントは、体内に留置された後、
その端部にフック部材を引き掛けてカテーテル内に回収
できることが記載されている。
【0006】また、特開平6−98939号には、例え
ばコイル形状等をなすステントの一端にワイヤを連接さ
せ、このワイヤによってカテーテルを通してステントを
回収できるようにした、冠動脈拡張手術(PCTA)の
後における冠動脈閉塞防止器具が開示されている。
【0007】更に、特開平3−133446号には、ワ
イヤをジグザグ状に折曲し、かつ、折曲端部を端面方向
に配置して、全体を円筒状に連結してステントを構成
し、このステントの複数の折曲端部にアイ(小さなルー
プ)を形成し、これらのアイに糸を通してその糸の自由
端を体外に引き出しておき、この糸を引張ることによっ
てステントを縮径させてカテーテル内に回収できるよう
にしたステントが開示されている。
【0008】更にまた、特開平4−256759号に
は、線材をジグザグ状に屈曲させ、屈曲端部を円周方向
に向けて、全体を円筒状に湾曲させてなるステントが開
示されている。そして、上記線材の端部に球を形成して
おき、何らかの理由によって回収が必要となったときに
は、上記球を鉗子によって保持して引張ることにより、
回収できることが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−68052号や、特開平6−98939号に開示さ
れたような全体としてコイル状をなすステントの場合に
は、ステントの端部を把持してカテーテル内に引き込む
と、コイル自身は回転しながらカテーテル内に引き込ま
れるため、せっかく安定した血管内壁を再び損傷する虞
れがあった。
【0010】また、特開平3−133446号に開示さ
れたような、ワイヤをジグザグ状に折曲し、かつ、円筒
状に連結してなるステントの場合には、折曲端部に設け
たアイに通された糸を引張ってステントを縮径させると
き、環状をなすステントの端部を一度に縮めて縮径させ
るため、強いテンションをかけることが必要とされ、操
作が困難であった。
【0011】更に、特開平4−256759号に記載さ
れたような、線材をジグザグ状に屈曲させ、屈曲端部を
円周方向に向けて、全体を円筒状に湾曲させてなるステ
ントの場合には、拡張時の剛性を高めようとすると、線
材の屈曲部のRを小さくして屈曲部の配列間隔を小さく
する必要があるが、回収時に屈曲部が大きな歪みに耐え
られず、カテーテル内に引っ張られて直線状に変形する
過程で破断してしまう虞れがあった。
【0012】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、人体の管状器官に挿入し、拡張させた
状態で所定期間経過後、外科手術によることなく回収す
ることができ、回収時に環状器官の組織を損傷すること
なく、容易な操作でかつ安全に回収できるようにした管
状器官の治療具を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、次のような構成からなる。すなわち、本
発明の第1は、カテーテルを通して挿入でき、かつ、カ
テーテルから押出されると拡張可能な拡張部と、この拡
張部をカテーテルを通して挿入又は回収するために、前
記拡張部の端部から延出された線状の延長部とを備えた
管状器官の治療具において、前記拡張部が、線状要素を
ループ状かつジグザグ状に屈曲させ、かつ、屈曲端部を
円周方向に向けて、全体を円筒状に湾曲させたもので構
成されており、前記屈曲部の配列間隔よりも、その間隔
内に配置された前記屈曲部のループの半径の合計の長さ
の方が長くなるようにされていることを特徴とする管状
器官の治療具である。
【0014】本発明の第2は、前記拡張部の線状要素
が、前記延長部の線状要素に比して、弾性限界荷重が低
く設定されている管状器官の治療具である。
【0015】本発明の第3は、前記延長部の線状要素
が、前記拡張部の線状要素に比して、曲げ剛性が高く設
定されている管状器官の治療具である。
【0016】本発明の第4は、前記延長部の線状要素
が、前記拡張部の線状要素に比して太い断面を有してい
る管状器官の治療具である。
【0017】本発明の第1によれば、バルーンカテーテ
ル等を用いて、拡張部を管状器官の閉塞患部に挿入して
拡径すると共に、拡張部に連接された延長部を管状器官
内から外部に取り出した状態にすることができる。そし
て、患部が治癒して再度閉塞する可能性がなくなった
ら、延長部をガイドにしてその外周にカテーテルを挿入
し、カテーテルの先端が拡張部の手前に達した状態で延
長部を引張ると、拡張部が線状にほどけるようにしてカ
テーテル内に引き込まれ、カテーテルを通して治療具を
回収することができる。
【0018】この場合、拡張部を構成する線状要素が回
転することなくカテーテル内に引き込まれるので、管状
器官の組織を損傷しにくく、拡張部の線状要素がその端
部から順次直線状に引き伸ばされてカテーテル内に挿入
されるので、強い引張り力を必要とせず、容易に回収す
ることができる。
【0019】また、屈曲部の配列間隔よりも、その間隔
内に配置された屈曲部のループの半径の合計の長さの方
が長くなるようにされているので、屈曲部のループ半径
が大きくなっており、その結果、直線状に引き伸ばされ
てカテーテル内に引き込まれるときの歪みが小さくなる
ため、屈曲部が破断したりすることが防止される。
【0020】更に、上記のようなループ形状としたこと
により、拡張部を人体の管状器官内に配置したとき、管
状器官の内壁と拡張部の線状要素との接触面積を大きく
とれるので、内膜剥離等の危険性を低減することができ
る。
【0021】本発明の第2によれば、前記拡張部の線状
要素が、前記延長部の線状要素に比して、弾性限界荷重
が低く設定されているので、拡張部を引き戻す際に拡張
部が変形しやすくなり、かつ、回収用のカテーテルを挿
入する際に延長部によるガイド性を確保することができ
る。
【0022】本発明の第3によれば、前記延長部の線状
要素が、前記拡張部の線状要素に比して、曲げ剛性が高
く設定されているので、拡張部を引き戻す際の拡張部の
変形しやすさと、回収用のカテーテルを挿入する際の延
長部によるガイド性の確保とを両立させることができ
る。
【0023】本発明の第4によれば、前記延長部の線状
要素が、前記拡張部の線状要素に比して太い断面を有し
ているので、回収用のカテーテルを延長部の基端から挿
入する際、及び拡張部を回収用のカテーテル内に引き込
む際に、拡張部と延長部との接続部がカテーテル端部に
引っ掛かることがなく、かつ、拡張部に比べて延長部の
弾性限界荷重や曲げ剛性を高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1、2には、本発明による管状
器官の治療具の一実施例が示されている。図1は、治療
具の拡張部を平面的に展開した状態を示す全体図、図2
は、治療具の拡張部の立体形状を示す部分斜視図であ
る。
【0025】この治療具11は、連続した1本の線状要
素、この実施例の場合、金属ワイヤからなっていて、こ
のワイヤをループ状かつジグザグ状に屈曲させ、かつ、
屈曲端部を円周方向に向けて、全体を円筒状に湾曲させ
てなる拡張部12と、この拡張部12の一方の端部から
延出された線状の延長部13とで構成されている。拡張
部12は、バルーンカテーテルで内側から押し広げられ
ることにより、円筒の半径方向に拡径可能に形成されて
いる。また、延長部13は、管状器官のカテーテル等の
挿入口となった部分を通して体外に引き出すことができ
る長さとされている。
【0026】拡張部12は、図1の平面的に展開した状
態において、屈曲部の配列間隔Pよりも、その間隔内に
配置された屈曲部のループA、B、Cの各半径r1 、r
2 、r3 、r4 の合計の長さの方が長くなるように、す
なわちP<r1 +r2 +r3+r4 とされている。この
ことは、各屈曲部がS字状の曲線を描いてできるだけ大
きな半径で屈曲していることを意味する。
【0027】このような屈曲形状は、例えば図3に示す
ような治具を用いてワイヤを屈曲させることにより成形
することができる。すなわち、この治具50は、長方形
の基台51の一側辺に沿って複数のピン52を所定間隔
で立設し、基台51の他側辺に沿って同じく複数のピン
53を上記と同じ間隔で、ただし上記ピン52に対して
長手方向に半ピッチずつ位置ずれさせて立設してなる。
そして、ワイヤ10を上記ピン52、53に交互に引き
掛けて連続したループ状に屈曲させる。
【0028】なお、拡張部12を構成するワイヤ10の
先端は、図4に示すように、屈曲させて小さなループ1
0aにするか、あるいは、図5に示すように、加熱溶融
させて小さな球10bにすることが好ましい。なお、上
記ループ10a又は球10bの直径は、好ましくは0.
05〜0.6mm、より好ましくは0.3mmとされる。こ
のように処理することにより、拡張部12の先端が管状
器官の内壁に突き刺さったりすることを防止できる。
【0029】拡張部12は、例えば図3に示した方法で
屈曲させた後、更に、図6に示すような方法で円筒形状
に湾曲させて形成される。すなわち、円柱状の芯金54
の外周に、前記のようにループ状かつジグザグ状に屈曲
させたワイヤ10を当接させて、円筒形状に湾曲させる
ことにより、拡張部12を形成することができる。
【0030】拡張部12及び延長部13は、最初から連
続した一本のワイヤで形成されていてもよく、あるいは
異なるワイヤを両者の境界でロウ付け、溶接、接着等の
方法で連結したものであってもよい。
【0031】図7に示す実施例では、連続した一本のワ
イヤの一端部を機械加工、エッチング等の手段で縮径さ
せて拡張部12の線状要素とし、元の太さであるワイヤ
の他端部を延長部13の線状要素としている。そして、
拡張部12の端部12aと、延長部13との境界部分
は、拡張部12に向かって次第に縮径するテーパ部14
となっている。
【0032】また、図8に示す実施例では、拡張部12
を構成するワイヤの端部12aと、延長部13の先端と
を、ロウ材15によってロウ付けして連結させている。
この場合、拡張部12を構成するワイヤよりも、延長部
13を構成するワイヤの方が太くされており、延長部1
3の先端部を次第に細くなるテーパ状にし、その最先端
に拡張部12の基端部12aをろう付けしている。
【0033】治療具11を構成する線状要素、すなわち
ワイヤの材質としては、例えばステンレス、タンタル、
チタン、白金、金、タングステン、形状記憶合金などが
好ましく使用される。ワイヤの線径は、10〜300 μmが
好ましい。線径が10μm未満では拡張時の剛性が十分に
得られず、300 μmを超えると拡張したときの内径を十
分にとれなくなる。また、拡張部12の軸方向の長さは
5〜50mmが好ましく、最大拡張時の直径は4〜30mmが好
ましい。軸方向長さが5mm未満では閉塞部に的確に配置
させることが困難となり、50mmを超えると曲折した管状
器官への挿入が困難となる。また、最大拡張時の直径が
4mm未満では管状器官を十分に拡張できず、30mmを超え
ると拡張しすぎて管状器官を損傷する虞れがある。
【0034】本発明においては、拡張部12のワイヤ
は、延長部13のワイヤに比して、弾性限界荷重が低く
設定されていることが好ましい。このことは、例えば、
拡張部12のワイヤの線径を延長部13のワイヤの線径
よりも細くするか、あるいは、拡張部12のワイヤを焼
きなまし処理することによってなされる。更に、形状記
憶合金を用いる場合には、拡張部12の変態点を体温以
上、好ましくは40℃以上とし、延長部13の変態点を体
温以下、好ましくは30℃以下として、体温下におい
て、拡張部12が塑性、延長部13が超弾性を示すよう
にしてもよい。
【0035】また、拡張部12のワイヤに比べて、延長
部13のワイヤの曲げ剛性が高く設定されていることが
好ましい。このことは、例えば、拡張部12のワイヤの
線径を延長部13のワイヤの線径よりも細くするか、あ
るいは、拡張部12のワイヤをヤング率の小さい材料、
例えば白金等にし、延長部13のワイヤをヤング率の大
きい材料、例えばステンレス等にすることによってなさ
れる。
【0036】更に、治療具11の延長部13に回収用の
カテーテルを挿入し、拡張部12をカテーテル内に引き
込むときに、延長部13と拡張部12との接続部がカテ
ーテルの端面に引っ掛からないようにするためにも、延
長部13のワイヤは、拡張部12のワイヤに比して太い
断面を有していることが好ましい。
【0037】なお、治療具11を構成するワイヤの表面
には、血栓が付着するのを防止するために、ポリフッ化
エチレン系樹脂、へパリン含有樹脂、親水性樹脂等で被
覆しておくことが好ましい。
【0038】図9には、本発明による管状器官の治療具
の更に他の実施例が示されている。なお、この実施例
は、主として拡張部の形状が異なるので、図9には拡張
部だけが示されている。
【0039】この治療具21は、金属円筒をレーザー加
工等によって切断することにより、線状要素をループ状
かつジグザグ状に屈曲させ、かつ、屈曲端部を円周方向
に向けて、全体を円筒状に湾曲させた形状の拡張部22
を形成している。なお、拡張部22は、これを平面に展
開したとき、図1と同様な態様で、屈曲部の配列間隔よ
りも、その間隔内に配置された屈曲部のループの半径の
合計の長さの方が長くなるようにされている。
【0040】図10は、上記拡張部22の基端22a
と、延長部23の先端23aとを当接させた状態を示
し、図11は、上記当接部をロウ材15で接合した状態
を示す。延長部23の先端は、先細テーパ状に形成さ
れ、ロウ材15もテーパ状に盛り付けされている。これ
によって、カテーテル端面への引っ掛かりをより効果的
に防止することができる。
【0041】図12〜16には、図1、2に示されるス
テント11を用いて、血管の狭窄部を拡張して、所定期
間経過後に、ステント11を回収する方法が示されてい
る。図において、41は血管、42は血管の狭窄部であ
る。また、43はバルーンカテーテル、44はバルー
ン、45は回収用カテーテルである。
【0042】血管41内には、周知のセルディンガー法
によって、図示しない案内カテーテルを経皮的に挿入
し、その先端部を狭窄部42の近傍に到達させる。
【0043】そして、図12に示すように、ステント1
1の拡張部12を、バルーンカテーテル43の先端部の
バルーン44の外周に、縮径状態で装着しておき、バル
ーンカテーテル43を、ガイドワイヤ45をガイドにし
て、案内カテーテルを通して血管内に導く。
【0044】更に、ガイドワイヤ45をガイドにしてバ
ルーンカテーテル43を押し進め、図13に示すよう
に、その先端部に装着したステント11の拡張部12を
狭窄部42内に位置させる。その後、ガイドワイヤ45
は、抜去してもよく、そのまま残してもよい。
【0045】この状態で、図14に示すように、バルー
ンカテーテル43を通して生理食塩水などの液体をバル
ーン44内に注入し、バルーン44を膨らませてステン
ト11の拡張部12を強制的に拡張させる。
【0046】その後、バルーン44内の液体をバルーン
カテーテル43を通して抜き出し、バルーン44を縮ま
せて、バルーンカテーテル43をステント11の拡張部
12の内周から抜き出して、図15に示されるように、
ステント11の拡張部12を拡張状態のまま血管41内
に留置し、延長部13を血管41を通して、図示しない
体外に出しておく。
【0047】この状態で、患者の狭窄部42が治癒する
まで所定期間放置した後、図16に示すように、回収用
カテーテル45をステント11の延長部13の外側に被
せるようにして挿入し、回収用カテーテル45を通して
延長部13を引張ることにより、拡張部12のコイルが
直線状に延びて引出されるので、ステント11を容易に
回収することができる。このとき、ステント11を引き
込むにつれて、回収用カテーテル45を徐々に前進させ
ることが好ましい。
【0048】
【実施例】
実施例1 直径0.4mm、全長2000mmのステンレスワイヤの先
端から300mmのところをエッチングにより縮径させて
直径0.2mmとした。なお、先端から300〜250mm
の部分は、テーパ状に徐々に縮径させた。更に、最先端
を直径0.3mmの球状となるようにプラズマ溶融した。
【0049】そして、先端から250mmの直径0.2mm
の部分を、図3に示す治具50によってループ状かつジ
グザグ状に屈曲させ、その状態で550℃で2時間熱処
理を行い、更に、図6に示すような直径2mmの芯金54
で円筒状に湾曲させ、その状態で550℃で2時間熱処
理を行って、拡張部を形成した。なお、図1における各
ループの半径r1 、r2 、r3 、r4 はいずれも1.5
mm、屈曲部の配列間隔Pは3.75mmとなるようにし
た。
【0050】こうして得られた治療具の表面をポリフッ
化エチレン系樹脂で被覆して、製品を得た。
【0051】この治療具を、図12〜16に示した態様
で、バルーンカテーテルに装着し、冠動脈拡張手術(P
CTA)後の患部に挿入して一次留置した。そして、2
4時間後に、治療具の延長部の外周に回収用カテーテル
を挿入し、拡張部にカテーテルの先端が到達した後、延
長部を引張りながらカテーテルを前進させ、治療具を回
収することができた。
【0052】実施例2 直径4mm、肉厚80μmのステンレスパイプを、図9に
示すような形状にYAGレーザーで加工して、幅0.2
mmの線状要素が連続してなる拡張部を得た。この拡張部
を直径2mmの形状に拘束して、500℃で2時間熱処理
を行った。
【0053】直径0.4mmのステンレスワイヤの先端部
を直径0.2mmになるようにテーパ状に縮径させ、その
先端部に上記拡張部の基端を図10に示すように当接さ
せ、図11に示すようにロウ付けによって接合した。こ
うして得られた治療具の表面をポリフッ化エチレン系樹
脂で被覆して、製品を得た。
【0054】この製品も、図12〜16に示した方法
で、血管内に挿入し、かつ、回収することができた。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の管状器官
の治療具によれば、人体の管状器官の狭窄部に挿入し
て、狭窄部の閉塞を防止することができ、患部が治癒し
た後には管状器官内から回収することができる。また、
回収の際に、管状器官の組織を損傷しにくく、強い引張
り力を必要とせず、容易に回収することができる。更
に、拡張部の屈曲部のループ半径が大きくなっているの
で、直線状に引き伸ばされてカテーテル内に引き込まれ
るときの歪みが小さくなるため、屈曲部が破断したりす
ることが防止される。更にまた、管状器官の内壁と拡張
部の線状要素との接触面積を大きくとれるので、内膜剥
離等の危険性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の治療具の一実施例であって、その拡張
部を平面的に展開した状態を示す全体図である。
【図2】同治療具の拡張部の立体形状を示す部分斜視図
である。
【図3】同治療具の拡張部を構成する線状要素を屈曲さ
せる方法の一例を示す説明図である。
【図4】同治療具の拡張部を構成する線状要素の先端形
状の一例を示す部分平面図である。
【図5】同治療具の拡張部を構成する線状要素の先端形
状の他の例を示す部分平面図である。
【図6】同治療具の拡張部を構成する線状要素を円筒状
に湾曲させる方法の一例を示す説明図である。
【図7】同治療具の拡張部と延長部との連結部を示す部
分側面図である。
【図8】本発明の他の実施例による治療具の拡張部と延
長部との連結部を示す一部切り欠き断面図である。
【図9】本発明の更に他の実施例による治療具の拡張部
を示す斜視図である。
【図10】同治療具の拡張部の基端と延長部の先端とを
当接させた状態を示す部分斜視図である。
【図11】同治療具の拡張部の基端と延長部の先端とを
当接させてロウ付けした状態を示す部分斜視図である。
【図12】本発明の治療具を血管内に挿入するときの状
態を示す断面図である。
【図13】本発明の治療具を血管内の狭窄部に配置させ
た状態を示す断面図である。
【図14】本発明の治療具を拡張させて血管内の狭窄部
を拡張させた状態を示す断面図である。
【図15】本発明の治療具を拡張させた状態で血管内に
留置した状態を示す断面図である。
【図16】本発明の治療具を回収する状態を示す断面図
である。
【符号の説明】
10a ループ 10b 球 11、21 治療具 12、22 拡張部 14 テーパ部 15 ロウ材 13、23 延長部 41 血管 42 狭窄部 43 バルーンカテーテル 44 バルーン 45 回収用カテーテル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテーテルを通して挿入でき、かつ、カ
    テーテルから押出されると拡張可能な拡張部と、この拡
    張部をカテーテルを通して挿入又は回収するために、前
    記拡張部の端部から延出された線状の延長部とを備えた
    管状器官の治療具において、前記拡張部が、線状要素を
    ループ状かつジグザグ状に屈曲させ、かつ、屈曲端部を
    円周方向に向けて、全体を円筒状に湾曲させたもので構
    成されており、前記屈曲部の配列間隔よりも、その間隔
    内に配置された前記屈曲部のループの半径の合計の長さ
    の方が長くなるようにされていることを特徴とする管状
    器官の治療具。
  2. 【請求項2】 前記拡張部の線状要素は、前記延長部の
    線状要素に比して、弾性限界荷重が低く設定されている
    請求項1記載の管状器官の治療具。
  3. 【請求項3】 前記延長部の線状要素は、前記拡張部の
    線状要素に比して、曲げ剛性が高く設定されている請求
    項1又は2記載の管状器官の治療具。
  4. 【請求項4】 前記延長部の線状要素は、前記拡張部の
    線状要素に比して太い断面を有している請求項1〜3の
    いずれか1つに記載の管状器官の治療具。
JP18149196A 1996-06-21 1996-06-21 管状器官の治療具 Pending JPH105343A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18149196A JPH105343A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 管状器官の治療具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18149196A JPH105343A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 管状器官の治療具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH105343A true JPH105343A (ja) 1998-01-13

Family

ID=16101696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18149196A Pending JPH105343A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 管状器官の治療具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH105343A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6740061B1 (en) 2000-07-28 2004-05-25 Ev3 Inc. Distal protection device
JP2012527317A (ja) * 2009-05-18 2012-11-08 ヌームアールエックス・インコーポレーテッド 細長い肺容積減少装置を配備する間の断面の修正方法
US9782558B2 (en) 2006-03-13 2017-10-10 Pneumrx, Inc. Minimally invasive lung volume reduction devices, methods, and systems
US10058331B2 (en) 2008-09-12 2018-08-28 Pneumrx, Inc. Enhanced efficacy lung volume reduction devices, methods, and systems
US10188397B2 (en) 2006-03-13 2019-01-29 Pneumrx, Inc. Torque alleviating intra-airway lung volume reduction compressive implant structures
US10226257B2 (en) 2006-03-13 2019-03-12 Pneumrx, Inc. Lung volume reduction devices, methods, and systems
JP2019517300A (ja) * 2016-06-02 2019-06-24 フェムトス ゲーエムベーハーfemtos GmbH 血管痙縮の治療
US10390838B1 (en) 2014-08-20 2019-08-27 Pneumrx, Inc. Tuned strength chronic obstructive pulmonary disease treatment
JP2021073040A (ja) * 2014-03-14 2021-05-13 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー 留置型体内管腔拡張具

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10085827B2 (en) 2000-07-28 2018-10-02 Covidien Lp Distal protection device
US6740061B1 (en) 2000-07-28 2004-05-25 Ev3 Inc. Distal protection device
US9005236B2 (en) 2000-07-28 2015-04-14 Covidien Lp Distal protection device
US10226257B2 (en) 2006-03-13 2019-03-12 Pneumrx, Inc. Lung volume reduction devices, methods, and systems
US9782558B2 (en) 2006-03-13 2017-10-10 Pneumrx, Inc. Minimally invasive lung volume reduction devices, methods, and systems
US10188397B2 (en) 2006-03-13 2019-01-29 Pneumrx, Inc. Torque alleviating intra-airway lung volume reduction compressive implant structures
US10188398B2 (en) 2006-03-13 2019-01-29 Pneumrx, Inc. Cross-sectional modification during deployment of an elongate lung volume reduction device
US10058331B2 (en) 2008-09-12 2018-08-28 Pneumrx, Inc. Enhanced efficacy lung volume reduction devices, methods, and systems
US10285707B2 (en) 2008-09-12 2019-05-14 Pneumrx, Inc. Enhanced efficacy lung volume reduction devices, methods, and systems
JP2016025923A (ja) * 2009-05-18 2016-02-12 ヌームアールエックス・インコーポレーテッド 患者の肺を治療するインプラント
JP2012527317A (ja) * 2009-05-18 2012-11-08 ヌームアールエックス・インコーポレーテッド 細長い肺容積減少装置を配備する間の断面の修正方法
JP2021073040A (ja) * 2014-03-14 2021-05-13 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー 留置型体内管腔拡張具
US10390838B1 (en) 2014-08-20 2019-08-27 Pneumrx, Inc. Tuned strength chronic obstructive pulmonary disease treatment
JP2019517300A (ja) * 2016-06-02 2019-06-24 フェムトス ゲーエムベーハーfemtos GmbH 血管痙縮の治療
US11382778B2 (en) 2016-06-02 2022-07-12 Femtos Gmbh Vasospasm treatment

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9750623B2 (en) Vascular stent with improved vessel wall apposition
US6780175B1 (en) Medical instrument with slotted memory metal tube
US8968350B2 (en) Total occlusion guidewire device
KR100861735B1 (ko) 혈관내 삽입용 리듀서와, 혈관 리듀서 이송 키트와,정맥계에서 혈액 흐름을 감소시키기 위한 키트와, 리듀서선택 방법, 그리고 관상계의 혈행 역학적 파라미터에영향을 주는 방법
US7258696B2 (en) Apparatus for delivering, repositioning and/or retrieving self-expanding stents
JP3190567B2 (ja) 管内ステント
JP5020461B2 (ja) 改善された放射線不透過性腔内医療装置
US6330884B1 (en) Deformable scaffolding multicellular stent
US20080319535A1 (en) Vascular Stent and Method of Making Vascular Stent
US20090198269A1 (en) Device for the Removal of Thrombi From Blood Vessels
JPH11332998A (ja) 超弾性の関節部分を有する多層形ステント
JP2008508033A (ja) 側方拡張部を有する末端部材を備えたステント
CN113974778B (zh) 一种卷缩式多段显影取栓支架系统
US20120101560A1 (en) Retractable flow maintaining stent wire
JPH105343A (ja) 管状器官の治療具
JPH07255856A (ja) 医療用ガイドワイヤの先端部付形方法
US20150073526A1 (en) Retractable Flow Maintaining Stent
EP0473790B1 (en) Wire for opening obstructed part of blood vessel
JPS60261465A (ja) 医療用チユ−ブ案内具
JP3519565B2 (ja) ステント
JP3815828B2 (ja) 管状器官の治療具
KR100960974B1 (ko) 일시적 혈류 개선장치
JP4188431B2 (ja) ステント
JP2544260Y2 (ja) 管状器官の拡張具
JP2007125274A (ja) ステント