JPH1053144A - テレスコピックステアリング装置 - Google Patents

テレスコピックステアリング装置

Info

Publication number
JPH1053144A
JPH1053144A JP21169096A JP21169096A JPH1053144A JP H1053144 A JPH1053144 A JP H1053144A JP 21169096 A JP21169096 A JP 21169096A JP 21169096 A JP21169096 A JP 21169096A JP H1053144 A JPH1053144 A JP H1053144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner tube
tube
lock
telescopic
outer tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21169096A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Shinto
雅彦 新堂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP21169096A priority Critical patent/JPH1053144A/ja
Publication of JPH1053144A publication Critical patent/JPH1053144A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 テレスコ操作時における静粛性及び円滑性を
向上させる。 【解決手段】 アウタチューブ12とインナチューブ1
4との隙間56には、テレスコ操作時におけるインナチ
ューブ14の相対移動時に、当該インナチューブ14が
摺接される略円筒状のガイドブシュ58が介在されてい
る。このガイドブシュ58の両端部には各々一対の延出
部64が形成されており、更に各延出部64の先端部に
は軸線側へ屈曲された規制部72が形成されている。従
って、ロック解除時にインナチューブ14がウエッジロ
ック54側へ変位するのを規制することができる。これ
により、ロック解除時にインナチューブ14がウエッジ
ロック54に当接して異音が発生するのを防止すること
ができると共に、インナチューブ14をアウタチューブ
12に対して円滑に相対移動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アウタチューブに
対して相対移動可能に一部が挿入されたインナチューブ
をアウタチューブ側へ押圧することにより、インナチュ
ーブの相対移動を拘束するロック部材を備えたテレスコ
ピックステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】実開昭63−117662号公報には従
来のテレスコピックステアリング装置が開示されてお
り、以下に説明する。
【0003】図8に示されるように、車体側に固定され
たアウタチューブ100内には、圧縮コイルスプリング
102によってステアリングホイール104側へ押圧付
勢されたインナチューブ106が挿通されている。さら
に、インナチューブ106内には、メインシャフト10
8にスプライン嵌合されたスライディングシャフト11
0がベアリング112を介して回転自在に支持されてい
る。従って、スライディングシャフト110は、インナ
チューブ106と共にメインシャフト108に対してそ
の軸方向へ相対移動可能とされている。
【0004】上述したアウタチューブ100の端部に
は、インナチューブ106の周面一部を覆うかたちで所
定形状のアッパブラケット114が取り付けられてい
る。このアッパブラケット114の下側には車両下方側
へ膨出された楔保持部120が一体形成されており、こ
の楔保持部120内に押圧部材116及び楔部材118
がそれぞれ収容されている。図9に示されるように、押
圧部材116は、インナチューブ106の外周面に当接
される円弧面状の押圧面116A及びこの押圧面116
Aと反対側に位置されたフラットな受圧面116Bを備
えている。また、楔部材118はシャフト軸方向に見て
直角三角形状に形成されており、押圧部材116の受圧
面116Bに当接されるフラットな押圧面118A及び
アッパブラケット114に形成された楔保持部120の
傾斜面120Aに当接される傾斜した受圧面118Bを
備えている。なお、楔部材118の側面118Cには、
テレスコピックレバー121(図8参照)を操作するこ
とにより螺入されるロックボルト122の先端部が当接
されている。
【0005】さらに、一般的なテレスコピックステアリ
ング装置の場合、インナチューブ106をアウタチュー
ブ100に対して軸方向移動させる際に、アウタチュー
ブ100に対するインナチューブ106の摺動抵抗が大
きくなり操作フィーリングが重い感じとなることから、
上記公報に開示された構成においてはこれを軽減するべ
くインナチューブ106の外周面とアウタチューブ10
0の内周面との間に摺動抵抗軽減用のガイドブシュ12
4が介装されている。
【0006】ところが、上記ガイドブシュ124を介装
させた場合、押圧部材116によってインナチューブ1
06を下方側から押し上げてガイドブシュ124の内周
面に押圧するため、上下方向に対する支持剛性は高いも
のの、左右方向に対する支持剛性が低下するという不利
がある。
【0007】そこで、上記公報に開示された構成では、
押圧部材116の押圧面116Aの曲率半径をインナチ
ューブ106の外周面の曲率半径よりも大きく設定する
と共に、ガイドブシュ124の内周面を異形円に形成す
ることで、軸線A’を中心にして角度θ’で左右に振り
分けられる一対の当り部126を形成している。これに
より、ロックボルト122が螺入されて楔部材118を
介して押圧部材116が上方へ押圧された場合、押圧部
材116の押圧面116Aの中央部116A’及び一対
の当り部126といった略等間隔となる計三箇所で、イ
ンナチューブ106がガイドブシュ124の内周面に押
圧されることになる。すなわち、インナチューブ106
はガイドブシュ124及び押圧部材116によって周方
向に略等間隔とされた三点で支持される。この結果、イ
ンナチューブ106の支持剛性が上下方向及び左右方向
のいずれに対しても略均等に確保される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成による場合、テレスコピックレバー121を操作して
ロック状態を解除すると、インナチューブ106に対す
る拘束力が弱まることから、インナチューブ106の自
重により押圧部材116に接触したままの状態となり、
ロック解除後の調整時(伸縮時)に異音が発生したり、
操作の円滑性が阻害される可能性がある。以上を背景と
して、テレスコ操作時における静粛性及び円滑性を向上
させたいという要請がある。
【0009】本発明は上記事実を考慮し、テレスコ操作
時における静粛性及び円滑性を向上させることができる
テレスコピックステアリング装置を得ることが目的であ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、軸方向に収縮可能とされた操舵力伝達用のステアリ
ングシャフトを覆うアウタチューブと、ステアリングシ
ャフトを覆い、アウタチューブに対してその軸方向に相
対移動可能に一部が挿入されると共に相対移動されるこ
とによりステアリングシャフトを伸縮させ、かつ挿入状
態ではアウタチューブとの間に所定の隙間を有するイン
ナチューブと、インナチューブに対する径方向移動によ
りインナチューブに対して当接及び離間可能に配置さ
れ、インナチューブをアウタチューブ側へ押圧すること
によりインナチューブの相対移動を拘束するロック部材
と、を含んで構成されるテレスコピックステアリング装
置であって、インナチューブのロック解除時にインナチ
ューブの径方向への変位を規制することで、インナチュ
ーブとロック部材との干渉を阻止する規制手段を設け
た、ことを特徴としている。
【0011】請求項2に記載の本発明に係るテレスコピ
ックステアリング装置は、請求項1に記載の発明におい
て、前記ロック部材の配設部位付近におけるインナチュ
ーブとアウタチューブとの間の隙間に介在されてインナ
チューブの相対移動時にインナチューブが摺接される摺
接部材に、前記規制手段を一体的に設けた、ことを特徴
としている。
【0012】請求項1に記載の本発明によれば、ロック
部材がインナチューブに対して径方向当接側へ移動され
て、ロック部材によってインナチューブがアウタチュー
ブ側へ押圧されると、インナチューブの相対移動が拘束
される。このロック状態では、インナチューブをアウタ
チューブに対して軸方向へ相対移動させることはできな
い。
【0013】この状態から、テレスコ操作する際には、
ロック部材がインナチューブに対して径方向離間側へ移
動される。このため、ロック部材によるインナチューブ
のロック状態(拘束状態)が解除される。従って、イン
ナチューブをアウタチューブに対してその軸方向へ相対
移動させることができ、ステアリングシャフトを伸縮さ
せることができる。これにより、インナチューブのアウ
タチューブに対する相対移動位置を乗員にとって最適な
位置に調整することができる。このようにして調整がな
された後、再びロック部材をインナチューブに対して径
方向当接側へ移動させてロック状態とする。
【0014】ここで、テレスコ操作をするべくロックを
解除すると、インナチューブとアウタチューブとの間に
所定の隙間が存在することに起因して、インナチューブ
がその自重等により径方向へ変位する。このため、イン
ナチューブとロック部材とが干渉する可能性があるが、
本発明では規制手段によってインナチューブの径方向へ
の変位が規制されるため、インナチューブとロック部材
とが干渉することはない。
【0015】請求項2に記載の本発明によれば、ロック
部材の配設部位付近におけるインナチューブとアウタチ
ューブとの間の隙間に介在されてインナチューブの相対
移動時にインナチューブが摺接される摺接部材を備えて
おり、この摺接部材に規制手段を一体的に設けたので、
摺接部材と規制手段とを別個独立に構成する場合に比
し、構成が簡素になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7を用いて、本発
明の一実施形態に係るテレスコピックステアリング装置
10について説明する。
【0017】図3にはテレスコピックステアリング装置
10の全体構成図が示されており、以下この図を用いて
テレスコピックステアリング装置10の概略的な構成に
ついて説明する。テレスコピックステアリング装置10
は、各々円筒状に形成されてコラムチューブを構成する
アウタチューブ12及びインナチューブ14を備えてい
る。なお、アウタチューブ12の外周部所定位置にはブ
ラケットが配設されており、このブラケットが車体側に
固定されることで車体側に支持されている。
【0018】車両前方側に配置されるアウタチューブ1
2は、所定径寸法に設定された大径部12Aと、この大
径部12Aよりも小径に設定された小径部12Bと、両
者を接続する縮径部12Cと、によって構成されてい
る。一方、車両後方側に配置されるインナチューブ14
は、その外径がアウタチューブ12の大径部12Aの内
径よりも小さく設定されている。これにより、インナチ
ューブ14はアウタチューブ12の大径部12A内へ挿
入可能とされており、実際にはその大半が当該大径部1
2A内へ挿入された状態で配置されている。
【0019】また、アウタチューブ12の縮径部12C
の内側には円錐台形状かつ環状とされたストッパ16が
配設されており、後述するテレスコ操作時にインナチュ
ーブ14が車両前方側へ相対移動された場合に当該イン
ナチューブ14の前端部と当接するようになっている。
これにより、テレスコ操作時におけるインナチューブ1
4の車両前方側への相対移動量(テレスコストローク)
を制限している。
【0020】上述したコラムチューブを構成するアウタ
チューブ12及びインナチューブ14内には、その軸線
上にステアリングメインシャフトを構成するロアシャフ
ト18及びスライドシャフト20が挿通されている。
【0021】ロアシャフト18の後端部の外周面にはス
プライン22が形成されており、又中間部付近には径方
向へ膨出する膨出部18Aが一体に形成されている。こ
のロアシャフト18の膨出部18Aの隣接部位とアウタ
チューブ12の小径部12Bの前端部との間にはベアリ
ング24が介装されており、更にロアシャフト18にお
けるベアリング隣接部位にはスナップリング26が嵌着
されている。上記構成により、ロアシャフト18は、ア
ウタチューブ12に対して軸線回りに回転自在かつ軸方
向移動不可の状態で支持されている。
【0022】一方、スライドシャフト20は、内部中空
の円筒シャフトとされており、所定径寸法に設定された
大径部20Aと、この大径部20Aよりも小径に設定さ
れた小径部20Bと、両者を接続する縮径部20Cと、
によって構成されている。スライドシャフト20の小径
部20Bの内周面にはキー溝(本図では図示を省略して
いる)が形成されており、このキー溝にロアシャフト1
8のスプライン22が嵌合(スプライン嵌合)されてい
る。これにより、スライドシャフト20はロアシャフト
18に対して軸方向に相対移動可能に連結され、かつス
ライドシャフト20の回転力(操舵力)がロアシャフト
18に伝達されるようになっている。
【0023】なお、本実施形態に係るテレスコピックス
テアリング装置10では、テレスコピック機構の他にチ
ルト機構が付加されている。チルト機構自体は本実施形
態の要部ではないので基本的には触れないこととする
が、テレスコピック機構との関連を有する部材について
は以下に簡単に説明することにする。
【0024】インナチューブ14の後端側には、チルト
ボルト28を中心として略車両上下方向へ揺動可能とさ
れた円筒状のコラムアッパチューブ30が配設されてい
る。このコラムアッパチューブ30内には、アッパシャ
フト32が挿通されている。このアッパシャフト32の
後端部には操舵力を付与する図示しないステアリングホ
イールが固定され、又前端部は図示しないジョイントを
介してスライドシャフト20の後端部と連結されてい
る。アッパシャフト32の外周面とコラムアッパチュー
ブ30の内周面との間には、一対のベアリング34(本
図では片側のみ図示)が介装されている。これにより、
ステアリングホイールをその軸方向へ移動させると、ア
ッパシャフト32及びスライドシャフト20が一体的に
ロアシャフト18に対して相対移動されると共に、コラ
ムアッパチューブ30及びインナチューブ14が一体的
にアウタチューブ12に対して相対移動される。
【0025】図2には、上述したテレスコピックステア
リング装置10における図3の2−2線に沿う断面図が
示されている。この図に示されるように、アウタチュー
ブ12の後端部には、断面形状が各々略半円状とされた
一対のクランプ36、38が径方向外側から嵌合されて
いる。これらのクランプ36、38は互いに当接された
状態で一対のボルト40によって結合されており、これ
によりアウタチューブ12の後端部が一対のクランプ3
6に挟持されている。
【0026】上述した一方のクランプ36の外周部所定
位置には、径方向外側へ突出しかつ内周面に雌ねじが形
成された円筒状のボス部42が一体に形成されている。
このボス部42内には、大径部44A、中径部44B、
小径部44Cから成るロックボルト44が保持されてい
る。大径部44Aの外周面略半分には雄ねじが形成され
ており、ボス部42の雌ねじに螺合されている。また、
中径部44Bには、テレスコピックレバー46の先端部
付近及び略矩形平板状のリインフォース48がこの順に
挿通されている。さらに、小径部44Cの外周面には雄
ねじが形成されており、鍔付ナット50が螺合されてい
る。
【0027】より詳しくは、テレスコピックレバー46
の操作角との関係で、組付手順としては先にロックボル
ト44をボス部42に所定量螺合させておく。次いで、
テレスコピックレバー46をロックボルト44に挿通さ
せる。このとき、リインフォース48によってロックボ
ルト44に対するテレスコピックレバー46の相対組付
位置を決め(位置決めし)、この状態でボルト51(図
3参照)をリインフォース48に形成された長孔53内
へ挿入してテレスコピックレバー46に螺入させる。そ
して、最後に、前述した鍔付ナット50をロックボルト
44の小径部44Cに螺合させる。これにより、ロック
ボルト44のボス部42への螺入量及びロックボルト4
4に対するテレスコピックレバー46の相対組付位置が
共に最適な状態に調整された上で組付状態となる。上記
の如くして組付けられた後、テレスコピックレバー46
をロックボルト44回りに回転させると、ロックボルト
44がボス部42の軸線に沿って移動する。
【0028】また、他方のクランプ38の所定位置には
ストッパボルト55が螺入されており、その先端部はイ
ンナチューブ14にその軸方向に沿って形成された長孔
57内へ挿入されている。これにより、テレスコ操作時
におけるインナチューブ14の車両後方側への相対移動
量(テレスコストローク)を制限している。なお、テレ
スコピック機構とは関係ないが、スライドシャフト20
の軸方向所定位置の外周部に配設された円筒状の部材は
ロックホルダ59であり、このロックホルダ59の周方
向所定位置に形成された長孔61がステアリングロック
用の長孔である。
【0029】また、一方のクランプ36には、ボス部4
2と軸方向に隣接する位置に断面略矩形状の凹部52が
形成されている。この凹部52はボス部42の内部空間
と連通されており、ロックボルト44の先端部が進入可
能とされている。さらに、この凹部52内には、ロック
ボルト44の先端面と対向する受圧面54Aがフラット
な面とされかつインナチューブ14の外周面と対向する
押圧面54Bが当該外周面の曲率半径と同一又は略同一
の曲率半径の円弧面とされたブロック状のウエッジロッ
ク54が収容されている。なお、ウエッジロック54を
インナチューブ14の外周面に対して接離させるべく、
アウタチューブ12はその所定範囲に亘って開口されて
いる。
【0030】さらに、テレスコピックステアリング装置
10における図3の1−1線に沿って切断した状態を示
す図1に示されるように、上述したアウタチューブ12
とインナチューブ14との間には所定の隙間56が形成
されており、この隙間56に次に詳述するガイドブシュ
58が介在されている。
【0031】図4に示されるように、このガイドブシュ
58は、樹脂製でかつ略円筒状に形成されている。より
具体的には、ガイドブシュ58は、中央部に比較的大き
な開口部60を形成することで略矩形枠状に形成されか
つ軸方向に見て略140度の範囲に亘る円弧状とされた
基部62と、この基部62の軸方向両端部の各々から基
部62と同一曲率半径で延出された一対の延出部64
と、を本体部として構成されている。これらの基部62
及び延出部64は薄肉化されており、前述したアウタチ
ューブ12とインナチューブ14との間の隙間56の間
隙寸法よりも薄く形成されている。さらに、基部62の
裏面(アウタチューブ12の内周面に密着される面)に
おける後端側所定部位には、径方向外側へ突出するピン
66が立設されている。このピン66はアウタチューブ
12の所定位置に形成されたピン挿通孔68(図1参
照)内へ嵌入されて、ガイドブシュ58のアウタチュー
ブ12に対する位置決め(位置ずれ防止)をなすように
なっている。
【0032】ここで、上述したガイドブシュ58の基部
62における内周面側には、径方向内側へ向けて厚肉化
させることにより形成された当接部70が四箇所に設け
られている。これらの当接部70の厚さは、アウタチュ
ーブ12とインナチューブ14との隙間56の間隙寸法
に略一致するように設定されている。また、図5に示さ
れる如く、これらの当接部70は、ガイドブシュ58の
軸方向に見て基準線P(ウエッジロック54の中心線)
から±θ度の位置に設定されている。従って、ウエッジ
ロック54によるロック状態でみると、基準線P上にて
ウエッジロック54の押圧面54Bによってインナチュ
ーブ14が押圧され、これを基準線Pから±θ度の位置
に配置された一対の当接部70が支持する略等間隔な三
点支持構造となっている。
【0033】さらに、上述したガイドブシュ58の各延
出部64には、その先端部を径方向内側へ屈曲させるこ
とにより形成された規制部72が一体に形成されてい
る。この規制部72の先端部は、インナチューブ14の
外周面所定位置(ウエッジロック54の両側付近)に当
接されている。なお、上述した延出部64はこの規制部
72を所望の位置(前記外周面所定位置)に位置させる
ためのアームとして機能している。
【0034】次に、本実施形態の作用並びに効果につい
て説明する。テレスコピックレバー46を図3の矢印B
方向へ押し下げた状態が、インナチューブ14のロック
状態である。この状態では、ロックボルト44がボス部
42内へ螺入される方向へ軸方向移動しており、ロック
ボルト44の先端面がウエッジロック54の受圧面54
Aをインナチューブ14側へ押圧している。このため、
インナチューブ14はロックボルト44の軸線方向へ押
圧され、その外周面が基準線Pに対して所定角度θの位
置に設定された一対の当接部70に押し付けられる。こ
れにより、インナチューブ14はウエッジロック54及
び複数の当接部70によって軸方向に見て略等間隔な三
点で支持される。従って、インナチューブ14はアウタ
チューブ12に対して軸方向移動不可とされ、かつ略等
間隔な三点支持構造とされているため車両上下方向及び
車両幅方向のいずれの方向に対しても安定的に支持され
ることになる。なお、インナチューブ14は前述した構
成から判るようにスライドシャフト20と一体的に構成
されているため、インナチューブ14がアウタチューブ
12に対して相対移動不可とされることにより、スライ
ドシャフト20もロアシャフト18に対して相対移動不
可となっている。
【0035】この状態から、ステアリングホイールの略
車両前後方向位置を調整するテレスコ操作をする場合に
は、以下の如く操作される。まず、テレスコピックレバ
ー46を把持して図3の矢印A方向へ押し上げる。これ
により、ロックボルト44はボス部42から退出する方
向へ軸方向移動し、ウエッジロック54に対する押圧状
態が解除される。このため、ウエッジロック54の押圧
面54Bはインナチューブ14の外周面から離間する。
これにより、インナチューブ14をアウタチューブ12
に対して軸方向に相対移動させることができ、テレスコ
ストロークの範囲内で任意の位置までステアリングホイ
ールを軸方向移動させて調整することができる。なお、
このとき、インナチューブ14の外周面はガイドブシュ
58の当接部70の内周面及び規制部72の先端に摺接
するのみであるので、摺動抵抗が少なく円滑に調整する
ことができる。
【0036】このようにしてテレスコ操作がなされた
後、再びテレスコピックレバー46を図3の矢印B方向
へ押し下げることにより、ロックボルト44によってウ
エッジロック54の受圧面54Aが押圧され、ウエッジ
ロック54の押圧面54B及び周方向に略等配分された
当接部70によってロック状態とされる。これにより、
テレスコ操作が完了する。
【0037】ここで、仮に本実施形態における規制部7
2が存在しないガイドブシュを用いた場合には、インナ
チューブ14に対する支持部位が車両上下方向となる位
置に設定されていないことから、ロックを解除した際に
インナチューブ14の自重等により、図5の二点鎖線で
示される如く、インナチューブ14がウエッジロック5
4側(当接部70から離間する径方向側)へ変位する。
【0038】しかしながら、本実施形態では、ガイドブ
シュ58の延出部64の先端部にその軸線側へ屈曲する
規制部72をそれぞれ設けているので、この規制部72
によってインナチューブ14の前記変位が規制される。
従って、インナチューブ14の外周面がウエッジロック
54の押圧面54Bに当接(干渉)することはない。
【0039】このように本実施形態では、アウタチュー
ブ12とインナチューブ14との隙間56に介在されか
つテレスコ操作時におけるインナチューブ14の相対移
動時に当該インナチューブ14が摺接されるガイドブシ
ュ58の延出部64に規制部72を設けたので、ロック
解除時にインナチューブ14がウエッジロック54側へ
変位するのを規制することができる。従って、ロック解
除時にインナチューブ14がウエッジロック54に当接
して異音が発生するのを防止することができると共に、
インナチューブ14をアウタチューブ12に対して円滑
に相対移動させることができる。すなわち、本実施形態
によれば、テレスコ操作時における静粛性及び円滑性を
向上させることができる。
【0040】また、前述した如く仮にインナチューブ1
4がウエッジロック54側へ変位すると、インナチュー
ブ14と共にコラムカバー74(図3参照)も移動する
ので、隙間からインナチューブ14の一部が車室内側に
露見する等の不利があるが、本実施形態によればそのよ
うな不利はなく外観品質も良好に維持することができ
る。
【0041】さらに、本実施形態によれば、インナチュ
ーブ14とアウタチューブ12との間の隙間56に介在
されるガイドブシュ58に規制部72を一体に設けたの
で、部品点数の増加を招くことがなく、構造の簡素化を
図ることができる。
【0042】なお、本実施形態では、前記の如くインナ
チューブ14とアウタチューブ12との間の隙間56に
介在されるガイドブシュ58に規制部72を一体に設け
たが、請求項1記載の発明との関係からいえば、必ずし
も規制部72をガイドブシュ58と一体に設ける必要は
なく、アウタチューブ12の内周面等に規制部72のみ
を別個に設定する構成を採ってもよい。
【0043】また、本実施形態では、ガイドブシュ58
の延出部64の肉厚寸法を略均一に設定したが、図6に
示される如く、規制部72側へ向かうにつれて肉厚寸法
が徐々に減少する徐変部80(同図のQ線矢視部分)を
延出部64における規制部72の近傍部位に設定しても
よい。このように徐変部80を設けると、規制部72に
対する支持剛性を向上させることができ、インナチュー
ブ14の変位規制効果を強化することができる。
【0044】さらに、本実施形態では、ウエッジロック
54をインナチューブ14の側方に配置し、車両幅方向
にインナチューブ14を拘束するタイプのテレスコピッ
クロック機構に対して本発明を適用したが、これに限ら
ず、図7に示される如く、ガイドブシュ58を90度回
転させて配置すると共に、インナチューブ14の下側に
ウエッジロック54を配置してインナチューブ14の下
方側からこれを押圧するようにしてもよい。上記構成を
採った場合にはロックボルト44による螺入方向への押
圧力を車両上方側への押圧力に変換するための楔等が必
要となる点で部品点数の増加を招く不利があるが、ロッ
ク解除時におけるインナチューブ14の変位を規制する
ことができるという効果については本実施形態と同様に
得られる。
【0045】因みに、本実施形態において、インナチュ
ーブ14をその側方側から押圧するロック機構を採用し
ている理由は、以下の通りである。すなわち、インナチ
ューブ14をその下方側から押圧するロック機構を採る
と、テレスコピックレバー46の操作方向を変更するこ
となく力の伝達方向を変換してロック状態とするため
に、二種類の楔等の部材を要し、部品点数の増加を招く
と共に構造が複雑化するという不利がある。このため、
テレスコピックレバー46の操作方向を変更することな
く、しかも部品点数を削減して構造の簡素化を図るため
には、ロックボルト44の螺入方向にそのままロック部
材を配置するのが好ましい。しかしながら、単純にそう
のようにすると、インナチューブ14の拘束方向が車両
幅方向となるため、インナチューブ14の拘束状態の安
定性に欠けるきらいがある。そこで、インナチューブ1
4の側方からロック部材(ウエッジロック54)を押圧
することとした上で、ガイドブシュ58による押圧点を
周方向に分散させて車両幅方向及び車両上下方向の双方
に安定的に支持させるようにしたものである。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の本
発明に係るテレスコピックステアリング装置は、インナ
チューブのロック解除時にインナチューブの径方向への
変位を規制することで、インナチューブとロック部材と
の干渉を阻止する規制手段を設けたので、テレスコ操作
時にインナチューブとロック部材とが干渉することがな
くなり、これによりテレスコ操作時における静粛性及び
円滑性を向上させることができるという優れた効果を有
する。
【0047】請求項2に記載の本発明に係るテレスコピ
ックステアリング装置は、請求項1に記載の発明におい
て、ロック部材の配設部位付近におけるインナチューブ
とアウタチューブとの間の隙間に介在されてインナチュ
ーブの相対移動時にインナチューブが摺接される摺接部
材に、規制手段を一体的に設けたので、テレスコ操作時
における静粛性及び円滑性を向上させることができるの
みならず、構造の簡素化を図ることができるという優れ
た効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るテレスコピックロック機構を
ブシュを中心にして示す図3の1−1線に沿う断面図で
ある。
【図2】図1同様に本実施形態に係るテレスコピックロ
ック機構をウエッジロック及びロックボルトを中心に示
す図3の2−2線に沿う断面図である。
【図3】本実施形態に係るテレスコピックステアリング
装置の全体構成図である。
【図4】図1に示されるガイドブシュの斜視図である。
【図5】図1に示されるガイドブシュ及びウエッジロッ
クの配置関係を示す図1に対応する断面図である。
【図6】ガイドブシュの延出部に肉厚を徐変させる徐変
部を設けた実施形態を一部省略して示す側面図である。
【図7】ウエッジロックをインナチューブの下側に配置
した実施形態を示す図1に対応する断面図である。
【図8】従来構造に係るテレスコピックステアリング装
置の図3に対応する全体構成図である。
【図9】図8に示されるテレスコピックステアリング装
置におけるテレスコピックロック機構を示す図2に対応
する断面図である。
【符号の説明】
10 テレスコピックステアリング装置 12 アウタチューブ 14 インナチューブ 18 ロアシャフト(ステアリングシャフト) 20 スライドシャフト(ステアリングシャフト) 54 ウエッジロック(ロック部材) 56 隙間 58 ガイドブシュ(摺接部材) 72 規制部(規制手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に収縮可能とされた操舵力伝達用
    のステアリングシャフトを覆うアウタチューブと、 ステアリングシャフトを覆い、アウタチューブに対して
    その軸方向に相対移動可能に一部が挿入されると共に相
    対移動されることによりステアリングシャフトを伸縮さ
    せ、かつ挿入状態ではアウタチューブとの間に所定の隙
    間を有するインナチューブと、 インナチューブに対する径方向移動によりインナチュー
    ブに対して当接及び離間可能に配置され、インナチュー
    ブをアウタチューブ側へ押圧することによりインナチュ
    ーブの相対移動を拘束するロック部材と、 を含んで構成されるテレスコピックステアリング装置で
    あって、 インナチューブのロック解除時にインナチューブの径方
    向への変位を規制することで、インナチューブとロック
    部材との干渉を阻止する規制手段を設けた、 ことを特徴とするテレスコピックステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記ロック部材の配設部位付近における
    インナチューブとアウタチューブとの間の隙間に介在さ
    れてインナチューブの相対移動時にインナチューブが摺
    接される摺接部材に、前記規制手段を一体的に設けた、 ことを特徴とする請求項1に記載のテレスコピックステ
    アリング装置。
JP21169096A 1996-08-09 1996-08-09 テレスコピックステアリング装置 Pending JPH1053144A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21169096A JPH1053144A (ja) 1996-08-09 1996-08-09 テレスコピックステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21169096A JPH1053144A (ja) 1996-08-09 1996-08-09 テレスコピックステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1053144A true JPH1053144A (ja) 1998-02-24

Family

ID=16609982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21169096A Pending JPH1053144A (ja) 1996-08-09 1996-08-09 テレスコピックステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1053144A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001031217A1 (fr) * 1999-10-28 2001-05-03 Nsk Ltd. Structure de raccord d'une tige telescopique
EP1106847A2 (en) * 1999-12-02 2001-06-13 Koyo Seiko Co., Ltd. Telescopic shaft
US6619570B1 (en) 2000-06-14 2003-09-16 Orbit Irrigation Products, Inc. Telescoping watering wand
WO2005021355A1 (ja) 2003-09-01 2005-03-10 Nsk Ltd. 車両用位置調整式ステアリングコラム装置
JP2007326569A (ja) * 2006-06-07 2007-12-20 Mando Corp チルトアンドテレスコピック操向装置
US7506893B2 (en) 2003-06-03 2009-03-24 Nsk Ltd. Impact absorbing steering column device for vehicle
EP2433847A1 (en) 2010-09-28 2012-03-28 Kongsberg Power Products Systems AB Steering column assembly
JP2013067313A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Aisin Seiki Co Ltd 車両のステアリング装置
JP2013067310A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Aisin Seiki Co Ltd 車両のステアリング装置
JP2014061889A (ja) * 2010-07-06 2014-04-10 Nsk Ltd ステアリング装置
US9132851B2 (en) 2011-06-28 2015-09-15 Nsk Ltd. Steering apparatus
US10458462B2 (en) 2017-08-15 2019-10-29 Thyssenkrupp Presta Ag Steering column engineered tape

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001031217A1 (fr) * 1999-10-28 2001-05-03 Nsk Ltd. Structure de raccord d'une tige telescopique
EP1106847A2 (en) * 1999-12-02 2001-06-13 Koyo Seiko Co., Ltd. Telescopic shaft
EP1106847A3 (en) * 1999-12-02 2002-09-18 Koyo Seiko Co., Ltd. Telescopic shaft
US6619570B1 (en) 2000-06-14 2003-09-16 Orbit Irrigation Products, Inc. Telescoping watering wand
US7506893B2 (en) 2003-06-03 2009-03-24 Nsk Ltd. Impact absorbing steering column device for vehicle
WO2005021355A1 (ja) 2003-09-01 2005-03-10 Nsk Ltd. 車両用位置調整式ステアリングコラム装置
US7413222B2 (en) 2003-09-01 2008-08-19 Nsk Ltd. Position adjustment type steering column device for vehicles
JP4563423B2 (ja) * 2006-06-07 2010-10-13 マンド株式会社 チルトアンドテレスコピック操向装置
JP2007326569A (ja) * 2006-06-07 2007-12-20 Mando Corp チルトアンドテレスコピック操向装置
JP2014061889A (ja) * 2010-07-06 2014-04-10 Nsk Ltd ステアリング装置
EP2433847A1 (en) 2010-09-28 2012-03-28 Kongsberg Power Products Systems AB Steering column assembly
US8661931B2 (en) 2010-09-28 2014-03-04 Kongsberg Power Products Systems Ab Steering column assembly
US9132851B2 (en) 2011-06-28 2015-09-15 Nsk Ltd. Steering apparatus
JP2013067313A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Aisin Seiki Co Ltd 車両のステアリング装置
JP2013067310A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Aisin Seiki Co Ltd 車両のステアリング装置
US10458462B2 (en) 2017-08-15 2019-10-29 Thyssenkrupp Presta Ag Steering column engineered tape

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4147579B2 (ja) ステアリング装置
JPH1053144A (ja) テレスコピックステアリング装置
JP5687538B2 (ja) ステアリング装置
US7401813B2 (en) Steering apparatus for motor vehicle
EP1529713A2 (en) Steering apparatus
US11084519B2 (en) Steering device
JP4683456B2 (ja) ステアリング装置
WO2004043766A1 (ja) 車両用ステアリング装置
JP2003512237A (ja) 車両のワイパー装置のためのワイパー支承部及びワイパー支承部の組立のための方法
JP2003063288A (ja) 車両用シートの回転装置
JP2002059848A (ja) 車両用ステアリング装置
JP2002059849A (ja) 車両用ステアリング装置
JPH07208451A (ja) 支持継手
JP7318499B2 (ja) カム装置及びステアリング装置
US5470278A (en) Adjustable device for tensioning a bicycle drive chain
WO2020039880A1 (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
JP5015751B2 (ja) シャフトの結合構造
JP3835157B2 (ja) 伸縮自在シャフト
JP3387325B2 (ja) レバー操作によるロック構造
JP2002104205A (ja) 車両用ステアリング装置
JP2019196060A (ja) ステアリング装置
JP7279581B2 (ja) カム装置及びステアリング装置
JPH04274987A (ja) 車両におけるリヤスイングアームの取り付け構造
JP2019182299A (ja) ステアリング装置
KR100469385B1 (ko) 스티어링컬럼의 틸팅장치