JPH105167A - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄効率が高く、かつコストの安い食器洗浄
機を得ること。 【解決手段】 洗浄工程中における洗浄槽１内の洗浄液
の水位はサイフォン管１９の連通孔１９ｃのレベルＬ１
よりは高くＵ字型の屈曲部１９ｄのレベルＬ２よりは低
いレベルに保たれる。洗浄工程が終了し、すすぎ工程に
よってすすぎ湯が洗浄槽１内に入り、水位が上昇してレ
ベルＬ２より高いレベルに達すると、連通孔１９ｃによ
るサイフォン現象で洗浄槽１底部の洗浄液が開口部１９
ｂより吸い込まれ、他側の開口部１９ａより自動的排水
がスタートする。この排水によって洗浄槽１内の水位が
低下して連通孔１９ｃのレベルに達すると、連通孔１９
ｃの連絡によりサイフォン現象は停止し、開口部１９ｂ
より１９ａへの吸い込み排水は自動的に停止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、業務用の食器洗
浄機に係り、特に、洗浄槽内における洗浄液の洗浄力が
長時間安定して維持可能とされた食器洗浄機に関する。

【０００２】

【従来の技術】食器洗浄機は、洗浄機内に配設された汚
れた食器に、ポンプにより加圧された洗浄液およびすす
ぎ水を上下方向より順次噴射して前記食器を洗浄するも
のである。

【０００３】ここで、上述した従来の食器洗浄機の構成
を図３に示す。図３において、１は洗浄液を貯留する洗
浄槽、２は洗浄液を食器に対して噴射する主洗浄ノズ
ル、３は洗浄槽１内の洗浄液を主洗浄ノズル２へ供給す
る主洗浄ポンプである。また、４は湯沸器、５は湯沸器
４から供給される温水を更に加熱して高温のすすぎ水を
生成するブースター、７はブースター５より供給される
すすぎ水をすすぎノズル６へ供給するすすぎポンプであ
る。ここで、洗浄槽１から主洗浄ノズル２まで、および
すすぎポンプ７からすすぎノズル６までに至る経路は、
管路８および管路９により各々連結されている。

【０００４】１１は洗剤供給装置である。この洗剤供給
装置１１は、洗剤タンク１１ａ内の洗剤を汲み上げる洗
剤ポンプ１１ｂと、汲み上げられた洗剤を洗浄槽１に供
給するホース１１ｃとから構成さている。また、洗剤ポ
ンプ１１ｂの作動時間は、すすぎポンプ７の作動時間に
同期している。

【０００５】１０は、余剰の洗浄液を排水し、洗浄槽１
の水位を一定に維持するための排水管路で、その上端１
０ａは洗浄槽１内における基準水位と同一平面上に開口
している。また、１２は洗浄槽１の上部に設置され、洗
浄液に混入した食物のかすを始めとする残滓を漉し取る
ための濾器、１３は、食器洗浄機の容器である。

【０００６】上記従来の食器洗浄機においては、食器を
収納した食器洗浄籠（図示せず）を洗浄槽１上に設置し
た後、主洗浄ポンプ３を作動させて洗浄液を主洗浄ノズ
ル２から食器に向けて噴射する主洗浄行程と、すすぎポ
ンプ７を作動させてすすぎ水をすすぎノズル６から食器
に向けて噴射するすすぎ行程とを、タイマー制御等の方
法を用いて一定周期で繰り返すことにより食器が自動的
に洗浄される。この場合、主洗浄行程とすすぎ行程との
間には一定の休止時間が設けられている。

【０００７】一方、洗浄液中の洗剤濃度は、すすぎ行程
において、すすぎノズル６から噴射されたすすぎ水の流
入により低下する。しかしながら、すすぎ工程において
は、前記の通り洗剤供給装置１１の作動時間がすすぎポ
ンプ７の作動時間と同期しているため、洗剤供給装置１
１の作用により、食器洗浄機のすすぎ行程毎に一定量の
洗剤が洗浄槽１に供給される。その結果、供給された洗
剤により洗浄槽１における洗剤の濃度低下が防止され
る。

【０００８】ところで、通常、食器洗浄機においては、
主洗浄ノズル２から噴射された洗浄液およびすすぎノズ
ル６から噴射されたすすぎ水が、いずれも洗浄槽１内に
流入するが、食器に付着した汚れが洗浄液に混入するた
め、洗浄の繰り返しに伴い徐々に洗浄液が汚れ、洗浄液
の洗浄能力が低下する恐れがある。

【０００９】そこで、上記従来の食器洗浄機において
は、前記の通りすすぎ行程において、洗浄槽１にすすぎ
水を流入させ、かつすすぎ行程と同期して洗剤を供給す
るとともに、すすぎ水の流入により増加した洗浄槽１内
の洗浄液を、上端１０ａからオーバーフローさせて排水
することにより洗浄液の浄化および更新を行っていた。

【００１０】ここで、洗浄液の浄化および更新という観
点から、すすぎ水の流入に伴い洗浄槽１から排水される
水は、数次にわたる使用に伴い汚れて洗浄能力が低下し
た洗浄液であることが望ましい。ところが、従来の食器
洗浄機においては、前記すすぎ水および洗剤はいずれも
上方から洗浄槽１に供給されるため、洗浄槽１内におい
ては、液面に近い洗浄液ほど使用頻度が低いため洗浄能
力が高く、他方、汚れて洗浄能力が低下した洗浄液ほど
底部に溜るという傾向がある。

【００１１】その結果、排水管路１０の上端１０ａから
のオーバーフローにより洗浄液を排水する場合には、液
面付近の最も洗浄能力が高い洗浄液が直接排水される一
方、底部に溜った洗浄能力の低い洗浄液が排水されない
ことになり、必ずしも洗浄液の浄化および更新が充分に
行われないという問題があった。

【００１２】また、主洗浄行程においては、洗浄液に混
入した残滓が洗浄槽１の上部に設置された濾器１２に蓄
積されるが、濾器１２が洗浄槽１の上部に設置されてい
るため、前記主洗浄行程において洗浄液を循環させる場
合、洗浄液が常時、濾器１２に蓄積された残滓の層を通
過して循環する。その結果、従来の食器洗浄機において
は、洗浄液の洗浄能力（アルカリ活性度）が前記残滓と
の化学反応により低下するという問題もあった。

【００１３】この問題を解決するために出願人は図４に
示す構成の食器洗浄機を提案している（詳細は特願平４
ー６１８９０参照のこと）。この提案の特徴は洗浄槽１
の底部１ａに排水管路１４を連通せしめ、その途中にこ
の排水管路１４を開閉制御する電磁弁１５’を挿入した
ことである。そして、この電磁弁１５’の開閉を洗浄の
サイクル毎に開閉制御することにより、洗浄槽１の底部
に溜った洗浄能力の低い洗浄液が優先的かつ自動的に排
水される。１５は排水管路１４の途中に設けられた濾過
器であり、低部より排水される洗浄液中の残滓を漉し取
り外部排水管路１６に供給するものである。１７は電磁
弁１５’をバイパスする排水管路であり、清掃の際その
途中に設けた電磁弁１８の開閉により洗浄槽１内の洗浄
液全部を排水させるものである。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図４に
示す食器洗浄機においては、洗浄のサイクル毎に洗浄槽
１の底部に溜った洗浄能力の低い洗浄液が優先的かつ自
動的に排水されるので図３に示す従来の食器洗浄機の欠
点が解消されるが、電磁弁１５’およびその開閉制御を
必要とし、装置の製造コストが高くなるという欠点があ
る。この発明は、このような背景の下になされたもので
あり、洗浄効率が高く、かつコストの安い食器洗浄機を
提供することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】この発明はこの問題点を
解決し、電磁弁手段を用いることなく同一作用効果を期
待できる洗浄機を提供するものであり、その第１の特徴
は、洗浄対象物が収容された洗浄室の下方に洗浄槽が形
成され、前記洗浄槽内の洗浄液を主洗浄ポンプにより循
環させながら前記洗浄対象物に向けて噴射する主洗浄行
程と、すすぎ水をすすぎポンプにより前記洗浄対象物に
向けて噴射するすすぎ行程とを行う食器洗浄機におい
て、前記洗浄槽の外壁に近接して垂直配置され、一方側
の開口部が排水管路に導かれ、他方側の開口部が前記洗
浄槽底部の排水孔に導かれると共にその開口部より上方
のレベルにおいて洗浄槽内の洗浄液に連通する連通孔が
形成された逆Ｕ字型のサイフォン管手段を具備せしめた
点にある。

【００１６】その特徴の第２は、洗浄対象物が収容され
た洗浄室の下方に洗浄槽が形成され、前記洗浄槽内の洗
浄液を主洗浄ポンプにより循環させながら前記洗浄対象
物に向け噴射する主洗浄行程と、すすぎ水をすすぎポン
プにより前記洗浄対象物に向け噴射するすすぎ行程とを
行う食器洗浄機において、前記洗浄槽の内壁に近接して
垂直配置され、一方の開口部が前記洗浄槽の底部を貫通
して排水管路に導かれ、他方の開口部が前記洗浄槽内の
底部に導かれると共にその開口部より上方のレベルにお
いて洗浄槽内の洗浄液に連通する連通孔が形成された逆
Ｕ字型のサイフォン管手段を具備せしめた点にある。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、この発明
の実施形態について更に詳しく説明する。この発明に係
る食器洗浄機の構成例を図１に示す。図１において、図
３および図４で示した要素と同一要素には同一符号を付
しその説明を省略する。図１において、１９は洗浄槽１
の垂直の外壁１ｂに接近して取り付けられた逆Ｕ字型の
サイフォン管である。

【００１８】このサイフォン管１９の一方側の開口部１
９ａは、排水管路１４に直接導かれている。他方側の開
口部１９ｂは洗浄槽１の底部の排水孔１ａに導かれてい
る。また、サイフォン管１９は、その開口部１９ｂより
上方のレベルＬ１において洗浄槽１内の洗浄液に連通す
る連通孔１９ｃが形成されている。Ｌ２はサイフォン管
１９の屈曲部１９ｄのレベルを示している。

【００１９】次に上述した一実施形態による食器洗浄機
の動作を説明する。まず、洗浄工程中においては、洗浄
槽１内の洗浄液の水位は、サイフォン管１９の連通孔１
９ｃ（レベルＬ１）より高く、かつＵ字型の屈曲部１９
ｄ（レベルＬ２）より低いレベルに保たれている。そし
て、洗浄工程が終了すると、食器洗浄機は、洗浄工程か
らすすぎ工程へ移行する。このすすぎ工程においては、
すすぎノズル６よりすすぎ湯が噴射され、このすすぎ湯
は、洗浄槽１内へ流入する。これにより、洗浄槽１内の
洗浄液の水位が、上昇して屈曲部１９ｄより高いレベ
ル、すなわちレベルＬ２以上に達すると、連通孔１９ｃ
によるサイフォン現象によって洗浄槽１の底部の洗浄液
は、開口部１９ｂより吸い込まれ、他側の開口部１９ａ
より自動的に排水される。そして、排水によって洗浄槽
１内の水位が、連通孔１９ｄのレベルＬ２まで低下する
と連通孔１９ｄの連絡によりサイフォン現象が停止し
て、開口部１９ｂより開口部１９ａへの吸い込み排水が
自動的に停止される。なお、上述した自動的に行われる
洗浄液の排水の量は、レベルＬ１とレベルＬ２とのレベ
ル差ｈを変化させることで調節可能である。

【００２０】図２はこの発明の他の実施形態を示す要部
構成図であり、その特徴は逆Ｕ字型のサイフォン管１９
の一方の開口部１９ａが洗浄槽１の底部を貫通して排水
管路１４に直接導かれ、他方の開口部１９ｂが前記洗浄
槽１内の底部に導かれると共にその開口部１９ｂより上
方のレベルにおいて洗浄槽１内の洗浄液に連通する連通
孔１９ｃが形成された点にあり、作用効果は図１を参照
して説明した一実施形態による食器洗浄機と同様であ
る。

【００２１】

【発明の効果】以上説明した通り、この発明の食器洗浄
機によれば、電気的・機械的動力を一切使用することな
く、すすぎ工程後に確実に一定量の洗浄液を洗浄槽の底
部より排水可能であり、洗浄効率の高い洗浄機を低コス
トで実現できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の一実施形態による食器洗浄機の構
成を示す図である。

【図２】 この発明の一実施形態による食器洗浄機の他
の構成例の要部を示す図である。

【図３】 従来の食器洗浄機の構成を示す図である。

【図４】 図３に示す食器洗浄機を改良した従来の食器
洗浄機の他の構成を示す図である。

【符号の説明】

１ 洗浄槽 ２ 主洗浄ノズル ３ 主洗浄ポンプ ４ 湯沸器 ５ ブースター ６ すすぎノズル ７ すすぎポンプ ８ 管路 ９ 管路 １０ 排水管路 １１ 洗剤供給装置 １２ 濾器 １４ 排水管路 １５ 濾過器 １６ 外部排水管路 １７ 排水管路 １８ 電磁弁 １９ サイフォン管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄対象物が収容された洗浄室の下方に
   洗浄槽が形成され、前記洗浄槽内の洗浄液を主洗浄ポン
   プにより循環させながら前記洗浄対象物に向けて噴射す
   る主洗浄行程と、すすぎ水をすすぎポンプにより前記洗
   浄対象物に向けて噴射するすすぎ行程とを行う食器洗浄
   機において、 前記洗浄槽の外壁に近接して垂直配置され、一方側の開
   口部が排水管路に導かれ、他方側の開口部が前記洗浄槽
   底部の排水孔に導かれると共にその開口部より上方のレ
   ベルにおいて洗浄槽内の洗浄液に連通する連通孔が形成
   された逆Ｕ字型のサイフォン管手段、 を具備することを特徴とする食器洗浄機。
2. 【請求項２】 洗浄対象物が収容された洗浄室の下方に
   洗浄槽が形成され、前記洗浄槽内の洗浄液を主洗浄ポン
   プにより循環させながら前記洗浄対象物に向け噴射する
   主洗浄行程と、すすぎ水をすすぎポンプにより前記洗浄
   対象物に向け噴射するすすぎ行程とを行う食器洗浄機に
   おいて、 前記洗浄槽の内壁に近接して垂直配置され、一方の開口
   部が前記洗浄槽の底部を貫通して排水管路に導かれ、他
   方の開口部が前記洗浄槽内の底部に導かれると共にその
   開口部より上方のレベルにおいて洗浄槽内の洗浄液に連
   通する連通孔が形成された逆Ｕ字型のサイフォン管手段
   を具備した食器洗浄機。