JPH10513050A - 流体注入による食肉処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 流体注入によって肉を柔軟化し、風味を付け、コレステロール又はナトリウムを除去し、或いは脂肪を結合するための方法であって、食肉用動物の脳死を誘発する工程と、食肉用動物を実質的に無傷のまま放置する工程とを含む。循環系を確保し、全体的に溶けた脂肪がない注入流体を動物の循環系の動脈側に適切な圧力下で注入する。血液と注入流体は、循環系から頚動脈などの分離静脈を通して抜き出されるので、動物の循環系が洗浄され、肉の風味付けや柔軟化が行われる。流体を注入する前に少なくとも80°Ｆ（26.7℃）に加温する。最終的な結果として、外見に変化はないが、味、きめ及び柔軟性において改善された肉になる。

Description

【発明の詳細な説明】 流体注入による食肉処理方法 技術分野 本発明は、流体注入または灌流(perfusion)による食肉処理方法に関する。詳 細には、流体注入処理を通して、屠殺されて間もない食肉用動物の柔軟化、風味 付け、或いはコレステロール、ナトリウム又は脂肪の除去を行う方法に関する。 背景技術 化学薬品を食肉用動物に注入することで様々な望ましい成果が得られる種々の 方法が知られている。例えば、フード（Hood）の米国特許第 4,016,293号には、 動物にアスコルビン酸を大量に非経口投与することによって新鮮な肉の色安定性 を改善する方法が開示されており、この方法では、動物の脈管系を通してアスコ ルビン酸を分布させた後、動物を屠殺する。同様に、カン（Kang）らの米国特許 第3,818,106 号には、動物が生きている間に動物の脈管系に或る酵素を注入する ことによって肉を柔軟化する方法が開示されている。その酵素は、動物の血液中 で自然に還元剤が出現することで、ゆっくりと再活性化される。 しかし、これらの発明のいずれも、流体注入による処理方法で生じる主な問題 に対処していない。その問題とは、動物に流体を注入したとき、その組織全体に 投与された化学薬品が一様に分布するのに充分な時間、その動物を生かしておか なければならないということである。もちろん、この方法で化学薬品を一様に分 布させることは、動物の循環系の本質上不可能な場合がよくある。その結果、肉 の処理に望ましくない遅延が起こり、肉の品質にも望ましくない変化が生じる。 更に、カンの米国特許第 3,818,106号で言及されているように、市販されている 酵素の多くは、生きている動物に注入すると、内出血や内部器官の浮腫を起こす ことがよくある。このため、これらの望ましくない副作用を回避しようとして種 々の特殊化された酵素が開発されているが、これらの改良された酵素を世界中の 肉処理業者が容易に入手できるわけでなく、これらの改良された酵素で、生存中 の処置における望ましくない副作用を完全に回避できるわけでもない。 更に、体重が 1,000ポンドまでの動物への流体注入は、動物が流体注入に激し く反応する結果を起こす可能性があり、時々そうなるので、付近の人々や物を損 傷したり損害を与えたりすることになる。また、流体注入された動物は、自分自 身に危害を加えることがあるので、生産肉の一部が損傷することもある。 上記のような問題の全ては、動物を屠殺後にその動物の循環系に化学薬品を注 入する方法が知られていれば、容易に解決できるものである。しかしながら、現 在そのような方法はない。それ故、その方法が必要とされている。 死後の流体注入方法のいくつかの例は、ベルンハルト(Bernhardt)らのＷＯ88/ 06003号及びスコット(Schotte)の米国特許第2,767,096 号等の従来技術に見られ る。ベルンハルトとスコットの方法は、死後の動物の循環系への化学薬品の流体 注入に利用できるが、どちらの場合も、注入流体を適切に投与するために、屠殺 された動物に対して相当な修正が必要になる。例えば、ベルンハルトの特許に記 述された方法には、脚から注入した流体を抜き出すために、屠殺した動物の手足 部分を除去して使用することも含まれる。スコットによれば、流体注入が開始可 能になる前に、屠殺された動物を更に末端で改変する。スコットの特許では、動 脈注入手続のために動物の予備的流体注入の準備に関する記述は、明細書の３つ の欄のほぼ全体に及んでいる。その中に含まれる方法には、頭部の切断、大動脈 からの肺動脈の分離、気管、食道及び肺の除去、直腸結腸の除去、全体の腹部の 腔を空にすることがある。これらの各工程においては、腔内の動脈と静脈への損 傷を防止するために特別な注意を払わなければならず、実際、切断された動脈と 静脈をしっかり締め付けて、その中を流体が流れるのを防止しなければならない 。ベルンハルトら及びスコットの方法では、流体注入の開始前にその動物の死骸 （死体）に関して広範囲な準備を含むことは明らかであり、これによって死体へ の流体注入に必要な時間は実質的に増大する。従って、屠殺直後の動物に適用で き、かつ流体注入処置を始める前にその動物の死体の実質的な改変を必要としな いで適用できる流体注入方法が必要とされている。 従って、本発明の目的は、食肉用動物の死後流体注入を行う方法を提供するこ とである。 本発明のもう１つの目的は、物質を食肉用動物内部に注入して循環させること で肉を柔軟化し、風味を付け、コレステロール又は脂肪を結合し且つ／又は肉か ら除去するか、或いはナトリウムを除去する方法を提供することである。 本発明の更にもう１つの目的は、肉の外見を変えることなく肉に流体注入する 方法を提供することである。 本発明の更に別の目的は、いかなる処理工場でも容易に実施可能な肉の流体注 入方法を提供することである。 本発明の更に別の目的は、流体を動物に導入する前に、その動物の体温にほぼ 等しい温度まで注入流体を加温するステップ（工程）を含む肉の流体注入方法を 提供することである。 本発明の更に別の目的は、屠殺された動物の実質的改変を必要とせず、実際、 手足の切断や内臓の除去を時間のかかる不必要なものとして排除した肉の流体注 入方法を提供することである。 最終的に、本発明の目的は、流体注入により肉を柔軟化し、風味を付け、コレ ステロール又はナトリウムを肉から除去するか或いは脂肪を結合する(fat bindi ng)方法であり、安価でコスト面で有効であり、処理作業の工程に殆ど時間を要 しない方法を提供することである。 発明の開示 本発明は、流体注入によって肉を柔軟化し、風味を付け、コレステロール又は ナトリウムを除去し、或いは脂肪を結合するための方法であって、食肉用動物の 脳死を誘発する工程と、食肉用動物を通例無傷のまま、特に動物からいかなる内 臓や手足も除去しないで放置する工程とを含む。動物の循環系を確保し、注入流 体を少なくとも80°Ｆ（26.7℃）の温度に加熱した後、動物の循環系に導入する 。注入流体が動物の循環系を循環し、その動物の血液の少なくとも一部が、注入 流体に置き換えられる。その後、血液と注入流体をその動物の循環系にある３個 より少ない排出ポイントから徐々に抜き出す。 注入流体には種々のものを使用することができる。例えば、パイナップルやニ ンニク溶液などの風味付け液体、肉の柔軟性を誘発するために用いられる塩のよ うな単純等張液、或いはぶどう糖液などがある。このようにして、作業（即ち、 柔軟化、風味付け、コレステロール又はナトリウムの除去、或いは脂肪の結合） において望まれる最終製品がいかなるものであるかに関わらず、迅速かつ容易に 目的を達成することができ、処理過程において、従来技術で示されている他の方 法を使用した場合に起こり得る損害を肉に与えることはない。更に、肉処理方法 自体に本発明の方法を組み合わせることもできるので、この方法の利用で遅延は 殆ど生じない。本発明の方法では、流体注入処理を開始する前に、動物の死体を 殆ど或いは全く改変する必要がないので、遅延が生じる機会は更に減少する。 本発明の食肉処理を目的とする流体注入の結果、更に次のことが見出された。 (1) 肉には、全体的に血液で運ばれた(blood-borne)活性要素（酵素）と不活 性要素（老廃物、コレステロール及び脂肪）が存在しない。 (2) 肉に柔軟性があり、柔軟性の程度は調整可能である。 (3) 外見が新鮮で食欲をそそる。 (4) 肉に動物特有の臭いがない。 (5) 味が調整可能である。 (6) 肉は汚染物を含んでいない。 (7) 肉は、未処理の肉と比べて少なくとも二倍長く保存可能である。 (8) 肉のきめ及び模様は自然のままでありながら、肉のみずみずしさが増大し ている。 (9) 延長された時間を越えた場合でも、肉の表面に外観を損なう「緑色」が生 じない。 (10)希望する様々な味と匂いを肉薬品の中に入れることができる。 このように、本発明は、従来技術に対して大きな改良を提供する。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の方法を表す流体流れ図である。 図２は、食肉用動物に対して本発明の方法を実施している状態を示す側面図で ある。 図３は、本発明によって流体注入される領域を示す雄牛の循環系の略断面図で ある。 図４は、動物内において本発明の流体注入方法が行われる循環系の概略図であ る。 発明の実施の形態 本発明の流体注入による食肉処理方法１０は、図１の流体流れ図で表わされる 。 本発明の方法の一例として、図２及び図３に示すように、雄牛５０に対して実 施する方法を説明する。屠殺前に通常の清浄を行った後、弾丸を脳に発射するか 或いは電流を脳に通することによって脳死を誘発する。この両方の処置方法とも 適切かつ人道的であると認められている。 この例では、雄牛５０の重量は約 1,400ポンドである。死体は、傾斜したテー ブル上に横向きに配置し、死体の頭部を後脚の上に持ち上げて、注入処理を容易 にする。首部５１を洗浄して開く。頚動脈５２及び５４については、一方の頚動 脈５４は縛り、他方の頚動脈５２はステンレス鋼製の動脈内カニューレ(cannula )５６を挿入して露出させることが好ましい。一の頚動脈だけをアクセス対象と し、循環系に唯一のアクセスポイントを形成することが好ましい。 好ましい実施例においては、注入装置５８は、カニューレ接続端６２と、ポン プ１２に接続される反対側の端部６４とを有する流体導入チューブ６０を備える 。同様のチューブによって注入流体１４の容器６６がポンプに接続されている。 或いは、注入流体１４の容器６６を流体導入チューブへ直接接続してもよい。そ して、死体の上方に注入流体１４の容器６６を持ち上げ、重力を一種のポンプと して作用させることにより、本発明の方法の準備に必要な流体力学的ないし機械 的な圧力が供給される。或いは、図２に示すように、規定の注入圧で機械的なポ ンプを使用する。本発明の方法に適切な流体圧を供給するためには、注入流体１ ４の容器６６は、ポンプなしで使用する場合、最少で動物の体重の１／13の流体 を入れることが好ましい。更に、注入流体は約３から10 psiの圧力、好ましい範 囲５から８psi の圧力で、死体に注入することが好ましい。この圧力レベルで、 最適な流体注入結果が得られる一方、より高い流体圧に適応できない小さい血管 での破裂が防止されると確信できる。 前述のように、カニューレ５６は、首部５１に作られた切り口を通って雄牛５ ０の頚動脈５２に導入される。より注入効果を上げるために、カニューレ５６は 頚動脈５２に挿入でき、カニューレ５６の端部が大動脈５５に入るまで、首部５ １を通して下方へ延長することができる。もし注入が、特に循環系に流体を押し 込むために必要な圧力で静脈の中に開始されたならば、肺循環は肺で放出されて しまい、毛細管には注入流体が殆ど或いは全くなくなくなることに注意すべきで ある。一方、付属物（足や頭部）を切除された動物内に動脈注入を用いると、動 脈−静脈ループは部分的にのみ利用可能な状態に置かれているので、せいぜい組 織注入が行われる程度である。従って、本発明は、主に、元のままの循環系が含 まれるであろう完全な死体に対して使用し、最適な注入効果を与えるように設計 されている。完全な死体とは、動物の内臓と手足が元のまま残されたものを意味 する。従って、本発明の方法による流体注入の結果、内臓の流体注入のほか、腸 、レバー、胃、腎臓など、動物の食用部分を含む死体の残り部分にも、流体注入 が達成される。 流体導入チューブを通して大動脈内へ流体を通す前に、注入流体を動物の体温 にほぼ等しくなるまで加温することが好ましい。注入流体の温度は、80から 120 °Ｆの間であることが好ましく、中でも90から 105°Ｆの間が最適温度である。 それより低い温度の注入流体を用いると、脈管、内膜あるいは内皮細胞（血管の 内膜）が閉じ、毛細管を循環する流れを妨げることになる。図４に示すように、 毛細管内で周囲の細胞内への注入流体の移行が行われるので、循環のこの部分は 最適な注入のために最も重要である。死体を迅速に冷却する目的で冷たい注入流 体を循環させてもよいが、冷たい流体は、加温された流体のように組織内に注入 されることは殆どないことが分かった。従って、注入流体の加温は、本発明の方 法において重要な工程である。 本発明者が実施した種々のテストによれば、上記の温度スケールで高い範囲の 温度で流体注入を行うと、注入時間が非常に短縮される結果となるが、この注入 処理の結果として生じるピンク色または矯正された色の一貫性を実質上増大させ るものではないことが分かった。更に、より低い温度の流体を使用して注入した 結果は、注入圧を増加させることによっては克服できず、その代り、小さい血管 （即ち、毛細管）が壊れて塞がれる結果となることが見出された。こうして脈管 の底(bed)に流体の蓄積する量が増大し、死体からの流出量は予想できない。更 に、150°Ｆまでの温度か或いはこれを越える温度で流体注入を行うと、組織の 流体注入に加えて、肉と器官をある程度予備調理する結果となることが期待され 、これは望ましい特徴となる。 注入流体を加温した後、流体は、動物の動脈の循環系２０に流体を送り出す大 動脈５５及び／又は頚動脈５２内へ送られる。そして、流体は動脈の循環系２０ と静脈の循環系２２とを接続する多数の毛細管２３を通って流れる。前述のよう に、かつ図４に示すように、広範囲で注入処理が行われるのは毛細管内である。 流体が毛細管を通って動物の静脈循環系２２内へ流れた後、循環系から血液と流 体を流出できるようにするため、その循環系に少なくとも１つの流出ポイントを 作らなければならないことは明らかである。好ましい実施例においては、循環系 からの流出ポイントは、頚静脈６８の１つ又は両方である。頚静脈６８の少なく とも１つの上方で動物の首部に切り口を作る。この切り口は、頚静脈の中まで達 し、循環系を循環している血液及び流体を循環系から流出させるための出口を提 供する。このように頚静脈６８に循環系からの流出ポイントを形成することによ り、肺循環系２８が回避され、動物の肺の内部で流体の不必要な損失を防止する 点が重要である。また、好ましくは循環系を唯一の頚動脈５２で開き、かつ唯一 の頚静脈６８で開くことにより、それぞれ唯一の流入ポイントと唯一の流出ポイ ントを提供することが重要である。もし循環系が、２本以上の動脈に流入ポイン トを与えかつ２本以上の静脈に流出ポイントを与えるように開かれるならば、注 入流体は、循環ルートに沿って各毛細管に到達できず、浸透することもできない ので、この方法の結果は予想できない。流出ポイントを１個だけ形成することに より、循環系内を流れる流体に対する抵抗は動物の死亡前と実質的に同じであり 、毛細管を囲む組織への流体１４の注入がより効率的に行われることとなる。動 物に複数の流出ポイントを形成して流体注入を行うようにすると、注入流体１４ は最も流れ抵抗が小さい経路を流れることになるので、循環系内の毛細管の多く の部分を避けて、流れ抵抗が最も小さい流出ポイントに流れ込むこととなる。 平均すると、動物の死体から血液３０を全て洗い出すのに１回の流体注入で充 分であり、血液３０の洗出、ｐＨを低くして肉を柔らかくすること、充分な風味 付け、迅速に塩漬けする(pickling)のに充分な塩水(brine)を確保すること、ナ トリウムを等張ぶどう糖溶液で置き換えること等の望ましい効果のいずれかを達 成するのに充分な量を残すことができる。 本発明の方法を実施する動物１１の大きさに依存するが、全工程は５分から６ ０分の間で終了する。上記実施例の雄牛５０の場合、流体注入は約１時間かかっ た。これは、死体に流す流体の量をある程度制限したせいである。径の小さいチ ューブに代えて径の大きいチューブを使用するならば、流体注入に要する時間は 約20分短縮できるであろう。所望の流体注入量と動物内に遭遇する抵抗に応じて 流体の流れを調節できるが、注入流体は約３リットル／分で雄牛５０の体内を流 れることが好ましい。 最後に、実質的に全ての血液と流体を切開された頚静脈６８から抜き取り、死 体を流体が注入され血液と流体が抜き取られた状態のままにしておくことが好ま しい。もちろん、注入工程に基づく注入流体１４はいくらか動物の体内に残る。 動物の体内を循環した注入流体１４の約1/30が体内に残ると予想される。もちろ ん、死体に残る流体の量は、流体が死体を通るときの温度と圧力に応じて変化す る。 本発明の方法のもう１つの例として、豚に実施した工程を説明するが、この方 法は他の家畜、鶏、鹿その他の食肉用動物にも使用できる。サンプルの豚は、体 重が 200ポンドである。屠殺前に通常の清浄を行った後、弾丸を脳に発射するか 或いは電流を脳に通することによって脳死を誘発する。この両方の処置方法とも 適切かつ人道的であると認められている。脳死は心臓を停止させず、血液は頭蓋 部を除いて全身を循環し続ける。 死体は、その背中を作業場に載せて置かれる。上肢部を縛って胸部をきれいに することが必要である。左胸を洗浄し、毛を剃る。鋭利な器具を使用して、IV− Ｖイントラコースタル部位(intracoastal spaces)でイントラコースタル筋肉を 胸骨と腋下線の前方部分との間で切断することにより、胸部を切開する。２乃至 ３インチ離れて広げられたエッジを持つ標準的な肋骨リトラクタが使用される。 こうして左胸を処理すると、心嚢が見える。これを切断すると心臓が現れる。触 診により、作業者は、どれが心臓の右側２４及び２６で、どれが心臓の左側１６ かを言うことことができる。右側２４及び２６は薄い壁、左側１６は厚い壁であ る。以上で、死体に流体を注入する準備ができる。 この具体例においては、注入装置は、前述の装置と同様に、挿入端と、ポンプ に接続される反対側の端部とを有する流体導入チューブを備える。同様のチュー ブにより、注入流体の容器がポンプに接続される。或いは、注入流体の容器を流 体導入チューブへ直接接続してもよい。死体の上方に注入流体の容器を持ち上け 、重力を一種のポンプとして作用させることにより、本発明の方法の適切な作用 に必要な流体力学的ないし機械的な圧力が供給される。或いは、規定の注入圧を 持つ機械的なポンプを使用する。本発明の方法に適切な流体圧を供給するために は、ポンプなしで使用する場合、注入流体の容器に最少で動物の体重の約１／13 の重量の流体を入れることが好ましい。 次に、流体導入チューブの挿入端を循環系の動脈側に導入する。最適な注入結 果を得るために、チューブは頚動脈又は大動脈のような主な動脈か、或いは心臓 、特に左心室１６と呼ばれる心臓の厚壁部すなわち左側に挿入される。しかしな がら、一般に大動脈１８内に挿入することが好ましい。プラスチック製のチュー ブは、壁に挿入するために先端を固く作られるが、これに代えて、スカルペル(s calpel) を使用してもよい。もし注入が、特に低抵抗部を満たすのに必要な圧力 で、静脈の中に開始されたならば、肺循環は肺で放出され、動脈の毛細管には注 入流体が殆ど又は全くなくなってしまう。本発明は、主として、元のままの循環 系を含む完全な死体に対して適用され、最適な注入結果をもたらすように設計さ れている。もし循環系において２本以上の動脈に流入口が開設され且つ２本以上 の静脈に流出口が開設されたならば、注入流体は循環ルートに沿って各毛細管系 に到達せず、浸透することもできないので、この方法の結果は予想できない。 流体導入チューブを通して左心室１６内へ流体を入れる前に、注入流体は、動 物の体温にほぼ等しくなるまで加温されることが好ましい。注入流体の温度は、 ８０から１２０°Ｆの間であることが好ましく、最適温度は９０から１０５°Ｆ の間である。それより低い温度で注入流体を行うと、内膜あるいは内皮細胞（血 管の内膜）が閉じ、毛細管を循環する流れを妨げることになる。周囲の細胞内へ の注入流体の移行は毛細管内で行われるので、循環のこの部分は最適な流体注入 のために最も重要である。死体を迅速に冷却する目的で冷たい注入流体を循環さ せてもよいが、冷たい流体は、加温された流体のように組織内に注入されること は殆どないことが分かった。従って、注入流体の加温は、本発明の方法において 重要な工程である。 注入流体の加温後、流体は左心室１６へ又は動物の動脈循環系２０に流体を送 り出す大動脈１８内へ送られる。そして、流体は動物の静脈循環系２２を通って 右心房２４へ流れるので、右心房２４を切断して動物の血液を放出させ、続いて 注入流体を放出させる。わかるように、この実施例は、注入流体を肺動脈及び静 脈２８に循環させるものではなく、矢印２５で示すように流れさせる。肺動脈及 び肺静脈への循環は、多くの場合、流体を浪費するものである。動物の肺が食べ られる場合には、図１に示すように、右心室２６を含む流体注入の完全なサイク ルが用いられてもよい。 平均すると、動物の死体から血液を全て洗い出すのに１回の流体注入で充分で あり、血液の洗出、ｐＨを低くして肉を柔らかくすること、充分な風味付け、迅 速に塩漬けするのに充分な塩水を確保すること、ナトリウムを等張ぶどう糖溶液 で置き換えること等の、望ましい効果のいずれかを達成するのに充分な量を残す ことができる。 本発明の方法を実施する動物の大きさに依存するが、全工程は５ないし６０分 かかって終了する。かくして、動物は、注入流体の約1/30が死体に残った状態で 、通常の方法で引き続き処理する準備ができたことになる。 次に、本発明の方法において使用するに好適な注入溶液について説明する。 ２種の基本的な動作溶液：0.9 ％のＮａＣｌ又は５％ぶどう糖液がある。これ らは、別個に或いは混合して使用することができる。それらは、「フラッシュ・ アウト(flush out)」注入剤、溶媒あるいは他の混合物又は溶液に対する希釈剤 として使用される。それらのｐＨは酸性の範囲にあって、柔らかさを促進する性 質が重要である。また、ぶどう糖液による流体注入は、動物の循環系に残ってい るナトリウムの大部分を除去する。以下、流体注入による肉処理方法に用いられ る溶液の特定の例を示す。 1.3 オンスのハーブを100cc の熱湯と100cc の冷水の等量で処理した市販の混 合物から得られる漬物エキス(pickling extract)。この基本もしくは塩基性溶液 は、希釈化しない濃度で或いは 0.9％ＮａＣｌ又は５％ぶどう糖液を使用して希 釈化した濃度で、使用できる。また、“Morton's Tender Quick ”のような市販 の軟化剤を使用して、１ポンドの肉に対し15グラムの軟化剤を漬物エキスに混合 してもよい。 ２．ｐＨを５以下に調整するための添加剤として、濃度５％以下のビタミンＣ を使用することができる。また、ビタミンＣは色保持剤であり、この濃度のビタ ミンＣは、化学的劣化または薬理学的な変化を生じさせない。 ３．調味用のバーベキュー・スモークを、１キログラム当たり10グラムの閾値 で或いはそれよりも多く、＃１の調製、或いは特別に純バーベキュー風味のみと して、加えることができる。 ４．特に羊肉に対し、２クォートの基本注入溶液に１グラムのミントエキスを 加えることでミント風味を注入流体に加えることができる。 ５．新鮮なニンニクまたは玉ねぎを基本流体と共に注入することができる。こ れらは、その味が要望されるとき、任意の溶液に加えることができる。 ６．等張溶液内の牛肉塊は、牛肉の“au jus”味を生成する。高浸透圧の肉塊 溶液は、サンドイッチスライスに適した強い味を生成する。 ７．しょう油とニンニクを飽和させた赤砂糖で作られたすき焼きの基本溶液は 、使用の24時間前に調製される。このストックは、様々な割合で使用される。強 希釈剤又はすき焼き味は、１クォートの基本溶液に対し５クォートの割合の希釈 剤を必要とする。１対１２の割合で基本溶液を使用すると、穏やかな味が得られ る。 他の例には、市販されている濃縮又は希釈液として、リンゴ飲料、ブドウ、パ パイヤ、マンゴー、グレープフルーツ、あんず、グズベリー、オレンジ、野菜ジ ュース、更にはワインも含まれる。特別な「酢漬け肉(sauerbraten)」用の注入 流体を作ることができる。 本発明の別の実施例では、低温殺菌変異体(variant)の使用を考慮している。 この技術により、注入流体の温度は１５乃至２０秒間で 160°乃至 170°Ｆまで 上昇し、その後急速に約90°Ｆまで冷やされる。この方法は、部分的な殺菌の利 点を有し、そして／あるいは肉の柔らかさの程度を増大する。低温殺菌方法では 肉汁タイプの注入流体を使用できるので、全工程で迅速かつ完成した製品が得ら れる。この技術的な便利さと優れた品質の他に、食肉処理において相当の時間が 節約される。 しかしながら、本発明の方法で使用される注入流体の種類に関わらず、注入流 体の生理学的セーラム浸透圧重量モル濃度（serum osmolality）が、少なくとも 動物の血液の浸透圧重量モル濃度と少なくとも等価であることが重要である。動 物の血液の浸透圧重量モル濃度の標準的に認識されている値は、約 276乃至 282 mOsm/kgである。従って、注入流体の浸透圧重量モル濃度は 250 mOsm/kgと 350 mOsm/kgの間とし、最適な流体注入を促進することが好ましい。動物の毛細管系 は、特に浸透圧重量モル濃度が約 250 mOsm/kgである流体の注入ができるように 作られているので、それより低い浸透圧重量モル濃度を持つ流体は、望ましい浸 透圧重量モル濃度を持つ流体が供給される場合と同程度の効率では、毛細管の壁 を通って浸透せず、適切な注入ができない。実際、浸透圧重量モル濃度が 0と50 mOsm/kgの間にある水やワインのような注入流体を使用すると、毛細管の内皮細 胞が収縮するので、動物の筋肉内への注入が阻止される。一方、溶けた食用油脂 のような注入流体を使用すると、一般的に注入が乏しい結果となる。溶けた脂肪 は、血管に沿って脂肪を並べるだけなので、肉の脂肪量が増加し、脂肪の味が加 わる。溶けた脂肪を使用する場合、脂肪が注入される際の圧力は、脂肪を循環系 に通すために、１平方インチにつき10ポンド以上でなければならない。これによ って、より小さい毛細管を損傷することがある。それ故、どのような場合であろ うと、溶けた脂肪を本発明の流体注入には使用すべきでない。 従って、要約すれば、注入流体を大きい中央の動脈又は左心室に入れることに より、閉鎖した動脈系で注入を行うことが重要である。既に屠殺され手足を切断 された死体に対して本発明の方法を使用することは可能であるが、屠殺された動 物の循環系は不完全であるため、好ましくないことである。更に、手足を切断す ると、循環系からの流出ポイントポイント（すなわち、切断された脚又は首部） が複数になるため、注入流体に対する循環系の抵抗が減少する。こうして、流体 の流れる速度が増大し、流体の圧力は減少するので、注入流体が毛細管壁を通過 せず周囲の組織内に入らない。このため、流体注入の効率は減少する。注入流体 の温度は、動物の生理学的な体温、すなわち通常90°Ｆと 105°Ｆの間にする必 要がある。注入流体の濃度は、細胞外の流体（すなわち、動物の血液）の浸透圧 及び／又は膠質浸透圧（oncotic pressure）に近いか或いはこれを越える必要が ある。注入流体は、１平方インチにつき約３から１０ポンドの圧力、好ましくは ５乃至８psi 間の圧力で循環させる必要がある。最後に、流体注入では、できる だけ完全に血液全部を入れ替える（好ましくは９７％以上を入れ替える）必要が あるので、この方法で使用する注入流体の全体量は、動物の体重の１０％以上で あることが好ましい。 流体注入を行う間に上記の要件の全てが存在する場合、最適な流体注入が行わ れるので、効果的に柔軟化され、好ましい風味付けの、流体注入を施した肉製品 が出来上がる。同様に、肉製品の多くの特徴は、本発明の使用によって容易に調 整及び／又は変更できることに注目すべきである。このような特徴には、肉の塩 分の度合、ミネラルやビタミンなどの健康に関する肉の特徴、処理肉の好ましい ピンク色、肉の水含有量、そして肉の望ましい味がある。更に、 160°Ｆを越え るまで加温した注入流体を使用することにより、肉製品を「予備的に調理」する ことができる。また、130 乃至 150°Ｆの間に加温した注入流体を使用すること によって、肉製品の低温殺菌を行うことができる。 本発明を使用して処理した肉には、更に重要な特徴が２点ある。肉処理の間に 病原菌やバクテリアのような汚染物質が肉製品から流れ出るので、肉製品には全 体的に汚染物質がなくなる。従って、現在行われているようにバクテリア破壊の ために肉製品に放射線照射をする必要はない。更に、本発明を使用せずに生産し た肉製品と比較して、肉製品の保存期間はより長くなり、厳密な温度条件もより 少なくなる。実際、冷蔵せずに標準的な密閉プラスチック製ラップで包装した肉 は３日間まで保存できる一方、冷蔵して通常の方法で包装した肉は１０日間まで 痛むことなく保存できることが分かった。更に、痛んだり古くなった肉に生じる ことが多い、好ましくない「緑」色の形成が、防止される。 このように、本発明は、従来技術にあった注入技術を大幅に越えた改善を提供 するものである。多くの場合、風味付け或いは柔軟化は１０分未満で実施するこ とができるので、本発明の方法をどのような食肉処理方法においても一工程とし て実施することが可能である。更に、動物の体内に化学薬品を循環可能にするた めに屠殺前に動物を押さえる必要がないので、場所を塞いで汚染を引き起こす結 果になり得るような囲いを保持する必要性はなくなる。 以上、本発明の方法について説明したが、上述の方法に多くの改変を行うこと が可能である。例えば、注入流体は、大動脈そのものでなく大きい動脈に注入し てもよい。従って、以上の説明は発明の範囲を限定するものでなく、発明の範囲 は、請求の範囲に基づいて定められるものである。 以上は、少なくとも前述の目的の全てを達成する方法を示し説明したものであ る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．流体注入によって肉を柔軟化し、風味を付け、コレステロール又はナトリウ ムを除去し、或いは脂肪を結合するための方法であって、 食肉動物の脳死を誘発すること、 前記食肉動物を実質的にそのままの状態にして、当該動物の付属器官及び循環 系も全体としてそのままの状態に放置すること、 前記動物の循環系を確保すること、 貫通端とその反対側の他端とを有する流体導管を用意すること、 全体的に溶けた脂肪を含まず、前記動物の血液の浸透圧重量モル濃度と少なく とも同じ浸透性の生理学的浸透圧重量モル濃度を有する注入流体を用意すること 、 前記注入流体の供給源を前記流体導管の他端に接続すること、 前記流体導管の貫通端を前記動物の循環系の動脈側に挿入すること、 前記注入流体を少なくとも８０°Ｆ（26.7℃）に加温すること、 前記注入流体を前記動物の循環系に導入すること、 前記注入流体を前記動物の循環系に循環させること、 前記動物の血液の少なくとも一部を前記注入流体に置き換えること、及び 前記動物の血液と前記注入流体の大部分を前記動物の循環系の３箇所より少な い流出ポイントから抜き出すことを含む方法。 ２．請求項１記載の方法において、前記動物の処理を続ける工程を含んでいる方 法。 ３．請求項１記載の方法において、前記動物の循環系を確保する工程として、前 記動物の胸を切開し、その肋骨を押し広け、心嚢を切除し、心臓を確保すること を含んでいる方法。 ４．請求項３記載の方法において、前記流体導管の貫通端を前記動物の循環系の 動脈側に挿入する工程として、前記流体導管の貫通端が前記動物の心臓中に置か れるように前記貫通端を前記心臓の左側に挿入するか又は大動脈に挿入すること を含んでいる方法。 ５．請求項１記載の方法において、前記動物の循環系を確保する工程として、前 記動物の首を洗浄し、その首を開いて前記動物の頸動脈の少なくとも１つを露出 させ、当該頸動脈に前記流体導管の貫通端を挿入できるように準備することを含 んでいる方法。 ６．請求項５記載の方法において、貫通端とその反対側の他端とを有する流体導 管を用意する工程として、カニューレ接続端とその反対側の他端とを有する流体 導管を用意し、更に該カニューレ接続端にて前記流体導管に接続される動脈内カ ニューレを用意することを含んでいる方法。 ７．請求項５記載の方法において、前記流体導管の貫通端を前記動物の循環系の 動脈側に挿入する工程として、前記注入流体が前記動物の頸動脈の１つに導入さ れるように前記動脈内カニューレを当該頸動脈内に挿入することを含んでいる方 法。 ８．請求項１記載の方法において、前記注入流体を加温する工程として、前記注 入流体を９０°Ｆ（32.2℃）と１０５°Ｆ（40.6℃）との間で加温することを含 んでいることを特徴とする方法。 ９．請求項１記載の方法において、前記注入流体を前記動物の循環系に導入する 工程として、前記注入流体が静水圧力下で前記動物の循環系に流入するように該 流体の容器を前記動物の上方に支持することを含み、それによって前記動物の血 液の少なくとも一部を置き換える方法。 １０．請求項１記載の方法において、前記注入流体を前記動物の循環系に導入す る工程として、流体ポンプにより前記流体を所定の圧力下で前記動物の循環系内 に注入することを含み、それによって前記動物の血液の少なくとも一部を置き換 える方法。 １１．請求項１記載の方法において、前記注入流体は細胞外液と等張の溶液であ り、該溶液を使用することでナトリウムを排出する方法。 １２．請求項１記載の方法において、前記注入流体は調味料を含んでいる方法。 １３．請求項１記載の方法において、前記注入流体はコレステロール又は脂肪結 合剤／排出剤を含んでいる方法。 １４．請求項１記載の方法において、前記注入流体は２５０ｍＯｓｍ／ｋｇと３ ５０ｍＯｓｍ／ｋｇとの間の浸透圧重量モル濃度を有し、それにより毛細管壁及 び毛細管を通して前記注入流体の浸透を促進する方法。 １５．請求項１記載の方法において、前記注入流体は１平方インチ当たり３から １０ポンドの圧力で前記循環系内に導入され、それにより毛細管のような細い血 管の損傷を防止する方法。 １６．請求項１記載の方法において、前記注入流体の供給源を前記流体導管の他 端に接続する工程として、主動脈を切開して前記動物の大動脈内にカテーテルを 挿入することを含んでいる方法。 １７．請求項１記載の方法において、前記注入流体を前記動物の循環系の実質上 全部にわたって循環させる方法。 １８．流体注入によって肉を柔軟化し、風味を付け、コレステロール又はナトリ ウムを抽出し、或いは脂肪を結合するための方法であって、 畜牛、家禽、豚、羊、鹿及び野牛からなる群から食肉用動物を選択すること、 前記食肉用動物の脳死を誘発すること、 前記食肉用動物を実質的にそのままの状態にして、当該動物の付属器官及び循 環系も全体としてそのままの状態に放置すること、 前記動物の循環系に対して単一の部位でアクセスすること、 貫通端とその反対側の他端とを有する流体導管を用意すること、 全体的に溶けた脂肪を含まず、前記動物の血液の浸透圧重量モル濃度と少なく とも同じ浸透性の生理学的浸透圧重量モル濃度を有する注入流体を用意すること 、 前記注入流体の供給源を前記流体導管の他端に接続すること、 主な動脈を切開すること、 前記流体導管の貫通端を前記食肉用動物の主動脈内に挿入すること、 前記注入流体を少なくとも８０°Ｆに加温すること、 前記注入流体を前記食肉用動物の循環系に導入すること、 前記注入流体を前記食肉用動物のそのままの循環系の実質上全部に亙って循環 させること、 前記動物の血液の少なくとも一部を前記注入流体に置き換えること、及び 前記血液と前記注入流体の大部分を主静脈を通して前記食肉用動物から抜き出 すことを含む方法。 １９．液体注入によって肉を柔軟化し、風味を付け、コレステロール又はナトリ ウムを抽出し、或いは脂肪を結合するための方法であって、 食肉用動物の脳死を誘発すること、 前記食肉用動物を実質的にそのままの状態にして、当該動物の付属器官及び循 環系も全体としてそのままの状態に放置すること、 前記動物の首部に切り口を生成し、前記動物の頸動脈の少なくとも１つを露出 させ、当該頸動脈に切り口を生成することにより、前記動物の循環系を確保する こと、 カニューレ接続端とその反対側の他端とを有する流体導管を用意すること、 全体的に溶けた脂肪がなく、前記動物の血液の浸透圧重量モル濃度と少なくと も同じ浸透性の生理学的浸透圧重量モル濃度を有する注入流体を用意すること、 前記注入流体の供給源を前記流体導管の他端に接続すること、 動脈内カニューレを用意すること、 該動脈内カニューレを前記流体導管のカニューレ接続端に接続すること、 前記注入流体を前記動物の温度が当該動物の体温より高くなるように加温する こと、 前記動脈内カニューレが前記動物の頚動脈の１つに入るように前記動脈内カニ ューレを挿入すること、 前記注入流体を前記動物のほぼそのままの循環系の実質上全部にわたって循環 させること、 前記動物の血液の少なくとも一部を前記注入流体に置き換えること、及び 前記動物の血液と前記注入流体の大部分を前記動物の循環系の３箇所より少な い流出ポイントから抜き出すことを含む方法。 ２０．請求項１９記載の方法において、前記食肉用動物を実質的にそのままの状 態に放置する工程として、内臓、四肢、器官、及び前記循環系の延長部を除去し ないことを含んでいる方法。