JPH1051272A - 同調制御方式 - Google Patents

同調制御方式

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JPH1051272A
JPH1051272A JP21657996A JP21657996A JPH1051272A JP H1051272 A JPH1051272 A JP H1051272A JP 21657996 A JP21657996 A JP 21657996A JP 21657996 A JP21657996 A JP 21657996A JP H1051272 A JPH1051272 A JP H1051272A
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明 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集積化に適しており、集積化した場合であっ
ても所望の同調周波数に容易に合わせることができる同
調制御方式を提供する。 【解決手段】 同調機構の起動直後あるいは同調周波数
の切り換え直後は、同調回路1への入力信号の入力が遮
断され、同調回路1の帰還ループのループゲインは1以
上に設定される。そして、同調回路1はPLL制御回路
3の出力に応じた制御信号に基づいて所定の周波数で発
振動作を行う。同調回路1に所望の同調周波数が安定に
設定されると、同調回路1に外部からの入力信号が入力
され、帰還ループのループゲインは1未満に設定され
る。そして、同調回路1は入出力信号間の位相差に応じ
た制御信号に基づいて同調動作を行い、以後、同調周波
数は入力信号の周波数に一致するように制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の周波数成分
のみを抽出する同調制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】能動
素子やリアクタンス素子を用いた各種の同調増幅器が提
案され実用化されている。例えばLC共振を利用した従
来の同調増幅器は、同調周波数を調整するとLC回路に
依存するQと利得が変化し、最大減衰量を調整すると同
調周波数や同調周波数での利得が変化する。
【0003】このように、従来の同調増幅器において
は、同調周波数、同調周波数における利得、最大減衰量
を互いに干渉しあうことなく調整することは極めて困難
であった。また、同調周波数および最大減衰量を調整し
得る同調増幅器を集積回路によって形成することも困難
であった。
【0004】また、同調増幅器に含まれるインダクタ以
外の構成部品を半導体基板上に形成したとしても、抵抗
やキャパシタの各素子定数が製造ロット毎にばらつくた
め、所望の同調周波数を得ることは難しく、実用的でな
かった。
【0005】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は集積化に適しており、集積化
した場合であっても所望の同調周波数に容易に合わせる
ことができる同調制御方式を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の同調制御方式は、同調回路に対して
PLL制御を行うPLL制御回路と、同調回路の同調周
波数を同調回路の入力信号の周波数に一致させる周波数
制御回路と、同調制御回路とを備える。同調制御回路
は、同調回路に所望の同調周波数が安定に設定されてい
ない場合には、同調回路内に形成される帰還ループのル
ープゲインを所定値以上に設定して同調回路を発振させ
た状態でPLL制御回路によるPLL制御を行う。この
ため、同調回路には所望の同調周波数が迅速かつ精度よ
く設定される。一方、同調制御回路は、同調回路に所望
の同調周波数が安定に設定された場合には、ループゲイ
ンを所定値未満に設定して同調回路の入力信号の中から
同調周波数成分のみを抽出させる。このため、同調周波
数の変動が抑制される。
【0007】請求項2の同調制御方式は、同調回路の同
調周波数が設定された場合のみ同調回路に入力信号を入
力すべく入力切換手段を設ける。
【0008】請求項3の同調制御方式は、PLL制御回
路の出力を周波数制御回路に入力し、同調回路の同調周
波数を設定する際には、PLL制御回路の出力に応じた
信号を周波数制御回路から出力し、この信号によって同
調回路は発振動作を行う。一方、同調回路の同調周波数
が設定された後は、同調回路の入出力信号間の位相差に
応じた信号を周波数制御回路から出力し、この信号によ
って同調回路は同調動作を行う。
【0009】請求項4の同調制御方式は、同調回路に所
望の同調周波数が安定に設定されると、PLL制御回路
による位相比較結果が一致することに着目し、PLL制
御回路による位相比較結果に基づいて同調回路の同調周
波数が設定されたか否かを判断する。
【0010】請求項5の同調制御方式は、同調回路の入
出力間の位相差の極性に応じて、位相差に対応するパル
ス幅を有する信号を通過させあるいは遮断する2つの開
閉手段を備える。そして、同調制御回路は、同調回路の
同調周波数を設定する際には、位相比較器による比較結
果に応じた電圧をチャージポンプに供給して同調回路に
対してPLL制御を行い、同調回路の同調周波数が設定
された後は、2つの開閉手段の出力をチャージポンプに
供給して同調周波数を同調回路への入力信号の周波数に
一致させる。
【0011】請求項6の同調制御方式は、差動増幅器と
直列回路とをそれぞれ含む2つの移相回路を縦続接続し
て同調回路を構成する。
【0012】請求項7の同調制御方式は、差動増幅器の
反転入力端子と直列回路との間に第1の抵抗を接続し、
差動増幅器の出力端子と反転入力端子との間に第2の抵
抗を接続する。第1および第2の抵抗の抵抗比を変更す
ることで、同調信号の振幅調整が可能となる。
【0013】請求項8の同調制御方式は、差動増幅器の
出力端子に第1の分圧回路を接続し、この分圧回路を介
して後段の移相回路の出力を差動増幅器の入力側に帰還
させる。分圧回路を設けることで、ループゲインを稼ぐ
ことができる。
【0014】請求項9の同調制御方式は、差動増幅器の
反転入力端子と直列回路との間に第1の抵抗を設け、差
動増幅器の出力端子と反転入力端子との間に第2の抵抗
を設け、差動増幅器の反転入力端子に接続され他方端が
接地された第3の抵抗を設ける。第3の抵抗を設けるた
め、第1の抵抗と第2の抵抗との抵抗比を1以外にして
も、同調出力の振幅変動を抑制できる。
【0015】請求項10の同調制御方式は、分圧回路の
出力端子の電位と直列回路内のキャパシタあるいはイン
ダクタと抵抗との接続部の電位との電位差を差動増幅器
で増幅して出力する。
【0016】請求項11の同調制御方式は、縦続接続さ
れた2つの移相回路によって形成される帰還ループの一
部に非反転回路を挿入する。移相回路を通過することに
よって損失が生じても非反転回路で利得を稼ぐことがで
きる。
【0017】請求項12の同調制御方式は、縦続接続さ
れた2つの移相回路によって形成される帰還ループの一
部に位相反転回路を挿入する。移相回路を通過すること
によって損失が生じても位相反転回路で利得を稼ぐこと
ができる。
【0018】請求項13の同調制御方式は、2つの移相
回路によって形成される帰還ループの一部に第2の分圧
回路を接続し、第2の分圧回路に入力される交流信号を
同調信号として出力する。第2の分圧回路の分圧比に応
じて同調信号を増幅して出力できる。
【0019】請求項14、16の同調制御方式は、入力
された交流信号を同相および逆相の交流信号に変換して
出力する変換手段を移相回路内に含んでおり、変換手段
は例えばトランジスタにより構成され、2つの移相回路
のそれぞれは入力信号の周波数に応じて位相をシフトさ
せる。
【0020】請求項15、17の同調制御方式は、2つ
の移相回路と非反転回路によって形成される帰還ループ
の一部に分圧回路を挿入し、分圧回路に入力される交流
信号を同調信号として出力する。分圧回路の分圧比に応
じて同調出力の振幅を調整できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の同調制御方式の一
実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明す
る。
【0022】〔A.同調機構の全体構成および動作〕本
発明の同調制御方式は、同調回路に所望の同調周波数を
設定すべく同調回路に対してPLL制御を行い、同調回
路に所望の同調周波数が設定された後は、同調回路の入
出力間の位相差を検出して同調周波数を入力信号の周波
数に一致させるような制御を行うものである。
【0023】〔第1の実施形態〕図1は、同調機構の第
1の実施形態の構成を示すブロック図である。同図に示
す同調機構は、同調回路1と、周波数制御回路2と、P
LL制御回路3と、同調検出回路4と、入力切換回路5
とを含んで構成されている。
【0024】同調回路1は、後述するように2つの移相
回路を含んでおり、2つの移相回路を合わせた位相シフ
ト量は所定の周波数において360°に設定される。同
調回路1内部にはCR回路あるいはLR回路からなる直
列回路が設けられ、この直列回路の時定数はPLL制御
回路3からの制御信号によって変更可能とされている。
すなわち、PLL制御回路3は、2つの移相回路を合わ
せた位相シフト量が360°となるように直列回路の時
定数を変更制御し、これにより同調回路1は所定の周波
数で発振動作を行う。この所定の周波数は、周波数制御
回路2が同調動作を行うための同調周波数となる。
【0025】周波数制御回路2は、同調回路1の入力信
号の周波数に同調周波数を一致させる同調動作を行う。
具体的には、周波数制御回路2は、同調周波数と同調回
路1の入力信号の周波数とのずれがなくなるように、上
述した直列回路の時定数を変更制御する。
【0026】このように、周波数制御回路2とPLL制
御回路3はいずれも同調回路1内の直列回路の時定数を
変更制御しており、同調回路1が所定の周波数で安定に
発振動作を行うための発振条件と、同調回路1が所定の
周波数成分のみを抽出する同調動作を行うための同調条
件とは同じである。
【0027】周波数制御回路2は、具体的には同期整流
回路21と制御信号生成回路22を含んで構成され、同
調回路1の出力信号を参照信号に用いて同調回路1の入
力信号を同期整流し、同期整流した出力を後段の制御信
号生成回路22に供給する。
【0028】制御信号生成回路22は、パルス変換回路
23、極性判別回路24および電圧合成回路25を含ん
で構成され、上述した同調回路1の入出力信号間の位相
差を検出するとともに、この位相差の大小と極性を判別
して、位相差を無くすべく制御信号を生成する。パルス
変換回路23は、同期整流回路21から出力されたずれ
(同調回路1の入出力信号間の位相のずれ)に相当する
電圧成分が現れる時間間隔に対応したパルス幅を有する
パルス列を出力する。極性判別回路24は、同期整流回
路21から出力された位相のずれに相当する電圧成分が
半波整流波形の前に現れるか後ろに現れるかによって、
位相差の極性を判別する。この位相差の極性は、入力信
号の周波数に対して(正確には入力信号の中から同調回
路1を通すことにより取り出したい信号の周波数に対し
て)同調周波数が低いのか高いのかを示すものである。
電圧合成回路25は、パルス変換回路23から出力され
る信号のパルス幅に応じた電圧を発生させるとともに、
極性判別回路24によって判別された位相差の極性に応
じて、この発生した電圧を加算あるいは減算して電圧の
合成を行い、合成後の電圧を制御信号として同調回路1
に供給する。
【0029】PLL制御回路3は、発振器(OSC)3
1、位相比較器(PD)32、チャージポンプ(CP)
33およびローパスフィルタ(LPF)34を含んで構
成され、同調回路1から出力された同調信号を所定の基
準周波数信号と位相比較することにより同調回路1に対
してPLL制御を行い、同調周波数の設定を行う。位相
比較器32は、入力端子および出力端子を2つずつ備え
ており、両入力端子に入力された信号の位相および周波
数比較を行う。チャージポンプ33は、内部にコンデン
サを備えており、このコンデンサの充放電を位相比較器
32の2つの出力端から出力される2種類のパルス列に
応じて行う。ローパスフィルタ34は、チャージポンプ
33の出力から高周波成分を除去して直流成分のみを抽
出し、この直流成分を同調周波数を設定するための制御
信号として周波数制御回路2に供給する。発振器3は、
一定に制御したい同調周波数と周波数が等しい基準周波
数信号を発生する。発振器3の出力波形は、歪みの少な
い正弦波である必要はなく矩形波あるいは歪んだ正弦波
であってもよい。また、同調周波数の安定化を図る場合
には、発振器3の構成を、水晶振動子を用いたPLL
(位相同期ループ)構成とすることが好ましい。
【0030】図2は、PLL構成の発振器3の一例を示
す図である。同図に示す発振器3は、安定した周波数の
基準信号frを発生する発振器(OSC)300と、こ
の基準信号frと帰還信号の位相および周波数比較を行
う位相比較器(PD)302と、位相比較器302によ
る比較結果に応じて出力電圧が変化するチャージポンプ
(CP)304と、チャージポンプ304の出力から高
周波成分を除去するローパスフィルタ(LPF)306
と、ローパスフィルタ306の出力電圧に応じて発振周
波数が制御される電圧制御型発振器(VCO)308
と、電圧制御型発振器308の出力に対して任意の分周
比N(Nは整数)の分周動作を行う分周器310とを含
んで構成されている。
【0031】発振器300は、例えば水晶振動子に生じ
る微小振動を増幅して9kHzの基準信号frを発生さ
せている。また、分周器310は、例えば外部からのデ
ータ入力により分周比Nが任意に設定可能なプログラマ
ブルカウンタによって構成されており、分周比Nを1ず
つ連続的に変化させることができる。したがって、この
分周器310の分周比Nを変化させたときに、電圧制御
型発振器308からは9kHz間隔のステップ状の基準
周波数信号が出力される。発振器300として電圧制御
型の発振器を用いれば、同調周波数の変更が可能とな
る。
【0032】同調検出回路4は、PLL制御を行って同
調回路1の同調周波数が安定したか否かを示す信号(検
出信号)を出力し、この検出信号は、同調回路1、PL
L制御回路3および入力切換回路5に入力される。同調
検出回路4は、具体的には、位相比較器32の2出力の
位相を比較することで同調回路1に所望の同調周波数が
設定されたか否かを判断する。例えば、位相比較器32
の2出力の位相が一致していれば、所望の同調周波数が
設定されたと判断して検出信号の信号レベルをハイレベ
ルにする。
【0033】次に、図1に示す同調機構の動作を説明す
る。同調機構を起動させた直後、あるいは同調周波数を
切り換えた直後は、同調回路1に所望の同調周波数が設
定されていないため、同調検出回路4から出力される検
出信号は例えばローレベルになる。この検出信号は、同
調回路1と入力切換回路5に入力され、入力切換回路5
は同調回路1への入力信号の入力を遮断し、同調回路1
は帰還ループのループゲインを1以上に設定する。PL
L制御回路3内の位相比較器32は、同調回路1の出力
信号と発振器31の出力信号との位相および周波数を比
較し、比較結果に応じた制御信号をチャージポンプ33
およびローパスフィルタ34を介して周波数制御回路2
に供給する。周波数制御回路2は、同調検出回路4から
の検出信号がローレベルのときには、PLL制御回路3
の出力に応じた制御信号を同調回路1に供給する。
【0034】以上により、同調回路1は、発振器31か
ら出力される基準周波数信号と同一周波数で発振動作を
行う。同調回路1が発振動作を行うための発振条件と、
同調動作を行うための同調条件は基本的に同じであるこ
とから、同調回路1が安定に発振しているときの発振周
波数は同調周波数と同じになる。
【0035】同調回路1が所望の周波数で安定して発振
するようになると、同調検出回路4から出力される検出
信号の信号レベルは反転して例えばハイレベルになる。
これにより、PLL制御回路3は一定レベルの信号を出
力し、周波数制御回路2は同調回路1の入出力信号間の
位相差に応じた制御信号を同調回路1に供給する。ま
た、入力切換回路5は同調回路1に対して外部からの入
力信号を入力し、同調回路1内部の帰還ループのループ
ゲインは例えば1未満に設定される。これにより、同調
回路1の入出力信号間の位相差がなくなるように、すな
わち、同調周波数が常に入力信号の周波数に追従して一
致するように制御される。
【0036】〔B.同調回路の詳細構成および動作〕図
2は、図1に示した同調回路1の詳細構成を示す回路図
である。同図に示す同調回路1は、2つの移相回路11
0C、130Cと、後段の移相回路130Cの出力側に
設けられた抵抗162および164からなる分圧回路1
60と、帰還抵抗170および入力抵抗174とを含ん
で構成されている。
【0037】なお、同調回路1の入力側に接続された入
力切換回路5は例えばアナログスイッチで構成され、外
部からの入力信号を同調回路1に入力するか否かを、同
調検出回路4からの検出信号に応じて切り換える。
【0038】図3は、図2に示した前段の移相回路11
0Cの構成を抜き出して示した回路図である。同図に示
す移相回路110Cは、差動増幅器の一種であるオペア
ンプ112と、入力端122に入力された交流信号の位
相を所定量シフトさせてオペアンプ112の非反転入力
端子に入力する可変抵抗116およびキャパシタ114
と、入力端122とオペアンプ112の反転入力端子と
の間に挿入された抵抗118と、オペアンプ112の出
力端子に接続されて分圧回路を構成する抵抗121およ
び123と、この分圧回路の出力端子とオペアンプ11
2の反転入力端子との間に接続された抵抗120とを含
んで構成されている。可変抵抗116は、外部からの制
御電圧に応じて抵抗値が変更可能であり、例えばFET
のチャネル抵抗を用いて形成され、図2に示す制御端子
194を介して外部から供給される制御電圧をゲートに
印加することにより抵抗値が設定される。
【0039】ここで、抵抗118と抵抗120の各抵抗
値が等しいものとし、可変抵抗116の両端電圧をVR
1、キャパシタ114と抵抗118、120との各両端
電圧をVC1、入力電圧をEi 、出力電圧をEo とする
と、入出力電圧の大きさと位相の関係は図4のベクトル
図で表され、出力信号の振幅は周波数に関係なく入力信
号の振幅と同じであって、位相シフト量は図4に示すφ
1 で表される。
【0040】図5は、図2に示した後段の移相回路13
0Cの構成を抜き出して示したものである。同図に示す
移相回路130Cは、差動増幅器の一種であるオペアン
プ132と、入力端142に入力された交流信号の位相
を所定量シフトさせてオペアンプ132の非反転入力端
子に入力する抵抗136およびキャパシタ134と、入
力端142とオペアンプ132の反転入力端子との間に
挿入された抵抗138と、オペアンプ132の出力端子
に接続されて分圧回路を構成する抵抗141および14
3と、この分圧回路の出力端子とオペアンプ132の反
転入力端子との間に接続された抵抗140とを含んで構
成されている。この移相回路130Cの基本的な構成は
前段の移相回路110Cと同じであり、移相回路130
C内のCR回路を構成するキャパシタ134と抵抗13
6との接続順序は移相回路110C内のCR回路を構成
するキャパシタ114と可変抵抗116との接続順序と
反対である。
【0041】したがって、キャパシタ134の両端電圧
をVC2、抵抗136の両端電圧をVR2とすると、入出力
電圧の大きさと位相との関係は図6のベクトル図で表さ
れ、出力信号の振幅は周波数に関係なく入力信号の振幅
と同じであって、位相シフト量は図6に示すφ2 で表さ
れる。
【0042】このようにして、2つの移相回路110
C、130Cのそれぞれにおいて位相が所定量シフトさ
れ、2つの移相回路110C、130Cを合わせた位相
シフト量の合計は所定の周波数において360°とな
る。
【0043】また、後段の移相回路130Cの出力側に
は図2に示すように分圧回路160が接続されており、
分圧回路160を構成する抵抗164には可変抵抗16
6が並列接続されている。この可変抵抗166は例えば
FETのチャネル抵抗により形成され、このFETのゲ
ート端子には図1に示した同調検出回路4からの検出信
号が入力される。
【0044】例えば、同調検出回路4からの検出信号が
ハイレベルになると、可変抵抗166の抵抗値が小さく
なって帰還ループのループゲインは小さくなって1未満
に設定される。この状態では、入力切換回路5が切り換
わって同調回路1に入力信号が入力され、図2に示す同
調回路1は2つの移相回路110C、130Cによる位
相シフト量の合計が360°となる周波数成分のみを抽
出する同調動作を行う。
【0045】一方、同調検出回路4からの検出信号がロ
ーレベルの場合には、可変抵抗166の抵抗値が大きく
なって帰還ループのループゲインは大きくなって1以上
になる。この状態では、入力切換回路5が切り換わって
入力端子190への信号入力が遮断され、2つの移相回
路110C、130Cを合わせた位相シフト量の合計が
360°となる周波数で同調回路1は発振動作を行う。
【0046】このように、図1に示す同調機構は、所望
の同調周波数が同調回路1に安定に設定されるまでは、
同調回路1の帰還ループのループゲインを1以上に設定
して同調回路1を発振させた状態でPLL制御を行うた
め、周波数設定を迅速かつ精度よく行うことができる。
【0047】また、同調回路1に所望の同調周波数が設
定された後は、帰還ループのループゲインを1未満に設
定することにより、同調回路1に所定の同調動作を行わ
せることができる。
【0048】また、図2に示す同調回路1は、後段の移
相回路130Cの出力側に分圧回路160を備えてお
り、この分圧回路160への入力電圧を同調出力として
取り出すため、同調回路1自体に利得を持たせることが
でき、同調動作と同時に信号振幅を増幅することができ
る。
【0049】なお、図2に示した同調回路1では、前段
の移相回路110C内に可変抵抗116を設けてCR回
路の時定数を変更可能としているが、移相回路110C
内のCR回路の時定数を変更する代わりに、後段の移相
回路130C内のCR回路の時定数を変更してもよい。
この場合には、移相回路130C内の抵抗136をFE
Tのチャネル抵抗等を用いて形成すればよい。
【0050】〔C.周波数制御回路の詳細構成および動
作〕次に、図1に示した周波数制御回路2の詳細につい
て説明する。図7は周波数制御回路2を構成する同期整
流回路21、パルス変換回路23、極性判別回路24お
よび電圧合成回路25の具体的構成を示す回路図であ
る。
【0051】同図に示す同期整流回路21は、アナログ
スイッチ(AS)30、電圧比較器32、レベルシフタ
(LS)34を含んで構成されている。
【0052】電圧比較器32の一方の入力端(例えば反
転入力端子)には同調回路1の出力信号が入力されてお
り、他方の入力端(例えば非反転入力端子)は接地され
ている。電圧比較器32は、互いに反転した信号を出力
する2つの出力端を備えており、一方の出力端はレベル
シフタ34に、他方の出力端は後述する極性判別回路2
4にそれぞれ接続されている。
【0053】レベルシフタ34は、電圧比較器32から
出力される信号の極性を反転するとともにレベルシフト
を行い、正極性と負極性の電圧レベルを有する矩形波を
参照信号として出力する。
【0054】アナログスイッチ30は、レベルシフタ3
4から出力される参照信号に同期して動作しており、参
照信号に並行して入力される同調回路1の入力信号を所
定のタイミングで通過させあるいは遮断する。
【0055】なお、電圧比較器32とアナログスイッチ
30の間に挿入されるレベルシフタ34を省略して同期
整流回路21を構成してもよい。
【0056】パルス変換回路23は、電圧比較器50
と、抵抗52、54からなる分圧回路とを含んで構成さ
れている。電圧比較器50の一方の入力端(例えば非反
転入力端子)には同期整流回路21内のアナログスイッ
チ30の出力信号が入力され、他方の入力端(例えば反
転入力端子)には分圧回路の分圧出力が入力される。分
圧回路を構成する抵抗54の抵抗値を抵抗52の抵抗値
よりも大きな値(例えば100倍程度)に設定すること
により、電圧比較器50の反転入力端子の電圧は0Vよ
り若干低いレベルに設定される。
【0057】電圧比較器50は、両入力端の電位を比較
し、比較結果を示す互いに極性が異なる2種類のパルス
列を出力する。そして、一方のパルス列は電圧合成回路
25に入力され、他方のパルス列は極性判別回路24に
入力される。
【0058】極性判別回路24は、2つのインバータ回
路60、61と2つのD型フリップフロップ62、63
を含んで構成され、これら2つのインバータ回路60、
61は遅延回路として機能する。極性判別回路24内の
D型フリップフロップ62のD入力端子には、同期整流
回路21の参照信号と同タイミングでレベルだけが異な
る信号が入力される。このD入力端子に入力された信号
は、パルス変換回路23から出力されるパルス列の立ち
上がりに同期してラッチされ、次段のD型フリップフロ
ップ63のD入力端子に入力される。これにより、次段
のD型フリップフロップ63は、パルス変換回路23内
の電圧比較器50から出力されるパルス列に基づいて、
位相の方向を表すHあるいはLレベルの電圧を出力す
る。
【0059】電圧合成回路25は、2つのトライステー
トバッファ700、702と、差動増幅器と、可変バイ
アス回路とを含んで構成され、差動増幅器はオペアンプ
704を含んでいる。
【0060】一方のトライステートバッファ700は、
入力端がパルス変換回路23内の電圧比較器50の反転
出力端に接続されており、出力端が抵抗710を介して
オペアンプ704の反転入力端子に接続されている。ト
ライステートバッファ700の制御端子にはアンドゲー
ト721が接続され、このアンドゲート721の一方の
入力端には極性判別回路24内の後段のフリップフロッ
プ63の出力端子Qが、他方の入力端には同調検出回路
4の出力端子がそれぞれ接続されている。したがって、
同調検出回路4の出力がローレベルの場合、すなわち同
調回路1に所望の同調周波数が設定されていない場合に
は、トライステートバッファ700の出力はハイインピ
ーダンスになる。一方、同調検出回路4の出力がハイレ
ベルの場合には、トライステートバッファ700の出力
はフリップフロップ63の出力端子Qの信号論理に従っ
て動作する。
【0061】同様に、他方のトライステートバッファ7
02は、入力端がパルス変換回路23内の電圧比較器5
0の反転出力端に接続されており、出力端が抵抗708
を介してオペアンプ704の非反転入力端子に接続され
ている。トライステートバッファ702の制御端子には
アンドゲート722が接続され、このアンドゲート72
2の一方の入力端には極性判別回路24内の後段のフリ
ップフロップ63の反転出力端子が、他方の入力端には
同調検出回路4の出力端がそれぞれ接続されている。し
たがって、同調検出回路4の出力がローレベルの場合に
はトライステートバッファ702の出力はハイインピー
ダンスになり、同調検出回路4の出力がハイレベルの場
合にはトライステートバッファ702の出力はフリップ
フロップ63の反転出力端子の信号論理に従って動作す
る。
【0062】オペアンプ704は、上述した2つのトラ
イステートバッファ700、702の各出力を各入力端
子に入力し、これらの差分を所定の増幅度で増幅すると
ともに所定の平滑動作を行って高周波成分を除去し、制
御信号を生成する。また、オペアンプ704の非反転入
力端子および反転入力端子には、それぞれ抵抗724、
725を介してPLL制御回路3の出力端子が接続され
ている。以上により、同調回路1に所望の同調周波数が
設定されていない場合には、オペアンプ704はPLL
制御回路3の出力に応じた制御信号を出力し、同調回路
1に所望の同調周波数が設定された後は、オペアンプ7
04は極性判別回路24の出力に応じた制御信号を出力
する。
【0063】上述した差動増幅器は、オペアンプ704
の他に、オペアンプ704の反転入力端子と出力端子と
の間に挿入された帰還抵抗712およびこの帰還抵抗7
12に並列接続されたキャパシタ714と、トライステ
ートバッファ702から出力される信号の電圧レベルを
分圧することによりオペアンプ704の2入力間の調整
を行うためにオペアンプ704の非反転入力端子とアー
スとの間に挿入された抵抗716およびこの抵抗716
に並列接続されたキャパシタ718と、オペアンプ70
4の反転入力端子とアースとの間に挿入されたキャパシ
タ720とを含んで構成されている。また、オペアンプ
704の非反転入力端子にはPLL制御回路3の出力端
子が抵抗を介して接続されている。
【0064】例えば、同調検出回路4の出力がローレベ
ルの場合、すなわち同調回路1に所望の同調周波数が設
定されていない場合には、オペアンプ704はPLL制
御回路3の出力に応じた信号を出力し、同調回路1に対
してPLL制御を行う。一方、同調回路1の出力がハイ
レベルになると、PLL制御回路3は一定レベルの信号
を出力し、オペアンプ704はフリップフロップ63の
論理に従って動作する。これにより、同調回路1は同調
周波数が入力信号の周波数に一致するような制御を行
う。
【0065】次に、同調回路1に所望の同調周波数が設
定された後の周波数制御回路2と同調回路1の動作につ
いてタイミング図を用いて説明する。
【0066】〔C−1.入力信号の周波数より同調周波
数が高い場合〕図8は、同調回路1に入力される信号の
周波数に比べて同調回路1の同調周波数の方が高い場合
のタイミング図であり、周波数制御回路2内の各構成の
入出力タイミングが示されている。同図(A)〜(N)
は図7の回路図において示した符号A〜Nに対応してい
る。また、同図(I)〜(N)に含まれる斜線領域は不
確定部分に対応しており、実際には同図に示した各構成
の入出力波形より前のタイミングで入出力される波形の
状態に応じてその状態が決定される。
【0067】同調回路1の入力信号の周波数より同調周
波数の方が高い場合には、2つの移相回路110C、1
30Cを合わせた位相シフト量の合計が360°より小
さくなるため、ある時点での同調回路1に入出力される
2つの信号を観察すると、図8(A)、(B)に示すよ
うな位相関係となる。
【0068】同期整流回路21内の電圧比較器32は、
同調回路1の出力信号の電圧レベルが0Vより低いとき
にはHレベル、0Vより高いときにはLレベルの信号を
出力する。したがって、電圧比較器32からは、図8
(C)に示すように同調出力と同じ周波数および位相を
有し、同調出力の電圧レベルが正極性のときにLレベ
ル、反対に同調出力の電圧レベルが負極性のときにHレ
ベルとなる矩形波が出力される。
【0069】なお、電圧比較器32は、上述した出力の
他に、その論理を反転した信号を反転出力端子から出力
しており、図8(D)にはその波形が示されている。
【0070】レベルシフタ34は、図8(C)に示す電
圧比較器32の出力に対して論理の反転を行って、図8
(E)に示すように、絶対値が等しい正極性および負極
性の電圧状態を有する矩形波を出力する。
【0071】アナログスイッチ30は、このレベルシフ
タ34から出力される矩形波の電圧レベルに応じてスイ
ッチのオンオフ動作を行う。同調回路1の同調周波数の
方が入力信号の周波数よりも高い場合には、図8(F)
に示すように、完全な半波整流波形よりもわずかに前方
にずれた波形、すなわち同調出力の上半分を取り出すよ
りタイミングよりもわずかに早いタイミングで取り出し
た波形がアナログスイッチ30から出力される。
【0072】電圧比較器50は、このアナログスイッチ
30の出力の電圧レベルが0Vより低くなったときだけ
Lレベルになり、それ以外はHレベルのパルス列を出力
する。したがって、アナログスイッチ30から出力され
る同期整流出力が半波整流波形よりわずかに前方にずれ
ている場合には、図8(G)に示すように、この前方の
ずれに対応するタイミングで電圧比較器50の出力がL
レベルになる。
【0073】なお、電圧比較器50は、上述した出力の
他に、その論理を反転した信号を反転出力端子から出力
しており、図8(H)にはその波形が示されている。
【0074】極性判別回路24内の前段のフリップフロ
ップ62は、電圧比較器50の出力がLレベルからHレ
ベルに立ち上がるタイミングで(正確には電圧比較器5
0の出力を2つのインバータ回路60、61を通した後
の信号が立ち上がるタイミングで)、同期整流回路21
内の電圧比較器32の反転出力端子から出力される信号
の論理を取り込んで保持する。図8(G)および(D)
に示すように、電圧比較器50から出力される信号が立
ち上がる際には、電圧比較器32の反転出力端子から出
力される信号がHレベルとなっているため、図8(I)
に示すように、この論理Hが前段のフリップフロップ6
2によって保持される。
【0075】また、後段のフリップフロップ63は、前
段のフリップフロップ62の出力を次に電圧比較器50
の出力がLレベルからHレベルに立ち上がるタイミング
で取り込んで保持し、図8(J)に示すように出力端子
Qから論理Hの信号を出力する。なお、フリップフロッ
プ63の反転出力端子からは、図8(K)に示すよう
に、この論理Hを反転した論理Lの信号が出力される。
【0076】このように、同調回路1の入力信号の周波
数より同調周波数の方が高い場合には、後段のフリップ
フロップ63の出力端子Qから論理Hの信号が出力さ
れ、反転出力端子からは論理Lの信号が出力され、トラ
イステートバッファ700はバッファとして動作し、ト
ライステートバッファ702の出力はハイインピーダン
スになる。
【0077】なお、トライステートバッファ702の出
力端は抵抗708および716を介して接地されている
ため、この出力端の電位は図8(M)に示すように0V
となる。
【0078】ところで、トライステートバッファ700
は、入力端子に電圧比較器50の反転出力端が、出力端
子に抵抗710を介してオペアンプ704の反転入力端
子が接続されている。このため、制御端子に論理Hの信
号が入力されてトライステートバッファ700が単なる
バッファとして動作すると、電圧比較器50の反転出力
端から出力される信号が抵抗710を介してオペアンプ
704の反転入力端子に入力される。
【0079】このようにしてオペアンプ704の反転入
力端子に正極性のパルスが入力されると、このパルス入
力に対応してオペアンプ704の出力端子の電圧が下が
る。ところで、実際にはオペアンプ704の反転入力端
子とアースとの間にはキャパシタ720が、オペアンプ
704の出力端子と反転入力端子との間にはキャパシタ
714がそれぞれ接続されており、出力電圧が平滑化さ
れるため、図8(N)に示すように、オペアンプ704
を含む差動増幅器は、トライステートバッファ700を
介して入力される信号のパルス幅に対応する分だけ出力
電圧、すなわち制御電圧がなだらかに低下する。
【0080】このようにして、同調回路1にフィードバ
ックされる制御電圧が低くなって同調回路1の同調周波
数を低い方に変化させる。このような制御は、同調回路
1の入力信号の周波数と同調周波数のずれがなくなるま
で繰り返され、所定時間経過後に同調周波数が入力信号
の周波数に一致する。
【0081】〔C−2.入力信号の周波数より同調周波
数の方が低い場合〕図9は、同調回路1に入力される信
号の周波数に比べて同調回路1の同調周波数が低い場合
のタイミング図であり、周波数制御回路2内の各構成の
入出力タイミングが示されている。図8と同様に、図9
(A)〜(N)は図7の回路図において示した符号A〜
Nに対応している。
【0082】同調回路1の入力信号の周波数より同調周
波数の方が低い場合には、2つの移相回路110C、1
30Cを合わせた位相シフト量の合計が360°より大
きくなるため、ある時点での同調回路1に入出力される
2つの信号を観察すると、図9(A)、(B)に示すよ
うな位相関係となる。
【0083】同期整流回路21内の電圧比較器32から
は同調回路1の同調出力に同期した信号(図9(C))
が出力され、レベルシフタ34ではこの信号を反転増幅
すると同時に所定のレベルシフトを行う(図9
(E))。アナログスイッチ30はレベルシフタ34の
出力信号の電圧レベルが正極性のときだけ同調回路1の
入力信号を通過させるため、図9(F)に示す出力波形
となる。
【0084】したがって、パルス変換回路23内の電圧
比較器50からは、図9(F)に示す出力波形において
電圧レベルが負極性となるタイミングで0Vに、それ以
外のタイミングでは所定の正電圧を有するパルス列が出
力される(図9(G))。
【0085】ところで、極性判別回路24内のフリップ
フロップ62は、このパルス列の立ち上がりに同期し
て、同期整流回路21内の電圧比較器32の反転出力端
子から出力される信号(図9(D))を取り込んで保持
するが、上述した矩形波の立ち上がりのタイミングと図
9(D)に示した電圧比較器32の出力の立ち下がりの
タイミングとはほぼ同時であるため、このままではフリ
ップフロップ62の入力データが確定する前にデータの
取り込みを行うおそれがある。インバータ回路60、6
1は、このような不都合を回避するために挿入された遅
延回路であり、データの取り込みタイミングを所定時間
遅延することにより、入力データが確定する前にデータ
を取り込むことを防止している。
【0086】なお、図7に示す構成では2つのインバー
タ回路60、61を用いて遅延回路を構成しているが、
4つ以上のインバータ回路や論理を反転しない複数のバ
ッファを用いる場合等、遅延回路を実現する手法につい
ては種々のものが考えられる。
【0087】このようにして、極性判別回路24内の2
つのフリップフロップ62、63のそれぞれは、同期整
流回路21内の電圧比較器32の反転出力端子から出力
される信号の0V部分(論理Lに相当する)を取り込む
ため、後段のフリップフロップ63の出力端子Qとその
反転出力端子からは図9(J)、(K)に示すように論
理Lおよび論理Hの信号がそれぞれ出力される。
【0088】このフリップフロップ63の各出力信号
は、図8に示した場合、すなわち入力信号の周波数より
も同調周波数の方が高い場合と比べると、反対の論理状
態を有しており、電圧合成回路25内のトライステート
バッファ702のみがバッファとして動作する(図9
(L)、(M))。したがって、オペアンプ704を含
んで構成される差動増幅器の非反転入力端子に所定のパ
ルス幅を有する正極性のパルスが入力され、この差動増
幅器から同調回路1に向けて出力される制御電圧がなだ
らかに上昇して(図9(N))、同調回路1の同調周波
数を高い方に変化させる。このような制御は、同調回路
1の入力信号の周波数と同調周波数のずれがなくなくま
で繰り返され、所定時間経過後に同調周波数が入力信号
の周波数に一致する。
【0089】このように、図7に詳細を示す周波数制御
回路2は、同調回路1の入出力信号間の位相差がなくな
るように制御を行うため、同調周波数が常に入力信号の
周波数に追従して一致するようになる。したがって、例
えばスーパーヘテロダイン方式の受信機に用いた場合に
おいては、入力される放送波等のキャリアの周波数に容
易に同調周波数を一致させることができる。
【0090】また、周波数制御回路2により同調周波数
の制御を行う際は、同調回路1内部の帰還ループのルー
プゲインが1未満になるように制御するため、同調回路
1が発振するおそれはなく、安定した同調動作が行われ
る。
【0091】また、本実施形態の同調機構を実現する同
調回路1および周波数制御回路2は、フリップフロップ
等の各種のデジタル回路やオペアンプ、キャパシタ、抵
抗によって構成されており、いずれの素子も半導体基板
上に形成することができることから、同調機構全体ある
いは同調機構やその周辺回路を含む全体を半導体基板上
に集積化することができる。
【0092】特に、同調機構全体を集積化した場合に
は、製造したチップ毎に回路定数に大きなばらつきが生
じて周波数特性が一定しないことが考えられるが、この
ような場合であっても本実施形態の同調機構によれば、
同調周波数の設定時にはPLL制御により、周波数設定
後は所定周波数を有する入力信号に追随するように同調
回路1の同調周波数が変化するため、同調特性のばらつ
きが実際の同調特性に影響することはなく、常に安定し
た特性が得られる。
【0093】また、同調機構全体を集積化した場合に
は、使用時の温度変化に伴って抵抗等の各種の素子定数
が変化することも考えられるが、本実施形態の同調制御
方式では常に入力信号の周波数に一致するような制御を
行っているため、各種の素子定数が変化した場合であっ
ても適度なフィードバックがかかり、同調周波数の変動
を抑制できる。
【0094】なお、図7に示した周波数制御回路2内の
電圧合成回路25は、トライステートバッファを含んで
構成されているが、トライステートバッファ以外の素
子、例えばノアゲート等の論理素子やアナログスイッチ
を用いて構成することもできる。
【0095】〔第2の実施形態〕図10は、同調機構の
第2の実施形態の構成を示す回路図である。同図に示す
同調機構は、図7と同様の構成を有する同調回路1、同
調検出回路4、同期整流回路21、パルス変換回路23
および極性判別回路24を含んでいる。
【0096】パルス変換回路23内部の電圧比較器50
の出力端子には、図7と同様にトライステートバッファ
700、702が接続され、これらトライステートバッ
ファ700、702にはそれぞれトライステートバッフ
ァ801、802がさらに接続されている。これらトラ
イステートバッファ801、802は同調検出回路4か
らの検出信号によって制御される。また、トライステー
トバッファ700、702の出力端子にはそれぞれプル
ダウン抵抗803、804が接続されている。
【0097】一方、PLL制御回路3は、発振器31、
位相比較器32、チャージポンプ33およびローパスフ
ィルタ34の他に、トライステートバッファ35、36
を含んで構成されている。トライステートバッファ3
5、36は同様に同調検出回路4からの検出信号によっ
て制御される。
【0098】トライステートバッファ35、801の出
力は互いに接続されてチャージポンプ33の一方の入力
端子に入力され、同様にトライステートバッファ36、
802の出力は互いに接続されてチャージポンプ33の
他方の入力端子に入力される。
【0099】位相比較器32は2つの出力端子X、Yを
備えており、各出力端子X、Yからは、互いに位相の異
なるパルス信号が出力される。例えば、同調回路1の出
力信号と発振器31から出力される信号の周波数が等し
い場合には、位相比較器32の2つの出力端X、Yから
は周期およびパルス幅が等しいパルスが交互に出力さ
れ、チャージポンプ33に内蔵されたコンデンサに対す
る充電量と放電量が等しくなり、チャージポンプ33の
出力電圧の平均レベルは所定の値に維持される。これに
対し、位相比較器32の2入力の周波数が異なる場合に
は、位相比較器32の2つの出力端X、Yのそれぞれか
ら出力されるパルス列のパルス幅に差が生じるため、チ
ャージポンプ33に内蔵されたコンデンサに対する充放
電のバランスがくずれて充電過多あるいは放電過多の状
態となり、チャージポンプ33の出力電圧の平均レベル
が一方向に変化する。
【0100】一方、トライステートバッファ700、7
02は、極性判別回路24内の後段のフリップフロップ
63の出力端子の論理に従って動作しており、一方のト
ライステートバッファからパルスが出力されているとき
には、他方のトライステートバッファの出力はハイイン
ピーダンス状態になる。すなわち、同調回路1の入出力
信号の位相のずれ方向に応じていずれか一方のトライス
テートバッファからのみパルスが出力される。
【0101】このように、位相比較器32と、トライス
テートバッファ700、702からは、機能的に等しい
信号が出力されるため、図10に示す同調機構では、位
相比較器32の出力とトライステートバッファ700、
702の出力とを、トライステートバッファ35、3
6、800、801を介してチャージポンプ33に入力
することにより、回路の簡素化を図っている。
【0102】次に、図10に示す同調機構の動作を説明
する。同調機構を起動させた直後、あるいは同調周波数
を切り換えた直後は、同調検出回路4から出力される検
出信号はローレベルになり、トライステートバッファ8
01、802の出力はハイインピーダンスになるととも
に、トライステートバッファ35、36はバッファとし
て動作し、位相比較器32の出力はトライステートバッ
ファ35、36を介してチャージポンプ33に供給され
る。チャージポンプ33の出力はローパスフィルタ34
を介して同調回路1にフィードバックされる。また、こ
のとき、同調回路1内部の帰還ループのループゲインは
同調検出回路4からの検出信号によって1以上に設定さ
れるため、同調回路1は所望の発振周波数で発振するよ
うにPLL制御回路3によってPLL制御される。
【0103】同調回路1が所望の周波数で安定して発振
するようになると、同調検出回路4の出力が反転してハ
イレベルになり、トライステートバッファ35、36の
出力がハイインピーダンスになるとともに、トライステ
ートバッファ801、802がバッファとして動作す
る。したがって、パルス変換回路23の出力はチャージ
ポンプ33およびローパスフィルタ34を介して同調回
路1にフィードバックされる。また、入力切換回路5が
切り換わって同調回路1に入力信号が入力され、同調回
路1は入力信号の中に含まれる所定の周波数成分のみを
抽出する同調動作を行う。
【0104】なお、図10に示した回路図において、ト
ライステートバッファ801、802を設ける代わり
に、図7と同様に、トライステートバッファ700、7
02の各制御端子にアンドゲートを接続し、同調検出回
路4の出力に応じてトライステートバッファ700、7
02の出力を切り換えてもよい。
【0105】〔同調回路の第1の変形例〕図2に示す同
調回路1は、CR回路を含む移相回路110C、130
Cを縦続接続しているが、CR回路をLR回路に置き換
えることも可能である。
【0106】図11に示す移相回路110Lは、図2に
示した移相回路110C内のキャパシタ114と可変抵
抗116からなるCR回路を、可変抵抗116とインダ
クタ117からなるLR回路に置き換えた構成を有して
いる。また、図12に示す移相回路130Lは、図2に
示した移相回路130C内のキャパシタ134と抵抗1
36からなるCR回路を、抵抗136とインダクタ13
7からなるLR回路に置き換えた構成を有している。
【0107】図11に示す移相回路110Lは図2に示
した前段の移相回路110Cと等価であり、図12に示
す移相回路130Lは図2に示す後段の移相回路130
Cと等価であるため、図2に示した2つの移相回路11
0C、130Cの少なくとも一方を、図11あるいは図
12に示す移相回路110L、130Lに置き換えるこ
とができる。
【0108】ところで、同調回路1の内部に、移相回路
110Cを含む場合と、移相回路110Lを含む場合で
は、同調周波数の制御方向が反対になるため、単に移相
回路110Cを移相回路110Lに置き換えただけで
は、同調周波数は安定しない。したがって、移相回路1
10Cを移相回路110Lに置き換える場合には、図1
に示す位相比較器32の入力端A、Bと同調回路1およ
び発振器31との接続を逆にするか、あるいは位相比較
器32の出力端X、Yとチャージポンプ33との接続を
逆にする必要がある。
【0109】〔同調回路の第2の変形例〕図13は、同
調回路の第2の変形例を示す回路図である。同図に示す
同調回路1Aに含まれる前段の移相回路210Cは、内
部に分圧回路を含んでいない代わりに、抵抗118′の
抵抗値よりも抵抗120′の抵抗値を大きく設定するこ
とにより、移相回路210Cの利得を1より大きくして
いる。
【0110】同様に、後段の移相回路230Cは、内部
に分圧回路を含んでいない代わりに、抵抗138′の抵
抗値よりも抵抗140′の抵抗値を大きく設定すること
により、移相回路230Cの利得を1より大きくしてい
る。
【0111】抵抗119および139は、移相回路21
0Cおよび230Cの利得の変動を抑えるために設けら
れており、抵抗119および139の抵抗値Rは、R=
mr/(m−1)の関係を満たすように設定するのが望
ましい。ただし、rは抵抗118′および138′の抵
抗値、mrは抵抗120′および140′の抵抗値であ
る。なお、抵抗119および抵抗139の一方端はグラ
ンドレベル以外の固定電位に接続してもよい。
【0112】なお、図13に示す同調回路1Aは、移相
回路内にCR回路を含む例を示しているが、CR回路を
LR回路に置き換えることも可能である。例えば、図1
4に示す移相回路210Lは図13に示した前段の移相
回路210Cと等価であり、移相回路210Cとの置き
換えが可能である。同様に、図15に示す移相回路23
0Lは図13に示した後段の移相回路230Cと等価で
あり、移相回路130Cとの置き換えが可能である。
【0113】〔同調回路の第3の変形例〕図16は同調
回路の第3の変形例を示す回路図である。同図に示す同
調回路1Bの基本的な構成は図2に示した同調回路1と
同じであり、前段の移相回路110Cのさらに前段にト
ランジスタによるホロワ回路50を挿入した点で図2に
示す同調回路1と相違している。なお、図16に示すホ
ロワ回路50は、いわゆるソースホロワ回路で構成され
ているが、エミッタホロワ回路で構成してもよい。
【0114】このように、前段の移相回路110C等の
さらに前段にトランジスタによるホロワ回路を縦続接続
すれば、図2に示した同調回路1等と比較して、帰還抵
抗170や入力抵抗174の抵抗値を大きくすることが
できる。特に、同調回路全体を半導体基板上に集積化す
るような場合には、帰還抵抗170等の抵抗値を小さく
しようとすると素子の占有面積を大きくしなければなら
ないため、ある程度抵抗値が大きい方が望ましい。した
がって、集積化する場合などは、図16に示すようなホ
ロワ回路50を接続するのが有効である。
【0115】〔同調回路の第4の変形例〕図17は同調
回路の第4の変形例を示す回路図である。同図に示す同
調回路1Cは、図2に示した移相回路110Cから抵抗
121および123を除いた構成を有する移相回路31
0Cと、移相回路130Cから抵抗141および143
を除いた構成を有する移相回路330Cと、非反転回路
150とを縦続接続したものである。
【0116】非反転回路150は、オペアンプ152と
抵抗154および156によって構成されており、2つ
の抵抗154、156の抵抗比に応じた所定の利得を有
している。したがって、帰還ループを形成した際の損失
をこの利得で補うことができ、帰還ループのループゲイ
ンを容易に1以上に設定することができる。また、非反
転回路150に電力増幅段としての機能を持たせること
もできる。
【0117】なお、図17に示した非反転回路150
は、図13に示した同調回路1Aの帰還ループの一部に
接続することも可能である。
【0118】〔同調回路の第5の変形例〕図18は同調
回路の第5の変形例を示す回路図である。同図に示す同
調回路1Dは、図17に示した後段の移相回路330C
の代わりに移相回路310C′を接続し、非反転回路1
50の代わりに位相反転回路180を接続したものであ
る。移相回路310C′は、可変抵抗116の代わりに
抵抗値が固定の抵抗115が接続されている他は、前段
の移相回路310Cと同じ構成を有している。
【0119】位相反転回路180によって信号が反転す
るため、2つの移相回路310Cおよび310C′を合
わせた位相シフト量が180°となる周波数において、
帰還ループ全体での位相シフト量は360°となり、こ
の周波数で所定の同調動作が行われる。
【0120】一方、図19は、移相回路310Cおよび
310C′の代わりに、移相回路330C′および33
0Cと、位相反転回路180とを縦続接続した同調回路
1Eの構成を示す回路図である。同調回路1Eも、同調
回路1Dと同様に、2つの移相回路330C′および3
30Cと位相反転回路180を合わせた位相シフト量の
合計は所定の周波数において360°となり、この周波
数で所定の同調動作が行われる。
【0121】〔同調回路の第6の変形例〕図20は、同
調回路の第6の変形例を示す回路図である。同図に示す
同調回路1Fは、2つの移相回路410C、430C
と、非反転回路450と、非反転回路450の出力側に
接続された分圧回路160と、帰還抵抗470と、入力
抵抗474とを含んで構成されている。帰還抵抗470
は0Ωから有限の抵抗値を有している。また、帰還抵抗
470と直列に接続されたキャパシタ472は直流電流
を阻止するためのものである。
【0122】図20に示す前段の移相回路410Cは、
ゲートが移相回路410Cの入力端に接続されたFET
412と、このFET412のソース・ドレイン間に直
列に接続されたキャパシタ414および可変抵抗416
により構成されるCR回路と、FET412のドレイン
と正電源との間に接続された抵抗418と、FET41
2のソースとアースとの間に接続された抵抗420とを
含んで構成されている。なお、移相回路410C内の抵
抗426はFET412に適切なバイアス電圧を印加す
るためのものである。また、FET412および後述す
るFET432は、少なくとも一方をバイポーラトラン
ジスタに置き換えてもよい。
【0123】可変抵抗416は、外部からの制御電圧に
応じて抵抗値が変更可能であり、例えばFETのチャネ
ル抵抗を用いて形成され、制御端子194を介して外部
から供給される制御電圧をゲートに印加することにより
抵抗値が設定される。
【0124】ここで、上述したFET412のソースお
よびドレインに接続された2つの抵抗418、420の
抵抗値はほぼ等しく設定されており、ゲートに印加され
る入力電圧の交流成分に着目すると、位相が一致した信
号がFET412のソースから出力され、位相が反転す
るとともにソースから出力される信号と振幅が等しい信
号がFET412のドレインから出力される。このソー
スおよびドレインに現れる交流電圧の振幅をともにEi
とする。
【0125】可変抵抗416の両端電圧をVR1、キャパ
シタ414の両端電圧をVC1、キャパシタ414と可変
抵抗416の接続点とグランドレベルとの電位差を出力
電圧Eo とすると、これらの関係は図21のベクトル図
で表され、出力信号の振幅は周波数に関係なく一定であ
って、位相シフト量は図21に示すφ3 で表される。
【0126】一方、図20に示す後段の移相回路430
Cは、ゲートが移相回路430Cの入力端に接続された
FET432と、このFET432のソース・ドレイン
間に直列に接続された抵抗436およびキャパシタ43
4と、FET432のドレインと正電源との間に接続さ
れた抵抗438と、FET432のソースとアースとの
間に接続された抵抗440とを含んで構成されている。
なお、移相回路430C内の抵抗446はFET432
に適切なバイアス電圧を印加するためのものであり、移
相回路430Cと410Cの間に挿入されたキャパシタ
448は直流電流阻止用である。
【0127】この移相回路430Cの基本的な構成は前
段の移相回路410Cと同じであり、抵抗436とキャ
パシタ434からなるCR回路の接続を前段の移相回路
410C内のキャパシタ414と可変抵抗416からな
るCR回路の接続と反対にした点が異なっている。
【0128】移相回路430Cの出力電圧Eo とキャパ
シタ434の両端電圧VC2および抵抗436の両端電圧
VR2との関係は図22のベクトル図で表され、出力信号
の振幅は周波数に関係なく一定であって、位相シフト量
は図22に示すφ4 で表される。
【0129】このようにして、2つの移相回路410
C、430Cのそれぞれにおいて位相が所定量シフトさ
れ、2つの移相回路を合わせた位相シフト量の合計は所
定の周波数において360°になる。
【0130】また、非反転回路450は、ドレインと正
電源との間に抵抗454が、ソースとアースとの間に抵
抗456がそれぞれ接続されたFET452と、ベース
がFET452のドレインに接続されているとともにコ
レクタが抵抗460を介してソースに接続されたトラン
ジスタ458と、FET452に適切なバイアス電圧を
印加するための抵抗462とを含んで構成されている。
【0131】非反転回路450の増幅度は、上述した抵
抗454、456、460の各抵抗値によって決まり、
これら各抵抗の抵抗値を調整することにより、図20に
示した2つの移相回路410C、430Cおよび抵抗4
70を含んで形成される帰還ループのループゲインを調
整できる。
【0132】なお、図20に示した同調回路1Fは、2
つの移相回路をともにCR回路を含んで構成したが、少
なくとも一方の移相回路をLR回路を含む移相回路に置
き換えることもできる。
【0133】図23および図24は、LR回路を含む移
相回路410L、430Lの構成を示す回路図である。
図20に示した2つの移相回路410C、430Cの少
なくとも一方を移相回路410L、430Lに置き換え
ることができる。
【0134】〔同調回路の第7の変形例〕図25は、同
調回路の第7の変形例を示す回路図である。同図に示す
同調回路1Gは、図20に示した前段の移相回路410
Cと、移相回路410C内の可変抵抗416の抵抗値を
固定にした移相回路410C′と、位相反転回路480
とを縦続接続し、位相反転回路480の出力を抵抗47
0を介して前段の移相回路410Cの入力側に帰還させ
ている。
【0135】位相反転回路480によって信号が反転す
るため、2つの移相回路410Cおよび410C′を合
わせた位相シフト量が180°となる周波数において、
帰還ループ全体での位相シフト量は360°となり、こ
の周波数で所定の同調動作が行われる。
【0136】図26は、移相回路410Cの代わりに移
相回路430C′、430Cを縦続接続し、その後段に
位相反転回路480を接続した同調回路1Hの構成を示
す回路図である。同調回路1Hも、同調回路1Gと同様
に、2つの移相回路430C′、430Cと位相反転回
路480を合わせた位相シフト量の合計が所定の周波数
において360°となり、この周波数で所定の同調動作
が行われる。
【0137】〔同調回路の第8の変形例〕図27は、同
調回路の第8の変形例を示す回路図である。同図に示す
同調回路1Jは、入力される交流信号の位相を変えずに
出力する非反転回路550と、所定の周波数において合
計で360°の位相シフトを行う2つの移相回路510
C、530Cと、帰還抵抗570とを含んで構成されて
いる。
【0138】非反転回路550は、バッファ回路として
機能するものであり、例えばエミッタホロワ回路やソー
スホロワ回路等により構成されている。なお、直接接続
した場合の損失等を最小限に抑えるように帰還抵抗57
0等の各素子の素子定数を選定した場合には、この非反
転回路550を省略して同調回路1Jを構成してもよ
い。
【0139】図27に示す前段の移相回路510Cは、
2入力の差分電圧を所定の増幅度で増幅して出力する差
動増幅器512と、入力された交流信号の位相を所定量
シフトさせて差動増幅器512の非反転入力端子に入力
するキャパシタ514および可変抵抗516と、入力さ
れた交流信号の位相を変えずにその電圧レベルを約1/
2に分圧して差動増幅器512の反転入力端子に入力す
る抵抗518および520とを含んで構成されている。
【0140】可変抵抗516は、外部からの制御電圧に
応じて抵抗値が変更可能であり、例えばFETのチャネ
ル抵抗を用いて形成され、制御端子194を介して外部
から供給される制御電圧をゲートに印加することにより
抵抗値が設定される。
【0141】図28は、図27に示す移相回路510C
の入出力電圧とキャパシタ等に現れる電圧との関係を示
すベクトル図である。
【0142】同図に示すように、可変抵抗516の両端
に現れる電圧VR1とキャパシタ514の両端に現れる電
圧VC1は互いに位相が90°ずれており、これらをベク
トル的に加算したものが移相回路510Cの入力電圧E
i に相当する。したがって、入力電圧Ei の振幅が一定
で周波数のみが変化した場合には、図28に示す半円の
円周に沿って可変抵抗516の両端電圧VR1とキャパシ
タ514の両端電圧VC1とが変化する。
【0143】また、差動増幅器512の非反転入力端子
に印加される電圧(可変抵抗516の両端電圧VR1)か
ら反転入力端子に印加される電圧(抵抗520の両端電
圧Ei /2)をベクトル的に減算したものが差分電圧E
o ′となり、この差分電圧Eo ′を所定の増幅度で増幅
したものが差動増幅器512の出力電圧Eo となる。
【0144】また、図28から明らかなように、電圧V
C1と電圧VR1とは円周上で直角に交わるため、入力電圧
Ei と電圧VC1との位相差は、周波数ωが0から∞まで
変化するに従って、入力電圧Ei を基準として時計回り
方向(位相遅れ方向)に180°から270°まで変化
する。そして、移相回路510C全体の位相シフト量φ
5 は、周波数に応じて180°から360°まで変化す
る。
【0145】一方、図27に示す後段の移相回路530
Cは、2入力の差分電圧を所定の増幅度で増幅して出力
する差動増幅器532と、入力された交流信号の位相を
所定量シフトさせて差動増幅器532の非反転入力端子
に入力するキャパシタ534および抵抗536と、入力
された交流信号の位相を変えずにその電圧レベルを約1
/2に分圧して差動増幅器512の反転入力端子に入力
する抵抗538および540とを含んで構成されてい
る。
【0146】図29は、図27に示した移相回路530
Cの入出力電圧とキャパシタ等に現れる電圧との関係を
示すベクトル図である。
【0147】同図に示すように、キャパシタ534の両
端に現れる電圧VC2と抵抗536の両端に現れる電圧V
R2は、互いに位相が90°ずれており、これらをベクト
ル的に加算したものが入力電圧Ei となる。したがっ
て、入力信号の振幅が一定で周波数のみが変化した場合
には、図29に示す半円の円周に沿ってキャパシタ53
4の両端電圧VC2と抵抗536の両端電圧VR2とが変化
する。
【0148】また、差動増幅器532の非反転入力端子
に印加される電圧(キャパシタ534の両端電圧VC2)
から反転入力端子に印加される電圧(抵抗540の両端
電圧Ei /2)をベクトル的に減算したものが差分電圧
Eo ′となり、この差分電圧Eo ′を所定の増幅度で増
幅したものが差動増幅器532の出力電圧Eo となる。
【0149】また、図29から明らかなように、電圧V
R2と電圧VC2とは円周上で直角に交わるため、入力電圧
Ei と電圧VR2との位相差は、周波数ωが0から∞まで
変化するに従って0°から90°まで変化する。そし
て、移相回路530C全体の位相シフト量φ6 は周波数
に応じて0°から180°まで変化する。
【0150】このようにして、2つの移相回路510
C、530Cのそれぞれにおいて位相が所定量シフトさ
れ、2つの移相回路510C、530Cを合わせた位相
シフト量の合計は所定の周波数において360°にな
る。
【0151】また、上述した同調回路1Jは、2つの移
相回路をともにCR回路を含んで構成したが、LR回路
を含む移相回路に置き換えることもできる。
【0152】図30および図31は、LR回路を含む移
相回路の構成を示す回路図である。図30に示す移相回
路510Lは、図27に示した移相回路510C内のキ
ャパシタ514と可変抵抗516からなるCR回路を、
可変抵抗516とインダクタ517からなるLR回路に
置き換えた構成を有している。
【0153】また、図31に示す移相回路530Lは、
図27に示した移相回路530C内のキャパシタ534
と抵抗536からなるCR回路を、抵抗536とインダ
クタ537からなるLR回路に置き換えた構成を有して
いる。
【0154】図30に示す移相回路510Lは図27に
示した前段の移相回路510Cと等価であり、図31に
示す移相回路530Lは図27に示した後段の移相回路
530Cと等価であるため、図27に示した2つの移相
回路510C、530Cの少なくとも一方を移相回路5
10L、530Lに置き換えることができる。
【0155】〔同調回路の第9の変形例〕図32は、同
調回路の第9の変形例を示す回路図である。同図に示す
同調回路1Kは、入力される交流信号の位相を反転して
出力する位相反転回路580と、所定の周波数において
合計で180°の位相シフトを行う2つの移相回路51
0C、510C′と、帰還抵抗570と、入力抵抗57
4とを含んで構成されている。
【0156】2つの移相回路510C、510C′の入
出力信号の位相関係は図28を用いて説明した通りであ
り、所定の周波数において、2つの移相回路510Cを
合わせた位相シフト量の合計は180°となる。
【0157】また、2つの移相回路510C、510
C′の前段に接続された位相反転回路580は、入力さ
れる交流信号の位相を反転するものであり、例えば、エ
ミッタ接地回路やソース接地回路あるいはオペアンプと
抵抗を組み合わせた回路によって構成される。
【0158】位相反転回路580によって信号が反転す
るため、2つの移相回路510Cおよび510C′を合
わせた位相シフト量が180°となる周波数において、
帰還ループ全体での位相シフト量は360°となり、こ
の周波数で所定の同調動作が行われる。
【0159】図33は、移相回路510C′、510C
の代わりに移相回路530C′、530Cを2段縦続接
続した同調回路1Lの構成を示す回路図である。同調回
路1Lも、同調回路1Kと同様に、2つの移相回路53
0C′、530Cと位相反転回路580を合わせた位相
シフト量の合計が所定の周波数において360°とな
り、この周波数で所定の同調動作が行われる。
【0160】ところで、上述した同調回路1C、1D、
1E、1F、1G、1H、1J等は、非反転回路と2つ
の移相回路あるいは位相反転回路と2つの移相回路を含
んで構成されており、接続された3つの回路の全体によ
って所定の周波数において合計の位相シフト量を360
°にすることにより所定の同調動作を行うようになって
いる。したがって、位相シフト量だけに着目すると、2
つの移相回路のどちらを前段に用いるか、あるいは上述
した3つの回路をどのような順番で接続するかはある程
度の自由度があり、必要に応じて接続順番を決めること
ができる。
【0161】〔その他の実施形態〕なお、本発明は上記
実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範
囲内で種々の変形実施が可能である。
【0162】例えば、上述した同調回路1、1A、1
B、1C、1D、1Eは、オペアンプを含む移相回路を
用いて同調回路を構成することにより高い安定度を実現
することができるが、同調回路を構成する場合にはオフ
セット電圧や電圧利得はそれほど高精度のものが要求さ
れないため、所定のゲインを有する差動増幅器を各移相
回路内のオペアンプの代わりに使用してもよい。
【0163】図34は、オペアンプの構成の中で移相回
路の動作に必要な部分を抽出した回路図であり、全体が
所定のゲインを有する差動増幅器として動作する。同図
に示す差動増幅器は、FETにより構成された差動入力
段100と、この差動入力段100に定電流を与える定
電流回路102と、定電流回路102に所定のバイアス
電圧を与えるバイアス回路104と、差動入力段100
に接続された出力アンプ106とによって構成されてい
る。同図に示すように、実際のオペアンプに含まれてい
る電圧利得を稼ぐための多段増幅回路を省略して、差動
増幅器の構成を簡略化し、広帯域化を図ることができ
る。このように、回路の簡略化を行うことにより、動作
周波数の上限を高くすることができるため、その分この
差動増幅器を用いて構成した同調回路の出力周波数の上
限を高くすることができる。
【0164】また、上述した同調回路1等に含まれる移
相回路10C等には可変抵抗16が含まれている。この
可変抵抗16はさらに具体的には接合型あるいはMOS
型の電界効果トランジスタ(FET)のチャネル抵抗を
利用して実現することができる。FETのソース・ドレ
イン間に形成されるチャネルを抵抗体として利用して可
変抵抗16の代わりに使用すると、ゲート電圧を可変に
制御してこのチャネル抵抗をある範囲で任意に変化させ
て各移相回路における位相シフト量を変えることができ
る。
【0165】また、可変抵抗を1つのFET、すなわち
pチャネルあるいはnチャネルのFETによって構成す
る代わりに、pチャネルのFETとnチャネルのFET
とを並列接続して1つの可変抵抗を構成し、各FETの
ゲートとサブストレート間に大きさが等しく極性が異な
るゲート電圧を印加して抵抗値を可変してもよい。2つ
のFETを組み合わせて可変抵抗を構成すれば、FET
の非線形領域の改善を行うことができるため、同調信号
の歪みを軽減できる。
【0166】また、上述した各実施形態において示した
移相回路10C等は、キャパシタ14等と直列に接続さ
れた可変抵抗16等の抵抗値を変化させて位相シフト量
を変化させることにより全体の同調周波数を変えるよう
にしたが、キャパシタ14等の静電容量を変化させるこ
とにより全体の同調周波数を変えるようにしてもよい。
【0167】例えば、2つの移相回路の中の少なくとも
一方に含まれるキャパシタ14等を可変容量素子に置き
換えてこの静電容量を可変することにより、各移相回路
による移相シフト量を変化させて同調周波数を変えるこ
とができる。さらに具体的には、上述した可変容量素子
をアノード・カソード間に印加する逆バイアス電圧が変
更可能な可変容量ダイオードによって、あるいはゲート
電圧によってゲート容量が変更可能なFETによって形
成することができる。
【0168】なお、上述した可変容量素子に印加する逆
バイアス電圧を可変するには、この可変容量素子と直列
に直流電流阻止用のキャパシタを接続すればよい。
【0169】また、上述した同調回路1等では、帰還イ
ンピーダンス素子として抵抗値が固定の帰還抵抗70を
用い、入力インピーダンス素子として抵抗値が固定の入
力抵抗74を用いるようにしたが、少なくとも一方の抵
抗を可変抵抗により構成して、同調回路1等における同
調帯域幅を可変するようにしてもよい。
【0170】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、同調回路への入力信号の入力を遮断して同調回路
を発振させた状態で同調回路に対してPLL制御を行う
ため、所望の同調周波数を迅速かつ精度よく設定できる
ようになる。また、同調回路に所望の同調周波数が安定
して設定された後は、同調回路のループゲインを所定値
未満に設定して同調動作を行わせ、同調回路の入出力信
号間の位相差に基づいて同調周波数を制御するため、同
調周波数を入力信号の周波数に精度よく一致させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同調制御方式を適用した同調機構の一
実施形態のブロック図である。
【図2】図1に示した同調回路の詳細構成を示す回路図
である。
【図3】図2に示した前段の移相回路の構成を抜き出し
て示した回路図である。
【図4】図3に示した移相回路の入出力電圧の大きさと
位相の関係を示す図である。
【図5】図2に示した後段の移相回路の構成を抜き出し
て示した回路図である。
【図6】図5に示した移相回路の入出力電圧の大きさと
位相の関係を示す図である。
【図7】周波数制御回路の詳細構成を示す回路図であ
る。
【図8】同調回路への入力信号の周波数よりも同調周波
数の方が高い場合のタイミング図である。
【図9】同調回路への入力信号の周波数よりも同調周波
数の方が低い場合のタイミング図である。
【図10】同調機構の第2の実施形態の構成を示す回路
図である。
【図11】LR回路を内部に含む移相回路の構成を示す
回路図である。
【図12】LR回路を内部に含む移相回路の他の構成を
示す回路図である。
【図13】同調回路の第2の変形例を示す回路図であ
る。
【図14】LR回路を内部に含む移相回路の構成を示す
回路図である。
【図15】LR回路を内部に含む移相回路の他の構成を
示す回路図である。
【図16】同調回路の第3の変形例を示す回路図であ
る。
【図17】同調回路の第4の変形例を示す回路図であ
る。
【図18】位相反転回路を含む同調回路の構成を示す回
路図である。
【図19】位相反転回路を含む同調回路の他の構成を示
す回路図である。
【図20】同調回路の第6の変形例を示す回路図であ
る。
【図21】図20に示す前段の移相回路の入出力電圧の
大きさと位相の関係を示す図である。
【図22】図20に示す後段の移相回路の入出力電圧の
大きさと位相の関係を示す図である。
【図23】LR回路を内部に含む移相回路の構成を示す
回路図である。
【図24】LR回路を内部に含む移相回路の他の構成を
示す回路図である。
【図25】同調回路の第7の変形例を示す回路図であ
る。
【図26】位相反転回路を含む同調回路の構成を示す回
路図である。
【図27】位相反転回路を含む同調回路の他の構成を示
す回路図である。
【図28】図27に示す前段の移相回路の入出力電圧の
大きさと位相の関係を示す図である。
【図29】図27に示す後段の移相回路の入出力電圧の
大きさと位相の関係を示す図である。
【図30】LR回路を内部に含む移相回路の構成を示す
回路図である。
【図31】LR回路を内部に含む移相回路の他の構成を
示す回路図である。
【図32】位相反転回路を含む同調回路の構成を示す回
路図である。
【図33】位相反転回路を含む同調回路の他の構成を示
す回路図である。
【図34】オペアンプの構成の中で移相回路の動作に必
要な部分を抽出した回路図である。
【符号の説明】
1 同調回路 2 周波数制御回路 3 PLL制御回路 4 同調検出回路 5 入力切換回路 6 制御信号切換回路

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦続接続された全域通過型の2つの移相
    回路と、後段の前記移相回路から出力された帰還信号と
    入力信号とを加算して前段の前記移相回路に入力する加
    算回路とを含んでおり、前記入力信号の中から所定の周
    波数成分のみを抽出する同調回路と、 前記同調回路の出力と所定の基準周波数信号との位相を
    比較して前記同調回路に対してPLL制御を行うPLL
    制御回路と、 前記同調回路に前記所定の周波数近傍の周波数を有する
    信号が入力されたときに、前記同調回路の入出力信号間
    の位相差に基づいて、前記同調回路の同調周波数を前記
    同調回路の入力信号の周波数に一致させる周波数制御回
    路と、 前記同調回路の同調周波数を設定する際は、前記同調回
    路内に形成される帰還ループのループゲインを所定値以
    上に設定して前記同調回路を発振させた状態で前記PL
    L制御回路によるPLL制御を行わせ、前記同調回路の
    同調周波数が設定された後は、前記ループゲインを前記
    所定値未満に設定して前記周波数制御回路により前記入
    力信号の中から前記同調周波数成分のみを抽出させる同
    調制御回路とを備えることを特徴とする同調制御方式。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記同調制御回路は、前記同調回路の同調周波数を設定
    する際は前記同調回路への前記入力信号の入力を遮断
    し、前記同調回路の同調周波数が設定された後は、前記
    入力信号を前記同調回路に入力する入力切換手段を備え
    ることを特徴とする同調制御方式。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記周波数制御回路は、前記同調回路の同調周波数を設
    定する際は前記PLL制御回路の出力に応じた信号を出
    力し、前記同調回路の同調周波数が設定された後は前記
    同調回路の入出力信号間の位相差に応じた信号を出力す
    ることを特徴とする同調制御方式。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記同調制御回路は、前記PLL制御回路による位相比
    較結果に基づいて前記同調回路の同調周波数が設定され
    たか否かを判断することを特徴とする同調制御方式。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、 前記PLL制御回路は、 前記同調回路の出力と前記基準周波数信号との周波数比
    較を行う位相比較器と、 前記位相比較器による比較結果に応じた電圧を出力する
    チャージポンプと、 前記チャージポンプの出力から高周波成分を除去して制
    御信号を生成し、この制御信号を前記同調回路に印加す
    るローパスフィルタとを備え、 前記周波数制御回路は、 前記同調回路の出力信号に同期した参照信号に基づいて
    前記同調回路の入力信号に対して同期整流を行う同期整
    流回路と、 前記同期整流回路の出力に基づいて、前記同調回路の入
    出力信号間の位相差に対応したパルス幅を有する信号を
    出力するパルス変換回路と、 前記同調回路の入出力信号のいずれか一方に基づいて、
    前記位相差の極性を判断する極性判別回路と、 前記極性判別回路による判断結果に基づいて、前記パル
    ス変換回路の出力信号を通過させあるいは遮断する2つ
    の開閉手段とを備え、 前記同調制御回路は、前記同調回路の同調周波数を設定
    する際は、前記位相比較器による比較結果に応じた電圧
    を前記チャージポンプに供給し、前記同調回路の同調周
    波数が設定された後は、前記2つの開閉手段の出力を前
    記チャージポンプに供給することを特徴とする同調制御
    方式。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路のそれぞれは、差動増幅器と、前記
    制御信号によって時定数が変更可能なCR回路あるいは
    LR回路からなる直列回路とを含んで構成され、 前記同調回路は、前記2つの移相回路のいずれかの出力
    を同調信号として出力することを特徴とする同調制御方
    式。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記縦続接続された2つの移相回路の少なくとも一方
    は、前記差動増幅器の反転入力端子に一方端が接続され
    他方端が前記直列回路に接続された第1の抵抗と、前記
    差動増幅器の出力端子と反転入力端子との間に接続され
    た第2の抵抗とを有しており、前記第1の抵抗を介して
    前記差動増幅器の反転入力端子に交流信号を入力し、前
    記直列回路内のキャパシタあるいはインダクタと抵抗と
    の接続部を前記差動増幅器の非反転入力端子に接続した
    ことを特徴とする同調制御方式。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 前記縦続接続された2つの移相回路の少なくとも一方
    は、前記差動増幅器の反転入力端子に一方端が接続され
    他方端が前記直列回路に接続された第1の抵抗と、前記
    差動増幅器の出力端子に接続された第1の分圧回路と、
    前記第1の分圧回路の出力端と前記差動増幅器の反転入
    力端子との間に接続された第2の抵抗とを有しており、
    前記直列回路内のキャパシタあるいはインダクタと抵抗
    との接続部を前記差動増幅器の非反転入力端子に接続し
    たことを特徴とする同調制御方式。
  9. 【請求項9】 請求項6において、 前記縦続接続された2つの移相回路の少なくとも一方
    は、前記差動増幅器の反転入力端子に一方端が接続され
    他方端が前記直列回路に接続された第1の抵抗と、前記
    差動増幅器の出力端子と反転入力端子との間に接続され
    た第2の抵抗と、一方端が前記差動増幅器の反転入力端
    子に接続され他方端が接地された第3の抵抗とを有して
    おり、前記第1の抵抗を介して前記差動増幅器の反転入
    力端子に交流信号を入力し、前記直列回路内のキャパシ
    タあるいはインダクタと抵抗との接続部を前記差動増幅
    器の非反転入力端子に接続したことを特徴とする同調制
    御方式。
  10. 【請求項10】 請求項6において、 前記縦続接続された2つの移相回路の少なくとも一方
    は、抵抗値がほぼ等しい第1および第2の抵抗により構
    成される第1の分圧回路を有しており、前記第1の分圧
    回路の出力端子の電位と前記直列回路内のキャパシタあ
    るいはインダクタと抵抗との接続部の電位との電位差を
    前記差動増幅器により所定の増幅度で増幅して出力する
    ことを特徴とする同調制御方式。
  11. 【請求項11】 請求項6〜10のいずれかにおいて、 前記同調回路は、前記縦続接続された2つの移相回路に
    よって形成される帰還ループの一部に挿入されて入力信
    号の位相を変えずに出力する非反転回路を備えており、
    前記縦続接続された2つの移相回路を合わせた位相シフ
    ト量の合計が360°となる周波数近傍の周波数で同調
    動作を行うことを特徴とする同調制御方式。
  12. 【請求項12】 請求項6〜10のいずれかにおいて、 前記同調回路は、前記縦続接続された2つの移相回路に
    よって形成される帰還ループの一部に挿入されて入力信
    号の位相を反転して出力する位相反転回路を備えてお
    り、前記縦続接続された2つの移相回路を合わせた位相
    シフト量の合計が180°となる周波数近傍の周波数で
    同調動作を行うことを特徴とする同調制御方式。
  13. 【請求項13】 請求項6〜10のいずれかにおいて、 前記帰還ループの一部に第2の分圧回路を挿入し、 前記同調回路は、前記第2の分圧回路に入力される交流
    信号を同調信号として出力することを特徴とする同調制
    御方式。
  14. 【請求項14】 請求項3〜5のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路のそれぞれは、入力された交流信号
    を同相および逆相の交流信号に変換して出力する変換手
    段と、CR回路あるいはLR回路からなり前記制御信号
    によって時定数が変更可能な直列回路と、前記変換手段
    によって変換された一方の交流信号を前記直列回路の一
    方端を介して、他方の交流信号を前記直列回路の他方端
    を介して合成する合成手段とを有しており、 前記同調回路は、入力された交流信号の位相を変えずに
    増幅して出力する非反転回路を有しており、前記2つの
    移相回路と前記非反転回路とを所定の順序で縦続接続し
    て位相シフト量の合計が360°となる周波数近傍の周
    波数で同調動作を行うことを特徴とする同調制御方式。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 前記縦続接続された2つの移相回路および前記非反転回
    路によって形成される帰還ループの一部に分圧回路を挿
    入し、 前記同調回路は、前記分圧回路に入力される交流信号を
    同調信号として出力することを特徴とする同調制御方
    式。
  16. 【請求項16】 請求項3〜5のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路のそれぞれは、入力された交流信号
    を同相および逆相の交流信号に変換して出力する変換手
    段と、CR回路あるいはLR回路からなり前記制御信号
    によって時定数が変更可能な直列回路と、前記変換手段
    によって変換された一方の交流信号を前記直列回路の一
    方端を介して、他方の交流信号を前記直列回路の他方端
    を介して合成する合成手段とを有しており、 前記同調回路は、入力された交流信号の位相を反転増幅
    して出力する位相反転回路を有しており、前記2つの移
    相回路と前記位相反転回路とを所定の順序で縦続接続し
    て位相シフト量の合計が180°となる周波数近傍の周
    波数で同調動作を行うことを特徴とする同調制御方式。
  17. 【請求項17】 請求項16において、 前記縦続接続された2つの移相回路および前記位相反転
    回路によって形成される帰還ループの一部に分圧回路を
    挿入し、 前記同調回路は、前記分圧回路に入力される交流信号を
    同調信号として出力することを特徴とする同調制御方
    式。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれかにおいて、 構成部品を半導体基板上に一体形成したことを特徴とす
    る同調制御方式。
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