JPH10512164A

JPH10512164A - ボルスターウエスト部を備えた吸収体

Info

Publication number: JPH10512164A
Application number: JP8521726A
Authority: JP
Inventors: ラボン、ゲーリー・ディーン; ハッセ、マーガレット・ヘンダーソン; ヤング、ジェラルド・アルフレッド; サイツ、ブレット・ダーレン
Original assignee: Procter and Gamble Co
Current assignee: Procter and Gamble Co
Priority date: 1995-01-10
Filing date: 1996-01-11
Publication date: 1998-11-24
Anticipated expiration: 2016-01-11
Also published as: NO973182L; DK0802776T3; AR000700A1; WO1996021408A2; KR19980701282A; FI972912A0; TR199700620T1; KR100244613B1; HUP9802065A2; EP0802776B2; CN1176591A; CA2208424C; DE69603701T2; ES2134600T3; AU5019596A; ATE183069T1; WO1996021408A3; CA2208424A1; HK1004106A1; NO973182D0

Abstract

(57)【要約】吸収体は、ボルスターウエスト部を具備する。好ましい実施の形態においては、ボルスターウエスト部は、吸収体のウエスト領域を伸ばすことにより、水性の体液にさらされたときには効果的に締まるように膨張する。ウエストでの漏れのリスクを減じながら、吸収体のウエスト領域において横方向の張力のバンドでの反対方向の力が増す。ボルスターウエスト部は、吸収体のウエスト領域、特に、着用者の腹部、での長手方向の曲げに抗する部材を有する。この部材は、吸収体が下方にずれてしまう傾向がある力、例えば、重力に抗する「支柱」として機能する。また、吸収体には、付加的に、吸収体の股の領域からウエスト領域に水性の体液を好ましくは再分配できる少なくとも１つの再分配要素を備えた吸収性コアが設けられている。この再分配要素は、ボルスターウエスト部と効果的な液体流通関係にある。

Description

【発明の詳細な説明】ボルスターウエスト部を備えた吸収体発明の分野本発明はおむつ、排泄しつけ用パンツ、失禁者用ショーツ等の吸収体に関する。より詳細には、装着中に、装着者の動きに合わせた動的フィットを与え、かつ吸収体のサイクル並びに吸収体の封じ込め特性が改善された吸収体に関する。発明の背景乳幼児およびその他の失禁を伴なう人は、尿およびその他の体内からの浸出物を受け入れて封じ込めておく吸収体、例えばおむつを装着している。吸収体は、排出された物質を封じ込め、これらの物質を装着者の身体および装着者の衣類や寝具から隔離するという２つの働きがある。多様な基本設計の使い捨て吸収体が当技術において知られている。例えば、１９６７年１月３１日にＤｕｎｃａｎおよびＢａｋｅｒに許可された米国特許番号Ｒｅ．２６，１５２号には、広く受け入れられ、商業的にも成功を収めた使い捨ておむつが記載されている。１９７５年１月１４日にＢｕｅｌｌに許可された米国特許第３，８６０，００３号には、弾力性のあるレッグカフス付使い捨ておむつが記載され、これも広く受け入れられ、商業的にも成功している。しかしながら、現在の技術の吸収体は、装着者が体に装着している間に弛んだり、体からずれたり、滑り落ちたり、外れたりする傾向がある。このような弛み、ずれ、滑り、外れなどの原因になる欠陥には次の３つの理由が特定されている。（１）装着者が呼吸し、移動し、位置を変える時に、通常の装着者の動きによって行使される力によって、通常の使用の間にもおむつのウエスト部が捲くれ、その結果ウエスト部分でのガスケット効果が減少する。（２）装着者の通常の動きにより、吸収体の固定装置によって作り出される側面張力帯が、装着者のお腹の下のお腹のしわのところまでずり下がることがある。これは、不規則な形の体積の場合、張力帯がその体積にとって最小の円周を有する断面積を求めるものだからである。典型的には、吸収体は装着者のウエストの周りの装着者のへその部分またはその近くに固定される。一方、装着者の周りの最小円周は装着者のお腹の少し下、お腹のしわのところの１点を通り、腰部のくびれのところの１点を通る。その結果、張力帯はこの最小円周ラインの方へ動く傾向がある。吸収体に体内からの浸出物が負荷された時に発生する下向きの力も、この外れ／滑りの原因になる。（３）吸収体自体の材料の変形もその原因である。例えばおむつの弾性要素は、応力緩和として知られている、重合体系に固有の特性に付される。重合体系は、装着者のウエストの周りに張力帯を与えるために、おむつ技術の弾性要素における弾性部材として用いられているものである。すなわち、弾性部材によって行使される収縮力は、時間と共に減少し、その結果、装着者のウエストの周りの張力帯によって行使される力が弱まり、さらには前記の弛み、ずれ、あるいは外れの原因になる。応力緩和の議論については、重合体化学に関する多くの文献の中にさらに詳しく記載されている。例えばＢｉｌｌｍｅｙｅｒＪｒ．，Ｆ．Ｗ． “ＴｅｘｔｂｏｏｋｏｆＰｏｌｙｍｅｒＳｃｉｅｎｃｅ”、ＪｏｈｎＷｉｌｅｙ＆Ｓｏｎｓ、１８８−１９０頁である。この弛み、ずれ、滑りおよび外れの実際の影響は、早期漏れ、および特に吸収体のウエスト部において装着者の周りへの吸収体のフィットがあまりよくないことである。吸収体のウエスト部における早期漏れに対処するため、いくつかの商品として入手しうる吸収体には、弾性のあるウエスト部が備えられている。このような弾性のあるウエスト部によって、吸収体が装着者のウエストの周りにより快適にフィットする。広く受け入れられて商業的成功を収めた弾性ウエスト部を有する使い捨ておむつの一例が、１９８５年５月７日に、Ｋｉｅｖｉｔらに許可された米国特許第４，５１５，５９５号に開示されている。弾性ウエスト部は、典型的には弾力性のあるウエストバンドから成る。このウエストバンドは、吸収体の両端部にある表面シートとバックシートとの間に収縮可能に貼り付けられた弾性部材から成っている。従って弾性ウエストバンドは、装着者の動きと共に伸縮し、使用中に装着者のウエストの周りでの吸収体のフィットを維持（すなわち持続性動的フィット）できるようにデザインされている。しかしながら、へその部位またはへその近くでフィットするようにデザインされた、このように弾力性のあるウエスト部を備えた吸収体も、使用中に弛んだり、ずれたり、滑ったり、外れたりする傾向があることがわかった。さらには前記の弾力性があるウエスト部は、おむつの前面で捲くれる傾向があり、装着者のウエストの周りでフィットしないという結果が生じる。特に男性装着者の場合、捲くれはウエストからの漏れというリスクを増す。これは、男性の身体的特徴から、男性の尿の流れがウエスト方向へ向かうことが多いからである。従って、フィットがより改善され、漏れが減り、装着者の快適感が増すようなウエスト部を備えた吸収体を提供することがさらに有利であろう。おむつのウエスト部分での弛み、ずれ、捲くれが減少し、使用中に装着者に付けられた吸収体または吸収性コアの全体的な滑り／外れが減少する吸収体を提供することがさらに有利であろう。従って、使用中に装着者のウエストの周りに持続性動的フィットがある吸収体を提供することが、本発明の目的である。使用中に持続性の動的フィットを与え、漏れへの抵抗が改善された、独特なボルスターウエスト部を備えた吸収体を提供することが本発明のもう１つの目的である。おむつの前面部での弛み、ずれ、捲くれを減少させ、使用中の吸収体または吸収性コアの全体的な滑り／外れが減る独特なボルスターウエスト部を備えた吸収体を提供することが本発明のさらにもう１つの目的である。装着者のウエスト部の周りに張力を与える弾性要素における応力緩和によるフィットの低下を補う独特なボルスターウエスト部を備えた吸収体を提供することも、本発明のさらにもう１つの目的である。本発明のこれらの目的あるいはその他の目的も、以下の明細書を参照して考察し、かつ添付図面をも考慮に入れればより容易に明白になるであろう。発明の概要本発明は、吸収体の動的フィットを改善し、ウエストからの早期漏れのリスクを減少させる独特なボルスターウエスト部を備えた、使い捨ておむつ、失禁者用ショーツ、排泄しつけ用パンツ等の吸収体に関する。本発明の好ましい吸収体は、液体透過性表面シート、液体不透過性バックシート、表面シートとバックシートとの間に位置する吸収性コア、吸収性コアの第１横断端部と吸収体の第１横断端部との間に縦方向に配置されたボルスターウエスト部、および吸収体の円周の少なくとも一部を通る側面張力を作り出すか、あるいは維持するための固定装置から成る封じ込め集成体である。その最も好ましい実施態様において、ボルスターウエスト部は、吸収性コアと単体構造であり、本発明の吸収体はさらには対になったサイドフラップを備えている。これらのサイドフラップは、封じ込め集成体の縦縁部からその両方のウエスト部において側面方向に伸びている。好ましくは第２ウエスト部に備えられたサイドフラップは、弾力性がある。ボルスターウエスト部は、本発明の吸収体のウエスト部における縦方向の曲げに耐える部材を提供する。曲げに耐えることによって、ボルスターウエスト部は、特にウエスト部における捲くれ、および弛み／ずれによるウエストからの漏れのリスクを減少させる。ボルスターウエスト部はさらにはコアと共同作用して、吸収体のウエストのずり下がりによるフィットの低下にも抵抗する。ボルスターウエスト部と吸収性コアは共同作用して、「支柱」を形成する。これは、体の動きや、吸収体のウエストがずり下がる原因となりがちな体内からの浸出物の負荷のような力にも抵抗する。ボルスターウエスト部はさらに、重合体要素、特に張力を与える弾性部材の応力緩和による、吸収体のウエスト部にある張力帯における時間経過による収縮力の低下をも補う。この収縮力の低下は、早期漏れのリスクが増すことにより、外れを引起こす恐れがある。本発明のボルスターウエスト部は、この収縮力の低下を補うことができる。これは、ボルスターウエスト部が体内から排出される水性液で飽和する時、その厚みが増す（すなわちキャリパーが増す）からである。この肥厚の結果、張力帯が作用する吸収体の部分の円周が増加する。従って弾性部材の長さが増し、その結果、弾性部材によって生じる収縮力の増加が起こる。本発明の吸収性コアはさらに、少なくとも１つの再分配要素を備えていてもよい。この再分配要素は、吸収体の股部（装着者の液体排出部位の隣接部分）から、排出される水性液を吸収体の第１ウエスト部または第２ウエスト部の少なくとも１つに再分配することができるものである。体内から排出される水性液が吸収される時に、この水性液が膨張可能なボルスターウエスト部へ再分配されるように、本発明の吸収性コアは、ボルスターウエスト部とは、効率的に液体が流れる関係にある。本発明のもう１つの実施態様において、吸収体は固定装置の代わりに、少なくともウエスト部において、接合された縦縁部を備えている。このような実施態様は、排泄しつけ用パンツ、パンツ型おむつ等として用いうる。図面の簡単な説明明細書は、本発明を構成するものとみなされる主題を特に指し示し、かつこの主題を明確にクレイムする特許請求の範囲でもって結論付けているものであるが、本発明は、添付図面と関連して考慮される下記の記載によってよりよく理解できると考えられる。これらの図面において、参照番号は実質的に同一な要素を示すために用いられている。図面は以下のとおりである。図１は、本発明の使い捨ておむつの実施態様の平面図である。この図面では、下層構造が現われるように一部分が切り取られており、おむつのインナー表面が見る人の側に向いている。図２は、図１の切断線２−２に沿った、図１の吸収性インサートの拡大断片断面図である。図３は、本発明の実施態様の使い捨ておむつを装着している幼児の一部側面図である。これは吸収性コアおよびボルスターウエスト部の装着者における好ましい配置を示している。図４は、本発明のおむつの一部前面図であるが、装着中にボルスターウエスト部とコアがどのように共同作用して、外れまたはずり下がりを防ぐかを示している。図５は、本発明の弾性部に関して、収縮力対時間を図式によって表わしたものである。これは、本発明のボルスターウエスト部が、どのようにして応力緩和による収縮力の低下を妨げるかを示している。発明の詳細な説明ここで用いられている「吸収体」という用語は、体内からの浸出物を吸収しかつ封じ込めるもののことを言う。より特定すれば、装着者の体に、または身体の近くに配置されて、体内から排出された様々な浸出物を吸収しかつ封じ込める装置のことを言う。「使い捨て」という用語は、ここでは洗うか、あるいは修復するか、あるいは吸収体として再使用されるように意図されたものではない吸収体について記載するために用いられる（すなわちこれらのものは、ただ１回の使用後に捨てるためのものであり、好ましくはリサイクルされるか、コンポストにするか、あるいは環境にやさしい方法で処分されるためのものである）。「単体構造の」吸収体とは、別々の部品が組合わされて統合された統一体を形成し、従って別々のホルダーおよびライナーのような別々の操作部品を必要としない吸収体のことを言う。本発明の吸収体の好ましい実施態様は、図１に示された、単体構造の使い捨て吸収体のおむつ２０である。ここで使用されている「おむつ」という用語は、一般に乳幼児および失禁を伴なう人が装着する吸収体のことであって、装着者の胴体下部の周りに装着されるものを言う。しかしながら本発明はまた、その他の吸収体、例えば失禁者用ショーツ、失禁者用下着、排泄しつけ用パンツ、おむつ挿入物等にも適用しうる。本発明の吸収体は、その最も単純な形態において、外側カバー、例えばバックシート（典型的には比較的液体不透過性のもの）、この外側カバーと組合わされた吸収性コア、この吸収性コアと効果的に液体が流れる関係にあるボルスターウエスト部、吸収体のウエスト部の少なくとも一部を通る側面張力を作り出す手段を含む必要があるだけである。吸収性コアは、体内から排出される水性液を吸収体の股部からウエスト部の少なくとも１つまで移動させることができる。吸収性コアおよびバックシートは、吸収性コアが、バックシートと吸収体の装着者の液体排出部位との間に位置するように組合わされるものとする。ボルスターウエスト部は、吸収体のウエスト部における縦方向の曲げに対して抵抗力を与える。これによって、持続性の位置調整およびフィットが与えられる。さらにボルスターウエスト部は、体内から排出される水性液で飽和した時に、吸収体のウエスト部における側面張力を増加させうる。これは、そこの弾性要素の応力緩和による収縮力の低下を妨げる。ここで用いられているように、おむつ要素は、この要素の重量の少なくとも８倍の重さの量の水性液を吸収した後に、この体内から排出される水性液で「飽和」する。あるいはこの要素が体内から排出される水性液の重量の８倍を吸収することができない場合、この要素は体内から排出される水性液の最大吸収力の少なくとも５０％を吸収した時に飽和していると言うことができる。ウエスト部位に側面張力を作り出す手段は、吸収体を装着者のウエストの周りに保持する力を与える。このような手段の例として、ランディングゾーンの付いたテープ装置（このようなテープ装置のテープは、弾力性があるか、あるいは弾力性がなくてもよい）、機械的固定装置、弾性サイドパネル、弾性ウエスト部、あるいはこれらの組合わせが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。図１は、本発明の好ましい実施態様であるおむつ２０の平面図である。おむつ２０は平らに広げた非収縮（すなわち弾力による収縮部が押し広げられている）状態で示されている。この図では、構造の一部が切り取られて、おむつ２０の構成がより明確に示されており、装着者側であるか、あるいは装着者に接している部分、インナー表面が見る人の方に向けられている。図１に示されているように、おむつ２０は、好ましくは液体透過性表面シート２４、表面シート２４と接合された液体不透過性バックシート２６、表面シート２４とバックシート２６との間に位置する吸収性コア２８、弾性レッグカフス３２、弾性ウエスト部３４、複数の名称がある固定装置３６およびボルスターウエスト部３８を備えた封じ込め集成体２２から成る。図１に示された本発明の好ましい実施態様であるおむつ２０は、さらにはサイドパネルペア３０、４０を備えている。これらのサイドパネルは、封じ込め集成体２２に接合され、これから側面方向に伸びている。本発明の最も好ましい実施態様において、サイドパネルペア４０の少なくとも一部は弾性がある。おむつ２０は、図１では、外側表面６４、外側表面６４と向かい合うインナー表面６０、第１ウエスト部４２、第１ウエスト部４２と向かい合った第２ウエスト部４４、第１ウエスト部４２と第２ウエスト部４４の間に配置された股部４６、縦縁部５４および末端縁部５６を備えている。おむつ２０のインナー表面６０は、使用中に装着者の体に隣接して配置されるおむつ２０の部分である（すなわち一般にインナー表面６０は、表面シート２４の少なくとも一部と、表面シート２４に接合されたその他の要素とから成る）。外側表面６４は、装着者の体から離れて配置されたおむつ２０の部分である（すなわち外側表面６４は一般に、バックシート２６の少なくとも一部と、バックシート２６と接合されたその他の要素とから成る）。おむつ２０は２つの中心線、すなわち縦方向の中心線１００と横方向の中心線１０２とを備える。ここで用いられている「縦方向」という用語は、おむつ２０が装着された時に、立っている装着者を左右に２分する垂直平面と一般に一直線に並ぶ（すなわちこれとほぼ平行な）、おむつ２０平面における線、軸、または方向のことを言う。ここで用いられている「横方向の」および「側面」という用語は互換性があり、一般に縦方向に垂直な（すなわち装着者を前半分と後ろ半分に分ける）おむつ平面内にある線、軸または方向のことを言う。封じ込め集成体２２は、図１では周辺部５０を備え、これは封じ込め集成体２２の外側縁部によって画定されている。ここでは縦縁部は５２として示されている。封じ込め集成体２２の周辺部５０はさらには、縦縁部５２と縦縁部５２の間の側面方向にあるおむつ末端縁部５６の部分を備える。図１は、おむつ２０の好ましい実施態様であり、ここでは表面シート２４とバックシート２６は、一般に吸収性コア２８よりも長く、幅も広い。表面シート２４とバックシート２６は、吸収性コア２８の縁部の上に伸びており、これによって封じ込め集成体２２の周辺部５０を形成する。表面シート２４、バックシート２６、吸収性コア２８は様々なよく知られた形状で組み立てられてもよいが、好ましいおむつの形状は、一般に１９７５年１月１４日にＫｅｎｎｅｔｈＢ．ｕｅｌｌに許可された米国特許第３，８６０，００３号、１９９２年９月２９日にＫｅｎｎｅｔｈＢ．Ｂｕｅｌｌらに許可された米国特許第５，１５１，０９２号に記載されている。これらの開示については参照として本明細書に組込まれている。図２は、図１の切断線２−２に沿うおむつ２０の拡大横断面図であり、ボルスターウエスト部３８の詳細を示す。図２に示されているように、ボルスターウエスト部３８の好ましい実施態様は、液体再分配要素２９の延長部であり、３層の吸収性フォーム３９ａ〜３９ｃを備える。吸収性コア２８の好ましい実施態様の要素である液体受入れ要素２７と液体再分配要素２９も示されている。ボルスターウエスト部３８と表面シート２４との間に配置されているウエストシールド３７も示されている。吸収性コア２８はなんらかの吸収手段を備えていてもよい。この手段は一般に、圧縮可能であり、形が柔軟なものであり、装着者の皮膚に刺激を与えず、尿やその他のある種の体内からの浸出物のような液体を吸収し、保持しうるものである。図１に示されているように、吸収性コア２８は、衣服側表面、体側表面、サイド縁部、第１ウエスト縁部５８ａおよび第２ウエスト縁部５８ｂを備える。吸収性コア２８は、広範囲のサイズおよび形状（例えば方形、砂時計形、「Ｔ」型、非対称形等）で、使い捨ておむつに通常用いられている非常に広範囲の液体吸収材料、およびその他の吸収性物質、例えば一般にエアフェルトと呼ばれている粉砕木材パルプから製造されてもよい。その他の適切な吸収材料には、クレープセルロースワッディング、コフォーム（ｃｏｆｏｒｍ）を含むメルトブローン重合体、例えば毛管路繊維を用いて形成された織物のような不織織物、化学的に剛化、変性あるいは架橋されたセルロース繊維、ティシューラップおよびティシューラミネートを含むティシュー、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性重合体、吸収性ゲル化材料、またはあらゆる同等の材料または材料の組合わせがある。吸収性コアの形状および構成もまた、様々なものであってもよい（例えば吸収性コアは様々なキャリパーゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、あるいは比較的平均密度が低いか、あるいは比較的低い平均基本重量の受け入れゾーンを備えていてもよく、あるいは１つまたはそれ以上の層または構造から成っていてもよい）。しかしながら、吸収性コア２８の総吸収力は、おむつ２０の使用目的と、負荷用の設計と両立しうるものであるべきである。さらにはまた、吸収性コア２８のサイズおよび吸収力は、乳幼児から成人までの装着者に合うように様々なものである。さらには、吸収性コア２８の第１ウエスト縁部５８ａは、おむつ２０のボルスターウエスト部３８と効果的に液体が流れる関係にあるべきである。ここで用いられている、効果的に液体が流れる関係という用語は、体内から排出される水性液、特に尿がおむつ２０の１つの要素からもう１つの要素へ毛管力、浸透力、あるいはその他の液体移動メカニズムによって分配されうるという意味である。吸収性コア２８はまた、十分な液体をボルスターウエスト部３８へ分配して、ボルスターウエスト部３８が液体で濡れる時にボルスターウエスト部を膨張させることができるものでなければならない。吸収性コア２８として用いられる吸収構造の例は、１９８６年９月９日に、Ｗｅｉｓｍａｎらに許可された米国特許第４，６１０，６７８号、１９８７年６月１６日にＷｅｉｓｍａｎらに許可された米国特許第４，６７３，４０２号、１９８９年１２月１９日にＡｎｇｓｔａｄｔに許可された米国特許第４，８８８，２３１号、１９８９年５月３０日にＡｌｅｍａｎｙらに許可された米国特許第４，８３４，７３５号、１９９４年６月７日にＹｏｕｎｇらに許可された米国特許第５，３１８，５５４号に記載されている。これらの各特許の開示については、参照として本明細書に組込まれている。垂直吸い上げ、すなわち重力とは反対方向への液体の吸い上げは、ここに記載されている吸収性コアに関する特に望ましい性能属性である。これは、吸収される水性液がこの吸収体の中で、比較的低い位置から比較的高い位置へと、吸収体の吸収性コアの内部で移動させられなければならないので、このような吸収性コアが吸収体に頻繁に用いられているからである。例えば本発明のおむつ２０はまた、以下に詳細に記載されるボルスターウエスト部３８を備えている。このボルスターウエスト部は、体内から排出される水性液で飽和すると体積が増え、縦方向における曲げへの抵抗力が増し、ウエスト部４２、４４における側面張力が増し、おむつ２０の弾性要素における応力緩和による側面張力の低下を補う。ボルスターウエスト部の膨張性が装着者の動き全体に対して作用するように、吸収性コア２８は体内から排出される水性液を再分配しうるものでなければならない。これらの水性液は、股部４６において、第１ウエスト部４２、第２ウエスト部４４の少なくとも１つへ、あるいは両方のウエスト部へ吸収される。このようにして、垂直吸い上げによって、例えばウエスト部４２、４４が股部４６よりも比較的高い場合（例えば装着者が座っているか、立っている場合）にこの再分配が可能になる。おむつのコア要素の垂直吸い上げ特性を測定する方法は、１９９２年１２月１１日に出願された、併願の米国特許出願番号第０７／９８９，２７０号（Ｄｙｅｒら）のテスト方法の項に記載されている。これらの開示については、本明細書に参照として組込まれている。図２に示されているように、吸収性コア２８の特に好ましい実施態様は、液体受入れ要素２７と、液体再分配要素２９を有する。液体受入れ要素２７は、体内から排出される水性液を吸い込んで分配するあらゆる多孔質親水性材料から成っていてもよい。多くの場合このような吸収性材料は、本来、フォームをベースとするか、あるいは繊維をベースとしている。液体再分配要素２９は、吸収性コア２８に適するものとして前記された材料のどれであってもよい。但し、液体再分配要素２９は、単独または受入れ要素２７と組合わされて、ボルスターウエスト部３８の膨張性を生じうるような垂直吸い上げ特性を吸収性コア２８に与えるものでなければならない。液体再分配要素２９の好ましい実施態様は、１９９３年１２月７日にＤｅｓＭａｒａｉｓに許可された米国特許第５，２６８，２２４号に記載された吸収性フォーム材料の少なくとも１つの層を備えていてもよい。これの開示については、本明細書に参照として組込まれている。この特許に記載された型の吸収性フォーム材料は、好ましくは高内部相油中水型エマルジョンを重合させることによって作られる（ＨＩＰＥフォーム）。これらは典型的には、自由吸収力が約２０〜約１００ｍｌ／ｇ、１フォーム容積あたりの比表面積が少なくとも約０．０２５ｍ² ／ｃｃである。ここで用いられる「自由吸収力」とは、ある一定のフォームサンプルが、サンプル中の固体材料１ユニット重量あたり、その細胞構造中に吸収するテスト液（Ｊａｙｃｏ合成尿）の総量のことを言い、「１フォーム容積あたりの比表面積」とは、膨張状態のフォーム密度あたりのフォーム構造の毛管吸い込み比表面積のことを言う。本発明の好ましい吸収性フォームは、尿を吸収するための吸収体において特に有用であるためには、一般に毛管吸収圧力が少なくとも約２４．１ｃｍ（９．５インチ）、好ましくは少なくとも約３０ｃｍ（１１．８インチ）、最も好ましくは少なくとも約４０ｃｍ（１５．７インチ）であろう。ここで用いられる「毛管吸収圧力」という用語は、垂直吸い上げ吸収力が、自由吸収力の５０％であるような高さのことである。これらの特性の大部分の測定方法は、１９９２年１２月１１日に出願された、併願の米国特許出願番号第０７／９８９，２７０号（Ｄｙｅｒら）のテスト方法の項に記載されている。これの開示については本明細書に参照のために組込まれている。フォームの自由吸収力を測定する手順は、下記のテスト方法の項に記載されている。図２に示されている特に好ましい吸収性コア２８は、３層の前記ＨＩＰＥフォームを備えている液体再分配要素２９を有する。この型の吸収性コア２８に関してのこれ以上に詳しい説明は、１９９４年６月７日にＹｏｕｎｇらに許可された米国特許第５，３１８，５５４号に記載されている。これの開示については、参照として本明細書に組込まれている。これらの好ましい吸収性フォーム構造は、水性液を受入れ、分配し、および／または貯蔵することにも参加しうるその他の型の吸収構造と共に、吸収体において使用されることが多い。吸収性フォーム構造がここで主として吸収体における液体再分配要素として用いられうるこのような状況においては、このようなフォームが、他の吸収要素、例えばこのような液体を吸収した受入れ要素から、体内から排出される水性液をこのような再分配要素中に引き込む傾向を有するのが望ましい。液体を他の吸収体要素から排水するこのような傾向は、当技術では「分配」として知られている。この分配の概念と、分配性能を規定するいくつかの手順は、例えば前記米国特許第４，６１０，６７８号に記載されている。米国特許第４，６１０，６７８号に開示されている手順と同様な手順を用いて分配性能についてテストする場合、これらの好ましい吸収性フォーム構造は、特に望ましい液体分配特徴を示す。バックシート２６は、吸収性コア２８の衣服側表面に隣接して配置されている。バックシート２６は、吸収されかつ吸収性コア２８に封じ込められた浸出物が、おむつ２０と接触する物、例えばベッドシーツや下着を汚さないようにする。バックシート２６は典型的には体内から排出される水性液（例えば尿）不透過性であり、好ましくは薄いプラスチックフィルムでできている。但し、その他の柔軟性液体不透過性材料も使用しうる。ここで用いられている「柔軟性がある」という用語は、柔軟であり、かつ人体の一般的な形および輪郭に合致しやすい材料のことを言う。このようにしてバックシート２６は、織布または不織布材料、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンの熱可塑性フィルムのような重合体フィルム、あるいは例えば薄塗り不織布材料のような複合材料から成っていてもよい。好ましくはバックシートは、厚みが約０．０１２ｍｍ（０．５ミル）から約０．０５１ｍｍ（２．０ミル）の熱可塑性フィルムである。特に好ましいバックシート材料には、インディアナ州ＴｅｒｒｅＨａｕｔｅのＴｒｅｄｅｇａｒＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓ，Ｉｎｃ．製造のＲＲ８２２０ブローンフィルムおよびＲＲ５４７５キャストフィルムがある。バックシート２６は、好ましくは型押しされ、および／または艶消し仕上げされ、より布様な外見が与えられる。さらにはバックシート２６は、蒸気を吸収性コア２８から逃がすようにする（すなわち呼吸できる）が、一方では浸出物がバックシート２６を通過するのを防いでいる。表面シート２４は、吸収性コア２８の体側表面に隣接して配置されており、好ましくは例えば当技術において知られている接着手段（図示されていない）によって、バックシート２６に接合されている。例えば表面シート２４は、均質連続接着材層、パターン接着剤層、一列の別々の接着剤ライン、スパイラルまたはスポットによってバックシート２６に固定されていてもよい。満足すべきものであることがわかっている接着剤は、ミネソタ州セント・ポールのＨ．Ｂ．ＦｕｌｌｅｒＣｏｍｐａｎｙによって製造され、ＨＬ−１２５８として販売されているか、あるいはウイスコンシン州ＷａｕｗａｔｏｓａのＦｉｎｄｌｅｙＡｄｈｅｓｉｖｅｓによってＨ２０３１として販売されている。接着手段は好ましくは、１９８６年３月４日にＭｉｎｅｔｏｌａらに許可された米国特許第４，５７３，９８６号に開示されているような接着剤フィラメントのオープンパターン網から成っている。この特許の開示については、参照として本明細書に組込まれている。あるいはまた接着手段は、ヒートシール、圧力結合、超音波結合、動的機械的結合、あるいは当技術において知られているその他の適切な接着手段、またはこれらの接着手段の組合わせであってもよい。ここで用いられている「接合される」という用語は、ある要素を別の要素に直接貼り付けることによって、要素を他の要素と直接接合する形状、およびある要素を、これ自体が別の要素に貼り付けられている中間部材（類）へと貼り付けることによって、間接的に要素を他の要素と接合する形状、および要素が他の要素と直接的にも間接的にも固定されずに、他の要素のすぐ近くの窮屈な位置に保持されている形状をも包含する。本発明の好ましい実施態様において、表面シート２４およびバックシート２６は、接着手段（図示されていない）によって、封じ込め集成体２２の周辺部５０において互いに接合されている。吸収性コア２８は、これらの間に強制的に入れ込まれている。すなわち吸収性コア２８は、表面シート２４とバックシート２６との間に「浮かんでいる」ようになされている。表面シート２４は、柔軟で、柔らかい感触があり、装着者の皮膚に刺激を与えないものである。さらには表面シート２４は、液体透過性であり、体内から排出される水性液（例えば尿）がその厚みを通って浸透しやすくなっている。適切な表面シートは、広範囲の材料から製造されうる。例えば、多孔質フォーム、網状フォーム、開口プラスチックフィルム、天然繊維の織布または不織布ウエブ（例えば木繊維または綿繊維）、合成繊維（例えばポリエステルまたはポリプロピレン繊維）、あるいは天然繊維と合成繊維との組合わせである。好ましくは表面シート２４は、装着者の皮膚を、吸収性コア２８に封じ込められた液体から隔離するために、実質的に疎水性材料からできている。表面シート２４を製造するために用いうるいくつかの製造技術がある。例えば表面シート２４は、不織あるいはカード処理された、湿式レイされた、メルトブローンされた、あるいはハイドロエンタングルされた繊維の不織布ウエブであってもよく、あるいは前記のものの組合わせ等であってもよい。好ましい表面シートは、繊維技術の業者によく知られた手段で、カード処理および熱接着される。好ましい表面シートは、マサチューセッツ州Ｗａｌｐｏｌｅの、ＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌＰａｐｅｒＣｏｍｐａｎｙの一部門であるＶｅｒａｔｅｃＩｎｃ．がＰ−８という名称で製造している、ステープル長さのポリプロピレン繊維のウエブから成る。おむつ２０は、好ましくは、液体およびその他の体内からの浸出物の封じ込めを改良するための弾性レッグカフス３２を備えている。各弾性レッグカフス３２は、脚部において体内からの浸出物の漏れを減少させるために、いくつかの種々の実施態様から成っていてもよい。（レッグカフスは、レッグバンド、サイドフラップ、バリアカフス、あるいは弾性カフスと呼ばれてもよく、そう呼ばれることもある。）前記米国特許第３，８６０，００３号は、使い捨ておむつについて記載しているが、このおむつには、サイドフラップを有する収縮可能な脚開口部があり、弾性レッグカフスを備えるための１つまたは複数の弾性部材を有する（ガスケットカフス）。１９９０年３月20日にＡｚｉｚらに許可された米国特許第４，９０９，８０３号には、脚部の封じ込めを改善するための「立ち上がった」弾性フラップ（バリアカフス）を備えた使い捨ておむつについて記載されている。１９８７年９月２２日にＬａｗｓｏｎに許可された米国特許第４，６９５，２７８号は、ガスケットカフスとバリアカフスとを有する二重カフスを備えた使い捨ておむつについて記載している。各弾性レッグカフス３２は、レッグバンド、サイドフラップ、バリアカフスあるいは前記の弾性カフスのどれかに似た形状であってもよいが、各弾性レッグカフス３２は、１９９４年９月１日に公告された共同出願のＰＣＴ特許出願第ＷＯ９４／１８９２７号に記載された二重延長カフスから成るのが好ましい。この特許の開示については、参照として本明細書に組込まれている。おむつ２０はさらには、フィットと封じ込めが改良された弾性ウエスト部３４を備えている。弾性ウエスト部３４は、弾力的に伸縮して装着者のウエストに動的にフィットさせるためのおむつ２０の部分またはゾーンである。図１に示されている本発明の好ましい実施態様において、弾性ウエスト部３４は、第２ウエスト部４４に位置するおむつ末端縁部５６から、第２ウエスト部４４に位置する吸収性コア２８の第２ウエスト縁部５８ｂの方へと内側に向かって縦方向に伸び、一般的におむつ末端縁部５６の少なくとも一部を形成する。弾性ウエスト部またはその構成要素のどれも、おむつ２０に張り付けられた別の要素を備えていてもよいが、弾性ウエスト部３４は、好ましくはおむつの他の要素、例えばバックシート２６または表面シート２４、好ましくはバックシート２６と表面シート２４の両方の延長部として構成されている。弾性ウエスト部３４は、前記米国特許第４，５１５，５９５号および第５，１５１，０９２号に記載されている形状をも含む、いくつかの種々の形状として構成されていてもよい。これらの各特許の開示については、参照として本明細書に組込まれている。おむつ２０は、サイドを閉じるための固定装置３６を備えている。このサイド閉鎖によって、第１ウエスト部４２と第２ウエスト部４４は重なり合う形状に維持され、従って側面張力がおむつの円周の周りに維持され、おむつを装着者に保持する。固定装置の例は、１９８９年７月１１日にＳｃｒｉｐｐｓに許可された米国特許第４，８４６，８１５号、１９９０年１月１６日にＮｅｓｔｅｇａｒｄに許可された米国特許第４，８９４，０６０号、１９９０年８月７日にＢａｔｔｒｅｌｌに許可された米国特許第４，９４６，５２７号、１９７４年１１月１９日にＢｕｅｌｌに許可された米国特許第３，８４８，５９４号、１９８７年５月５日にＨｉｒｏｔｓｕらに許可された米国特許Ｂ１第４，６６２，８７５号に開示されている。これらの参考文献の各々の開示については、参照として本明細書に組込まれている。前記固定装置のどれも、本発明のおむつ２０に適している。固定装置３６の好ましい実施態様は、さらには、おむつの円周の周りの側面張力帯が、ボルスターウエスト部３８を通過しなければならないと規定すべきであろう。このような好ましい固定装置３６は、テープまたは機械的固定手段を備えていてもよい。例えば適切な固定装置３６は、テープタブ、テープタブ上の接着剤を保護するためのレリース部分、ランディングゾーンを備えていてもよいであろう。このランディングゾーンにおいて、テープタブは第１ウエスト部４２または第２ウエスト部４４の１つ、好ましくは第２ウエスト部４４において、そのウエスト部の末端縁部５６に隣接した位置にあり、ランディングゾーンがウエスト部４４または（４２）のもう１つの部分、好ましくは第１ウエスト部４２においてウエスト部の末端縁部５６に隣接した位置にある。図１に示されているおむつ２０は、好ましくはさらに、第１ウエスト部４２にサイドパネル３０、第２ウエスト部４４にサイドパネル４０を備えている。これらのサイドパネル３０、４０は、表面シート２４またはバックシート２６、またはその両方の延長部から形成されていてもよい。好ましくはサイドパネル３０、４０は、別個の部材を備える。これらは、少なくとも各々第１ウエスト部４２と第２ウエスト部４４において、封じ込め集成体２２の各縦縁部５２に接合され、この各縦縁部５２から外側に側面方向に伸びている。サイドパネル３０、４０の一部は、股部４６において封じ込め集成体２２の各縦縁部５２に接合され、この各縦縁部５２から外側に側面方向に伸びている。サイドパネル３０、４０は、当技術で知られたあらゆる手段によって、封じ込め集成体２２に接合されうる。例えばサイドパネル３０、４０は、均質な連続接着剤層、パターン接着剤層、あるいは一列の別々の接着剤ライン、スパイラルまたはスポットによって、封じ込め集成体２２に接合されてもよい。満足すべきものであることがわかっている接着剤は、ミネソタ州セントポールのＨ．Ｂ．ＦｕｌｌｅｒＣｏｍｐａｎｙによって製造され、ＨＬ−１２５８として販売されている。接着手段は好ましくは、１９８６年３月４日にＭｉｎｅｔｏｌａらに許可された米国特許第４，５７３，９８６号に開示されているような接着剤フィラメントのオープンパターン網から成っている。より好ましくは、１９７５年１０月７日にＳｐｒａｇｕｅ，Ｊｒ．に許可された米国特許第３，９１１，１７３号、１９７８年１１月２２日にＺｉｅｃｋｅｒらに許可された米国特許第４，７８５，９９６号、１９８９年６月２７日にＷｅｒｅｎｉｃｚに許可された米国特許第４，８４２，６６６号に示されている装置および方法によって例示されているような、渦巻き状スパイラルパターンのいくつかの接着剤フィラメントシリーズから成る。これらの各特許の開示については、参照として本明細書に組込まれている。あるいはまた、接着手段は、ヒートシール、圧力結合、超音波結合、動的力学的結合、あるいは当技術において知られたその他のあらゆる適切な接着手段またはこれらの接着手段の組合わせから成っていてもよい。サイドパネル３０、４０は、当業者に知られたあらゆる材料からできていてもよい。例えばサイドパネル３０、４０は、薄い、柔軟性プラスチックフィルム、多孔質フォーム、天然または合成繊維の織布または不織布ウエブからできていてもよい。サイドパネル３０、４０は、このような材料を組合わせたラミネートからできていてもよい。サイドパネル３０、４０の特に好ましい材料は、マサチューセッツ州ＷａｌｐｏｌｅのＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌＰａｐｅｒＣｏｍｐａｎｙの一部門であるＶｅｒａｔｅｃＩｎｃ．がＰ−８という名称で製造しているような、ステープル長さのポリプロピレン繊維の不織布ウエブと、例えばインディアナ州ＴｅｒｒｅＨａｕｔｅのＴｒｅｄｅｇａｒＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓ，Ｉｎｃ．製造のＲＲ８２２０ブローンフィルムおよびＲＲ５４７５キャストフィルムのような薄い熱可塑性フィルムとのラミネートから成っている。本発明のさらに好ましい実施態様において、第１ウエスト部４２におけるサイドパネル３０、あるいは好ましくは第２ウエスト部４４におけるサイドパネル４０は、弾力性がある。弾性パネルは、弾力的な延伸性特徴を与える。この特徴は、最初からおむつを装着者の体に沿ってフィットさせることによって、また弾性パネルによっておむつの側面が収縮できるので、おむつに浸出物が負荷された時点よりもさらに長く、装着している間中このフィットを維持することによって、体の線に沿ったより快適なフィットを与える。弾性パネルはさらにおむつ２０のより効果的な利用をもたらす。これは、たとえおむつ装着者が、使用中にもう１つの弾性パネルより遠いところにある弾性パネルを引張っても（非対称適用）、おむつ２０は装着中に「自己調節」する。本発明のこの好ましい実施態様のおむつ２０は、好ましくは第２ウエスト部４４に配置されたサイドパネル４０と機能的に組合わされた弾性パネルを備えているが、おむつ２０はまた、第１ウエスト部４２あるいは第１ウエスト部４２と第２ウエスト部４４の両方に配置された弾性サイドパネルを備えていてもよい。弾性パネルはいくつかの形状で構成されていてもよいが、おむつの耳部（イアフラップ）に配置された弾性パネルを備えたおむつの例は、１９８９年８月１５日にＷｏｏｄらに許可された米国特許第４，８５７，０６７号、１９８３年５月３日Ｓｃｉａｒａｆｆａらに許可された米国特許第４，３８１，７８１号、１９９０年７月３日にＶａｎＧｏｍｐｅｌらに許可された米国特許第４，９３８，７５３号、１９９４年１０月２５日ＬａＶｏｎらに許可された米国特許第５，３５８，５００号、および前記米国特許第５，１５１，０９２号において開示されている。これらの特許の開示については、参照として本明細書に組込まれている。例えば弾性パネルは、不織布ウエブ、弾性部材、および薄い柔軟な熱可塑性フィルムのラミネートから成っていてもよい。不織布ウエブおよび薄い柔軟な熱可塑性フィルムに適した材料は、各々表面シート２４およびバックシート２６に関して前記されているものである。弾性部材に適した材料は、イリノイ州Ｌａｋｅｕｒｉｃｈのエクソン・ケミカル・カンパニーによって、ＥＸＸ５５０という名称で製造されている。ついでこのようなラミネートを、不織布ウエブおよび熱可塑性フィルムを恒久的に伸ばすのに十分な機械的延伸に付してもよいが、用いる方法は、前記米国特許第５，１５１，０９２号に記載されている、弾性パネルを形成するための方法である。あるいはまた、サイドパネルの非弾性部分は、これらを弾性部材と組合わせる前に集合されてもよい。好ましい弾性パネルは構造弾性様フィルムウエブ（ＳＥＬＦ）である。構造弾性様フィルムウエブは、添加弾性材料を用いずに伸び方向に弾性様挙動を示す延伸性材料である。ＳＥＬＦウエブは少なくとも２つの隣接する、別々の不同部位を有する張力網を含んでいる。これらの部位の１つは、もう１つの部位の実質的な部分が、加えられた伸びに対して有意の抵抗力を発揮する前に、予め決定されている軸に平行な方向において加えられた軸の伸びに応じて、抵抗力を示すように配列されている。これらの部位の少なくとも１つの表面経路長さは、材料が伸びていない状態で、予め決定された軸に実質的に平行に測定されたもう１つの部位の表面経路長さより大きい。表面経路長さが長い方の部位は、もう１つの部位の平面の上に伸びている１つまたはそれ以上の変形を含んでいる。ＳＥＬＦウエブは、予め決定された軸に平行な方向において加えられた伸びに付される場合、少なくとも１つの予め決定された軸に沿う伸びに対して、少なくとも２つの有意に異なる段階の調節された抵抗力を示す。ＳＥＬＦウエブは、長い方の表面経路を有する部位の実質的な部分が、加えられた伸び平面に入るようにさせるに十分なほどウエブが伸びるまで、加えられた伸びに対して第１抵抗力を示す。その結果、ＳＥＬＦウエブは、それ以上の伸びに対して第２抵抗力を示す。伸びへの総抵抗力は、第１部位により与えられた伸びへの第１抵抗力より高い。本発明に適したＳＥＬＦウエブは、１９９４年２月２４日にＤｏｎａｌｄＣ．Ｒｏｅらによって出願された、併願の共同出願米国特許出願番号第０８／２０３，４５６号によりさらに詳しく記載されている。この出願の開示については、参照として本明細書に組込まれている。図２に示されているように、おむつ２０は、さらにウエストシールド３７を備えている。ウエストシールド３７は、体内から排出される水性液がボルスターウエスト部３８（下記）から表面シート２４を通って漏れるのを防ぐために備えられている。図１および図２に示されている本発明の好ましい実施態様において、ウエストシールドは、おむつ２０のウエスト部４２の表面シート２４に固定されている。より一般的なケースでは、ウエストシールド３７は、同様にボルスターウエスト部３８を含んでいるおむつ２０のウエスト部の表面シート２４に固定されている。ウエストシールド３７は、吸収性コア２８（ここにおいて、ウエストシールド３７は吸収性コア２８の受入れ要素２７の１つの横方向の末端を部分的にカバーしている）のウエスト縁部５８ａの少し下から、第１ウエスト部４２に位置するおむつ末端縁部５６まで、外側に長手方向に伸びている。この型のウエストシールドは、１９８６年３月２５日にＫｅｎｎｅｔｈＢ．Ｂｕｅｌｌに許可された米国特許第４，５７８，０７１号でさらに詳細に議論されている。この特許の開示については、参照として本明細書に組込まれている。ウエストシールド３７は、体内から排出される水性液に対して不透過性である。これは好ましくは、薄いプラスチックフィルムから製造される。但し、その他の柔軟な液体不透過性材料を用いてもよい。従って、ウエストシールド３７は、バックシート２６に適しているものと本質的に同じ特性を有する材料から成っていてもよい。ウエストシールド３７の好ましい材料は、厚みが約０．０１２ｍｍ（０．５ミル）〜約０．０５１ｍｍ（２．０ミル）の熱可塑性フィルムである。おむつ２０は、さらにはボルスターウエスト部３８を備えている。ここで用いられているボルスターウエスト部とは、第１ウエスト部４２または第２ウエスト部４４または両方のウエスト部に位置している、おむつ２０の１要素を意味する。ボルスターウエスト部は、前記の欠陥のある方法の少なくとも１つによるウエスト位置でのフィットの低下または早期漏れに抵抗するものである。本発明のおむつ２０の好ましい実施態様において、図１および図２では、ボルスターウエスト部３８は、吸収性コア２８の一部の、おむつ２０の第１ウエスト部４２への延長部として示されている。最も好ましくは、ボルスターウエスト部３８は、吸収性コア２８の第１ウエスト縁部５８ａから、おむつ２０の第１ウエスト部４２における横方向の末端部５６に隣接する縦方向位置へと長手方向に伸びている。あるいはまた、本発明のおむつは、第２ウエスト部４４または両方のウエスト部４２、４４に位置するボルスターウエスト部を備えていてもよいであろう。最小限、ボルスターウエスト部３８は、コア２８の末端縁部５８ａまたは５８ｂから第１ウエスト部４２または第２ウエスト部４４へと、固定装置３６によってウエスト部に与えられる張力帯を通って、長手方向に伸びていなければならない。さらには本発明のボルスターウエスト部は、吸収性コア２８の延長部、または吸収性コア２８と効果的に液体が流れる関係にある１つまたはそれ以上の別の要素、またはこれらの両方を備えるものと考えられる。図２に示されているように、好ましいボルスターウエスト部３８は、少なくとも１つの材料層、好ましくは前記米国特許第５，２６８，２２４号に記載されている物理的性質を有する吸収性フォームから成っている。図２に示されている好ましい実施態様において、ボルスターウエスト部３８は、３層のこのフォーム３９ａ〜３９ｂから成る。これらの層３９ａ〜３９ｂは、典型的には接着剤で接合されているのではなく、単に液体再分配要素２９の延長部であるだけであり、従って互いにおよび液体受入れ要素２７と、効果的に液体が流れる関係にある。ボルスターウエスト部３８は、次のような物理的または化学的性質を備えていなければならない。すなわち、現在の技術のおむつが示しているような、弛み、外れ、捲くれによる、ウエスト部分におけるフィットの低下あるいは早期漏れの原因となる様々な方法のマイナスの影響の少なくとも一部を打ち消すような特性である。例えば、最も単純な形態において、おむつは、表面シート２４、バックシート２６、コア２８、弾性レッグカフス３２、ウエスト部に側面張力を作り出す手段、例えば固定装置３６、およびボルスターウエスト部３８を備えているだけである。このボルスターウエスト部３８は、ボルスターウエスト部３８の代わりに現在の技術の弾性ウエストバンドを備えている同様な構造の吸収体と比較した場合、フィットと封じ込めが改良される。本発明の吸収体の利点は、捲くれ、外れ／滑り、あるいは弛み／ずれによるフィットと封じ込めの低下に対して抵抗力を与えることである。吸収体を装着した時に、正常に装着している間に特に力が繰り返して加わることによって、ウエスト部の剛性が失われ、コア材料が吸収体のウエスト部から股部の中へ落ちて、コア材料はウエスト部の剛性にあまり役立たなくなる。特に、ボルスターウエスト部３８は改良された剛性要素をもたらす。正常に装着した時でも、捲くれ、外れ／滑り、あるいは弛み／ずれる傾向があるが、この要素は、この時に繰り返し力が加えられた後でさえ剛軟度がある。このような剛性要素が無ければ、胃の膨張が吸収体のウエスト上部を押し付けて、これが捲くれ、下方へ動くことになろう。例えばこの剛性要素の測定値の１つには、片持ばり曲げ値がある。乾燥片持ばり曲げ値が約８．３ｃｍ（３．３インチ）以上、好ましくは約９．４ｃｍ（３．７インチ）以上のボルスターウエスト部３８は、吸収体が乾燥しているか、あるいは一部濡れている時に、曲げに対抗する満足すべき抵抗力を与えることがわかった。重要なことは、ボルスターウエスト部３８が体内から排出される水性液で飽和する時、すなわちウエスト部における漏れのリスクが最大になる時、ボルスターウエスト部３８は、少なくとも、おむつ２０が乾燥している時の抵抗力に等しい捲くれへの抵抗力を維持することである。濡れている時の捲くれへのこの抵抗力は、片持ばり曲げ値によって示される。この値は、本発明のボルスターウエスト部３８が合成水性液で飽和する時に、約９．９ｃｍ（３．９インチ）以上、好ましくは約１０．７ｃｍ（４．２インチ）以上、最も好ましくは約１１．６ｃｍ（４．６インチ）以上に増加する。乾燥または飽和片持ばり曲げ値の測定方法は、下記のテスト方法の項で示す。体内から排出される水性液で濡れた場合の剛性のこのような変化は、片持ばり曲げ比で定義された場合にはっきりと分かる。ここで用いられている「片持ばり曲げ比」とは、吸収体が合成水性液で飽和している時の片持ばり曲げ値と、吸収体が乾燥している時の片持ばり曲げ値との比として定義される。本発明の吸収体は、片持ばり曲げ比が約１．０：１かそれ以上であることがわかった。本発明の吸収体は、この最小片持ばり曲げ比を有する場合でも、合成水性液で飽和している時のウエスト部の乾燥剛性を少なくとも維持する。好ましくは本発明の吸収体に関する片持ばり曲げ比は、１．１：１以上、最も好ましくは１．３：１以上である。すなわち本発明の吸収体の好ましい実施態様は、合成水性液で飽和している時に剛性を増す。さらには、ボルスターウエスト部３８が多数回曲げられた場合でさえ、剛軟度は維持される。例えば、ボルスターウエスト部３８が周期的に曲げられた後、乾燥片持ばり曲げ値は、少なくとも８．０ｃｍ（３．５インチ）である。ボルスターウエスト部３８が合成水性液で飽和している時にこのテストを繰り返すと、片持ばり曲げ値は、少なくとも約９．６ｃｍ（３．８インチ）、好ましくは約１１．１ｃｍ（４．４インチ）以上という結果になる。周期的曲げを行なった場合の剛性保持を測定する方法は、下記のテスト方法の項に記載されている。剛性保持比も定義しうる。ここで用いられている「剛性保持比」は、サンプルが２０サイクル周期的に曲げられる前後に同じサンプルに対して測定された片持ばり曲げ値の比として定義される（テスト方法の項参照）。剛性保持比は、乾燥サンプル、あるいは合成水性液で飽和したサンプルについて計算できる。本発明のボルスターウエスト部は、剛性保持比が乾燥時に少なくとも約０．９０、好ましくは約０．９５以上である。サンプルが合成水性液で飽和している場合、剛性保持比は、少なくとも約０．８８、好ましくは約０．９２以上である。本発明のボルスターウエスト部３８および吸収性コア２８はまた、共同作用して抵抗力を生じ、これによって、弾性ウエスト部も前記サイドパネルも備えていない単純な吸収体でさえ、通常の体の動き、あるいは吸収体に体内からの浸出物が負荷された場合に生じる下方への力によってずり下がるのを妨げる。この共同作用は、図３および図４に示されている。これらの図面は、本発明のおむつの実施態様を乳幼児が装着しているところを示している。これらの図からわかるように、乳幼児の周りの最小円周８５は、お腹の少し下のお腹のしわのところの１点と、腰部のくぼみの１点とを結ぶ、おむつ装着中の乳幼児の周りのラインに沿っている。例えば固定装置３６から与えられる側面張力帯は、おむつのウエストバンドがおむつが装着された場所８０（典型的には装着者のウエストの周りであって、装着者のへそのところまたはその近くであって、お腹のしわの上）から、この最小円周ライン８５に重なる場合にずり下がると言われている。張力帯は、最小円周ライン８５の方へ動くような傾向がある。これはそうなった場合に張力が減少するからである。ボルスターウエスト部３８が、図１および図２で示された本発明の好ましい実施態様のように、吸収性コア２８の延長部であるか、これと単体構造であるときに、おむつのこれら２つの要素は共同作用を行なって、装着者の通常の動きまたは体内からの浸出物の負荷によるこの力Ｆ１を解消させる。そうでなければ、この力は、装着者の脚の部分に抵抗力Ｆ２を生じることによって、おむつをずり下げる働きをすることになろう。すなわち、ボルスターウエスト部３８および吸収性コア２８は「支柱」の働きをし、このような力をおむつのウエスト部から装着者の脚の方へ移す。この共同作用は図４に示されている。現在の技術の吸収体のコア要素が体内から排出される水性液で飽和した時には、機械的結着性の低下によって、ここでのこのような共同作用が妨げられる。さらには吸収体が、おむつ２０のウエスト部に側面張力を生じるのを助ける弾性部分、例えば図１に示された本発明の好ましい実施態様のサイドパネル４０を備えている場合、ボルスターウエスト部３８は、このような弾性部分の弾性部材として用いられる重合体系の応力緩和を補うという、さらなる利点をも与えてくれる。以下にさらに詳細に議論されるように、ボルスターウエスト部３８の片持ばりは、体内から排出される水性液で飽和した時に増加する。この片持ばりの増加によって、ウエスト部分の吸収体の円周全体を大きくし、従って吸収体のウエスト部における弾性部分を伸ばし、弾性部分の伸長によって生じた収縮力の増加により応力緩和を補う。図５は、本発明のおむつ２０の好ましい実施態様のウエスト部における張力帯の内部の収縮力の変化を表わす図式である。おむつ２０が装着された時に、収縮力は、張力帯を形成する、使用中のウエスト部位の弾性要素に与えられる伸びの量によって決定される。このことは、図５の第１部分において、収縮力が本質的にゼロから最大へと非常に短時間に変わる場合が示されている（すなわち使用中に弾性要素は一定の伸長まで急速に伸び、ついで伸びは固定装置によって固定される）。時間の経過と共に、ウエストの収縮力は実質的に応力緩和によって減少する。このように収縮力が減少すると、おむつのウエスト部にずれができ、その結果ウエスト部分のフィットが低下し、漏れのリスクが増加する。これは張力帯内部の収縮力が減少するからである。しかしながら本発明の吸収体に関しては、ボルスターウエスト部３８は、応力緩和によるこの収縮力の低下を補う。応力緩和による収縮力の低下を補うことについては、図５の第２部分において、非常に短時間に収縮力の第２の増加があることによって示されている。ボルスターウエスト部３８は、吸収体の円周の周りの張力帯内部の弾性要素に対して伸び度を効果的に増加させることによって、応力緩和を補う。ボルスターウエスト部３８は、体内から排出される水性液に暴露される時に片持ばりの増加によって応力緩和を補う。ボルスターウエスト部が体内から排出される水性液に暴露される（すなわち濡れる）時に片持ばりが増加しうる唯一の方向は、装着者から離れている（すなわち装着者のウエストは片持ばりの増加によって実質的には収縮しない）ので、装着者のウエストの有効径は、片持ばりの増加量だけ、および生じることもある側面膨張だけ増加する。これによって、吸収帯の円周が装着者のウエストの周りで効果的に増加することになる。この結果、弾性要素がさらに伸びる。数学的にはこの増加は次のように説明しうる。張力帯の全長の周りで平均された量Ｘｍｍのボルスターウエスト部３８による片持ばりの増加の結果、吸収帯の弾性要素をさらに約２Ｘｍｍ伸ばすことになる。例えば約１ｍｍ（〜０．０４インチ）の片持ばりの増加の結果、弾性要素を約６ｍｍ（〜０．２５インチ）伸ばすことになる。その結果生じる張力帯内部の収縮力の増加は、弾性部材として用いられる重合体系の比応力／歪み特性による。本発明のボルスターウエスト部３８が応力緩和による収縮力低下のかなりな部分を補うことを保証するためには、本発明のボルスターウエスト部は片持ばり増加比が少なくとも３．０：１以上、好ましくは５．０：１以上、最も好ましくは７．０：１以上である。ここで用いられている「片持ばり増加比」は、合成水性液で完全に飽和している時（すなわち完全に膨張した状態で）のボルスターウエスト部３８の片持ばりと、乾燥状態の時（すなわち完全に収縮した状態で）のボルスターウエスト部の片持ばりとの比を意味する。例えば最も好ましい実施態様において、本発明のボルスターウエスト部は乾燥片持ばりが約１．５ｍｍ、湿潤片持ばりが約１３．８ｍｍであり、その結果片持ばりの増加比が９．２：１になる。完全に膨張した状態（湿潤片持ばり）および完全に収縮した状態（乾燥片持ばり）の片持ばりを測定する方法が下記のテスト方法の項に示されている。本発明のボルスターウエスト部３８はまた、前記の弾性要素における応力緩和とは異なる原因によるウエスト部の側面張力の減少をも補う。ウエスト部位の側面張力の減少のその他の原因の例としては、ウエストにおける非弾性要素の伸び、および固定装置３６の外れがある。このようなケースでは、おむつ２０の装着者のウエストの周りの有効円周が増加し、ウエスト部の側面張力が減少する。本発明のボルスターウエスト部３８は、前記のように体内から排出される水性液で飽和する時に片持ばりが増加することによって、装着者のウエストに対して力を与え、その結果、おむつ２０のウエスト部にフープ応力を生じ、再びおむつを装着者のウエストの周りで締め付け、側面張力の低下を補う。本発明のボルスターウエスト部３８は、前記のように体内から排出される水性液で飽和する時に片持ばりが増加しうるものでなければならないだけでなく、ボルスターウエスト部３８は、使用中の力、例えば張力帯内部の圧縮力に付される時に、片持ばりが増加しうるものでなければならない。すなわちボルスターウエスト部３８の片持ばりの増加によって生じる膨張力は、ボルスターウエスト部３８が応力緩和を補いうるように、張力帯における圧縮力よりも大きくなければならない。圧縮力に抵抗するこの能力の測定基準の１つは、圧縮撓みへの抵抗力である。圧縮撓みへの抵抗力は、合成尿で飽和して十分に膨張しているフォームサンプル中に生じた歪みの量（片持ばりの減少％）を、０．７４ｐｓｉ（５．１ｋＰａ）制限圧力の形態でサンプルに応力を与えた後に測定することによって、この発明の目的のために定量化しうる。本発明のボルスターウエスト部３８の好ましい実施態様は、約４０％以下の圧縮撓みへの抵抗力を有する。圧縮撓みへの抵抗力を測定する方法は、下記のテスト方法の項に簡単に説明されており、より詳しくは前記米国特許出願番号第０７／９８９，２７０号に記載されている。前記のボルスターウエスト部３８の物理的性質は、吸収性フォーム材料、例えば本発明の吸収性コア２８の少なくとも一部用として好ましいＨＩＰＥフォームから与えられてもよいが、ここで挙げられているものは、本発明をこれらの材料のみに限定するためではない。本発明のボルスターウエスト部３８は、湿潤時の片持ばりが増加するか（すなわち片持ばりの増加比が少なくとも３．０：１）、乾燥片持ばり曲げ値および湿潤片持ばり曲げ値が前記のようであるか（すなわち片持ばり曲げ比が少なくとも１．０：１）、あるいはその両方であるような材料あるいはこれらの材料の組合わせから成っていてもよいと考えられる。例えばボルスターウエスト部３８は、２つの要素から成っていてもよい。すなわち１つは曲げに抵抗する力を与える剛化要素であり、もう１つは吸収体の弾性要素における応力緩和を補う要素である。マサチューセッツ州ローレンスのＶｏｌｔｅｋ，Ｉｎｃ．によってＶｏｌａｒａという商品名で販売されている放射架橋ポリエチレンフォームが適切な剛化要素である。１９９４年７月１９日にＬａＶｏｎらに許可された米国特許第５，３３０，４５９号（この特許の開示については、参照として本明細書に組込まれている）に、記載されているものと似ている膨張式スペーサーが、濡れた時に片持ばりを増加させ、弾性要素における応力緩和を補いうる。例えば前記特許に記載された膨張式スペーサーは、好ましくはその非膨張時の厚みの少なくとも１０倍、より好ましくはその非膨張厚みの少なくとも５０倍の厚みまで増加する（６列、６４−６８行）。剛化だけ、または片持ばりの増加だけを与えるウエスト部を備えた実施態様も考えられる。おむつ２０は、ウエスト部の１つ、好ましくは第２ウエスト部４４を装着者の腰の下に配置し、おむつの残り部分を装着者の脚の間に配置し、もう１つのウエスト部、好ましくは第１ウエスト部４２が装着者の前面に配置されるようにして、装着者に装着するのが好ましい。ついで固定装置３６のテープタブは、固定装置のレリース部分から離される。次におむつ装着者は、テープタブの１つを、対応するランディングゾーンに接着させ、残りのテープタブを掴み、これを引張ってそのランディングゾーンに接着させる。弾力性のあるサイドパネルは、典型的には装着者のサイズおよび形に合うように、この操作の間広げられ、かつ引張られる。排泄しつけ用パンツまたはパンツ型おむつとして用いうる、本発明のもう１つの実施態様において、ウエスト部４２、４４にあるおむつ２０の縦縁部５４の部分は、股部４６にある縦縁部５４部分の外側を側面方向に伸びている。すなわちもう１つの実施態様の場合、おむつは股部４６よりもウエスト部４２、４４のほうが幅が広い。さらにはウエスト部４２、４４の縦縁部５４は接合される。すなわち本発明のこのもう１つの実施態様において、吸収体には固定装置が備えられていない。側面張力帯は、本発明のこのもう１つの実施態様のウエスト部に、弾性部分、例えば弾性サイドパネルによって、これにも備えられている。すなわちおむつ２０は、第１ウエスト部４２が第２ウエスト部４４に向かい合うように、その横方向の中心線１０２の周りで折り畳まれている。ついで、第１ウエスト部４２および第２ウエスト部４４におけるおむつ２０の向かい合った縦縁部５４は、当業者に知られた手段によって接合されて継目を形成する。第２ウエスト部４４に対する第１ウエスト部４２の横幅の広さによって、装着されている時に、これらの継目は前面、側面あるいは吸収体のこのもう１つの実施態様の後部にさえ配置されてもよい。縁部を接合して継目を形成する手段の例は、１９９３年８月１７日にＢｒｉｄｇｅｓに許可された米国特許第５，２３６，４３０号に記載されている。この特許の開示については、参照として本明細書に組込まれている。テスト方法本発明について記載するにあたり、いくつかの特徴が示されている。報告されているところでは、これらの特徴は下記のテスト液およびテスト方法を用いて測定しうる。１）テスト液−合成尿ここでのテストにおいて記載されたいくつかの測定には、例えば合成尿、エタノール、あるいは２−プロパノール（イソプロピルアルコール）のようなテスト液を用いる。下記のいくつかのテストで用いられる合成尿は、ＪａｙｃｏＰｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌｓ（ペンシルバニア州１７０５５Ｍｅｃｈａｎｉｃｓｂｕｒｇ）製造の商品として入手できる合成尿調製物から作られる。この調製物から作られたこのＪａｙｃｏ合成尿は、ＫＣｌを０．２％、Ｎａ₂ＳＯ₄を０．２％、ＮＨ₄Ｈ₂ＰＯ₄を０．０８５％、（ＮＨ₄）₂ＨＰＯ₄を０．０１５％、ＣａＣｌ₂＊２Ｈ₂Ｏを０．０２５％、およびＭｇＣｌ₂＊６Ｈ₂Ｏを０．０５％（重量％）含む。合成尿サンプルは、蒸留水を用いて、ラベルの指示に従って調製する。溶解を助けるために、Ｊａｙｃｏ塩混合物をゆっくりと水に添加する。必要であれば、微粒子を除去するためにサンプルを濾過する。１週間後未使用の合成尿はすべて廃棄する。液体を見やすくするために、合成尿溶液１リットルあたり５滴のブルーの食品着色料を添加してもよい。用いられたＪａｙｃｏ合成尿は、表面張力が６５±５ダイン／ｃｍである。２）自由吸収力自由吸収力は、この発明の目的のために、合成尿で飽和しかつ膨張した吸収性材料のサンプルによって吸収された合成尿量を測定することによって定量化しうる。サンプルとＪａｙｃｏ合成尿を、温度８８°Ｆ（３１．１℃）まで平衡させる。測定は室温で実施する。潰れた状態のサンプルシートを、Ｊａｙｃｏ合成尿浴に浸して、その自由吸収力まで膨張および飽和させる。３分後、１平方インチ（６．５ｃｍ²）の円形表面積を有する円筒を、鋭い円形ダイで、飽和膨張シートから切る取る。円筒サンプルを８８°Ｆでさらに３分間合成尿に浸す。ついでこのサンプルを、合成尿溶液から除去し、デジタル秤に載せる。サンプルの面積より大きい面積のウエーパンを備え、感度限界が１ミリグラムまたはそれ以下の秤ならどれでも使用できる。このような秤の例として、ＭｅｔｔｌｅｒＰＭ４８０およびＭｅｔｔｌｅｒＣ４４０（ニュージャージー州ＨｉｇｈｔｓｔｏｗｎのＭｅｔｔｌｅｒＩｎｓｔｒｕｍｅｎｔＣｏｒｐ．）がある。湿ったサンプルの重量（Ｗｗ）を測定した後、これを、４枚の使い捨てペーパータオルの上に載せた２枚の細かいプラスチックメッシュスクリーンの間に入れる。プラスチックローラーを表面スクリーン上で強く回転させて、サンプルを３回絞る。ついでサンプルを除去し、約２分間蒸留水に浸し、前のようにメッシュスクリーンの間で絞る。ついでこれを８層（各側４層）の使い捨てペーパータオルの間に入れ、ＣａｒｖｅｒＬａｂｏｒａｔｏｒｙＰｒｅｓｓで２０，０００ポンドの力で圧縮する。ついでサンプルをペーパータオルから除去し、フィッシャー熱対流炉で１８０°Ｆで２０分間乾燥し、その乾燥重量（Ｗｄ）を記録する。自由吸収力は、湿潤重量（Ｗｗ）−乾燥重量（Ｗｄ）÷乾燥重量（Ｗｄ）である：（Ｗｗ−Ｗｄ）／乾燥重量（Ｗｄ）サンプルの自由吸収力を決定する測定は、圧縮撓み、および／または膨張要因への抵抗力を決定するための測定と同時に実施されてもよい。３）１フォーム容積あたりの比表面積１フォーム容積あたりの比表面積の値は、潰れた乾燥フォーム構造を直接測定することによってというよりむしろ、（ａ）乾燥フォーム構造の湿潤時に測定される毛管吸い上げ比表面積、および（ｂ）飽和に至るまで濡らした後の膨張フォーム構造の密度から求められる。１９９２年１２月１１日に出願された併願米国特許出願番号第０７／９８９，２７０号（Ｄｙｅｒら）参照。この特許は参照として本明細書に組込まれている。この特許では１フォーム容積あたりの比表面積が詳細に議論されている。４．毛管吸収圧力１９９２年１２月１１日に出願された併願米国特許出願番号第０７／９８９，２７０号（Ｄｙｅｒら）（この特許は参照として本明細書に組込まれている）のテスト方法の項に記載されている、垂直吸い上げ吸収力テストを用いて、毛管吸収恒温曲線が作られる。但し３７℃ではなく３１℃を用いる。この曲線は、吸い上げられた高さの関数としての、各セグメントの吸収力のプロットである。毛管吸収圧力は、フォームの高さとして考えられる。これはフォームの自由吸収力の１／２の吸収力を有する。５）片持ばり曲げ値本発明の片持ばり曲げ値は、織物の剛性に関するＡＳＴＭ方法Ｄ１３８８標準テスト方法：オプションＡ−片持ばりテストを利用して決定する。このテスト方法には下記の修正を加えるべきである。１）サンプルを、８８°Ｆ、相対湿度５５％で実施されるテストに合わせて状態調節する。２）テストサンプルは、織物の切片ではなく吸収体の切片から成る。３）縦方向の曲げ剛性だけを測定した。フィットの低下を生じるのはこの縦方向の曲げだからである。４）すべてのサンプルについて、サンプルが外側表面６４の方へ曲がるようなテストが実施された。おむつが折れた時に、この方向が曲げ方向だからである。５）サンプルについて、乾燥状態と飽和状態の両方のテストが行なわれた。６）片持ばり曲げ値は、ＡＳＴＭ方法Ｄ１３８８に規定された張り出しの長さに等しい。６）周期曲げの際の剛性保持曲げた時の剛性の保持は、前記片持ばり曲げ値テストを用いて生じたデータから決定される。特に、ａ）テストサンプルの当初片持ばり曲げ値は、前記のように決定される。ｂ）ついで、長い縁部が垂直に一列になるようにサンプルの方向を定め、これを第１方向における垂直アラインメントに対して７０°の角度に曲げ、これを垂直アラインメントに対して０°まで戻し、これを反対方向の垂直アラインメントに対して７０°の角度に曲げることによって、テストサンプルを周期的に曲げる。曲げサイクルは、各方向への７０°の角度の曲げ、および０°までの戻しとして定義される。ｃ）曲げサイクルは、１分あたり曲げ１０サイクルの率で１０回繰り返される。ｄ）曲げられたサンプルについての片持ばり曲げ値は前記のように測定する。ｅ）サンプルに関する剛性保持比は、サンプルが周期的に曲げられた後、測定された片持ばり曲げ値を、曲げる前に測定された当初の片持ばり曲げ値で割って計算できる。７）湿潤および乾燥片持ばり本発明の目的のための片持ばりまたは厚み測定は、サンプルが０．０５ｐｓｉ（３５０Ｐａ）の制限圧力下にある時に実施される。片持ばり測定のためにサンプルを用意する。１平方インチ（６．５ｃｍ²）の円形表面積を有する円筒を、鋭い円形ダイを用いてサンプルから打ち抜く。片持ばり測定を実施するのに適したダイアル型ゲージをサンプルに載せる。少なくとも１平方インチ（６．５ｃｍ²）の円形表面積を有する足部を備え、０．００１インチ（０．０２５ｍｍ）までの片持ばりの大きさが測定できるゲージであればどれでも使用できる。このようなゲージの例として、Ａｍｅｓモデル４８２（マサチューセッツ州ＷａｌｔｈａｍのＡｍｅｓＣｏ．）、またはＯｎｏ−ＳｏｋｋｉモデルＥＧ−２２５（日本のＯｎｏ−ＳｏｋｋｉＣｏ．，Ｌｔｄ）がある。別々の３つのサンプルの片持ばり測定を行なう。ついで各サンプルを、Ｊａｙｃｏ合成尿で、その自由吸収力まで飽和させる。２分後、飽和して完全に膨張した各サンプルの片持ばり測定を再び行なう。８）圧縮撓みへの抵抗力圧縮撓みへの抵抗力は、合成尿で飽和して十分に膨張しているサンプル中に生じた歪みの量（片持ばりの減少％）を、０．７４ｐｓｉ（５．１ｋＰａ）の制限圧力の形態でサンプルに応力を与えた後に測定することによって、この発明の目的のために定量化しうる。本質的には、低い制限圧力（０．０５ｐｓｉ（３５０Ｐａ））で測定された片持ばりと、０．７４ｐｓｉ（５．１ｋＰａ）で測定された片持ばりとの差が、比較的高い制限圧力によって生じた歪みを規定する。この方法は、併願の米国特許出願番号第０７／９８９，２７０号のテスト方法の項で、より詳細に記載されている。本発明の特別な実施態様が例示されかつ記載されているが、その他の様々な変更および修正を、本発明の精神および範囲から逸脱することなく為しうることは当業者には明白であろう。従って添付請求の範囲においては、この発明の範囲に含まれるこのような変更および修正をも包含するものとする。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＺ，ＢＹ，ＫＺ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者ヤング、ジェラルド・アルフレッドアメリカ合衆国、オハイオ州 45231、シンシナチ、ハースストーン・ドライブ 1101 (72)発明者サイツ、ブレット・ダーレンアメリカ合衆国、オハイオ州 45069、ウエスト・チェスター、ターミガン・コート 8599

Claims

【特許請求の範囲】１．装着者の体に付けるための吸収体であって、この吸収体は、各々縦方向および側面方法を画定する縦および側面中心線、縦縁部、股部、第１および第２ウエスト部を有してしており、この吸収体は、前記股部から前記ウエスト部の少なくとも１つまで、体内から排出される水性液を運ぶことができる少なくとも１つの液体再分配要素を具備する吸収性コアと；前記吸収性コアへ接合されている外側カバーであって、前記外側カバーの外辺部を画定する縦サイドと側面末端部を有しており、好ましくは前記外側カバーが液体不透過性バックシートと、前記外辺部の周りで前記バックシートと接合された液体透過性表面シートとを具備し、前記吸収性コアが前記表面シートと前記バックシートとの間に配置されているものと；前記ウエスト部に配置された前記ウエスト部の少なくとも一部を通る側面張力を作り出す手段であって、好ましくは側面張力を作り出す前記手段が固定装置を備えているものと；を具備し、前記吸収体は、前記吸収体がさらに、前記ウエスト部の少なくとも１つ、好ましくは前記ウエスト部の両方に配置されている、前記吸収体へのフィットの低下を減少させるためのボルスターウエスト部を具備し、このボルスターウエスト部が前記吸収性コアと効果的に液体が流れる関係にあり、好ましくは前記ボルスターウエスト部が、前記吸収性コアの前記液体再分配要素の延長部であることを特徴とする吸収体。２．前記ボルスターウエスト部の片持ばり増加比が少なくとも３．０：１であり、好ましくは前記片持ばり増加比が少なくとも５．０：１であり、より好ましくは前記片持ばり増加比が少なくとも７．０：１である、請求項１に記載の吸収体。３．前記ボルスターウエスト部の片持ばり曲げ比が少なくとも１．０：１であり、好ましくは前記片持ばり曲げ比が少なくとも１．１：１であり、より好ましくは前記片持ばり曲げ比が少なくとも１．３：１である、請求項１または２に記載の吸収体。４．前記ボルスターウエスト部は、乾燥時の剛性保持比が少なくとも０．９：１であり、好ましくは前記剛性比が少なくとも０．９５：１である、請求項１、２または３に記載の吸収体。５．前記吸収体がさらに、前記ウエスト部の１つに少なくとも一部配置された、側面方向に伸びている少なくとも１組のサイドパネルであって、このウエスト部において前記サイドパネルが各々前記外側カバーの前記縦サイドの１つへ接合され、かつこの前記縦サイドの１つから側面方向に外側に伸びており、好ましくは前記パネルは前記第１ウエスト部と第２ウエスト部の両方に配置されており、より好ましくは前記第２ウエスト部の前記サイドパネルは弾力性があるもの；および前記外側カバーの前記縦サイドと連結的に組合わされた、縦方向に伸びている弾性レッグカフスであって、好ましくは前記弾性レッグカフスが二重の伸長カフスを具備するもの、を具備する、請求項１ないし４のいずれか１項に記載の吸収体。６．前記吸収体がさらに、前記ボルスターウエスト部と、前記表面シートとの間に配列されたウエストシールド、および前記第２ウエスト部にある前記外側カバーの前記側面末端部から前記吸収性コアの方へ縦方向に内側に伸びている弾性ウエスト部であって、好ましくは前記弾性ウエスト部が、前記表面シートの少なくとも一部と前記バックシートとを具備するもの、を具備する、請求項１ないし５のいずれか１項に記載の吸収体。７．前記ボルスターウエスト部が吸収性フォームから成り、好ましくは前記吸収性フォームがＨＩＰＥフォームから成る、請求項１ないし６のいずれか１項に記載の吸収体。８．前記固定装置がテープ固定装置を具備する、請求項１ないし７のいずれか１項に記載の吸収体。９．前記固定装置が機械的固定手段を備える、請求項１ないし８のいずれか１項に記載の吸収体。