【発明の詳細な説明】
洗濯用液体洗剤発明の分野
本発明は洗濯用液体洗剤に関し、より詳細にはゼオライト系混和剤を含有させ
た上記洗剤に関する。背景
洗濯用洗剤に入れる混和剤としてゼオライト類が成功裏に用いられて来たこと
は公知であり、そして米国特許第4,605,509号(Corkill他)に
商業的に魅力のある粉末洗剤が開示されていて、それには1種以上の水溶性有機
界面活性剤が5−95重量%、ゼオライト系混和剤が5−95重量%および1種
以上の補助用混和剤が5−50重量%入っている。
このCorkill他の粉末洗剤に匹敵する液体洗剤を開発することができれ
ば望ましいことである。しかしながら、液体洗剤を商業的に魅力のあるものにす
るには、その中にゼオライトを安定に懸濁させる必要がありかつ最大粘度を21
秒-1のせん断速度で測定して1000mPa.sにする必要があるであろう。
米国特許第5,252,244号(Beaujean他)にゼオライト含有水
系液体洗剤が教示されており、それの安定化は、少なくとも1種の炭酸塩と少な
くとも1種の硫酸塩を含めた電解質系を用いて行われており、それの粘度は20
00−11,000mPa.s(B型粘度計、スピンドル番号6、10rpm)
である。
米国特許第5,006,273号(Machin他)に教示されているように
、界面活性剤の組織化(structuring)[これは、
界面活性剤分子の同心二重層で出来ている玉ねぎ様構造から成っていて、その間
に水が捕捉されると考える]を起こさせると液体洗剤の中に固体状材料を安定に
懸濁させることが可能になる。しかしながら、Corkill他の界面活性剤の
如き界面活性剤系を液体洗剤で用いた場合、これらは、しばしば、組織化した相
を作り出し得ない。更に、Machin他が開示しているように、界面活性剤系
がその目的で用いるに適切であっても、それらを界面活性剤含有量が少なくとも
10重量%になるような量で用いると別の問題が生じ得る、即ち、界面活性剤を
そのように多量に含有させて固体を懸濁させた液体洗剤は、これに粘度低下用ポ
リマー(viscosity−reducing polymer)を含有させ
ないと、粘度が1000mPa.sよりかなり高くなる傾向がある。
この上で述べた特性を持たせたCorkill様液体洗剤、即ちゼオライトが
安定に懸濁していて最大粘度が1000mPa.sの液体洗剤の開発では、洗剤
が流動し得るようにするための粘度低下用ポリマーの使用を回避することができ
れば有利であり、そしてまた、液体洗剤に入れる補助用混和剤の量を上記Cor
kill他の粉末に入っている混和剤の量よりも少なくするのが望ましいであろ
う。補助用混和剤の含有量が低くなればなるほど、洗剤が示す腐食性が低下し、
生態学的に望ましくない補助用混和剤を用いた時に起こる環境障害の度合が低く
なり、そして所定ゼオライトレベルにおける粘度が低くなるであろう。発明の要約
液体洗剤に特定のアルキルベンゼンスルホネート/ノニオン性エトキシレート
混合物を界面活性剤として含有させると水にゼオライト粒子が
安定に懸濁していて補助用混和剤含有量が<5重量%で粘度が≦1000mPa
.sの液体洗剤を粘度低下用ポリマーの使用なしに得ることができることをここ
に見い出した。
従って、本発明は界面活性剤組織化(surfactant−structu
red)水系液体洗剤に属し、ここでは、この液体洗剤に、
(A)懸濁しているゼオライト粒子を5−45重量%含有させ、
(B)アルキルベンゼンスルホネート/ノニオン界面活性剤の混合物を10−3
0重量%含有させるが、ここで、(1)該混合物のノニオン成分をアルコールも
しくはアルキルフェノールのエトキシレートまたはそれとアミンオキサイドの混
合物にし、(2)該アルキルベンゼンスルホネート/ノニオン界面活性剤の重量
比を〜0.5−10/1の範囲にし、(3)該アミンオキサイド/エトキシレー
トの重量比を0−4/1の範囲にし、そして(4)該アミンオキサイド/アルキ
ルベンゼンスルホネートの重量比を0−0.5/1の範囲にし、
(C)補助用混和剤を、該ノニオン界面活性剤/補助用混和剤の重量比が〜3.
5/1以下になるように、0.5−4.5重量%の範囲の量で含有させ、そして
(D)水を35−80重量%含有させる。詳細な説明
本発明の洗剤組成物は、Machin他(これの教示は引用することによって
本明細書に組み入れられる)の液体洗剤と同様、界面活性剤組織化水系液体洗剤
である。しかしながら、これらは、公知液体洗剤とは異なり、粘度を≦1000
mPa.sにするための粘度低下用ポリマーを用いる必要がないことと、懸濁し
ている粒子の含有量を45重量%の
如く高くすることができること(ゼオライトが洗剤の洗濯能力に貢献することか
ら有利)の利点を有する。
上記界面活性剤系の1成分として用いるアルキルベンゼンスルホネートは、界
面活性剤として有用であることが知られている如何なるアルキルベンゼンスルホ
ネート類であってもよい。しかしながら、これは好適にはアルキル基が炭素を1
0−15、最も好適には11−12個含むアルキルベンゼンスルホン酸の塩、通
常ナトリウム塩である。
既に述べたように、この新規な組成物に含める界面活性剤混合物を得る目的で
上記アルキルベンゼンスルホネートと一緒に用いるエトキシレートは、アルコー
ルまたはアルキルフェノールのエトキシレートであってもよい。このような界面
活性剤はよく知られており、通常、炭素数が8−24のアルキル基を含みかつエ
トキシ基を4−30個含む化合物である。本発明の実施で用いるに特に有用であ
ることを確認したエトキシレート類は、とりわけ、エトキシ(EO)基を1分子
当たり4−12個含むC8−C16アルコールエトキシレート類、およびEO基を
1分子当たり6−15個含むオクチルフェノールエトキシレート類およびノニル
フェノールエトキシレート類である。特に、この組成物に含める補助用混和剤の
含有量を低く保つことが重要である場合、アルキルフェノール類のエトキシレー
ト類が好適である傾向がある。
上記界面活性剤の任意成分であるアミンオキサイドは、界面活性剤として通常
用いられる如何なるアミンオキサイド類であってもよく、典型的には式RR’R
”NO[式中、Rは炭素数が8−24の第一アルキル基であり、R’はメチル、
エチルまたは2−ヒドロキシエチルであり、そしてR”は、独立して、メチル、
エチル、2−ヒドロキシエチル、お
よび炭素数が8−24の第一アルキル基から選択される]に相当するアミンオキ
サイドであってもよい。このようなアミンオキサイド類には、例えばN−オクチ
ルジメチルアミンオキサイド、N,N−ジデシルメチルアミンオキサイド、N−
デシル−N−ドデシルエチルアミンオキサイド、N−ドデシルジメチルアミンオ
キサイド、N−テトラデシルジメチルアミンオキサイド、N−テトラデシル−N
−エチルメチルアミンオキサイド、N−テトラデシル−N−エチル−2−ヒドロ
キシエチルアミンオキサイド、N−ヘキサデシルジメチルアミンオキサイド、N
−オクタデシルジメチルアミンオキサイド、N,N−ジエイコシルエチルアミン
オキサイド、N−ドコシルジメチルアミンオキサイド、N−テトラコシルジメチ
ルアミンオキサイドおよびそれらの混合物などが含まれ、好適なアミンオキサイ
ド類は、通常、長鎖アルキル基を1つ含むアミンオキサイド類、例えばN−テト
ラデシルジメチルアミンオキサイドなどである。
このアミンオキサイドを用いる場合、これの濃度がアミンオキサイド/アルキ
ルベンゼンスルホネートの重量比が>0.5/1になるほど高くない限り、該界
面活性剤に含めるノニオン成分の80重量%に及ぶ量をアミンオキサイドで構成
させてもよい。
本液体洗剤に含める界面活性剤の組織化を得るに必要なアルキルベンゼンスル
ホネート/ノニオン界面活性剤比率は、使用する個々の補助用混和剤およびこの
組成物中の界面活性剤濃度および補助用混和剤濃度に伴って変わる可能性がある
、即ちこの混合物で使用可能なアルキルベンゼンスルホネート量はこの組成物に
入れる界面活性剤含有量を高くすればするほど多くなり、容認され得るアルキル
ベンゼンスルホネート/ノ
ニオン界面活性剤比率は本洗剤に入れる補助用混和剤含有量を高くすればするほ
ど低くなり、そしてスルホネート/ノニオン界面活性剤比の有効範囲は補助用混
和剤のレベルを最も低くした時に最も狭くなる。しかしながら、一般的には、利
用可能なアルキルベンゼンスルホネート/ノニオン界面活性剤重量比は〜0.5
−10/1、好適には〜0.8−5.3/1、より好適には〜1.5−4/1の
範囲であり、本発明の範囲内に入る個々の組成物に適合した最良の比率は常規実
験で容易に決定される。
この補助用混和剤は、Corkill他(これの教示は引用することによって
本明細書に組み入れられる)の場合と同様に、「硬質」イオン類、例えばカルシ
ウムイオンおよびマグネシウムイオンなどの封鎖において、該混和剤を補助する
目的で洗剤組成物で通常用いられる如何なる水溶性無機および有機塩類であって
もよい。そのような塩の例は、アルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム
)の炭酸塩、重炭酸塩、ケイ酸塩、塩化物、ヨウ化物、クエン酸塩、燐酸塩、ピ
ロ燐酸塩、ホスホン酸塩、ニトリロトリ酢酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアスパ
ラギン酸塩、ポリカルボン酸塩およびこはく酸塩である。
この上に示したように、この組成物で用いる補助用混和剤の量は多様で0.5
−4.5重量%であってもよいが、所定の場合に好適な量は、これと一緒に用い
る個々の界面活性剤混合物、該組成物の界面活性剤含有量、そしてこの補助用混
和剤が環境に悪影響を与え得る度合などの如き要因に依存する。この補助用混和
剤の必要量は該組成物に入れる界面活性剤含有量が低くなればなるほど高くなる
が、該ノニオン界面活性剤/補助用混和剤の重量比が〜3.5/1を越えないほ
どの量で補助用混
和剤を用いることが重要であると思われる。しかしながら、本洗剤が示す腐食性
を低くし、生態学的に望ましくない補助用混和剤を用いる時にはこれが環境を害
する度合を低くし、かつ所定ゼオライトレベルにおける粘度を低くする目的で、
一般に、界面活性剤の含有量を高くする(即ち20−30重量%にする)ことと
組み合わせて、利用する補助用混和剤の量を少なくする(即ち0.5−3.5重
量%にする)のが好適である。
本新規液体洗剤に入れる混和剤として用いる個々のゼオライトは、これが粒状
のナトリウム塩である限り決定的でない。このように、このゼオライトはCor
kill他のゼオライトであってもよいが、また他のゼオライト類も利用可能で
ある。これは、通常、ゼオライトAもしくはXまたはそれらの混合物、好適には
ゼオライトAまたはゼオライトA/ゼオライトXのブレンドである。
本発明の液体洗剤を調製する時にその材料を一緒にする順は決定的でなく、如
何なる順であってもよい。しかしながら、通常、該水溶性界面活性剤混合物と補
助用混和剤を水に溶解させて、組織化した相を生じさせた後、その中にゼオライ
ト粒子を懸濁させるのが好適である。
本発明は、充分に界面活性剤が組織化した液体洗剤を提供する点で有利である
が、特に、界面活性剤含有量が20−30%でゼオライト含有量が15−45%
の洗剤(即ち、洗剤構成をこのような組成にした場合、以前には、流動し得るよ
うにする目的で粘度低下用ポリマーを用いる必要があった)を生じさせることが
可能になる点で有益である。本発明の液体洗剤に、このような組成物でしばしば
用いられる添加剤、例えば染料、香料、酵素および防腐剤などを少量含めてもよ
く、そしてまた、界
面活性剤の組織化が失われない限り、公知液体洗剤に入っている粘度低下用ポリ
マーを含めることも可能である。しかしながら、実際のところ、粘度低下用ポリ
マー類を混合する方が望ましいであろうと言った可能性は少ない、即ちこれらは
必要でない可能性があり、従って単にその洗剤の価格を高くすることになってし
まう可能性がある。
以下に示す実施例は本発明を例示する目的で示すものであり、本発明の限定と
して示すことを意図するものでない。特に明記しない限り、本実施例で述べる量
は重量で表す量であり、以下に示す如き記号を用いて洗剤材料を表す。
実施例1
ゼオライト含有液体洗剤の組織化相として働く能力を測定する目的で1組の基
本的組成物を調製する。使用した材料および使用量を表Iに示す。
実施例2
実施例1の基本的組成物各々に(1)撹拌しながらゼオライト粒子を入れるこ
とで懸濁しているゼオライトが10−15重量%入っている懸濁液を生じさせ、
(2)この懸濁液を室温で貯蔵し、そして(3)この懸濁液を2カ月後に検査す
ることでそれの安定性を測定することにより、それが組織化相として働く能力に
関して試験する。この試験は、本発明の範囲内に入る基本的組成物から生じさせ
た懸濁液(即ちアルファベットで表示し、接尾数字を付けていない組成物)は各
々安定である一方、比較の基本的組成物では、その各々からゼオライトがかなり
の量で沈澱して第二相を形成したことを示している。
この上で実証したように、選択したアルキルベンゼンスルホネート/ノニオン
性エトキシレートの混合物を界面活性剤として用いると、予想外に、ゼオライト
を含有させた液体洗剤に入れた界面活性剤が組織化すると言った結果が得られ、
このような結果は、それに相当すると通常見なされている界面活性剤混合物でそ
れらを置き換えた時には得られていない。このような現象は、また、上記エトキ
シレートの一部をアミンオキサイドで置き換えた時そして/または粘度が≦10
00mPa.sでゼオライト含有量が45重量%の如く高い他の液体洗剤が得ら
れるように基本的組成物に懸濁させるゼオライトの量を多くした時にも観察され
る。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年10月3日
【補正内容】
明細書
洗濯用液体洗剤発明の分野
本発明は洗濯用液体洗剤に関し、より詳細にはゼオライト系混和剤を含有させ
た上記洗剤に関する。背景
洗濯用洗剤に入れる混和剤としてゼオライト類が成功裏に用いられて来たこと
は公知であり、そして米国特許第4,605,509号(Corkill他)に
商業的に魅力のある粉末洗剤が開示されていて、それには1種以上の水溶性有機
界面活性剤が5−95重量%、ゼオライト系混和剤が5−95重量%および1種
以上の補助用混和剤が5−50重量%入っている。
このCorkill他の粉末洗剤に匹敵する液体洗剤を開発することができれ
ば望ましいことである。しかしながら、液体洗剤を商業的に魅力のあるものにす
るには、その中にゼオライトを安定に懸濁させる必要がありかつ最大粘度を21
秒-1のせん断速度で測定して1000mPa.sにする必要があるであろう。
米国特許第5,252,244号(Beaujean他)にゼオライト含有水
系液体洗剤が教示されており、それの安定化は、少なくとも1種の炭酸塩と少な
くとも1種の硫酸塩を含めた電解質系を用いて行われており、それの粘度は20
00−11,000mPa.s(B型粘度計、スピンドル番号6、10rpm)
である。
米国特許第5,006,273号(Machin他)に教示されているように
、界面活性剤の組織化(structuring)[これは、
界面活性剤分子の同心二重層で出来ている玉ねぎ様構造から成っていて、その間
に水が捕捉されると考える]を起こさせると液体洗剤の中に固体状材料を安定に
懸濁させることが可能になる。しかしながら、Corkill他の界面活性剤の
如き界面活性剤系を液体洗剤で用いた場合、これらは、しばしば、組織化した相
を作り出し得ない。更に、Machin他が開示しているように、界面活性剤系
がその目的で用いるに適切であっても、それらを界面活性剤含有量が少なくとも
10重量%になるような量で用いると別の問題が生じ得る、即ち、界面活性剤を
そのように多量に含有させて固体を懸濁させた液体洗剤は、これに粘度低下用ポ
リマー(viscosity−reducing polymer)を含有させ
ないと、粘度が1000mPa.sよりかなり高くなる傾向がある。
この上で述べた特性を持たせたCorkill様液体洗剤、即ちゼオライトが
安定に懸濁していて最大粘度が1000mPa.sの液体洗剤の開発では、洗剤
が流動し得るようにするための粘度低下用ポリマーの使用を回避することができ
れば有利であり、そしてまた、液体洗剤に入れる補助用混和剤の量を上記Cor
kill他の粉末に入っている混和剤の量よりも少なくするのが望ましいであろ
う。補助用混和剤の含有量が低くなればなるほど、洗剤が示す腐食性が低下し、
生態学的に望ましくない補助用混和剤を用いた時に起こる環境障害の度合が低く
なり、そして所定ゼオライトレベルにおける粘度が低くなるであろう。発明の要約
液体洗剤に特定のアルキルベンゼンスルホネート/ノニオン性エトキシレート
混合物を界面活性剤として含有させると水にゼオライト粒子が
安定に懸濁していて補助用混和剤含有量が<5重量%で粘度が≦1000mPa
.sの液体洗剤を粘度低下用ポリマーの使用なしに得ることができることをここ
に見い出した。
従って、本発明は界面活性剤組織化(surfactant−structu
red)水系液体洗剤に属し、ここでは、この液体洗剤に、
(A)懸濁しているゼオライト粒子を5−45重量%含有させ、
(B)アルキルベンゼンスルホネート/ノニオン界面活性剤の混合物を10−3
0重量%含有させるが、ここで、(1)該混合物のノニオン成分をアルコールも
しくはアルキルフェノールのエトキシレートにするが、このエトキシレートは、
該ノニオン成分の追加的任意材料としてのアミンオキサイドとの混合物であって
もよく、(2)該アルキルベンゼンスルホネート/ノニオン界面活性剤の重量比
を0.8−5.3/1の範囲にし、(3)該アミンオキサイド/エトキシレート
の重量比を0−4/1の範囲にし、そして(4)該アミンオキサイド/アルキル
ベンゼンスルホネートの重量比を0−0.5/1の範囲にし、
(C)補助用混和剤を、該ノニオン界面活性剤/補助用混和剤の重量比が3.5
/1以下になるように、0.5−4.5重量%の範囲の量で含有させ、そして
(D)水を35−80重量%含有させる。詳細な説明
本発明の洗剤組成物は、Machin他の液体洗剤と同様、界面活性剤組織化
水系液体洗剤である。しかしながら、これらは、公知液体洗剤とは異なり、粘度
を≦1000mPa.sにするための粘度低下用ポリマーを用いる必要がないこ
とと、懸濁している粒子の含有量を45重量
%の如く高くすることができること(ゼオライトが洗剤の洗濯能力に貢献するこ
とから有利)の利点を有する。
上記界面活性剤系の1成分として用いるアルキルベンゼンスルホネートは、界
面活性剤として有用であることが知られている如何なるアルキルベンゼンスルホ
ネート類であってもよい。しかしながら、これは好適にはアルキル基が炭素を1
0−15、最も好適には11−12個含むアルキルベンゼンスルホン酸の塩、通
常ナトリウム塩である。
既に述べたように、この新規な組成物に含める界面活性剤混合物を得る目的で
上記アルキルベンゼンスルホネートと一緒に用いるエトキシレートは、アルコー
ルまたはアルキルフェノールのエトキシレートであってもよい。このような界面
活性剤はよく知られており、通常、炭素数が8−24のアルキル基を含みかつエ
トキシ基を4−30個含む化合物である。本発明の実施で用いるに特に有用であ
ることを確認したエトキシレート類は、とりわけ、エトキシ(EO)基を1分子
当たり4−12個含むC8−C16アルコールエトキシレート類、およびEO基を
1分子当たり6−15個含むオクチルフェノールエトキシレート類およびノニル
フェノールエトキシレート類である。特に、この組成物に含める補助用混和剤の
含有量を低く保つことが重要である場合、アルキルフェノール類のエトキシレー
ト類が好適である傾向がある。
上記界面活性剤の任意成分であるアミンオキサイドは、界面活性剤として通常
用いられる如何なるアミンオキサイド類であってもよく、典型的には式RR’R
”NO[式中、Rは炭素数が8−24の第一アルキル基であり、R’はメチル、
エチルまたは2−ヒドロキシエチルであり、そしてR”は、独立して、メチル、
エチル、2−ヒドロキシエチル、お
よび炭素数が8−24の第一アルキル基から選択される]に相当するアミンオキ
サイドであってもよい。このようなアミンオキサイド類には、例えばN−オクチ
ルジメチルアミンオキサイド、N,N−ジデシルメチルアミンオキサイド、N−
デシル−N−ドデシルエチルアミンオキサイド、N−ドデシルジメチルアミンオ
キサイド、N−テトラデシルジメチルアミンオキサイド、N−テトラデシル−N
−エチルメチルアミンオキサイド、N−テトラデシル−N−エチル−2−ヒドロ
キシエチルアミンオキサイド、N−ヘキサデシルジメチルアミンオキサイド、N
−オクタデシルジメチルアミンオキサイド、N,N−ジエイコシルエチルアミン
オキサイド、N−ドコシルジメチルアミンオキサイド、N−テトラコシルジメチ
ルアミンオキサイドおよびそれらの混合物などが含まれ、好適なアミンオキサイ
ド類は、通常、長鎖アルキル基を1つ含むアミンオキサイド類、例えばN−テト
ラデシルジメチルアミンオキサイドなどである。
このアミンオキサイドを用いる場合、これの濃度がアミンオキサイド/アルキ
ルベンゼンスルホネートの重量比が>0.5/1になるほど高くない限り、該界
面活性剤に含めるノニオン成分の80重量%に及ぶ量をアミンオキサイドで構成
させてもよい。
本液体洗剤に含める界面活性剤の組織化を得るに必要なアルキルベンゼンスル
ホネート/ノニオン界面活性剤比率は、使用する個々の補助用混和剤およびこの
組成物中の界面活性剤濃度および補助用混和剤濃度に伴って変わる可能性がある
、即ちこの混合物で使用可能なアルキルベンゼンスルホネート量はこの組成物に
入れる界面活性剤含有量を高くすればするほど多くなり、容認され得るアルキル
ベンゼンスルホネート/ノ
ニオン界面活性剤比率は本洗剤に入れる補助用混和剤含有量を高くすればするほ
ど低くなり、そしてスルホネート/ノニオン界面活性剤比の有効範囲は補助用混
和剤のレベルを最も低くした時に最も狭くなる。しかしながら、一般的には、利
用可能なアルキルベンゼンスルホネート/ノニオン界面活性剤重量比は0.8−
5.3/1、好適には1.5−4/1の範囲であり、本発明の範囲内に入る個々
の組成物に適合した最良の比率は常規実験で容易に決定される。
この補助用混和剤は、Corkill他の場合と同様に、「硬質」イオン類、
例えばカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンなどの封鎖において、該混和
剤を補助する目的で洗剤組成物で通常用いられる如何なる水溶性無機および有機
塩類であってもよい。そのような塩の例は、アルカリ金属(例えばナトリウムお
よびカリウム)の炭酸塩、重炭酸塩、ケイ酸塩、塩化物、ヨウ化物、クエン酸塩
、燐酸塩、ピロ燐酸塩、ホスホン酸塩、ニトリロトリ酢酸塩、ポリアクリル酸塩
、ポリアスパラギン酸塩、ポリカルボン酸塩およびこはく酸塩である。
この上に示したように、この組成物で用いる補助用混和剤の量は多様で0.5
−4.5重量%であってもよいが、所定の場合に好適な量は、これと一緒に用い
る個々の界面活性剤混合物、該組成物の界面活性剤含有量、そしてこの補助用混
和剤が環境に悪影響を与え得る度合などの如き要因に依存する。この補助用混和
剤の必要量は該組成物に入れる界面活性剤含有量が低くなればなるほど高くなる
が、該ノニオン界面活性剤/補助用混和剤の重量比が3.5/1を越えないほど
の量で補助用混和剤を用いることが重要であると思われる。しかしながら、本洗
剤が示す腐食性を低くし、生態学的に望ましくない補助用混和剤を用いる時には
これが環境を害する度合を低くし、かつ所定ゼオライトレベルにおける粘度を低
くする目的で、一般に、界面活性剤の含有量を高くする(即ち20−30重量%
にする)ことと組み合わせて、利用する補助用混和剤の量を少なくする(即ち0
.5−3.5重量%にする)のが好適である。
本新規液体洗剤に入れる混和剤として用いる個々のゼオライトは、これが粒状
のナトリウム塩である限り決定的でない。このように、このゼオライトはCor
kill他のゼオライトであってもよいが、また他のゼオライト類も利用可能で
ある。これは、通常、ゼオライトAもしくはXまたはそれらの混合物、好適には
ゼオライトAまたはゼオライトA/ゼオライトXのブレンドである。
本発明の液体洗剤を調製する時にその材料を一緒にする順は決定的でなく、如
何なる順であってもよい。しかしながら、通常、該水溶性界面活性剤混合物と補
助用混和剤を水に溶解させて、組織化した相を生じさせた後、その中にゼオライ
ト粒子を懸濁させるのが好適である。
本発明は、充分に界面活性剤が組織化した液体洗剤を提供する点で有利である
が、特に、界面活性剤含有量が20−30%でゼオライト含有量が15−45%
の洗剤(即ち、洗剤構成をこのような組成にした場合、以前には、流動し得るよ
うにする目的で粘度低下用ポリマーを用いる必要があった)を生じさせることが
可能になる点で有益である。本発明の液体洗剤に、このような組成物でしばしば
用いられる添加剤、例えば染料、香料、酵素および防腐剤などを少量含めてもよ
く、そしてまた、界面活性剤の組織化が失われない限り、公知液体洗剤に入って
いる粘度低下用ポリマーを含めることも可能である。しかしながら、実際のとこ
ろ、粘度低下用ポリマー類を混合する方が望ましいであろうと言った可能性
は少ない、即ちこれらは必要でない可能性があり、従って単にその洗剤の価格を
高くすることになってしまう可能性がある。
以下に示す実施例は本発明を例示する目的で示すものであり、本発明の限定と
して示すことを意図するものでない。特に明記しない限り、本実施例で述べる量
は重量で表す量であり、以下に示す如き記号を用いて洗剤材料を表す。
実施例1
ゼオライト含有液体洗剤の組織化相として働く能力を測定する目的で1組の基
本的組成物を調製する。使用した材料および使用量を表Iに示す。
実施例2
実施例1の基本的組成物各々に(1)撹拌しながらゼオライト粒子を入れるこ
とで懸濁しているゼオライトが10−15重量%入っている懸濁液を生じさせ、
(2)この懸濁液を室温で貯蔵し、そして(3)この懸濁液を2カ月後に検査す
ることでそれの安定性を測定することにより、それが組織化相として働く能力に
関して試験する。この試験は、本発明の範囲内に入る基本的組成物から生じさせ
た懸濁液またはいくつかの比較組成物(アルファベットで表示し、接尾数字を付
けていない)から生じさせた懸濁液は各々安定である一方、その他の比較の基本
的組成物では、その各々からゼオライトがかなりの量で沈澱して第二相を形成し
たことを示している。
この上で実証したように、選択したアルキルベンゼンスルホネート/ノニオン
性エトキシレートの混合物を界面活性剤として用いると、予想外に、ゼオライト
を含有させた液体洗剤に入れた界面活性剤が組織化すると言った結果が得られ、
このような結果は、それに相当すると通常見なされている界面活性剤混合物でそ
れらを置き換えた時には得られていない。このような現象は、また、上記エトキ
シレートの一部をアミンオキサイドで置き換えた時そして/または粘度が≦10
00mPa.sでゼオライト含有量が45重量%の如く高い他の液体洗剤が得ら
れるように基本的組成物に懸濁させるゼオライトの量を多くした時にも観察され
る。
請求の範囲
1. 界面活性剤組織化水系液体洗剤であって、(A)懸濁しているゼオライ
ト粒子を5−45重量%含有し、(B)アルキルベンゼンスルホネート/ノニオ
ン界面活性剤の混合物を10−30重量%含有し、ここで、(1)該混合物のノ
ニオン成分がアルコールもしくはアルキルフェノールのエトキシレートであるが
、このエトキシレートは、該ノニオン成分の追加的任意材料としてのアミンオキ
サイドとの混合物であってもよく、(2)該アルキルベンゼンスルホネート/ノ
ニオン界面活性剤の重量比が0.8−5.3/1の範囲であり、(3)該アミン
オキサイド/エトキシレートの重量比が0−4/1の範囲であり、そして(4)
該アミンオキサイド/アルキルベンゼンスルホネートの重量比が0−0.5/1
の範囲であり、(C)補助用混和剤を、該ノニオン界面活性剤/補助用混和剤の
重量比が3.5/1以下になるように、0.5−4.5重量%の範囲の量で含有
し、そして(D)水を35−80重量%含有する液体洗剤。
2. ≦1000mPa.sの粘度を有する請求の範囲第1項の液体洗剤。
3. 該アルキルベンゼンスルホネート/ノニオン界面活性剤の重量比が1.
5−4/1の範囲である請求の範囲第1項の液体洗剤。
4. 該アルキルベンゼンスルホネートがアルキル基が炭素を10−15個含
むアルキルベンゼンスルホン酸の塩である請求の範囲第1項の液体洗剤。
5. 該アルキルベンゼンスルホネートがアルキル基が炭素を11−12個含
むアルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩である請求の範
囲第4項の液体洗剤。
6. 該エトキシレートがエトキシ基を4−30個含み、そしてこれが、炭素
を8−24個含む1種以上のアルコール類のエトキシレートである請求の範囲第
1項の液体洗剤。
7. 該エトキシレートがC8−C16アルコールのエトキシレートであり、こ
れがエトキシ基を1分子当たり4−12個含む請求の範囲第6項の液体洗剤。
8. 該エトキシレートがエトキシ基を4−30個含み、そしてこれが、アル
キル基が炭素を8−24個含むアルキルフェノールのエトキシレートである請求
の範囲第1項の液体洗剤。
9. 該エトキシレートがオクチルフェノールもしくはノニルフェノールのエ
トキシレートであり、これがエトキシ基を1分子当たり6−15個含む請求の範
囲第8項の液体洗剤。
10. 該エトキシレートが該界面活性剤混合物のただ1つのノニオン成分で
ある請求の範囲第1項の液体洗剤。
11. 該界面活性剤混合物のノニオン成分がエトキシレートとアミンオキサ
イドの混合物である請求の範囲第1項の液体洗剤。
12. 該アミンオキサイドが式RR’R”NO[式中、Rは炭素を8−24
個含む第一アルキル基であり、R’はメチル、エチルまたは2−ヒドロキシエチ
ルであり、そしてR”は、独立して、メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、
および炭素を8−24個含む第一アルキル基から選択される]に相当する化合物
である請求の範囲第11項の液体洗剤。
13. 該補助用混和剤がクエン酸ナトリウムである請求の範囲第1項の液体
洗剤。
14. ≦1000mPa.sの粘度を有し、懸濁しているゼオライトの含有
量が15−45重量%であり、界面活性剤混合物の含有量が20−30重量%で
あり、アルキルベンゼンスルホネート/ノニオン界面活性剤の重量比が1.5−
4/1の範囲であり、そしてクエン酸ナトリウムの含有量が0.5−3.5重量
%である請求の範囲第13項の液体洗剤。
15. 該界面活性剤が(A)アルキル基が炭素を11−12個含むアルキル
ベンゼンスルホン酸のナトリウム塩と(B)エトキシ基を1分子当たり6−15
個含むオクチルフェノールもしくはノニルフェノールエトキシレートの混合物で
ある請求の範囲第14項の液体洗剤。
16. 該補助用混和剤が炭酸ナトリウムである請求の範囲第1項の液体洗剤
。
17. ≦1000mPa.sの粘度を有し、懸濁しているゼオライトの含有
量が15−45重量%であり、界面活性剤混合物の含有量が20−30重量%で
あり、アルキルベンゼンスルホネート/ノニオン界面活性剤の重量比が1.5−
4/1の範囲であり、そして炭酸ナトリウムの含有量が0.5−3.5重量%で
ある請求の範囲第16項の液体洗剤。
18. 該界面活性剤が(A)アルキル基が炭素を11−12個含むアルキル
ベンゼンスルホン酸のナトリウム塩と(B)エトキシ基を1分子当たり6−15
個含むオクチルフェノールもしくはノニルフェノールエトキシレートの混合物で
ある請求の範囲第17項の液体洗剤。