JPH10510294A - 脱蛋白血液透析物の使用方法 - Google Patents

脱蛋白血液透析物の使用方法

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JPH10510294A JP8534572A JP53457296A JPH10510294A JP H10510294 A JPH10510294 A JP H10510294A JP 8534572 A JP8534572 A JP 8534572A JP 53457296 A JP53457296 A JP 53457296A JP H10510294 A JPH10510294 A JP H10510294A
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    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]

Abstract

(57)【要約】 本発明は幼牛血液から得られた脱蛋白血液透析物を炎症性関節症または非炎症性関節症の治療及び予防の少なくとも一方のために使用する新たな使用方法に関する。この目的を達成するために、血液透析物は5%グルコース液とともに問題の関節内に関節内注射することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】 脱蛋白血液透析物の使用方法 本発明は請求項1の前提部分に開示する除蛋白した血液透析物(以下、脱蛋白 血液透析物と称する)(deproteinisiertem Haemodialysat)の使用方法に関す る。 関節症は最も多発する運動器官系疾患の1つであり、35歳を越す人の約半数 が関節の変性を既に示している。従って、関節症を治療するか、または少なくと も関節器官の変性を遅延させ得る治療法を開発することが望ましい。 一般的な治療法として、患部関節の適切な休息を行い得る。特に、下肢または 脊椎の関節が冒されている場合、関節の損傷または患部関節の過度の歪みを防止 することも重要である。これは患者の減量の重要性を意味する。不適切な静的歪 みを防止することが重要である。即ち、姿勢を検査し、さらには作業姿勢または 対応する強制された姿態を矯正する必要がある。 不適切な歪みを有する場合、踏まず支え等から整形外科的補助具を選択し得る 。更に、弾性膝蓋骨、副木、コルセットまたは歩行支持具等を使用し得る。勿論 、既存の循環器系障害、主に、下肢循環器系障害の治療が必要である。 物理療法と称される治療法では、物理療法的運動が重要である。即ち、関節に 隣接した萎縮筋肉を引き延ばし、かつ同筋肉を強化することが重要である。これ に関連した重要な点としては、関節包を延ばして開くことが挙げられる。これに より、硬直または関節炎の発生を防止できる。 更に、マッサージを行い得る。マッサージは関節症に冒された際に低下する局 部血液循環を主に改善する。ファンゴ、パラフィンまたは泥パック等のパック及 びラップの効果は既に立証されている。関節腫脹をともなう急性炎症及び急性刺 激の場合、患部関節の氷療法(Eistherapie)が必要である。更に、サーマル・ キノセラピー・バス(Thermal-Bewe-gungsbaeder)または電気療法 (Elektrotherapie)を実施し得る。電気療法の例としては、高周波療法、超音 波、または患部を貫通して流れる動的電流の使用等が挙げられる。 一般的に、外科手術療法は更に重傷なケースに使用される。一部の外科手術療 法は脚内の欠陥位置を矯正すべく使用される。一般的な外科手術療法としては、 関節の炎症及び腫脹の実質的な原因である滑液、即ち滑膜の摘出が挙げられる。 しかし、これは重傷なケースにのみ適用される。欠陥位置が関節症の進行を招来 する場合、骨軸を変更することにより位置を矯正する必要がある。最終段階に達 した関節症では、関節の部分的または全体的な置換を多数の関節において実施し 得る。 次いで、薬物療法を以下に詳述する。 非ステロイド抗リュウマチ薬と称される薬剤は鎮痛作用も有する。このため、 非ステロイド抗リュウマチ薬を使用することにより、疼痛を大きく緩和できる。 更に、非ステロイド抗リュウマチ薬の抗炎症作用により、関節内への滲出を防止 できる。 これらの薬剤は経口投与または非経口投与が可能である。同薬剤は関節症の後 期、即ち、関節症の進行中における関節軟骨の退行変性によって生じた滑液領域 の変化が存在する際にのみ使用される。即ち、前記の薬剤は実質的に症状を治療 し得るのみであって、同薬剤の攻撃ポイントは原因療法ではない。非ステロイド 抗リュウマチ薬の一般的な副作用が知られている。これらの薬剤は胃腸疾患を有 する患者と、気管支喘息または枯草熱等のアレルギー反応に対する疾病素質を有 する患者とには使用できない。更に、小児、高血圧者、高齢の患者及び腎機能不 全者に対して使用する場合には注意が必要である。 副作用として、皮膚の過敏症障害、中枢神経障害、視覚障害、聴覚障害、胃腸 障害、肝機能障害、ナトリウム及び水障害、並びにカリウム過剰血症が発生し得 る。更に、過敏な反応が免疫系に生じ得る。また、この薬剤は多数の相互作用を 他の薬剤との間に有することが知られている。 複数の非ステロイド抗リュウマチ薬のうちの一部は軟膏としての使用が可能で ある。これは関節における一定の腫脹減退を招来する。しかし、この場合、原因 療法は不可能である。前記の副作用も生じ得る。しかし、同副作用の程度は更に 軽い。 治療法の別の形態としては、コルチコステロイドの使用が挙げられる。しかし 、関節内ステロイド療法は適切な特定の関節症に対してのみ実施する必要がある 。これにより関節包の炎症を実質的に低減し得る。勿論、関節内への望ましくな い滲出の低減が炎症の低減に付随して生じる。コルチゾン療法の問題点としては 、コルチゾンを過剰投与した際に、炎症の活性化を招来し得る点が挙げられる。 更に、コルチゾンは軟骨基質の減成を招来する。従って、軟骨代謝の悪化が最終 的に生じる。これは関節症において好ましくない。コルチゾン療法の一般的な副 作用としては、胃腸内の変化を挙げる必要がある。更に、副作用はオステオポロ ーシス、筋無力症または無菌性骨壊死の増加を含む。出血をともなう皮膚の変化 、座瘡、または治癒期間の長期化が頻繁に生じ得る。更に、投与量が多い場合、 真ん丸な顔、即ち肥満を招来するとともに、ナトリウムの保持及びカリウムの遅 い速度での分泌を生じる。更に、高血圧を生じ得るとともに、血栓形成の危険性 が増大する。 抗炎症作用のない純粋な鎮静剤の使用は激しい疼痛をともなう場合、特に、他 の治療方法が存在しない関節症の場合にのみ必要である。このような状況におい て、即ち関節内抗関節症製剤として使用する場合、前記の薬剤は対象外である。 別のグループの薬剤は軟骨代謝を回復する作用を有する。関節症は関節軟骨に おいて始まる。従って、原因療法を実施する場合、患部が関節軟骨内に存在する こと、即ち、関節症の発生の初期段階にあることを要する。前記の全ての治療法 は活性化された関節症、即ち後期の関節症に対して使用する必要がある。初期段 階にある関節症の場合、軟骨代謝に作用する薬剤を使用する必要がある。 関節症の原因は科学的に解明されていない。しかし、遺伝因子または刺激因子 により、軟骨細胞、即ち活性な軟骨の細胞の能力が不活性化される。コラーゲン の種類に変化が生じる。この結果、初期段階において健全であった軟骨が急激に 破壊され、かつ脆弱になる。次いで、表在性軟骨侵食が生じ、さらには軟骨特異 物質の退行変性が生じる。この結果、滑液、即ち関節包が刺激される。この場合 、即ち、軟骨侵食が始まった際、軟骨保護療法を要し得る。現時点で最も多用さ れている製剤としては、ヒアルロン酸(鶏の鶏冠から得られた多糖)が挙げられ る。この軟骨特異物質は軟骨内に吸収され、かつプロテオグリカン結合の数量を 増加させる。ヒアルロン酸が軟骨基質内に吸収された場合、軟骨の水分含有量及 び弾性は正常な状態に回復する。更に、滑膜及び滑液に対する影響としては、粘 度の増大と、炎症細胞のブロックと、疼痛の軽減の始まりとが挙げられる。 これに関連して、注射位置及び関節領域における疼痛が副作用として生じ得る 。多数の患者が生成物に耐えられなく、かつ熱による大きな刺激に対して反応す る。更に、関節の極端な過温症及び腫脹をともなう滑液の増大は珍しくない。ま た、この薬剤は長期にわたる継続した効果を有さない。 軟骨保護療法の別の形態としては、グルコサミン硫酸の使用が挙げられる。し かし、グルコサミン硫酸は経口投与剤及び筋肉内投与剤の形態で提供されている のみであり、関節内投与剤の形態は多くの副作用の発生に起因して市場から撤去 されている。この場合、ヒアルロン酸合成が刺激される。ヒアルロン酸の量が増 大することにより、前記の関節内効果が実現される。 市場から撤去された別の製剤としては、グリコサミン・グリカン・ポリ硫酸( Glycosaminglykanpolysulfat)(商標名:アルテパロン(Arteparon))が挙げ られる。この場合も、ヒアルロン濃度の増加が確認されている。しかし、多くの 患者は関節内への出血に苦しんでいる。従って、この製剤は既に市場に存在しな い。スーパーオキサイド・ジスムスターゼ(Superoxiddismutase)(商標名:ペ ロキシノム(Peroxinom))も同様の問題点を有する。この製剤の投与による死 が確認されているため、同製剤も市場から撤去されている。 更に、ホメオパシーに使用する物質が多数存在する。同複数の物質のうちの一 部は非経口投与剤(例:ジール(Zeel:商標名)及びトロウミール(Traumeel: 商標名))として関節内へ注射される。これらの薬剤に対する科学的に弁護可能 な臨床研究は存在しないうえ、同薬剤の生体力学的効果/生化学的効果は確認さ れていない。 抗関節症物質を使用する療法は以下の要件を満たす必要がある。 薬剤は滑液システム内におけるヒアルロン酸塩、プロテオグリカン及びコラー ゲンの構造及び代謝を標準な状態にし、かつ安定させる必要がある。薬剤は滑液 システム内におけるヒアルロン酸塩、プロテオグリカン、コラーゲン及び他の基 質エレメントの減成を防止し、かつ関節症の活性段階に生じる炎症反応を停止さ せる能力を有する必要がある。 現時点において、市場に流通する抗関節症物質はいずれも前記の要件を満たし ていない。 これに関連して、本発明の目的は関節症の治療に適する活性剤であって、前記 の副作用を全く有さないか、または更に小さな副作用を有する活性剤を発見する ことにある。この目的は請求項1の特徴部分によって達成される。 関節症を治療するための脱蛋白血液透析物、好ましくは幼牛血液から得られた 脱蛋白血液透析物の本発明に基づく使用により、効果的な関節軟骨保護剤を提供 する。同関節軟骨保護剤の活性剤は本発明の用途とは全く異なる用途に使用すべ く市場に長く流通しており、かつ過去の経験から事実上副作用を有さないといえ る。 抗関節症療法における特に効果的な作用は、幼牛血液から得られた低分子ペプ チド及び核酸誘導体を含む脱蛋白血液透析物をベースとした製剤を用いることに より実現し得る。この活性剤はアクトベジン(Actovegin)、アクチハエミール (Actihaemyl)、ソルコセリル(Solcoseryl)またはヘラクチル(Heractyl)の 各商標名で販売されている。血液透析物は限外濾過によって形成され、蛋白質、 発熱因子及び抗原を含まない生成物が形成される。製造業者が開示する情報によ れば、限外濾過後、前記の製剤は電解質及び必須微量元素等の無機成分以外に、 30%の有機成分を含む。同有機成分はアミノ酸、炭水化物及び脂肪の代謝中間 生成物、オリゴペプチド、ヌクレオシド及び糖脂質を含む。 限外濾過によって得られた有機化合物の分子量は10,000ダルトン未満で ある。 前記の製剤は各種の分野において従来効果的に使用されている。例えば、前記 の製剤は大脳代謝及び循環器系の障害(大脳欠損障害、虚血性発作、頭蓋脳外傷 )、末梢循環器系障害(動脈血管障害、下肢潰瘍(動脈性、静脈性))、傷治癒 (各種の原因による潰瘍、栄養障害(褥瘡)、二次治癒、角膜及び結膜の障害) 、熱傷、排尿痛、皮膚上における酸による熱傷及び放射線反応、粘液または神経 組織に効果的に使用される。 更に、前記の製剤は怪我の治癒を早めるべくスポーツ医学にも効果的に使用さ れている。特に、アキレス腱痛及び筋繊維裂傷の治療に効果を示す。 前記の製剤の従来の用途に関する更なる詳細は同製剤の製造業者が開示する資 料に示されている。 しかし、前記の技術文献は前記の血液派生物を関節症の治療に使用し得ること を全く開示していない。 前記の血液派生物の投与が抗関節症作用を示すことは本願の発明者の試験によ って初めて確認された。以下に詳述するように、試験はアクトベジン/グルコー ス液の関節内注射により、関節の疼痛の緩和及び腫脹に対する予想外の効果を示 した。これは従来の開示内容からは予測できない。従って、予測不能であって、 かつ完全に説明できない作用メカニズムである。更に、患者は夜間痛または動作 時の疼痛が主観的に明らかに軽減されたことを述べている。 従って、脱蛋白血液透析物の本発明に基づく使用は、抗関節症療法の全く新し いアプローチといえる。 当然、本発明は幼牛血液から得られた血液透析物に限定されるものではなく、 他の種の動物から得られた血液の使用も可能である。 血液透析物は使用形態に基づいて塩化ナトリウム等張液、グルコース液、また は通常の点滴液に対する添加物として使用し得る。 特に優れた結果は血液派生物を患部関節に対して関節内注射した際に実現され た。注射液は体積含有率1(例えば、1.5ml)の血液透析物と、体積含有率 2(血液透析物を1.5mlとした場合は3ml)の5%グルコース液とから形 成することが好ましい。 治療期間は約55〜60日であり、注射は3〜4日毎に実施することが好まし い。 本発明の効果的な展開は他の従属請求項の主題である。 血液透析物の抗関節症作用を図面に基づいて以下に詳述する。 図1は治療期間内における自発痛の発生を示すグラフである。 図2は治療期間内における夜間痛の発生を示すグラフである。 図3は治療期間中における休息痛の発生を示すグラフである。 図4は治療期間中における関節内への滲出の発生を示すグラフである。 図5は治療期間中における早朝硬直、即ち朝のこわばりの発生(Morgensteifi gkeitentwicklung)を示すグラフである。 図6は医師及び患者による治療の成果の全体評価を示すグラフである。 脱蛋白血液透析物の抗関節症作用を証明すべく臨床研究を行った。チェルグレ ン(Kellgren)が開示するステージIIIを越えないレベルにある炎症性膝関節症 、非炎症性膝関節症及び外傷後の膝関節症をそれぞれ有する24〜70際の患者 が研究に加わった。関節症の全体的な病像はARA(アメリカリュウマチ協会) 基準に類似した弱、中及び強のトリプル・スケールで評価した。研究は妊婦と、 授乳婦と、アレルギー素質を有する患者(特に、試験する薬剤に対するアレルギ ー素質を有する患者)と、危険受胎保護下にある患者(Patientinnen mit unsich erem Konzeptionsschutz)と、急性感染症に感染した患者と、糖尿病患者と、血 友病患者と、本研究開始前の3ヶ月以内に関節内注射を受けた患者とを除外して 行った。研究はモノセントリック、かつオープンである一方で、無作為化はしな かった。 全ての患者は膝関節への関節内注射を8回受けた。注射液は1.5mlの血液 透析物注射液と、3mlの5%グルコース液との混合物である。即ち、血液透析 物注射液及び5%グルコース液の混合比は1:2である。血液透析物液は高張性 液であり、かつ関節内における滑液刺激を招来し得る。このため、血液透析物バ イアル液を5%のグルコース液で希釈した。臨床試験において、ナイコメド・ア ルツナイミッテル・ゲーエムベーハー(Nycomed Arzneimittel GmbH)からアク トベジンの商標名でドイツ国内で販売されている脱蛋白血液透析物を使用した。 注射液は3〜4日の間隔で注射した。病像に影響を及ぼす他の療法の実施は禁 止した。治療の効果は臨床パラメータを使用し、かつ初期状態(治療の開始)と 比較することにより3回(7〜8日目、28〜29日目及び56〜57日目にお ける最終試験)にわたって試験した。 治療の効果を評価するための最も重要な臨床パラメータは自発痛(日常生活に おける自発痛)である。自発痛はビジュアル・アナログ・スケール(痛覚計(Do lometer)と称される装置を使用した無痛=スケール0から激痛=スケール10 のスケール)を使用して測定した。別のパラメータとしては、夜間痛及び休息痛 (段階は、無、弱、中及び強で表示)が挙げられる。更に、別のパラメータとし ては、関節内への滲出(mlで測定)、早朝硬直(分で表示)及び可動範囲(能 動的屈伸の程度で測定)が挙げられる。また、医師及び患者による全体評価(非 常に良い、良い、十分、悪い)を行った。全ての時点で、許容量を検査した。 被検患者の平均年齢は50.4歳であり、13人の女性及び7人の男性が研究 に参加した。病気の継続期間は2〜24ヶ月であり、同継続期間の平均値は9. 7ヶ月であった。全体的な病像を評価した結果、弱が4回、中が12回、さらに は強が4回であった。膝関節症の放射線学的評価の結果は、グレード1が10回 、グレード2が6回、さらにはグレード3が4回であった。 研究の最も重要な確認ターゲット基準は自発痛であり、同自発痛は患者がビジ ュアル・アナログ・スケールを用いて測定した。図1に示すように、疼痛インデ ックス(Schmerzindex)は研究の最期(56/57日目)に初期平均値の7.7 5から2.25まで減少し、減少量は試験の2〜3日目及び3〜4日目に大きな 値を示した。 夜間痛及び休息痛は無=0、弱=1、中=2及び強=3の評価段階で分類した 。図2及び図3に示すように、疼痛の減少は夜間痛及び休息痛の両パラメータに おいて確認された。夜間痛(図2参照)の場合、疼痛は平均値が1.5から0. 4まで減少した。更に、休息痛(図3参照)の場合、疼痛は平均値が1.5から 0.35まで減少した。疼痛の減少はほぼ直線的であった。 図4に示す関節内への滲出は関節内の炎症部分を評価するための重要なパラメ ータである。初期における滲出量は0〜40mlであり、同滲出量の平均値は1 0.15mlであった。研究の最期(56/57日目)において、滲出量の平均 値は1.2mlであり、治療の最初の一週間での減少量は約50%であった。 更に、図5に示すように、早朝硬直の初期平均値(自由可動性が得られるまで の損失した時間を分で測定)は2.4分であった。しかし、同早朝硬直の平均値 は治療の最期には1.0分になった。治療の最期において、可動性の改善は最も 顕著であった(グラフ参照)。 関節の可動範囲(試験の各時点における屈伸の程度の測定値)の改善では、屈 伸能力の増大が見られる。しかし、これは統計学的に意味をなす形態で評価でき ない。 研究の最期において、医師及び患者は治療法の評価を行った。医師は治療法の 成果を8ケースにおいて非常に良いと評価した。患者は治療法の成果を14ケー スにおいて非常に良いと評価した。良いの評価は医師が9ケースにおいて示し、 患者は5ケースにおいて示した。十分な効果は医師が3ケースにおいて示し、患 者が1ケースにおいて示したのみであった。従って、医師は17人の患者におけ る成果が良いまたは非常に良いとし、19人の患者は治療法の評価を良いまたは 非常に良いとした(図6参照)。 投与した薬剤の副作用は見受けられなかった。即ち、薬剤に対する許容度は優 れていた。 5%グルコース液及びアクトベジンを用いた本研究での関節内注射療法は測定 した複数の疼痛パラメータを大きく軽減し、かつ関節の炎症(関節内への滲出) を大きく低減した。従って、薬剤アクトベジンは効果的な関節軟骨保護剤(Gele nkchondroprotektivum)と見なし得る。 前記の結果と、幼牛血液から得られた脱蛋白血液透析物の従来の医学用途にお ける知識とから以下のことが想定される。即ち、グルコースを含む軟骨細胞の栄 養物は軟骨の細胞の壊死をともなう関節症の初期段階において病気を実質的に遅 延させる効果を有する。軟骨細胞は人体内のグリコーゲンを多量に含む細胞に属 する。そして、軟骨細胞は単糖、脂肪酸及びアミノ酸からプロテオグリカン及び 糖蛋白質を合成する。プロテオグリカン及び糖蛋白質は細胞外空間における軟骨 の重要な基本物質である。 従って、脱蛋白血液透析物の成分による細胞内へのグルコース輸送の活性化は 、薬剤を治療用保護軟骨として関節の内部へ投与することにより効果を示すと考 えられる。この場合、グルコースを同時に注射することにより、関節における前 記の重要な細胞ユニット及びエネルギー源の量が増大する。 薬剤による副作用は現在までのところ報告されていない。グルコース及びアク トベジンを用いた治療を受けた20人の患者は関節内療法中に副作用を示さなか った。 以上詳述したように、幼牛血液から得られた脱蛋白血液透析物を関節内に注射 することにより、予想外の抗関節症作用を実現した。 関節内注射を前記の研究において使用したが、本発明は同投与方法に限定され るものではなく、他の投与方法(例:点滴または軟膏等)を原理的には使用でき る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.脱蛋白血液透析物、特に、幼牛血液から得られた脱蛋白血液透析物を関節症 の治療及び予防の少なくとも一方に使用する方法。 2.炎症性関節症及び非炎症性関節症の少なくとも一方の治療を特徴とする請求 項1に記載の使用方法。 3.前記血液透析物は10,000ダルトン未満の分子量を有する低分子蛋白質 (例:アミノ酸、ペプチドまたは核酸誘導体等)を含む請求項1または2に記載 の使用方法。 4.前記血液透析物は5%グルコース液によって一回の注射毎にバイアル内で希 釈される請求項1乃至3のいずれか一項に記載の使用方法。 5.前記血液透析物は好ましくは塩化ナトリウム等張液によって一回の注射毎に バイアル内で希釈される請求項1乃至3のいずれか一項に記載の使用方法。 6.前記血液透析物は点滴液内で希釈される請求項1乃至3のいずれか一項に記 載の使用方法。 7.患部関節内への関節内注射としての投与を特徴とする請求項1乃至6のいず れか一項に記載の使用方法。 8.体積含有率1の血液透析物及び体積含有率2の溶液からなる組成物を特徴と する請求項4乃至7のいずれか一項に記載の使用方法。 9.1〜5日、好ましくは3日または4日の間隔で実施される5〜20回、好ま しくは8〜10回の注射をともなう治療期間を特徴とする請求項7または8に記 載の使用方法。
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