JPH10509845A - マルチセルラ環境におけるハンドオーバーの方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 第２図ないし第３図に図示されるように、マルチセルラ環境内の移動局のハンドオーバーを実行する方法は、複数のマイクロセルの１つからマクロセルへのハンドオーバーを決定する段階と、複数のマイクロセルの１つからマクロセルへのハンドオーバーを実行する段階と、誤った近隣リストを移動局に送付する段階とによって構成される。

Description

【発明の詳細な説明】 マルチセルラ環境におけるハンドオーバーの方法 技術分野 本発明は、一般にマルチセルラ環境内の通信システムに関し、さらに詳しくは 、マクロセルおよびマイクロセルのオーバーレイおよびアンダーレイを含むマル チセルラ環境におけるハンドオーバーの方法に関する。 発明の背景 セルラ通信システムにおいては、１つの基地局がサービスを提供するサービス ・カバレージ・エリアをセルと呼ぶ。マルチセルラ環境またはマクロセルラ環境 においては、容量を大きくするために、大きなセルすなわちマクロセルをより小 さなセルすなわちマイクロセルにさらに分割する。マクロセルのオーバーレイは 、マイクロセルのアンダーレイが行われるのと同じエリア内で行われる。かくし て、マイクロセルラ・ネットワークは、少なくとも１つのマクロセル内に部分的 に配置される複数のマイクロセルを含む。移動局は、マクロセルおよびマイクロ セルの両方にサービスを提供されるエリア内に位置することができる。 セルラ通信システムによっては、２層以上のセルを有することが望ましい場合 がある。一例として、通常、マクロセル呼ばれる、はるかに大型のセルまたはセ ル群の「傘」の下にあるマイクロセルの層（たとえば、直径が数百メートル以下 の小型セルの集まりなど）がある。その他の例としては、カバレージ・エリアが 基地局サイトに近い内部領域と、基地サイトからさらに離れた外側の円形の領域 に分割され、各領域が別々のセルとして扱われる同心円セルなどもある。さらに 別の例としては、「スーパーセル」に対する従来のセルの例がある。「スーパー セル」とは、ＧＳＭ（汎ヨーロッパ・デジタル化移動体通信システム）の用語で 、基地局から３５Ｋｍ以上離れた通信範囲のカバレージを含むセルを意味し、地 域または海上カバレージに用いられることが多い。これの別の用語を「拡張セル 」という。 多層セルラ・ネットワークを確立すると、特定の移動局（または加入者ユニッ ト）を１つの層から他の層へと導いたり、１つの移動局をある層または他の層に 保持することが必要になることが多い。これを実行することは、通常のセル選択 手順では移動局が、改訂されたシステム動作により望まれるセル層以外のセル層 を自然に選択してしまうことがあるが、さらに望ましいことである。一例として 、高速で移動する車内の加入者をより広域のマクロセル・ネットワークに導き、 低速で移動する徒歩の加入者を小さなエリアのマイクロセル・ネットワークに導 くことが望ましい、 マイクロセル／マクロセル・ネットワーク内におけるものがある。このような通 信システムにおいては、通常のシステム動作の一部としてこれをネットワーク内 で実行するメカニズムがない。一例として、マイクロセルラ動作を前提としない 、またすべての移動加入者が（高速の加入者も低速の加入者も）最も強力なセル （通常は最も近いマイクロセルになる）を選択するＧＳＭのフェーズ１ネットワ ークがある。 ＥＰ-Ａ-０５８９２７９は、マクロセルを重ねられた（オーバーレイされた） マイクロセルを有するマイクロセルラ通信システムを説明する。 かくして、システム動作に好適なセル層を移動局が選択するよう誘導し、必要 に応じて移動局をその層に維持する方法を有することが望ましい。 発明の概要 本発明により、少なくとも１つのマクロセルと、少なくとも１つのマクロセル 内に少なくとも部分的に配置された複数のマィクロセルとを含むマルチセルラ環 境において移動局のハンドオーバーを実行する方法であって、少なくとも１つの マクロセルが複数のマイクロセルとは異なる層にあり、移動局のハンドオーバー がマルチセルラ環境の層間で行われる方法を提供する。本方法は、移動局がハン ドオ ーバーされた層に関するセルを識別する近隣リストを移動局に送付する段階を有 することを特徴とする。 マイクロセルからマクロセルへのハンドオーバーに関して、移動局に送付され た近隣リストは、マクロセルに関するセルのみを識別し、一方で、マクロセルか らマイクロセルへのハンドオーバーに関しては、移動局に送付された近隣リスト はマクロセルおよびマイクロセルに関するセルを識別する。 本発明の実例を、添付の図面を参照して説明する。 図面の簡単な説明 第１図は、マルチセルラ環境を図示する。 第２図は、本発明の好適な実施例のための方法の流れ図である。 第３図は、本発明の代替の実施例のための方法の流れ図である。 好適な実施例の詳細説明 第１図を参照して、複数のマイクロセル１０〜１７が部分的に配置される少な くとも１つのマクロセル１を有するマルチセルラ環境２が図示される。各セルは 、少なくとも１つの移動局と通信する各基地局を有する。高速移動局１ ９がマクロセル１によりサービスを提供され、低速移動局１８はマイクロセル１ ０によりサービスを提供されるものとして図示される。 第１図において、マルチセルラ環境は、複数のマクロセル１，３，５を含む少 なくとも１つのオーバーレイ層と、複数のマイクロセル１０〜１７を含むアンダ ーレイ層とを有するものとして定義され、マイクロセルのアンダーレイ層は少な くとも部分的にオーバーレイ層内に配置される。 第２図は、第１図のマルチセルラ環境においてハンドオーバーを実行する方法 を示す。本発明の方法は、システム動作のために好適な特定のセル層を移動局が 選択し、必要に応じてその層に移動局を維持させるよう誘導する段階を含む。 アイドル・モードにある（発呼または着呼を待機する）ＧＳＭ移動局は、最も 強い基地局信号強度を走査して、その位置を基地局インフラストラクチャに通知 するための短い信号メッセージを送付し、着信呼が到着するとページングできる ようにする（位置の更新）。また、アイドル・モードにある間に、移動局はネッ トワーク・オペレータによりプログラミングされた近隣セルのリスト（ＢＡリス ト）を含む同報制御チャネル（ＢＣＣＨ：Ｂroadcast Ｃontrol Ｃhannel）上に 基地局からの同報メッセージを受信する。移動局は、近隣セルを定期的に走査し て、移動局が選択した強度より強い近隣セルからの被受信信号強度があるか否 かを判定する。移動局は、選択した基地局との通信を見失わない限り、最後に受 信したＢＡリストに含まれるセル以外のセルを走査しないことに留意することが 重要である。 位置の更新を実行中など、呼または交換信号メッセージでのアクティブな通信 中は、移動局は同報制御チャネルではなく、低速関連制御チャネル（ＳＡＣＣＨ ：Ｓlow Ａssociated Ｃontrol Ｃhannel）上で同じ近隣セル情報（ＢＡリスト ）を受信する。ＳＡＣＣＨは、移動局と基地局とが通信を行っているチャネル（ 周波数およびタイムスロット）に直接関連する。 多層セルラ・ネットワーク（たとえば、第１図に図示されるマクロセル・オー バーレイおよびマイクロセル・アンダーレイにより包含される地域）においては 、ネットワーク・プランナーは、ある層からの信号強度が他の層に対する強度よ りも強くなるよう設計するのが普通である（通常は、マイクロセルのほうが強く なる）。すべての移動局は、この層を選択して、指定された近隣を走査すること になる。 トラフィック・チャネルまたは制御チャネル（本申請書と同一の譲受人に譲渡 されたＰＣＴ/ＥＰ９５／０３１５２号「Ｌocation Ｕpdate Ｍethod」を参照） のいずれか一方のチャネルで移動局との通信を起こし、その後でハンドオーバー を実行することにより、選択された移動局（たとえば、高速移動局として検出さ れたもの）をより強いマイクロセル層から、より弱いマクロセル層へと送ること ができ る。しかし、弱い層に送ると、移動局は直ちに通常のアイドル・モード走査手順 により強いほうの層へと戻る。 第２図に示される本発明の好適な実施例は、選択された移動局を弱いほうの層 または上記のマクロセル層に保持する方法を説明する。 ステップ２０で、移動局１９はマイクロセル１１からサービスを受けており、 周囲のマイクロセル基地局と、移動局１９がこれも現在あるマクロセル１を含む 近隣マクロセルとを含む近隣リストを受信する。 ステップ２２で、ネットワークは、移動局に対し、マイクロセル層（第１図の マイクロセル１１）からマクロセル層（第１図のマクロセル１）へとハンドオー バーすることを要求する。これはＰＣＴ/ＥＰ９５／０３１５２号に説明される ものを含む任意のハンドオーバー決定方法により行われる。しかし、本発明では 、移動局も、マイクロセル層からマクロセル層へのハンドオーバーを行う決定を する能力およびそのための適切な情報を有するものとされる。 ステップ２４で、マイクロセル層移動局が、通常のＢＡリスト（通常は、ＢＣ ＣＨおよび他のＳＡＣＣＨ上で他のすべての移動局に送付されるものと同じリス トである）を送付する代わりに、選択された移動局１９からマクロセル層のマク ロセル１にハンドオーバーする間、移動局は特定のＳＡＣＣＨ上で「誤ったＢＡ リスト」を選択された移動局１９に送付する。「誤ったＢＡリスト」には、弱い マクロセル層内の基地 局チャネルしか含まれない。 これを行うことにより、基地局は移動局のメモリからマイクロセルまたはマク ロセルに関する走査情報を削除する。ネットワーク・オペレータは、マイクロセ ル層基地局がマクロセル基地局のＢＣＣＨおよびＳＡＣＣＨ上に送付されたＢＡ リスト内にマイクロセル層基地局が現れないよう編成も行う。従って、移動局１ ９はマイクロセル層移動局を走査せず、ステップ２５〜２６のようにマクロセル 層内にとどまる。 上記の方法により、選択された移動局は、一度マクロセル層内に入るといつま でも、そこにとどまることができる。これは、近隣リストにマイクロセル層基地 局が現れないためである。 しかし、特定の移動局については、マクロセル層からマイクロセル層を選択す ることが望ましい場合が多い。例として、歩行者が持つ携帯装置が、割り当てら れることが好ましいマイクロセル領域に到着する前にマクロセル領域を通過して しまう場合がある。 第３図は、本発明の代替の実施例を示し、ここでは移動局１８はマイクロセル 層内のマイクロセル１１に戻ることができる。 ステップ３２で、移動局１８はマクロセル１によりサービスを提供されている 。ステップ３４で、マクロセル層基地局がマイクロセル層と調和されること（す なわち、同一 の基地局コントローラまたは協働または調和されたコントローラから制御される こと）が決定されると、同様の方法を採用することができる。選択されたマクロ セル層基地局は、選択された移動局１８と通信して、「誤ったＢＡリスト」を送 付する。これは通常のＢＡリストとは異なり、マイクロセル層内の基地局周波数 を含む。この特定の移動局は、次にマクロセル層とマイクロセル層の両方で基地 局を走査し、実際にはマイクロセル層基地局のほうが強い場合は、ステップ３６ のようにそれを選択する。 マクロセル層が、マイクロセル層と調和されていない場合は、ネットワーク・ オペレータは、ステップ３８のように、マクロセル基地局が一時的に特殊なある いは修正されたＢＡリストを周期的に送るよう編成する。このリストには、通常 のものとは異なり、マイクロセル層周波数が含まれる（５ないし３０分おきに、 たとえば２０秒間この「修正されたＢＡリスト」を定期的に送る）。 移動局１８は、このときマイクロセル層を走査し、ステップ３９，４０で選択 すると、そのマイクロセル層内にとどまる。 ステップ３２または上記第２図の方法により、必要に応じて、移動局はマクロ セル層に戻ったり、マクロセル層にとどまることもできる。 上記の説明はマイクロセル層およびマクロセル層に関して行われるが、いかな る種類のセルも異なる層内に組み合 わせたり、考慮することができる。 本発明により、移動局が所望する層を選択し、そこにとどまる、マルチセルラ 環境において、マイクロセルからマクロセルへの移動局のハンドオーバーを実行 する方法が提供される。たとえば、高速移動局は、マイクロセルを含む「修正さ れたＢＡリスト」を調べないうちにマクロセルを通過してしまうことがあるので 、マイクロセルを走査することはない。歩行者の携帯装置は、「修正されたＢＡ リスト」を調べるための充分な間だけ選択されたマクロセル基地局にとどまるの で、結果としてマイクロセル・ネットワークを捜すことになる。 本発明は、移動局がマルチセルラ環境において所望のセル層にとどまることを 含め、ハンドオーバーを効率的に実行する方法を提供する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．少なくとも１つのマクロセル（１，３，５）と、前記少なくとも１つのマ クロセル内に少なくとも部分的に配置される複数のマイクロセルとを含むマルチ セルラ環境（２）内の移動局（１８，１９）のハンドオーバーを実行する方法で あって、前記少なくとも１つのマクロセルが前記複数のマイクロセルとは異なる 層内にあり、前記移動局のハンドオーバーが前記マルチセルラ環境の層間で行わ れる方法であって、前記移動局がハンドオーバーされた層に関連するセルを識別 する近隣リストを、前記移動局に送付す（２２，２４）段階によって構成される ことを特徴とするハンドオーバー実行方法。 ２．マイクロセルからマクロセルへのハンドオーバーが、前記移動局に送付さ れた前記近隣リストが前記マクロセルに関するセルのみを識別することをさらに 特徴とする請求項１記載のハンドオーバー実行方法。 ３．マクロセルからマイクロセルへのハンドオーバーが、前記移動局に送付さ れた前記近隣リストが前記マクロセルおよび前記マイクロセルに関するセルを識 別することをさらに特徴とする請求項１記載のハンドオーバー実行方法。 ４．マクロセルからマイクロセルへのハンドオーバーに関する前記近隣リスト を送付する前記段階が周期的に起こる請求項３記載のハンドオーバー実行方法。 ５．移動局において、被受信信号強度を測定する段階によってさらに構成され 、あるマイクロセル内でサービスを受ける前記移動局に関する前記被受信信号強 度が、代替に前記マクロセルによりサービスを受けた場合に前記移動局における 被受信信号強度よりも比較的強い、前出の任意の請求項記載のハンドオーバー実 行方法。