JPH10509604A - 椅子の改良 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 椅子のための座部（１０）が、基部（１１）と隆起峰部（１３）とを有し、隆起峰部（１３）が、基部（１１）を横断する方向に伸延し、また隆起することにより、座部（１０）に座った人の坐骨粗面と係合しそれにより、前記座部に座った人が座部（１０）から滑り落ちないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】 椅子の改良 ［発明の属する技術分野］ 本発明は椅子に関し、詳しくは、椅子の座部の改良に関する。本発明は、これ に限定するものではないが、前傾された座部を有する形式の椅子或は前方にある 程度傾斜させることのできる座部を有する形式の椅子に対し特に適用される。 ［従来の技術］ 現在、数多くの異なるデザインの椅子を入手することができる。数多いデザイ ンの椅子の座部形状で最も共通しているのは、実質的に平坦であるか或は若干後 方に傾斜するものである。そのような座部に、支持されない状態で真っ直ぐに腰 掛けると、骨盤の坐骨粗面に大きな体重が掛かり且つ体重はこの坐骨粗面に関し て均衡される。もし、膝をヒップよりも高く上げると骨盤は後方に傾き、姿勢は より好ましからざるものとなる。改良型の椅子デザインでは座部は前傾され、座 った姿勢がもっと起きるようになっている。そうした椅子デザインを用いると膝 はヒップよりも低くなるので背骨はより自然な曲線を描くようになる。しかしな がら、座部の傾斜がきつくなると、椅子から滑り落ちないようにするための膝ス トッパ或はニーレストが必要となる。しかし、こうした膝ストッパ或はニーレス トは膝をかなり圧迫し、従って不快感をもたらすという問題がある。更に、こう したデザインの椅子では姿勢を自由に変えることができず、椅子自体の形も悪く なる。 ［解決しようとする課題］ 従って、解決しようとする課題は、姿勢の自由度を確保しつつ、膝への圧迫を 無くした、前傾した座部を有する改良された椅子を提供することにより、前述の 問題の１つ以上を解決或は緩和することであり、 実質的にコンパクトな形態の構成とし得る椅子を提供することであり、 姿勢の自由な運動を制限しない椅子を提供することである。 ［課題を解決するための手段］ 本発明に従えば、椅子のための座部であって、その前縁部の後方位置で座部を 横断方向に伸延する隆起峰部を有し、この隆起峰部が、座部からの滑り落ちを防 止するためのアバットメント或は抵抗部を構成してなる、椅子のための座部が提 供される。 座部は、下方及び前方に傾斜し、隆起峰部は座部の標準面よりも隆起している ことが好ましい。 隆起峰部は、骨盤の坐骨粗面に対する実質的な水平面を画定しそれにより、座 部からの滑り落ちを防止するための好適な形状とされる。 好ましい形態での隆起峰部は、上面が外側に湾曲した、実質的に凸状の断面を 有している。特に好ましい形態ではこの隆起峰部は離間した２つの隆起峰セクシ ョンとして形成され、その間の空間部分が、骨盤の中心の前方部分が過剰に圧迫 されるのを防止する。各隆起峰セクションは、相互に実質的に平行且つ相互に横 断方向に整列する状態か、或はそうでなければ相互にある角度を持たせた状態で 形成され得る。相互にある角度を持たせて形成する場合、各隆起峰セクションを 座部の外側部から座部の中心に向けて相互に内側を向くようにする。 各隆起峰セクションは、座部の基部、座部内部の或は座部上の単数或は複数の インサートによって、或はまた、座部の基部上の好適な形状のクッション部材に よって構成され得る。各隆起峰セクションを座部の基部で構成する場合、基部を 、これらの隆起峰部或は隆起峰セクションを組み入れた形状とした上で、これを フォームプラスチックその他の弾性材料の如き好適なクッション材でカバーする 。また、各隆起峰セクションを単数或は複数のインサートから構成する場合には 、それらのインサートを座部の基部とクッション部材との間に挿通する。各隆起 峰セクションを座部の基部上の好適な形状のクッション材によって構成する場合 は、クッション材を隆起峰部或は隆起峰セクションの形に形成する。 本発明の座部構成は、固定傾斜或は可変傾斜型の座部を有する椅子に対して提 供され得る。 ［図面の簡単な説明］ 図１は本発明に従う椅子の座部の、カバー及びパッドを取り外した状態で示す 概略平面図である。 図２は、図１の座部の断面図である。 図３は、図２とは異なる傾斜角度での図２と同様の断面図である。 図４は、別態様での、本発明の座部の断面図である。 図５は、別態様での、本発明の座部の断面図である。 図６は、別態様での、本発明の座部の断面図である。 図７は、別態様での、本発明に従う椅子の座部の、カバー及びパッドを取り外 した状態で示す概略平面図である。 ［発明の実施の形態］ 先ず図１を参照するに、本発明に従う椅子の座部１０が例示され、全体的に従 来通りの外形を有する基部１１を含み、基部１１の前縁１２の後方には、隣り合 う一対の隆起峰部１３が形成されている。隆起峰部１３は、基部１１を全体的に 横断する方向に伸延し且つ相互に全体的に整列する状態で平行に伸延している。 隆起峰部１３は相互に離間され、その間部分には間隙１４が画定される。 図２及び３に明瞭に示されるように、隆起峰部１３は断面が凸状の上面１５を 有している。図２及び３に示される実施例では、隆起峰部１３はインサートとし て示され、フォームプラスチック材料のようなクッション材料１６で覆われてい る。座部１０は通常は下方及び前方に傾斜されると共に、図２及び３に示すよう な異なる傾斜位置で固定され得る。或はまた、椅子のフレームに廻動自在に取り 付けること等により、そうした異なる傾斜位置間で自在に調整することもできる 。図示されたような傾斜位置範囲内では骨盤１８の坐骨粗面１７は、隆起峰部１ ３が存在することにより、座部の傾斜の度合いとは無関係に、実際上は水平面上 にある。これにより、筋肉組織及び骨格組織が、脚上部が下方に傾斜する状態下 に骨盤１８を、バランスの取れた着座姿勢での背骨の自然な曲線を維持するため に必要な、若干前傾した位置へと助勢する。隆起峰部１３は坐骨粗面の水平支 持部の前方にあって、座部に座った人が座部から滑り落ちようとする傾向を減少 させる。 座部１０の隆起峰部１３は、数多くの別態様の配列のものとすることができる 。例えば、図４に示すように、座部１０の基部１１に一体の凸状変形部或は変形 部１９を設けてこれを隆起峰部１３とし、次いで、基部１１をパッド或はクッシ ョン材２０で覆う。パッド或はクッション材は変形部１９の輪郭をなぞった形状 となる。 図５を参照するに、基部１１は標準形態のものであり、隆起峰部１３はフォー ム形式のクッション材２１の内部に或はこのフォーム形式のクッション材２１に より構成される。クッション材２１は隆起峰部１３を形成する厚さとされる。図 ６に示す構成では、基部１１はやはり従来通りのものであるが、隆起峰部１３は 基部１１とパッド部材２３との間に介設した別個のインサート２２により構成さ れる。上記説明した何れの構成も、外部の拘束体を設けることなく、椅子の傾斜 座面からの滑り落ちを防止する隆起峰部１３を画定する上で有効なものである。 好ましい形態において、座部１０の隆起峰部１３は分離され且つ相互に実質的 に平行であり、また図１に示すように整列される。しかしながら、図７に示す構 成では、隆起峰部１３’は相互に内側方向に且つ基部１１の前縁１２に向けて角 度付けされ得る。 隆起峰部１３及び１３’は分離する要素として示したが、これらの隆起峰部を 、基部１１を横断して連続する要素として形成することもできる。この場合、間 隙１４はなくなる。 更に、隆起縁部１３は上面が凸状の形状を有するものとして示したが、その他 形状とすることもできる。例えば隆起峰部１３を、頂点を有する幾分三角形状断 面のものとし、或はまた四角形状断面のものとしても良く、また、先に説明した 機能を奏し、また座部１０に楽に腰掛けられるようにするその他の断面形状のも のとすることもできる。 先の何れの構成においても、座部１０の、隆起峰部１３の領域での厚みが、こ の隆起峰部１３から離れた領域でのそれよりも大きいことは明らかである。しか しながら、幾つかの構成では、例えば基部１１に隆起峰部を形成する場合には座 部１０の厚みを一定とすることができる。例えば、基部１１は、隆起峰部１３を 構成するための形状とした、実質的に一定の厚みを有する剛性シート形態のもの であり得る。次いで、基部１１を覆って、厚みが一定であるパッド部材或はクッ ション材を被着する。 座部１０の基部１１は、木材、金属或はプラスチックのような任意の好適な材 料から形成し得、座部のためのパッド部材は柔軟なプラスチック材料のような任 意のクッション材を含み得る。座部１０は通常、オフィス形式の椅子に組み込ま れるが、その他多くの異なる形式の椅子に使用することもできる。 以上本発明を具体例を参照して説明したが、本発明の内で多くの変更を成し得 ることを理解されたい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ， ＴＭ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．椅子のための座部であって、該座部が、その前縁部の後方に隆起峰部を有 し、該隆起峰部が、座部を横断する方向に伸延し且つ座部に座った人が座部から 滑り落ちないようにするための或は座部に留まらせるためのアバットメントを画 定してなる座部。 ２．座部が下方及び前方に傾斜されている請求項１に記載の座部。 ３．隆起峰部が、座部に座った人の坐骨粗面のための実質的に水平な表面を画 定するべく形状付けされる請求項１或は２に記載の座部。 ４．隆起峰部が、外側に実質的に凸状を為すべく湾曲した上面を有する断面部 分を有している請求項１乃至３の何れかに記載の座部。 ５．隆起峰部が離間した２つの隆起峰セクションとして画定される請求項１乃 至４の何れかに記載の座部。 ６．隆起峰セクションが実質的に平行であり且つ相互に横断方向に整列してい る請求項５に記載の座部。 ７．隆起峰セクションが、座部の外側部から座部の中心に向けて相互に内側に 角度付けされている請求項５に記載の座部。 ８．座部が基部を含み、隆起峰部が該基部により画定される請求項１乃至７の 何れかに記載の座部。 ９．座部が基部を含み、隆起峰部が該基部上の単数或は複数のインサートによ り画定される請求項１乃至８の何れかに記載の座部。 １０．座部が基部を含み、隆起峰部が該基部上の成形クッション材により画定 される請求項１乃至９の何れかに記載の座部。