【発明の詳細な説明】
分析方法およびその方法を実行するための装置
本発明は少なくとも一つの通過型感知器または検出器、以下検出器と称す、と
少なくとも一つの試薬の助けにより液体物質を化学分析する方法に関し、そこで
は分析される液体物質の試料体(volume)が供給チューブを通してフレキシブル
チューブ中に導入され、その試料と試薬体が混合され、互いに反応させられ、そ
れからフレキシブルチューブを通して検出器に輸送される。この発明はまたこの
方法を実行するために設計された分析装置およびかかる装置と共に使用するため
に特に適合した供給チューブに関する。
この分析方法は好ましくはバッチ式方法であり、患者の化学的−生理学的値の
連続的監視が要求される、集約的診療、手術、移植術およびその他の臨床的用途
のような臨床的応用に使用することを主として意図している。この方法は比較的
少ない試料のみが分析されるべきときに、例えば病院の病棟で就床している一人
または少数の患者から採った試料の分析に使用するのに特に適している。
多くの異なる形式の分析装置が従来技術として知られている。原理的に、これ
らの装置は二つの主群:連続的分析器およびバッチ式作業分析器(以下バッチ分
析器と称す)に分けられる。
連続的分析器の場合、種々の試料がそれらの各々の容器からチューブ中に吸引
により引き出され、そこでは試料は全分析工程を通して相互に一つの同一の方向
に動かされる。この方式により、試料は連続的な流れを形成し、その流
れに対して試薬が予め定められた点で、バッチ式または連続的のいずれかで導入
される。液体の流れは最終的に液体が検定される測定セルに到達する。連続的分
析器内を輸送される全液体はポンプ、一般的には回転置換ポンプ、の助けにより
調節され、ポンプはまた試料の排出をもたらす。次に、連続的分析器はチューブ
中の種々の試料が例えば空気泡の助けにより相互に分離され、区分けされるもの
と、チューブ中の試料が恐らく試薬を含むであろう本質的に層流の液体担体流中
に境界を定める液体プラグ(plugs)を構成するものとの間に分けられる。これら
の後者の分析器はいわゆる流れ注入分析法(Flow Injection Analysis)また
はFIA原理に従って動くといわれている。連続的に動く分析器の一つの問題は
試薬または複数の試薬が別個の供給チューブ、弁、ポンプ等を通して導入される
ことであり、これは複雑な装置構成を必要とする。連続的分析法と関連する今一
つの問題は、勿論試料間の汚染の危険である。
連続的分析法およびシステムは米国特許4853336号で知られており、そ
こでは例えば分析混合物が確立されている液体パケット(packet)中の関連成分
を含む連続する液体区分体(segments)が少なくとも一つの不混和性の区分体、
例えば空気により相互に分離される。これらの液体区分体は時間的に後の時点で
、種々の成分の遅延オンライン混合(delayed on-line mixing)を達成するよ
うに、輸送ラインのどこかの装置内で混合される。種々の成分の混合はラインに
沿った選択された場所で不混和性の区分体を排除し、破砕しまたは物理的に除去
するかのいずれか
により達成される。試料が互いに汚染するのを防ぐために、不混和性の液体が装
置の内表面および探針(probe)の外表面を覆うように使用される。
成分を一緒に混合することを可能とするために、試料を分離する空気区分体を
除去する分離帯域が設けられている。
他方、バッチ分析器では汚染の危険はそれ程深刻ではない、というのも試料は
分析工程中個々の容器に含まれているからである。試薬は容器を分析器に置く前
か、または容器を分析器を通して輸送するのと関連させるかのいずれかにより試
料に添加される。容器は最終的には装置の実際の分析部に到達し、そこで試料の
一部が容器から吸引により引き出され分析検定セルに通される。試料検定工程の
完了により、セルは洗浄液で洗浄される。バッチ分析器の一つの問題はシステム
への試薬の添加および試料とのその混合に存在する。全ての場合において別個の
作業工程ではあるけれども、これは時間を消耗する工程であり、手動または自動
的のいずれかにより実行される。バッチ分析器容器は一般的にそれ自体で測定セ
ルとして、例えば種々の形式の光度計のキュベット(cuvettes)として機能し、そ
こで試料−試薬混合物の一部を別個の測定分析器セルに移動する必要を除去する
。既知のバッチ工程の一つの欠点は比較的大量の試料と試薬が必要であることで
ある。利用できる試料の量は試料と試薬量間の比がうまく調整されている試料−
試薬混合物を実際に作るのに少なくとも十分であらねばならない。、少量の試料
が用いられるときはこの比に関して容
認できる精度を達成することは非常に困難である。更に、試料が混合された時間
から実際に検定される時間まで試料−試薬混合物は多少とも開放容器に収容され
ているので、混合物は小容積の場合には蒸発に対してより敏感である。容器自体
が測定セル、すなわちキュベットを形成するときは、この問題は一層悪化するの
で、キュベットは比較的大きくなければならず、かくして光度計のビーム経路を
カバーし、そこで迷光(stray light)が分析器の検出器に達するのを防ぐため
に比較的大容積の試料−試薬混合物を必要とする。この問題はこの特殊な技術分
野において良く知られている。
バッチ分析器の助けにより実行される濃度決定は通常終点分析法または動的検
定(kinetic assays)のいずれかである。終点分析法は試料が試薬との反応を
終わったとき、すなわち十分な数の相互に連続した分析の値が一定になったとき
、の値を記録することを含む。測定された値は原試料濃度(original sample
concentration)に直接関係する。試料と試薬間の反応速度が低いときは、勿論
分析を実行するのに長時間かかるであろう。反応次数が0次でないとすれば、動
的検定、すなわち複数の相互に連続する分析により得られた値が記録され、この
値により描かれた時間依存曲線の導関数(derivative)を計算する手順、を実行
することができる。そのときは試料の原濃度(original concentration)は導関
数と試料体中の初期濃度から計算することができる。
キュベットを含むバッチ分析器はしばしばカローセル(
回転木馬、carousel)状の装置中に置かれ、それにより個々のキュベットは検出
器のビーム経路中に動かされる。装置は多数の段階の、連続工程の、分析周期(
一般的に25〜30秒持続の)に従って作動し、なかんずく:
−試料ピペットを洗浄する
−試薬ピペットを洗浄する
−試料分析/検定のためキュベットカローセルを回転する
−試料ピペットで試料をピペットする
−試薬ピペットで試薬をピペットする
−試料および試薬で満たされる空のキュベットを前進させるためにキュベットカ
ローセルを回転する
−試料をキュベットに供給する
−試薬をキュベットに供給する
−キュベット中の試料と試薬を混合する
および例えば試料および試薬を種々の位置に動かすような、他の必要な段階を含
む。要求される多数の作業段階を各試料について完了するために相当な時間がか
かる。各個別々の試料を分析するのにかかる時間はできるだけ広い範囲でその段
階を並列に実行することにより、すなわち複数の試料を並列に分析することによ
り、かかった全分析時間を試料の数で割ることにより、減らすことができる。数
学的にこれは
で表わされる。ここで
Aは試料の数に関する全分析時間であり、
Mは一分析周期のためにかかる時間であり、
mは各試料のための分析周期の数であり、そして
pは試料の数である。
式(1)から試料当たりの分析時間は試料の数により直ちに減少することが直
接的に明らかであろう。逆に、ほんのわずかの試料が分析されるときは分析時間
は比較的長い。
一般的に、臨床的環境、例えば病院で作業するときは最低の可能な騒音水準が
望まれる。臨床的応用を意図するバッチ分析器は騒音問題で妨害される、なぜな
ら分析周期に含まれる多数の段階が避け難い音を発生するからである。従って既
知の技術によって就床患者と同じ部屋で分析器を使用することは実際的に不可能
である、なぜなら発生する騒音水準は良好な看護状態と両立しないからである。
終点分析法および動的分析法の両者ともこの形式の分析装置を使うことができ
る。終点検定の場合、一定の値を得るのに要求される多数の測定周期に渡って値
は決定される。動的検定の場合、所定の予め決められた数の測定周期に渡って値
は決定され、その後で濃度変化の導関数が得られた結果を基準として計算される
。一般的に、計算における十分な精度を達成するために7から10の測定点が要
求される。
このことから病院で使用される既知の分析器は試料が種々の病棟からそこに輸
送されてくる中央配置の実験室内に置くのが自然であることになる。中央配置の
実験室内の一つのそして同一の分析器に病院内でとられたできるだけ多
くの試料を分析することによって、患者は騒音妨害から保護され、かつ試料は最
短の可能な時間で分析されるであろう。この手順の一つの問題は個々の患者の値
を監視するのが複雑になることである、なぜなら試料および試料分析の結果は患
者、実験室、医者および他の病院職員間に計画された管理手順に従って交換され
ねばならず、これは誤りの危険を増す。
本発明の上位目的は既知の技術に比べてより簡単な分析装置の構成を可能とす
る分析法を提供することである。
本発明の特別の目的は試料量間の汚染の危険なしに非常に少量の分析される試
料量を可能とする分析法を提供することである。
この発明の今一つの特別な目的は比較的少数の試料を作業するとき既知の技術
を実行するときに可能な時間より非常に短い時間内で各試料が分析されることを
可能とするであろう分析法を提供することである。
この発明の更に今一つの目的は臨床的応用に使用するために適した分析装置、
および主として患者の化学的−生理学的値を連続的に監視することを可能とする
ように患者に近接して組立てられかつ使用される装置を提供することにある。
この発明の前述の上位目的は導入部において定義された種類の分析法の助けに
より達成され、そこでは試料体および試薬体は供給チューブの開口を通して次々
に分析装置に供給され、そして供給チューブ中で、そしてまた選択的にフレキシ
ブル試料チューブ中で、試料および試薬体に先ん
ずる空気区分体の媒体を通して試料量と試薬量が一緒に混合される。試料および
試薬体はかくして中間空気区分体の不存在下に直接的にあいついで導入される。
当然、空気は試料および試薬体の下流または後ろに存在するであろう、これは
試料および試薬体は二つの空気区分体間に干渉性パッケージ(coherent packag
e)を構成するであろうことを意味する。
驚くべきことにこの簡単なやり方で試料および試薬は十分に一緒に混合される
ことが見出された。一つの説明は液体−空気区分体の界面において液体中に渦巻
きが発生し、外向きにかつそれから下向きに液体プラグの全長に沿って動き、そ
こで全プラグ(すなわち試料と試薬の組合わせ)の内容物を一緒に混合させるこ
とになるということであるかもしれない。原則として、この混合現象は液体の流
れが乱流であるか層流であるかには無関係である。しかし、混合効果はチューブ
またはパイプ中の液体の流れに関して重要なパラメータ(例えば流速、動水直径
(hydraulic diameter)、チューブ表面の粗さ、個別抵抗(individual resis
tance)、液体流れの粘度、等のようなパラメータ)、として適当な値を選択す
ることにより最適化することができる。
本発明による方法はまた試料と試薬を驚くほど早く一緒に混合させるのに有効
で;試料と試薬はそれらを供給チューブから検出器に動かすのにかかる時間内に
一緒に混合される、これは約2秒、一般的には約1秒までの時間消費を意味する
。
試料と試薬はこの簡単な態様で供給されると同時に試料と試薬は一緒に十分混
合されるので、試料と試薬の両者の供給のためにただ一つの供給チューブが要求
され、使用される分析装置は簡単な構成が与えられる。当然に、これは当業者に
他の明白な構造的簡略化をなす可能性を提供するであろう。
一つの好ましい実施例における方法はバッチ法である。これは各体(volumes
)間の汚染の危険なしに非常に小容積の分析用試料を可能とする方法を提供する
。この方法はバッチ式であるので汚染の危険は減るとはいえ、試料と試薬がそれ
らが分析装置に供給されるとき正確に混合されるという事実によって、本発明の
助けにより少量の試料での作業の可能性が得られる。これは大きな精度でかつ混
合比が蒸発によって害されるという危険なしに小さな試料と試薬体をとり入れる
ことを可能とする、なぜなら試料と試薬体は検定される直前に混合され、またそ
れらが混合された点からセルの位置までチューブまたはフレキシブルチューブ内
で保護されるからである。
この発明的方法、それはバッチ式である、の一つの特に好ましい実施例におい
て、検出器、フレキシブルチューブおよび供給チューブは検定工程後洗浄液で清
浄に洗浄される、前記洗浄液は洗浄チューブを通して検出器に供給され、それか
ら検出器を通り、その後で洗浄液は前記フレキシブルチューブを経由して供給チ
ューブを通ってそこから洗い流される。この方式により、原則として単に次の段
階を含む方法が得られる:
−分析セルおよび供給チューブを洗浄する
−空気を吸い上げる(空気区分体のため)
−試料を吸い上げる(または試薬を)
−試薬を吸い上げる(または試料を)
−同時に試料と試薬を混合し、混合物を分析セルに輸送する
−分析/検定
−可能なら続けて新しい洗浄および空気と新しい試料の吸い上げ。
従来のバッチ工程(前述を参照)に含まれる作業段階の数と比較すると、騒音
の発生は少なく、各試料を分析するのにかかる時間は新規な方法により著しく短
くなることが直ちにわかるであろう。作業段階は直列的に実行されるので、各試
料を分析するのにかかる時間は一定であろう、すなわちその時間は試料の数で変
わらない。この発明的方法により達成される動的分析の場合に、各試料を分析す
るのにかかる時間は約1分である。式(1)の助けによりこの発明的方法により
達成される動的分析は従来法により達成される動的分析よりかなり早いことを示
すことは簡単なことである、というのも一分析周期を完成するのにかかる時間(
M)は25−30秒であり、試料の数(p)が5−10試料より少ないときは周
期の必要な長さと前記周期の必要な数に応じて周期の必要な数(m)は7−10
であるからである。長期分析期間に渡って少数の試料の分析を必要とするときは
、この発明的方法は多くの試料を同時に並列に操作する従来のバッチ法より早い
ことは純粋に概括的に
示すことができる。ひとまとめにして考えるとき、この発明的バッチ法は比較的
少数の試料のみが分析されかつ分析結果を早く必要とするとき、例えば病棟内の
一人または少数の就床患者からとった試料を分析するときは、そのような分析工
程としてより適していることがわかるであろう。
本発明はまたこの発明的方法を実行するための装置に関し、前記装置は少なく
とも一つの検出器、検出器に連結されたフレキシブルチューブ、自由な第一端と
前記フレキシブルチューブに連結された第二端を持つ供給チューブ、更に検出器
に連結された洗浄チューブ、および液体物質および液体試薬をそれぞれ検出器に
および検出器からポンプ輸送するための、そして洗浄液を洗浄チューブ、検出器
、試料チューブおよび試料と試薬を連続的に順次供給することのできる供給チュ
ーブにポンプ輸送するためのポンプを含む。供給チューブは好ましくはそこで、
そしてまた随意的に次に続く試料チューブ中で試料と試薬を混合させるための形
状をしている。
この装置の一つの好ましい実施例において、供給チューブは相互に異なる寸法
の少なくとも二つの通過面積を持ち、そこでは小さい方の通過面積は急激な面積
の増大部を経由して前記第一端から前記第二端への方向に大きな方の通過面積と
融合しており、そしてそこでは急激な面積の増大は、少なくとも供給チューブの
第一端から急激な面積の増大部の下流のその第二端への方向の、供給チューブ内
のそして恐らくまた試料チューブ内の流れの中に渦巻きまたは乱流が発生するの
を助けることを意図している。
一つの特に好ましい実施例によれば、装置はバッチ装置で液体物質および試薬
を検出器にポンプ輸送するための計量ポンプ、および洗浄液を洗浄液容器から検
出器中に洗浄チューブを通してポンプ輸送し、そしてそこから前記チューブを経
由して供給チューブを通してポンプ排出するための洗浄ポンプを備えており、そ
こでは計量ポンプは往復置換ポンプ、例えばプランジャーポンプまたは射出ポン
プであり、そして検出器と洗浄ポンプ間のある位置で洗浄チューブに連結されて
おり、そしてそこでは洗浄ポンプは回転置換ポンプ、例えばぜん動性(peristalt
ic)ポンプである。この実施例は従来の装置に比べて特に複雑でない設計のバッ
チ分析装置を提供する。ポンプの特別な組合せはそれにより既知の技術が妨害さ
れるところの、弁や同様装置の必要性の大部分を一挙に排除する。これは以下に
より詳細に述べられる。装置はまた臨床的応用に使用するために、特に患者の化
学的/生理学的値を連続的に監視する目的のために、患者の付近で組立てられか
つ使用されるのに適しており、これは各試料について比較的少ない段階で作業し
、それとともに比較的少ない騒音を発生する装置により達成される。
この装置の今一つの実施例によれば、装置は柔軟な試料チューブまたは洗浄ホ
ースのいずれにも連結される試料環を含み、前記試料環は分析装置内の流れと外
部分析装置、それはクロマトグラフ装置、例えばHPLC装置であることができ
る、内の流れを交替するために試料環を活性化しかつ不活性化するための弁を備
えている。
以下に、添付の図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図面において、
図1は発明的装置の一実施例を略図的に示し;
図2は図1に示された装置の供給チューブの一部の断面図であり;そして
図3は供給チューブを洗浄する方法を示す。
図1に示された装置は洗浄ポンプ60、例示の場合はぜん動性ポンプである、
の助けによりフレキシブル洗浄チューブ40を通して洗浄液の容器90からまず
洗浄液をポンプ輸送することによって使用される。例示の装置の洗浄チューブは
PVCプラスチックから作られている。洗浄液は洗浄チューブ40、光度検出器
10、および試料チューブ20を通ってポンプ輸送され、約50μl/sの流速
で供給チューブ30の出口オリフィス70を通してポンプ排出される。試料チュ
ーブ20はPEEKプラスチックから作られている、なぜならPEEKは試料チ
ューブへの大きな空気泡の付着を妨げる比較的低い疎水性を持つからである。し
かし、同様な性質を持つ他のプラスチックも代りに使用できる。供給チューブ3
0の外面は洗浄容器130(図3に関してより詳細に説明される)の助けにより
洗浄工程中に清浄化される。洗浄された後、供給チューブ30はこのために予定
された装置170の助けにより洗浄容器から持ち上げられ、装置はそれから試料
の更新された分析のために準備される。装置170は供給チューブを垂直にそし
て横方向に、この場合図の平面内で、動かし、そして図の平面に垂直な方向に試
験管180のためのスタンドを動か
す。供給チューブ30を洗浄液で満たした後、計量ポンプ50、例示の場合はブ
ランジャーポンプまたは噴射ポンプである、の助けにより約1μlの空気がまず
供給チューブ30中に吸引される。静止したぜん動性ポンプ60はそこでは封止
弁として機能する、なぜならそれは液体が洗浄チューブ40を通過することを妨
げるからである。装置170はそれから供給チューブ30を試験管180の付近
に動かし、かつその中に下げる、試験管は例示の場合はスウェーデン特許出願9
303344−7に記載された種類のもので、すなわち試験管はチューブオリフ
ィスにより非常に少量の試料体をとり入れるための毛管チューブとゴム隔壁(se
ptum)とを備えている。試料(約0.1−2.0μl)が、ポンプ50の助けに
より供給チューブ30中にそのオリフィス70を通して吸引される。供給チュー
ブ30を試薬容器(図示せず)の方に動かした後、試薬(約15μl)が供給チ
ューブ30中にそのオリフィス70を通して同様に引かれる。かくして、試料と
試薬プラグはそれらが更にチューブ20を通して約5−50μl/s(これは約
4−40cm/sの速度に相当するチューブの内径の場合)の流速でポンプ輸送
されるとき互いに接触する。試料の試薬との混合は空気区分体のために供給チュ
ーブ30内で始まる。供給チューブ30は図2に関してより詳細に後述される如
く、面積の急激な変化を含み、これはまた恐らく試料と試薬の相互混合に貢献す
る。結合された液体プラグは光度検出器10内に位置したときは分析目的のため
に十分な程度に混合されるであろう。例示の場合において、検
出器10はSE−B−455 134に記載された種類のものであり、すなわち
それはその中に混合物が収容される透明材料の薄いチューブを含み、そして光は
そのチューブの円筒状の壁をその縦軸に対して鋭角で通過させられ、チューブ内
で一度またはそれ以上全反射され、その後で前記円筒状表面を通して鋭角で導出
される。例示の実施例は検出器10およびそれに連結されたコンピュータ(図示
せず)の助けにより、約30秒以下で試料−試薬混合物の動的分析を達成するの
に効果的であり、その後で混合物は洗浄ポンプ60の助けにより装置から洗い出
されて分析シーケンスが再開される。全シーケンスは約1分かかる。図1に示さ
れた装置は葡萄糖、乳酸塩、グリセロール、焦性葡萄酸塩、尿素、クレアチニン
、アルコール類、グルタミン酸塩および二酸化炭素のような物質を検定するのに
適している。分析はまた外部分析装置、例えばHPLC装置で、アミノ酸類、プ
リン類、乳酸塩類、焦性葡萄酸塩類、アスコルビン酸塩類、ヒスタミン類、ポリ
アミン類、リューコトリエン類(leukotriens)、フリーラジカル類、イオン類
または選択された製薬製剤類の分析のために洗浄チューブ40に設けられた六口
弁2の助けにより実行することができる。弁2は製品番号C6Wで Valco Inst
ruments Co.,Houston,Texas,U.S.A.により販売されている二位置弁であり、
弁2が第一位置に設定されるとき試料環80をチューブ40と連結する機能をし
、そこで計量ポンプ50の助けにより環が試料−試薬混合物で満たされ、一方弁
2が第二位置に設定されるときライン4および6を経由して試料
環80がHPLC装置(図示せず)と接触したままになり、かくして試料環中の
試料−試薬混合物がHPLC装置に輸送される。
図2からわかるように、例示の実施例の供給チューブ30は二つの部分、すな
わちとがったカニューレ(cannula)100とチューブ110を含む。カニューレ
100はスウェーデン特許出願9303344−7に記載された種類のもので、
ほんの0.4mmの外径を持ち、前記のスウェーデン特許出願に記載される如く
、いわゆる微量透析試験管から非常に少量の試料体をとり入れるために特に適し
ている。カニューレ100はほんの0.15mmの内径を持ち、射出ポンプ50
との組合せにより0.1μl程の少試料体を高い精度でとり入れることができる
。カニューレ100はチューブ110内の急激に増大した領域または部分120
で終了し、前記領域内でチューブに接続されている。チューブ110の内径が0
.4mmであるとき、面積のこの増大は600%以上もあり、試料と試薬の相互
混合に貢献するであろう。
図3は既知の洗浄容器130内に含まれた洗浄液で供給チューブ30の外面を
洗浄するところを示す。供給チューブ30から出る洗浄液は空間140を満たし
、図中の矢印により示される如く、空間区画壁150をあふれ出る。供給チュー
ブ30の外面はそこで清浄に洗浄される。洗浄液はそれから出口160を通って
流出する。
記述され例示されたところの本発明の範囲は記述されたもの以外のいくつかの
実施態様を含むことは理解されるで
あろう。この発明の範囲は従って請求の範囲の内容によって、かつそれに基づい
てなされる更なる展開によってのみ制限される。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO
,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,
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