JPH10507114A - 吸入可能な医薬品粒子を発生させるための固定化された医薬品用貯蔵物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 崩壊手段を有する投与装置を用いて吸入可能な医薬品粒子を発生させるための固定化された医薬品貯蔵物、この場合、医薬品貯蔵物は、脆弱で質感がなく、定義された全ての位置での医薬品貯蔵物の厚さおよび機械的強度は、医薬品貯蔵物の１つの側面からの投与装置による崩壊に、全消費領域に亘って、崩壊の方向で、常に一定の構造性質が勝っているような状態である。

Description

【発明の詳細な説明】 吸入可能な医薬品粒子を発生させる ための固定化された医薬品用貯蔵物 本発明は、崩壊手段を有する投与装置を用いて吸入可能な医薬品粒子を発生さ せるための固定化された医薬品用貯蔵物に関する。 この種の医薬品用貯蔵物は、国際公開番号ＷＯ９３／２４１６５号の記載から 公知であり、かつ医薬品粒子を医薬品貯蔵物から崩壊し、かつこのことによって エアロゾルの発生の瞬間に、経口または経鼻吸入のために放出されるエアロゾル を生じさせるために、崩壊手段を有する投与装置を、例えば運転されたフロント フライスの形で有するエアロゾル発生装置中で使用されている。 ドイツ連邦共和国特許第４０２７３９０Ａ１号明細書の記載から、ブラシを用 いてタブレットからダスト状の粒子を崩壊し、この場合、前記タブレットの形状 寸法的な形は、変動可能であるような吸入装置は公知である。 欧州特許第０４０７０２８Ａ２号明細書には、同様に、吸入医薬品のプレスさ れた本体を有するエアロゾル発生装置が開示されている。医薬品貯蔵物のプレス のためのプレス圧としては、１×１０⁴〜１５〜１０⁴ Ｎ／ｍ²の間のいわゆる僅かに圧縮された圧力範囲並びに３０×１０⁴〜１５０× １０⁴Ｎ／ｍ²の間の著しく圧縮された圧力範囲が記載されている。しかしながら 、前記のより高い圧力範囲でさえ、医薬品貯蔵物がシリンダ状の容器中に圧縮さ れ、かつ前記容器によって結合されていることによってのみ取り扱い可能な構造 体が存在することができる程度に低く見積もられている。しかしながら、医薬品 貯蔵物の相対的にゆるいコンパクト化のため、堆積物中の内部摩擦作用および医 薬品貯蔵物と容器壁面との間の摩擦によって、医薬品堆積物中の均一な圧力分布 は達成することができない。従って、この種の医薬品貯蔵物は、投与量の正確さ に対してマイナスに作用する４０％を上回る密度勾配を有している（これについ ては：B．Charlon および J．M．Newton、Application of Gamma-Ray Attenuati on to the Determination of Density Distribution within Compacted Powders 、Powder Technology、第４１巻（１９８５年）、第１２３〜１３４頁を参照の こと）。 欧州特許出願公開第０４０７０２８号明細書Ａ２の出願人の開示によれば、医 薬品貯蔵物の密度は、約０．８〜０．９／ｃｍ^-3であるので、圧縮された医薬品 貯蔵物については、理論的密度の約５０％だけの容量密度が概算で算出される。 このことは、この種の高多孔性の医薬品貯蔵物が、極めてゆるく不均一であるば かりでなく、大きな開口した細孔度の結果、必然的に、大気の影響要因、例えば 空気湿分等による凝集および老化を生じていることを意味している。 ＰＣＴ／ＥＰ９３／０１１５８号明細書の記載から、固定された医薬品貯蔵物 は公知であり、この場合、前記の文献中では、投与量の正確さにとって、固定さ れた医薬品貯蔵物の構造的および化学的均一性が重要であることが指摘されてい る。この種の構造状態を達成するために、前記文献中では、柔軟な形での粉末冶 金学から公知のプレス法であるアイソスタチックプレスが提案されている。この 場合、例えばゴムの形で存在している粉末堆積物は、外側から、圧縮液で全面的 に、ひいてはアイソスタチックに圧縮されている。また、前記文献中では、アイ ソスタチックプレスとともに、別の成形法、例えば可塑化された物質の射出成形 も提案されている。 パッキング等の製造のためのアイソスタチックプレスのための装置は、米国特 許第４３７０１２０号明細書の記載から明らかである。この場合、プレスは、半 径方向でのみ行われ、従って、医薬品貯蔵物の末端面の領域で圧縮組織は形成さ れなかった。 国際公開番号ＷＯ−Ａ−９４００２９１号の記載によれば、圧縮空気を用いて 、膨張可能な圧縮膜が粉末堆積物の上にプレスされ、その結果、外側に位置する 金型の中で、粉末堆積物から環状物がプレスされてい る。従って、粉末堆積物の上への圧力伝達は、内側から外に向かって行われる。 固定された医薬品貯蔵物についての他の試験の範囲で、構造品質に関連する要 求は、これまでに知られた概念をはるかに上回ることが判明した。例えば国際公 開番号ＷＯ９３／２４１６５号の記載から公知であるような崩壊手段を有する投 与装置を用いる崩壊の際に、場合による密度の変動は、発生したアエロゾル量に 重大な影響を及ぼすことが明らかになった。 また、崩壊前面に接するアイソスタチックプレスされた医薬品貯蔵物は、先ず 、積分測定可能な密度不均一性および物質的不均一性によって明らかにされなか った説明できない投与量変動を示すことも観察された。ところで、前記の現象の より正確な試験により、前記の縁部領域には、崩壊の際により大きな構造領域の 剥落、ひいては投与量変動をまねくことがある構造欠陥、例えば圧縮組織および 微小亀裂が存在していることが観察された。 こうして、かかる構造欠陥は、アイソスタチックプレスに帰因することが判明 した。粉末堆積物上への理想的なアイソスタチック圧力伝達は、厳密に考えれば 、球状もしくは少なくとも球の形状寸法にほぼ近い形の場合に行われる。しかし ながら、形状寸法が等長の形と異なる場合、例えばこのことは、吸入目的のため の環状崩壊体の場合であるが、圧力伝達は、もはや純 粋にアイソスタチックに行われるのではなく、方向を決めて行われる。例えばこ の種の吸入器用環状タブレットが、アイソスタチックにプレスされる場合には、 端面の領域で、半径方向の力と軸線方向の力とが重なり合い、これらの力が前記 端面の臨界領域で前面に圧縮組織を生じるが、それというのも、殊に、こうして 形成された形は、静水圧力とは異なり、種々の剛性ひいては圧力形成段階での種 々の変形可能性を有しているからである。この結果、半径方向での一次圧縮段階 および軸線方向での既に前固定化された粉末構造体の引き続く後圧縮を生じ、こ のことは、環状タブレットの構造中での記載された組織および微小亀裂をまねく 。粉末冶金学およびセラミックの分野でのアイソスタチックプレスの公知の使用 の場合、生じる構造欠陥が常法により実施された以下の焼成工程によって修正さ れかつ欠陥を後に残さないので、この種の現象は、一般に、大きな役割を演じて いない。しかしながら、前記の可能性は、この種の後処理なしに使用される医薬 品貯蔵物の場合には存在しない。 更に、医薬品貯蔵物のアイソスタチックプレスの場合、冒頭で記載された摩擦 作用が、単方向のプレス技術の場合の程度ではないが、粉末堆積物の内部で生じ ることが明らかになった。また、アイソスタチックプレスの場合に、成形部材が 、圧力作用の方向で肉厚であるであればあるほど、粉末堆積物の内部での圧力損 失は、ますます大きくなる。このことは、環状タブレットのアイソスタチックプ レスの場合にも、シリンダ壁面の内側で、半径方向および軸線方向で、前面の領 域で、同じ密度もしくは構造の完全に変形された帯域を生じる密度勾配が生じる ことを意味している。 本発明に課されている課題は、崩壊の際に全消費領域に亘って再生可能でかつ 一定で望ましい粒子を供与する固定化された医薬品貯蔵物を提供することである 。 前記課題の解決は、本発明によれば、請求項１の特徴部および殊に、医薬品貯 蔵物の構造体が、外側から、医薬品貯蔵物の中心に位置するコアに向かっての半 径方向のプレス圧力の負荷によって製造されていることによって行われる。 本発明により意図された医薬品貯蔵物は、本出願人の国際公開番号ＷＯ９３／ ２４１６５号の記載から公知であるようなエアロゾル発生器中に配置することが できる。これにより、前記文献中に記載されている装置が引き合いに出され、か つ前記装置は、この関連によって本発明の対象に対して引用されている。軸線方 向で作用するフロントフライスによるエアロゾル投与量の崩壊の際に、本発明に よる医薬品貯蔵物によって、全体として極僅かであるが、しかし殊に同心円状の 密度分布が規定され、その結果、生じたエアロゾル量およびエアロゾル品質には 何の影響も及ぼされていな い。 本発明による医薬品貯蔵物の有利な実施態様は、従属請求項２から８によって 特徴付けられている。プレス圧力の本発明による負荷によって、アイソスタチッ クプレスに比して、本発明は、驚異的なことに、固定化された医薬品貯蔵物の卓 越した性質を生じている。プレス圧力が半径方向で負荷されるので、こうして生 じた医薬品貯蔵物は、上記の内部摩擦の結果、著しく半径方向に向けられている 、即ち同じ密度の帯域が医薬品貯蔵物の長手軸方向に対して並行および同心円状 に走っている密度勾配を有している。 本発明のもう１つの構成によれば、医薬品貯蔵物は、円環状の横断面を有して いてもよい。 環状タブレットでの本発明の使用は、実際には特に有利である。この場合同様 に、プレス圧力は、本質的に半径方向で、固定されているコアに向けられている 。 前記の形状寸法の形によれば、半径方向のプレス圧力の使用によって、半径方 向および軸線方向で最小の密度勾配を有する特に有利な構造体が生じる。この場 合、密度勾配は、本発明の１つの別の有利な実施態様によれば、崩壊の方向に対 して垂直方向で０．３％以下であり、かつ崩壊の方向で０．０５％以下であるこ とができる。この種の低い密度勾配は、投与装置を用いて吸入可能な医薬品粒子 を発生させるための医薬品 貯蔵物の場合には、これまで実現されていなかった。本発明による医薬品貯蔵物 のためのプレス圧力は、５０〜５００ＭＰａの間にある。 本発明のもう１つの実施態様によれば、本発明は、崩壊手段を有する投与装置 を用いて吸入可能な医薬品粒子を発生させるための固定化された医薬品貯蔵物の 製造法に関するものであり、この場合、医薬品の上にプレス圧力が負荷される。 この場合本発明によれば、プレス圧力は、半径方向で、外側から、医薬品貯蔵物 の中心に位置するコアに向けられている。かかる製造法によって、吸入可能な医 薬品粒子の発生に使用される医薬品貯蔵物の冒頭で詳説された有利な性質が達成 される。 固定化された医薬品貯蔵物の望ましい形に相応して、前記医薬品貯蔵物は前変 形されてプレス圧力に晒される。環状タブレットの場合、医薬品は、粉末形でか または予め圧縮して固体のコアの周囲に配置され、次にコアに向かって半径方向 の圧力によってプレスされる。プレス後に、有利にコアは除去されかつ環状タブ レットが取出される。 医薬品貯蔵物は、先ず、棒状の本体として、例えば２００ｍｍの長さで変形す ることができ、引き続き、軸線方向の延長に対して垂直方向に分離することがで きる。前記の方法は、対応配置されたエアロゾル発生器中で使用することができ るような望ましい性質を有 する多数の医薬品貯蔵物の極めて効率的な製造を可能にする。 以下に、本発明は、添付された図面に関連して、純粋に例示的に有利な実施態 様に基づき記載される。図１は、圧力損失状態での固定化された医薬品貯蔵物の 製造のための装置の略図的横断面図を示し；および図１ａは、プレス圧力を用い る負荷の際の図１の装置を示す。 医薬品９の上へのプレス圧力の負荷による固定化された医薬品貯蔵物の製造の ための図１中に記載された圧力は、プレス室を有し、該プレス室は、２つの固定 しかつ並行に等間隔を有する平板２および可撓性のプレスマトリクス８によって 形成されている。この場合、プレス室の中を示す平板２およびプレスマトリクス ８の平面は垂直に互いに配置されている。図１中に記載されたプレス小室の外側 のケーシングは、上方のケーシング平板および下方のケーシング平板１によって 形成されており、これらのケーシング平板は、記載されていない静水圧力の密閉 力によって環状ジャケット４の上に堅固に押し付けられている。この場合、静水 圧力の密閉力は、プレスマトリクスの上へのプレス室の内部での油圧よりも極め て高く、その結果、静水圧縮液の流出は不可能である。双方のケーシング平板の 中心点を通って、スチールコア３が延在しており、該スチールコアは、平板２お よびプレス室をも貫通して いる。 図１が示すように、可撓性のプレスマトリクス８は、半径方向に環状室を包囲 し、該環状室は、上面および下面で平板２によって制限されている。この場合、 可撓性のプレスマトリクス８は、該プレスマトリクスが双方の平行な平板２の間 に延在しているような程度の大きさにされている。更に、該プレスマトリクス８ は、可撓性の圧縮膜７によって半径方向に包囲されており、該圧縮膜は、軸線方 向で上方ケーシング平板および下方ケーシング平板１の間に延在し、かつ接続部 剤６を介して外側から供給されている圧縮媒体５、例えば油圧油に対する封止を 生じている。 固定化された医薬品貯蔵物の製造のためには、先ず、医薬品が、プレス室８の 中に導入され、この場合、該医薬品貯蔵物は、例えば噴霧造粒または乾燥強制混 合によって、極めて良好にさらさらとさせられている造粒された担体物質／作用 物質混合物であってもよい。プレス室８の中への医薬品堆積物９の導入後に、油 圧を用いるプレスが行われており（図１ａ中の矢印の方向を参照のこと）、その 結果、図１ａ中に示された状態が生じる。 図１ａ中で良好に認識されるように、平板２は、移動せず、従ってまた作用圧 力も医薬品堆積物に作用していない。むしろ、前記平板は、圧媒体５によって、 圧縮膜７およびプレスマトリクス８を介して半径方向 で負荷されている圧力を吸収している。半径方向でコア３に向かう方向での液圧 の同心円状の負荷によって、医薬品堆積物は圧縮され、かつ固定化された医薬品 貯蔵物が製造される。前記のプレス工程の際に、プレスマトリクスは、上方の平 板および下方の平板２の前面の上で、若干、半径方向で内側に向かってずれ動き 、その結果、医薬品貯蔵物９ａへの圧力伝達は、専ら、半径方向で行われ、かつ 医薬品貯蔵物の内部での全ての軸線方向の剪断運動は、回避されている。 こうして製造された医薬品貯蔵物は、冒頭に記載された内部摩擦の結果として 、著しく半径方向に向けられている、即ち同じ密度の帯域が医薬品貯蔵物９ａの の中心軸方向に対して並行および同心円状に走っている密度勾配を有している。 プレスの後に、油圧が削減され、プレスマトリクス８および圧縮膜７は、その 開始時の位置（図１）に戻り、かつ環状タブレット９ａの形で製造された医薬品 貯蔵物は、プレス金型の開口後に取出される。プレス小室の技術的な詳細、例え ば油充填の封止等は、見やすさの理由から記載されていない。 上記の環状医薬品貯蔵物は、例えば１６ｍｍの外径、１０ｍｍの内径および６ 〜６０ｍｍの高さを有していてもよい。この医薬品は、例えば１７０ＭＰａのプ レス圧力でプレスされている造粒された乳糖中のサルブタモール７．５％の混合 物であってもよい。 このことによって、軸線方向で、１．３１７ｇ／ｃｍ^-3の積分密度で、０．０ ５％を上回らない密度勾配および半径方向で０．３％を上回らない勾配が生じ、 この場合、最小密度は、環状タブレットの肉厚のほぼ中央に存在している。前記 の性質を伴って、この種の製造された医薬品貯蔵物は、既に記載された国際公開 番号ＷＯ９３／２４１６５号中に記載されているようなエアロゾル発生器に対し て、前記の装置中で、医薬品貯蔵物の粒子の崩壊が、軸線方向で生じるフロント フライスによって行われ、かつこの場合、常に、全消費領域に亘って、全体とし て極僅かであるが、しかし均一で同心円状の密度分布が見出され、従って、該密 度分布は、エアロゾル量およびエアロゾル品質に何の影響も有していないので、 最も適合されている。更に、プレス工程が、全てのプレス助剤なしに実施するこ とができることは重要である。本発明による例えば環状医薬品貯蔵物は、簡単な 方法で、エアロゾル発生器のタブレットホルダー中で、シアノアクリレート接着 剤を用いて固定することができる。 更に、医薬品貯蔵物の上記のデータおよび物質が、専ら純粋に例示的に記載さ れており、かつ本発明は、多数の医薬品もしくは医薬品混合物に使用できること が確認されるべきものである。この場合、医薬品とは、全ての製薬学的組成物の ことである。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．崩壊手段を有する投与装置を用いて吸入可能な医薬品粒子を発生させるため の固定化された医薬品貯蔵物において、医薬品貯蔵物の構造体が、外側から、医 薬品貯蔵物の中心に位置するコアに向かっての半径方向のプレス圧力の負荷によ って製造されることを特徴とする、固定化された医薬品貯蔵物。 ２．固定化された医薬品貯蔵物が環状の横断面を有している、請求項１に記載の 固定化された医薬品貯蔵物。 ３．固定化された医薬品貯蔵物が、造粒された担持剤−作用物質混合物から、有 利に５０〜５００ＭＰａの間のプレス圧力を用いて製造される、請求項１または ２に記載の固定化された医薬品貯蔵物。 ４．固定化された医薬品貯蔵物が、崩壊方向に対して垂直方向に０．３％以下で あり、かつ崩壊方向で０．０５％以下であるような濃度勾配を有している、請求 項１から３までのいずれか１項に記載の医薬品貯蔵物。 ５．崩壊手段を有する投与装置を用いて吸入可能な医薬品粒子を発生させるため の固定化された医薬品貯蔵物を製造するための方法において、プレス圧力を、半 径方向で、外側から、医薬品貯蔵物の中心に位置するコアに向けることを特徴と する、固定化され た医薬品貯蔵物の製造法。 ６．医薬品貯蔵物を、予め変形して、プレス圧力に晒す、請求項５に記載の方法 。 ７．医薬品貯蔵物を、環状体として、予め変形する、請求項５または６に記載の 方法。 ８．コアをプレス後に除去する、請求項５から７までのいずれか１項に記載の方 法。