JPH10506609A - 創傷治癒過程の減衰 - Google Patents

創傷治癒過程の減衰

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Abstract

(57)【要約】 グラム陰性菌Flavobacterium heparinumから得られるヘパリナーゼ1、2および3ならびにコンドロイチナーゼACおよびBを含むグリコサミノグリカンを別個または組み合わせるかのいずれかで使用して、細胞増殖を操作し得る。一実施態様では、ヘパリナーゼを投与して細胞外基質のヘパラン硫酸成分を分解し、これによって細胞外基質に格納されているヘパリン結合成長因子を隣接細胞に移動させる。グリコサミノグリカン分解酵素であるコンドロイチナーゼおよびヘパリナーゼの両方によって組織を処理することで、化学走性誘因物質、成長因子および細胞の移動度もまた高められ得る。細胞表面からコンドロイチン硫酸を酵素的に除去することで、細胞表面の成長因子レセプターの利用性が効率よく高められる。細胞外基質をインタクトなまま維持しながら細胞表面からヘパラン硫酸を選択的に除去することで、成長因子に対する細胞の応答がダウンレギュレートされて、細胞増殖が阻害される。これは、ヘパリンまたはヘパラン硫酸分解活性を細胞表面に標的化することによって達成される。ヘパリン分解活性の標的化は、リガンド結合機能をヘパリナーゼタンパク質中に遺伝子的に設計するか、あるいは投与方法を通して局在化された酵素濃度を物理的に調節することによって達成され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 創傷治癒過程の減衰 発明の背景 本発明は、グリコサミノグリカン分解酵素を使用して創傷治癒過程における事 象を調節するための方法について記載したものである。 成長因子は、細胞の増殖および分化のホルモン型調節を誘起する天然に存在す るポリペプチドである。これらの事象の発生原因となる機序は、典型的には、細 胞表面上に位置する特異的なレセプターまたはレセプター系と接触している成長 因子によって開始される。レセプター/成長因子相互作用に続いて起こる一連の 細胞内事象が、細胞によるマイトジェン応答および分化応答を担う。これらの機 序は完全には知られていないが、チロシンキナーゼの活性化、ヌクレオチド代謝 および細胞電解質レベルの変化が含まれ得る(BurgessおよびMacaig,Ann.Rev. Biochem,58:575-606,1989)。 殆どの細胞型に関して、分裂促進および分化の事象は正常成体動物では抑制さ れる。これらの成長因子介在事象は、より一般的には、創傷治癒過程の間、また はガンおよび血管疾患を含む様々な疾患状態において、発育中の生物と関連して いる。例えば、微細血管および動脈のライニングを含む内皮細胞の正常な代謝回 転速度は、数千日である。しかしながら、正常な創傷治癒の間にはこれらの内皮 細胞は急速に増殖し、代謝回転速度は約5日である(FolkmanおよびShing,J.Bio l.Chem.267(16): 10931-10934,1992)。創傷治癒の間に生じる増殖の増加は、 成長因子を含む様々な血管形成分子の局所的な濃度が増加するためであるように 思われる。 繊維芽細胞成長因子ファミリーは、内皮細胞、繊維芽細胞、平滑筋細胞および 表皮細胞を含む様々な細胞系において増殖を刺激することが分かっている少なく とも7個のポリペプチドを含む。この群に含まれるのは、酸性繊維芽細胞成長因 子(FGF-1)、塩基性繊維芽細胞成長因子(FGF-2)、int-2(FGF-3)、カポジ肉腫成長 因子(FGF-4)、hst-1(FGF-5)、hst-2(FGF-6)および角化細胞成長因子;(FGF-7)(B airdおよびKlagsbrun,Ann.N.Y.Acad.Sci.638: xiv,1991)である。 これらの分子および組織成長因子(TGFαおよびTGFβ)、血小板由来増殖因子( PDGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターロイキン 3(IL-3)および血小板因子4(PF4)を含むその他のサイトカインは、ヘパリン に対する親和性の点で共通の特徴を有している(Clark,Dermatol.Clin.11:647 -666,1993)。特異的な細胞型応答もまた特定の因子と関係している。EGFおよび TGFαは角化細胞の増殖を刺激し、TGFβはコラーゲンおよびフィブロネクチン合 成を刺激し、PDGFは血管形成および顆粒化組織形成を刺激し、FGF-7は上皮細胞 増殖を刺激する(Staiano-Coico,ら,J.Exp.Med.178:865-878,1993)。さらに 、PDGF、FGF-2および最近述べられているヘパリン結合表皮成長因子(HB-EGF)( Higashiyamaら,Science 251:936-939,1991)も血管平滑筋細胞および血管内皮 細胞の増殖および移動に関与している。 細胞の代謝状態が静止から増殖または移動状態に変化したことは、細胞周辺で 適当なシグナル分子の利用性が高まったことを意味する。原理的には、これは成 長因子の合成の増加または貯蔵庫からの成長因子の放出のいずれかが原因となっ て生じ得る。実際に、どちらの機序も観察されている。FGF-1、FGF-2、FGF-5お よびFGF-7の発現は全厚皮膚損傷後にアップレギュレートされる(Wernerら,Proc .Natl.Acad.Sci.89:6896)が、TGFβ、FGF-2およびPDGFの合成は平滑筋細胞 にて血管損傷に応答して増加する。成長因子は、正常成体非創傷試料から抽出さ れた殆どの固体組織において検出されている。これらの領域に成長因子が存在す るにもかかわらず、成長因子を有している細胞は増殖状態にはない。明らかに、 成長因子は細胞外で基底膜および細胞外基質に格納されており、ここではそれぞ れの細胞表面レセプターと接触することができない。この態様では、成長因子は 創傷修復用の緊急の供給源として作用し、血管形成が機能する(Vlodavskyら,TI BS 16:268-271,1991)。 組織または血管の損傷時の初期事象は、細胞外隙から成長因子を機械的に追い 出し、この成長因子を細胞表面レセプターに対して利用可能として、細胞の増殖 および別の成長因子の細胞合成を刺激することを含み得る。あるいは、ストレス 下におかれた細胞が、細胞外の成長因子をこれらの貯蔵庫から移動させる分子を 分泌し得る。腫瘍細胞は、プロテオグリカナーゼ、コラゲナーゼおよびメタロプ ロテイナーゼを含む分解酵素を、転移と同時に分泌することが知られている(Nic olson Curr.Opinion Cell Biol.1:1009-1019,1989)。血管を介した腫瘍の移 動を容易にすることに加え、細胞外基質成分の破壊によって成長因子が放出され 、それにより新たな血管の形成が促進され、この血管形成は、成長している腫瘍 塊を供給する(Folkmanら,Am J Pathol 130:393-400,1988)。 細胞外基質(ECM)は、内皮細胞、上皮細胞、表皮細胞および筋肉細胞を含む様 々な細胞型によって合成され、これらの細胞型を包囲する多成分構造体である。 ECMは主にコラーゲンとヘパラン硫酸プロテオグリカンとから形成されている。 また、細胞外基質は、フィブロネクチン、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン および更に小さなタンパク質を含有する。成長因子は、ヘパラン硫酸プロテオグ リカンのグリコサミノグリカン部分と結合することによって、これらの基質にお いて分離される。ヘパリンおよびヘパラン硫酸は、ヘキスロン酸(D-グルクロン 酸またはL-イズロン酸のいずれか)およびグルコサミンから交互に形成された多 糖類であり、N-アセチル化またはN-硫酸化され、残基は様々な硫酸化パターンを 有する。ブタの腸、ウシの肺およびヒトのマスト細胞から抽出されたヘパリンは 、高度の硫酸化を示し、二糖単位あたり最大で2.6分子の硫酸基を有し、ヘパラ ン硫酸よりもイズロン酸含有量が高い。反対に、ヘパラン硫酸は硫酸化の程度は 低く、交互の糖位置にグルクロン酸を優先的に含有している。高イズロン酸化お よび高硫酸化「ヘパリン様」領域は、ヒト繊維芽細胞から得られるヘパラン硫酸 のbFGF結合領域と関連している(Turnbullら,J.Biol.Chem.267(15)10337-103 41,1992)。しかしながら、細胞外基質におけるヘパラン硫酸の組成は完全には 特徴付けされていない。 細胞の増殖および移動の成長因子による刺激は、生化学的媒介物、細胞外基質 および実質細胞を含む多因性相互作用過程である創傷治癒過程における事象の1 つとなっている。創傷治癒過程は、一般には、炎症、増殖および再構築という3 つの一時的に重複する期に分けられる。炎症時、血液に運ばれる細胞は創傷部位 を浸潤し、血小板由来増殖因子、フォンビルブラント因子、トロンボスポンジン 、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、5-ヒドロキシトリプトファン、トロン ボキサン-A2およびアデノシン二リン酸を含む幾つかの媒介分子を放出する(Kirs ne rおよびEaglstein,J.Dermatol.151:629-640,1993)。血小板栓および血栓が 形成され、単核細胞、繊維芽細胞および角化細胞に対するマトリックスを提供す る。走化性分子は、マクロファージに形質転換し、そして成長因子を分泌する単 核細胞奪攻撃する(NathanおよびSporn,J.Cell Biol.113:981-986,1991)。好 中球は、細胞の基底膜通過を増強する分解酵素であるエラスターゼおよびコラゲ ナーゼを分泌することによって、この過程に参加し得る。 角化細胞および表皮細胞は、皮膚創傷の閉塞に関与しており、増殖期の間に創 傷部位まで移動する。血管形成、すなわち化学走性誘因物質および血管形成シグ ナル(FolkmanおよびKlagsbrun,Science 235:442-447,1987)に応答した新たな 血管の形成、ならびに繊維増殖、すなわち繊維芽細胞の蓄積および顆粒組織の形 成もまた、増殖期の間に起こる。組織の再構築は、細胞移動および組織支持の足 場物質として機能する、フィブロネクチン、コラーゲンおよびプロテオグリカン を含むマトリックス成分の分泌に伴って起こる。創傷治癒の早期段階において合 成されるIII型コラーゲンは、タンパク質加水分解による代謝回転の過程によっ て、より永続性のI型コラーゲンに置換される。 虚血は、血管系の局所的な機能障害が原因で血液供給がうまくいかず、続いて 組織損傷が生じる病理状態を意味する。このような場合、血管形成の刺激による ものであろうと外科的な方法によるものであろうといずれにしても、血管再生は 、損傷組織の正常な創傷治癒経過よりも先に起こらなければならない。 細胞外基質および基底膜の成分を分解する酵素の作用は、ヘパラン硫酸に捕捉 された結合サイトカインの放出を含む様々な機序により、かつ基質の透過性を増 加させることで、媒介分子、成長因子および走化性物質、ならびに治癒過程に含 まれる細胞の移動度が高まることにより、組織修復の事象を容易にし得る。グリ コサミノグリカンは、種々の真核生物の酵素および原核生物の酵素による分解に 供される。ヘパラン硫酸分解活性は、血小板(Oldbergら,Biochemistry,19:575 5-5762,1980)、腫瘍細胞(Nakajimaら,J.Biol.Chem.259:2283-2290,1984) および内皮細胞(Gaalら,Biochem.Biophys.Res.Comm.,161;604-614,1989) において検出されている。これらのヘパラナーゼ酵素は、ヘキスロン酸(1->4)グ ルコサミン結合におけるヘパラン硫酸の炭水化物バックボーンの加水分解を触媒 することによって作用する(Nakajimaら,J.Cell,Biochem.,36:157-167,1988 )。哺乳類ヘパラナーゼは、典型的には、ヘパリン-ヘパラン硫酸ファミリーの高 硫酸化ヘパリン形態によって阻害される。しかしながら、分子の均一な調製物を 得る方法がないため、これらの酵素を生化学的な面から正確に特徴付けすること はこれまでできなかった。 ヘパリン分解酵素はまた、Flavobacterium heparinum(LohseおよびLinhardt, J.Biol.Chem.267:2437-24355,1992)、Bacteroides菌株(Saylersら,Appl.E nviron.Microbiol.33:319-322,1977; Nakamuraら,J.Clin.Microbiol.26: 1070-1071,1988)、Flavobacterium Hp206(Yoshidaら,10th Annual Symposium of Glycoconjugates,Jerusalem 1989)およびCytophagia種(Bohnら,Drug Res. 41(I),Nr.4:456-460,1991)を含む微生物においても見いだされている。コン ドロイチン硫酸分解酵素は、Flavobacterium heparinum(Michaleacciら,Bioche m.J.151:123,1975)、Bacteroides種(SaylersらJ.Bacteriol.143:781,1980 ; Linnら,J.Bacteriol.156:859,1983; Steffenら,J.Clin.Microbiol.14 :153,1981)、Proteus vulgaris(Uamagataら,J.Biol.Chem.243:1523,1968 ,Suzuki,Meth.Enzymol.28:911,1972)、Beneckea、MicrocossusおよびVibri o種(KitamikadaおよびLee,Appl.Microbiol.29:414,1975)およびArthrobacte r aurescens(HiyamおよびOkada,J.Biol.Chem.250:1824-1828,1975)を含む いくつかの微生物から単離されている。 F.heparinumは、3種類の形態のヘパリナーゼ、すなわちヘパリナーゼ1、ヘ パリナーゼ2、ヘパリナーゼ3(ヘパリチナーゼ)を産生する(LohseおよびLinhar dt,J.Biol.Chem.267:24347-24355,1992)。これら3種類の酵素はいずれも、 硫酸化パターンおよび特定の切断部位における特定のヘキスロン酸残基(すなわ ち、イズロン酸またはグルクロン酸)によって、様々な特異度で、グルコサミン (1->4)ヘキスロン酸結合を切断する(Desaiら,Arch.Biochem.Biophys.306:46 1-468,1993)。F.heparinumはまた、コンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸ファ ミリーのメンバーを分解する2種類の酵素を産生する。これら2種類の酵素は、コ ンドロイチンリアーゼACおよびコンドロイチンリアーゼBである。コンドロイチ ンリアーゼACは、多糖類バックボーンにおいてガラクトサミン(1->4)グルクロン 酸結合を切断することによってコンドロイチン硫酸Aおよびコンドロイチン硫酸C の両方を分解する。コンドロイチンリアーゼBは、多糖類バックボーンにおいて ガラクトサミン(1->4)イズロン酸結合を切断することによってデルマタン硫酸( コンドロイチン硫酸B)を分解する。F.heparinum酵素の酵素機序は除去反応によ るものであり、これによってこの酵素と哺乳類グリコサミノグリカン分解酵素と を区別する。さらに、F.heparinumリアーゼ酵素の中には、哺乳類酵素のように グリコサミノグリカン分子によって阻害されるものはないように思われる。 腫瘍細胞系抽出物から部分的に精製された哺乳類ヘパラナーゼ、ならびにFlav obacterium heparinumから得られるヘパリナーゼ1およびヘパリナーゼ3は、ウ シの大動脈内皮細胞によりインビトロにおいて合成された細胞外基質に予め吸着 させた125I放射性標識FGF-2を放出することが分かっている(BashkinらJ.Cell. Physiol.167:126-137,1992)。しかしながら、未分画の低分子量ヘパリンも外 因的に吸着された125I放射性標識FGF-2を同様に放出させるため、これらの報告 からは、測定された放出が、ECMにおけるヘパラン硫酸の酵素分解によるものな のか、あるいは負に荷電したヘパラン硫酸からのFGF-2のイオン交換型電解質置 換によるものなのかは明らかではない。同じ調査グループが、ヘパリナーゼ3で 処理することによって血管平滑筋細胞から増殖促進活性が放出され、そして好中 球またはリンパ腫細胞の抽出物に曝露することによって細胞外基質から増殖促進 活性が放出されることを報告した。しかしながら、細菌型グリコサミノグリカン 分解酵素と接触することで細胞外基質から増殖促進活性が放出されることは証明 されておらず、これらの酵素がインビボにおいて組織修復や新たな血管の成長を 促進することも示されていない。 Hadassah Medical Organization出願の国際出願公開第WO91/02977号には、哺 乳類ヘパリナーゼの精製について報告されており、ここでは、ヘパリナーゼは血 管再生を促進あるいは創傷への血液供給を増加することで創傷治癒に有用である と仮定されている。 Sasisekharanら,Proc Nat1 .Acad.Sci.USA 91,1524-1528(1994)およびMas sachusetts Institute of Technology出願の国際公開第WO95/13830号には、Flav obacterium heparinumから得られるヘパリナーゼIおよびIIは血管新生を阻害し 、 過剰な血管内部成長および腫瘍増殖の阻害を含む眼疾患の治療に有用であり得る と報告されている。 International Technology Management Associates,Ltdら出願の国際公開第W O95/13091号には、プロテオグリカナーゼまたはプロテアーゼを使用して軟骨の 細胞外基質物質を分解し、修復を刺激することについて開示されている。 従って、本発明の目的は、組織修復および新たな血管の増殖を増強および制御 する方法および組成物を提供することにある。 本発明の他の目的は、組織修復を増強し、血管形成を操作することに用いられ る、高純度グリコサミノグリカン分解酵素薬学的組成物を提供することにある。 発明の要旨 グラム陰性菌Flavobacterium heparinum由来のヘパリナーゼ1、2および3な らびにコンドロイチナーゼACおよびBを含むグリコサミノグリカンを別個にまた は組み合わせて使用して、細胞増殖を操作し得る。一実施態様では、ヘパリナー ゼを投与して細胞外基質のヘパラン硫酸成分を分解し、これによって、細胞外基 質に格納されているヘパリン結合成長因子を隣接細胞に移動させる。グリコサミ ノグリカン分解酵素であるコンドロイチナーゼおよびヘパリナーゼの両方で組織 を処理することによって、化学走性誘因物質、成長因子および細胞の移動度もま た高め得る。コンドロイチン硫酸を細胞表面から酵素的に除去することで、細胞 表面での成長因子レセプターの利用性が効率よく高められる。反対に、細胞外基 質をインタクトなまま維持しながら細胞表面からヘパラン硫酸を選択的に除去す ることで、成長因子に対する細胞の応答がダウンレギュレートされて、細胞増殖 が阻害される。これは、ヘパリンまたはヘパラン硫酸分解活性を細胞表面に標的 化することによって達成される。ヘパリン分解活性の標的化は、リガンド結合機 能をヘパリナーゼタンパク質中に遺伝子的に設計するか、あるいは投与方法を通 して局在化した酵素濃度を物理的に調節することによって達成され得る。 グリコサミノグリカン酵素および当該酵素の遺伝子操作された誘導体の調製方 法ならびに高純度グリコサミノグリカン分解酵素の薬学的調製物の生成方法を記 載する。他のタンパク質の結合特性を取り入れたヘパリン分解酵素の誘導体を生 成するための方法が開示されている。内因性成長因子に対する細胞の応答を阻害 するこれらの分子を使用して、細胞表面にヘパリン分解活性を標的化し得る。 実施例から、グリコサミノグリカナーゼを使用することでECMおよびインタク トな細胞および組織から増殖促進活性が放出されること、グリコサミノグリカナ ーゼ、特にヘパリナーゼ3で処理することによってインビトロでの細胞増殖が増 強されること、グリコサミノグリカナーゼで処理された細胞によって放出された ヘパラン硫酸フラグメントの増殖促進活性および動物モデルにおけるインビボで の創傷治癒を刺激する上でのヘパリナーゼ3の有用性が証明される。 図面の簡単な説明 図1a、1bおよび1cは、細胞外基質(ECM-上半分)および細胞表面(下半分)におけ るグリコサミノグリカンの機能を示す概略図である。図1aは、ヘパラン硫酸プロ テオグリカン(HSPG)のヘパラン硫酸成分(実曲線)が、細胞外基質および細胞表面 の両方でヘパリン結合成長因子(HBGF)と結合することを示している。ヘパラン硫 酸と結合していない成長因子は、その細胞表面レセプターと結合することができ ない。ヘパラン硫酸またはヘパラン硫酸のフラグメントは、成長因子に付着し、 レセプターに対する結合を可能にする立体配座の変化を引き起こす。コンドロイ チン硫酸(斜線入り曲線)プロテオグリカン(CSPG)も細胞外基質および細胞表面に 位置している。細胞表面において、コンドロイチン硫酸分子はヘパリン結合成長 因子レセプターの接近性を立体的に妨害し得る。図1bは、コンドロイチン硫酸分 解酵素で処理することで、細胞表面レセプターへの接近性がより高まり、化学走 性誘因物質、成長因子、細胞などの分子の細胞外基質を介した移動度が増すこと を示している。図1cは、ヘパリンまたはヘパラン硫酸分解酵素で処理することで 、ヘパラン硫酸フラグメントおよびヘパリン結合成長因子が細胞外基質から放出 され、これによってヘパラン硫酸フラグメントおよびヘパリン結合成長因子の隣 接細胞表面のレセプターに対する利用性が高まり、かつ化学走性誘因物質、成長 因子、細胞などの分子の細胞外基質を介した移動度が増すことを示している。 図2は、存在する酵素の量を測定するための、ヘパリナーゼの半固体状ゲルへ の脱着(時間(分)の経過に伴うアガロースへの浸透(mm))を示すグラフである。 図3は、未処理、ヘパリナーゼ1、ヘパリナーゼ2、ヘパリナーゼ3、コンド ロイチナーゼACおよびコンドロイチナーゼBについて、酵素処理した細胞外基質 から放出される相対的な増殖促進活性(×コントロール)を示すグラフである。結 果を、未処理基質上清に曝露されたBalb/c 3T3繊維芽細胞によるチミジン取り込 み量に対する、酵素処理基質上清に曝露されたBalb/c 3T3繊維芽細胞によるチミ ジン取り込み量の比として表す。 図4は、未処理、ヘパリナーゼ1、ヘパリナーゼ2およびヘパリナーゼ3につ いて、酵素処理したウシ角膜から放出される相対的な増殖促進活性(×コントロ ール)を示すグラフである。結果を、未処理角膜上清に曝露されたBalb/c 3T3繊 維芽細胞によるチミジン取り込み量に対する、酵素処理角膜上清に曝露されたBa lb/c 3T3繊維芽細胞によるチミジン取り込み量の比として表す。 図5は、未処理、ヘパリナーゼ1、ヘパリナーゼ2、ヘパリナーゼ3、コンド ロイチナーゼACおよびコンドロイチナーゼBについて、細胞外基質からの35Sの放 出(cpm)を示すグラフである。 図6は、未処理、ヘパリナーゼ1、ヘパリナーゼ2およびコンドロイチナーゼA Cについて、酵素処理したウシ平滑筋細胞によるFGF-2の相対的な吸収(コントロ ールの%)を示すグラフである。 図7は、細胞表面または細胞外基質のいずれか一方または両方の酵素処理に対 するBalb/c 3T3繊維芽細胞の相対的な増殖応答を示すグラフである。増殖は、3H -チミジン取り込み量によって判定し、コントロール(未処理基質から得られる上 清に曝露された未処理細胞)の取り込み量に対する処理条件下で観察された取り 込み量の比として表す。 図8は、ヘパリナーゼ1、2、3およびコンドロイチナーゼACについて、酵素処 理した細胞外基質から放出される可溶物質に対する静止balb/C 3T3繊維芽細胞の 増殖応答を示す(ハッチング入りの棒)グラフである。酵素処理した基質上清に曝 露される前にヘパリナーゼ1、2、3、またはコンドロイチナーゼACで処理された 細胞の増殖応答もまた示す(塗りつぶし棒)。これらの結果を、酵素処理した基質 の上清に曝露されたbalb/C 3T3繊維芽細胞に取り込まれた3H-チミジンの1分あた りのカウント数として表す。ネガティブコントロールの「未処理細胞」は、未処 理基質から得られる上清に曝露された細胞の増殖応答を表している。 図9は、ヘパリナーゼ3について酵素処理した細胞外基質から放出される可溶 物質に対する、ヘパリナーゼ3で予め処理されたものと未処理の静止balb/C 3T3 繊維芽細胞の増殖応答を示すグラフである。細胞外基質から自然に放出される物 質に対する、ヘパリナーゼ3で予め処理されたものと未処理の静止balb/C 3T3繊 維芽細胞の増殖応答を示す。これらの結果を、酵素処理した基質の上清に曝露さ れたbalb/C 3T3繊維芽細胞に取り込まれた3H-チミジンの1分あたりのカウント数 として表す。未処理細胞は、未処理基質から得られる上清に曝露された細胞であ る。細胞+hep3は、未処理基質から得られる上清に曝露する前にヘパリナーゼ3 で予め処理された細胞である。ECM+hep3は、ヘパリナーゼ3処理基質から得られ る上清に曝露された細胞である。ECM+heps細胞+hep3は、ヘパリナーゼ3処理基 質から得られる上清に曝露されたヘパリナーゼ3処理細胞である。 図10は、ヘパリナーゼ3の濃度が0.1、0.01、1.0IU/mlの3種類の場合について 、酵素処理したウシ角膜から放出される可溶物質に対する静止balb/C 3T3繊維芽 細胞の増殖応答を示すグラフである。ネガティブコントロール値「未処理細胞」 は、未処理角膜から得られる上清に曝露された細胞の増殖応答を表している。 図11は、ヘパリナーゼ1、2、または3に曝露されたウシ内皮細胞(ハッチング入 り棒)、ウシ平滑筋細胞(塗りつぶし棒)、細胞外基質(灰色の棒)からのbFGFの放 出を示すグラフである。 図12は、ヘパリナーゼ1、ヘパリナーゼ2およびヘパリナーゼ3で細胞を処理 することによる平滑筋細胞増殖の阻害を示すグラフである。結果を、未処理コン トロール細胞と比較した酵素処理後の細胞増殖率として表す。未処理細胞の増殖 レベルを100%とする。斜線の入った棒は酵素0.1IU/mlで処理したものを示し、塗 りつぶされた棒は酵素0.5IU/mlで処理したものを示す。 図13Aは、ヘパリナーゼ1、2、または3による硫酸標識ECMの分解を示すグラフ である。代謝的に硫酸標識したECMでコーティングした4ウエル組織培養プレート を0.1U/mlのヘパリナーゼ1(○)、ヘパリナーゼ2(△)、またはヘパリナーゼ3( □)と共に37℃で18時間インキュベートした。インキュベーション培地に放出さ れた硫酸標識物質をSepharose6B上でのゲル濾過によって分析した。 図13Bは、ECM結合マイトジェン活性の放出を示すグラフである。増殖停止3T3 繊維芽細胞における3H-チミジン取り込みの刺激について、プラスチック(斜線) またはECM(網状線)上のインキュベーション培地のアリコートを試験した。 図13Cは、ヘパリナーゼ1、2および3による硫酸標識ECMの分解を示すグラフで ある。硫酸標識ECMを0.1U/mlのヘパリナーゼ1、2または3と共に37℃で18時間イ ンキュベートした。インキュベーション培地に放出された硫酸標識物質の総量( 斜線)を計数した。残りのECMをトリプシン(5μg/ml)で37℃で1時間消化し、可溶 化した放射活性(網状線)をβシンチレーションカウンターで計数した。 図14A、14B、14Cおよび14Dは、異なる表面上でヘパリナーゼ1、2、または3に 曝露された細胞およびECMから放出されたヘパラン硫酸フラグメントによるF32リ ンパ様細胞増殖の刺激を示すグラフである。通常(プラスチック)(図14B)4ウェル プレートおよびECMコート(図14A)4ウェルプレートならびに血管内皮細胞(EC)(図 14C)および平滑筋細胞(SMC)(図14D)の密集培地を0.1U/mlのヘパリナーゼ1(□) 、ヘパリナーゼ2(◇)またはヘパリナーゼ3(○)と共に37℃で1時間インキュベ ートした。次に、5ng/mlのbFGFの存在下で96ウェルプレートに接種したF32細胞 に、インキュベーション培地のアリコート(1〜40μl)を添加した。接種48時間後 に3H-チミジン(1μCi/ウェル)を添加し、さらに6時間後に細胞を収集して3H-チ ミジン取り込み量を測定した。各データ点は6つの培養ウェルの平均±S.D.を表 している。 図15Aおよび15Bは、ヘパリナーゼ3によるF32リンパ様細胞増殖の刺激を示す グラフである。図15Aは、0.1U/mlの天然(白)または熱失活(10分、95℃)(斜線)ヘ パリナーゼ3の非存在下および存在下での、5ng/mlのbFGFとの96ウェルプレート におけるF32リンパ様細胞のインキュベーションを示すグラフである。ヘパリナ ーゼ3酵素(0.1U/ml)をまたDEAEセルロース(0.5ml)にかけ、ロード(白)物質およ び素通り(斜線)物質の両方をF32リンパ様細胞に添加した。図15Bは、1μg/mlの 天然(白)または熱失活(10分、95℃)(斜線)ヘパリンの非存在下および存在下での 、5ng/mlのbFGFとの96ウェルプレートにおけるF-32リンパ様細胞のインキュベー ションを示すグラフである。ヘパリンをまたDEAEセルロース(0.5ml)にかけ、ロ ード(白)物質および素通り(斜線)物質の両方をF32リンパ様細胞に添加した。 接種48時間後に各ウェルに3H-チミジン(1μCi/ウェル)を添加し、さらに6時間後 に細胞を収集して3H-チミジン取り込み量を測定した。各データ点は6枚の培養ウ ェルの平均±S.D.を表している。 図16は、ヘパリナーゼの創傷治癒を刺激する能力についてのインビボ試験を行 った後に6群のラットから得た、創傷部位を含む皮膚の強度(引張り、g/mm2)を、 ビヒクル、ヘパリナーゼ(1日)および1日、3日、7日目における機能障害された( 熱失活された)ヘパリナーゼの作用と比較して示すグラフである。 図17は、ヘパリナーゼ3を0.02、0.2および2.0IUの投与量で用いて創傷治癒を 刺激するヘパリナーゼのインビボ試験を行った後に6群のラットから得た、創傷 部位を含む皮膚の強度(引張り、g/mm2)を示すグラフである。 発明の詳細な説明 Flavobacterium heparinum遺伝子に由来する高純度グリコサミノグリカン分解 酵素を使用して創傷治癒過程に関与する事象を調節するための方法を開示する。 ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸およびデルマタン硫酸を含むグリコサミノグ リカンは、これらの成分がサイトカインレセプターとして作用する細胞表面上と 、これらの成分が細胞外基質の構造を形成し、かつ成長因子の貯蔵庫として機能 する細胞外隙内とに存在するプロテオグリカンの硫酸化多糖類成分である。F.h eparinumから得られるグリコサミノグリカン分解酵素であるヘパリナーゼ1(EC4 .2.2.7)、ヘパリナーゼ2、ヘパリナーゼ3(EC4.2.2.8)、コンドロイチナーゼAC (EC4.2.2.5)およびコンドロイチナーゼBは、i)細胞外基質からヘパリン結合成長 因子および分子を放出させ、それにより、隣接細胞に対して増殖および移動の刺 激に関するこれらの因子および分子の利用性を高め、ii)細胞外基質の成分を分 解し、それによりサイトカイン、化学走性誘因物質および細胞が移動しやすくし 、iii)細胞表面からコンドロイチン硫酸を除去し、それにより細胞表面レセプタ ーへの接近性を高め、iv)成長因子レセプター複合体のヘパラン硫酸成分を除去 して成長因子に対する細胞の増殖応答を阻害することによって、細胞の増殖およ び移動に関与する相互作用を調節する。 ヘパリン結合成長因子-レセプター相互作用には、第3の成分であるヘパラン硫 酸の存在が必要とされる。このヘパラン硫酸は、細胞表面に存在しているか、細 胞に添加され得るか、あるいは細胞外基質からヘパラン硫酸フラグメントとして 溶菌的に放出されるものである。ヘパリンまたはヘパラン硫酸分解酵素を0.001 〜5IU/mlの範囲で添加することで、細胞外基質からヘパリン結合成長因子および ヘパラン硫酸フラグメントが同時に放出され、隣接細胞に対してこれらの成分の 利用性が高まることにより細胞増殖が促進される。 反対に、細胞外基質をインタクトなままに維持しながら細胞表面からヘパラン 硫酸を選択的に除去することで、成長因子に対する細胞の応答がダウンレギュレ ートされて、細胞増殖は阻害される。これは、ヘパリンまたはヘパラン硫酸分解 活性を細胞表面に標的化することによって達成される。ヘパリン分解活性の標的 化は、リガンド結合機能をヘパリナーゼタンパク質中に遺伝子的に設計するか、 あるいは投与方法を通して局在化された酵素濃度を物理的に調節することによっ て達成され得る。例えば、浸透性ダブルバルーンカテーテルによって、損傷血管 中の露出された血管平滑筋細胞にヘパリナーゼを優先的に送達させ得る。 グリコサミノグリカン分解酵素の調製 グリコサミノグリカンリアーゼ酵素は、細菌細胞または哺乳類細胞から単離す ることによって調製され得る。これらの細胞は、酵素を天然に産生するかあるい は酵素を産生するよう遺伝子操作されている。 天然産生酵素の単離 グリコサミノグリカンリアーゼ酵素は、Flavobacterium heparinumの培養物か ら以下のようにして精製され得る。F.heparinumを、15Lのコンピューター制御 された発酵槽において、Galliherら、Appl.Environ.Microbiol.41(2):360-365 ,1981に記載の規定の栄養培地の変型培地中で培養する。ヘパリンリアーゼを生 成するために設計された発酵のために、ヘパリナーゼ合成の誘導物質として、半 精製ヘパリン(Celsus Laboratories)を、1.0g/Lの濃度で培地中に含有させる。 コンドロイチンリアーゼを生成するために設計された発酵のために、コンドロイ チナーゼACおよびコンドロイチナーゼB合成の誘導物質として、コンドロイチン 硫酸A(Sigma)を、1.0g/Lの濃度で培地中に含有させる。両タイプの発酵のため に細胞を遠心分離により収集し、そして所望の酵素を、Zimmermann、ら(1992)の 米国特許第5,169,772号に記載の浸透ショック法(osmotic shock procedure)の 変法により細胞周辺腔から放出させる。 粗オスモレート(osmolate)からのタンパク質を、伝導率1〜7μmhoで陽イオン 交換樹脂(CBX,J.T.Baker)に吸着させる。抽出物からの非結合タンパク質を破 棄し、クロマトグラフィーのカラム(5.0cm i.d.×100cm)に樹脂を充填する。結 合タンパク質は、直線流速3.75cm・分-1にて、0.01Mリン酸、0.01Mリン酸/0.1M 塩化ナトリウム、0.01Mリン酸/0.25M塩化ナトリウムおよび0.01Mリン酸/1.0M 塩化ナトリウム(全てpH7.0±0.1)の段階グラジエントで溶出する。ヘパリナーゼ 2は0.1M NaCl画分で溶出し、ヘパリナーゼ1および3は0.25M画分で溶出する。 あるいは、0.1M塩化ナトリウム段階をなくし、0.25M塩化ナトリウムで3種類のヘ パリナーゼを同時溶出させる。セルファイン硫酸(cellufine sulfate)(5.0cm i. d.×30cm,Amicon)を含有するカラムにヘパリナーゼ画分を直接仕込み、直線流 速2.50cm・分-1にて、0.01Mリン酸、0.01Mリン酸/0.2M塩化ナトリウム、0.01Mリ ン酸/0.4M塩化ナトリウムおよび0.01Mリン酸/1.0M塩化ナトリウム(全てpH7.0 ±0.1)の段階グラジエントで溶出させる。ヘパリナーゼ2および3は0.2M塩化ナ トリウム画分で溶出し、ヘパリナーゼ1は0.4M画分で溶出する。セルファイン硫 酸カラムの0.2M塩化ナトリウム画分を0.01Mリン酸ナトリウムで希釈し、導電率 を5μmhos未満にする。この物質をヒドロキシアパタイト(hydroxylapatite)カラ ム(2.6cm i.d.×20cm)に仕込み、直線流速1.0cm・分-1にて、0.01Mリン酸、0.01M リン酸/0.35M塩化ナトリウム、0.01Mリン酸/0.45M塩化ナトリウム、0.01Mリン 酸/0.65M塩化ナトリウムおよび0.01Mリン酸/1.0M塩化ナトリウム(全てpH7.0 ±0.1)の段階グラジエントで結合タンパク質を溶出させることによって、この 溶液をさらに精製する。ヘパリナーゼ3は0.45M塩化ナトリウム画分の単一タン パク質ピークに溶出し、ヘパリナーゼ3は0.65M塩化ナトリウム画分の単一タン パク質ピークに溶出する。セルファイン硫酸カラムから得られて伝導率が5μmho s未満になるまで希釈した物質をヒドロキシアパタイトカラム(2.6cm i.d.×20cm )に仕込み、直線流速1.0cm・分-1にて、リン酸(0.01〜0.25M)および塩化ナトリウ ム(0.0〜0.5M)の直線グラジエントで結合タンパク質を溶出させることによって 、ヘパリナーゼ1をさらに精製する。ヘパリナーゼ1はグラジエントのほぼ中間 の単一タンパ ク質ピークで溶出する。 この方法によって得られるヘパリナーゼ酵素は、逆相HPLC分析(BioCad,POROS II)によって推定した純度が98.5%を上回っている。ヘパリナーゼ酵素の精製結 果を表1に示す。 コンドロイチン硫酸Aで誘導したF.heparinum発酵物から得たオスモレートを、 遠心分離に供し、細胞および細胞デブリを除去し、そして上清を、10cm・分-1の 直線流速で、陽イオン交換カラム(5.0cm×30cm,SepharoseTM S Big Beads,Ph armacia)に載せる。結合したタンパク質を、5.1cm・分-1の直線流速にて、0.01 M リン酸、0.01M リン酸/0.25M 塩化ナトリウムおよび0.01Mリン酸/1.0M塩化ナ ト リウム(全てpH7.0±0.1)の段階グラジエントで溶出させる。コンドロイチナー ゼ活性は、0.25M 塩化ナトリウム画分中に溶出する。このフラクションを、コン ドロイチナーゼ含有画分を0.01M リン酸ナトリウムで2倍に希釈し、そしてこの 物質をセルファイン硫酸を含有するカラム(2.6cm i.d.×100cm,Amicon)にかけ 、そして1.88cm・分-1の直線流速にて、塩化ナトリウムの直線グラジエント(0. 0〜0.4M)で溶出させることによりさらに精製する。コンドロイチナーゼACは、 主に、0.23〜0.26M 塩化ナトリウムて溶出し、一方コンドロイチナーゼBは、0.2 7〜0.3M 塩化ナトリウムで溶出する。各画分を、0.01M リン酸ナトリウムで2倍 希釈し、そしてヒドロキシアパタイトカラム(2.6cm i.d.×30cm)にかける。結 合したタンパク質を、全て0.025M リン酸ナトリウム(pH7.0±0.1)中の0.25M 塩化ナトリウムの段階グラジエント、続いて0.25〜1.0M 塩化ナトリウムの直線 グラジエントで溶出させる。コンドロイチナーゼBは、0.25M 塩化ナトリウム段 階で溶出し、コンドロイチナーゼACは、0.85〜0.95M 塩化ナトリウムで溶出する 。コンドロイチナーゼB画分を、0.01M リン酸ナトリウム中に2倍希釈し、そし て強陽イオン交換カラム(CBX-S,J.T.Baker,1.6cm i.d.×10cm)にかける。結 合した物質を、1.0cm・分-1の流速にて、0.025M リン酸ナトリウム(pH7.0±0.1 )中の0.125〜0.325M 塩化ナトリウムの直線グラジエントで溶出させる。コンド ロイチナーゼBは、0.175〜0.225M 塩化ナトリウムのタンパク質ピークに溶出し 、そして分子量20,000ダルトンの微量混入タンパク質を含有する。このタンパク 質を、SuperdexTM 200カラム(1.0cm×30cm,Pharmacia)にコンドロイチナーゼ B試料をロードし、そして1.25cm・分-1の直線流速にて0.05M リン酸ナトリウム (pH7.2)で溶出し、そしてタンパク質含有画分を回収することにより、ゲル濾過 クロマトグラフィーにより除去する。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー から回収したコンドロイチナーゼAC画分を、0.01M リン酸ナトリウム中に3倍希 釈し、そして強陽イオン交換カラム(CBX-S,J.T.Baker,1.6cm i.d.×10cm)に かける。結合した物質を、1.0cm・分-1の流速にて、0.025M リン酸ナトリウム( pH7.0±0.1)中の0.125〜0.325M 塩化ナトリウムの直線グラジエントで溶出させ る。コンドロイチナーゼACは、0.175〜0.225M 塩化ナトリウムの単一のタンパク 質ピークに溶出する。コンドロイチナーゼ酵素についての精製結果を表2に示す 。 組換え酵素の単離 グリコサミノグリカン分解酵素も、Sasisekharanら,Proc .Natl.Acad.Sci .USA 90:8660-8664,1993に記載のヘパリナーゼ1発現系;Suらによって1994年 6月10日に出願された米国特許出願第08/258,639号「Nucleic Acid Sequences an d Expression Systems for Heparinase 2 and Heparinase 3 Derived From Flav obacterium heparinum」に開示のヘパリナーゼ2および3発現系;またはBennet tらによって1994年7月8日に出願された米国特許出願第08/272,247号「Chondroit in Lyase Enzymes」に開示のコンドロイチンACおよびB発現系のような組換え発 現 系から単離され得るこれらの特許出願の教示内容は本明細書中に参考として援用 される。これらの発現系において、F.heparinum遺伝子を単離して、プラスミド 中に誘導プロモーターの下流にクローニングする。このプラスミドをE.coliに 導入し、温度シフトおよび培地へのIPTG添加のような適した誘導方法によって所 望の酵素の発現を導く。 本明細書に記載の方法を改変することによって、これらの酵素は、精製された 形態で回収され得る。細胞破壊は、均質化、音波粉砕、または酵素処理によって 達成され、細胞壁を破壊して細胞質成分を放出させる。酵素合成によって凝集が 生じた場合には、凝集塊を変性剤、すなわち3〜6MグアニジンHClまたは4〜8M尿 素に溶解し、透析または希釈によって変性剤を除去することでタンパク質を再生 させ得る。再生された酵素は、上記の液体クロマトグラフ法を使用してさらに精 製され得る。 融合タンパク質の構築 特異的結合特性でタンパク質と連結したグリコサミノグリカン分解酵素を取り 込んだ融合タンパク質は、組換え分子生物学技術によって生成され得る。適当な 結合タンパク質を選択することで、グリコサミノグリカン分解活性はインビボで 特定の部位に標的化され得る。例えば、表皮成長因子は、Pickeringら,J Clin Invest,91:724-729,1993に記載されているように平滑筋細胞の表面にて優先的 に発現する細胞レセプターと結合する。ヘパリナーゼタンパク質と連結するこの 部分を含有している融合タンパク質は、ヘパリンまたはヘパラン硫酸分解活性を 平滑筋細胞の表面に供給し、それにより、利用可能なサイトカインに対するこれ らの応答を減少させる。この種の融合タンパク質は、アテローム性動脈硬化症の 血管状態および経皮経管腔(transluminal)環状血管形成術後の血管の再閉塞のよ うな、平滑筋細胞の過剰成長によって生じる疾病状態を克服する上で価値のある ものである。 遺伝子操作によって生成されたヘパリナーゼ融合タンパク質は、ヘパリナーゼ およびこれに融合されるタンパク質の結合特性および触媒特性を維持している。 例えば、ヘパリナーゼ1の遺伝子をSasisekharanら,Proc.Natl.Acad.Sci.9 0:3660-3664,1993によって記載されているようにF.heparinumから単離し、Eco R1制限部位をポリメラーゼ連鎖反応によってグルタミン-21残基をコードする コドンの5'側に挿入した。制限エンドヌクレアーゼEco R1およびBam H1での消化 によってヘパリナーゼ1遺伝子を含有しているフラグメントを調製し、Eco R1/B am H1切断pMALc2プラスミド(New England Biolabs)に連結した。このようにして 得られたプラスミドは、ヘパリナーゼ1遺伝子の5'側に融合したマルトース結合 タンパク質(MalB)を取り込んでいる82,000〜85,000タンパク質をコードするハイ ブリッド遺伝子を含有していた。このプラスミドをCohenら,Proc.Natl.Acad .Sci.69:2110-211に記載の塩化カルシウム媒介法を使用して、Esherichia col i HB101細胞に挿入した。これらの細胞は、lacプロモーターの制御下でヘパリナ ーゼ活性を呈し、増殖培地に誘導剤IPTGを0.1mM添加することによって融合タン パク質を合成させる。 HB101(pMALc2-HEP1Q21)細胞を、37℃において0.1mMのIPTGを含有している500m lのM9培地中1.0g/L乾燥細胞重量の細胞密度に増殖させ、10,000g×10分の遠心 分離によって濃縮した。細胞ペレットを0.025Mトリス(pH7.7)10mlに懸濁させ、H eat Systems Model XL2020を使用して、4.5分、出力レベル3で、30秒オンにして 30秒オフにするサイクルでの音波粉砕によって細胞を破壊した。細胞デブリを10 ,000g×10分の遠心分離によって取り除き、上清をアミロース親和性樹脂カラム( 1.0 i.d.×2cm,New England Biolabs)にかけた。0.01Mマルトースを含有してい る0.025Mトリス(pH7.5)の段階グラジエントによって結合タンパク質を溶出させ た。融合タンパク質は、ヘパリナーゼ比活性23.77IU/mgを示すタンパク質ピーク で溶出した。 ヘパリナーゼーマルトース結合融合タンパク質もまた、標準的なタンパク質分 離技術によって、ヘパリナーゼ特性に基づいて精製され得る。硫酸アンモニウム 沈澱によって細胞音波粉砕物を分画した。1.7M硫酸アンモニウムでの沈澱工程で 非特異タンパク質を除去し、硫酸アンモニウム濃度を3.2Mまで高めることによっ て上清を沈澱させた。沈澱した物質は融合タンパク質を含有しており、これを0. 025Mリン酸ナトリウム(pH6.5)に再懸濁させた。この物質を弱陽イオン交換カラ ム(1.6 i.d.×10cm,CBX,J.T.Baker)にかけ、0.0M塩酸ナトリウム、0.01M塩酸 ナトリウム、0.25M塩酸ナトリウムおよび1.0M塩酸ナトリウム(いずれも0.025M リン酸ナトリウム中)の段階グラジエントによって溶出させた。融合タンパク質 は0.25M塩化ナトリウム溶出画分に溶出し、ヘパリナーゼ比活性29.95IU/mlを示 した。これら2つの精製手順から、所望の結合特性を有するタンパク質とヘパリ ナーゼタンパク質のN末端とを遺伝子的に結合させることによって機能的ヘパリ ナーゼ融合タンパク質を生成し得、そしてこのようにして得られる融合タンパク 質はヘパリナーゼとこれに融合されたタンパク質との両方の機能を維持している ことが分かる。ECM分子のようなレセプターと特異的に結合する他の標的分子の 例として、フィブロネクチン、ラミニン、テネイシン、トロンボスポンジン、コ ラーゲンが挙げられる。 過去20年間、分子レベルでの細胞外基質(ECM)における細胞接着および移動に ついての基礎知識は急速に拡大している。この調査領域で当初なされた努力は、 接着促進ECMタンパク質フィブロネクチン(FN)に集中していた。FN細胞結合ドメ インの配列分析およびペプチドマッピングによって、テトラペプチドArg-Gly-As p-Ser(RGDS)において細胞結合活性を維持している最小配列が得られた。溶液中 の合成RGDS含有ペプチドはフィブロネクチン被覆基質上に伸展している繊維芽細 胞を競合阻害し得るということを証明することによって、RGDS配列の細胞表面の フィブロネクチンレセプターに対する生物学的相互作用が明らかにされた。フィ ブロネクチンのRGD細胞接着認識部位を同定した後、関連しているシグナルにつ いて他の細胞接着性タンパク質の配列を試験した。RGDの機能配列を有している ことが知られているその他のタンパク質としては、血小板接着性タンパク質フィ ブリノーゲンおよびフォンビルブラント因子、オステオポンチンおよびラミニン が挙げられる。これらの所見から、RGDは遍在性細胞接着シグナルであることが 示される。フィブロネクチンを親和性リガンドとして使用することで、160kDの α-サブユニットと140kDのβ-サブユニットとを有するヘテロ二量体であるレセ プターが得られた。同様のアフィニティクロマトグラフィーによる実験では、ビ トロネクチンに対して特異的な異なるヘテロ二量体RGD特異的レセプターならび にフィブリノーゲンおよびフィブロネクチンに対する親和性を有する血小板レセ プターとが得られている。これらのRGDレセプターは、インテグリンとして知ら れており、α-サブユニットが140〜160KDの範囲にあり、β-サブユニットが90〜 140K Dの範囲にある、RGD特異的レセプターのヘテロ二量体構造の特徴を有している。 インテグリンは、その特徴として、α-サブユニットとβ-サブユニットとからな る膜を貫通するヘテロ二量体タンパク質複合体である。一般に、β1およびβ3サ ブユニットを含有しているインテグリン複合体は細胞外基質に対する細胞接着に 関与しており、β2インテグリンは細胞間接着に関与している。 その他の結合タンパク質は、特異的な細胞マーカーを認識する抗体または抗体 フラグメント、ホルモンまたは細胞表面レセプターによって結合される他の分子 などである。特定の細胞型によって結合されるホルモンの例としてエストロゲン が挙げられる。エストロゲンは、特定の型のガン細胞によってより高レベルで結 合される。もう1つの例はメラニンであり、これもまた、特定のガン細胞中に高 濃度で存在している。多くの特定の細胞表面のマーカーに対する抗体が知られて いる。 インビボにおけるタンパク質の保護 インビボでの半減期を延ばすための方法は公知であって、特に酵素については 日常的に使われている。適切な方法の例として、ポリエチレングリコール部分の タンパク質への付着の使用が挙げられ、これは細網内皮系による摂取を阻害する 。「ペグリエート化(peglyated)」タンパク質の調製および特徴付けについては 、Luら,Pept.Res.6(3),140-146,1993、Delgadoら,Critical Rev.Ther.D rug Carrier Syst.9(3-4),249-304,1992に記載されており、これらの教示は 本明細書に引用される。 薬学的組成物の調製 この酵素は、局部的(topically)、局所的(locally)および全身に投与し得る。 調節度を高めるためには局部投与または局所投与が好ましい。これらの酵素を単 独または組み合わせて適当な薬学的キャリアと混合した後、例えば局部適用の場 合には部位への直接適用により、局所投与の場合には注射またはカテーテルによ り、当業者間で公知の方法を使用して、処置細胞に所望の効果を生み出す有効量 で投与する。 上述したように標的の酵素を調製することによって、あるいはカテーテルやポ リマー送達系などの標的化ビヒクルを使用することによって標的化および有効濃 度用量を達成し、酵素の制御された部位特異的送達を達成し得る。 ヘパリナーゼゲルの調製 グリコサミノグリカン分解酵素を種々の一般的なゲルやクリーム、または軟膏 と混合して、皮膚創傷の治療のための塗布を容易にし得る。これらのゲルまたは 軟膏を、単独あるいは経皮パッチまたは包帯中て投与し、処置される細胞に対す る有効量の酵素の浸透を容易にし得る。 徐放性マトリックスまたは注入による酵素の投与 酵素はまた、標準的な方法を使用して、例えば生理食塩水または緩衝液などの 注入投与用キャリア中に処方するか、またはポリマー性マトリックスに封入し得 る。徐放性処方物における酵素の封入(encapsulation)は周知である。物質とし ては、リポソーム、リポスフェア(liposphere)、生分解性ポリマー性マトリック スおよび小胞(vesicle)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない 。これらの封入体は、典型的には直径60nmから100ミクロン、好ましくは10ミク ロン未満、さらに好ましくは直径1ミクロン以下の微粒子である。 プロテオソームは、Meningococcal菌の外膜タンパク質から調製され、Lowell らScience,240:800(1988)によって疎水性アンカーを含むタンパク質を結合する と報告されている。プロテオソームタンパク質は、貫膜タンパク質およびポーリ ンとしての役割を反映して、極めて疎水性が高い。単離した場合、これらのタン パク質の疎水性タンパク質間相互作用によって、単離に用いたデタージェントの 強度に応じて自然に多分子の60〜1000nmの膜様小胞または膜小胞フラグメントが 形成される。酵素はまた、Millerら,J .Exp.Med. 176:1739-1744(1992)(プ ロテオソームに関して上述したように本明細書中に援用される)において記載さ れるように、プロテオリポソーム内に封入し得る。あるいは、NovasomeTM脂質小 胞(Micro Vescular Systems,Inc.,Nashua,NH)などの脂質小胞内に酵素を封入 し得る。別のキャリアが、Nova PharmaceuticalsによってPCT US90/06590に記載 されており、その教示は本明細書中で援用する。このキャリアはリポスフェアと 呼ばれ、堅いコアおよびリン脂質からなる外殻層とを有する。 キャリアはまた、ポリマー性持続性放出系であってもよい。酵素の徐放性放出 を行うには生分解性の合成ポリマーが特に有用である。マイクロカプセル化され る薬剤の注入にマイクロカプセル化を応用して制御放出が行われている。多数の 要因がマイクロカプセル化用の特定のポリマーの選択に関係する。ポリマー合成 およびマイクロカプセル化プロセスの再現性、マイクロカプセル化材料およびプ ロセスのコスト、毒性プロファイル、種々の放出カイネティック要件およびポリ マーおよび抗原の物理化学的適合性は、いずれも考慮しなければならない要因で ある。有用なポリマーの例としては、特に生分解性であるポリカーボネート、ポ リエステル、ポリウレタン、ポリオルトエステル(polyorthoester)およびポリア ミド(polyamide)が挙げられる。 薬剤用のキャリアとして頻繁に選択されるのは、ポリ(d,1-ラクチド-co-グリ コリド)poly(PLGA)である。これは、徐放性縫合糸やボーンプレート、その他の 一時的な補綴物における医療用途には長い歴史のある生分解性のポリエステルで あり、これらの用途では毒性は全く認められていない。ペプチドおよび抗原を含 有する多種多様な薬剤をPLGAマイクロカプセル中に処方する。PLGAマイクロカプ セル化プロセスでは、油中水滴型エマルジョンの相分離を利用する。目的の化合 物を水溶液として調製し、塩化メチレンおよび酢酸エチルなどの適切な有機溶媒 にPLGAを溶解する。これら2種類の互いに混和しない溶液を高速攪拌によって共 乳化する。次に、ポリマーに対する溶媒を添加せず、水滴の周囲のポリマーを沈 澱させて胚性(embryonic)マイクロカプセルを形成する。このマイクロカプセル を回収し、試薬群(ポリビニルアルコール(PVA)、ゼラチン、アルギン酸塩、ポリ ビニルピロリドン(PVP)、メチルセルロース)のうちの1つを用いて安定化させ、 減圧下で乾燥するか溶媒抽出によって溶媒を除去する。その他の封入手段として 、噴霧乾燥(spray drying)、共沈澱、溶媒抽出が挙げられる。 酵素をまた、フィルムまたはインプラントとして適用し、例えば成長を阻害し ようとする組織をコートすることもできる。放出される試薬を取り込んているゲ ルまたはフィルムとして投与される徐放性放出に使用される物質の例として、Pl uronicsTM(BASF)、ポリエチレンオキシドとポリプロピレングリコールのコポリ マーが挙げられる。 投与手段 上述したように局部的に、あるいは注入によって酵素を投与し得る。典型的に は、注入はシリンジまたはカテーテルのいずれかを使用して実施される。カテー テルの利点は、手術手順の後に頻繁に見られる細胞の異常な増殖を阻害すること によって、再狭窄を阻害することを目的とした血管形成などの手順時に、血管内 などの表面に物質を適用し得ることである。また、創傷の治癒が増強されるよう 、手術と同時に酵素を投与し得る。さらに、手術中に酵素を投与して手術による 創傷の治癒を加速し得る。これは、矯正手順の最後に創傷部位に直接塗布される 生体適合性のゲルや軟膏に酵素を処方することによって達成し得る。 グリコサミノグリカン分解酵素を皮内投与して、虚血領域における新たな血管 の形成の加速を誘発し得る。機構的には、これは、ヘパラン硫酸プロテオグリカ ンによって隔離されている細胞外の成長因子の貯蔵庫からこれらの成長因子を移 動させ、疾患組織領域を通る化学走性誘因物質およびサイトカインの移動度を高 めることによって達成される。 以下の非限定的な実施例を参照することによって、本発明をさらに理解するこ とができよう。 実施例1: 局部酵素組成物の調製 0.01Mリン酸ナトリウム、0.4M塩酸ナトリウムおよび本明細書中で説明したよ うに精製した200IUのヘパリナーゼ1の溶液0.5mlを、1%カルボキシメチルセル ロース(carboxymethyl cellulose)(Sigma)、40%USPグリセロールおよびNanaopur eTM水とからなるゲル9.5mlまたはカルボマーを主成分とするゲル(carbomerTM950 ,Keystone Laboratories)9.5mlのいずれかと混合した。 Yangら,J.Biol Chem.260(3):1849-1857,1985に記載されている分光測光法 を使用して、ヘパリナーゼ活性について各混合物の一部を分析した。Zimmermann らAppl Environ.Microbiol,56(11):3593-3594,1990に記載されているヘパリ ン分解をモニターするためのアガロースプレートアッセイ系に改変を取り入れ、 様々なキャリアからのヘパリナーゼの脱着をモニターした。0.25M酢酸ナトリウ ムおよび0.0025M酢酸カルシウム(pH7.0±0.5)中に0.5%USPヘパリンナトリウム(C elsus Laboratories)および1.0%精製アガロース(Bio-Rad)を含有する溶液を95〜 100℃で混合し、45〜60℃に冷却し、3ml分を5mlのプラスチック製使い捨てキュ ベットに注入し、室温まで冷却して自然に固化させた。ヘパリナーゼ溶液(0.5ml 、20IU/ml)およびヘパリナーゼ含有ゲル(0.3〜0.7ml)をヘパリン/アガロースゲ ルの上面に塗布し、37℃で1時間インキュベートした。ヘパリナーゼ処方物を破 棄し、ゲルの円筒形の断片をガラス製のパスツールピペットで切り出し、シリン ダーを2%プロタミン硫酸溶液(Sigma)内に置いた。4〜12時間後、不透明な白い物 質としてヘパリン-プロタミン沈澱物が観察された。切り出された円筒形のゲル の上部に位置している透明領域の深さからヘパリナーゼ脱着度を測定した。 活性成分としてコンドロイチナーゼACを20IU/mlか、またはコンドロイチナー ゼBを20IU/ml使用し、コンドロイチン硫酸Aまたはデルマタン硫酸Bを試験試薬と して使用して、カルボキシメチルセルロース/グリセロール処方物においてこの 実験を繰り返した。結果を表3に示す。 実施例2: ヘパリナーゼまたはコンドロイチナーゼ包帯の調製 本明細書中で説明したように精製した3種類の細菌ヘパリナーゼおよび2種類の コンドロイチナーゼを、0.01Mリン酸ナトリウム、0.2M塩酸ナトリウム(pH7.0)お よび35IU/mlの酵素を含有している溶液内に置いた。4%ポリエチレンオキシドか らなる半固体状のゲル(7.5cm×5cm×0.3cm)を酵素溶液6mlと3時間接触させたと ころ、この間に70%を超える酵素溶液がゲルマトリックスに吸収された。 次に、本明細書中に記載のグリコサミノグリカン-アガロースゲルのプロタミ ン沈澱によって酵素含有ゲルの生物学的利用能(脱着)を試験した。酵素含有パッ チに37℃で90分間グリコサミノグリカン-アガロースゲルを吸収させた後、新鮮 なアガロースゲルに移した。この手順を合計7.5時間繰り返した。4%ポリエチレ ンオキシドからなる半固体状のゲル(7.5×5×0.3cm)を35〜60IU/mlの濃度で6〜8 mlのヘパリナーゼ1に3時間浸し、この間に酵素はマトリックスに吸収された。 これらのマトリックスを、0.05%ヘパリンを含有している1%アガロースゲルに載 せ、37℃でインキュベートした。合計7.5時間の間、酵素含有ゲルを90分毎に新 鮮なアガロースゲルに移した。インキュベート後、アガロースゲルを2.0%プロタ ミン硫酸と接触させ、分画されなかったグリコサミノグリカンを沈澱させた。沈 澱したアガロースゲルの透明領域の深さを測定して酵素の浸透を観察した。結果 を図2に示す。 実施例3: 細胞外基質からの増殖促進活性の放出 フラボバクテリウムヘパリン分解酵素は、増殖促進活性を示す物質を細胞外基 質から移動させ得る。一次内皮細胞をウシの角膜組織から単離し、10%ウシ胎児 血清および5%仔ウシ血清を含有しているDMEM中で維持した。コンフルエントなペ トリ皿からの細胞を10倍希釈し、96ウェルプレート中で10%ウシ胎児血清、4%デ キストランおよび5%仔ウシ血清を含有しているDMEMにおいて、12〜14日間増殖さ せ、1日あたり0.5ng/mlの速度でFGF-2を補充した。リン酸緩衝化生理食塩水に0. 5%Tritonと0.02M水酸化ナトリウムとを含有する溶液で0.5〜5分間処理して内皮 細胞を除去し、続いてリン酸緩衝化生理食塩水で3回洗浄した。この手順によっ て、リン酸緩衝化生理食塩水中にて4℃で保存した場合に2年間安定な細胞外基質 の層でコートされたプレートが得られる。 本明細書に記載されているように精製した種々の量のグリコサミノグリカン分 解酵素を、0.16%ウシ胎児血清-DMEMを含む0.2ml/ウェルで細胞外基質に添加した 。37℃で1時間、グリコサミノグリカン分解酵素と接触させた。次に、Vlodavsky ら,Proc.Natl.Acad.Sci.84:2292-2296,1987において記載されているよう な静止balb/c 3T3繊維芽細胞による3H-チミジンの取り込みを測定することによ って、これらの酵素-細胞外基質反応混合物から得られる上清のマイトジェン活 性を試験した。 インビトロにおいて一次内皮細胞株から形成された細胞外基質を、濃度0.1IU/ mlのヘパリナーゼ1、2または3、濃度1.0IU/mlのコンドロイチナーゼAC、濃度0.5 IU/mlのコンドロイチナーゼBのいずれかで60分間処理した。チミジン取り込みア ッセイによって反応上清のマイトジェン活性の存在について試験した。結果を図 3に示す。 実施例4: ヘパリンおよびヘパラン硫酸分解酵素を使用によっても、増殖促進 活性を動物のインタクトな組織から放出させ得る。 解体処理時に雌ウシからウシ角膜を採取した。各角膜を切開して2つの同一の 切片に分け、各切片をDMEM0.4ml中に置いた。0.1IU/mlのヘパリナーゼを一方の 角膜切片に添加し、37℃で20分間インキュベートした。同一の角膜から得られた 残りの切片はコントロールとして使用した。各反応から得られたアリコート20μ lを、0.2%ウシ胎児血清を含有するDMEM中に総容量200μlで飢餓3T3繊維芽細胞を 含む96ウェルプレートに移した。各ウェルに3H-チミジンを添加し、細胞を37℃ で48時間インキュベートした。 ウシ角膜を採取し、切開して2つの同一の部分に分け、濃度0.1IU/mlのヘパリ ナーゼ1、2または3のいずれかで処理した。Vlodavskyらの方法によって測定した3 H-チミジンの取り込みにより、反応上清のマイトジェン活性の存在について試 験した。結果を図4に示す。 実施例5: グリコサミノグリカンリアーゼによる細胞外基質の処理 グリコサミノグリカン分解酵素は、細胞外基質プロテオグリカンのグリコサミ ノグリカン成分を切断することによって細胞外基質を変化させる。35S-硫酸含有 プロテオグリカンを使用して細胞外基質を調製し、続いてフラボバクテリウムグ リコサミノグリカン分解酵素によってこの放射標識された基質を消化することで 、酵素の効果を定量的に評価することができる。10%ウシ胎児血清と、5%仔ウシ 血清、4%デキストランおよび、25μCi/mlのNa2 35SO4とを補充したフィッシャー 培地に、10%ウシ胎児血清および5%仔ウシ血清を含有しているDMEMにてコンフル エントに増殖させ、10倍希釈したウシ角膜一次内皮細胞をディッシュに播種し、 FGF-2を1日あたり0.5ng/ml添加しながら12〜14日間培養することによって、35S- 硫酸含有細胞外基質を生成した。リン酸緩衝化生理食塩水中に0.5%Tritonと0.02 M水酸化ナトリウムとを含有している溶液で0.5〜5分間処理した後、リン酸緩衝 化生理食塩水で3回洗浄することによって、放射標識された細胞外基質から内皮 細胞を除去した。 グリコサミノグリカン部分に35S-硫酸を含有している細胞外基質を、リン酸緩 衝化生理食塩水を含むウェルディッシュあたり1mlの量のリン酸緩衝化生理食塩 水あるいは0.1IU/mlの濃度のヘパリナーゼ1、2または3、あるいはコンドロイ チナーゼACまたはBで処理し、37℃で0.5時間消化を進行させた。Packard 1600 T R液体シンチレーション計数機で上清に放出された放射標識硫酸を測定すること によって、放出されたグリコサミノグリカンの量を測定した。各反応に含まれて いた放射標識硫酸の推定総量は80,000cpmであった。結果を図5に示す。 フラボバクテリウムヘパリン分解酵素の作用は極めて迅速であり、これらの酵 素を上述したように放射標識された細胞外基質に添加した場合、数秒後に35S-硫 酸標識物質が生成される。これとは対照的に、ヒトの胎盤から単離された同量の 哺乳類ヘパリナーゼは、放射標識された基質に添加した後、可溶性の35S-硫酸標 識物質レベルの測定可能な増加が検出されるまでに15分から20分の時間のずれを 示す。この観察によって、哺乳類酵素と細菌酵素がさらに区別される。 グリコサミノグリカン分解酵素で細胞外基質を処理することで細胞外基質プロ テオグリカンのグリコサミノグリカン成分が変化するが、電子顕微鏡で観察した ところ、基質全体としての構造の完全性は変化していなかった。構造的にはイン タクトであるが、酵素的に処理された細胞外基質は、高分子に対する増大した透 過性を示す。このような透過性の増加は、2Kbのヌクレオチドフラグメントまで の25ヌクレオチド塩基の細胞外基質でコートした0.45ミクロンポアのポリエチレ ンテレフタレート(PET)膜の通過を促進するフラボバクテリウムグリコサミノグ リカン分解酵素の能力を試験することによって証明し得る。上述したように維持 したウシ角膜の一次内皮細胞をコンフルエントなディッシュから1:10に希釈し、 10%ウシ胎児血清、5%仔ウシ血清および4%デキストランを補充したDMEM中にて0.4 5ミクロンポアのPET膜組織培養インサート(insert)(Falcon)上に播種し、FGF-2 を1日あたり0.5ng/ml添加しながら12〜14日間培養した。上述したように内皮細 胞を除去し、リン酸緩衝化生理食塩水中で、37℃で1時間、細胞外基質でコート したPETインサートを濃度0.1IU/mlのヘパリナーゼ1、2または3あるいは濃度1 IU/mlのコンドロイチナーゼACまたはBのいずれかで処理し、リン酸緩衝化生理食 塩水で3回リンスした。 酵素処理した細胞外基質コートPETインサートを、未処理細胞外基質コートPET インサートおよび未コートPETインサートと共に12ウェルディッシュに置き、リ ン酸緩衝化生理食塩水2mlを各ウェルに添加する。放射標識された高分子を各PET インサートの中に添加し、PETインサートを取り囲むウェルの中のリン酸緩衝化 生理食塩水溶液のアリコート100μlを37℃で15分インキュベートした後に取り出 す。Packard 1600 TRシンチレーション計数機での液体シンチレーションによっ てアリコートの32P-含有物質をアッセイする。 実施例6: グリコサミノグリカンリアーゼによる細胞表面の処理 グリコサミノグリカン分解酵素は、細胞表面のプロテオグリカンのグリコサミ ノグリカン成分を切断することによって、成長因子に対する細胞の応答を減衰さ せ得る。10%ウシ胎児血清を補充したDMEMにて血管平滑筋細胞を96ウェルのプレ ートでコンフルエントになるまで増殖させた。これらの細胞を、37℃で1時間、 濃度0.1IU/mlのヘパリナーゼ1、2または3あるいはコンドロイチナーゼACで処 理し、次いで氷上で冷却し、DMEM中にて0.025M HEPES、0.002MTrisおよび、0.1% BSAからなるインキュベーション培地(pH7.5)で2回洗浄した。5ngの125I-FGF-2(0 .5μCi)含有しているインキュベーション緩衝液0.25mlに細胞を懸濁させ、4℃で 2時間インキュベートした。0.025MのHEPESと2M塩化ナトリウムとからなるpH7.4 の溶出緩衝液で細胞を洗浄し、回収された125Iをγ計数機(Wallac,1740モデル) で測定することによって、細胞表面のグリコサミノグリカンへのFGF-2の吸着を 測 定した。 0.1IU/mlのヘパリナーゼ1、2または3あるいはコンドロイチナーゼACでBalb /C 3T3繊維芽細胞を処理し、125I-FGF-2に曝した。0.025MのHEPESおよび2.0M塩 化ナトリウム中のグリコサミノグリカン結合画分を抽出し、γ計数機を使用して FGF-2を測定することによって、細胞表面のグリコサミノグリカンに吸着されたF GF-2量を測定した。これを未処理細胞に対する結合FGF-2の比率として表す。結 果を図6に示す。 実施例7: グリコサミノグリカン処理を使用した内皮細胞増殖の制御 細胞表面をグリコサミノグリカン分解酵素で処理することで、コンドロイチン 分解酵素の場合のように成長因子の結合を増強し得るか、あるいはヘパリンおよ びヘパラン硫酸分解酵素の場合のように成長因子の結合を阻害し得る。細胞表面 からのヘパラン硫酸の除去は、酵素処理によって細胞外基質から放出されるヘパ リンまたはヘパラン硫酸フラグメントによって補償し得る。 処理血管平滑筋細胞を37℃で20分間0.1IU/mlのヘパリナーゼ2に曝した。処理 基質を37℃で20分間0.1IU/mlのヘパリナーゼ2に曝した。酵素処理の後、PBS0.1 mlで細胞を洗浄し、基質上清50μlに曝した。 Vlodavskyら,Proc.Nat.Acad.Sci.(USA)84:2292-6(1987)、Trends Bioc hem.Sci.16:268-271(1991)に記載されているようにして測定されるインキュベ ーションおよび増殖時において3H-チミジンを含めた。チミジン取り込みによっ て血管平滑筋細胞の増殖をモニターした。これを、a)未処理ECM、未処理細胞、b )ヘパリナーゼ2処理ECM、未処理細胞、c)ヘパリナーゼ2処理ECM、処理細胞に ついて、未処理基質に曝された細胞に対する酵素放出物質に曝した細胞の比とし て表す。結果を図7に示す。 これらの結果から、細胞表面から細胞基質を分離した場合、表面を処理するこ とでレセプターを脱落させ、基質を処理することで増殖促進活性が放出されるこ と、ならびに基質および細胞表面を処理した場合、ヘパリン結合レセプターの喪 失を補償する成長因子が基質から放出されるため、増殖促進が観察されることが 分かる。 実施例8: 血管再生を増強するためのヘパリナーゼの局所投与の評価。 Puら,Circulation 88:208-215,1993に記載されているウサギ後肢虚血モデル を使用して、ヘパリナーゼ1の血管新生修復に対する効果を評価した。3つの処 置グループについて研究を行った(N=4)。各グループのウサギに、生理食塩水の コントロール、1日あたり100mgのFGF-2、または1日あたり100IUのヘパリナー ゼ1のいずれかを投与した。左の後肢に外科的に虚血を引き起こし、手術後11日 目から開始して10日間化合物を投与した。ドップラー流量計で両肢の血圧を測定 し、コントロール肢(未処置肢)の血流に対する虚血肢での血流の比を算出して、 血管新生率をモニターした。 ヘパリナーゼ1およびFGF-2は、処置後30日目に血圧比の上昇および血圧比の 度合いの両方を加速させた。施術後40日目に血管造影を実施して新たな血管が形 成されているか否か判断した。結果を表4に示す。 これらのデータから、Flavobacterium heparinumから得たグリコサミノグリカ ン分解酵素を1種類または組み合わせて含有する組成物には、ヒトにおける組織 修復の加速化に対する潜在的な有用性があることが分かる。 実施例9: 細胞外基質からの増殖促進活性の放出 実施例3において説明したように調製された細胞外基質(ECM)を、37℃にて、 濃度0.1IU/mlのヘパリナーゼ1、2または3あるいは濃度1.0IU/mlのコンドロイチ ナーゼACのいずれかで10分間処理した。酵素を含有していないコントロール溶液 で未処理コントロール試料を処理した。各反応上清のうち0.01ml容量を静止balb /C 3T3繊維芽細胞に移すことにより、実施例7で説明した増殖アッセイを使用し てマイトジェン活性の存在についてアッセイした。結果を図8に示す。 各々の試験処理において、ヘパリナーゼ1、2、3またはコンドロイチナーゼ ACにより、繊維芽細胞の増殖を刺激する可溶性物質が未処理ECMで得られるレベ ルを上回るレベルでECMから放出された。 実施例10: 細胞表面および細胞外基質のヘパリナーゼ処理 インビボにて創傷に投与されたヘパリナーゼは、細胞外基質だけでなく創傷治 癒過程に関与している細胞の細胞表面上のグリコサミノグリカンにも作用する。 この効果をインビトロでモデル化するために、細胞外基質の反応上清を得る前に 細胞外基質と同じ方法で静止balb/C 3T3繊維芽細胞をヘパリナーゼ3で処理した 。細胞外基質および静止balb/C 3T3繊維芽細胞を、いずれも0.1IU/mlのヘパリナ ーゼ3で37℃にて10分間処理した後、細胞から酵素含有上清を除去し、0.2%ウシ 胎児血清を含有しているDMEMと入れ換えた。この処理に続いて、3H-チミジン取 り込みをモニターすることによって3T3繊維芽細胞の増殖を測定した。結果を図9 に示す。 繊維芽細胞を酵素で処理した後に処理済ECMを投与した場合の方が増殖応答は 高かった。これらの結果から、創傷部位にヘパリナーゼ3を使用すると創傷治癒 が刺激されることが裏付けられる。 実施例11: 動物のインタクトな組織からの増殖促進活性のヘパリナーゼ媒介放 出 解体処理時に雌ウシからウシ角膜を採取し、種々の濃度のヘパリナーゼ3で処 理した。それぞれの濃度ごとに3つのウシ角膜を使用し、内膜(デスメ膜)のみ が露出するように角膜を24ウェルの滅菌組織培養皿に置き、リン酸緩衝化生理食 塩水0.2mlを各角膜に添加した。次に、ヘパリナーゼ3を添加して最終濃度0.01 、0.1または1.0IU/mlとして37℃で5分間消化を進行させた。3つの角膜からなる 1つのコントロールセットには酵素を投与しなかった。次に、反応上清のアリコ ート0.045mlを各角膜から静止balb C 3T3繊維芽細胞に移した。実施例7で説明し た増殖アッセイを使用して繊維芽細胞の増殖を測定した。結果を図10に示す。 ヘパリナーゼ3の3種類の濃度では、いずれもウシ角膜から増殖刺激化合物が 放出され、最も効果が大きいのは0.1IUヘパリナーゼ3/mlで処理した場合であっ た。 実施例12: インビトロでの細胞および細胞外基質からのbFGFのヘパリナーゼ媒 介放出 組織および細胞外基質からヘパリン結合成長因子を放出させるヘパリナーゼ1 、2および3の相対的な効果を測定するために、ヘパリナーゼ1、2または3で 消化した細胞または基質由来の上清を、bFGFの存在についてアッセイした。10cm の組織培養皿に維持されたコンフルエントなウシ内皮細胞および平滑筋細胞を、 0.1IU/mlのヘパリナーゼ1、2または3を含有しているリン酸緩衝化生理食塩水 2ml中で37℃で1時間インキュベートした。実施例3で説明したように調製された 細胞外基質を同様に処理した。アリコートを除去し、ヒトbFGF用のQuantikineTM ELISA(R&D systems)を使用してbFGF濃度を測定した。結果を図11に示す。 これら3種類の細胞型すべてから最大量のbFGFを放出させたのはヘパリナーゼ 3であり、次がヘパリナーゼ2、その次がヘパリナーゼ1であった。ECMは、試 験した3種類の酵素のいずれ場合でもウシ内皮細胞およびウシ平滑筋細胞よりも 多くのbFGFを放出する。 実施例13: インビトロにおける細胞および細胞外基質からのbFGFのヘパリナー ゼ媒介放出 96ウェルのディッシュで、10%胎児血清および100ユニット/mlのペニシリン/ ストレプトマイシンを補充したDMEM(高グルコースDMHG)中で、37℃、7.5%CO2環 境でウシ大動脈平滑筋細胞(1〜8継代)をほぼコンフルエントになるまで増殖させ た。増殖培地をDMHGおよび2%BSAに交換することによって3.5〜4日間細胞を飢餓 化した。飢餓期間後、濃度0.1IU/mlまたは0.5IU/mlのヘパリナーゼ1、2、また は3を含有しているDMHGおよび0.5%BSA溶液で37℃で10分間細胞を処理した。酵 素溶液を除去し、カルシウムおよびマグネシウムを含有したリン酸緩衝化生理食 塩水(PBS+Ca+Mg)でウェルを3回洗浄した。DMHG180μl、0.5%BSAおよび3H-チミジ ン1.1μCi/mlを各ウェルに添加した。さらに、20ng/mlのbFGF20μlを含むDMHGお よび0.5%BSAを誘導化ウェルに添加し、DMHG20μlおよび0.5%BSAをコントロール ウェルに添加した。上述したように細胞を48時間インキュベートした。48時間後 、培地を除去してウェルをPBS+Ca+Mgで1回洗浄し、100%メタノール200μlで1回 洗浄 し、5%TCAで2回洗浄し、水で2回洗浄した。これらの洗浄工程後、各ウェルに0.2 NのNaOHを100ul添加した。室温で5分間放置した後、シンチラントを含有してい るバイアルにウェルの含有物を加え、取り込まれた3Hの量を測定した。2つの別 個の実験から得られた結果の平均をとった。これを図12に示す。 実施例14: 細胞および細胞外基質から放出されるヘパリン硫酸分解フラグメン トによる塩基性FGFレセプターの活性化 材料および方法 Takeda Chemical Industries(Osaka,Japan)から組換えヒトbFGFを得た。Seph aroseTM 6BをPharmacia(Uppsala,Sweden)から入手した。ブタ腸管粘膜から得ら れるヘパリンナトリウム(PM-heparin,Mr 14,000,anti-FXa 165 IU/mg)をHepar Industries(Franklin,Ohio)から得た。細菌(Flavobacterium heparinum)ヘパ リナーゼI(EC4.2.2.7)、2および3はIBEX Technologies,(Montreal,Canada)に よって生成された。ヘパラン硫酸分解エンドグリコシダーゼ(ヘパラナーゼ)を ヒトの胎盤から精製した。酵素の精製は、硫酸アンモニウム沈澱と、カルボキシ メチルSepharose、ヘパリンSepharoseおよびCon A Sepharoseでの連続クロマト グラフィを包含した。 細胞。 Castellot,J.J.ら,J.Cell Biol.102,1979-1984(1986)、Schmidt ,A.ら,J.Biol.Chem.267,19242-19247(1992)に記載されるようにウシ大動 脈中膜から平滑筋細胞(SMC)を単離した。簡単に説明すると、腹部の大動脈セグ メントを取り出し、解剖顕微鏡下で筋膜を清浄した。大動脈を長手方向に切断し 、血管壁から中膜の小片を注意深くはぎ取った。平均寸法が2mm3のこのような2 、3個の細片を、10%FCSとペニシリン100U/mlとストレプトマイシン100μg/mlと を補充したDMEM(4.5gグルコース/リットル)を含む100mmの組織培養皿に置いた 。7〜14日の間に、外植片から多層化細胞の大きなパッチが移動した。約1週間後 、細胞を100mmの組織培養プレート(4〜6×105細胞/プレート)に継代培養した。 培養物(38継代)は、血管SMCの典型的な形態学的特徴を呈し、細胞をアクチンの 筋肉形式を選択的に認識するモノクローナル抗体(HS-35)で特異的に染色した。 この抗体は、内皮細胞や繊維芽細胞は認識しない。 Gospodarowicz,D.ら,Exp.Eye Res.25,75-89(1977)に記載されているよ うにして、去勢仔ウシ(steer)の目からウシ角膜内皮細胞の培養物を構築した。1 0%ウシ新生児血清、5%FCS、ペニシリン50U/mlおよびストレプトマイシン50μg/m lを補充したDMEM(1gグルコース/リットル)にて、37℃、10%CO2で加湿インキュ ベーターでストック培養物を維持した。Gospodarowicz,D.ら,Proc.Natl.Aca d.Sci.USA,73,4120-4124(1976)に記載されているようにウシ大動脈内皮細胞 をクローニングして培養した。細胞がほぼコンフルエントになるまで1日おきに 組換えbFGF(1ng/ml)を添加した。Dr.D.Ornitz(Department of Molecular Biol ogy,Washington University in St.Louis)からBaF3細胞のクローンF32(Ornitz ,D.M.ら,Mol.Cell Biol.12,240-247(1992))を得た。10%新生児ウシ血清、X 63-IL3細胞によって産生された10%インターロイキン-3馴化培地、L-グルタミン および抗生物質を補充したRPM1 1640培地で細胞を増殖させた。Ornitz,D.M.ら ,Mol.Cell Biol.12,240-247(1992)に記載されているように、Mo/mFR1/SV発 現ベクターでBaF3細胞をトランスフェクトし、bFGFとヘパリンを含有している培 地中で選択してマウスFGFレセプター1mRNA(mFR1)を発現するコロニーを生成した 後、F32細胞を得た。 細胞増殖。 RPM1 1640培地でF32細胞を2回洗浄した。5ng/mlのbFGFの非存在 下および存在下で細胞(2×104/ウェル/0.2ml)を96ウェルマイクロタイタープ レートにプレートし、ヘパリナーゼ1、2または3によって細胞およびECMから放出 されたHS分解フラグメントの濃度を高めた。48時間後、3H-チミジン1μCiをウェ ルごとに添加し、細胞をさらに6時間インキュベートした後、PHD Cell HarvesterTM で回収した。取り込まれたチミジンを液体シンチレーション計数によって測 定した。 ECMコートしたディッシュの調製。 ウシ角膜内皮細胞をSTVでストック培養物 (2〜5継代)から分離し、初期密度2×105細胞/mlで4ウェルプレートにプレート した。5%デキストランT-40を増殖培地に含有させ、bFGFを添加せずに細胞を12日 間維持した以外は上述したように細胞を維持した。0.5%Triton X-100および20mM NH4OHを含有しているPBSで室温にて5分間細胞層を溶解することによって内皮下 のECMを露出させた後、PBSで4回洗浄した。ECMは、インタクトで、細胞破片がな く、組織培養皿全体に堅固に付着したまま残った。硫酸標識したECMを調製する ために、角膜内皮細胞を4ウェルプレートにプレートし、上述したようにして培 養した。播種1日後および5日後にNa2[35S]O4(540-590mCi/mmol)を添加(40μCi/m l)し、培地を変えずに標識と培養物をインキュベートした。播種10〜12日後、上 述したようにして細胞単層を溶解してECMを露出させた。細菌ヘパリナーゼによ る硫酸標識されたECMの分解を上述したようにして測定した。Ishai-Michaeli,R .ら,Cell Reg.1,833-842(1990)、Bar-Ner,M.ら,Blood 70,551-557(1987) 、Vlodavsky,I.ら,Cancer Res.43,2704-2711(1983)。簡単に説明すると、EC Mを、37℃、pH6.2にてヘパリナーゼ1、2または3と共に24時間インキュベート し、インキュベーション培地に放出された硫酸標識物質をSepharose 6Bカラムで ゲル濾過することによって分析した。空隙容量(Kav<0.2)のつぎにインタクトな ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)が溶出され、HS分解フラグメントが0.5<Ka v<0.8で溶出された。 結果 ヘパリナーゼ1、2および3による硫酸標識されたECMの分解およびECM結合マイ トジェン活性の放出。 ヘパリナーゼ1、2または3(0.1U/ml)を、培養したウシ角 膜内皮細胞から産生された、代謝的に硫酸標識されたECMと共に37℃で1時間イン キュベートすることによって、ECMにおけるHSの分解について研究した。インキ ュベーション培地に放出された硫酸標識分解生成物をSepharoseTM 6Bでゲル濾過 して分析した。インタクトなHSPGはカラムの空隙容量の次に溶出されたが、HS側 鎖の標識分解フラグメントは、カラムのVt側により近い側(0.5<Kav<0.8)に溶出 された。図13Aにおいて示されるように、それぞれの細菌酵素と共にECMをインキ ュベートすると、低Mr硫酸標識分解生成物が放出された(ピーク11、画分20〜30) 。これらのフラグメントのHS特性を、亜硝酸による脱アミノ化に対する感受性お よびパパインまたはコンドロイチナーゼABCによるさらなる分解脱アミノ化に対 する耐性によって確認した。これら3種類の酵素は、分解フラグメントの大きさ の差異を反映した異なる溶出パターンを表した。ヘパリナーゼ1ではフラグメン トの分布は広く(0.4<Kav<0.6)、平均MWはヘパリナーゼ3によって放出されたフ ラグメントの場合(Kav〜0.65)やヘパリナーゼ2によって放出されたフラグメン トの場合(Kav〜0.8)よりも高かった(図13)。ヘパリナーゼ2は、ECM HSを小さ なフラグメントに分解する。このフラグメントは、2〜6個程度の糖単位を含有し ており、カラムのVtの近くに移動する。 ヘパリナーゼ1、2および3によってECMから放出された物質を増殖停止3T3繊 維芽細胞に添加し、これらの細胞においてDNA合成を刺激する能力について試験 した。図13Bにおいて示されるように、ヘパリナーゼ2およびいくらか程度は低 いがヘパリナーゼ3によってECMから放出される物質は、同一条件下でヘパリナ ーゼ1によって放出される物質に比べると3T3繊維芽細胞に対するマイトジェン 活性が高かった。事実、ヘパリナーゼ1によって放出されたマイトジェン活性は 、PBSのみとのインキュベーションの間にECMから放出されたマイトジェン活性よ りもわずかに高いだけであった。PBSのみとインキュベートしたECMからHSPGおよ びマイトジェン活性の両方が自然に放出されるのは、ECMに存在する組織プラス ミノーゲン活性化因子(tPA)、ウロキナーゼ、ゼラチナーゼAなどのタンパク質分 解酵素が原因となっている。酵素をECMではなく通常の組織培養皿でインキュベ ートした場合に増殖促進活性が認められないことから示されるように、ヘパリナ ーゼ1、2および3はマイトジェン活性を全く有していなかった。 ヘパリナーゼ1、2および3によってECMから放出されるマイトジェン活性の差異 は、ECM基質に対するこれらのヘパリナーゼの分解能の差異に起因するものでは なかった。何故なら、図13Cに示されるように、90%を超えるECM硫酸標識物質が 各酵素によって放出され、10%未満の放射線活性がECMと会合したまま残ったから である。同様に、これら3種類の酵素は、それぞれ最初はECMと結合していた125I -bFGFの90%を超える部分を放出した。さらに、ヘパリナーゼ1および3と硫酸標 識されたECMとを同時にインキュベートするか、あるいは同一または別の酵素を 第二の用量で逐次添加しても、放出されるHS分解フラグメントおよびマイトジェ ン活性の量はわずかしか増加しなかった(15%未満)。 ヘパリナーゼ1、2および3によってECMおよび細胞から放出されるHSフラグメン トの増殖促進活性 マウスFGFレセプター1を発現するように操作されたサイトカイン依存性リンパ 様細胞系(Ornitz,D.M.ら,Mol.Cell Biol.12,240-247(1992))を細胞に適用 し、ヘパリナーゼ1、2および3によってECMおよび細胞から放出されるHS分解フ ラグメントが、この細胞系においてbFGF誘導性分裂誘発を可能にする際に必要な ヘパリンまたはヘパラン硫酸の代用となり得るか否かを調査した。mFR1を発現す るようにトランスフェクトされたBaF3細胞は、ヘパリンを絶対的に必要とした上 でbFGFに対して用量依存性応答を示すということは既に証明されている。これら の実験で、過剰の組換えbFGF(5ng/ml)とF32細胞をインキュベートし、ECM分解生 成物によって誘導される増殖促進効果が、同一条件化で放出される相対的に無視 し得る量のECM結合bFGF(0.5ng/ml未満)ではなく、ヘパラン硫酸フラグメントに よって生じ得るようにした。血管内皮細胞および平滑筋細胞(それぞれECおよびS MC)ならびにインタクトな内皮下ECMを、0.1U/mlのヘパリナーゼ1、2または3 とインキュベートした(1時間、37℃)。次に、これよりも多い量のインキュベー ション培地を、5ng/mlのbFGFの存在下でF32細胞に添加した。48時間後、3H-チミ ジンを6時間かけて添加し、続いて細胞を回収して3H-チミジン取り込みを測定し た。 ヘパリナーゼ3で血管内皮細胞および平滑筋細胞を予め処理すると、HS分解フ ラグメントが放出される。これとは対照的に、ヘパリナーゼ1または2によって 放出されたフラグメントは、それぞれ図14に示されるように何ら効果を有さない か極めてわずかしか効果を有さなかった。ECMを使用して同様の研究を行ったと ころ、bFGFおよび細菌酵素単独の存在下で得られる3H-チミジン取り込みを基準 にして、ヘパリナーゼ1、2または3によって放出されたフラグメントによるbF GF媒介細胞増殖は全く刺激されないか殆ど刺激されないということが明らかにな った。 コントロール実験を実施したところ、ECMまたは細胞の非存在下で通常の組織 培養皿でヘパリナーゼ3単独で誘導したF32細胞の増殖またはヘパリナーゼ3で プレインキュベートした後の細胞増殖はわずかに刺激されたが、ヘパリナーゼ1 または2では何ら刺激は観察されなかった。図15に示されるように、この刺激は ヘパリナーゼ3処理血管SMCから得た培地によって誘導した場合と比べて3〜4分 の1であった。図14Aに示すヘパリンの効果や細胞表面から得たHS分解フラグメン トの効果とは異なり、ヘパリナーゼ3の効果は、このヘパリナーゼ3酵素を最初 に通常の組織培養プラスチック上でインキュベートしたかECM上でインキュベー トしたかに関係なく、この酵素をF32リンパ様細胞に添加する前に95℃で10分間 加熱失活することによって消滅する(図14B)。この結果から、この酵素は活性で あり、そして/またはその本来の構造を保持してマイトジェン応答を誘導するに 違いないということが分かる。ヘパリナーゼ3酵素がF32細胞表面から刺激性HS 様フラグメントを放出しているか否かを明らかにする試みにおいて、F32細胞を まずヘパリナーゼ3で処理(30分、0.1U/ml、37℃)し、加熱失活を施した上清お よび加熱失活を施していない上清の、新鮮な未処理F32リンパ様細胞に対する刺 激効果を試験した。これもまた、ヘパリナーゼ3を最初にF32細胞とインキュベ ートしたか否かとは関係なく、3H-チミジン取り込みはこの酵素によって刺激さ れ、この刺激は加熱失活することによって消滅した。他の実験において、ヘパリ ナーゼ3酵素をDEAEセルロースに付与し、酵素が混入している可能性のあるヘパ リンのトレースを除去した。図14Bに示されるように、この処理はヘパリナーゼ 3の刺激活性には何らの効果も及ぼさないが、標準的なヘパリンの効果を完全に 消滅させてしまった(図14A)。同時に、これらのコントロール実験から、天然の ヘパリナーゼ3酵素自体が、bFGFレセプター結合の刺激およびF32細胞における 活性化が可能であると考えられる。 ECM結合bFGFおよび細胞表面結合bFGFの放出 図13Bに示されるように、ECMをヘパリナーゼ2および3ならびにこれらよりも かなり低い度合いでヘパリナーゼ1に曝すことによって、増殖停止3T3繊維芽細 胞に対する増殖促進活性が放出された。細胞およびECMヘパリナーゼ1、2および 3から実際に放出されたbFGFの量をイムノアッセイ(R&D QuantikineTMヒトbFGF) によって測定した。表5に示されるように、それぞれのインキュベーション培地 によって放出されるマイトジェン活性(図13B)と相関して、ヘパリナーゼ3によ ってECMから放出されたbFGFの量は、ヘパリナーゼ1および2によって放出され た量よりもそれぞれ約2.5および15倍多かった。ヘパリナーゼ3による放出に感 受性のECM結合bFGFの量は、血管内皮細胞および平滑筋細胞の表面で得られる量 よりも6〜7倍多かった(表5)。ヘパリナーゼ1および2によって血管ECから放出 されたbFGFの量は、血管SMCから放出された量よりも多かった。 bFGFのマイトジェン活性を促進するHS結合bFGFおよびHS分解フラグメントの両 方を細胞およびECMから放出する、3種類の細菌ヘパリン/HS分解酵素の能力を比 較した。増殖停止3T3繊維芽細胞およびHS欠乏F32リンパ様細胞における、放出さ れたbFGFおよび3H-チミジン取り込みの刺激とを実際に測定することで、ヘパリ ナーゼ3が最も活性の高い増殖促進酵素であることが明らかに分かった。ヘパリ ナーゼ3の優位性は、F32細胞系において最もよく示された。この系において、H S分解フラグメントのbFGF結合能力およびbFGFをその高親和性チロシンキナーゼ レセプターに供給して、レセプターを活性化させて細胞を増殖させる能力を評価 する。ヘパリナーゼ1や2ではなく、ヘパリナーゼ3によって細胞表面から放出 されたHSフラグメントは、bFGFおよび他の増殖促進因子のヘパリン結合ファミリ ーのメンバーの特徴を有する二重(dual)レセプター機構に関与する副(accesso ry)レセプターとしての役割を果たし得ることが分かった。これとは対照的に、 内皮下ECMからヘパリナーゼ3によって放出されたHSフラグメントに関しては、 このような活性は全く認められないかわずかに認められただけであった。この結 果から、ECM中のHSは、応答性細胞の近傍でbFGFに対する比較的不活性な貯蔵庫 となり、細胞表面のHSは、ECM結合bFGFの実際の移動およびこれに続くその高親 和性細胞表面レセプター部位への提供により、活発な役割を果たしている可能性 があることを示す先の観察が証明される(Bernfield,M.ら,Ann.N.Y.Acad.Sc i.638,182-194(1991))。 これらの研究から、i)最大量のECM結合bFGFおよびii)bFGFレセプターの結合お よびHS欠乏細胞における活性化を促進し得るHS分解フラグメントを放出する際に 、ヘパリナーゼ1および2に比較してヘパリナーゼ3を適用することの利点が示 される。驚くべきことに、各細菌酵素を単独で適用したコントロール実験から、 ヘパリナーゼ3自体がF32細胞系においてbFGFの増殖促進活性を刺激することが 明らかになった。ヘパリンおよびHS分解フラグメントによる効果とは異なり、こ の刺激は加熱失活後に消滅し、DEAEセルロースでは除去されなかった。これは、 ヘパリナーゼ3の調製物に会合している可能性のあるヘパリン様分子ではなくむ しろヘパリナーゼ3タンパク質による誘導を示す。 実施例15: 正常なラットモデルおよび機能障害ラットモデルにおける創傷治癒 Mustoeら,Science237:1333-1326(1987)のラットの機能障害免疫モデルを使 用して、インビボにおいて創傷治癒を刺激するヘパリナーゼ3の効果を試験した 。背側皮膚の全厚を5.0cm直線切開してSprague-Dawleyラットに創傷を形成した 。ビヒクルまたは試験試薬0.2mlを創傷部位に塗布し、創傷を4本のシルク3〜0縫 合糸で1cm間隔で閉じた。創傷形成の約5〜6時間後から回復後5〜7日目までエ リザベスカラー(Elizabethan collar)をラットにはめた。 カルボキシメチルセルロースゲル(Carbopol)をビヒクルとして使用した。ヘパ リナーゼ3を上述したようにビヒクルに添加した。表5は各試験グループに使用 した治療レジュメである。試験系グループ: 創傷の唇縁の癒合および創傷の物理的な様相に基づいて創傷治癒を評価した。 癒合について、癒合した唇縁を3点/切片とし、2mm以下の癒合を2点/切片、2mm 以上の癒合を1点/切片とした。物理的な創傷様相のスコアについては、明らか に治癒されている場合および/または痂皮がなくなった場合を5点/切片とし、 乾燥痂皮を4点/切片、新しい痂皮を3点/切片、湿った創傷を2点/切片、新し い創傷を1点/切片とした。1日目から屠殺まで毎日創傷の評価を記録した。 さらに、創傷の引っ張り強度に基づいて治癒の評価を行った。屠殺後、創傷部 位を含む皮膚切片を被験動物から取り出した。55MN Mini MerlinTM伸び計を使用 して創傷の引っ張り強度を測定した。 創傷形成2日前にメチルプレドニゾロン(30mg/kg)の単回筋肉内注射を行ったと ころ、図16に示されるように、機能障害グループの皮膚切片の創傷引っ張り強度 (グループ2:左側:0.735±0.351g/mm2、右側:0.919±0.368g/mm2)によって測 定した創傷治癒過程は、正常なグループ(グループ1:左側2.007±0.888g/mm2、 右側:1.989±0.562g/mm2)(p=0.0001)と比較して、有意に短く(59%)なった。 正常なラットモデルにおいて、ビヒクルを単回量投与した場合(グループ3:左 側:1.826±0.804g/mm2)と比較して、0日目にヘパリナーゼ3を単回投与した場 合(グループ3:右側:1.968±0.748g/mm2)には平均創傷引っ張り強度測定値に有 意な改善は見られなかった。メチルプレドニゾロンで処理した機能障害ラットモ デルでは、0日目にビヒクルを単回投与した場合(グループ4:左側:0.774±0.26 5g/mm2)には、創傷引っ張り強度測定値が正常ラットの場合(1.941±0.752g/mm2 、全ての正常な創傷引っ張り強度測定値の平均:グループ1の左側および右側と グループ3の左側)の40%となった。0日目にヘパリナーゼ3を単回投与した場合( グループ4:右側:1.253±0.623g/mm2)には、創傷引っ張り強度測定値は正常な ラットの場合の65%であった。 機能障害ラットモデルにおいて、毎日連続してビヒクルを3回投与した場合(グ ループ5:左側:0.682±0.301g/mm2)には、創傷引っ張り強度測定値の平均値は 正常なラットの場合の35%であったのに対し、ヘパリナーゼ3を3回投与した場合 (グループ5:右側:1.322±0.543g/mm2)には68%であった。機能障害ラットモデ ルにおいて、ビヒクルを7回投与した場合(グループ6:左側:0.850±0.81 2)に は、創傷引っ張り強度測定値は正常なラットの場合の44%であったのに対し、ヘ パリナーゼ3を7回投与した場合(グループ6:右側:1.206±0.655g/mm2)には62% であった。 実施例16: 正常なラットモデル、およびグルココルチコイド誘導ラットモデル の創傷治癒におけるヘパリナーゼ3の比較および精製ヘパリナーゼ3の用量応答 濃度0.02、0.2、または2.0IU/創傷で異なるロットのヘパリナーゼ3酵素(loth ep3.00123)を使用して、実施例15に記載の研究を繰り返した。さらに、PBSを、 実施例15で使用したカルボキシメチルセルロースゲルビヒクルの代わりにビヒク ルとして使用した。それぞれの動物に施した処理は以下の通りであった。 創傷形成2日前にメチルプレドニゾロン(30mg/kg)を単回注射したところ、図17 および表6において示されるように、機能障害グループの皮膚切片の平均創傷引 っ張り強度(グループ2、左側:0.70±0.09、±0.28g/mm2、右側:0.99±0.09、 ±0.28(平均±SE、±SD))によって測定した創傷治癒過程は、正常なグループ(グ ループ1、左側:1.52±0.12、±0.57g/mm2、右側:1.59±0.13、±0.64g/mm2)と 比較して、有意に短く(46%)なった。 機能障害ラットモデルにおいて、ビヒクルを3回投与した場合(グループ3,左側 0.71±0.07、±0.32」g/mm2)には、創傷引っ張り強度測定値の平均値は正常なラ ットの場合(全ての創傷引っ張り強度測定値の平均値:グループ1の左側および右 側:1.55±0.09、±0.60g/mm2)の54%機能障害を示していた。ヘパリナーゼ(ヘパ リナーゼ3 lot HEPIII RH-67)を3回投与した場合、創傷引っ張り強度測定値の 平均値は正常なラットの場合と比較して47%機能障害を示していた。図17および 表6に示されるように、ヘパリナーゼを投与することによって、機能障害の逆転 効果は7%となった。 機能障害ラットモデルにおいて、ビヒクルを3回投与した場合(グループ4、左 側:0.89±0.09、±0.42g/mm2)には、創傷引っ張り強度測定値の平均値は正常な ラットの場合と比較して43%機能障害を示していた。Hep-P(ヘパリナーゼ3 lot HEPIII.001)を用量1(0.02IU/200μL)で3回投与した場合、創傷引っ張り強度測定 値は正常なラットの場合と比較して35%機能障害を示していた。図17および表6に 示されるように、Hep-P用量1を投与することで機能障害の逆転効果は8%になった 。 機能障害ラットモデルにおいて、ビヒクルを3回投与した場合(グループ5、左 側:0.74±0.04、±0.17g/mm2)には、創傷引っ張り強度測定値の平均値は正常な ラットの場合と比較して53%機能障害を示していた。Hep-P(ヘパリナーゼ3 lot HEPIII.001)を用量2(0.20IU/200μL)で3回投与した場合、創傷引っ張り強度測定 値は正常なラットの場合と比較して26%機能障害を示していた。図17および表6に 示されるように、Hep-P用量2を投与することで機能障害の逆転効果は27%になっ た。 機能障害ラットモデルにおいて、ビヒクルを3回投与した場合(グループ6、左 側:0.72±0.10、±0.30g/mm2)には、創傷引っ張り強度測定値の平均値は正常な ラットの場合と比較して54%機能障害を示していた。Hep-P(ヘパリナーゼ3 lot HEPIII.001)を用量3(2.00IU/200μL)で3回投与した場合、創傷引っ張り強度測定 値は正常なラットの場合と比較して4%機能障害を示していた。図17および表6に 示されるように、Hep-P用量3を投与することで機能障害の逆転効果は50%になっ た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベネット, ディー. クラーク カナダ国 エイチ4ワイ 1ゼット4 ケ ベック, ピアレフォンズ,ホーティー 4965 (72)発明者 ダナガー, パメラ カナダ国 エイチ3ブイ 2ジー4 ケベ ック, モントリオール,ダロウ 5219 (72)発明者 ブロートン, リチャード カナダ国 エイチ3ブイ 1シー2 ケベ ック, モントリオール,ナンバー 207, リッジウェイ アベニュー 3590

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.Flavobacterium heparinum由来のヘパリナーゼ1、Flavobacterium heparin um由来のヘパリナーゼ2、Flavobacterium heparinum由来のヘパリナーゼ3、Fl avobacterium heparinum由来のコンドロイチナーゼACおよびFlavobacterium hep arinum由来のコンドロイチナーゼB、Bacteroides菌株由来のヘパリナーゼ、Flav obacterium Hp206由来のヘパリナーゼ、Cytophagia種由来のヘパリナーゼ、Bact eroides種由来のコンドロイチン硫酸分解酵素、Proteus vulgaris由来のコンド ロイチン硫酸分解酵素、Microcossus由来のコンドロイチン硫酸分解酵素、Vibri o種由来のコンドロイチン硫酸分解酵素、Arthrobacter aurescens由来のコンド ロイチン硫酸分解酵素、ここでこれらの酵素は細菌において発現される組換えヌ クレオチド配列から発現され、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択 されるグリコサミノグリカン分解酵素を、有効量の該酵素の局在化投与のための 薬学的に許容可能なキャリアとの組み合わせで含む薬学的組成物であって、該組 成物は、細胞外基質からヘパリン結合成長因子および分子を放出し、細胞表面レ セプターからコンドロイチン硫酸を除去し、そしてその成長因子レセプター複合 体からヘパラン硫酸成分を除去することにより、正常な創傷治癒を増強する、組 成物。 2.前記キャリアが、局部投与のための薬学的に許容可能なキャリアである、請 求項1に記載の組成物。 3.前記キャリアが、軟膏剤、ポリマー性フィルム、ゲル、微粒子、マイクロカ プセル、リポソーム、プロテオソーム、リポスフェア、インプラント、経皮パッ チおよび包帯からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。 4.前記酵素が、ポリマー性基質に取り込まれている、請求項3に記載の組成物 。 5.正常な創傷治癒を増強するためのシステムであって、 Flavobacterium heparinum由来のヘパリナーゼ1、Flavobacterium heparinum 由来のヘパリナーゼ2、Flavobacterium heparinum由来のヘパリナーゼ3、Flav obacterium heparinum由来のコンドロイチナーゼAC、Flavobacterium heparinum 由来のコンドロイチナーゼB、Bacteroides菌株由来のヘパリナーゼ、Flavobacte rium Hp206由来のヘパリナーゼ、Cytophagia種由来のヘパリナーゼ、Bacteroide s種由来のコンドロイチン硫酸分解酵素、Proteus vulgaris由来のコンドロイチ ン硫酸分解酵素、Microcossus由来のコンドロイチン硫酸分解酵素、Vibrio種由 来のコンドロイチン硫酸分解酵素、Arthrobacter aurescens由来のコンドロイチ ン硫酸分解酵素、ここでこれらの酵素は細菌において発現される組換えヌクレオ チド配列から発現され、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択され、 薬学的に許容可能なキャリアと組み合わせられる、グリコサミノグリカン分解酵 素と、 細胞外基質からヘパリン結合成長因子および分子を放出し、細胞表面レセプタ ーからコンドロイチン硫酸を除去し、そしてその成長因子レセプター複合体から ヘパラン硫酸成分を除去することにより、正常な創傷治癒を増強するのに有効な 投薬量で、キャリアと組み合わせて酵素を送達するための装置と、 を含む、システム。 6.前記送達手段がカテーテルまたは内視鏡である、請求項5に記載のシステム 。 7.前記グリコサミノグリカン分解酵素が融合タンパク質である、請求項1に記 載の組成物。 8.前記グリコサミノグリカン分解酵素が、標的細胞の特定の分子と結合する、 タンパク質、多糖類、核酸および脂質からなる群から選択される標的分子に融合 される、請求項7に記載の組成物。 9.前記分子が、細胞表面分子と結合する、ホルモン、抗体、インテグリンおよ び細胞外基質結合分子からなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。 10.前記酵素が、該酵素が天然に存在しない生物において、組換えヌクレオチ ド配列から発現され、そして該酵素が、該酵素が天然に存在しない該生物におい て、異なる形でプロセスされる、請求項1に記載の組成物。 11.細胞外基質からヘパリン結合成長因子および分子を放出し、細胞表面レセ プターからコンドロイチン硫酸を除去し、そしてその成長因子レセプター複合体 からヘパラン硫酸成分を除去することにより、正常な創傷治癒を増強する際にお ける、請求項1から10に記載の組成物またはシステムの使用。 12.前記組成物が、再狭窄を防止することによって血管の正常な創傷治癒を増 強する、請求項11に記載の使用。
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