JPH1050542A - 絶縁パルストランスの製造方法及び装置 - Google Patents

絶縁パルストランスの製造方法及び装置

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JPH1050542A
JPH1050542A JP8189988A JP18998896A JPH1050542A JP H1050542 A JPH1050542 A JP H1050542A JP 8189988 A JP8189988 A JP 8189988A JP 18998896 A JP18998896 A JP 18998896A JP H1050542 A JPH1050542 A JP H1050542A
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conductive wires
tension
case
conductive
core
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JP8189988A
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Kazuo Kawa
計夫 河
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J C C ENG KK
JCC ENG KK
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J C C ENG KK
JCC ENG KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2本の導電線の張力が均一となるように自動
的に調整しながら高速で互いに撚り合わせて絶縁パルス
トランスのコアに巻き付け、優れたノイズ除去性能を有
し、かつ2本の導電線のインピーダンスも等しい極めて
高性能の絶縁パルストランスを自動的に安価に量産でき
るようにする。 【解決手段】 回転するケース2内に揺動可能に揺動部
材26を配設すると共に、該揺動部材26に一対のガイ
ドプーリ29,30を装着して2本の導電線5,6を巻
き掛けて絶縁パルストランス8のコア9に導いて巻き付
けて絶縁パルストランス8を製造することにより、2本
の導電線5,6に作用する張力の差によって揺動部材2
6を揺動させて2本の導電線5,6に作用する張力を自
動的に均一に調整するようにした構成を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ISDN等のデジ
タル回線に必要とされ今後非常に大きな需要が見込まれ
ている絶縁パルストランスの製造方法及び装置に係り、
特に2本の導電線の張力を均一となるように自動的に調
整しながら互いに撚り合わせてコアに巻き付けて絶縁パ
ルストランスを製造することにより、高速で該2本の導
電線を均一に撚り合わせることができるようにして優れ
たノイズ除去性能を有し、かつ2本の導電線のインピー
ダンスも等しい極めて高性能の絶縁パルストランスを自
動的に製造することができる絶縁パルストランスの製造
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁パルストランスは、コンピュータ、
一般通信等の電気機器の電気的パルス信号を歪みなく伝
送するためのトランスであり、外部機器とのインピーダ
ンスマッチング、回路間の電気的絶縁のために使用さ
れ、その特性上波形伝送特性が最も重要な特性である。
【0003】パルス波形を歪みなく忠実に伝送するため
該絶縁パルストランスには、小さな漏れインダクタン
ス、十分大きな主インダクタンス及び小さな浮遊容量が
要求され、電磁材料としては高透磁率、高飽和磁束密度
及び渦流損失の低いフェライト、バーマロイ等の厳選さ
れた材料が使用されており、伝送される信号のパルス幅
が狭いものほど、広帯域通過特性が必要である。
【0004】また雷、他の電子機器及び他の電線などか
ら発生する電磁波の影響をなくすために、従来から2本
の導電線を平行に、又は互いに撚り合わせてコアに巻く
ことが行われているが、2本の導電線を自動機によって
平行に巻くことは従来から可能であったが、2本の導電
線を均一な張力で互いに撚り合わせて自動的にコアに巻
くことはほとんど不可能とされ、従来はもっぱら手作業
によってコアに巻き付けることで絶縁パルストランスが
製造されていた。
【0005】しかし手作業による撚り合わせでは、2本
の導電線を均一な張力で撚り合わせることは困難であ
り、どうしても張力が不揃いとならざるを得ず、2本の
導電線のインピーダンスの差が生じてトランスの特性に
悪影響を与えるばかりでなく、労働力のコストが非常に
低い地域で製造してもなおかつ絶縁パルストランスのコ
ストは相当高く付くため、自動的に2本の導電線を均一
な張力で撚り合わせて巻くことができる絶縁パルストラ
ンスの製造方法及び装置が熱望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した従
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、回転するケース内に配設された張
力調整装置によって該ケース内を通過して絶縁トランス
のコアに導かれる複数の導電線に作用する張力を均一と
なるように調節しながら互いに撚り合わせることによ
り、該複数の導電線を均一な張力で撚り合わせることが
できるようにすることであり、またこれによって複数の
導電線の長さを等しくしてインピーダンスの差を極小と
し、絶縁パルストランスの耐ノイズ特性を大幅に向上さ
せると共に、手作業を不要とすることで絶縁パルストラ
ンスの生産能率を飛躍的に向上させ、また労働力のコス
トがかなり高いわが国のような地域で製造しても従来よ
りも安価な絶縁パルストランスを提供できるようにする
ことである。
【0007】また他の目的は、回転するケース内に揺動
可能に枢着された揺動部材に一対のガイドプーリを回動
自在に装着すると共に、該一対のガイドプーリに2本の
導電線を巻き掛けて絶縁トランスのコアに導いて巻き付
けることにより、2本の導電線に作用する張力の差によ
って揺動部材を揺動させ、強い張力が作用している導電
線の張力を弱めて2本の導電線に作用する張力を自動的
に均一に調整することができるようにすることである。
【0008】更には、回転するケース内に2本の導電線
が巻き掛けられた一対のガイドプーリが装着された揺動
部材を揺動可能に枢着し、かつ一方の導電線が巻き掛け
られた張力付与装置によって制動力を作用させて導電線
に張力を付与すると共に、揺動部材の揺動によって張力
付与装置による制動力の強さを調節し、一方の導電線に
強い張力が作用したとき、該張力を弱めて2本の導電線
に作用する張力を均一となるように調節することによっ
て、2本の導電線を均一な張力で撚り合わせてコアに巻
くことができるようにし、絶縁パルストランスの2本の
撚られた導電線のインピーダンスを合わせてノイズに対
する波形伝送特性を大幅に向上させることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】要するに本発明方法(請
求項1)は、ケース内に配設されたガイドプーリによっ
て複数本の導電線を夫々案内すると共に該複数本の導電
線に作用する夫々の張力が均一となるように前記ケース
に内蔵された張力調整装置によって前記夫々の張力を調
整しながら該ケースを回転させて複数本の前記導電線を
互いに撚り合わせてコアに巻き付けることを特徴とする
ものである。
【0010】また本発明方法(請求項2)は、ケース内
に配設されたガイドプーリによって2本の導電線を夫々
案内すると共に前記ケース内に揺動自在に枢着された揺
動部材に装着され2本の前記導電線が巻き掛けられた少
なくとも一対のガイドプーリを前記ケースに対して相対
的に移動させて2本の前記導電線に作用する張力を均一
に調整しながら前記ケースを回転させて2本の前記導電
線を互いに撚り合わせてコアに巻き付けることを特徴と
するものである。
【0011】また本発明方法(請求項3)は、ケース内
に配設された複数のガイドプーリに2本の導電線を夫々
巻き掛け、一方の前記導電線が巻き掛けられた少なくと
も1つの張力付与装置に制動力を作用させて一方の前記
導電線に張力を付与しながら案内すると共に、前記ケー
ス内に揺動自在に枢着された揺動部材に装着され2本の
前記導電線が巻き掛けられた少なくとも一対のガイドプ
ーリを前記張力の作用により前記ケースに対して相対的
に移動させて2本の前記導電線に作用する前記張力を調
節すると共に該移動によって前記張力付与装置に作用さ
せる制動力を調節して2本の前記導電線に作用する前記
張力を均一となるように調整しながら前記ケースを回転
させて2本の前記導電線を互いに撚り合わせてコアに巻
き付けることを特徴とするものである。
【0012】また本発明装置(請求項4)は、複数本の
導電線を夫々案内する複数のガイドプーリが内蔵されか
つ駆動装置によって駆動されて前記導電線の走行方向に
対して直交方向に回転するケースと、該ケースに内蔵さ
れ複数本の前記導電線に作用する夫々の張力が均一とな
るように調整する張力調整装置とを備え、導電線供給源
から供給される複数本の前記導電線に作用する前記張力
を前記張力調整装置により均一に調整しながら前記ケー
スを回転させて複数本の前記導電線を互いに撚り合わせ
てコアに巻き付けるように構成したことを特徴とするも
のである。
【0013】また本発明装置(請求項5)は、2本の導
電線を夫々案内する複数のガイドプーリが内蔵されかつ
駆動装置によって駆動されて前記導電線の走行方向に対
して直交方向に回転するケースと、該ケース内に揺動自
在に枢着された揺動部材に回動自在に装着され2本の前
記導電線が巻き掛けられた少なくとも一対のガイドプー
リから構成され2本の前記導電線に作用する張力の差に
よって揺動して2本の前記導電線の前記張力を均一とな
るように調整する張力調整装置とを備え、導電線供給源
から供給される2本の前記導電線に作用する前記張力を
前記張力調整装置により均一に調整しながら前記ケース
を回転させて2本の前記導電線を互いに撚り合わせてコ
アに巻き付けるように構成したことを特徴とするもので
ある。
【0014】また本発明装置(請求項6)は、2本の導
電線を夫々案内する複数のガイドプーリが内蔵されかつ
駆動装置によって駆動されて前記導電線の走行方向に対
して直交方向に回転するケースと、該ケース内に揺動自
在に枢着された揺動部材に回動自在に装着され2本の前
記導電線が夫々巻き掛けられた少なくとも一対のガイド
プーリから構成され2本の前記導電線に作用する張力の
差によって揺動して2本の前記導電線の前記張力を均一
となるように調整する張力調整装置と、一方の前記導電
線が巻き掛けられ制動力を作用させることによって前記
導電線に張力を付与するように構成されると共に前記揺
動部材の揺動により前記制動力の強さを調整可能とされ
た少なくとも1つの張力付与装置とを備え、導電線供給
源から供給される2本の前記導電線に作用する前記張力
を均一に調整しながら前記ケースを回転させて2本の前
記導電線を互いに撚り合わせてコアに巻き付けるように
構成したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施例に
基いて説明する。図1から図3において、本発明に係る
絶縁パルストランスの製造装置1は、ケース2と、張力
調整装置3と、張力付与装置4とを備えている。
【0016】ケース2は、2本の導電線5,6を撚り合
わせて絶縁パルストランス8のコア9に巻くためのもの
であって、中空の本体10の上部に固定された上部ブロ
ック11の中心に、貫通穴12aが形成された支持軸1
2が、また下部には導電線5,6を導出する導出穴13
aが形成された下部ブロック13が固定され、該支持軸
12及び下部ブロック13には、基台15との間に軸受
14が装着されてケース2が基台15に回動自在に枢着
されている。
【0017】支持軸12には、プーリ16,18が固着
され、プーリ16に巻き掛けられたベルト19は、駆動
装置(図示せず)に連結され、プーリ18に巻き掛けら
れたベルト20は隣接して基台15に回動自在に配設さ
れた同一機構からなる複数の他のケース2(図示せず)
に配設されているプーリ(図示せず)に次々と巻き掛け
られており、駆動装置によってケース2を回転させると
隣接して配設された他のケース2も同時に回転するよう
に構成されている。
【0018】下部ブロック13は、下方に突出部13b
が形成されており、該突出部13bの中心には導出穴1
3aが形成され、2本の導電線5,6を案内してケース
2からコア9に案内するようになっている。
【0019】ケース2内には、複数のガイドプーリ21
が回動自在に配設されると共に、ねじ22によってステ
ー23,24が固定され、ステー23上には導電線6の
導電線供給源25が回動自在に配設され、導電線6を複
数のガイドプーリ21で案内しながらコア9に供給する
ようになっている。
【0020】張力調整装置3は、コア9に供給される2
本の導電線5,6に作用する張力を均一となるように調
整するためのものであって、T字形の揺動部材26がピ
ン28に揺動自在に枢着されてステー24上に配設さ
れ、該揺動部材26には対象位置に一対のガイドプーリ
29,30が回動自在に枢着されている。
【0021】ケース2内に設けられた導電線供給源25
から引き出された導電線6は、2つのガイドプーリ2
1、張力付与装置4、ガイドプーリ29及び2つのガイ
ドプーリ21に巻き掛けられて案内されて下部ブロック
13の導出穴13aを貫通してコア9に供給されてい
る。
【0022】一方、基台15に回動自在に配設された導
電線5の導電線供給源31から引き出された導電線5
は、基台15に配設された複数のガイドプーリ32、軸
33に摺動可能に配設された引出しブロック34に回動
自在に配設されている一対のガイドプーリ35に巻き掛
けられて案内され、支持軸12の貫通穴12aからケー
ス2内に導かれた後、3つのガイドプーリ21、ガイド
プーリ30及び2つのガイドプーリ21に巻き掛けられ
て案内され、下部ブロック13の導出穴13aからコア
9に供給されている。
【0023】揺動部材26は、ガイドプーリ29,30
に巻き掛けられた2本の導電線5,6に作用する張力の
強さによって導電線5又は6の方向にピン28を中心と
して揺動するようになっており、該揺動により強い張力
の導電線5又は6の張力を弱めると共に、弱い張力の導
電線5又は6の張力を強めるように構成されている。
【0024】張力付与装置4は、巻き掛けられた導電線
5に張力を付与するためのものであって、ガイドプーリ
27の半径と同一半径で円弧状に曲げられたL字形の板
ばね36の一端がステー23に固定されており、円弧部
36aがガイドプーリ27の外周に接触して該ガイドプ
ーリ27に板ばね36のばね力による制動力を付与する
ようになっている。
【0025】板ばね36の制動力によって導電線5に付
与される張力の大きさは、ケース2外において複数のガ
イドプーリ32、一対のガイドプーリ35に巻き掛けら
れた導電線6の走行抵抗による張力と同じになるように
設定されており、ケース2内における導電線5又は6に
作用する張力は同一張力となるように構成されている。
【0026】板ばね36の他の一端36bは、揺動部材
26に固定された押圧部材38と対向する位置まで垂下
し、揺動部材26が導電線6の張力によって張力付与装
置4の方向に揺動したとき、該押圧部材38が板ばね3
6の他の一端36bを押圧して円弧部36aをガイドプ
ーリ27の外周から離間させてガイドプーリ27に作用
している制動力を軽減することにより、導電線6に作用
している張力を弱めるように構成されている。
【0027】そして本発明方法(請求項1)は、ケース
2内に配設されたガイドプーリ21によって複数本の導
電線5,6を夫々案内すると共に該複数本の導電線5,
6に作用する夫々の張力が均一となるようにケース2に
内蔵された張力調整装置3によって夫々の張力を調整し
ながら該ケース2を回転させて複数本の導電線5,6を
互いに撚り合わせてコア9に巻き付ける方法である。
【0028】また、本発明方法(請求項2)は、ケース
2内に配設されたガイドプーリ21によって2本の導電
線5,6を夫々案内すると共にケース2内に揺動自在に
枢着された揺動部材26に装着され2本の導電線5,6
が巻き掛けられた少なくとも一対のガイドプーリ29,
30をケース2に対して相対的に移動させて2本の導電
線5,6に作用する張力を均一に調整しながらケース2
を回転させて2本の導電線5,6を互いに撚り合わせて
コア9に巻き付ける方法である。
【0029】また、本発明方法(請求項3)は、ケース
2内に配設された複数のガイドプーリ21に2本の導電
線5,6を夫々巻き掛け、一方の導電線6が巻き掛けら
れた少なくとも1つの張力付与装置4に制動力を作用さ
せて一方の導電線6に張力を付与しながら案内すると共
に、ケース2内に揺動自在に枢着された揺動部材26に
装着され2本の導電線5,6が巻き掛けられた少なくと
も一対のガイドプーリ29,30を張力の作用によりケ
ース2に対して相対的に移動させて2本の導電線5,6
に作用する張力を調節すると共に該移動によって張力付
与装置4に作用させる制動力を調節して2本の導電線
5,6に作用する張力を均一となるように調整しながら
ケース2を回転させて2本の導電線5,6を互いに撚り
合わせてコア9に巻き付ける方法である。
【0030】本発明は、上記のように構成されており、
以下その作用について説明する。図3において、導電線
供給源31をケース2外の基台15に回動自在に載置
し、該導電線供給源31から導電線5を引き出して複数
のガイドプーリ32、引出しブロック34に配設されて
いる一対のガイドプーリ35及び複数のガイドプーリ3
2に巻き掛けて支持軸12の貫通穴12aからケース2
内に導き、更に3つのガイドプーリ21、ガイドプーリ
30及び2つのガイドプーリ21に巻き掛けて下部ブロ
ック13の導出穴13aから導出させ、導電線5の一端
をコア9の端子40に巻き付ける。
【0031】一方、ケース2内にはステー23上に導電
線供給源25を回動自在に載置し、該導電線供給源25
から導電線6を引き出して2つのガイドプーリ21、張
力付与装置4、ガイドプーリ29及び2つのガイドプー
リ21に巻き掛けて下部ブロック13の導出穴13aを
貫通させ、導電線6の一端をコア9の他の端子40に巻
き付けて準備が完了する。
【0032】ここで駆動装置(図示せず)を回転させる
と該回転は、ベルト19及びプーリ16を介してケース
2に伝達されて軸受14によって回動自在に支持されて
いる該ケース2を矢印A方向に回転させると共に、該回
転はプーリ18及びベルト20によって隣接して配設さ
れた同一機構からなる他のケース2に伝達されて同様に
回転させ、更に該回転は更に隣接して配設された他のケ
ース2へ次々と伝達されて同一機構を持つ複数のケース
2を矢印A方向に同時に回転させる。
【0033】図9及び図10において、ケース2の矢印
A方向の回転によって下部ブロック13の導出穴13a
から導出される2本の導電線5,6は互いに均一な張力
で撚り合わされ、ケース2の矢印A方向の回転と同期し
て矢印B方向に回転すると共に矢印C方向及び逆方向に
往復移動(トラバース)するコア9に整列して巻き付け
られる。
【0034】コア9に巻き付けられる2本の導電線5,
6に同じ強さの張力が作用しているときには、図8にお
いて、揺動部材26は直立した状態にあり、導電線5は
矢印I方向に、また導電線6は矢印H方向に夫々導電線
供給源31及び導電線供給源25から引き出されて互い
に撚り合わされながら矢印J方向に引き出されてコア9
に巻き付けられる。
【0035】図6において、導電線5に作用する張力が
導電線6に作用する張力よりも強くなると、揺動部材2
6は導電線5により引かれて矢印D方向に揺動して該導
電線5に作用する張力を弱めるように働くと共に、該揺
動により導電線6を矢印E方向に更に引き出して該導電
線6に作用する張力を強め、結果として導電線5,6に
作用する張力が同じとなるように自動的に調節する。
【0036】また、図7において、導電線6に作用する
張力が導電線5に作用する張力よりも強くなると、揺動
部材26は導電線6により引かれて矢印F方向に揺動し
て該導電線6に作用する張力を弱めるように働くと共
に、該揺動により導電線5を矢印G方向に更に引き出し
て該導電線5に作用する張力を強め、結果として導電線
5,6に作用する張力が同じとなるように自動的に調節
する。
【0037】揺動部材26の矢印F方向への揺動だけで
は導電線6の張力が、まだ導電線5の張力よりも強い場
合には、揺動部材26は更に矢印F方向に揺動して押圧
部材38が板ばね36の他の一端36bを押圧するの
で、該板ばね36の円弧部36aがガイドプーリ27の
外周から離間してガイドプーリ27に作用している制動
力を軽減させて導電線6に付与している張力を弱め、導
電線5,6に作用する張力が同じとなるように自動的に
調節する。
【0038】上述した如く、2本の導電線5,6に作用
する張力の強さにより、揺動部材26が矢印D又はF方
向に揺動して導電線5,6の張力を同じ強さとなるよう
に自動的に調節しながら互いに撚り合わせてコア9に巻
き付けるので、2本の導電線5,6のインピーダンスの
等しい高性能の絶縁パルストランス8を製作することが
でき、また同一装置により図4に示す大型絶縁パルスト
ランス8及び図5に示す小型絶縁パルストランス8も製
作することができる。
【0039】また、該絶縁パルストランス8を使用する
ことによって導電線5,6に通電したときに夫々の導電
線5,6に生じる磁束は互いに打ち消し合って該磁束に
よる回路への影響をなくすことができる。
【0040】なお、本発明に係る絶縁パルストランスの
製造装置1は、2本の導電線5,6を撚り合わせる巻き
方に限定されるものではなく、2本の導電線5,6を平
行巻きすることもでき、この場合には、ケース2を回転
させず、停止させておけばよく、これらの異なる2種類
の作業を1台の機械で行うことができることは言うまで
もない。
【0041】
【発明の効果】本発明は、上記のように回転するケース
内に配設された張力調整装置によって該ケース内を通過
して絶縁トランスのコアに導かれる複数の導電線に作用
する張力を均一となるように調節しながら互いに撚り合
わせるようにしたので、該複数の導電線を均一な張力で
撚り合わせることができる効果があり、またこの結果複
数の導電線の長さを等しくしてインピーダンスの差を極
小とし得、絶縁パルストランスの耐ノイズ特性を大幅に
向上させることができると共に、手作業を不要とするこ
とで絶縁パルストランスの生産能率を飛躍的に向上さ
せ、また労働力のコストがかなり高いわが国のような地
域で製造しても従来よりも安価な絶縁パルストランスを
提供できるという効果がある。
【0042】また回転するケース内に揺動可能に枢着さ
れた揺動部材に一対のガイドプーリを回動自在に装着す
ると共に、該一対のガイドプーリに2本の導電線を巻き
掛けて絶縁トランスのコアに導いて巻き付けるようにし
たので、2本の導電線に作用する張力の差によって揺動
部材を揺動させ、強い張力が作用している導電線の張力
を弱めて2本の導電線に作用する張力を自動的に均一に
調整することができるという効果がある。
【0043】更には、回転するケース内に2本の導電線
が巻き掛けられた一対のガイドプーリが装着された揺動
部材を揺動可能に枢着し、かつ一方の導電線が巻き掛け
られた張力付与装置によって制動力を作用させて導電線
に張力を付与すると共に、揺動部材の揺動によって張力
付与装置による制動力の強さを調節し、一方の導電線に
強い張力が作用したとき、該張力を弱めて2本の導電線
に作用する張力を均一となるように調節するようにした
ので、2本の導電線を均一な張力で撚り合わせてコアに
巻くことができるため絶縁パルストランスの2本の撚ら
れた導電線のインピーダンスを合わせてノイズに対する
波形伝送特性を大幅に向上させることができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】絶縁パルストランスの製造装置の要部斜視図で
ある。
【図2】絶縁パルストランスの製造装置の要部部分破断
斜視図である。
【図3】絶縁パルストランスの製造装置の縦断面図であ
る。
【図4】大型絶縁パルストランスの斜視図である。
【図5】小型絶縁パルストランスの斜視図である。
【図6】揺動部材が時計方向に揺動して張力を調整する
状態を示す張力調整装置の正面図である。
【図7】揺動部材が反時計方向に揺動して張力を調整す
る状態を示す張力調整装置の正面図である。
【図8】揺動部材が張力を調整する状態を示す張力調整
装置の要部正面図である。
【図9】2本の導電線が均一な張力でコアに巻き付けら
れる状態を示す要部縦断面図である。
【図10】コアに巻き付けられる2本の導電線の撚じれ
状態を示す要部拡大正面図である。
【符号の説明】
1 絶縁パルストランスの製造装置 2 ケース 3 張力調整装置 4 張力付与装置 5 導電線 6 導電線 8 絶縁パルストランス 9 コア 21 ガイドプーリ 25 導電線供給源 26 揺動部材 29 ガイドプーリ 30 ガイドプーリ 31 導電線供給源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内に配設されたガイドプーリによ
    って複数本の導電線を夫々案内すると共に該複数本の導
    電線に作用する夫々の張力が均一となるように前記ケー
    スに内蔵された張力調整装置によって前記夫々の張力を
    調整しながら該ケースを回転させて複数本の前記導電線
    を互いに撚り合わせてコアに巻き付けることを特徴とす
    る絶縁パルストランスの製造方法。
  2. 【請求項2】 ケース内に配設されたガイドプーリによ
    って2本の導電線を夫々案内すると共に前記ケース内に
    揺動自在に枢着された揺動部材に装着され2本の前記導
    電線が巻き掛けられた少なくとも一対のガイドプーリを
    前記ケースに対して相対的に移動させて2本の前記導電
    線に作用する張力を均一に調整しながら前記ケースを回
    転させて2本の前記導電線を互いに撚り合わせてコアに
    巻き付けることを特徴とする絶縁パルストランスの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 ケース内に配設された複数のガイドプー
    リに2本の導電線を夫々巻き掛け、一方の前記導電線が
    巻き掛けられた少なくとも1つの張力付与装置に制動力
    を作用させて一方の前記導電線に張力を付与しながら案
    内すると共に、前記ケース内に揺動自在に枢着された揺
    動部材に装着され2本の前記導電線が巻き掛けられた少
    なくとも一対のガイドプーリを前記張力の作用により前
    記ケースに対して相対的に移動させて2本の前記導電線
    に作用する前記張力を調節すると共に該移動によって前
    記張力付与装置に作用させる制動力を調節して2本の前
    記導電線に作用する前記張力を均一となるように調整し
    ながら前記ケースを回転させて2本の前記導電線を互い
    に撚り合わせてコアに巻き付けることを特徴とする絶縁
    パルストランスの製造方法。
  4. 【請求項4】 複数本の導電線を夫々案内する複数のガ
    イドプーリが内蔵されかつ駆動装置によって駆動されて
    前記導電線の走行方向に対して直交方向に回転するケー
    スと、該ケースに内蔵され複数本の前記導電線に作用す
    る夫々の張力が均一となるように調整する張力調整装置
    とを備え、導電線供給源から供給される複数本の前記導
    電線に作用する前記張力を前記張力調整装置により均一
    に調整しながら前記ケースを回転させて複数本の前記導
    電線を互いに撚り合わせてコアに巻き付けるように構成
    したことを特徴とする絶縁パルストランスの製造装置。
  5. 【請求項5】 2本の導電線を夫々案内する複数のガイ
    ドプーリが内蔵されかつ駆動装置によって駆動されて前
    記導電線の走行方向に対して直交方向に回転するケース
    と、該ケース内に揺動自在に枢着された揺動部材に回動
    自在に装着され2本の前記導電線が巻き掛けられた少な
    くとも一対のガイドプーリから構成され2本の前記導電
    線に作用する張力の差によって揺動して2本の前記導電
    線の前記張力を均一となるように調整する張力調整装置
    とを備え、導電線供給源から供給される2本の前記導電
    線に作用する前記張力を前記張力調整装置により均一に
    調整しながら前記ケースを回転させて2本の前記導電線
    を互いに撚り合わせてコアに巻き付けるように構成した
    ことを特徴とする絶縁パルストランスの製造装置。
  6. 【請求項6】 2本の導電線を夫々案内する複数のガイ
    ドプーリが内蔵されかつ駆動装置によって駆動されて前
    記導電線の走行方向に対して直交方向に回転するケース
    と、該ケース内に揺動自在に枢着された揺動部材に回動
    自在に装着され2本の前記導電線が夫々巻き掛けられた
    少なくとも一対のガイドプーリから構成され2本の前記
    導電線に作用する張力の差によって揺動して2本の前記
    導電線の前記張力を均一となるように調整する張力調整
    装置と、一方の前記導電線が巻き掛けられ制動力を作用
    させることによって前記導電線に張力を付与するように
    構成されると共に前記揺動部材の揺動により前記制動力
    の強さを調整可能とされた少なくとも1つの張力付与装
    置とを備え、導電線供給源から供給される2本の前記導
    電線に作用する前記張力を均一に調整しながら前記ケー
    スを回転させて2本の前記導電線を互いに撚り合わせて
    コアに巻き付けるように構成したことを特徴とする絶縁
    パルストランスの製造装置。
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