JPH10504798A - Hiv−1感染の診断方法および処置方法 - Google Patents

Hiv−1感染の診断方法および処置方法

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JPH10504798A JP7524156A JP52415695A JPH10504798A JP H10504798 A JPH10504798 A JP H10504798A JP 7524156 A JP7524156 A JP 7524156A JP 52415695 A JP52415695 A JP 52415695A JP H10504798 A JPH10504798 A JP H10504798A
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acid sequence
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アンジェリン ドウバス,
グレン エレスマン,
ヨシ タケハナ,
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ユニバーシティー オブ サウザーン カリフォルニア
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、70Kのような自己抗原と反応する被験体の血清中の抗HIV-1抗体の存在を同定することにより被験体におけるHIV-1感染を診断する方法を提供する。本発明はまた、HIV-1に存在する中和エピトープと交差反応する70Kのような自己抗原のアミノ酸配列で被験体を免疫することを包含する、被験体においてHIV-1に対する免疫応答を刺激する方法を提供する。本発明はさらに、HIV-1感染を有する被験体の診断に有用である皮膚試験を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 HIV-1感染の診断方法および処置方法 発明の背景 発明の属する技術分野 本発明は一般に、免疫学の分野に関し、そしてより詳細には、被験体において HIV-1感染を診断する方法およびHIV-1に対する免疫応答を刺激する方法に関する 。 情報の背景 後天性免疫不全症候群(AIDS)の発生率は増加し続けており、ヒト1型免疫不全 ウイルス(HIV-1)に感染した人の数は、流行病のレベルに達している。AIDSの機 構および病因を解明することを意図して多くの研究がなされたにも関わらず、HI V-1感染個体の簡略で安価な早期診断方法およびHIV-1に対して人を免疫する方法 は、未だ現実化されていない。 個体がHIV-1に感染すると、1次免疫応答がウイルスに対して誘起される。1 次応答では、少数のリンパ球が適切な細胞表面レセプターを有してウイルスを認 識する。認識すると、特異的なリンパ球集団が増加し、そして血流中に抗HIV-1 抗体を分泌し始める。HIV-1感染に対して最初は少数のリンパ球しか反応できな いため、抗HIV-1抗体が循環する前に生じる潜伏期が感染後に存在する。この潜 伏期は最短で1ヶ月間存続し、そして数名の人は数カ月間セロネガティブを存続 し得る。 1次免疫応答後、特異的な記憶細胞が血流中に残存しており、そして続いてHI V-1のような抗原に曝すことにより、2次免疫応答が迅速に誘起される。2次免 疫応答において産生される抗体は、HIV-1に曝した1週間または2週間以内に血 流中で検出され得る。 2つの現在使用されているHIV-1感染についての試験は、感染した個体におけ る血流中の抗HIV-1抗体の存在に依存している。両方の試験は、HIV-1由来抗原の 使用に依存しており、この抗原は固体支持体に付着している。これらの試験のう ちの1つは実行することが比較的簡略でかつ安価であるか、90%しか特異的では ない。従って、1次スクリーニングとして使用され得るのみであり、そして陽性 の結果が得られた場合、2次試験を行わなければならない。2次試験で結果が陽 性であると、HIV-1の感染と診断される。しかし、2次試験は高価であり、そし て行うのが困難である。さらに、現在使用されている試験は、血流中の抗HIV-1 抗体の検出に依存しているので、これらの試験は本質的に、HIV-1感染後に1次 免疫応答を生じるための潜伏期で制限される。従って、これらのアッセイは、感 染後の最初の1ヶ月以内にHIV-1感染を検出するためには使用され得ない。 HIV-1感染に対する免疫学的防御を提供する努力もまた、ウイルスタンパク質 を必要とする。種々のHIV-1タンパク質が抗HIV-1免疫応答を生じるための試みに 使用されている。しかし、ヒトにおいてのウイルス物質の使用は、このような物 質の人への導入に関連する付随の危険性を有する。どの場合においても、活性な 免疫化でのこれらの試みは成功しておらず、そして免疫系の低下がAIDSの動かし 得ない結果である。 従って、HIV-1に感染した個体を感染の初期段階で同定し得る簡略で安価な診 断方法、および被験体において抗HIV-1免疫応答を刺激するために効果的な方法 の必要がある。本発明はこの必要を満たし、そして関連する利点も提供する。 発明の要旨 本発明は、70Kのような自己抗原に反応する被験体の血清中の抗HIV-1抗体の存 在を同定することにより、被験体におけるHIV-1感染の診断方法を提供する。診 断方法は、患者が感染した後、初期にHIV-1感染を診断するために特に有用であ る。 本発明はまた、HIV-1に存在する中和エピトープと交差反応する自己抗原のア ミノ酸配列で被験体を免疫することを含む、被験体内においてHIV-1に対する免 疫応答を刺激する方法を提供する。本発明は、例えば、HIV-1の中和エピトープ に免疫学的に相同であるが、ウイルスの有害な効果を介在するHIV-1の領域を有 さない70Kのアミノ酸配列を提供する。 本発明はさらに、HIV-1感染を有する被験体の診断に有用である皮膚試験を提 供する。皮膚試験は、HIV-1に感染している疑いのある人の大きな集団をスクリ ーニングするための簡略で安価な方法を提供する。 図面の簡単な説明 図1は、U1 snRNPスプライシングタンパク質70Kとgp120/41との間のアミノ酸 配列相同性を示す。 (A)70Kのアミノ酸配列の部分を直線列に太字で示す(Theissenら,EMBO J.5:32 09-3217(1986)、これは本明細書中に参考として援用されている)。数字は、アミ ノ末端からのアミノ酸の位置を示す。gp120/41における免疫学的に相同な配列お よびそれらのアミノ酸の位置を、それぞれ70Kの配列の上および下に示す。70Kに おけるアミノ酸322位で四角で囲った配列は、コンセンサス結合配列(CBS)を示す 。下線部Aおよび下線部Bは、70Kの主要なエピトープドメインを示す。 (B)U1 RNA結合タンパク質のファミリーのコンセンサス結合配列(Krainerら,C ell 66:383-394(1991)、これは、本明細書中に参考として援用されている)およ びHIV-1 IIIB株のV3における免疫学的に相同な配列。実線の四角は、8つのア ミノ酸CBSを示し;破線の四角は不変アミノ酸(GおよびF)およびほとんど不 変なアミノ酸(AおよびV)を示す。ヘテロ核リボ核タンパク質(hnRNP)(A2お よびB1)のCBSもスプライシングに関与しており、同一である。70Kおよびgp120/ 41のヌクレオチド配列をGenBankから得、そしてVAX/VMSコンピューターを使用し て示したアミノ酸に翻訳した。 図2は、gp120のV3ループにおける中和エピトープと70Kにおける免疫優性のエ ピトープとの一致を例示する。V3 IIIB株のアミノ酸配列(303位〜338位)をGenB ankから得た。数字を付けた実線1〜7は、中和抗体を誘導するといわれるV3配 列の部分を示す。70Kに免疫学的に相同であるV3の領域は斜線部である。内部のV 3は70KのCBS(a)、U1 snRNP AおよびB1(b)、ならびにhnRNP A1(c)の8つのアミ ノ酸を示す。CBSは、70Kの免疫優性なBドメインの中にある。70Kのアミノ酸239 位〜248位にわたる配列も示し、これは、V3のアミノ酸303位〜313位に相同であ る免疫優性な抗Aドメインを含む。 図3は、HIV-1抗原gp120、V3、およびgp41ならびに抗RNP抗体の間での、ELISA により決定した交差反応性を比較している。血清をリン酸緩衝化生理食塩水/0. 1%ウシ血清アルブミン(PBS/BSA;pH7.5)に1:100希釈した。西洋ワサビペルオ キシダーゼに結合したヤギ抗ヒト抗体(Zymed,Inc.)を2次抗体として使用し、 そしてo-フェニルジアミンジヒドロクロリドを基質として使用した。最適密度( OD490での任意の単位)を自動化ELISAリーダーで記録した。水平な棒は、各血清 群の平均を示す。 図4は、HIV-1 IIIB株のV3(黒棒)およびHIV-1 MN株のV3(白棒)に対する抗 RNPおよびHIV感染血清の反応性を比較する。 (A)HIV感染血清1〜4および正常な血清サンプル(NL); (B)抗RNP血清1〜7。吸光値(OD490)は、同日に行った3連の間で5%よりも少 なく変化した。 図5は、U1 snRNP 70Kに対するHIV-1感染血清のウェスタンブロット分析を示 す。部分精製した70Kを、Douvasら,J.Biol.Chem. 254:3608-3614(1979)、およ びDouvas,Proc.Natl.Acad.Scl. ,USA 79: 5401-5405(1982)(これらはそれぞ れ本明細書中に参考として引用されている)に記載されるように、特異な遠心分 離および抗RNP IgG-Sepharoseでのアフィニティークロマトグラフィーにより、 ラットの肝臓の核から単離した。サンプルを10%ポリアクリルアミドゲルでの電 気泳動により分画し、そしてウェスタンプロット分析のためにナイロンメンブレ ンにトランスファーした。HIV感染血清、抗RNP血清、および正常血清を図3に記 載のように得、そしてウェスタンブロット分析のために1:250希釈した。ブロ ットを、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合したヤギ抗ヒトIg(Tago)(1:3000 希釈)を2次抗体として使用して現像した。レーン1は、部分精製したU1 snRNP 70K抗原を含み、70Kおよび60K分解産物を示す。ウェスタンブロットの小片を、 HIV-1陽性ヒト血清(レーン2〜11)、MCTD患者由来の抗RNP血清(レーン12〜14 )、1次抗体無し(レーン15)、またはコントロールのヒト血清(レーン16〜18 )と反応させた。 図6は、70Kポリペプチドの推定アミノ酸配列(Theissenら、1986)を示す。 発明の詳細な説明 本発明は、70Kのような自己抗原と反応する抗HIV-1抗体の存在を同定すること により、被験体におけるHIV-1感染を診断する方法を提供する。70Kは、U1小核リ ボ核タンパク質(snRNP)複合体の一部である。この方法は、HIV-1感染が最初のHI V-1感染の1週間〜2週間以内に検出され得る点で特に有用である。 本明細書で使用する用語「70K」は、U1 snRNP複合体の成分である特定のポリ ペプチドをいう。完全な70Kポリペプチドの推定アミノ酸配列(Theissenら,EMBO J .5:3209-3217(1986)、これは、本明細書中に参考として援用されている;Gen Bank整理番号X04654)を図6に示す。用語「70K」はまた、70Kポリペプチドの一 部を含むアミノ酸配列をいうためにより広範に使用され、そのアミノ酸配列がHI V-1エンベロープ糖タンパク質gp120/41と免疫学的に相同であることを提供する (図1.A.を参照のこと)。 本明細書で使用する用語「免疫学的に相同」は、1)少なくとも約10アミノ酸 の2以上の配列が少なくとも50%のアミノ酸同一性を有するか、または2)少な くとも約4つのアミノ酸の2以上のコア配列が少なくとも75%同一性を有するか のいずれかを意味し、そして3)さらに、各ホモログ中に同じオーダーで同一の アミノ酸配列が存在し、ならびに4)アミノ酸配列が抗HIV-1抗体と交差反応し 得ることも意味する。本明細書で使用する用語「コア配列」は、より長い配列内 に含有される少なくとも約4つの隣接するアミノ酸の配列を意味する。例えば、 コア配列「GYAF」(配列番号22)は、70Kのコンセンサス結合配列「GYAFIEYE」 (配列番号8)内に含まれる。このようなアミノ酸配列ホモログは重要であると 考えられる。なぜなら、このような一致がランダムに生じる確率は、それぞれ1. 6×106分の1および1.3×105分の1であるからであり、ならびにこのアミノ酸配 列が抗HIV-1抗体と交差反応するからである。gp120/41と免疫学的に相同である7 0Kのアミノ酸配列の例は、図1に提供される。他の自己免疫原(例えば、動原体 タンパク質CENP-B、これは硬皮症における抗原である)のアミノ酸配列もまた、 gp120/41に免疫学的に相同であり得る(DouvasおよびSobelman,Proc.Natl.Acad. Sci.,USA 88: 6328-6332(1991)、これは本明細書中に参考として援用されている )。免疫学的に相同なアミノ酸配列は、本明細書中に記載される方法を使用して 同定され得る。 70Kポリペプチドは、比較的疎水性のアミノ末端および親水性のカルボキシ末 端を有する(DouvasおよびSobelman、1991)。70Kポリペプチド内の3つの構造が 、抗体認識のために重要である。これらの3つの構造は、AおよびBドメイン、 ならびに分散した親水性配列を包含する。これらの構造は、コンセンサスなERPE EREERRR(配列番号23)配列、およびERKRR(配列番号24)ならびにRDRDR(配列 番号16)モチーフを含む(図1.A.を参照のこと)。ドメインBは、U1 RNAの結合に 必要かつ充分であり、そして本明細書中で「コンセンサス結合配列」(「CBS」) と呼ぶ8つのアミノ酸の配列を含む(Surowyら,Mol.Cell.Biol. 9: 4179-4186(1 989)、これは本明細書中に参考として援用されている)。 70Kは、U1小核RNP核RNAスプライシング複合体の成分であり、この複合体はま た、U1 RNAコアおよび関連ポリペプチド、A、B、B'、C、D、D'、Fおよび Gからなる。U1 RNAと70K、AおよびCポリペプチドとの複合体は、RNP抗原を定 義する。RNP抗原は、ヒトの全身リウマチ性疾患、複合性結合組織疾患(MCTD)、 および関連性症候群(以下参照のこと)におけるIgG抗RNP自己抗体の標的である 。70Kは、抗RNP自己抗体に対する免疫優性なポリペプチドであり、そしてMCTDに おいて誘導される自己免疫抗RNP抗体の標的である。 本明細書で開示する自己免疫疾患は、初期HIV-1感染の典型を構成する。MCTD 、硬皮症および全身紅斑性狼蒼(SLE)のような自己免疫疾患は、全身リウマチ性 疾患のクラスに属する。これらの疾患の共通の特徴は、T細胞依存性抗体産生の 存在であり、ここで抗体は核RNAスプライシング粒子U1 snRNPに反応する。U1 sn RNPとの反応に加え、抗RNP抗体はHIV-1 gp120/41に存在するエピトープと交差反 応し、そして70Kのアミノ酸配列に免疫学的に相同である。この交差反応性によ り本発明の基礎が形成される。 70Kは、多数の免疫学的に相同な領域をgp120/41の主要な中和エピトープと共 有する(表1)。これらの中和エピトープはまた、MCTDにおいて生じる抗70K自 己抗体の反応性の主要な部位である。1つの免疫学的に相同な領域は、70Kの機 能的に必須なRNA結合部位とV3ループの頂部との間で共有される。これは、プロ テアーゼ切断部位を含んでおり、そしてウイルスの感染力に役割を有している( 以下および図2を参照のこと)。免疫学的に相同な領域の他のクラスターは、70 Kの親水性カルボキシ末端およびgp120/41におけるエピトープを含む(図1を 参照のこと)。これらのエピトープの1つ(配列番号4)は、HIV-1の複製を強 力に阻害するペプチド配列である(Jiangら,Nature 365: 113(1993)を参照のこ と)。 中和抗体は多くのウイルスに対する免疫防御のために必須であると考えられる が、HIV-1感染における中和抗体の役割は未だに不明瞭である。抗HIV-1抗体につ いての1次中和決定基は、gp120/41の3つの領域(V3ループ、C4ドメイン、お よびgp41)に密集している(例えば、MooreおよびHo,J.Virol. 67:863-875(19 93)を参照のこと)。しかし、HIV-1タンパク質での予防接種により高い力価で 誘起される抗体は、最も効果的には中和エピトープを標的とし得ない。さらに、 共同的に作用するモノクローナル抗体は、中和を増強し得るか、またはHIV感染 を増強し得る。防御免疫を理解する複雑さおよび防御免疫を治療的に増幅する複 雑さにさらに加えて、不連続なエピトープまたは形状的に感受性のエピトープの 役割は、特にC4ドメインに存在する(MooreおよびHo、1993を参照のこと)。 本明細書中に開示したように、自己免疫疾患MCTDを患う患者において産生され るIgG抗体は、HIV-1 gp120/41と交差反応する。MCTD患者に対する1次抗原は、R NAスプライシングタンパク質70Kであり、これは、gp120/41と免疫学的に相同な 領域を共有する(図1)。抗RNP抗体とgp120/41との間の交差反応性は、70Kに相 同なV3およびgp41におけるエピトープのクラスターに起因し得、そして配列特異 性であるようである。 自己免疫T細胞クローンおよびB細胞により産生される抗体は、正常な個体で は低レベルで存在する。特に、抗RNP抗体のバックグランドレベルは、正常な個 体において検出され得る。そしてこれらの抗体は、酵素連結免疫吸着アッセイ(E LISA)およびウェスタンブロット分析により示されたように70Kと特異的に反応す る(実施例IIを参照のこと)。従って、正常な個体は既に70Kに対する1次免疫 応答を生じており、この反応は、感作されて2次免疫応答を生じる免疫記憶細胞 を有することに類似している。これらの抗70K免疫記憶細胞は、HIV-1感染により 刺激され得、その結果HIV-1感染は、被験体において正常レベルよりも多い血流 中の抗70抗体の存在を検出することにより、HIV-1初期感染後、1週間〜2週間 以内に診断され得る。 免疫学的に相同な領域が8つのポリペプチドの間で同定されている。この8つ のポリペプチドは全身リウマチ性疾患における主要な抗原であり、そしていくつ かのタンパク質は、HIV-1、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、エプスタイン− バールウイルス(EBV)およびサイトメガロウイルス(CMV)を包含する免疫クラスタ ーウイルスに含まれる(DouvasおよびSobelman、1991)。しかし、70KおよびCENP- Bのみが通常のタンパク質が有するよりも、免疫クラスターウイルスに有意な相 同性を有する。実際、70Kがgp120/41と広範なアミノ酸配列相同性(33%)を共 有するのみでなく、相互の抗体交差反応性が強く予測される2つのアミノ酸の間 で、主要なエピトープが一致する(図2を参照のこと)。対照的に、70Kは、抗 体による感染力の増強、アネルギー、免疫抑制、およびCD4+T細胞死の加速を含 む有害な効果に関連するgp120/41エピトープを欠損する(表1.B.を参照のこと) 。 中和し、それゆえ、潜在的に防御性であるHIV-1に対する細胞性免疫応答およ び体液性免疫応答は、gp120/41に多数の標的(エピトープ)を有する。抗HIV-1 抗体に対する主要な中和決定基か、gp120のV3ループ中の保存的アミノ酸配列お よび可変性のアミノ酸配列の領域に見出される(図2を参照のこと)。保存配列 は、トリプシン部位(GPGR↓AFVT)、およびキモトリプシン様部位(GPGRAF↓VT )を含む潜在的なタンパク質分解の切断部位を形成する。これらの部位での切断 は、ウイルス膜と細胞膜との融合のために必要とされ得、それゆえ、細胞のHIV 感染のために必要とされ得る。主要な中和エピトープはまたgp41においても同定 されており、これはウイルス−宿主細胞融合およびシンシチウム形成に関連する いくつかの不連続な領域を含んでいる。 HIV-1 IIIB株のgp120のV3ループ(V3 IIIB)に存在するエピトープGRAFVTIG( 配列番号25)は、70Kの機能的に必須なU1 RNA結合部位に相同である。ELISAアッ セイを使用して得られた結果から、V3 IIIBに対する抗RNP抗体の平均反応性が、 HIV血清の反応性と同じ高さであることが示された(図3を参照のこと)。同様 に、HIV-1 MN株のV3ループが枠組み構成配列GRAFXT(配列番号26;ここで、「X 」は、独立して選択される任意の1つのアミノ酸を示す)を含み、そしてまたgp 41における親水性エピトープが70Kのカルボキシ末端に相同であるので、抗RNP抗 体と交差反応する。GRAFXT(配列番号26)配列はまた、HIV-1 SF2株およびSC株 のV3ループに存在する。 HIV血清と70Kとの間の強力な交差反応性がまた、ウェスタンブロットを用いて 候群(SS)に由来する抗体は、V3選択性でもgp41選択性でもなかった。従って、実 質的な交差反応性は70Kおよびgp120/41において相同な対応物を有する、保存さ れた主要抗原性B細胞のエピトープに起因するようである。 70Kとgp120/41抗原と抗体との間の分子模造物および相互の交差反応性は、機 能的、免疫学的、および治療的に顕著に密接な関係を有する。例えば、V3ループ の321位〜328位のアミノ酸、および70KのCBS、ならびに類似のU1 RNA結合タンパ ク質は、保存された枠組み構成配列を含む。この配列は、図IBに示すように、HI V-1 IIIB株およびMN株のV3ループに免疫学的に相同であるそれぞれGRAFVT(配列 番号27)およびGRAFYT(配列番号28)である。従って、抗RNP抗体における顕著 な株特異性の欠如(図4)は、保存配列に対するそれらの親和性に起因し得る。 V3配列GRAFVT(配列番号27)およびU1 RNA結合タンパク質におけるその免疫学 的に相同な形態は、集合的に多機能性の(mf)モチーフとして言及される。なぜな ら、5つの異なる生物学的状況において重要であるからである:(1)mfモチーフ はHIV感染における抗体の1次中和決定基である;(2)70Kの主要なエピトープド メインに含まれる;(3)RNAスプライシングにおける必須の役割を有する(本質的 には全ての抗RNP抗体が70KのBドメインと反応し、ここて、70Kはmfモチーフを 含有し、そしてRNPスプライシングを阻害する);(4)ウイルスと細胞膜との融合 に(それゆえHIV感染性に)、重要な機能を有し得るタンパク質分解の切断部位 を含む;そして(5)mfモチーフは、抗体に対してのみならすT細胞に対してもエ ピトープである。従って、mfモチーフはRNA分子、酵素(プロテアーゼ)、IgG分 子、およびT細胞レセプターとの相互作用に関係する。 伸長した配列、RIQRGPGRAFVTIG(配列番号29)(これは、mfモチーフのコアで ある)は、CD4+Tヘルパー(Th)細胞およびCD8+細胞障害性Tリンパ球(CTL)の両 方に対するエピトープドメインであり、そして前もってHIV-1に曝されたT細胞 を再刺激し得る。これらの結果は、RNAスプライシングにおけるmfモチーフの役 割とともに抗RNP抗体によるスプライシングの強力な阻害について上で論じたが 、これらはmfモチーフが自己免疫疾患およびHIV感染の両方において共通の免疫 原であり得ることを示している。 mfモチーフはまた、これらの疾患において免疫調節の役割を有し得る。例えば 、7年間HIV-1に感染しているMCTD患者の抗V3の力価および抗70Kの力価は、連繁 して変動するが、抗gp120の力価は高レベルのままである。さらに、患者のCD4- T細胞数も抗V3/70Kの力価に平行して変動する。従って、mfモチーフに対するリ ンパ球の反応性の損失の結果、CD4+リンパ球の死を生じ得る。対照的に、このモ チーフに対する永続的な反応性がMTCD患者に生じ、そしてその結果持続性の自己 免疫が生じる。 本明細書中で開示する結果は、自己免疫疾患(例えば、MCTD、硬化症、または SLE)が、持続性で高レベルの免疫を可能にする免疫防御戦略を開発するための 有用なモデルであり得ることを示す。自己免疫モデルは、例えば、最適なスペク トルの抗体の開発を可能にする。例えば、有害なΠIV-1エピトープに対する特異 性の欠損(表1)に加えて、抗RNP抗体はMCTDにおいて無害であり、そして実際 に、より良好な臨床的予後と相互に関係する。さらに、有意な数の抗RNP血清が9 0%よりも多くのHIV-1に感染した標的細胞においてシンシチウム形成を阻害し、 従って中和力を示す。また、70Kは、B細胞およびT細胞の両方のレベルで免疫 系を刺激するために代用の免疫原として使用され得る。さらに、mfモチーフを含 むことに加えて、70Kはまた多数のエピトープを表し、これは免疫応答性を誘導 することに協調して作用し得る。 本明細書中に提供した結果はまた、自己免疫モデルがU1RNAおよびmfモチーフ に基づいてリガンドを設計するためにも有用であり得ることを示す。例えば、70 Kの機能的に必須な部位に結合するリガンドはまた、V3の免疫学的に相同な部位 に結合するためにも有用であり得る。このようなリガンド結合は、感染力におけ るV3の役割を排除し得る。このようなリガンドの1つの標的はU1 RNAであり、U1 RNAは70KのCBSに特異的に結合する8〜10ヌクレオチド配列を含有する。U1はgp 120に結合し得るが、U2は結合し得ない(結果は示さず)。 MCTDおよびHIV-1感染の両方における抗体産生はT細胞依存性であるので、通 常のT細胞およびB細胞の記憶様クローンがこれら2つの疾患において潜伏状態 から活性化され得る。これらの細胞の活性化は潜伏細胞の活性化および交差反応 する抗HIV-1抗体の産生の両方をもたらし得る。交差反応する抗体および活性化 抗70K潜伏細胞の存在により、初期段階でHIV-1感染を診断する方法が提供される 。本明細書で使用する用語「潜伏細胞」は、特異的抗原との接触により迅速に反 応が感作される記憶細胞に類似する、自己免疫クローンを意味する。 診断試験は、HIV-1に感染し、それゆえ交差反応する抗体を産生していると疑 われる被験体から得たサンプルを、70KまたはCENP-Bと接触させることにより行 われ得る。サンプルは、例えば、組織サンプルまたは体液のサンプルであり得る 。血清中での抗70Kまたは抗CENP-B抗体の存在は、ELISAアッセイまたはウェスタ ンブロットのような周知のアッセイを使用することにより決定され得る(実施例 IIを参照のこと)。70Kのような自己抗原が例えば、非感染組織からの抽出によ り得られ得るか、または化学的に合成され得るか、または以下に記載のような組 換えDNA法を使用して産生され得る。 70Kのような自己抗原は、プラスチック製組織培養ウェルのような固体基質に 結合され得、そして抗70K抗体はELISAアッセイの使用により検出され得る。70K が組織抽出物から得られる場合、70K抗原は純度100%ではあり得ない。この場合 、診断の好ましい方法はウェスタンブロット分析であり、ここで70Kは電気泳動 により分画され、そして紙またはナイロンの支持体にトランスファーされる。ウ ェスタンブロット分析により、抗70K抗体と予想される70Kの分子質量に移動する ポリペプチドとの特異的反応性が同定され得ることを可能にする。一方、組換え 70Kを抗原として使用した場合、ELISAアッセイにより十分に正確な診断を提供し 得る。 HIV-1感染の初期診断は、多くの理由のために望ましい。特に、HIV-1感染の初 期診断のための開示した方法は血液サンプルをスクリーニングするために有用で ある。開示した方法の使用により、血液提供の1週間〜2週間以内にHIV-1に感 染した提供者から得られた血液サンプルを同定し得る。この段階の感染において HIV-1感染血液を同定する他の可能性のある方法は、非常に高価であり、従って 、日常のスクリーニングに関しては使用されない。 開示した診断方法を行うためのキットを提供することが望ましくあり得る。こ のようなキットは、固体支持体に付着した70Kを含有し、そしてまた所望であれ ば予め決定した量の抗70K抗体のような標準的試薬を含み得る。このような試薬 は、正常な量の血流中の抗70K抗体よりも多くの抗体を含む被験体から得られた サンプルか否かを容易に決定するための手段を提供し得る。HIV-1に感染してい ないある人間における抗70K抗体の「正常」レベルを規定するために正常な血清 サンプルの集団が分析されるべきであるということが認識される。しかし、統計 的に有意な抗70K抗体の正常なレベルを得るための方法は、当該分野で周知であ り、そして日常業務である。 本発明はまた、被験体においてHIV-1に対する免疫応答を刺激する方法を提供 する。この方法は、HIV-1に存在する中和エピトープの代用物である、70Kのよう な自己抗原のアミノ酸配列で被験体を免疫する工程を包含する。HIV-1に対する 防御免疫応答または中和免疫応答を交差刺激する70Kのアミノ酸配列が、70Kおよ びgp120/41におけるこれらの配列の間で共有される免疫学的に相同な領域により 同定され得る。このようなアミノ酸配列の例は、図1および2に提供されている 。交差反応性で、それゆえ、交差刺激するアミノ酸配列が本明細書中で記載され るようにELISAおよびウェスタンブロット分析のような方法を使用することによ り同定され得る(実施例IIを参照のこと)。 自己免疫T細胞クローンおよびB細胞により産生される抗70K抗体が正常な個 体に低レベルで存在するので、これらの正常な個体は感作されて2次免疫応答を 生じる潜在免疫細胞を有する。その後、70Kは免疫系の持続的な刺激を提供する ためのワクチンとして有用である代用の免疫原として使用され得る。本明細書中 で使用する用語「代用の免疫原」は、70Kのような自己抗原またはgp120/41に存 在する中和エピトープに免疫学的に相同であり、そして被験体においてHIV-1に 対して免疫応答を刺激し得る自己抗原のアミノ酸配列を意味する。従って、代用 の免疫原は、HIV-1に免疫学的に相同であり、そしてさらに、免疫応答を刺激し 得るアミノ酸配列である。 代用の免疫原は、それ自体で免疫原性であり得、またはキャリア分子(例えば 、ウシ血清アルブミン、または代用の免疫原−キャリア複合体が免疫応答を刺激 し得る不活性なキャリア)と結合し得る。免疫応答は、インビボまたはエクソビ ボで刺激され得る。例えば、免疫細胞(例えば、T細胞およびB細胞)が被験体 から得られ得、そして組織培養培地中に置かれ得る。細胞を代用の免疫原と接触 さ せ得る。代用の免疫原は、1次または2次免疫応答を誘導することにより免疫細 胞を刺激し得る。 抗RNP抗体はgp120/41と交差反応性であり、そしてインビトロで感染細胞でのH IV-1を感染力を抑制するのに効果的である(データは示さず)。特に、抗RNP抗 体はGRAFTVIG(配列番号25)配列を認識し得る。この結果は、70KまたはGRAFTVI G(配列番号25)のような代用の免疫原が、例えば、被験体における抗70K記憶細 胞を刺激するために使用され得、そして抗70K抗体はgp120/41に存在する相同な エピトープと交差反応し得ることを示す。 70Kのような代用の免疫原の使用は有利である。なぜなら、70Kは、初期に共有 するクローンを刺激し得る豊富な配列を示す自己免疫タンパク質だからである。 本明細書中で使用する用語「共有クローン」は、迅速に活性化されてHIV-1と応 答し得るか、またはHIV-1を中和し得る交差反応性の抗gp120/41抗体を産生し得 る抗70K潜伏T細胞および抗70K潜伏B細胞を意味する。代用の免疫原の使用はま た、gp120/41との共有クローンの同時増幅または共同作用性の増幅を提供し得る という点で有利である。さらに、70Kのような代用の免疫原は、HIV-1感染に関連 する有害な効果に介在する「有害な」抗体を刺激するアミノ酸配列を含まない( 表1を参照のこと)。さらに、70Kのような代用の免疫原の使用は、被験体への ウイルス由来物質の導入を排除する。 HIV-1に対する免疫応答は、治療有効量の代用の免疫原を投与することにより 被験体において刺激され得る。この代用の免疫原は、gp120/41に存在する中和エ ピトープと交差反応し、そして免疫応答を刺激する70Kのような自己抗原のアミ ノ酸配列、ならびに薬学的に受容可能なキャリアを含む。薬学的に受容可能なキ ャリアは当該分野で周知であり、そして生理学的に緩衝化された生理食塩水のよ うな水溶液、あるいは他の溶媒またはビヒクル(例えば、グリコール、グリセロ ール、オリーブオイルのようなオイル、または注射可能な有機エステル)を包含 する。本明細書で使用する用語「治療有効量」は、免疫応答を刺激し得る代用の 免疫原の量を意味する。この量は、もちろん、例えば、免疫応答の刺激がインビ ボまたはエクソビボにおいてであるか、あるいは投与が最初の投与であるか、ま たは追加免疫投与であるかに依存して変化する。治療有効量は、当該分野で公知 の方法を使用することにより決定され得る(例えば、HarlowおよびLane、1988を 参照のこと)。 代用の免疫原および薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物はまた、所望で あればアジュバントを含み得る。アジュバント(これは、例えば、フロイントの 完全アジュバントまたは不完全アジュバントを包含する)は、当該分野で公知で あり、そして購入可能である(Ribi Immunochem Research,Inc.;Hamilton,MT) 。アジュバントの添加は、治療有効量を得るために必要とされる代用の免疫原の 量に作用し得る。 薬学的に受容可能なキャリアはまた、例えば、代用の免疫原を安定化する、ま たは代用の免疫原の吸収を増加するために作用する他の生理学的に受容可能な化 合物を含み得る。このような生理的に受容可能な化合物は、例えば、炭水化物( 例えば、グルコース、スクロース、またはデキストラン)、抗酸化剤(例えば、 アスコルビン酸またはグルタチオン)、キレート剤、低分子量タンパク質、また は他の安定化剤あるいは賦形剤を包含する。当業者は、生理的に受容可能な化合 物を含む薬学的に受容可能なキャリアの選択が、例えば、組成物の投与経路およ び特定の代用の免疫原の物理化学的特性に依存することを熟知している。種々の 投与経路が当該分野で公知であり、そして例えば、静脈内注射、皮内注射、およ び皮下注射、経口投与、ならびに経皮投与を包含する。 中和抗体と交差反応する70Kのような自己抗原のアミノ酸配列は、例えば、ア ミノ酸配列の化学合成により得られ得る。ペプチドのような充分な量のアミノ酸 配列を得るために特に有用な手段は、組換えDNA法の使用により、これは、当該 分野で周知である(例えば、Sambrookら,Molecular Cloning: A laboratory ma nual (Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989)を参照のこと、これは、本明 細書中に参考として援用されている)。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は 、gp120/41に免疫学的に相同である70Kのアミノ酸配列をコードするヌクレオチ ドを増幅するために使用され得、そして増幅された配列は、発現ベクターにクロ ーン化され得、このベクターは、クローン化された配列の転写および翻訳を可能 にする。次いで、アミノ酸配列は、比較的純粋な形態で単離され得る。ヌクレオ チド配列を増幅する方法およびヌクレオチド配列をクローニングおよび発現す る方法は、当該分野で周知である(例えば、Sambrookら,1989を参照のこと;Ehr lich,PCR Technology: Principles and Application for DNA Amplification(S tockton Press 1989),もまた参照のこと、これは本明細書中に参考として援用 されている)。 被験体における免疫応答を刺激する方法は当該分野で周知であり、そして例え ば、HarlowおよびLane,Antibodies: A laboratory manual(Cold Spring Harbo r Loboratory Press 1988)に記載されており、これは本明細書中に参考として援 用されている。例えば、組成物は、皮内、筋肉内、または静脈内に投与され得る 。さらに、1回以上の追加免疫の投与が有利であり得る。追加免疫を投与する必 要性は、本明細書中に記載の方法を使用して被験体の血清中の抗70K抗体の存在 を測定することにより実験的に決定され得る。 本発明はまた、HIV-1感染を有する被験体の診断に有用である皮膚試験を提供 する。HIV-1に存在するエピトープと免疫学的に相同であるアミノ酸配列および 薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物は、HIV-1の感染が疑われる被験体に 皮内投与される。HIV-1感染の診断は、皮内注射の部位に免疫応答の証拠が観察 されることによりなされる。このような証拠(これは、注射部位での赤熱状態ま たは隆起を含む)は、遅延型過敏感反応を示し、これは次に、HIV-1感染の陽性 の診断を提供する。 診断皮膚試験は、約0.1mlの組成物を皮内注射することにより行われる。この 組成物は、HIV-1に存在するエピトープに免疫学的に相同であるアミノ酸配列で あり、および免疫応答を刺激し得る代用の免疫原、ならびに薬学的に受容可能な キャリアを含む(実施例IIIを参照のこと)。試験の結果は最大の程度の紅斑お よび硬化を測定することにより、または所望であれば生検により評価される。試 験は、試験される被験体が、部位を検査され得る点において特に有用であり、そ して結果が陰性の場合には、試験の結果の評価のために健康保護提供者(health care provider)への再訪を避け得る。 以下の実施例は例示を意図するが、本発明を制限しない。 実施例 I 70K およびHIV-1 gp120/41の免疫学的に相同な領域 この実施例は、70Kの免疫優性な領域とgp120/41の中和エピトープとの間で共 有される高度な相同性を示し、そしてHIV-1に免疫学的に相同な70Kのアミノ酸配 列を同定する。 HIV-1株IIIBのDNA配列(KO3455)をGenBankから得、そしてgp120(アミノ酸1 〜511位)およびgp41(512〜856位)に対するアミノ酸配列に翻訳した。V3 IIIB およびV3 MNに対する配列は、D'Souzaら、AIDS 5:1061-1070(1991)(本明細書 中に参考として援用される)から得た。U1 snRNP結合70KのDNA配列をGenBank(X 04654)から得、そしてアミノ酸配列に翻訳した。DouvasおよびSobelman、1991 により考察される理由から、発表されたより短い438のアミノ酸配列よりむしろ 、614のアミノ酸配列を用いた。短い方の配列は最も端のアミノ末端を欠くが、 このアミノ末端は長い方の配列においては存在する。しかし、この省略は70Kとg p120/41との間の全体の相同性に影響しない。 相同な配列は、各々のホモログにおいて同一のアミノ酸配列が同じオーダーで 存在する、少なくとも50%のアミノ酸同一性を有する少なくとも10のアミノ酸の 配列、または少なくとも75%の同一性を有する少なくとも4つのアミノ酸の配列 として定義された。ランダムに生じるそのようなマッチの確率は、それぞれ1.6 ×106中1および1.3×105中1である。コンセンサス結合配列(CBS)は目視検査 により同定した。他の相同性の領域は、ドットマトリックスプロット(ウィンド ウサイズ10、マッチ5、スコア100、ktup2、スピード1)により、GeneProルー チン(Riverside Scientific; Riverside,CA)およびVAX/VMSコンピューターを 用いて同定した。41のコントロールタンパク質(11,743アミノ酸)の広範囲の解 析もまた、同定された相同な領域の有意性を確認するために実施した(Douvasお よびSobelman、1991を参照のこと)。 70Kおよびgp120/41との間で共有される相同性の領域を図1.A.に示す。多数の 相同な領域(25)が明らかであり、そして70Kの206のアミノ酸を含む(アミノ酸 配列の33.5%)。1つの相同性の領域は、70KのU1 RNAに対する8アミノ酸結合部 位であり、これはドメインBに含まれる(322〜329位の四角を参照のこと)。実 際、この8アミノ酸配列は正確な配列ではなく、いくつかの核U1 RNA結合タンパ ク質において生じるコンセンサス結合配列(CBS)のファミリーである(図1.B. )。CBSは、示すように、2つの不変アミノ酸GおよびFならびに2つのほとん ど不変のアミノ酸AおよびVを含む。図1.B.に示すV3ドメインはHIV-1 IIIBから 得られたが、GRAFXT(配列番号26)配置はまた、MN、SF2およびSC株において生 じる。 70K中の疎水性配列(RDRDR反復(配列番号16)モチーフを含む)は、主にgp41 に相同である(図1.A.)。これらの相同性の領域は、70Kの513位およびgp41の73 2位で始まる19アミノ酸配列および、70K中の3つのさらなる配列を含む(表1、 配列5を参照のこと)。このgp41中の配列は、組換えgp160でワクチン接種した 個体における中和抗体の主要な標的である(Pincusら、J.Clin.Invest. 91:1987 -1996(1993))。 U1 RNA CBS中の枠組み構造配列とV3中の保存アミノ酸配列(図1.B.)との間の 一致は、CBSに結合するリガンドはまた、V3に特異的に結合し得、それゆえ免疫 学的に相同なアミノ酸配列であり得ることを示す。70KとV3ループとの間で共有 される免疫学的に相同な領域は、HIV抗体に対する中和決定基の主要なクラスタ ーを含む。70Kの2つのアミノ酸配列がV3配列と並び合わされる(図2)。ドメ インAに位置する1つの配列は、V3のアミノ末端の配列に免疫学的に相同である 。さらに、ドメインB由来のCBS(配列a)は、V3の先端付近の配列に免疫学的 に相同である。図2はまた、U1 RNA結合ポリペプチドAおよびB1のCBSを示す( 配列bおよびc)。 V3中に同定された重複する中和ドメインを、図2中のループ周囲の実線として 示す。合成ペプチドを直接および競合ELISAに使用して24アミノ酸の広い領域( ライン1)がHIV-1感染ヒト血清により認識される主要な中和エピトープを含む ことを示した(Ruscheら、Proc .Natl.Acad.Sci.,USA 85:3198-3202(1988)) 。さらに、広範中和モノクローナル抗体は、主要な中和領域を同定する(ライン 2;Durdaら、AIDS Res .Hum.Retroviruses 6:1115-1123(1990))。さらに、ラ イン2に大きく重複する配列(ライン3)は、HIV感染血清の多くのパネルと反 応し、そしてそれらによる中和をブロックした(Brolidenら、Proc .Natl. Acad.Scl.,USA 89:461-465(1992))。ライン4および5で表される配列は、 それぞれポリクローナルおよびモノクローナル抗HIV抗体と反応し、そしてそれ らによる中和をブロックした(Javaherianら、Proc .Natl.Acad.Sci.,USA 86 ;6768-6772(1989); Lamanら、Virology 66:1823-1831(1992))。V3ループのアミ ノ末端で、ライン6により表される領域は、タイプ特異的中和HIV抗体と反応し た(Kenealyら、AIDS Res .Hum.Retroviruses 5:173-182(1989))。 6つのラインの重複は、主要な中和V3エピトープクラスターが、70Kの2つの 免疫優性なドメインAおよびB中の配列に一致し、そして70Kのこの免疫学的に 相同な領域がV3ループの50%を含むことを表す。ヒトモノクローナル抗体を用い るV3ループの先端の正確なマッピングは、主要な免疫学的に相同な配列の保存さ れた性質をさらに強調する。2つの短い重複するエピトープであるGPGR(配列番 号30)およびGRAF(配列番号31;ライン7および7')は、分岐株(MNおよびIIIb を含む)において存在し、そして広範中和抗体の標的である(Gornyら、Proc .N atl.Acad.Sci.,USA 88:3238-3242(1991): Gornyら、J .Immunol. 150:635-64 3(1993))。さらなる保存セグメント(ライン8)も、広範中和抗体の標的であ り、そしてMN中のGPGRエピトープとは連続的であるが、IIIB中のGPGRエピトープ とは連続的でない。 不連続で形状的に感受性のエピトープは、gp120のCD4結合部位を含むエピトー プのC4クラスターを中和するにおいて重要であるが、V3クラスターを中和するに おいてはそれ程重要ではない。ライン7および7'により表される直線状V3エピト ープ(これは広範中和抗体の標的である)は、70Kおよび関連するスプライシン グタンパク質のU1 RNA結合部位中の高度に保存されたアミノ酸配列に一致する。 70Kにおいては、他の核自己免疫抗原のように、免疫優性な部位はまた機能的に 重要な部位であり、そしてほとんどすべての抗RNP抗体がRNAスプライシングを阻 害する。 実施例 II 70K およびHIV-1 gp120/41の交差反応性 本実施例は、HIV-1+個体から得た抗血清が70Kと反応し得、そして抗RNP抗体が gp120/41と反応し得ることを示す。 抗RNP血清は、the University of Southern Californis Health Sciences Cen ter(Los Angeles,CA)リウマチ診療部の外来において処置されたMCTD患者から 得、そして免疫蛍光で測定して抗核抗体(ANA)陽性および二重拡散で測定して のドナーは、SS-A/Ro抗体陽性であることが確認された。正常血清は、研究所職 員から得、そしてこれらはANA陰性であることが確認された。HIV-1感染ドナー由 来の血清は、the University of Southern California Health Sciences Center から得、そしてこれらはOrganon Teknika(Durham,NC)から得たキットを使用 したウエスタンブロッティングによりHIV+であることが確認された。図3および 図4に表すイムノアッセイの結果は、Douvas(1982)に記載のようにいくつかの 抗RNP血清およびいくつかのコントロール血清から硫酸アンモニウム分画およびD EAEクロマトグラフィーによりIgGを単離することにより確認された。 組換えHIV-1 gp120(Du Pont; Boston,MA)、V3 IIIB(Sigma; St.Louis,M O)ならびにgp41およびV3 MN(ABT; Cambridge,MA)は購入した。ウエスタンブ ロッティング分析用の部分精製70Kは、Douvasら(1979)およびDouvas(1982) により記載される核分画および抗体アフィニティークロマトグラフィー方法を使 用して、ラット肝臓(Pelfreeze; Rogers,AK)から単離した。 ELISAアッセイを本質的にCrowら、Cell .Immunol. 121:99-112(1989)(本明 細書中に参考として援用される)に記載のように実施した。簡潔に記載すると、 飽和濃度の抗原をプラスチックマイクロタイタープレートに4℃で12時間吸着さ せ、次いでプレートを洗浄して未反応部位を1%ウシ血清アルブミン−リン酸緩 衝化生理食塩水(BSA/PBS; pH 7.5)を用いてブロックした。血清を0.1%のBSA/P BS中で1:100希釈し、そして適切なウェルに添加した。サンプルを4℃で一晩イ ンキュベートした。インキュベーションの後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HR P)結合ヤギ抗ヒト免疫グロブリン(Ig)(Zymed,San Francisco,CA)を1;100 0希釈し、そしてサンプルに添加した。インキュベーションを室温で1時間継続 し、そして結合した抗体をo-フェニルジアミンを使用して同定した。光学密度を 自動ELISAリーダーを使用して490 nmで測定した。 電気泳動を10%ポリアクリルアミドゲルを使用して実施し、そしてウエスタン ブロット分析をTowbinら、Proc .Natl.Acad.Sci.,USA 76:4350-4354(1979) (本明細書中に参考として援用される)に記載のように実施した。血清をウエス タンブロット分析のために1:250希釈した。ブロットを、二次抗体としてHRP結合 ヤギ抗ヒトIg(1:3000希釈)(Tago; Concord,CA)を用いて発色した。 アミノ酸配列相同性解析(図1および2)により予測された70Kおよびgp120/4 血清(SS)のリウマチコントロール群および8つの正常血清(NL)のHIV-1抗原 に対する反応性を比較するELISAを用いて確認した(図3)。使用したHIV-1抗体 は、組換えgp120、V3(IIIB)およびgp41であった。 gp120に対する平均反応性は、RNP(0.13)、SS(0.14)およびNL(0.03)血清 に比較して、HIV血清(0.67 OD490)が最高であった(図3.A.)。同様に、HIV血 清(0.5)は、RNP(0.26)、SS(0.15)およびNL(0.09)血清に比較して、gp41 に対する最高の反応性を有した(図3.C.)。対照的に、RNP血清は、HIV(0.26) 、SS(0.16)およびNL(0.09)血清と比較してV3ループに対して最高の反応性( 0.29)を有した(図3.B.)。 結果はまた、SSグループの血清の反応性は正常血清より高いが、3つすべての HIV抗原について本質的に同じであることを示す。さらに、SS血清はRo/SSA抗原 と反応するが、これはgp120/41に対して有意な構造的な相同性を有さない。従っ て、SS血清は自己免疫血清の周知の一般的な過剰反応性を示すが、構造的な相同 性に基づいたエピトープ特異性の証拠は示さない。 結果は、HIV+血清がgp120に対する最高の反応性を有することを示す。gp120は 多数のさらなるエピトープ(70Kには相同ではないC4クラスター中のエピトープ を含む)を含む。対照的に、抗RNP血清は、gp120分子全体に対するよりも2倍よ り高いV3に対する反応性を示し、そしてV3に対する反応性はHIV+血清の反応性と 等価(わずかに高い)である。この結果は、70K中の主要エピトープと一致するV 3ループ中の免疫学的に相同な領域のより高い濃度に一致する(図2を参照のこ と)。抗RNP血清はまた、gp120に対するよりもgp41に対して2倍反応性である。 図1に示すように、gp41の免疫学的に相同な領域の大部分は、親水性配列および RDRDR反復(配列番号16)配列のようなモチーフに対応する。これらは、70K中の エピトープであり、そしてこのことは70Kの親水性カルボキシ末端の大部分を占 める。これらは、gp41の732位で始まる19アミノ酸配列を含む(表1も参照のこ と)。 HIV+および抗RNP血清の2つの分岐HIV-1株IIIbおよびMNのV3ループに対する反 応性もELISAにより比較した。IIIBに比べてMNに対するHIV+血清の著しい株特異 性が観察された(図4.A.;平均値、それぞれ0.536および0.144、すなわちMNに対 する3.7倍の優先)。図4.A.はまた、正常血清(NL)のIIIB(0.02)およびMN(0 .03)に対する反応性を示す。抗RNP血清は、MNよりも33%高いIIIBに対する反応 性のみ有していた(図4.B.)。これらの結果は相同性解析のための実験的支持を 提供し、このことは70Kおよび関連するU1 RNA結合タンパク質のCBS中の保存不変 配列が、V3ループ中の保存アミノ酸配列に免疫学的に相同であったことを表す( 図1および2)。 抗RNP自己抗体は主としてIgGイソタイプである。ELISAアッセイにより検出さ れた交差反応性抗体(図3および4)のイソタイプを決定するために、熱不活性 化血清をDouvas(1982)に記載のように硫酸アンモニウム分画およびイオン交換 クロマトグラフィーに供した。結果は、検討した各々の血清中の反応性の95%がI gG抗体に起因し、そして5%未満がIgMに起因したことを示した。さらに、図4に 示した比較を精製IgGを使用して繰り返した場合、結果は再びHIV+血清によるMN についての著しい優先を示し、そして抗RNP自己抗体による実質的な選択性を示 さなかった。 ウエスタンブロット分析を用いて、HIV感染個体由来の血清が70Kエピトープを 認識するか否かを決定した。70KをDouvas(1982)に記載のように核から部分精 製した。10すべてのHIV+血清が70Kおよび70Kの分解産物と反応した(図5)。HI V+血清の8つが70Kと強く反応し、そして1つの血清(レーン7)が抗RNP抗体( レーン12〜14)より一貫して強く反応した。HIV血清の70Kとの強い交差反応性は 、HIV感染個体のT細胞が70Kエピトープと反応し得ることを示す。 表1は、70Kの免疫学的に相同な領域を、ウイルス中和(これは免疫防御の尺 度である)に関連するgp120/41エピトープおよび有害な効果に関連するエピトー プと比較する。感染の増強、アネルギー、または免疫抑制に関連するgp120/41配 列はクラスIおよびクラスII MHC分子に相同ないくつかの配列を含むが、この配 列のいずれもが70Kに相同ではない(表1.B.)。 対照的に、gp120/41の中和エピトープは、全部て11の非重複の70Kの免疫学的 に相同な領域と並んだ。特に、配列1および5は、70Kの2つの主要な抗原性モ チーフであるERKR(配列番号32)およびRDRDR(配列番号16)を含む。RDRDR(配 列番号16)モチーフは、gp41の配列5に広範な相同性を共有する長い70K配列中 に含まれる。gp41の配列5は、HIV感染血清に対する反応性の部位およびgp160で ワクチン接種したボランティア由来の抗体の標的の両方としての主要な抗原であ ると考えられる。70K CBSと配列2との間の相同性は、先に論じた。 gp120の配列3であるRLGGGDMRは、70K配列の3つの配列、GGGDM(配列番号33 )、RLGGG(配列番号34)およびLRGGG(配列番号35)に免疫学的に相同である。 この配列を含むペプチドに対する抗体は、低い力価ではあるが、中和する。GGG トリプレットにおけるおよびそれを越えたgp120の欠失変異は、そのCD4+細胞へ の結合能力をなくす(Kowalskiら、Science 237:1351-1355(1987))。gp41中の 中和エピトープである配列4(これは70Kのアミノ末端付近の配列に免疫学的に 相同である)はまた、HIV-1複製を直接阻害するペプチド中に含まれる(Surowy ら、1989)。 先に示した結果は以下を示す、(1)抗RNP抗体はV3ループとHIV+血清の力価と等 価な力価で交差反応する(図3);(2)V3中の主要な中和エピトープは70K中の主 要エピトープ(そのU1 RNA CBSを含む)と一致する(図2);(3)gp41中の親水 性エピトープは70K中の抗原性親水性モチーフに免疫学的に相同である(図1お びgp41の両方に選択性を欠く(図3);そして(5)HIV抗体は70Kと交差反応する (図5)。 実施例 III HIV-1 感染のための診断的皮膚試験 この実施例は皮膚試験を実施するためおよび試験の結果を評価するための方法 を提供する。 HIV-1に存在し、そして免疫応答を刺激し得るエピトープに免疫学的に相同な アミノ酸配列を含む約0.1mlの組成物および薬学的に受容可能なキャリアを、前 腕の屈筋または背面表面に、肘の約4インチ下で皮内で注射した。注射の前に部 位を70%のエチルアルコールの溶液を用いて消毒しなければならない。ディスポ ーザブルシリンジおよび針を注射のために使用し得、そして別個の減菌ユニット を試験した各個人のために使用する。 針の先端を皮膚の最表層に針の斜端を上に向けて挿入する。組成物の注射によ りサイズが6〜10 mmの青白い水疱が形成され、これは迅速に吸収される。水疱 が形成されない場合は、注射物は皮下で送達たようであり、そして試験を少なく とも5cm移動した別の部位ですぐに繰り返さなければならない。同様に、組成物 が注射部位から漏れる場合は、試験を繰り返さなければならない。 免疫応答の証拠を、組成物の注射後48時間と72時間との間および所定の任意の 追加の時間に測定した。反応サイズを垂直の直径の合計の半分として算出する。 5mmより大きい反応を「陽性」と考える。「陰性」反応は、例えば、非HIVウイ ルス感染のような非特異的サプレッサー、生ウイルスワクチン、コルチコステロ イドの事前の投与または栄養失調に起因する間違いではないことを注意しなけれ ばならない。 本発明は上記の実施例を参考に記載されたが、種々の改変が本発明の精神から 逸脱することなくなされ得ることが理解されるべきである。従って、本発明は以 下の請求の範囲によってのみ制限される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 38/00 ABD A61K 37/02 ABD (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C Z,EE,FI,GE,HU,JP,KG,KP,KR ,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SI,S K,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 エレスマン, グレン アメリカ合衆国 カリフォルニア 91101, アルタデナ,ミードウブルック ロード 1941 (72)発明者 タケハナ, ヨシ アメリカ合衆国 カリフォルニア 90807, ロング ビーチ,セダー アベニュー ナンバー201 3500

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.70K自己抗原またはCENP-B自己抗原のアミノ酸配列を有する組成物であって 、該アミノ酸配列が免疫学的にHIV-1に相同であることにより特徴付けられる、 組成物。 2.自己抗原のアミノ酸配列を有する組成物であって、該アミノ酸配列が免疫学 的にHIV-1 gp120/41に相同であることにより特徴付けられる、組成物。 3.前記自己抗原が70Kであり、そして前記免疫学的に相同なアミノ酸配列が以 下の配列である、請求項2に記載の組成物: 4.前記免疫学的に相同なアミノ酸配列が以下であることにより特徴付けられる 、請求項2に記載の組成物: 5.前記免疫学的に相同なアミノ酸配列が免疫原性であることにより特徴付けら れる、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。 6.薬学的に受容可能なキャリアおよび自己抗原を含有する薬学的組成物であっ て、該自己抗原が請求項1〜5のいずれかに記載の組成物であることにより特徴 付けられる、薬学的組成物。 7.前記自己抗原が図6(配列番号21)に示す70Kであることにより特徴付けら れる、請求項6に記載の薬学的組成物。 8.ヒトの被験体においてHIV-1感染を診断する方法に使用するための、請求項 1〜7のいずれかに記載の組成物。 9.前記方法が皮膚試験であることにより特徴付けられる、請求項8に記載の組 成物。 10.前記方法が、インビトロで行われることにより特徴付けられる、請求項8 に記載の組成物。 11.HIV-1感染を有することが疑われる被験体においてHIV-1感染を診断するた めのキットであって、該キットが請求項1〜7のいずれかに記載の組成物が付着 している固体支持体、該組成物に結合する制御抗体、および検出可能な部分を含 むことにより特徴付けられる、キット。 12.ヒトの被験体の治療処置のための方法に使用される、請求項1〜7のいず れかに記載の組成物。 13.前記治療処置がHIV-1に対する免疫応答を刺激する方法であることにより 特徴付けられる、請求項12に記載の任意の組成物。
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