【発明の詳細な説明】
髪飾り
技術分野
この発明は、髪飾り、詳しくは、様々なタイプのヘアースタイル、特に、ポニ
ーテールとして知られているヘアースタイルに用いられる髪飾りまたはヘアース
カーフに関するものである。
背景技術
ポニーテールとして知られるヘアースタイルにおいては、髪は、比較的頭頂に
接近した位置または頭頂から離れた位置で制限されてその位置から下方に自由に
垂れるように保持されて、ある種の髪抑制部材によって巻かれている。髪を保持
するために用いられる最も一般的な器具は、ゴム製バンドであり、所望の堅さの
巻付けが得られるまで多数回巻かれる。ゴム製バンドは、全く装飾的な効果をも
たらすものではないので、ファッション性という観点からは特に望ましいもので
はない。
ポニーテールの髪型を得るための同種のタイプの保持手段であって、単純なゴ
ム製バンドより装飾的な性質の器具が多数提案されている。
そのような器具の一例は、米国特許第 2,668,547号に開示されており、ゴム製
バンドと同じように、完全に髪を取り巻くように装飾的なメッシュが弾性止め具
に結合されている。異なる例は、米国特許第 2,805,673号に開示されており、装
飾的なバンドに、髪を掴んでバンドを予め決められた位置に支持するためのくま
手部材が円周状に一定間隔で配置されている。また異なる例は、米国特許第 2,9
45,500号に開示された、髪を所望の方法で保持して係止することができるように
からみ合うように構成されたリボン状部材である。さらに異なる器具は、米国特
許第 3,099,271号に開示された、髪を所望の方法で固定する紐を係止した種々の
固着具である。またさらに異なる器具は、米国特許第 3,301,266号にも開示され
ており、髪を所望の方法で固定する紐状の器具が固着され係止されている。また
、さらなる先行技術は、米国特許第 5,156,171号に開示された装飾的な織物であ
り、
髪を所望の方法で固定するための弾性部材が織物の周りに円周方向に係止されて
いる。
異なる先行技術は、米国意匠特許第 292、030号に開示されており、環状の織
物部材が、髪を所望の方法で固定するために幾度も巻き付けられる例えばゴム製
バンドのような弾性材料を取り巻くように構成されている。この後者のタイプの
器具は、織物を種々の色彩およびデザインで作製することができ、髪に付けたと
きに単純なゴム製バンドよりもよりファションナブルな外観を与えるので今日人
気がある。しかしながら、このタイプの髪保持用バンドは、ポニーテールに用い
たときには、内部のエラストマー材料が完全に円周方向の性質を有するために、
髪に対しひだが寄り堅く締まった外観を呈する。この織物に寄ったひだは、織物
のデザインを覆い隠してしまうことが多い。
本発明の目的
本発明の目的は、使い易く、髪を保持するのに効果的であり、かつ、装飾的で
ある、審美的に好ましい髪保持具を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、従来の髪保持具よりも比較的使い易く、かつ、より
好ましい装飾的な効果をもたらす、改善された髪保持具および髪飾りを提供する
ことにある。
本発明のさらなる目的は、比較的製造が容易であり、かつ、髪を、他の保持具
を用いずにその位置に保持するのに効果的な髪保持具を提供することにある。
本発明の概要
例えば、ポニーテールを結うために用いられる改善された髪保持具は、装飾的
な織物で構成されており、この織物は任意の所望の色彩または模様を有していて
もよい。織物は、連結されていない細長い形状で提供され、中央部に沿ってエラ
ストマー部材の短い切片が配置されており、この結果として、エラストマー材料
が引き伸ばされていない状態では、エラストマー材料の弛緩により、中央部にひ
だが寄せられた細長いリボン状部材になる。
例えば、ポニーテールの髪型を結うために使用されるときには、髪が束ねられ
て、本発明による髪飾りまたはヘアスカーフが引き伸ばされて、髪をポニーテー
ルの型に保持するように単純な輪にして一回結ばれる。エラストマー材料は本来
の引き伸ばされていない状態に戻ろうとする傾向を有するため、この結ぶという
単純な動作によって半径方向内側に向かう力が髪上に生じ、また、織物の摩擦に
よる係止によって髪保持具はその場に留まる。
図面の簡単な説明
第1図は、本発明の実施の形態の一つであって、引き伸ばされた形状のエラス
トマー部材のシルエットを示す平面図、
第2図は、本発明の好適な実施の形態の一つであって、エラストマー部材が引
き伸ばされていない弛緩した状態を示す第1図に類似する図、
第3図は、第1図の3−3線に沿った断面図、
第4図は、第2図の4−4線に沿った断面図、
第5図は、人の髪に本発明を適用するときの最初の手順を示す斜視図、
第6図は、取り付けられた状態の本発明による髪保持具を示す背面図、
第7図は、第6図を7−7線に沿った断面図、
第8図は、本発明の他の実施の形態であって、引き伸ばされた形状のエラスト
マー部材を示す平面図、
第9図は、エラストマー部材が引き伸ばされていない弛緩した状態における第
8図の実施の形態を示す平面図、
第10図は、第8図を10−10線に沿った断面図、
第11図は、第9図を11−11線に沿った断面図、
第12図は、本発明の他の実施の形態であって、引き伸ばされた形状のエラス
トマー部材を示す平面図、
第13図は、エラストマー部材が引き伸ばされていない弛緩した状態における
第12図の実施の形態を示す平面図、
第14図は、第12図を14−14線に沿った断面図、
第15図は、第13図を15−15線に沿った断面図、
第16図は、本発明のさらに他の実施の形態であって、引き伸ばされた形状の
エラストマー部材を示す平面図、
第17図は、エラストマー部材が引き伸ばされていない弛緩した状態における
第16図の実施の形態を示す平面図、
第18図は、第16図を18−18線に沿った断面図、
第19図は、第17図を19−19線に沿った断面図、
第20図は、本発明の他の実施の形態であって、引き伸ばされた形状のエラス
トマー部材を示す平面図、
第21図は、エラストマー部材が引き伸ばされていない弛緩した状態における
第20図の実施の形態を示す平面図、
第22図は、第20図を22−22線に沿った断面図、
第23図は、第21図を23−23線に沿った断面図である。
好ましい実施の形態の詳細な説明
第1図〜第4図に示すように、本発明の好ましい実施の一形態において、本発
明による髪飾り10は、好ましくは、周辺縁部16および18において適宜に縫い合わ
された2つの織物製レイヤー12および14から形成されている。例えば、織物製レ
イヤー12の縁部16は例えば20において、また、織物製レイヤー14の縁部18は例え
ば22において内側に折り込まれ、中空内部24を規定するように縫い合わされてい
てもよい。織物製レイヤー12および14は、任意の色彩または多数色からなる任意
の模様を付すことができ、また、例えば、図示したような蝶ネクタイの形状、ま
たは、三角形、丸形、その他の任意の所望の形状に形成することができる。
2つの織物製レイヤー12および14を縫い合わせる前に、弾性部材26のようなエ
ラストマー材料を、織物製レイヤーのいずれか一方、例えば、織物製レイヤー14
に固定する。弾性部材26は、弾力的に伸張するように、織物製レイヤー14に固定
される前に引き伸ばされ(第1図参照)、織物製レイヤー14の中央部分に沿って
例えば28において縫いつけられている。弾性部材26は、織物製レイヤー14の全長
の長さまでは伸張しないが、引き伸ばされたときに、ポニーテールを形成するの
に望ましい量の髪を円周方向に取り巻くことができる長さを有している。織物製
レイヤー12および14は、第1図に示すように、弾性部材26の両端を超えて、ポニ
ーテールを形成したときにヘアバンドがその位置で望ましい装飾的効果をもたら
すのに十分な距離まで伸びている。細長く伸びた織物製レイヤーの長さは、所望
するスタイルに応じて、およそ10〜14インチ(25〜36cm)であることが
好ましいが、勿論、審美的観点からこれよりも長くすることができる。また、弾
性部材の長さは、およそ5〜6インチの間(12〜16cm)が好ましい。弾性部
材もまた、細長く伸びた織物部材に対応して、長さを長くすることができる。弾
性部材26は、使用前の静止状態では、第2図の矢印方向に向かって本来の形状に
収縮しており、ヘアスカーフ10の織物の中間部にひだが寄った外観を形成してい
る。
弾性部材26を内蔵する中空内部を形成するための織物の折り重ねは、審美的な
目的から有益であるとともに、機能的な利点も有している。第6図および第7図
に示すように、エラストマー材料が結ばれた後で縮むときに、ひだが寄った外観
を形成する織物の縮みは、ヘアスカーフに審美的な魅力を付加するとともに、髪
の周囲に織物地を寄せる。このひだが寄せられた織物地は、加えて、ヘアスカー
フが髪の周りに結ばれたときに、摩擦表面力を増加させる織物の接触表面積を大
きくし、スカーフが一日中その場所に保持され留まっていられるだけの能力を増
大させるのにも役立つ。
第5図〜第7図を参照して本発明の使用方法を説明する。第5図に示すように
、本発明による髪飾りまたはヘアスカーフ10が、ポニーテールに結われる髪30の
下に配置されており、第1端部32は矢印34の方向に移動させられる一方、第2端
部36は矢印38の方向に移動させられ、相互に交差させることにより係止されて単
純結び目40を形成する(第6図および第7図参照)。結び目を作るときにエラス
トマー材料は、第1図に示す状態まで引き伸ばされ、引き伸ばされた状態のまま
で結び目40が形成される。結び目40は弾性部材26が引き伸ばされた状態で形成さ
れるので、結び目40を形成して端部36および38を解放すると、弾性部材26は、第
2図に示すように、引き伸ばされていない状態に戻ろうとする傾向を示す。エラ
ストマー材料は既に結び目40に形成されてしまっているため、エラストマー材料
の締め付けにより、髪38を所望のポニーテールに維持するために十分な半径方向
内側への分力と、またさらには、結び目が解けないように、結び目部42で接触し
ている織物が摩擦的に係止されたまま維持されるために十分な力とが生じる。
第8図〜第11図を参照して、本発明の他の実施の形態について述べる。この
実施の形態においては、髪飾り44が、それぞれの部位の管状織物部材を形成する
ように一方の縁部52が例えば54において縫いつけられた、3つの別個の材料切片
46、48および50から組み立てられている。弾性部材26は、中央管状部材48の中に
配置されている。第8図に示すように、弾性部材26が引き伸ばされた状態で、両
端の織物切片46および50は折り重ねられて、例えば56および58において縫い付け
られてそれぞれ固定されて、組み立てられている。
第8図〜第11図による実施の形態では、所望により中央部48の織物をある色
彩とし、両端の切片46および50を他の色彩とできることは明らかである。また、
第11図から明らかなように、この実施の形態による蝶ネクタイの魅力を増すた
めに、端部パネル46および50の折り重ねることにより、本質的に4層の材料から
なる一層ふっくらした端部を獲得することも可能である。
第12図〜第15図に示す他の実施の形態について述べる。この実施の形態に
おいては、第8図〜第11図による実施の形態のように、髪飾り60は3つの別個
の材料切片62、64および66から組み立てられており、また、第8図〜第11図に
よる実施の形態のように、織物パネルは中空または管状部材を構成するように縁
部68が例えば70において縫い合わされている。この実施の形態では、弾性部材26
は、中央パネル部材64の中に配置されて引き伸ばされており、この接合点で端部
パネル62および66は、中央パネル64に例えば72および74においてそれぞれ縫い付
けられて、組み立てられている。
この実施の形態では、エラストマー材料は、中央パネル64の一方の縁部に隣接
して配置されており、このため髪飾りは使用者の髪に付けられたときにやや異な
った外観を呈示する。第8図〜第11図による実施の形態の場合のように、髪飾
りを使用したときの外観に変化を与えるために、異なる材料を選択したり、端部
パネル62および66について異なる形状を選択してもよい。
第16図〜第19図を参照して、第1図〜第4図による実施の形態のように、
髪飾り80を構成するために一組の織物パネル76および78が用いられている、本発
明のさらに他の実施の形態について述べる。パネル76および78は、それぞれの周
縁部の周りが例えば82で縫い合わされ、閉鎖された中央部を形成している。この
実施の形態では、弾性部材26は髪飾り80の内部に配置され、織物パネルおよびエ
ラストマー材料は引き伸ばされ、エラストマー材料26の両端は例えば84および86
において縫い付けられており、また、引き伸ばされた状態のままで、織物パネル
76および78は、エラストマー材料26の両側の例えば88および90において縦方向に
縫い合わされている。このように、エラストマー材料26は、その両端が織物パネ
ルに固定され、その中間の長さ全体は織物パネルに固定されていないが、縫取り
88および90によってパネルの内部を移動できないよう抑制されている。
第20図〜第23図を参照して本発明のさらに他の実施の形態について述べる
。この実施の形態では、第1図〜第4図および第16図〜第19図による実施の
形態と同様に、髪飾り96を構成するために、周縁部が縫取り98によって接合され
ている一組の織物パネル92および94が用いられている。エラストマー部材26は織
物に沿って引き伸ばされ、その両端部100および102は織物の一方の縁部104に隣
接してそれぞれ固定されている。
既に明らかなように、本発明の基本原則が単純な髪飾りに大幅なバリエーショ
ンをもたらす方法と構造を提供できるように、ここで述べた本発明の様々な実施
の形態は、異なった外観およびデザインをもたらすための構造の幅広い選択肢を
提供するものである。
前述の本発明の好ましい実施の形態より明らかなとおり、装飾的な効果の大幅
なバリエーションをもたらすとともに、特にポニーテールとして知られているヘ
アースタイルにおいて髪を協同的に係止し効果的に保持するのに効果的な装飾的
なヘアースカーフが開示されている。
開示され説明された発明の構成はその好ましい一実施の形態の説明として理解
されるべきものであり、また、添付の請求の範囲に記載された発明の精神および
範囲を逸脱しない限りにおいて、部品の形状、サイズおよび配置を様々に変化さ
せてもよい。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),JP