JPH10504705A - 色素上皮誘導因子:pedf遺伝子の特性評価、ゲノム構成および配列 - Google Patents

色素上皮誘導因子:pedf遺伝子の特性評価、ゲノム構成および配列

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JPH10504705A JP8501287A JP50128796A JPH10504705A JP H10504705 A JPH10504705 A JP H10504705A JP 8501287 A JP8501287 A JP 8501287A JP 50128796 A JP50128796 A JP 50128796A JP H10504705 A JPH10504705 A JP H10504705A
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Abstract

(57)【要約】 色素上皮誘導因子(PEDF)として知られている神経栄養性蛋白質、rPEDFと称されるPEDFの端が切断されているもの、および等価な蛋白質をコードしている核酸、そのような核酸を含むベクター、そのようなベクターが導入されている宿主細胞、PEDF、rPEDFおよび等価な蛋白質を産生する組換え法、組換え法により産生されたrPEDF蛋白質およびrPEDFの等価な蛋白質およびPEDF−BP、−BXおよび−BAおよびPEDF蛋白質。これらの変異体の:1)神経分化(神経栄養性効果)、2)ニューロン生存(神経細胞栄養性効果)および3)グリア細胞阻害(グリア細胞静止性効果)に対する効果および使用が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 色素上皮誘導因子:PEDF遺伝子の特性評価、ゲノム構成および配列 関連出願 本出願は1992年9月24日に出願された特許出願第07/952,796 号の一部継続出願である1994年6月7日に出願された特許出願第08/25 8,963号の一部継続出願である。 技術分野 本発明は神経栄養性、神経細胞栄養性およびグリア細胞静止性蛋白質に関する 。特に、本発明は色素上皮誘導因子(PEDF)として知られている蛋白質の生 物学的特性およびその蛋白質の組換え形に関している。本発明はまたrPEDF と称されるPEDFの端を切り取ったものにも関している。PEDFおよびrP EDFおよび機能的に等価な蛋白質に加え、本発明はrPEDFおよびその断片 をコードしている核酸、そのような核酸を含むベクター、そのようなベクターが 導入されている宿主細胞およびそのような蛋白質を産生するためのこれらの宿主 細胞の使用にも関している。 背景技術 色素上皮誘導因子(または色素上皮分化因子として知られている)は、培養ヒ ト網膜芽腫細胞の神経突起成長を誘導できる細胞外神経栄養性作因として培養ヒ ト胎児網膜色素上皮細胞の馴化培地で同定された(Tombran−Tink et al.(1989)Invest.Ophthalmol.Vis.Sc .,30(8),1700−1707)。PEDF源、即ち網膜色素上皮(R PE)は網膜神経の正常な分化および機能に決定的なものであろう。増殖因子を 含む種々の分子がRPE細胞により合成および分泌される。RPEは網膜神経に 先だって分化して隣接して存在し、およびそれが血液ー網膜障壁の一部として機 能しているため(Fine et al.(1979)The Retina. Ocular Histology:A Text and Atlas ,Ne w York,Harper & Row,61−70)、RPEは目の血管性 、 炎症性、消耗性(degenerative)および異栄養性(dystrophic)疾患に関係している と考えられる(Elner et al.(1990)Am.J.Pathol .,136,745−750)。増殖因子に加え、栄養および代謝物もまたRP Eおよび網膜間で交換されている。例えば、RPEはよく知られた増殖因子PD GF、FGF、TGF−α、およびTGF−βを網膜に供給している(Camp ochiaro et al.(1988)Invest.Ophthalmo l.Vis.Sci .,29,305−311;Plouet(1988)In vest.Ophthalmol.Vis.Sci .,29,106−114; Fassio et al.(1988)Invest.Ophthalmol .Vis.Sci .,29,242−250;Connor et al.(1 988)Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.,29,30 7−313)。RPEにより供給されたこれらおよび他の未知の因子が網膜の構 成、分化および正常な機能発揮に影響していることは非常にありそうなことであ る。 RPEにより分泌される推定の分化因子の効果を研究および決定するため、培 養細胞に網膜抽出物およびヒト胎児RPE細胞の培養で得られた馴化培地が加え られた。例えば、米国特許第4,996,159(Glaser)は約57,0 00+/−3,000の分子量のRPEから回収された血管新生阻害剤を開示し ている。同様に、米国特許第1,700,691(Stuart)、4,477 ,435(Courtoisら)および4,670,257(Guedon b orn Saglierら)は網膜抽出物および細胞再生および眼疾患処置にお けるこれらの抽出物の使用を開示している。さらに、米国特許第4,770,8 77(Jacobson)および4,534,967(Jacobsonら)は ウシ硝子体液の後方部から精製された細胞増殖阻害剤を開示している。 PEDFは最近ヒトRPEから50−kDa蛋白質として単離された(Tom bran−Tink et al.(1989)Invest.Ophthal mol.Vis.Sci.,29,414;Tombran−Tink et al.(1989)Invest.Ophthalmol.Vis.Sci., 30,1700−1707;Tombran−Tink et al.(199 1)Exp.Eye Res.,53,411−414)。特に、PEDFは正 常網膜芽細胞に対応する新生物性体であるヒトY79網膜芽腫細胞の分化を誘導 することが示されている(Chader(1987)Cell Differe nt .,20,209−216)。PEDFにより誘導された分化的変化には神 経突起の複雑な網目の拡張、およびニューロン特異的エノラーゼおよび神経フィ ラメント蛋白質のような神経性マーカーの発現が含まれる。このこと故にRPE によるPEDF蛋白質の合成および分泌が網膜神経の発達および分化に影響して いると信じられている。さらに、PEDFは未分化のヒト網膜細胞(Y79網膜 芽腫細胞のような)でのみ多く発現されており、それらが分化するとなくなるか またはダウンレギュレーションされている。最近、PEDF mRNAが静止状 態の胎児ヒトW1線維芽細胞で多量に発現され、およびそれらが老化すると発現 されないことが報告された(Pignoloら、1993)。 PEDFのさらなる研究および網膜および中枢神経系(CNS)の炎症性、血 管性、消耗性および異栄養性疾患の処置におけるその治療的使用の可能性の試験 にはPEDFを多量に入手する必要がある。不幸にして、ヒト胎児の目において PEDFは豊富には存在せず、さらにその源となる組織はほとんど入手できない ことが(特に、研究および治療応用における胎児組織の使用制限をかんがみると )さらなるPEDFの研究を最も困難なものにしている。それ故PEDFおよび 等価な蛋白質が多量に必要とされている。従って、PEDFおよび等価な蛋白質 をコードしている核酸の多量の入手、およびPEDFおよび等価な蛋白質を産生 する能力はPEDF、その構造、生化学的活性および細胞機能の研究ならびにP EDFの治療的使用の発見および設計に著しく強い影響を与えるであろう。 発明の概要 PEDFおよびその機能的断片をコードしている核酸、そのような核酸を含む ベクター、そのようなベクターが導入されている宿主細胞、およびPEDFおよ び等価な蛋白質を産生する組換え法を提供することが本発明の目的である。本発 明の別の目的はPEDFをコードしているゲノムDNA配列を得、ヒトゲノム中 のイントロンーエクソン連接(ジャンクション)、染色体位置を同定し、ゲノム 配列に隣接する該遺伝子の制御領域を提供することである。本発明はそのような ゲノムPEDF DNAに関している。 本発明のさらなる目的は、PEDFの構造的特性を提供し、セリンプロテアー ゼ阻害剤のセルピンファミリーへの構造的および機能的類似性を提供することで ある。 本発明のさらに別の目的は、そのような組換え法に従って産生されたPEDF および等価な蛋白質を提供することであり、ここでそのように産生されたPED Fおよび等価な蛋白質は天然に存在する源となる生物体からのPEDFの単離に 付随する危険性を伴っていない。 本発明の別の目的は、rPEDFと称されるPEDFの端が切断されたものに 対する核酸、そのような核酸を含むベクター、そのようなベクターが導入されて いる宿主細胞、およびrPEDFおよび等価な蛋白質を産生する組換え法を提供 することである。そのような組換え法に従って産生されるrPEDFおよび等価 な蛋白質を提供するのも本発明の目的である。 神経細胞栄養性およびグリア細胞静止活性を持つPEDF蛋白質を提供するの が本発明のさらなる目的である。神経細胞栄養性活性は神経細胞の生存を長くす ることで見ることができる。グリア細胞静止活性はPEDFまたはその活性断片 存在下でのグリア細胞の増殖阻害で観察できる。本発明の別の目的はニューロン 生存を助長/促進するように、およびグリア細胞の増殖を防止するように神経細 胞を処理するための方法を提供することであり、それはそのような細胞集団を有 効量のPEDFまたはその活性断片で処理することを特徴としている。 本発明のさらに別の目的はPEDFを特異的に認識する抗体を提供することで ある(モノクローナルまたはポリクローナル、天然の蛋白質、組換え体蛋白質ま たはその免疫活性断片に対して)。本発明の目的は老化および/または他の消耗 性疾患の決定においてそのような抗体調製物を使用するイムノアッセイによりP EDFを検出する方法を提供することである。本発明の別の目的は特異的にPE DF活性を阻害するためにPEDF抗体を使用する方法に関している。 本発明のこれらのまたは他の目的および利点、ならびに追加の発明の特色はこ こに提供された発明の説明から明らかにされるであろう。 図面の簡単な説明 図1:ヒトPEDF遺伝子構造:ヒトPEDF遺伝子の制限地図および構成。 エクソン1−8は黒の四角で示されており、1−8の番号が付けてある。イント ロンおよび隣接するDNAは水平な線で表されておりA−Gのラベルが付けられ ている。いくつかのゲノムクローンは図解した遺伝子の上および下に示されてい る。制限酵素NotI(”N”)、BamHI(”B”)およびEcoRI(” E”)の制限部位は垂直の矢印で示されている。 図2:BamHI、EcoRI、HindIIIおよびPstIエンドヌクレア ーゼで制限分解されたヒトゲノムDNA(A)およびP147(B)のサザン分 析。パルスーフィールド電気泳動を行ったゲルのプロフィールからのサザン分析 物は放射性標識PEDF cDNAで探査された。P147DNAのハイブリダ イゼーションパターンは全ヒトゲノムDNAと一致した。サイズマーカーが示さ れている。 図3:PEDF遺伝子の5’隣接領域。最初のエクソン(大文字)および5プ ライム隣接領域の最初の1050bpが示されている。二つのAlu反復配列は 下線が施されている。HNF−1、PEA3、オクトマー(Oct)、c/EB Pの可能な結合部位は下線が施されており、ラベルされている。推定AP−1部 位はボールド体で示されており、TREp/RARは二重の下線が付けられてい る。エクソン1中の下線を付けた配列は5’RACEにより決定された。 図4:PEDF mRNAのノーザンブロット分析:ヒト成人および胎児組織 中のヒトPEDF転写体の遺伝子発現分析。RNAが得られた組織はレーンに対 応して上に示されている。膜は各々の試料に対し2μgのポリ(A)RNAを含 んでおり、ヒトPEDFのための放射性標識cDNAで探査された。成人および 胎児組織の両方で単一の1.5kb転写体が観察され、肝臓、精巣、骨格筋およ び卵巣で最も大きなハイブリダイゼーションがあり、一方、脳、膵臓および胸腺 の信号は他の組織のものより著しく弱かった。成人腎臓および脾臓では有意な信 号は観察されなかった。PEDF mRNAレベルの有意な相違が成人および胎 児腎臓で観察された。 図5:ヒトPEDF遺伝子の進化的関連付け:各々のレーンは各々の種をEc oRIで消化した総量で8μgのゲノムDNAを表している。PEDFプローブ でのサザンブロット分析が示されている。ニワトリ(A)、哺乳類(B)および 霊長類(C)のハイブリダイゼーション信号が示されている。約23kbの大き な断片がすべての霊長類および多くの哺乳類で観察される。加えて、試験された 異なった哺乳類でいくつかの多形が観察される。 図6Aおよび6B:播種した細胞密度とMTSアッセイにより測定された光学 密度の関係。異なった濃度の生後8日の小脳顆粒細胞を96ウェルプレートに加 え、血清含有培地(6A)または化学的に特定される培地(6B)で培養した。 光学密度はインビトロでの日数(DIV)1、4または7で測定された。四角、 DIV1;黒丸、DIV4;白丸、DIV7。データは細胞密度の関数としてプ ロットされている(n=6)。 図7:化学的に特定される培地におけるPEDF刺激細胞生存の時間変化。生 後8日の小脳顆粒細胞を96ウェルプレートで培養した。DIV0にPEDFを 加え、DIV1、4、7または10に光学密度を測定した。黒棒、対照;左斜線 の棒、PEDF処理(50ng/ml);右斜線PEDF処理(500ng/m l)。データは光学密度/ウェルで表わされている(平均±SEM、n=6)。 統計計算はツーウェイANOVA ポスト−hoc Scheffeテストによ り行われた。★★対照に対してP<0.0001。 図8:化学的に特定される培地におけるPEDFの用量応答曲線。異なった濃 度のPEDFがDIV0に加えられ、MTSアッセイがDIV7に実施された。 データは対照に対する比で表わされている(平均±SEM、n=6)。統計計算 はワンウェイANOVA ポスト−hoc ScheffeFテストにより統計 計算が行われた。★★対照に対してP<0.0001。 図9:DIV1およびDIV2での生後5日の小脳顆粒細胞のMTSアッセイ 。生後5日の小脳顆粒細胞をAra−Cを含まない血清含有培地(A)またはF 12を含まない化学的に特定される培地(B)を用い、96ウェルプレートで培 養した。MTSアッセイはDIV1およびDIV2に実施された。黒棒、対照; しまを付けた棒、PEDF処理(500ng/ml)。データは光学密度/ウェ ルで表わされている(平均±SEM、n=6)。統計計算はツーウェイANOV A ポスト−hoc Scheffe Fテストにより行われた。★★対照に対 し てP<0.0005。 図10:生後5日の小脳顆粒細胞内へのBrdU取り込み。生後5日の小脳顆 粒細胞をAra−Cを含まない血清含有培地(SCM)またはF12を含まない 化学的に特定される培地(CDM)を用い、96ウェルプレートで培養した。P EDFはDIV0に加えた。BrdUはDIV1に加え、DIV2に細胞を固定 した。黒棒、対照;しまを付けた棒、PEDF処理(500ng/ml)。標識 された核酸の数は全細胞集団のパーセントとして表現されている(平均±SED )。各々の値について少なくとも3000の細胞が計数された。 図11:ELISAにより測定された細胞密度と神経フィラメントの間の関係 。異なった濃度の生後8日の小脳顆粒細胞を96ウェルプレートに加え、培養し た。光学密度はDIV7に測定された。データは細胞密度の関数としてプロット されている。 図12:生後8日の小脳顆粒細胞における神経フィラメントELISAアッセ イ。細胞を血清含有培地(SCM)または化学的に特定される培地(CDM)を 用い、PEDFとまたはPEDFなしで96ウェルプレートで培養した。DIV 7に細胞を固定した後、神経フィラメントELISAが実施され、データは対照 に対する比として表現されている(平均±SEM、n=6から10)。黒棒、対 照;しまを付けた棒、PEDF処理(500ng/ml)。統計計算はツーウェ イANOVA ポスト−hoc Scheffe Fテストにより行われた。★ ★対照に対してP<0.05。 図13:培養10日間のPEDF神経細胞栄養性効果の要約。 図14:端が切り取られたペプチドBPおよびBXのCGC生存率に対する効 果。 図15:小脳からの大グリア細胞に対するPEDFの効果。 図16:小脳小グリア細胞に対するPEDFの効果。 図17:ウシIPMからのPEDF−免疫反応性蛋白質の精製。ウシIPM洗 液をA)TSK−3000サイズ排除クロマトグラフィー続いてB)Mono− Sクロマトグラフィーにかけた。ウェスタンブロットでPEDF含有分画が示さ れる。 図18:ウェスタンブロッティングにより示されたPEDFの酵素的脱グリコ シル化。PEDF処理は各々のレーンの上に与えられている。数字は分子量標準 の位置を示している。 図19:rPEDFに対する抗体は特異的に天然PEDFを高力価で認識する 。A)少なくとも1:50,000希釈までの抗体の有効性、および過剰のrP EDFの添加がバンド可視化を完全に阻止することを示しているウェスタンブロ ット。B)スロットーブロット分析は天然ウシPEDF蛋白質の≦1ngを検出 する能力を示している。 図20:Y−79細胞における神経突起拡張に対するPEDF抗体の逆の効果 。上列:ウシ血清アルブミン(BSA)対照培養。中列:天然ウシPEDF蛋白 質による神経突起誘導に対する抗体効果。下列:光受容体間マトリックス(inte rphotoreceptor matrix:IPM)による神経突起誘導に対する抗体効果。 図21:PEDF存在または不在下での神経突起成長の位相差顕微鏡分析。 図22:組換え体PEDFおよび天然の単離PEDFの存在下での神経突起成 長の位相差顕微鏡分析。 図23:rPEDFのC−末端欠失の模式図 発明の詳細な説明 本発明は新規で、重要でありようやく解明された特性を持つ蛋白質に関する。 色素上皮誘導因子(PEDF)は神経栄養性、神経細胞栄養性およびグリア細胞 静止特性を持つ蛋白質である。本発明はさらに、PEDF遺伝子をコードしてい るDNA配列、PEDF遺伝子および生物学的活性を持つPEDFの蛋白質断片 をコードしているPEDF遺伝子の断片を含むゲノムDNAに関する。 ”神経栄養性”活性とはここでは神経細胞集団の分化を誘導する能力として定 義される。例えば、培養網膜芽細胞で分化を誘導できるPEDFの能力は神経栄 養性活性と考えられる。 ”神経細胞栄養性”活性とはここでは神経細胞集団の生存を促進する能力とし て定義される。例えば、神経細胞のニューロン生存因子として働くPEDFの能 力は神経細胞栄養性活性である。 ”グリア細胞静止”活性とはここではグリア細胞の成長および増殖を阻害する 能力として定義される。例えば、グリア細胞の成長および/または増殖を防止す るPEDFの能力はグリア細胞静止活性である。本発明で評価された蛋白質アミ ノ酸配列に基づくと、PEDFはセリンプロテアーゼ阻害剤であるセルピン遺伝 子ファミリーと高い配列相同性を持っていることが観察された。このファミリー の多くのメンバーは、蛋白質の反応性部位として働くカルボキシル末端の厳密に 保存されたドメインを持っている。これらの蛋白質は従って共通の祖先から誘導 されていると考えられる。しかしながら、セルピン遺伝子ファミリーのメンバー 間で発育制御は異なっており、多くは古典的プロテアーゼ阻害活性から逸脱して いる(Bock(1990)Plenum Press,New York B ock,S.C.Protein Eng.4,107−108;Stein et al.(1989)Biochem.J.262,103−107)。P EDFはセルピンと配列相同性を共有しているが、cDNA配列の分析から保存 的ドメインを欠いており、従って古典的プロテアーゼ阻害剤としては機能しない であろう。 PEDFのゲノム配列決定および分析はイントロンおよびエクソンならびに5 ’−上流配列の約4kbの配列を提供した。本発明はインシチュハイブリダイゼ ーションおよび体性細胞ハイブリッドパネルの分析を用いて、17p13.1に 対するPEDFの遺伝子の局在化を示している(Tombran−Tink、e t al.,(1994)Genomics,19:266−272)。これは p53腫瘍抑制遺伝子ならびにp53遺伝子生成物中の突然変異に相関しない多 くの遺伝性癌の染色体局在化に非常に近い。PEDFは従ってこれらの癌の第一 の候補遺伝子になった。 完全長ゲノムPEDF配列は配列ID番号:43に示されている。PEDF遺 伝子は約16kbであり、8つのエクソン(そのすべては保存的共通スプライス ー部位を持っている)を含んでいる。PEDF遺伝子の5’−隣接部位は2つの Alu反復要素を含んでおり、それは推定プロモーター配列の最初の1050b pの約3分の2を占めている。転写因子のいくつかのファミリーのメンバーで認 識されるであろういくつかの配列モチーフも存在する。偏在する転写因子のオク タマーファミリーの2つの可能な結合部位の存在は、試験されたほとんどの組織 にPEDFが存在することを説明しているであろう。しかしながら、他のより特 異的な要素の存在はPEDFが厳密な制御下にあることを示唆し、神経分化およ び線維芽細胞老化のような多様な過程に対する効果が含まれる従来の研究を支持 している。 ゲノムPEDF配列またはその断片は細胞における遺伝子検出のためのプロー ブとして有用である。加えて、そのようなプローブはその遺伝子を運んでいる細 胞型の同定のためのキットに有用である。遺伝子構成の中の突然変異、欠損また は他の変化はPEDFゲノム配列から誘導されるDNAプローブを使用すること により検出できる。 組織分布 PEDFはRPE細胞によって特に高く発現されるが、ほとんどの組織、細胞 型、腫瘍などでノーザンおよびウェスタンブロット分析により検出可能である。 例えば、硝子体液および眼房液に容易に検出される。PEDFの細胞内局在化と いう重要な問題も追求されている。PEDFの大部分は分泌されるようであるが 、培養サルRPE細胞の探査にPEDF抗体を用いたところ、核ならびに細胞質 の非常に特異的な細胞骨格構造にPEDFが付随することが観察された。重要な ことは、このことが試験された細胞の年齢および特定の細胞周期状態で変化する ことである。例えば、付着の最初の段階で基層と相互作用する霊長類RPE細胞 の偽足の先端に本蛋白質は濃縮されるようである。その後、この染色は消失し、 特異的細胞骨格構造および核に付随して本蛋白質が出現する。従って、PEDF は核および細胞質の両方で重要な細胞内の役割を果たしているようである。 細胞周期の関与 本発明は分裂中の未分化Y−79細胞では発現し、および対応する静止状態の 分化細胞ではわずかな発現または無発現であることを示している((Tombr an−Tink、et al.,(1994)Genomics,19:266 −272)。Pignolo et al.(1993)J.Biol.Che .,268:2949−295、はWI−38線維芽細胞中のPEDFの合成 は若い細胞の細胞周期のG0段階に限定されることを示している。さらに、年を とった老化細胞においては、PEDF メッセンジャーRNAは存在しない。 組換え体PEDFの産生 PEDFポリペプチドを分節に区切って研究することは構造ー機能の研究では 基本的なことである。この目的ために、PEDFコード配列の断片を含む発現ベ クターがPEDFポリペプチドの異なった領域の合成および単離のために優れた 断片源を提供する。ヒト胎児PEDF配列の発現は大腸菌発現ベクターおよびヒ ト胎児PEDF cDNAにより達成された。組換え体PEDF生成物(rPE DF)は生物学的に活性な神経栄養性因子であり、湿潤大腸菌グラム当たり1. 3mgのオーダーの収量で得られることが示された。端が切断されたペプチドは また適当な分子生物学的構築物を大腸菌で発現させても作製できる。これらの生 成物を用い、PEDF−次構造上の2つの独特な領域が1)蛋白質のN−末端近 くのアミノ酸残基44−121内に位置し、分子に神経栄養性活性を与える”活 性部位”、および2)セルピンの露出ループと相同的であるC−末端近くの領域 (即ち、”古典的”セルピン活性部位)が区別できた。これらの結果は、1)神 経突起成長にはPEDFの全部の天然コンホメーションは必要とされない、およ び2)セリンプロテアーゼの阻害ではPEDFの生物学的活性は説明できないこ とが示唆される。蛋白質配列を覆う一連の端が切断されたrPEDF構築物が得 られ、N−末端近くの特異的神経栄養性”活性部位”の正確な位置を決めること ができた。 高度に特異的なポリクローナル抗体での特性付け 精製された組換え体ヒトPEDFは、PEDF媒介神経栄養性活性を特異的に 阻害するポリクローナル抗体(”抗−rPEDF”)の開発に使用された。さら に、抗−rPEDFは完全にIPM誘導神経栄養性活性を阻害した。 PEDFの神経栄養性特性 Y−79およびWeri腫瘍細胞系において天然PEDFおよびrPEDFが 神経栄養性であることを示すことに加え、本発明はPEDFが初代培養の正常ニ ューロンに効果を示すかどうかを決定した。この目的のため、生後8日のラット から調製された正常小脳顆粒細胞(CGC)の培養物を用いて研究が実施された 。rPEDFで処理された細胞はより神経的形態的外観を示すことにより処置に は 応答しなかった。しかしながら、PEDFは顆粒細胞生存に大きな効果を示した 。これらの細胞は腫瘍性または形質転換細胞ではないので、これらは培養で限ら れた寿命しかなく、培養培地に依存して約21日で死んでゆく。しかしながら、 PEDF処理培養物は非処理培養物と比較して無血清培地中、培養10日後に1 0倍の細胞を含んでいた(図4)。これらの結果は;1)直接的顕微鏡観察およ び細胞計数、および2)生きている細胞数を決定するMTS(テトラゾリウム/ ホルマザン)アッセイにより決定された(実施例11参照)。従って、PEDF はCNSニューロン生存に劇的な効果を示し、近年明らかにされつつある”神経 細胞栄養性”蛋白質の数少ないリストに加えられるべきである。 一般的な組織培養研究: ニューロンおよびグリアを用いる組織培養実験で一般的に悩まされる2つの問 題は、ニューロンは急速に死にがちであり、グリアは培養皿を乗り越えがちであ ることである。PEDFまたはそのペプチドは両方の点を助けることができる。 従って、PEDFの商業的使用の一つは、CNS細胞が培養される場合の一般的 な培養培地添加物としてであろう。 CNS移植研究: ニューロンの移植はある種の病理を治療すると考えられている。例えば、パー キンソン疾患において、特定の胎児脳細胞の患者への移植は疾患に付随する問題 を軽減または治療できるであろう。しかしながら、一つの大きな問題は移植され た細胞の生存を延ばすこと、およびそれらを分化したまま維持すること(例えば 、適当な物質を分泌するように)であろう。細胞をPEDFで前処理すると、こ れらの両方の面での助けになる。同様に、移植前にニューロンまたは大グリア細 胞をPEDFでトランスフェクトすると、移植部位で長期間のPEDF源である ことができる。 盲目治療を助けるため、神経網膜および光受容体細胞の移植の試みが盛んであ る。現在まで、これらの試みは移植片の非分化および死滅の両方のため実を結ん でいない。このような場合にも、PEDFは両方の点で助けになるであろう。特 に、手術前に移植される光受容体ニューロンはPEDFまたは細胞内へトランス フェクトされた遺伝子で前処理できる。もしくは、PEDFは高レベルで隣接す る網膜色素上皮(RPE)細胞内へトランスフェクトでき、そこで蛋白質の過剰 な供給源として働くことができる。幾人かの研究者は、培養RPE細胞が試験動 物の光受容体空間内への移植後に非常によく生存していることを示している。イ ンビトロでのヒトRPE細胞のPEDF遺伝子によるトランスフェクション、続 いてのそれらの網膜移植での使用が容易である。 神経消耗性疾患: CNS(脳および網膜)に対する多くの神経消耗性疾患およびその他の障害は ニューロンの死亡およびグリアの過密(グリオシス)により代表される。PED Fはこれらの状態において、一次ニューロンの寿命および機能発揮を延長するた め、およびグリアの進出をくい止めるために有効に使用できる。例えば、PED FはCNS障害に応答した小グリア活性化を阻害し、ならびにニューロンの命を 延長/助命するのに有効で有り得る。 網膜において、PEDFがミュラーグリア細胞を阻害することが予測できる。 ミュラー細胞は大グリア細胞と類似しているので、PEDFは同様に網膜剥離、 糖尿病、色素性網膜炎などのような病態でのグリオシスの防止ならびに網膜ニュ ーロンの助命に有効であろう。 グリア癌: CNSを攻撃する癌の主要な型のほとんどにグリア要素が含まれており、PE DFは他の形の療法と組み合わせて使用できるグリア静止因子である。例えば、 手術に加えて、PEDFは疾患の拡散または再発を有効に阻害できる。 遺伝的分析 本発明はヒトPEDF遺伝子およびそのプロモーターの構成の決定およびその 進化的相関および種々のヒト胎児および成人組織での発現に関している。 本発明は、なかでもPEDFをコードしている核酸を提供する。特に、cDN A配列が配列ID番号:1に示したように提供される。このcDNAは配列ID 番号:2に示したアミノ酸配列を持つPEDFをコードしている。さらなるゲノ ム配列は図1にように地図作製がされ、配列ID番号:43が提供される。ゲノ ムPEDF配列の追加の断片は配列ID番号:9から配列ID番号:12に提供 されている。イントロンーエクソン連結の位置は表1および配列ID番号:25 から配列ID番号:40および配列ID番号:43に同定されている。 術語”核酸”とはデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)のポ リマーを称し、それらは任意の源から誘導でき、一本鎖でも二本鎖でもよく、D NAまたはRNAポリマー内へ取り込むことができる合成、非天然または改変ヌ クレオチドを場合により含むことができる。本発明の核酸は好適にはDNAのセ グメントである。 本発明ではさらに、PEDFの端が切断されたものが提供される。これらの内 最も大きいものはrPEDFと称され、PEDFのAsp44...Pro418に 融合したアミノ酸配列Met−Asn−Arg−Ileを含んでいる(アミノ末 端が欠失している)。rPEDF蛋白質は配列ID番号:3のアミノ酸配列を含 んでいる。本発明はまたrPEDFのアミノ酸配列を含む蛋白質(即ち、配列I D番号:3のアミノ酸配列)をコードしている核酸も提供する。 遺伝子コードの縮重およびいわゆる”Wobbleルール”と呼ばれている古 典的塩基対生成のコドンの第三位に例外が許されるという観点から、与えられた 任意の蛋白質は一つ以上の核酸によりコードされうることを当業者は理解するで あろう。従って、本発明は配列ID番号:2および配列ID番号:3ならびに等 価な蛋白質のアミノ酸配列をコードするすべての核酸を包含している。句”等価 な核酸”とはすべてのこれらの核酸を包含することを意図している。 特定の蛋白質の機能に不利に影響することなくアミノ酸配列を変更できること も当業者は理解するであろう。実際、アミノ酸配列のいくつかの変更は蛋白質に 改良された特性を与える。どのアミノ酸を蛋白質の機能に不利に影響することな く変更してもよいかの決定は当業者にはよく知られている。さらに、より多くの またはより少ないアミノ酸を含む蛋白質でも機能的に等価な蛋白質を生じること ができる。従って、本発明はPEDF蛋白質またはその機能的蛋白質断片を生じ るすべてのアミノ酸配列を包含することが意図されている。 可能な等価な核酸および等価な蛋白質のいくつかの例には、rPEDF蛋白質 およびその等価な蛋白質断片の合成に関する置換、付加または欠失を持つ核酸; rPEDF蛋白質の産生に関する異なった制御配列を持つ核酸;蛋白質のアミノ 末端に合同した4つ以外の異なったアミノ酸および/またはアミノ酸の数を持つ rPEDFの変異体;および活性に不利に影響しないアミノ酸置換、付加、欠失 、修飾および/またはグリコシル化のような翻訳後修飾を持つPEDFおよびr PEDFおよびその機能的蛋白質断片が含まれる。神経栄養性活性はPEDFの 特定の部分に関連しているので、これらの残基を含む蛋白質断片は明らかに本発 明の範囲内である。 本発明はまた、配列ID番号:1の核酸、配列ID番号:2または等価な蛋白 質のアミノ酸配列を含む蛋白質をコードしている核酸、配列ID番号:3または 保存的に修飾された変異体蛋白質のアミノ酸配列をコードしている核酸、および 保存的に修飾されたそれらの核酸の変異体を含むベクターも提供する。 特に、本発明は配列ID番号:1の核酸を含むベクターπFS17、および配 列ID番号:3のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードしている核酸を含むベク ターpEV−BHを提供する。記載されたcDNA挿入物は別のベクターにも存 在できることを当業者は理解するであろう。例えば、挿入物はファージ、ウイル ス、カプシド、プラスミド、コスミド、ファージミド、YACまたはファージま たはウイルスカプシドの外側に結合されたような異なった性質を持つベクターに 存在できる。ベクターは宿主域、安定性、複製および維持を異にすることができ る。さらに、ベクターはクローン化挿入物に及ぼす制御の型を異にすることがで きる。例えば、ベクターはクローン化挿入物を異なったプロモーター、エンハン サーまたはリボソーム結合部位の制御下に置くことができ、またはそれをトラン スポゾンまたは移動性遺伝要素の一部として構成することさえ行う。 本発明は、配列ID番号:1の核酸、配列ID番号:2のアミノ酸配列からな る蛋白質または等価な蛋白質をコードしている核酸、配列ID番号:3のアミノ 酸からなる蛋白質または等価な蛋白質をコードしている核酸を含むベクターが導 入されている宿主細胞も提供する。特に宿主細胞は配列ID番号:1の核酸を含 むベクターπFS17、または配列ID番号:3のアミノ酸配列からなる蛋白質 をコードしている核酸を含むベクターpEV−BHを持っている。 本発明のベクターは真核生物または原核生物を問わず任意の適した宿主細胞内 に導入できる。これらの宿主細胞は増殖のための好適な条件、栄養要求および環 境の試薬への感受性が異なっているであろう。宿主細胞内へベクターを導入する 任意の適した手段が用いられる。原核生物細胞の場合、ベクター導入は例えばエ レクトロポレーション、形質転換、トランスダクション、コンジュゲーションま たはモビリゼーションにより達成される。真核生物細胞の場合、ベクター導入は 例えばエレクトロポレーション、トランスフェクション、感染、DNA被覆マイ クロプロジェクタイルまたは原形質体融合を使用することにより導入されるであ ろう。 導入された核酸の形は宿主細胞内へのベクターを導入するために使用された方 法により変化するであろう。例えば、ベクターが自己複製要素として維持されて いるか、プロウイルスまたはプロファージとして組み込まれているか、過渡的に トランスフェクトされているか、過渡的に複製不能ウイルスまたはファージと感 染されているか、または一重または二重交差組換えにより安定に導入されている かに依存して核酸は閉環状か、ニックされているかまたは直線状であろう。 本発明はまた、PEDF、rPEDFおよび等価な蛋白質を産生する方法を提 供し、その方法は蛋白質を宿主細胞で発現することを特徴としている。例えば、 配列ID番号:1の核酸、配列ID番号:2のアミノ酸配列からなる蛋白質また は等価な蛋白質をコードしている核酸、配列ID番号:3のアミノ酸からなる蛋 白質または等価な蛋白質をコードしている核酸またはそれらと等価な核酸を含む ベクターが導入されている宿主細胞が所望の蛋白質を産生するのに適した条件下 で培養されるであろう。特に、配列ID番号:1の核酸を含むベクターπFS1 7、または配列ID番号:3のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードしている核 酸を含むベクターpEV−BHは各々配列ID番号:2および配列ID番号:3 のアミノ酸配列からなる蛋白質を産生するのに適した条件下で培養されるであろ う。 本発明はまた、所望の蛋白質を産生するために適当な宿主細胞を培養する前記 の本発明に従ってされる組換え的に産生されたPEDFおよびその機能的蛋白質 断片も提供する。組換え的手段によるPEDFのような蛋白質の産生は、高度に 生成された状態で、天然に存在する供給器官から単離および生成された蛋白質に 付随するであろう疾病原因物質を含まずに多量の蛋白質の入手が可能であり、例 えば、そのような蛋白質源として胎児組織を使用する必要性をなくする。 組換え体PEDFおよびその機能的蛋白質断片は、例えば、その蛋白質をコー ドしているDNAまたはRNAの様な核酸の導入を含む種々の手段により細胞に 対し活性な試薬として供給され、従って、宿主細胞内で転写および/または翻訳 されるであろうし、外因性蛋白質の添加および他の適した投与手段は当業者には 既知であろう。供給されるのがどのような形であれ、活性試薬は単独で、または 投与法に適した活性試薬の医薬組成物および処方を用いて他の活性試薬と組み合 わせて使用される。医薬として適した賦形剤(即ち、賦形薬、補助剤、担体また は希釈剤)は当業者にはよく知られており、容易に入手可能である。賦形剤の選 択は特定の化合物ならびに化合物を投与するのに使用される特定の方法により部 分的に決定されるであろう。従って、本発明の範囲内で調製できる多くの種類の 適した処方が存在する。しかしながら、組換え体蛋白質の神経栄養性、神経細胞 栄養性およびグリア細胞静止活性を変化させない医薬として受容可能な賦形剤が 好適である。 以下の実施例は本発明をさらに例示するためのものであり、どうあろうとその 範囲を制限していると解釈するべきではない。 実施例1 この実施例は、PEDFのトリプシン加水分解と生じる断片のアミノ酸配列決 定について記載している。 PEDFはヒト胎児RPE細胞の初代培養培地の高速液体クロマトグラフィー (HPLC)により精製された。HPLC精製されたPEDFは還元されアルキ ル化された。その後、それを乾燥し50μlのCRA緩衝液(8M尿素、0.4 M炭酸アンモニウム、pH8.0)に溶解し、5μlの45mMジチオスレイト ール(DTT)(Calbiochem、San Diego、CA)を加えた 。15分、50℃で加熱後、溶液を冷却し、5μlの100mMヨード酢酸(S igma Chem.Co.、St.Louis、MO)を加えた。15分後、 溶液は2M尿素の濃度になるように希釈し、1:25(wt/wt)の酵素:基 質比を用いて22時間、37℃でトリプシン加水分解(Boehringerー Mannheim、Indiaanapolis、IN)させた。トリプシン分 解ペプチドはVydac2.1mmx150mmC18カラムを用い、1040 ダ イオードアレイ検出器を備えたHewlett−Packard1090HPL Cによるナロウボア逆相HPLCにより分離した。流速は150μl/分であり 、0分に5%B、63分に33%B、95分に60%B、105分に80%Bの グラディエントを用いた。このグラディエントでは、緩衝液Aは0.06%トリ フルオロ酢酸水溶液、緩衝液Bは0.055%トリフルオロ酢酸/アセトニトリ ルであった。クロマトグラフィーのデータは210nmと277nm(および2 09nmから321nmのUVスペクトル)でそれぞれのピークを得た。N末端 配列分析のための試料はポリブレン前処理したグラスファイバーフィルターを通 し、自動エドマン分解(Harvard Micrsochemical Fa cility、Boston、MA)ABI型477A気相蛋白質シークエンサ ー(プログラムNORMAL1)にかけた。生じるフェニルヒダントイン化アミ ノ酸分画はオンラインABIモデル120A HPLCとShimazu CR 4A インテグレーターを用いて手動で同定した。 精製PEDFのトリプシン加水分解と得られた断片のアミノ酸分析により を含む非重複ペプチド配列が得られた。 実施例2 この実施例は実施例1のペプチド配列に基づいたオリゴヌクレオチドの構築、 PEDF cDNAの単離におけるオリゴヌクレオチドの使用、およびPEDF cDNAの配列決定について記載している。 実施例1のJT−3とJT−8ペプチド配列およびコドン利用データに基づき 、オリゴヌクレオチド、oFS5665(配列ID番号:4):5'-AGYAAYTTYTA YGAYCTSTA-3'およびoFS5667(配列ID番号:5):5'-CTYTCYTCRTCSAGR TARAA-3'はABI 392 DNA/RNA合成機により構築し、ポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)のプライマーとして用いた。 ヒト胎児目Charon BS cDNAライブラリー(Kellog Ey e Institute の Dr.A.Swaroop から提供された)は 一度増幅(Sambrook et al.、Molecular Cloni g:A Laboratory Manual 、2nd ed.、Cold S pring Harbor、NY(1989))し、Techne熱サイクラー および標準試薬(GeneAMP、Perkin−Elmer Cetus)を 用いた(ただし、3mMでMgSO4を使用した)PCR(Friedman et al.、Screeing of λgtll Libraries、I n:PCR Protocols:A Guide to Methods a nd Applications .Innis et al.、eds.、Ac ademic Press、NY(1990)、pp.253−260)でスク リーニングした。約350bpのPCR増幅断片はNA−45 DEAE−セル ロース紙(Schleicher and Scheull)を用いて3%Nu Sieve3:1ゲル(FMC Biochemicals)Rockland 、ME)上に分離した(Sambrook et al.、上記文献)。断片は ランダムプライミング(ランダムプライミングキット、Boehringer− Mannheim、Indianapolis、IN)によりα32P−dCTP (Amersham Corp.、Arlington Heights、IL )で標識し、ヒト胎児目ライブラリーの200、000プラーク形成単位(PF U)をスクリーンするのに用いた。 8つの陽性なクローンが単離され(Sambrook et al.、上記文 献)、陽性クローンのDNAはQiagen Maxi 製造プロトコール(Q iagen,Inc.、Chatsworth、CA)に従って精製された。こ の陽性クローンの挿入物はNotI(BRL、Gaithersburg、MD )で切り出し、T4 DNAリガーゼ(New England Biolab s,Beverly,MA)で環化し、大腸菌Epicurian Sureコ ンピーテント細胞(Startagene、Inc.、La Jolla、CA )に形質転換させ、アンピシリンおよび5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリ ル−β−D−ガラクドシド(X−gal)を含んだルリアブロス(LB)プレー トに蒔いた。 白いコロニーが選択され(そのようなコロニーは挿入物を持っていなければな らないことに基づいて)、単一コロニー培養からのプラスミドDNAをQiag en プラスミド ミニプレップ プロトコールに従って分離した。精製プラス ミドは EcoRI と HindIII(BRL)で消化した。これらの制限 部位は挿入物の5’と3’末端にリンカーを連結反応させてライブラリー構築し てる間に加えられたもので、従ってEcoRI−HindIII消化により単離 されたプラスミドに存在する挿入物が切り出される。これらのフラグメントは挿 入物の大きさを決定するため0.7%アガロースゲルで電気泳動した。最大の挿 入物を持つプラスミド(即ち、πFS17)が地図作製のため、およびクローン の同一性を確認するため、続いてSequenase 2.0 シークエンシン グ キット(United States Biochemical Corp .、Cleveland、OH)を用いての配列決定のために選択された。配列 分析はMacVectorソフトウェアーパッケージ(Internation al Biotecnologies、Inc.)およびGenBank Se quence Data Bank(Intellingenetics、Mo ntain View、CA)を利用して行った。 πFS17の配列分析は、配列ID番号:2の418個のアミノ酸をコードす る長い読み枠(ORF)を持つ配列ID番号:1、典型的なATG開始コドンお よびポリアデニル化信号(配列ID番号:1には示されていない)からなる塩基 配列を明らかにした。クローンのコード配列は前にPEDFペプチドとして決定 された配列と全て正確に同一であった。演繹されるアミノ酸配列はシグナルペプ チドとして働く事のできる親水性アミノ酸の広がりを含んでいる。コード配列と ペプチド配列をGenBank Data Bankで比較するとPEDFはセ ルピン(セリンプロテアーゼ阻害剤)遺伝子ファミリー(ヒト[α]−1−アン チトリプシンを含んでいる)と有意な相同性を持つ独特の蛋白質である。この遺 伝子ファミリーのある群は神経栄養性活性を示すけれど(Monard et al.(1983)Prog.Brain Res.、58、359−364; Monard(1988)TINS、11、541−544)、PEDFはセル ピンの反応性ドメインの共通配列として提案されている配列を欠いている。 実施例3 この実施例は組換え体PEDF生産のための発現ベクターの構築について記載 している。 発現ベクターは実施例2で述べたようにヒトPEDFの完全長cDNAを含む プラスミドπFS17を用いて構築した。PEDFをコードしている配列はベク ターpEVBHを得るためにプラスミドpEV−vrf2(Crowl et al.、Gene、38、31−38(1985))中に存在するバクテリオフ ァージ ラムダ PLプロモーターの制御下におかれた。このことはPEDFコ ード領域(即ち、配列ID番号:1のヌクレオチド245番から1490番)の 部分を含むπFS17のBamHI−HindIII断片を得、EcoRI−Hi dIIIでプラスミドpEV−vrf2を消化し、BamHIとEcoRI末端 をDNAポリメラーゼI(Klenow断片)での充填反応して両方の断片を平 滑にし、生じた平滑端/適合終結断片を互いに結合させることにより達成された 。得られたベクターpEV−BHはシャインーダルガノ(SD)配列とPEDF コード領域との間に8つのヌクレオチドの距離を有した。構築物は配列ID番号 :3に示されているような379個のアミノ酸の蛋白質(rPEDFとして知ら れている)がコードされるようにMet−Asn−Arg−Lle−Asp44− −−−Pro418を特定している。rPEDF蛋白質のアミノ末端のアミノ酸は 天然のPEDFには無く、pEV−BHの構築中に核酸が融合することで生ずる ものである。 pEV−BHによる組換えPEDF蛋白質の生産を立証するため、このプラス ミドを、熱感受性λcIAt2リプレッサー(Bernard et al. (1979)Methods in Enzymology、68、482−4 92)の遺伝子を含む低コピー数適合プラスミドpRK248cItsを有する 大腸菌RRI株(Maniatis et al.(1982)Molecul ar Cloning:A Laboratory Manual 、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、NY)で繁殖させた。蛋白質誘導はBecerra et a l.(1991)Biochem.、30、11707−11719、に記載さ れているように実施されたが、以下のような変更を行った。pEV−BHを含ん でいる細菌細胞は32℃、50μg/mlアンピシリンを含んだLB培地で早期 対数増殖期(OD600nm=0.2)まで増殖させた。培養の温度は65℃の 温浴中でフラスコをインキュベートさせる事で急激に42℃に上げ、細菌は続い て340rpmエアーフローインキュベーター中で2ー3時間、42℃で増殖さ せた。一部を取り600nmで吸収度を読みとった。 蛋白質誘導に続いて合成された初期タンパク質は放射性標識された。培養液が 42℃に達したら、150μCiのL−[35S]メチオニン(1040Ci/m mol、Amersham Corp.、Arlington Heights 、IL)を培養液ml当たりに加え、インキュベートを42℃で10分間および 30分間続けた。細胞は遠心分離により回収し、TEN緩衝液(10mMトリス −HCl、pH 7.5、1mM EDTA、100mM NaCl)で洗浄し た。総細菌抽出物からの35S−標識されたペプチドを再溶解し、SDS−12% PAGE続いてフルオログラフィーにより分析した。42,820Mrポリペ プチドに対応するバンドが10分および30分の後誘導で検出された。pEV− BHによって発現した組換え体蛋白質の大きさはpEV−BHにサブクローンさ れたコード配列に期待される大きさと一致していた。同様の方法でより小さい断 片(BP=28,000Mr;BX=24,000Mr;BA=9,000Mr )が合成でき、精製できる。BPペプチドはPEDFアミノ酸の44番目から2 69番目を含み、BXペプチドはPEFアミノ酸の44番目から227番目を含 み、BAペプチドはPEDFアミノ酸の44番目から121番目を含んでいる。 実施例4 この実施例は完全長PEDF cDNAを含んだ発現ベクターの構築について 記載している。 pEV−BVの構築について実施例3に記載された方法と類似の方法で、プラ スミドπFS17のPEDF ORFがプラスミドpRC23とpEV−vrf 1(Crowl et al.Gene、38、31−38(1985))中に 存在するバクテリオファージラムダPLプロモーターの制御下におかれた。この ことはPEDF cDNA(即ち、配列ID番号:1のヌクレオチド107から 1490)の部分を含むπFS17のSfaNI−HindIII断片を得、Ec RI−HindIIIでプラスミドを消化し、DNAポリメラーゼI(クレノー 断片)によるSfaNIとEcoRI末端の充填反応で平滑端化し、生じた平滑 末端化/適合末端化断片をお互いに結合させることにより行った。得られたベク ターpRC−SHおよびpEV−SHは、SD配列およびPEDFコード領域の 間に各々14と8個のヌクレオチドの距離を置いていた。構築物pRC−SHは 完全長PEDF ORF、配列ID番号:2に示したように天然に存在するアミ ノ末端を持つ418のアミノ酸のPEDF蛋白質を特定している。構築物pEV −SHは、完全長のPEDFORFを含み、配列ID番号:2のPEDF配列の 前にMet-Asn-Glu-Leu-Gly-Pro-Arg(配列ID番号:8)を持つ425個のアミ ノ酸のPEDFアミノ末端融合蛋白質を特定する。これらのつけ加えたアミノ末 端のアミノ酸は天然のPEDFでは生ぜず、これらの付加アミノ酸を特定するp EV−SHのコドンはpEV−SHの構築中に核酸の融合によって生じる。 2つのベクターによって特定される組換え体蛋白質の生産を確認するため、ベ クターを大腸菌株RRI(pRK248cIts)に導入し、例3に示した方法 と類似の方法で誘導し、その間の35S−メチオニンによる代謝標識により、蛋白 質誘導が実施され、モニターされた。誘導されたpRC−SHおよびpEV−S Hによって特定された蛋白質の発現は、細菌細胞の増殖に負の効果を持っていた 。親のプラスミドを含んだ細菌培養と比較すると、pRC−SHおよびpEV− SHを含んだ細菌培養はより遅く増殖し、分割した。この細菌の増殖に対する負 の効果は、開始コドンとSDの間の距離に関連があり、そのことはそのような距 離 を短くする事でより効率の良い組換え体蛋白質の翻訳につながることを示唆する 。PEDFの46,000Mrの候補ポリペプチドは、pRC−SHとpEV− SHを含む細菌培養中の培養液や細胞溶解物には検出されなかった。しかしなが ら、35,000Mr蛋白質はpRC−SHとpEV−SHを含む培養物の抽出 物に見られたが、親プラスミドを含んだ培養物の抽出物には見られなかった。こ の事はPEDFのアミノ終末末端はプロテアーゼ感受性であり、組換え体完全長 PEDFはこの特定の宿主中で代謝されるという事を示唆している。もしくは、 期待された大きさの組換え体PEDF蛋白質が観察されなかった事は実験上の人 為的結果によるものを反映していると思われ、代わりの発現ベクター、宿主、誘 導可能プロモーター、サブクローニング部位、組換え体蛋白質の単離または検出 の方法あるいは蛋白質誘導の手段を用いることで克服できるであろう。 実施例5 この実施例は組換えにより生成されるPEDFを大量に生成する方法について 記載している。 rPEDFを含んでいる総重量が1gの大腸菌を50mlの20mMトリスー HCl、pH7.5、20% シュークロース、1mM EDTAに懸濁した。 細菌は氷の上に10分間放置し、4000xgで遠心分離して沈降させ、50m lの氷冷した水に10分間懸濁させた。溶解した外側の細胞壁は8000xgで 遠心分離してスフェロプラストから分離した。 ペレット状のスフェロプラストは5mM EDTA、1μg/mlペプスタチ ンおよび20μg/mlのアプロチニンを含む10mlのリン酸緩衝液(PBS )に再懸濁させた。懸濁液は細胞膜を破壊するためソニケーター(Ultras oics、Inc.、モデルW−225)でプローブ音波処理を行った。30秒 の間を置きながら30秒パルスで三回破壊し、この処理中、試料は氷水中に浸し て行った。RNase TI(1300ユニット、BRL)およびDNase I(500μg,BRL)を音波処理された細胞懸濁液に加え、懸濁液は10分 間室温でインキュベートした。この懸濁液は5mM EDTA、1μg/mlペ プスタチン、20μg/mlアプロチニンを含むリン酸緩衝液(PBS)40m lを加えて希釈し、粗封入体は13,000g、30分間遠心分離で沈降させた 。 封入体を構成している粒子性物質は25%シュークロース、5mM EDTAお よび1% トリトンX−100を含んでいる40mlのPBSに再懸濁し、氷上 で10分間インキュベートし、24,000xgで10分間遠心分離した。洗浄 工程は3回繰り返した。最終的に、封入体は50mMトリス−Cl、pH8.0 、5Mグアニジン−Clおよび5mM EDTAを含んでいる変性緩衝液10m lに再懸濁させた。懸濁液は氷水中で5秒間、手短にプローブ音波処理した。得 られた懸濁液は氷上でさらに1時間インキュベートした。12,000xg、3 0分間遠心分離後、上清を50mMトリス−Cl、pH 8.0、20% グリ セロール、1mM DDT、1μg/mlのペプスタチンおよび20μg/ml のアプロチニンを含む復元緩衝液100mlに加え、蛋白質を復元するため4℃ で一晩中静かにかき混ぜた。可溶および不溶分画は13,500xgで30分間 の遠心分離により分離された。 可溶性分画はそれらをCentricon 30微量濃縮機(Amicon Div.、W.R.Grace & Co.、Berverly、MA)を用い て1mlに濃縮する事でさらに精製し、それは緩衝液A(50mM リン酸ナト リウム、1mM DTT、20% グリセロール、1mM EDTA、1μg/ mlペプスタチン、1mMベンズアミジン)に対して4℃で3時間透析をした。 透析抽出物はEppendorf Centrifuge(モデル5415C) で14,000rpmで10分間、遠心分離した。上清分画は緩衝液Aで予め平 衡化したS−Sepharose fast−flow(Pharmacia、 New Market、NJ)カラム(1mlベッド容量)に層積した。カラム は2倍のカラム容量の緩衝液Aで洗浄した。最終的に、組換え体rPEDFは緩 衝液Aに50、100、150、200、300、400、500、1000m MのNaClを加えて段階的濃度勾配で溶出させた。1mlの分画を重力流出に よって回収され、緩衝液Aに対して透析した。組換え体rPEDFを含む分画3 00は−20℃で保存した。分画300の回収率は細胞パック1g当たり50μ gで、それは総蛋白質の25%に値する。 rPEDFの殆どは6Mグアニジウム−Clを含む10mlの緩衝液B(50 mMトリス−Cl、pH8.0、1mM DTT、2mM EDTA)に分画を 溶解することにより不溶性分画から回収された。溶液は10,000xgで5分 間、遠心分離した。その上清は4M グアニジウム−Clを含む緩衝液Bで予め 平衡化した2つのSuperose−12(Pharmacia、New Ma rket、NJ)カラム(各々2.6cmx95cm)を縦列につないだ物の上 に層積した。流速は3ml/分であった。Superose−12カラムから得 られた組換え体rPEDFを含んでいる分画はプールし、緩衝液C(4M尿素、 50mMリン酸ナトリウム、pH6.5、1mMベンズアミジン、1μg/ml ペプスタチン、4mM EDTA)に対して透析した。透析分画は0.22μm フィルター(Miller−GV、Millpore Corp.、Bedfo rd、MA)を通過させた。濾液は緩衝液Cで予め平衡化したmono−S(P harmacia、New Market、NJ)カラム(1cmx10cm、 dxh)に層積した。カラムは緩衝液Cで洗浄し、組換えr体PEDFは0.5 ml/分で緩衝液C中の0mM−500mM NaCl濃度勾配で溶出させた。 2mlずつの分画を回収し、組換え体rPEDFのピーク分画をプールした。プ ールした分画中の回収率は細胞パック1g当たり0.5mgの組換え体rPED Fであった。 実施例6 この実施例は精製組換え体PEDFの分化因子としての使用について記載して いる。 Y79細胞(ATCC、HTB18)は15%ウシ胎児血清と抗生物質(10 000u/mlペニシリンおよび10mg/mlストレプトマイシン)を補給し たアール塩を含むイーグル最少必須培地(MEM)中、37℃、5%CO2の加 湿されたインキュベーターで増殖させた。細胞はATCCから受容後、2回継代 して繁殖させ、10%DMSOを含む同じ培養液で凍結させた。凍結物の一部を 各々の分化の実験に用いた。全ての実験は二回反復で行った。 融解後、細胞は継代することなく適当な細胞数になるまで血清含有培地に維持 された。細胞は遠心分離で回収し2倍量のPBSで洗浄し、PBSに再懸濁して 、計数した。その時点で、2.5x105の細胞を2mlの無血清培地(MEM 、1mM ピルビン酸ナトリウム、10mM HEPES、1X非必須アミノ酸 、 1mM L−グルタミン、0.1% ITS混合物(5μg/mlインシュリン 、5μg/mlトランスフェリン、5ng/mlセレン、Coliabrati ve Research、Bedford、MA)および上記の抗生物質が補給 されている)を含む6ウェルプレート(Nanc、Inc.、Roskilde 、Denmark)の各々のウェルに播種した。 分化エフェクターと対照緩衝液は播種後12−16時間後に加え、培養液はイ ンキュベートし7日間静置した。8日目に、細胞はポリD−リシン被覆6ウェル プレート(Collaborative Research、Bedford、 MA)に移し、細胞が基質に付着したころ古い培養液を2mlの新鮮な無血清培 地と入れ替えた。培養液はこの状態に11日間保った。付着後、培養物は毎日O lympus CK2位相差顕微鏡を用いて分化の形態学的証拠を調べ、ならび に神経芽成長を定量した。 非処理の細胞と比較すると、組換え体rPEDFに暴露されたY79培養細胞 のみが神経的分化の有意な証拠を示した。いくらかの神経芽成長(5%以下)は rPEDFの溶解に用いたものと同一の緩衝液で処理した対照培養で検出された が、rPEDFまたは緩衝液を加えずに同じ方法で処理した培養では分化の証拠 は観察されなかった(図22A、”対照”)。rPEDF処理培養細胞の位相差 顕微鏡は、細胞凝集体の50−65%はポリ−D−リシンへの付着3日目後に神 経芽伸長が観察されたことを示した(図22B、”PEDF”)。これらの3日 目の神経芽伸長は、細胞凝集端で西洋なし型の細胞からの短い突起として現れた 。分化している凝集体の数、凝集体あたりの分化している細胞の数、および神経 芽様過程は付着時間とともに増加した。付着5日後、凝集体の約75−85%が 分化の徴候を示し、それらの周辺細胞のほとんどから神経芽が伸長していた。r PEDF処理培養物は付着7日後に分化の最大に達し、85−90%の細胞が凝 集していた。その時点で、2通りの神経性過程が観察された、即ち、3日目に観 察された神経芽より2−3倍長い単一の神経芽が互いに離れた凝集体の周辺細胞 から伸長しており、より長く且つより薄い突起が隣り合う細胞凝集体間で枝状の ネットワークを形成していた。インキュベーションを長くすると、即ち、付着し て10日を超えると、ネットワーク連結の割合に著しい減少があり、単一の神経 芽の さらなる成長は無いが、細胞凝集体の生存率には著しい影響はなく、約75−8 0%が別々の実験で残存していた。図23で見られるように精製天然PEDFお よび組換え体PEDF(rPEDF)との間に違いは観察されなかった。 PEDFおよびrPEDF cDNAクローンは大量のPEDFとrPEDF 蛋白質生産の手段を供給するだけでなくPEDF遺伝子の発現や制御を研究ため に使用できる材料としても利用できる。更に、これらの配列は内因性PEDFの 翻訳を阻害するための翻訳停止のアンチセンス技術に用いる事が出来る。 組換えにより生産されたPEDFおよびrPEDF蛋白質および等価な蛋白質 はインビトロおよびインビボにおいて強力な神経栄養性作用物として利用できる 。神経栄養性作用物としてのこれらの蛋白質のさらなる生化学的活性は標準イン ビトロ試験で決定でき、網膜の炎症性、血管性、消耗性、異栄養性疾病の処置に おけるこれらの蛋白質の別の治療的使用の開発を可能にする。これらの蛋白質が 強力な神経栄養性作用物と仮定すると、これらの蛋白質を、神経栄養性因子に応 答する網膜以外の他の組織の処置に治療的有用性がでるように改良できるであろ う。これらの蛋白質は非神経性組織およびある種のがんの”分化”因子としてよ り一般的な有用性を見つける事も出来るであろう。 実施例7 分子量3000の組換え体PEDFと共に、より小さな組換え体が合成され、 神経栄養性活性を持つかどうか決定された。より小さなペプチドは完全長構築物 よりも、高い溶解性、よりよい膜透過性、より低い抗原性、製造の容易さなど様 々な利点を与える。 図23には試験されたうち3つの組換え体のみが示されている。BP、BXお よびBAはそれぞれ28,000、24,000、9000の分子量であり、C 末端欠失変異体を表わしている。これら全部が図21および22に描かれている ものと同様な神経栄養性活性を示す。ここにおける新規の発見は、9000の分 子量のペプチド(天然の蛋白質の全分子量のたったの約20%)が驚くべき神経 栄養性活性を示した事であった。その上、活性な神経栄養性ペプチドはセルピン 活性部位を含むことが知られているC末端側でなくN末端側に配列を示した。従 って、活性部位はN末端であり、そのような小さな分子で活性が現れる事は驚く べ き発見であり、このような事は従来の発見からは予期できない事である。 表1:エクソンは大文字およびイントロン配列は小文字である。5’ドナーG Tおよび3’アクセプターAGは下線が施してある。エクソンおよびイントロン サイズは各々bpおよびkbで与えられている。 実施例8 ヒトPEDF遺伝子のコローニングおよび配列決定 材料−制限酵素、SuperScriptTM RTおよびカナマイシンはGI BCO−BRL(Gaithersburg,MD)から購入された。Dyna beadsTMオリゴ dT(25)はDynal Inc.(Lake Succe ss,NY)から購入された。RetrothermTM RTはEpicent re Technologies(Madison,WI)から得られた。RN AsinTMはPromega(Madison,WI)から購入された。Taq ポリメラーゼはPerkin−Elmer(Norwalk,CT)またはSt ratagene(La Jolla,CA)から購入された。サブクローニン グに使用するプラスミドベクターpBlueScriptはStratagen e(La Jolla,CA)から購入された。神経網膜および網膜色素上皮か らの全RNAは文献に記載されているように(Chomczynki and Sacchi,1987)、National Disease Resear ch Interchange(NDRI,Philadelphia,PA) から得られたヒト組織から精製された。標識および配列決定に使用された[32P ]α−dATPおよび[32P]γ−ATP(3000 Ci/mmol)はAm ersham(Arlington Hts,IL)から購入された。Supe rbroth(バクトートリプトン 12g/L、酵母抽出物 24g/L、K2 HPO412.5g/L、HK2PO43.8g/Lおよびグリセロール5mL/ L)、変性溶液(0.2N NaOH、1.5M NaCl)、中和溶液(1M トリス−Cl pH7.0、1.5M NaCl)、20X SSC(3.0M NaCl、0.3mMクエン酸ナトリウム)、10X TBE(1Mトリス− ホウ酸、2mM EDTA、pH8.3)および50X TAE(2Mトリス− 酢酸、50mM EDTA、pH 8.0)はQuality Biologi cals(Gaithersburg,MD)から購入された。20X SSP E(3M NaCl、0.2M NaH2PO、20mM EDTA pH7. 4)はDigene Diagnostics,Inc.(Silver Sp ring,MD)から購入された。アンピシリンはSigma Che mical Co.(St.Louis,MO)から購入され、水に溶解し、フ ィルター滅菌された。 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)。2X PCR混合物は1.6μモル/mL のGeneAmpTM dNTPs(各々400M)、2X GeneAmpTM PCR緩衝液および50U/mLのTaqポリメラーゼを含むように調製された 。これらの試薬はPerkin−Elmer(Norwalk,CT)から購入 された。一般に、鋳型およびオリゴヌクレオチド(各々のオリゴの100ng) は25μLの容量で混合され、25μLの2X混合物、続いて50μLの鉱油が 加えられた。鋳型は、最初の変性が95℃で2分間、30秒のアニーリング(プ ライマーに依存して55から65℃の間)、および伸長が72℃にて増幅された 生成物に依存して1−5分であった。 DynabeadsTM オリゴ dT(25)上でのcDNA合成。以前に記載さ れているように(Rodrigues and Chader 1992)cD NAがDynabeads上で合成された。Dynabeads(0.5mg) を100μLの10mMトリス−Cl pH7.0、1mM EDTA、1M KClで洗浄した。全RNA水溶液30μL(30μg、約1μL)を30μL の上記緩衝液および平衡化Dynabeads(0.5mg)と混合し、55℃ で2分間加熱した。ポリ+A RNAを室温で15分間ビーズにアニール化し、 ビーズをMPC−E磁気セパレーター(Dynal Inc.)へ結合させるこ とにより過剰のRNAを除去した。アニール化されたポリ+A mRNAを持つ ビーズは次に2.5μLの緩衝液A(200mMトリス−Cl pH8.3、1 .0M KCl)、2.5μLの緩衝液B(30mM MgCl2、15mM MnCl)、20μLの10mMdNTP(各々2.5mM)1μLのRNAs in、2μLのSuperScript RT、5μLのRetrotherm RT(1単位/μL)および16μLのH2Oに懸濁し、最終容量を50μL とする。反応混合物は40℃で10分、続いて65℃で1時間インキュベートし た。ビーズを再びMPC−E磁気セパレーターへ結合させ、過剰のRT反応混合 物を除去した。ビーズは次に100μLの0.2N NaOHで1回、10X SSPEで1回および1X TEで2回洗浄した。cDNA含有ビーズは最終容 量で100μLの1X TEに懸濁した。 cDNA末端の5’急速増幅(RACE)。Clontechから購入された 5’−AmpliFINDER RACEキットに基づく改良法を用いて5’− RACEが実施された(Rodriguesら、1994)。最初に、cDNA が上記のように(Rodrigues and Chader 1992)Dy nabeadsTM オリゴ dT(25)上で合成された。AmpliFINDER アンカープライマーが5’プライム末端のPCR増幅のためPEDF特異的プラ イマー#2744と組み合わせて使用された。増幅は上記のように行われ、2μ Lのアンカー結合ヒト網膜色素上皮−Dynabeads cDNAが鋳型とし て使用された。増幅は30サイクル行われた。 オリゴヌクレオチドの配列。オリゴヌクレオチドプライマーはAplied Biosystems Inc.(Foster City,CA)DNA合成 機モデル392により合成された。オリゴヌクレオチドは脱保護され、さらに精 製することなく使用された。 ゲノムライブラリーのスクリーニング。ヒトゲノムコスミドライブラリー(C lontech)を150mg/mLアンピシリン、20mg/mMカナマイシ ンを含むLBプレートにプレート当たり10,000コロニーの密度で播種され た。コロニーを拾い上げるのにニトロセルロースフィルターが使用され、フィル ターはSambrookら(1989)に記載されているように処理されハイブ リダイズされた。ライブラリーはT7/T3プライマーを用いてPEDF cD NAクローンから得られた[32P]標識PCR生成物(Steeleら、199 3)で探査した。この結果、p10Aコスミドが単離された。λDASHTMIIラ イブラリー(Stratagene)が上記のPEDF cDNAクローンのイ ンサートを用いてLark Sequencing Technologies Inc.(Houston,TX)によりスクリーンされた。この結果、7k b NotI−Not断片(JT6A)が単離された。全PEDF遺伝子および 隣接する領域を含むP−1クローン(p147)は、オリゴ1590/1591 を用いてGenome Systems(St.Louis,MO)により単離 された。 PCR生成物のクローニング:PEDF cDNAの内部コード領域から設計 された4組のプライマー、603:604;605:606;2238:354 および2213:2744が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)実験のプライマ ーとして使用するために上記のように合成された。プライマー配列は以下の様で ある:603:5’−ACA AGC TGG CAG CGG CTG TC −3’(配列ID番号:13)、604:5’−CAG AGG TGC CA C AAA GCT GG−3’(配列ID番号:14);605:5’−CC A GCT TTG TGG CAC CTC TG−3’(配列ID番号:1 5)、606:5’−CAT CAT GGG GAC CCT CAC GG −3’(配列ID番号:16),2213:5’−AGG ATG CAG G CC CTG GTG CT−3’(配列ID番号:17)、2744:5’− CCT CCT CCA CCA GCG CCC CT−3’(配列ID番号 :18);2238:5’−ATG ATG TCG GAC CCT AAG GCT GTT−3’(配列ID番号:19),354:5’−TGG GG A CAG TGA GGA CCG CC−3’(配列ID番号:20)。プ ライマー603:604および605:606で生じたPCR生成物の増幅、サ ブクローニングおよび配列決定はヒトゲノムDNAを鋳型として用いてLark Sequencing Technologies Inc.により実施され た。603:604からの生成物は約2kb(jt8A)であり、エクソン3か らエクソン5へ伸びている。605:606からの生成物は約3.3kb(jt 9)であり、エクソン5からエクソン6へ伸びている。プライマーの組221 3−2744はP1クローンp147からの約2.5Kb生成物(jtl5;J T115とも称される)の増幅に用いられた。この生成物はサブクローニングお よび配列決定のためLark Sequencing Technologie s Inc.に送られた。2238:354プライマーはイントロンEをまたぐ エクソン6からエクソン7の増幅に使用された。この生成物はサブクローン化さ れなかったが、我々により直接および完全に配列決定された。 DNA配列決定。P−1クローン(pl47)、このクローンのサブクローン およびこのクローンのPCR生成物が配列決定された。ほとんどの配列決定は標 準配列決定技術を用いてLark Sequencing Technolog ies Inc.により実施された。すべての重要な領域(例えば、イントロン ーエクソン境界)およびクローン間の連結は我々の実験室で配列決定された。P CR生成物からのDNAはPromega Corp.(Madison,WI )から購入されたWizardTM PCR Preps DNA精製キットを使 用して配列決定のために精製された。P−1クローンおよびプラスミドサブクロ ーンはQiagen Inc.(Chatsworth,CA)Midiプラス ミド精製キットを使用して精製された。精製PCR生成物およびプラスミドはP RISMTM DyeDeoxy Terminator Cycleシークエン シングキット(Applied Biosystems a Division of Perkin−Elmer Corp.,Foster City,C A)を用い、使用説明書に従って配列決定された。典型的には、配列決定反応当 たり0.5ピコモルの鋳型および3ピコモルのプライマーが使用された。配列決 定反応生成物はSelect−D G−50カラム(5プライム−3プライム; Boulder,CO)を用いて精製され、乾燥された。次に各々の試料を5μ Lのホルムアミド、1μLの50mM EDTAに溶解し、モデル370A A utomated Fluorescent Sequencer(ABI,F oster City,CA)中で加熱し、分析した。すべてのスプライスー部 位連接(ジャンクション)、イントロンFおよびクローンを横切った連接が配列 決定された。 サザンブロット。種々の種からのDNAのEcoRI消化ゲノム(8μg)ブ ロットはBIOS Laboratories,New Haven,CTから 購入された。ブロットは標準技術(Sambrook et al.,1989 )を使用し、PEDF cDNAで探査された。 PEDFの5’RACE。5’RACEは上記のようにアンカーオリゴをDy nabeads上で前もって合成されたヒト網膜色素上皮cDNAへ結合させる ことにより実施された。5’末端はアンカープライマー(AmpliFinde rのキット)およびPEDF−特異的プライマー2744を用いて増幅された。 増幅は30サイクル行われた。一つの主要なバンドが約230bpに観察された 。 PCR生成物はpGEM−T(Promega Corp.,Madison, WI)にクローン化され、配列決定された。これらのクローンの内最も長いもの はPEDFの5’末端から20bp伸びていることが観察された。 PEDF遺伝子の単離。PEDF遺伝子はプライマー1590および1591 (1590:5’−GGA CGC TGG ATT AGA AGG CAG CAA A−3’(配列ID番号:23);および1591:5’−CCA CAC CCA GCC TAG TCC C−3’(配列ID番号:24)) を用い、Genome Systems(St.Louis,MO)によりP− 1クローン(pl47)に単離された。このクローンが全PEDFを含んでいる かどうかを決定するため、pl47およびヒトゲノムDNAの両方がBamHI 、EcoHI、HindIIIおよびPstIで消化され、続いてパルスフィー ルド装置中、アガロースゲル電気泳動により分離された。アガロースゲルはブロ ットされ、PEDF cDNAクローン(Steeleら、(1993)Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 90:1526−1530)で探査 した。P−1クローンとゲノムDNA間のバンドパターンの比較は全PEDF遺 伝子がこのクローンに含まれていることを示している。さらに、この結果はPE DFには一つの遺伝子のみが存在することも示している。 PEDF遺伝子の配列。遺伝子のスケール地図が図1に示されている。PED F遺伝子はその全部が配列決定された(配列ID番号:43)。クローンjt1 、jt14、jt6Aおよび関連するPCR生成物(jt15、jt8Aおよび jt9)(図1)はLark Sequencing Technologie s Inc.により配列決定された。遺伝子の残りの部分はp147クローンを 鋳型として用いて遺伝子の異なった部分を増幅することにより配列決定された。 すべてのエクソン、イントロンーエクソン連接(ジャンクション)および全イン トロンFはP−1クローンp147より発生するPCR生成物から上記のように 我々の実験室で両方の方向で配列決定された。エクソン1から下流のNotI部 位はそれをまたいで増幅し、生成物を配列決定することにより確認された。遺伝 子は約16Kbにわたり、8つのエクソンを持っている。すべてのイントロンー エクソン連接はAG/GT規則に従っている。イントロンーエクソン連接および 隣 接する配列は表1に示されている。 jt1:ヒトゲノムコスミドライブラリー(Clontech)から単離された 7.1kbコスミドクローンで、PEDF遺伝子のエクソン7、エクソン8およ び3’隣接領域を含んでいる。このクローンの5’末端は(約2.1kbの領域 )PEDFの部分ではない。これは明らかにコスミドの転位(リアレンジメント )により起きたものである。このクローンは全部Lark Sequencin g Technologies Inc.により配列決定された。 jt6A:λDASHIIヒトゲノムライブラリー(Stratagene)か らLark Sequencing Technologies Inc.によ り単離された7.2kbNotI断片である。このクローンはPEDF遺伝子の >6kbの5’隣接領域、エクソン1およびイントロンAの424bpを含んで いる。このクローンは全部Lark Sequencing Technolo gies Inc.により配列決定された。 jt8A:このクローン化PCR生成物JT8Aはプライマー603:604を 用いてゲノムDNAから発生させた。このクローンはエクソン4およびイントロ ンCおよびDを含みエクソン3からエクソン5まで伸びている。全部Lark Sequencing Technologies Inc.により増幅、クロ ーン化および配列決定された。 jt9:このクローン化PCR生成物JT8Aはプライマー605:606を用 いてゲノムDNAから得られた。このクローンは全イントロンEおよびエクソン 5およびエクソン6の一部を含んでいる。全部Lark Sequencing Technologies Inc.により増幅、クローン化および配列決定 された。 jt15:このクローンはp147からのプライマー対2213:2744を用 いて増幅されたPCR生成物から得られた。このクローンはイントロンBをまた いでエクソン2からエクソン3まで伸びている。PCR生成物はサブクローニン グおよび配列決定のためにLark Sequencing Technolo gies Inc.に送られた。 P1クローンp147:このクローンはオリゴヌクレオチド1590:1591 を用いてGenome Systems Inc.により単離された。このクロ ーンはイントロンFの配列(2238:354)およびサブクローンjt14を 得るために使用された。また、上記のクローンから最初に得られたイントロンー エクソン境界を確認するためにも使用された。イントロン特異的オリゴを用いて すべてのエクソンおよびイントロン境界が増幅され(鋳型としてp147を用い て)、生成物が配列決定された。すべてのスプライス連接配列ならびにイントロ ンおよびエクソンの大きさが確認された。 jt14:これはイントロンAのほとんど、エクソン2およびイントロンBの一 部を含むp147のサブクローンである。このクローンは我々によって単離され 配列決定のためにLark Sequencing Technologies Inc.に送られた。 従って、上記のクローンおよびPCR生成物のすべての配列分析によりヒトP EDF遺伝子の構造およびエクソンおよびイントロンの大きさが決定された。す べての連接の5’スプライスドナーおよび3’スプライスアクセプター部位はG T/AGコンセンサスに従っている。 実施例9 PEDFプロモーターの分析 PEDFを制御しているであろう可能な転写要素についてのいくらかの理解、 PEDF発現についてのさらなる実験のための手引きを得るためにPEDF5’ 隣接領域(図3)の理論的分析を実施した。PEDF遺伝子の5’隣接領域には 古典的TATAAA信号またはTATA−ボックスが欠けている。しかしながら 、重要な転写因子により認識されるいくつかの興味ある特色および要素が含まれ ている。−164から−591および−822から−1050に2つのAlu反 復要素が存在する。Alu領域の外側に、共通のATGCAAAT(Parsl ow et al.(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.U. S.A .81:2650−2654;Falkner et al.(1984 )Nature 310:71−74;Sturm et al.(1988)Genes & Devel .2:1582−1599;Faisst and Meyer(1992)Nuc.Acids Res.20:3−26)から 1塩 基異なった転写因子の偏在するオクタマーファミリー(Oct)のための2つの 可能な部位が−29(ATCAAAT)および-113(GTGCAAAT) に存在する。興味を引くもう一つの要素が−62に位置している。この要素、 TAA AGTTAACはHNF−1(肝細胞核因子)に結合している共通GTA TNATTAACに似ている(Frain,M.,et al.(1989)Cell 59:145−147)。これは多くの有力な肝臓遺伝子をトランス 活性化するホームドメイン含有転写因子であるが(Kuo et al.(19 90)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:9838−98 42)、内胚葉性分化への関連が示唆されている(Baumhueter et al.(1990)Genes Dev.4:371−379)。−202の 配列TCAGGTATGACCTGCはAP−1により認識されレチノイン 酸によりトランス活性化されるであろう人工的パリンドローム配列(TREp)TCAGGTATGACCTGA(Umescono et al.(198 8)Nature 336:262−265;Linney(1992)Cur r.Topics in Dev.Biol .27:309−350)に非常に 類似している。−22の配列TGAGTGCAおよび−207のTGATGCA (TREp内)はAP−1共通配列TGACTCA(Schule,et al .(1990)Cell 61:497−504)に類似している。TREp内 に含まれる−204の配列AGGTATGACCTもまたその共通配列が GGTATGACCTである発生的に制御されたRAP(レチノイン酸受容体 )モチーフ(Faisst and Meyer(1992)Nuc.Acid s Res .20:3−26)に類似している。PEA3要素(ポリオーマウイ ルスエンハンサー活性化因子3)AGGAAG/A(Martin et al .(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:583 9−5843;Faisst and Meyer(1992)Nuc.Aci ds Res .20:3−26)が縦列に−122および−129続いて再び− 141に存在している。PEA3は転写因子ETSファミリーのメンバーであり (Macleod et al.(1992)TIBS 17:251−256 )、その活性は非核癌遺伝子により制御されているようである(Wasyl yk et al.(1989)EMBO J.8:3371−3378)。最 も興味深い要素の1つは−654に配列GTGGTTATGと共に位置する。こ の要素は転写因子のC/EBP(CAATエンハンサー結合蛋白質)ファミリー により認識される共通配列GTGGT/AT/AT/AG内にある(Faiss t and Meyer(1992)Nuc.Acids Res.20:3− 26)。この因子は成人表現型へ導く最終分化に関与するようである(Vell anoweth et al.(1994)Laboratory Inves tigation 70:784−799)。3つの可能なCACCCボックス が存在し、1つは−845に、および2つは逆の配向で−826および−905 に存在する。これらはすべてAlu反復内にある。可能なSpl部位(CCCG GC)がAlu反復前の−153にあり、共通Spl部位GGCGGGがAlu 反復の内側−1030に存在する。 実施例10 培養細胞におけるPEDF mRNAの発現 遺伝子発現分析 レーン当たり2μgのポリ−(A)RNAを用い多ヒト組織mRNAノーザン ブロット(Clonetech)が放射活性化標識667bpPCR増幅生成物 (Tombran−Tink et al.,1994 Genomics,1 9:266−272)でハイブリダイズされた。ブロットはQuickHyb急 速ハイブリダイゼーション溶液(Stratagene,La Jolla,C A)中、68℃で15分前もってハイブリダイズし、5x106cpm DNA /mlを含む同一の溶液中、68℃で1時間ハイブリダイズした。ハイブリダイ ズされたブロットは2回100mlの2XSSC、0.1%SDSにて室温で1 5分間、さらに1回200mlの0.1XSSC、0.1%SDSにて68℃で 30分間洗浄した。ブロットはKodax XAR−5フィルムおよびDupo nt補力スクリーンを用いて、−70℃で2時間オートラジオグラフィーを行っ た。 遺伝子発現 PEDFメッセンジャーRNAの発現が培養ヒト胎児RPE細胞以外のヒト組 織で起こっているかどうかを決定するために、試験された各々の組織に対し等量 のポリ−(A)RNA含んでいる多組織ヒト成人および胎児RNAブロットを分 析した。結果は表4に示されている。PEDFプローブは分析された16の成人 組織の14で種々の強度のハイブリダイゼーションの単一の1.5kb転写体を 同定した。成人腎臓または末梢血白血球では信号が検出されなかった。成人脳、 膵臓、脾臓および胸腺で弱い信号が観察できた。PEDFメッセンジャーRNA に対する多量のハイブリダイゼーションがヒト成人肝臓、骨格筋、精巣および卵 巣で観察された。驚くべきことに、全脳RNAでは非常に弱い信号しか観察され なかった。試験された胎児組織では、非常に強いPEDF信号が肝臓組織で観察 され、興味深いことには成人腎臓試料ではPEDFハイブリダイゼーションがな かったのに比較して胎児腎臓では有意に強度で信号が観察された。 成人組織で単一の1.5kb転写体が観察されたのと対照的に、胎児心臓、肺 および腎臓で500bp未満の追加の副転写体が低強度で種々に標識された。こ れは、mRNAの部分的分解、または選択的スプライスのためと思われる。PE DFはまた早期継代のサルRPE細胞でのみ発現され(1−5の継代数)、後期 継代細胞(10継代)では発現されなかった。これらの結果は老化へのPEDF の関連を示している。 実施例11 種々の系統発生的関連種におけるPEDFの比較分析 進化的保存分析 多数の哺乳類および霊長類種を含む種々の種のリンパ球からのゲノムDNA( BIOS laboratories,New Haven CT)の8μgを EcoRIで消化し、1%アガロースゲルで分離した。ゲルはトランスブロット され、消化されたDNAを含む膜はノーザン分析と同一の方法および条件を用い てハイブリダイズした。 進化的保存: 若干の系統発生的に関連する種間のPEDFの進化的保存が試験された。結果 は図5に示されている。これらの高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション 条件を用いると、鳥類、哺乳類および霊長類で約23kbの大きなEcoRI制 限断片が観察された。おそらく使用されたヒトPEDFプローブとの低い相同性 のためであろうが、より下等な種ではハイブリダイゼーションは観察されなかっ た(図5A)。ニワトリおよびマウスのEcoRI断片はヒトのものより幾分小 さい。試験されたいくつかの哺乳類種において興味ある制限パターンが現れた( 図5B)。6kbから2kbの間の大きさの範囲にいくつかのより小さな制限断 片が観察された。試験されたすべての霊長類種で9kbから23kbの間の大き さの範囲により大きな断片が観察され、それは約9kbに追加の強くハイブリダ イズする多形断片を持っている。 実施例12 培養における小脳顆粒細胞に対する色素上皮誘導因子の神経細胞栄養性効果 細胞培養 小脳顆粒細胞(CGC)はNovelliら(1988,Brain Res .,451:205−212)により記載されているように生後5または8日の Sprague−Dawleyラット子供から調製された。簡単に記すと、髄膜 を含まない組織を124mM NaCl、1mM NaH2PO4、1.2mM MgSO4、3mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)、27μMフェノール レッドおよび25mM HEPES(pH7.4)を含む緩衝液中で切り刻み、 550xgで3分遠心分離した。10−20匹の動物からの組織ペレットを再懸 濁し、250μg/mlトリプシンを含む同一の緩衝液30ml中でトリプシン 分解し(15分、37℃);26μg/mlのDNaseI、166μg/ml の大豆トリプシン阻害剤および0.5mMの追加のMgSO4を含む緩衝液をさ らに15ml加えて上記のように組織を再び遠心分離した。ペレットを80μg /mlのDNase、0.52mg/mlのトリプシン阻害剤および1.6mM の追加のMgSO4を補給した1mlの緩衝液に再懸濁し、パスツールピペット で60回砕いた。0.1mMのCaCl2および1.3mMの追加のMgSO4を 含む緩衝液2mlで懸濁液を希釈し、非分散物は5分間放置して沈澱させた。上 清を別のチューブに移し、細胞は軽く遠心分離し、血清含有培地(25mM K Cl、2mMグルタミン、100μg/mlゲンタマイシン、および10%熱不 活性化ウシ胎児血清を含むイーグル基本培地)または化学的に決められた培地( 5μg /mlインシュリン、30nMセレン、100μg/mlトランスフェリン、1 000nMプトレシン、20nMプロジェステロン、50U/mlペニシリン、 50μg/mlストレプトマイシン、および2mMグルタミンを含むDMEM: F12(1:1))(Bottenstein,1985 CellCultu re in the Neuroscience,J.E.Bottenste in and G.Sato,eds.New York Plenum Pu blishing Corp.p.3−43)に再懸濁して回収した。細胞をポ リ−L−リシン被覆96ウェルプレート(MTSアッセイおよび神経フィラメン トELISAアッセイのため)または8ウェルチャンバースライド(免疫細胞化 学およびBrdU標識のため)に2.5x105細胞/mlで加え、5%CO2を 含む空気からなる雰囲気下、37℃で増殖させた。培養1日後、血清補給培地中 の細胞にのみシトシンアラビノシド(Ara−C)を加えた(最終濃度50μM )。 MTSアッセイ 96ウェルプレート中の小脳顆粒細胞をMTS(3−(4,5−ジメチルチア ゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−ス ルホフェニル)−2H−テトラゾリウム、内部塩)およびPMS(フェナジンメ トスルフェート)(最終濃度;333μg/ml MTSおよび25μM PM S)(Promega Corp.)と4時間CO2インキュベーター内でイン キュベートした。PMS存在下、MTSは代謝的に活性な細胞に観察されるデヒ ドロゲナーゼ酵素により水可溶性ホルマザンに変換される(Coryet al .(1991)Cancer Comm,3:207−212)。ホルマザン生 成物の量は分光学的に490nmで決定した。 免疫細胞化学 インビトロでの日数(DIV)で7日後、細胞をカルシウムおよびマグネシウ ムを含まないリン酸緩衝液(PBS)で3回洗浄し、2%パラホルムアルデヒド で10分間、続いて−20℃にて95%エタノール/5%酢酸で10分間固定し た。NSE(ニューロン特異的エノラーゼ)に対する一次抗体、GABA、カル ビンジン、またはグリア原線維性酸性蛋白質(GFAP)とのインキュベーショ ンを室温で60分実施した。2%正常ヤギ血清および0.2%BSA存在下、抗 体を1:1000−1:5000で加えた。抗体はABCシステム(Vecto r Laboratories)およびジアミノベンジジンを用いて可視化した 。各々の実験で2−3のウェルから少なくとも20視野を計数した。対照培養中 のNSE陽性細胞と比較した他の抗体により染色された細胞の数の比を決定する ために視野当たりの細胞の平均数を計算した。 ブロモデオキシウリジン(BrdU)標識 BrdU標識は以下の変更を行ったGaoら(1991 Neuron,6: 705−715)の方法により実施された。細胞は8ウェルチャンバースライド に入れ直ちにrPEDFを加えた。24時間後、BrdU(1:100;Ame rsham細胞増殖キット)を培養培地に24時間加え、その後細胞を2%パラ ホルムアルデヒドで固定し(10分)、95%エタノール/5%酢酸で処理し( 10分)、抗BrdUモノクローナル抗体とインキュベートした(1:20、2 時間)。培養物は次に西洋ワサビペルオキシダーゼ−結合ヤギ抗マウス第二抗体 と60分インキュベートした。ジアミノベンジジンーペルオキシダーゼ後、細胞 はGel Mountにマウントされた。顕微鏡で標識された細胞のパーセント 数を計数することにより、分裂指数が決定された。各々の値に対し、3000細 胞の無作為試料が計数された。 神経フィラメントELISAアッセイ わずかな変更を加えたDohertyら(1984 J.Neurochem .,42:1116−1122)の方法に従って神経フィラメントELISAが 実施された。96ウェルマイクロタイタープレートで増殖させた培養物は4%パ ラホルムアルデヒドを含むPBSにより、4℃で2時間固定した。固定された細 胞は15分0.1%トリトンX−100を含むPBSで処理して透過性を上げ、 続いて非特異的結合を防ぐために60分10%ヤギ血清を含むPBSとインキュ ベーションを行った。培養物は次にモノクローナル抗ー神経フィラメント抗体と 4℃にて一夜インキュベートした(RMO 1:100で;小脳顆粒細胞の培養 において神経芽のみを染色する)。10%ヤギ血清を含むPBSで2回洗浄後、 細胞を第二抗体(西洋ワサビペルオキシダーゼ−結合ヤギ抗マウス 1:100 0 で)と1時間インキュベートした。PBSおよび水で連続的に洗浄した後、培養 物は0.2%O−フェニレンジアミンおよび0.02%H22を含む50mMク エン酸緩衝液(pH5.0)と30分インキュベートした。等量の4.5M H2 SO4を添加することにより反応を停止させた。マイクロタイターリーダーを用 い、490nmで反応生成物の一部の光学密度(O.D.)を読みとることによ り生成物形成を定量した。 MTSアッセイが生きている細胞数の指標になることを確認するため、および アッセイの結果が直線性を与える細胞数の範囲を決定するために、図6に示した 実験を実施した。血清含有培地(SCM)においては(図6A)、1−9x105 細胞/cm2の範囲に渡って光学密度(O.D.)と加えた細胞数が比例した。 対照的に、化学的に決められた培地(CDM)(図6B)では、直線範囲は1− 5x105細胞/cm2の範囲をカバーするにとどまった。引き続く全ての実験は 、どちらの型の培養培地においても直線範囲の中間である2.5x105細胞/ cm2で細胞を加えて行った。 図7は、PEDFはDIV4で細胞数の有意な増加を起こし、DIV7および 10では大きな相違を与えることを示す。しかしながら、この2−3倍の増加は 対照培養における細胞数の顕著な減少の結果である。化学的に決められた培地に おける用量応答曲線は(図8)、20ng/mlで統計的に有意な効果があるこ とを示している。50ng/ml以上にPEDF濃度を増加させてもCDM中で のさらなる増加を生み出さなかった。 PEDFに応答したO.D.の増加(MTSアッセイ)が生き残っている細胞 の増加を反映しているのか、または増殖の増加を反映しているのかを決定するた め、生後5日(P5)の動物(この時小脳顆粒細胞は動物でまだ分裂している) からの培養物を用いて、BrdU標識研究が実施された。図9はDIV1および 2におけるP5 CGC培養に対するPEDFの効果を示している。MTSアッ セイを用いると、PEDFはDIV1では効果がなかったが、血清含有培地また は化学的に決められた培地ともDIV2にO.D.の小さな増加を起こした。従 って、BrdUを日−1に添加し、日−2に固定した。対照条件下のBrdU標 識指数はSCMで5%およびCDMで3%であり、PEDFはどちらの培養培地 で もBrdU標識指数を増加させなかった(図10)。PEDFによりBrdU標 識指数が刺激されないことは、PEDF暴露後のMTSアッセイにより測定され たO.D.の増加は細胞分裂の増加のためではなく、むしろ生き残りの助長に応 答していることを示唆している。 免疫細胞化学を用いてPEDF処理前および後の培養液に存在する細胞の同定 を行った。PEDFと(500ng/ml)またはPEDFなしで7日間増殖さ せたP8培養細胞を4つの異なった抗体で染色した:すべての小脳ニューロンを 認識するニューロン−特異的エノラーゼ(NSE)に対するポリクローナルウサ ギ抗体(Schmechel et al.(1978)Science,19 9:313−315);小脳顆粒細胞を除いたすべての小脳ニューロンで合成さ れるGABAに対するポリクローナル抗体(Gruol and Crimi( 1988)Dev.Brain Res.,41:135−146);ニューロ ン−特異性蛋白質であるカルビンジンおよびGFAP(アストログリアにのみ存 在する中間フィラメント蛋白質)に対する抗体。結果は表2に要約されている。 PEDFはSCM(30%増加)およびCDM(60%増加)の両方でNSE陽 性細胞の数を有意に増加させた。GABA陽性ニューロンおよびPurkinj e細胞(カルビンジン陽性)の数のわずかな(統計的には有意ではない)増加が あった。従って、PEDFは顆粒ニューロンに対してのみ神経栄養性である。さ らに、PEDFは培養液中に存在するGFAP陽性アストログリア(astrocytes) の数を有意に減少させた(SCMで30%の減少およびCDMで40%の減少) 。このPEDFの”グリア静止性”は実施例14でさらに論議される。 神経芽成長に対するPEDFの効果を調べるため、神経フィラメントELIS A試験が用いられた。免疫細胞化学は、モノクローナル抗体、RMO−42は培 養液中の小脳顆粒細胞の神経芽のみ染色することを示したので、この抗体を細胞 本体ではなく突起のみに存在する神経フィラメントの直接的測定に使用した(図 11)。PEDFはSCMおよびCDMの両方で神経フィラメント含量をわずか に増加させたのみであったが、その増加量は細胞数の増加に直接的に比例してい た(図12)。 図13はこの実施例のデータを総括している。培養10日までに、ほとんどの 非処理CGC(対照)は死滅したが、PEDF処理細胞は60%またはそれ以上 生き残った。PEDFは従って脳ニューロンに対する強力な生存因子である。 実施例13 rPEDFペプチド、BPおよびBXの神経細胞栄養性特性。 PEDFの”神経細胞栄養性”活性について前の節で記載されたことは真実で あり、強力な神経栄養性活性を示す組換え体PEDF(rPEDF)を比較的多 量に製造することが可能である。適当な組換え体分子生物学的技術を用いて、よ り小さなPEDF分子の断片もまた製造でき、それらは神経栄養性かまたは神経 細胞栄養性活性が試験される。図14はCGC生存率に対するPEDFのこれら の端が切断された形のうちの2つの効果を示している。BXおよびBPは各々P EDF分子のアミノ末端部分からの24および28kDa断片である。両断片は 1xまたは10x濃度でニューロン生存因子として作用し、有意にCGCの寿命 を延長させる。この実験において、ペプチドは実験の初めに一度に与えられ、細 胞数は7日後に決定された。完全PEDF分子とともに、分子のN−末端に近い より小さな組換え体ペプチドも”神経細胞栄養性”であると結論付けられる。 実施例14 PEDFのグリア細胞静止特性 ラット小脳顆粒細胞の初代培養中にニューロンとともに少数のグリアの異なっ た型が存在する。グリアはCNS中におけるニューロンのための”支持”要素で あり、建築的骨格、およびニューロンが依存する代謝的支持系を形成する。グリ アはまた、脳の腫瘍はほとんどグリアにより形成されおよびグリオシスがいくつ かの神経消耗性疾患で問題であるので、臨床的にも重要である。我々の系におい て、細胞の培養混合集団をニューロンに特異的な抗体およびグリアの異なった型 に特異的な他の抗体で免疫細胞化学的に染色した時に、グリアに対するPEDF の効果について気がついた。この目的のため、ニューロンの存在を示すために標 準マーカーニューロン特異性エノラーゼ(NSE)およびその他、大グリア(ast roglia)の存在を示すためにグリア原線維性酸性蛋白質(GFAP)および小グ リア(microglia)染色のためにOX−42を使用した。この実験において(表2 )、我々はニューロンがPEDF処理によりより長く生きることを知っていたの でNSE染色で予期される増加を観察したが、GFAP染色での予期されない減 少を観察した。このことはPEDF処理培養物において大グリア細胞をより少な くする可能性を示している。 培養皿における大グリア細胞および小グリア細胞の特有の形態およびGFAP またはOX−42に対するそれらの選択的染色のため、異なった実験条件下、顕 微鏡下でそれらを個々に計数することが可能である。これは図15および16に 概説するように行われた。図15はラット脳から得られた培養液中の大グリア細 胞の数に対するPEDFの効果を培養2週(2w)または12週(12w)に示 したものである。与えられている時間は、PEDF処理後、48時間、96時間 または7日である。明らかに、試験されたすべての条件でPEDF処理は大グリ ア細胞の劇的な減少が生じている。図16は同一の培養での小グリア細胞の平行 分析を示している。48時間または7日間のPEDF投与により、2週間(2w )または12週間(12w)培養しても細胞の数を減少させていた。従って、P EDFは非常に長い期間に渡ってグリア要素を実質的に減少させ、一方、ニュー ロンには生存因子として働いている。 実施例15 天然ウシPEDFの特性付け 特異的抗体によって成人IPMにPEDFの存在が示されたので、天然PED Fの精製源としてウシIPM洗液を使用した。RPEおよび網膜細胞はPEDF mRNAを発現するが、これらの細胞抽出液では抗−BHはウェスタン移行物 上のPEDFバンドを検出できず、このことはPEDFがIPM内に迅速に放出 されることを示唆している。ウシIPMに存在するPEDFは全可溶性蛋白質の 1%未満であると現在見積もられている(即ち、約2−5ng/ウシの眼)。生 理学的温度では、IPM中のPEDF蛋白質は長い期間安定に残っており、SD Sに抵抗する非還元複合体は形成しない。従って、その安定な性質のため、培養 実験およびインビボでの移植におけるその潜在的有効性は非常に高い。 ほぼ均質なまでの精製は単純な2工程法により達成される(図17)。IPM の成分はサイズ排除カラムクロマトグラフィー(TSK−3000)により分画 された。PEDF−免疫反応性分画をプールし、陽イオン交換カラム(Mono −S)に加え、NaCl直線濃度勾配により免疫反応性成分を溶出させる。精製 プロトコールは材料および方法に詳述されている。各々の溶出プロフィールがパ ネルA(TSK−3000サイズ排除カラムクロマトグラフィー)およびパネル B(mono−Sカラムクロマトグラフィー)に示されている。280nmでの 吸光度は実線で、およびNaCl濃度が点線で示されており、PEDF免疫反応 性は抗血清Ab−rPEDFで追跡された。挿入図は示された分画のウェスタン ブロット分析である。免疫反応はAb−rPEDFの1:10,000希釈で実 施され、4−クロロ−1−ナフトールで染色された。TSK−3000クロマト グラフィーのための分子サイズ標品はBSA(ウシ血清アルブミン、66,00 0)およびCA(うしカルボニックアンヒドラーゼ、29,000であった。 可溶性IPM成分の洗液で出発し、最初の工程はサイズ排除カラムクロマトグ ラフィーによるほとんどの豊富にある蛋白質(IRBP)の除去を含んでいる。 PEDFは約50kDaの大きさの単量体ポリペプチドとして溶出する。我々は 、PEDFの等電点を7.2−7.8であると決定したので、蛋白質を同時に精 製および濃縮するための方法の第二の工程にpH6.0でS−セファロースカラ ムクロマトグラフィーを使用した。精製された蛋白質はおとなのウシの眼当たり 約2μgで回収され、回収率は約40%であった。天然のPEDFはSDS−P AGE上、49,500±1,000のみかけの分子量を持つ単量体糖蛋白質の ように振る舞う。 精製蛋白質はグリコシダーゼFに感受性があり、N−結合オリゴサッカライド を示しており、それは天然の蛋白質中の3,000−Mrまでを占めている(図 18)。アスパラギンー結合オリゴサッカライドを除去するため、精製PEDF 蛋白質がエンドグリコシダーゼHおよびN−グリコシダーゼFで処理された。酵 素反応は材料と方法に記載されているよに実施され、β−メルカプトエタノール 存在下または非存在下で全量で200ngのPEDF蛋白質が用いられた。反応 混合物はSDS−12.5%ポリアクリルアミドゲルに適用した。エンドグリコ シダーゼH(左パネル)およびN−グリコシダーゼF(右パネル)反応物のウェ スタン移行物の写真が示されている。イムノブロットは1:10,000希釈抗 血清 Ab−rPEDFで処理された。各々の反応の添加成分は上に示されてい る。各々の写真の右側面の数字はビオチン化SDS−PAGE標品の移動を示し ている:ウシ血清アルブミン(66,200)、オバアルブミン(45,000 )およびウシカルボニックアンヒドラーゼ(31,000)。精製ウシPEDF はY−79およびWeri網膜芽腫細胞の神経芽成長を促進し、この活性は抗− rPEDFにより遮断されること示した(下記参照)。 本発明は、NSE、GFAP、神経フィラメント(NF−200)蛋白質を含 むCGC培養物およびY−79腫瘍細胞でのニューロンおよびグリアマーカーの 発現に対する標準PEDFの効果を測定するための道具を提供している。 実施例16 色素上皮誘導因子:高度に特異的なポリクローナル抗体による特性決定 PEDFに対するポリクローナル抗体を開発するために、大腸菌で産生された 精製組換え体ヒトPEDFを使用した。抗−rPEDFはおとなのウシの眼から のIPM洗液のウェスタン移行物上の一つのポリペプチドを特異的に認識した( 図19)。ヒト組換え体PEDFに対するポリクローナル抗血清は特異的にrP EDFを認識する。ヒトrPEDFのウェスタン移行物およびスロットブロット はrPEDFに対するウサギポリクローナル抗血清、Ab−rPEDFで処理さ れた。4−クロロ−1−ナフトールでの免疫染色の写真が示されている。パネル A、rPEDFの0.5μgのウェスタン移行物が抗血清の希釈の増加をアッセ イするために使用された。rPEDF蛋白質は移行前にSDS−12.5%PA GEで分離された。希釈率は各々のレーンの上に示されている。希釈抗血清は免 疫検出に使用する前に5μg/mlでrPEDFと前もってインキュベートされ 、1:10,000+rPEDFと示されている。左の数字はビオチニル化SD S−PAGE標品の分子量を示している。パネルB、1%BSA/PBS中rP EDFの量を増量し、マニホールドでニトロセルロース膜へ供給した。膜は抗 血清抗−rPEDFおよび1:10,000希釈されたウサギ前免疫血清で処理 された。右に示されている数字は膜へブロットされたrPEDFの量を表してい る。各々のペーパーに使用された血清は図の上に示されている。 抗−BHはウェスタン移行物上、1:50,000のような高い希釈度でヒト PEDFを特異的に認識した;重要なことは、それが血清α1−抗トリプシンを 認識しなかったことである。本抗体は若年サルRPE培養細胞の馴化培地の、な らびにおとなのウシの眼からのIPMの、ウェスタン移行物上に一つの主要なバ ンドを認識した。抗−rPEDFはIPM促進神経栄養性活性を遮断した(図2 0)。血清含有培地中、対数増殖期のヒト網膜芽腫細胞Y−79をPBSで2回 洗浄し、インシュリン、トランスフェリンおよびセレンを補給した無血清MEM (ITS混合物、Collaborative Research Produ cts)中に播種した(ml当たり2.5x105細胞)。次にエフェクターが 培養液に添加された。5%CO2、37℃で7日後、細胞を新鮮な無血清培地を 含むポリ−D−リシン被覆プレートに付着させた。培養物の分化状態を付着後種 々の間隔でモニターした。付着9日後の形態的特徴が示されている。エフェクタ ーの添加は各々のパネルに示されており以下の最終濃度であった:125μg/ ml BSA、1% IPMおよび100ng/ml 精製ウシPEDF。神経 芽の成長誘導活性を阻止するため、各々のエフェクターは1%BSA/PBS中 、過剰の抗血清抗−rPEDF(1μl)と少なくとも6時間4℃で前もってイ ンキュベートした。すべての写真は50倍で示されている。 抗−rPEDFはまた精製PEDFにより促進される神経芽成長活性も阻止し た。我々のデータはIPMではPEDFが唯一の神経栄養性因子であることを示 している。これらのデータはまた抗−rPEDFはPEDF神経栄養性活性部位 ならびにIPMおよび他の組織(例えば、脳)におけるPEDFの生理学的役割 の探査に有用であろうことも示唆している。さらに、これらの結果はPEDFは IPMを益する成分であり、細胞外マトリックスにおける唯一の神経栄養性成分 であることを示している。さらに、本蛋白質は広範囲の組織および細胞外空間に 存在している。阻止抗体はPEDFの生理学的機能を探査する研究に有用である 。 実施例17 色素上皮誘導因子:神経栄養性活性を持つセルピン ヒト胎児PEDF cDNAから誘導されるアミノ酸配列は、セリンプロテア ーゼ阻害剤(セルピン)ファミリーとその一次構造の同一性を共有し(約30% )、セルピンの構造的完全さに必須な残基の90%を保存している。しかしなが ら、組換え体PEDFはセリンプロテアーゼであるトリプシン、キモトリプシン 、エラスターゼまたはカテプシンGを阻害しない。PEDFの天然の標的はまだ 解明されていない。PEDFに対して作成した抗体によるウェスタンブロットの 免疫検出および蛋白分解性基質としてカゼインを含むゲルのザイモグラフィーに より、網膜色素上皮および網膜間の空間である、光受容体間マトリックス(IP M)からの蛋白質を分析した。結果は、ウシIPMは安定でグリコシル化された PEDFポリペプチド(50,000Mr)を目当たり2−5μg含んでいるこ とを示している。トリプシン、サブチリシン、キモトリプシンおよびエラスター ゼによるウシPEDFの制限蛋白分解は46,000Mrのポリペプチドを産生 し、蛋白分解性切断に感受性を持つヒンジ領域を持つ球状構造が示唆される。一 方、カゼインSDS−PAGEザイモグラフィーはIPM中のプロテアーゼ活性 が低いことを明らかにし、それは約80,000±5,000の2倍移動した。 カゼイン分解性活性は1μg/mlのアプロチニンおよび10mM PMSFを ゲル混合物に加えると100%阻害されたが、E64またはEDTAには影響を 受けなかった。重要なことは、IPM蛋白質は、約80,000Mrのセリンプ ロテアーゼであるプラスミノーゲンに対する抗体と反応しなかったことである。 rPEDF蛋白質が1μg/mlで加えられた場合、これらのカゼイン分解性活 性ならびに未知の起源のその他のセリンプロテアーゼ活性の信号は約50%弱め られた。これらの結果は新規セリンプロテアーゼおよびセルピンPEDFのため の天然の細胞外部位としてのIPMを示唆しており、両方とも全蛋白質の≦1% で存在している。 ここに引用したすべての文献は、援用により本明細書に全文包含される。 本発明はPEDFの一般的構造特性およびこれらが蛋白質の機能とどのように 関係するかについての理解の発端を開示している。PEDFはセルピンについて 知られている構造特性および一般的三次特性を持っているが、セルピンの抗−プ ロテアーゼ活性は持っていない。PEDFは神経栄養性蛋白質であり、網膜芽腫 細胞上の神経芽成長を促進するIPMの唯一の成分であるようである。しかしな がら、古典的セルピンのカルボキシ末端近くに観察されるセリンプロテアーゼ阻 害剤のための反応中心は、PEDFの神経栄養性生物学的活性には必要とされな い。特に、分子のアミノ末端部分からのドメインを含むポリペプチド鎖(BA) は、神経栄養性およびニューロン生存活性にとって十分である。本発明はさらに CGCニューロンがアポトーシスで死ぬかどうかおよびPEDFはアポトーシス の阻害剤であるかどうかの決定を可能にする。言葉を換えれば、本発明はどのよ うな機構でPEDFがニューロンを”救い”およびグリアの成長または増殖を” 阻害する”かを決定することを可能にする。 本発明は特異的神経栄養性”活性部位”の決定に有用である。さらに、端が切 断されたrPEDFペプチドの使用はPEDFの神経細胞栄養性およびおそらく 、グリア細胞静止性に必要な要素決定を可能にする。本発明はさらに、網膜芽腫 細胞の分化のための信号の引き金を引くPEDFの相互作用を研究するために必 要な道具を提供する。最近の実験は網膜芽腫細胞により前もって”馴化され”て いる培地に加えたときのみ125I−BHは網膜芽腫細胞と競合的様式で結合する ことが示されている。このことは細胞により産生される一つまたはそれ以上の補 因子が結合に必要であろうことを示唆している。本発明はさらにCGC試験系お よび網膜芽腫細胞試験系からのPEDFまたはPEDF複合体に対する細胞表面 受容体を同定および特性決定するために必要な道具を提供する。 蛋白質の機能部位のドメインマッピングのための道具として、組換え体変異蛋 白質、蛋白質分解生成物および合成ペプチドが使用できる。さらに、本発明の組 換え体蛋白質はPEDF上の神経栄養性および神経細胞栄養性”活性部位”のマ ッピング、およびこの興味深い蛋白質が発揮するその劇的な生物学的効果による 細胞トランスダクション機構の決定を可能にする。 本発明は好適な態様を強調して説明したが、PEDF、rPEDFおよび等価 な蛋白質、(BP、BX、BA)をコードしている好適な核酸、およびそれらの アミノ酸配列、そのような核酸を利用するベクター、そのような蛋白質を産生す る組換え法、およびそのような蛋白質の使用法の変形態様が存在し、本発明がこ こに特別に記載したものと別な方法で実施できるであろうことは当業者には明か であろう。従って、本発明は以下の請求の範囲に定義されるように、本発明の精 神および範囲内のすべての改変を包含する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/53 C12P 21/02 C // C12P 21/02 A61K 37/24 ABL (C12P 21/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TT,UA, UG,UZ,VN (72)発明者 ベセラ,ソフィア・パトシア アメリカ合衆国メリーランド州20817,ベ セズダ,ストーンハム・コート 6218 (72)発明者 シュワルツ,ジョアン・ピー アメリカ合衆国メリーランド州20817,ベ セズダ,ウィルソン・レーン 6411 (72)発明者 タニワキ,タカユキ アメリカ合衆国メリーランド州20852,ロ ックヴィル,コングレッショナル・レーン 257

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ニューロンを含む細胞集団を有効量の色素上皮誘導因子で処理し;お よび 該集団のニューロン細胞生存を促進することからなるニューロン細胞 生存の促進法。 2. グリア細胞を含む細胞集団を有効量の色素上皮誘導因子で処理し;お よび 該集団のグリア細胞増殖を阻害することからなるグリア細胞増殖阻害 法。 3. ニューロン細胞が組織細胞培養にある請求項第1項に記載の方法。 4. 以下の工程をさらに含む請求項第1項に記載の方法: 細胞培養を設定し;および 該細胞培養を有効量のPEDFで処理する。 5. 処理される細胞が患者内へ移植される組織の構成要素を含む請求項第 1項に記載の方法。 6. 細胞が胎児脳細胞である請求項第6項に記載の方法。 7. グリア細胞が腫瘍増殖の一部である請求項第2項に記載の方法。 8. 阻害されるグリア細胞増殖がグリオシスである請求項第2項に記載の 方法。 9. 精製された色素上皮誘導因子またはその抗原性断片に対して作成され た精製抗体または該抗体の抗原ー結合断片。 10. 該抗体がポリクローナルである請求項第9項に記載の単離抗体または 抗体断片。 11. 該抗体がモノクローナルである請求項第9項に記載の抗体または抗体 断片。 12. 該抗体が検出可能な標識で標識されている請求項第9項に記載の抗体 または抗体断片。 13. 細胞または細胞集団を有効量の請求項第9項に記載の抗体または該抗 体の抗原結合断片で処理し;および 色素上皮誘導因子生物学的活性を阻害することからなる色素上皮誘導 因子の阻害法。 14. 以下の工程を含んでなる、体液、細胞または組織試料中の色素上皮誘 導因子レベルの決定法: A.該試料と請求項第9項に記載の精製抗体または抗原結合断片を該 抗体または抗原結合断片と該試料中に存在する色素上皮誘導因子間で免疫複合体 が形成される条件下で接触させ; B.免疫複合体から過剰の抗体または抗原結合断片を分離し;及び C.免疫複合体のレベルを決定して色素上皮誘導因子レベルを決定す る。
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