【発明の詳細な説明】
新規な多量体化剤 発明の背景
イムノフィリン系の組み換え体タンパク質のリガンド媒介多量体化(ligand-m
edidated multimerization)に基づく生物スイッチの設計、製造および用途の態
様は、Spencer等のScience 262: 1019-1024(1993年11月12日)および国際特許
出願PCT/US94/01660およびPCT/US94/08008(それぞれの全内容を参照としてここ
に援用する)に開示されている。多量体化剤の1種に、大環状天然物のFK506が
合成リンカー部分を介して互いに共有結合した二量体に基づくものがある。得ら
れる二量体("FK1012"分子)は、イムノフィリン分子に対する高い結合親和性を
特徴とする。しかし、これは大きく複雑な分子であり、製造に不便なことがある
。イムノフィリン部分を含むキメラタンパク質を多量体化するための新規な方法
および材料であって、多量体化しようとするイムノフィリンに対する高い結合親
和性を保持するが、製造がより簡便で構造変化をより容易に受ける、より小さく
、より単純な構造の多量体化剤を用いた方法および材料が望ましいであろう。発明の説明
本発明は、N-オキサリル-ピペコリルおよびN-オキサリループロリル・リガン
ド部分に基づいたイムノフィリン類〔天然のイムノフィリンタンパク質ならびに
イムノフィリン由来のドメイン(領域)を含んでいるキメラタンパク質を包含す
る〕を多量体化するための新規な方法および材料を提供する。(ここで用いた、
「多量体化」なる用語は、二量体化とそれより高次の多量体化を包含する。)
本発明は、式Iで示されるイムノフィリン多量体化剤および薬学的に許容しう
るその塩に関する。
上記式中、M1およびM2はそれぞれ独立して式IIで示される部分である。
上記式中、
n=1または2;
X=O,NHまたはCH2;
Y=O,NH,NR3であるか、R2から原子9への直接結合、即ち、共有結合を表し
;
R1、R2、及びR3は、それぞれ独立してC1〜C20アルキルまたはアリールであり
;
ここで、アルキルとは、飽和および不飽和の両方の直鎖、分岐、環式、または
多環式脂肪族炭化水素を含み、これらは1または2以上の炭素原子の代わりに酸
素、イオウもしくは窒素を含有してもよく、また場合によっては、ヒドロキシ、
C1〜C8アルコキシ、アシルオキシ、カルバモイル、アミノ、N-アシルアミノ、ケ
トン、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、およびアリール(特に記載しない限り
、アルキル、アルコキシおよびアシル基は1〜6個の隣接する脂肪族炭素原子を
含有するのが好ましい)よりなる群から選ばれた1または2以上の官能基で置換
されていてもよく;
アリールとは、安定な環式、複素環式、多環式および複素多環式の不飽和C3〜
C14部分を含み、例えば(これらに限定されないが)、フェニル、ビフェニル、
ナフチル、ピリジル、フリル、チオフェニル、イミダゾイル、ピリミジニル、お
よびオキサゾイルがあり;該部分は、ヒドロキシ、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8分
岐もしくは直鎖アルキル、アシルオキシ、カルバモイル、アミノ、N-アシルアミ
ノ、ニトロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、およびカルボキシルより
なる群から選ばれた1〜5個の基でさらに置換されていてもよく [例えば、Ka
tritzkyの複素環化学便覧(Handbook of Heterocyclic Chemistry)参照];
R1およびR2は、場合により、互いに結合、即ち共有結合して、大環状構造を形
成してもよく(式IIに破線で示すように);そして
Lは、R1またはR2への共有結合によってモノマーM1とモノマーM2とを共有結合
で結合するリンカー部分であり、R1とR2のいずれへ結合するかはM1とM2において
必ずしも同じでなくてよい。
リンカー部分(L)は、イムノフィリンタンパク質への結合に必須な要素を含
有する必要はなく、非常に広範な種類の構造から選択すればよい。好ましいリン
カー部分としては、C2〜C20アルキル、アリール、またはジアルキルアリール構
造(ここで、アルキルおよびアリールは上記の通りである)が挙げられる。リン
カー部分は好都合には、エーテル、アミド、尿素、カルバメートおよびエステル
などの官能基を介して、或いはアルキル−アルキル、アルキル−アリール、また
はアリール−アリールの炭素−炭素結合を介して、モノマーM1とモノマーM2とに
結合させることができる。さらに、リンカー部分は、式Iの多量体化剤の薬動態
学的性質を高めるように最適化(例えば、鎖長および/または置換基の変化によ
り)してもよい。
本発明化合物の1例において、-YR2は、炭素数1〜8の直鎖、分岐もしくは環
式脂肪族部分(例えば、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、tert-アミルおよ
びシクロヘキシルを含む)であり、-XR1は次式で示される部分である。
上記式中、R4は芳香族もしくはヘテロ芳香族基、例えばフェニル、置換フェニル
、インドリル、ピリジル等であり;R5は場合により置換されていてもよい炭素数
2〜8の直鎖、分岐もしくは環式脂肪族部分であり、エチル、プロピル、ブチル
、ペンチル部分等を含み;R6はリンカー部分との共有結合が可能な反応性官能基
R7を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族部分である。R7は-COOH、-CHO、-XHまた
はXR8でよく、ただしXはO、SまたはNH(これは場合により炭素数1〜8のアルキ
ル基などの任意の置換基を有していてもよい)であり、R8は-(CH2)z-COOH(zは1
〜4の整数)である。
次式は本発明化合物の3種類の典型的例を示すものであるが、これらに限定さ
れるものではない:
本発明の多量体化剤は好ましくは、イムノフィリンおよびカルシニューリン双
方との三元複合体、またはイムノフィリンおよびFRAPとの三元複合体(Brown等
、Nature,1994,369,756-758)に関与することができず、従って、FK506やラ
パマイシンのような免疫抑制能を有していない。さらに、この多量体化剤は、生
理学的に許容でき(即ち、使用対象の細胞や生物に対する過度の毒性を持たず)
、動物に経口投与でき(即ち、動物全般の遺伝子治療を含む用途において経口で
活性であり)、および/または特定の用途に対して必要な場合に、細胞膜その他
の膜を通過できる、ことがしばしば好ましいであろう。
本発明の多量体化剤は、PCT/US94/01617及びPCT/US94/08008に記載されたよう
に、例えば、培地で増殖中、または遺伝子治療用途で行われるように完全な(ま
るごとの)生物体内で増殖中の操作細胞(engineered cells)において、所望の遺
伝子の転写を活性化し、アポトーシスを作動させ、または他の生物的事象を誘発
させるために使用できる。操作細胞は、FKBPドメインのような1または2以上の
イムノフィリンドメインを含んでいるタンパク質をコードするDNAを含み、か
つ発現させることができる。但し、このドメインは、モノマーM(式II)に、ま
たは式IIやここで開示する多数の例に示されるようなモノマーを含む多量体化剤
に、結合することができるものである。このような用途において、本発明の多量
体化剤は、対応するリガンド結合性ドメインを含むタンパク質を多量体化するの
に有効な量で(転写、アポトーシスまたはこの方法で誘発される他の生物的過程
を監視することにより観察できる)、場合に応じて、操作細胞の培養物または操
作細胞を含む生物体に投与される。完全な生物体に投与する場合は、多量体化剤
を、この多量体化剤を、許容しうる獣医学的または薬学的希釈剤および/または
賦形剤と共に含有する組成物として投与してもよい。ここで開示したモノマーは
、ここに詳細に開示するように二量体化剤の合成に有用であるが、イムノフィリ
ンまたは変性イムノフィリンに対するその結合親和性の観点からそれ自体でも有
用である。これらのモノマーは、多量体化剤の効果を逆転もしくは阻止する(即
ち、多量体化を防止、阻害または中断させる)のに有効な量で、操作細胞に、ま
たは操作細胞を含んでいる生物体に(完全な動物に投与する場合は好ましくは上
記のように組成物で)投与することができる。
本発明の化合物は、N-オキサリル-ピペコリル、N-オキサリル-プロリルおよび
関連モノマーの合成のための既知の方法を適用して製造することができる。例え
ば、Holt等,J.Amer.Chem.Soc., 1993, 115,9925-9938; Holt等,Biomed.C
hem.Lett., 1993, 4,315-320; Luengo等,Biomed.Chem.Lett., 1993, 4,321
-324; Yamashita等,Biomed.Chem.Lett., 1993, 4,325-328;前掲のSpencer等
の文献;PCT/US94/01617およびPCT/US94/08008を参照。また、欧州公開0 455 42
7 A1;欧州公開0 465 426 A1;米国特許第5,023,263号および国際公開第92/0027
8号も参照。
例えば、下記の反応式に示されるように多数の合成経路を経て、及び各種の順
序で、モノマーを組み立て、二量体化すればよい。
Holt等,J.Amer.Chem.Soc., 1993, 115,9925-9938参照。
Holt等,J.Amer.Chem.Soc., 1993, 115,9925-9938参照。
Yamashita等,Biomed.Chem.Lett,, 1993, 4,325-328参照。
Yamashita等,Biomed.Chem.Lett., 1993, 4,325-328参照。
ビス−ウィッティッヒ試薬は文献で周知である。例えばPaquette等,J.Amer.
Chenl.Soc., 1985, 107,6598; Nicolaides,Synthesis, 1977, 127を参照。
Holt等、J.Amer.Chem.Soc., 1993, 115,9925-9938参照。
ビス−グリニャール試薬もまた、文献で周知である。Babudri等,J.Orgmet.
Chem., 1991, 405,53-58;およびFujisawa等,Bull.Chem.Soc.Jpn., 1983, 5
6,345を参照。
ヘテロ二量体(即ち、M1≠M2の二量体)は、各モノマーをリンカーに段階的に
結合させることにより製造できる。結合方法は各モノマーごとに異なっていても
よく、リンカーはモノマーの段階的結合を容易にするように、非対称のものでも
、および/または異なる官能基を有していてもよい。例えば、次の反応式はヘテ
ロ二量体の生成を例示する。
本発明には、1〜4個のリンカー部分を用いて3〜5個の式IIのモノマーを結
合させた式Iの化合物の多量体変更例も包含される。このような多量体化合物の
例は、次の式IIIおよび式IVで示されるが、これらに限定されるものではない。
突起(Bumps)
本発明はまた、FKBP12やその他の天然イムノフィリンへの結合を低下させ、好
ましくは実質的に阻止するが、変異FKBPには結合する置換基("突起")を含有する
化合物も包含する。変異FKBPは、PCT/US94/01617およびPCT/US94/08008に記載さ
れているように製造され、選択した多量体化化合物への結合性に対してスクリー
ニグすることができる。このような突起を含有する多量体化剤により、FKBP12の
固有のプール(集合体)による妨害を受けずに、変異FKBPへの、または操作FKBP
ドメインを含有するキメラへの、より選択性の高い結合が可能となり、これはあ
る種の用途、特に完全な生物体内での使用に望ましい。好ましくは、本発明の突
起を含むモノマーおよびその関連の多量体化剤は、FKBP12への結合能、および/
またはFKBP12のロタマーゼ活性の阻害能が、FK506、FK520またはラパマイシンの
いずれよりも少なくとも約一桁低い。このような分析法は当分野では周知である
。例えば、上記のHolt等,J.Amer.Chem.Soc.を参照。阻害活性の低下の程度
は、約二桁と大きくなることがあり、場合によっては約三桁を超える大きさにな
ることもある。有用な突起置換基としては、これらに限られないが、アルキル、
アリール、-O-アルキル、-O-アリール、置換もしくは非置換アミン、アミド、カ
ルバミドおよび尿素(但し、アルキルおよびアリールは上で定義した通り)が挙
げられる。PCT/US94/01617およびPCT/US94/08008を参照。このような置換基を含
有するモノマーは、上述したリンカーおよび手法により二量体化でき、例えば下
記の合成経路に示される。
多数の置換プロリンおよびピペコリン酸誘導体か文献に記載されてきた。上記
に類似した合成方法を用いて、置換プロリンおよびピペコリン酸誘導体を利用し
、次に例示するように、C-2からC-9の位置に「突起」を持つモノマーを調製する
ことができる。
置換プロリンおよびピペコリン酸の代表例は、下記を参照。
Chung等,J.Org.Chem., 1990, 55,270; Shuman等,J.Org.Chem., 1990,
55,738; Hanson等,Tetrahedron Lett., 1989, 30,5751; Bailey等,Tetrahed
ron Lett., 1989, 30,6781。
本発明はまた、本来のFKBPに比べて変異FKBPに対する結合能を高める構造要素
または置換基を含有する化合物も包含する。好ましくは、このような化合物は、
FKBP12への結合能より変異FKBPへの結合能が少なくとも一桁の大きさで高く、場
合によっては、変異FKBPへの結合能がFKBP12への結合能より三桁以上も高いであ
ろう。例えば、変異FKBPへの結合能のこのような向上は、カルボン酸またはアミ
ンを含有する化合物により達成することができる。この場合、変異FKBPは、相補
性の基(ヒスチジン/アルギニンまたはアスパルテート/グルタメート)を適当
な位置に含有していて、該化合物と変異FKBPとの間に塩橋を形成する。
本発明の種々の多量体化剤またはそれらの成分モノマーのFKBPもしくは他のイ
ムノフィリンタンパク質に対する結合親和性は、FKBPの場合に用いられる慣用の
方法を適用して測定することができる。例えば、実験者は、本発明の化合物が、
既知のリガンドの対象タンパク質への結合と競合する能力を測定することができ
る。例、Sierkierka等,1989,Nature 341,755-757を参照(試験化合物は標識F
K506誘導体のFKBPへの結合と競合する)。
多量体化剤のキメラタンパク質を多量体化する能力は、細胞系検定において、
この多量体化により引き起こされる事象の発生を測定することにより測定するこ
とができる。例えば、1または2以上のイムノフィリン由来リガンド結合ドメイ
ンと、多量体化により生物学的反応を起こしうる1または2以上のエフェクター
ドメインとを含むキメラタンパク質をコードするDNAを含み、かつこのDNA
を発現しうる細胞を用いることができる。キメラタンパク質の多量体化に応答す
る調節要素(即ち、プロモーター)の転写制御下でリポーター遺伝子をさらに含
んでいる細胞を用いるのが好ましい。例示の成分の設計および調製と、こうして
操作する細胞におけるその使用は、PCT/US94/01617に記載されている。細胞は培
養で増殖および維持する。多量体化剤を培地に添加し、リポーター遺伝子産物の
存在を測定する。陽性の結果、すなわち多量体化は、リポーター遺伝子産物の出
現により観察されるようにリポーター遺伝子の転写に相関している。
実施例 合成の概要、第I部
官能基を含有するキラルアルコールの合成を次のように行った。非置換のキラ
ルアルコール1を、Holt等,J.Amer.Chem.Soc., 1993, 115,9925-9938に報
告の方法に従って3-ヒドロキシベンズアルデヒドから5工程で調製した。
1当量のNaHの存在下で1を3-N-Boc-アミノプロピルブロマイドでアルキル化
すると、2が好収率で得られた。同様に、1をブロモ酢酸tert-ブチルでアルキ
ル化して3を得た。
左側のフェニル環に置換基を有するキラルアルコールは、次式に示すようにカ
ルコン化学を利用して調製した。
ピリジンまたはインドールを含有するキラルアルコールは、上と同様のカルコ
ン化学を用いるが、次に示すように多少変更して調製した:
カルボン酸23は、L-ピペコリン酸から、Holt等,J.Amer.Chem.Soc.,1993,
115,9925-9938による文献記載の方法に従って4工程で調製した。
DCC/DMAPを用いて23を2と結合させ、次いでトリフロオロ酢酸でBoc-基を除去
すると、アミンモノマー24が好収率で得られる。同様にしてカルボン酸モノマー25
〜30を調製した。
次に、得られたモノマー24および25〜30を用いて、種々の二量体を合成した。
アミン24をジスクシンィミジルジカルボンキシレートで処理して、二量体31〜34
、37および38を得た。24をベンゼン-1,3-ジスルホニルクロリドと反応させて、3 6
を得た。24をトリエチレングリコールビス(クロロホルメート)と結合させて3 9
を得た。化合物34をヨウ化メチル処理すると定量的収率で35が得られた。
酸25〜30を、それらの活性化スクシンイミジルエステルに変換し、次いで種々
のジアミンと結合させると、二量体40〜63が得られた(RaおよびRb基は種々のモ
ノマーMを表す)。
40の母体構造に基づいているが、特定のリンカーおよびAr部分を含有する化合
物64〜67は、ここに記載の方法を適用して調製した。この4種類の化合物の構造
をNMRおよびMS分光分析により確認した。この4種類はすべて下記に説明す
るような細胞系転写検定法において活性であることが見出された。
合成の詳細 一般的方法
陽子および炭素磁気共鳴スペクトル(1H,13C NMR)は、ブルカー(Bruker)ARX-3
00分光計に記録した。化学シフトはMe4Si(δ0.0)に対するppm(δ)で報告する。
試薬はすべて分析級であり、納入されたままで使用した。無水溶媒類は、アルド
リッチ(Aldrich)社から確実に密封されたビンで購入した。クロマトグラフィー
は、TLC用シリカゲル60G(メルク)と、移動相として記載した溶媒とを使用した
短カラムクロマトグラフィーである。HPLCは、4.6mm×250mmのダイセル「キラセ
ルOD」カラムと、85:15のヘキサン−プロパノールの移動相(特に記載しない場
合)とを使用し、流量1ml/分で、210nmでのUV検出により行った。融点は未補
正の値である。官能基含有キラルアルコールの調製
(1R)-3-フェニル-1-(3-(3-tert-ブチロキシカルバミルプロピル)オキシフェニル
)プロパン-1-オール (2)
(1R)-3-フェニル-1-(3-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オール(1、98%ee、
1.47g、6.45mmol、Holt等,J.Amer.Chem.Soc.,1993,115,9925-9938に報告
された方法に従って、3-ヒドロキシベンズアルデヒドから5工程で調製)を、DM
F(30mL)中のNaH(鉱油中の60%分散液、310mg、7.74mmol)懸濁液に添加した。次
いで、3-tert-ブチロキシカルバミルプロピルブロマイド(3.07g、12.9mmol)を
添加し、得られた混合液を窒素下40℃で一晩攪拌した。水(50mL)を加えて反応
を停止させ、混合物をEtOAc(250mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
乾燥し(Na2SO4)、減圧濃縮した。得られた混合物をEt2O(150mL)に再溶解し
、2N NaOH(2×100mL)で洗浄して未反応の1(生成物2と同じRf値をもつ)を
除去した。次いで有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧濃縮した
。クロマトグラフィー(シリカゲル、30%EtOAc/ヘキサン)により無色油状物
として2を得た(1.9g、収率77%、キラセルHPLCで96%ee:保持時間は(1R)-鏡
像異性体が19.0分、(1S)-鏡像異性体が15.7分):1H NMR(CDCl3, 300MHz)7.40
-6.85(m,9H),4.76(t,J=5.3Hz,1H),4.12(t,J=5.9Hz,2H),3.42(t,J=6.3H
z,2H),2.80(m,2H),2.10-1.85(m,6H),1.53(s,9H);13C NMR(CDCl3,75MH
z)159.4,156.4,146.8,142.1,129.9,128.83,128.78,126.2,118.8,114.
0,112.4,74.2,66.1,40.8,32.4,30.0,28.2。MS(FAB): (M+Na)+408。
(1R)-3-フェニル-1-(3-(2-tert-ブチロキシ-2-オキソエチル)オキシフェニル)プ
ロパン-1-オール (3)
(1R)-3-フェニル-1-(3-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オール(1、98%ee
、1.7g、7.46mmol、Holt等,J.Amer.Chem.Soc., 1993, 115,9925-9938に報
告の方法に従って3-ヒドロキシベンズアルデヒドから5工程で調製)を、DMF(5
0mL)中のNaH(鉱油中の60%分散液、358mg、8.95mmol)懸濁液に添加した。ブロ
モ酢酸tert-ブチル(2.4mL、14.9mmol)を次いで添加し、得られた混合物を窒素下
40℃で一晩攪拌した。水(50mL)で反応を停止し、混合物をEtOAc(250mL)で抽出
した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧濃縮した。クロマ
トグラフィー(シリカゲル、20%EtOAc/ヘキサン)により無色油
状物として3を得た(1.64g、収率64%、キラセルHPLCで96%ee:保持時間は(1
R)-鏡像異性体が42.2分、(1S)-鏡像異性体は30.6分):1H NMR(CDCl3,300MHz
)7.22-6.71(m,9H),4.58(t,1H),4.44(s,2H),2.68-2.59(m,2H),2.05-1.9
3(m,2H),1.41(s,9H);13C NMR(CDCl3,75MHz)168.4,158.6,146.8,142.
1,130.0,128.8,128.7,126.2,119.5,114.1,112.6,82.7,74.1,66.1,40
.8,32.4,28.4。HRMS(FAB):(M+Na)+計算値365.1729、実測値365.1721。
3,4-ジメトキシ-3'−ヒドロキシカルコン (4)
3,4-ジメトキシベンズアルデヒド(16.6g、100mmol)のEtOH(75mL)溶液を3
-ヒドロキシアセトフェノン(13.6g、100mmol)で処理し、得られた溶液を氷浴
中で0℃に冷却した。KOH(28g、500mmol)水溶液200mLをゆっくり添加し、得ら
れた鮮赤色溶液を室温で一晩(16時間)攪拌し続けた。次いで混合物を濃HClの
滴下によりpH5の酸性にし、得られた懸濁液をEtOAc(2×200mL)で抽出した。
有機抽出液を合わせて、飽和NaCl溶液(2×100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、
濾過し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、30%→50%Et
OAc/ヘキサン)処理して、粗生成物を得た。この粗製固体をEtOAcから晶析し、
13.9g(49%)の黄色固体を得た:IR(単味)3420,1650,1575,1510,1265,
1140 cm-1;1H NMR(CDCl3,300MHz)7.80(d,J=15.6Hz,1H),7.68(s,1H),7.
59(d,J=7.7Hz,1H),7.42-7.36(m,2H),7.24(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),7.16-7
.13(m,2H),6.90(d,J=8.3Hz,1H),6.82(s,1H),3.95(s,3H),3.94(s,3H)
;13C NMR(CDCl3,75MHz)191.3,157.0,152.0,149.7,146.1,140.1,130.2
,128.8,123.8,121.2,120.7,120.3,115.7,111.6,110.7,56.4。
3,4,5-トリメトキシ-3'−ヒドロキシカルコン (5)
3,4,5-トリメトキシベンズアルデヒドから(4)と同様に調製。フラッシュクロ
マトグラフィー(シリカゲル、30%→50%EtOAc/ヘキサン)により2.61g(17%
)の黄色固体を得た:1H NMR(CDCl3,300MHz)9.80(s,1H),7.82(d,J=15.6Hz
,1H),7.70-7.63(m,2H),7.48(s,1H),7.39(略 t,J=7.9Hz,1H),7.23(s,2
H),7.08(d,J=7.6Hz,1H),3.87(s,6H),3.73(s,3H);13C NMR(CDCl3,75MH
z)189.5,158.1,153.5,144.7,140.1,139.5,130.6,130.1,121.8,120.5
,119.9,115.0,106.9,60.5,56.5。
3'−ヒドロキシ-3,4-メチレンジオキシカルコン (6)
ピペロナールから(4)と同様に調製。粗製固体(26.7g、100%)を、クロマト
グラフィーによる精製または同定を行わずに次の反応過程に直接送った。3-(3,4
-ジメトキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オン (7)
EtOAc:アセトン(1:1)混合物(40mL)中の3,4-ジメトキシ-3'−ヒドロキシカル
コン(4)(10g、35.2mmol)の溶液を、10%Pd担持炭素(500mg)で処理し、この混
合物を圧力40〜50psiのH2で3時間水素化した。反応混合物を、アセトンを用い
てセライトのパッドに通して濾過し、濾液を濃縮して粗製固体を得た。この粗製
固体をEtOAcを用いて摩砕し、濾過して、7.83g(78%)の白色固体を得た。これ
は1H NMR分析でほぼ90%の純度のものであることが分かった:1H NMR(CDCl3,3
00MHz)7.56(s,1H),7.55(d,J=2.2Hz,1H),7.53-7.33(m,1H),7.10(dd,J=7
.9,2.4Hz,1H),6.80-7.79(m,3H),6.61(s,1H),3.86(s,3H),3.86(s,3H)
,3.28(t,J=7.9Hz,2H),3.02(t,J=7.9Hz,2H),;13C NMR(CDCl3,75MHz)20
0.6,156.9,149.3,147.8,138.6,134.2,130.3,121.2,120.6,115.0,112.
4,111.8,56.3,41.2,30.3。
1-(3-ヒドロキシフェニル)-3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)プロパン-1-オン (
8)
3,4,5-トリメトキシ−3'-ヒドロキシカルコン(5)から(7)と同様にして調製。
粗生成物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40%→50%EtOAc/ヘ
キサン)により1.37g(68%)の白色固体を得た.IR(単味)3395,2940,1680,
1590,1505,1455,1240,1125 cm-1;1H NMR(CDCl3,300MHz)7.54-7.52(m,2
H),7.34(略 t,J=8.1 Hz,1H),7.10(dd,J=7.9,2.2Hz,1H),6.48(s,2H),6
.08(s,1H),3.85(s,9H)3.30(t,J=7.3Hz,2H),3.02(t,J=7.7Hz,2H);13C N
MR(CDCl3,75MHz)200.0,156.7,153.6,138.7,137.4,136.7,130.3,120.9
,115.0,105.8,61.3,56.5,41.0,31.0。
1-(3-ヒドロキシフェニル)-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパン-1-オン
(9)
3'-ヒドロキシ-3,4-メチレンジオキシカルコン(6)から(7)と同様にして調製。
粗生成物をEtOAc/ヘキサンから晶析して4.10g(41%)の白色固体を得た:1H NM
R(CDCl3,300MHz)9.73(s,1H),7.43(d,J=7.8Hz,1H),7.34-7.29(m,2H),7
.02(dd,J=8.0Hz,1H),6.88(m,1H),6.80(d,J=7.9Hz,1H),6.71(d,J=7.9Hz
,1H),5.96(s,2H),3.26(t,J=7.6Hz,2H),2.84(t,J=7.5Hz,2H);13C NMR
(CDCl3,75MHz)199.4,158.0,147.5,145.7,138.4,135.4,130.1,121.5,
120.5,119.3,114.4,109.2,108.4,101.0,40.2,29.7。1-(3-(tert-ブトキシ
カルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロパン-1-オン (
10)
無水DMF(10mL)中のNaH(279mg、6.98mmol)の60%鉱油懸濁液を氷浴で0℃に
冷却し、固体の3-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシフェニル)プロパ
ン-1-オン(7)(2g、6.98mmol)を一度に添加した。得られた黄色溶液を5分間攪
拌した後、ブロモ酢酸tert-ブチル(1.18mL、7.33mmol)を添加した。攪拌を0℃
で15分間続けた後、反応混合物を室温に昇温させ、ジエチルエーテル(50mL)と水
(50mL)との間で分配した。有機層を飽和NaCl溶液(2×50mL)で
洗浄し、MgSO4、で乾燥し、濾過し、蒸発させ、フラュシュクロマトグラフィー
処理(シリカゲル、30%EtOAc/ヘキサン)して、2.30g(82%)の無色透明油
状物を得た:IR(単味)2980,1750,1685,1590,1515,1260,1155cm-1;1H N
MR(CDCl3,300MHz)7.59(d,J=7.7Hz,1H),7.49(s,1H),7.39(appt,J=8.0Hz
,1H),7.14(dd,J=8.2,2.6Hz,1H),6.81-6.79(m,3H),4.58(s,2H),3.89(s
,3H),3.88(s,3H),3.28(t,J=7.3Hz,2H),3.02(t,J=7.8Hz,2H),1.51(s,
9H);13C NMR(CDCl3,75MHz)199.2,168.0,158.6,149.3,147.8,138.7,13
4.2,130.1,121.8,120.6,113.5,112.2,111.8,108.1,83.0,66.1,56.2,
41.1,30.2,28.4。
1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3,4,5-トリメトキシフ
ェニル)プロパン-1-オン (11)
1-(3-ヒドロキシフェニル)-3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)プロパン-1-オン
(8)から(10)と同様にして調製。粗生成物のフラッシュクロマトグラフィー(シ
リカゲル、30%→40%EtOAc/ヘキサン)により1.30g(96%)の無色透明油状物
を得た IR(単味)2955,1750,1684,1590,1455,1230,1150,1125cm-1;1H
NMR(CDCl3,300MHz)7.59(d,J=7.7Hz,1H),7.49(s,1H),7.39(略 t,J=7.
9Hz,1H),7.14(dd,J=8.2,2.6Hz,1H),6.47(s,2H),4.58(s,2H),3.86(s,
6H),3.84(s,3H),3.28(t,J=7.3Hz,2H),3.01(t,J=7.8Hz,2H),1.50(s,9H
);13C NMR(CDCl3,75MHz)199.1,168.0,158.5,153.6,138.6,137.4,136.
8,130.1,121.8,120.4,113.6,105.8,83.0,66.1,61.2,56.5,41.0,31.0
,28.4。
1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3,4-メチレンジオキシ
フェニル)プロパン-1-オン (12)
1-(3-ヒドロキシフェニル)-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパン-1-オ
ン(9)から(10)と同様にして調製。粗生成物のフラッシュクロマトグラフィー
(シリカゲル、20%→30%EtOAc/ヘキサン)により5.04g(89%)の無色透明浦
状物を得た IR(単味)2980,1750,1685,1490,1445,1245,1155,1040cm-1
;1H NMR(CDCl3,300MHz)7.58(dd,J=6.7,1.1Hz,1H),7.48(s,1H),7.39(
略 t,J=8.0Hz,1H),7.17-7.13(m,1H),6.89-6.69(m,4H),5.94(s,2H),4.5
8(s,2H),3.25(t,J=7.8Hz,2H),2.99(t,J=7.8Hz,2H),1.51(s,9H);13C N
MR(CDCl3,75MHz)199.0,168.0,158.5,148.1,146.3,138.6,135.4,130.1
,121.8,121.5,120.6,113.4,109.3,108.7,101.2,83.0,66.1,41.1,20.
3,28.4。
(R)1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3,4-ジメトキシフェ
ニル)プロパン-1-オール (13)
−20℃の1-(3-(tel-t-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3,4-ジメト
キシフェニル)プロパン-1-オン(10)(3.0g、7.49mmol)のTHF(5mL)溶液を、−2
0℃の(+)-B-クロロジイソピノカンフェニルボラン(2.9g、8.99mmol)のTHF(10m
L)溶液で処理した。得られた混合液を−20℃の冷凍庫内に48時間静置した後、
この混合物を蒸発させ、ジエチルエーテル(25mL)、次いでジエタノールアミン(
8mL)で処理した。得られた粘稠な混合物を室温で3時間攪拌した後、シエチル
エーテルを用いてセライトのパッドに通して濾過した。得られた曇った濾液を蒸
発させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、30%→40%EtOAc/ヘキ
サン)処理して、2.72g(90%)の無色透明の油状物を得た(キラセルHPLC、25%
i-PrOH/ヘキサンで95%ee:保持時間はR-鏡像異性体が44.4分、S-鏡像異性体が
35.7分):IR(単味)3525,2935,1750,1515,1150cm-1;1H NMR(CDCl3,300
MHz)7.30-7.25(m,2H),6.99-6.73(m,5H),4.68(m,1H),4.53(s,2H),3.88(
s,3H),3.87(s,3H),2.72-2.63(m,2H),2.12-1.97(m,2H),1.50(s,9H),13
C NMR(CDCl3,75MHz)168.4,158.5,149.3,147.6,146.9,134.8,130.0,12
0.6,119.5,114.0,112.6,112.2,111.7,82.7,74.1,66.1,56.3,56.2,41
.0,32.0,28.4。
(1R)-3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキ
シ)フェニル)-プロパン-1-オール (14)
窒素下で−23℃の化合物11(1.30g、3.0mmol)のTHF(5mL)溶液に、(+)-B-
クロロジイソピノカンフェニルボラン(1.64g、5.1mmol)のTHF(10mL)冷(−
23℃)溶液を添加した。この混合物を冷凍庫内に3日間静置した。次いで、この
混合物を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテル(60mL)に再溶解した。このエーテ
ル溶液を室温で激しく攪拌しながらジエタノールアミン(0.86mL、9.0mmol)で3
時間処理した。析出した白色沈殿を濾去し、濾液を減圧濃縮した。シリカクロマ
トグラフィー(50〜100%EtOAc/ヘキサン)により1.3g(99%)の無色油状物を
得た(98.1%ee、キラセルHPLC,20%i-PrOH/ヘキサンによる、保持時間はR-鏡
像異性体が46.4分、S-鏡像異性体が40.0分):1H NMR(CDCl3,300MHz)7.28(t
,J=7.8Hz,1H),6.96(m,2H),6.82(m,1H),6.41(s,2H),4.69(t,J=6.2Hz,
1H),4.52(s,2H),3.85(s,6H),3.83(s,3H),2.65(m,2H),2.05(m,2H),1.
50(s,9H);13C NMR(CDCl3,75MHz)168.4,158.6,153.5,146.8,137.9,136
.6,130.0,119.5,114.0,112.7,105.7,82.8,74.1,66.0,61.2,56.5,40.
8,32.8,28.4。
(R)1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3,4-メチレンジオキ
シフェニル)プロパン-1-オール(15)
1-(3-(tel-t-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3,4-メチレンジオキ
シフェニル)プロパン-1-オン(12)から(13)と同様にして調製。粗生成物のフラッ
シュクロマトグラフィー(シリカゲル、20%→25%EtOAc/ヘキサン)により3.8
4g(96%)の無色透明の油状物を得た.IR(単味)3440,1750,1490,1440,124
5,1150,1040cm-1;1H NMR(CDCl3,300MHz)7.30-7.24(m,1H),6.98-6.93(m
,2H),6.82(dd,J=8.2,2.5Hz,1H),6.75-6.64(m,3H),5.93(s,2H),4.67-4
.63(m,1H),4.53(s,2H),2.68-2.60(m,2H),2.10-1.95(m,3H),1.51(s,9H)
;13C NMR(CDCl3,75MHz)168.4,158.5,148.0,146.9,1
46.0,136.0,130.0,121.5,119.5,114.1,112.5,109.3,108.5,101.1,82.
7,73.9,66.1,41.1,32.1,28.4。
3'-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)アセトフェノン (16)
0℃の無水DMF(50mL)中のNaH(鉱油中の60%分散液、1.47g、36.7mmol)懸
濁液に、固体の3'-ヒドロキシアセトフェノン(5.0g、36.7mmol)を加えた。この
混合物を窒素下で10分間攪拌して透明な黄色溶液を生成させた。次いで、ブロモ
酢酸tert-ブチル(6.23mL、38.5mmol)を添加し、混合物を0℃で5分間、次いで
室温で20分間攪拌した。TLCは出発物質が残存していないことを示した。混合物
をEtOAc(250mL)と水(100mL)との間で分配させた。有機層を分離し、飽和食塩
水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮した。シリカクロマトグラフィー(20%E
tOAc/ヘキサン)により7.6g(83%)の白色結晶を得た:1H NMR(CDCl3,300M
Hz)7.60-7.14(m,4H),4.59(s,2H),2.60(s,3H),1.51(s,9H);13C NMR(CD
Cl3,75MHz)198.0,168.0,158.6,138.9,130.1,122.3,120.6,113.5,83.0
,66.1,28.4,27.0。
3-(3-ピリジル)-1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-2-プロペ
ン-1-オン (17)
化合物16(4.0g、16mmol)、ニコチンアルデヒド(1.89ml、20mmol)、およびピ
ペリシン(4.0mL、40mmol)の無水EtOH(65mL)中の混合物を、16時間還流加熱した
。混合物を冷却し、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(30〜60%Et
OAc/ヘキサン)により、未反応のニコチンアルデヒドと化合物17(両者ともTLC
でのRf値は同じ)の混合物を得た。この混合物を濾紙つき漏斗内でヘキサンによ
り洗浄すると、1.73g(32%)の精製17が黄色結晶として得られた:1H NMR(CD
Cl3,300MHz)8.87(d,J=2.1Hz,1H),8.66(dd,J=4.8,1.5Hz,1H),7.97(d,J
=7.9Hz,1H),7.80(d,J=16.7Hz,1H),7.66(d,J=7.6Hz1H),7.60(d,J=15.9Hz
,1H),7.55(s,1H),7.46(t,J=7.8Hz,1H),7.38
(dd,J=7.9,4.8Hz,1H),7.20(dd,J=8.2,2.6Hz,1H),4.62(s,2H),1.52(s
,9H);13C NMR(CDCl3,75MHz)189.7,175.0,168.0,158.7,151.6,150.5,
141.4,139.5,134.9,131.0,130.2,124.2,122.3,120.6,114.1,83.1,66.
2,28.4。
1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3=インドリル)-2-プロ
ペン-1-オン (18)
化合物16(2.0g、8.0mmol)と3-インドールカルボキシアルデヒド(967mg、6.
66mmol)のピペリジン(4mL)中の混合物を6時間還流加熱した。反応混合物を冷
却し、pH7のリン酸緩衝液(25mL)およびEtOAc(50mL)で処理した。有機部分
を飽和NaHCO3溶液(2×50mL)、次いで飽和NaCl溶液(2×25mL)で洗浄した。次い
で有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー
(シリカゲル、50%EtOAc/ヘキサン)処理して、1.47g(59%)の黄色固体を
得た:IR(単味)1730,1650,1560,1240,1150cm-1;1H NMR(MeOH,300MHz)
8.06(d,J=15.5Hz,1H),7.94-7.91(m,1H),7.76(s,1H),7.62(dd,J=6.7,1.
1Hz,1H),7.52-7.42(m,4H),7.40-7.17(m,3H),4.61(s,2H),1.42(s,9H)
;13C NMR(MeOH,75MHz)192.9,170.5,160.2,142.4,142.1,139.8,134.2
,131.3,127.2,124.5,123.0,121.7,120.7,117.4,115.3,113.7,84.0,6
7.2,28.7。
3-(3-ピリジル)-1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-プロパン-
1-オン (19)
化合物17(1.70g、5.0mmol)と10%Pd/C(85mg)のEtOAc(70mL)中の混合物を
、パール(Parr)装置内で42psiのH2下に15時間水素化した。得られた混合物を
セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮した。シリカクロマトグラフィー(50〜60%
EtOAc/ヘキサン)処理により1.70g(100%)の無色油状物を得た:1H NMR(CD
Cl3,300MHz)8.54(d,J=2.0Hz,1H),8.48(dd,J=4.8,1.5Hz,1H),7.
70-7.10(m,6H),4.58(s,2H),3.31(t,J=7.3Hz,2H),3.09(t,J=7.4Hz,2H),
1.50(s,9H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)198.3,168.0,158.6,150.4,148.1,1
38.4,136.9,136.4,130.2,123.7,121.8,120.7,113.5,83.0,66.1,40.2
,28.4,27.5。
1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3-インドリル)プロパン
-1-オン (20)
1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3-インドリル)-2-プ
ロペン-1-オン(18)から(19)と同様にして調製。フラッシュクロマトグラフィー
(シリカゲル、20%→30%EtOAc/ヘキサン)により468mg(80%)の白色固体を
得た:IR(単味)1735,1680,1230,1150cm-1; 1H NMR(MeOH,300MHz)7.60一
7.55(m,2H),7.43-7.32(m,3H),7.16-6.99(m,4H),4.57(s,2H),3.39-3.32(o
bs t,2H),3.16(t,J=7.2Hz,2H),1.47(s,9H); 13C NMR(MeOH,75MHz)202.
5,170.4,160.0,140.2,138.6,131.3,129.0,123.5,122.9,122.7,121.5
,120.0,119.7,115.6,114.6,112.6,84.0,67.1,41.0,28.7,21.6。
(1R)-3-(3-ピリジル)-1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)プロ
パン-1-オール (21)
窒素下、−23℃の化合物19(1.70g、4.98mmol)のTHF(10mL)溶液に、(+)-B-ク
ロロジイソピノカンフェニルボラン(3.2g、9.97mmol)のTHF(20mL)冷(−23℃
)溶液を添加した。混合物を冷凍庫内に3日間静置した。次いで、この混合物を
減圧濃縮し、残渣をジチルエーテル(100mL)に再溶解した。このエーテル溶液
を室温で激しく攪拌しながらジエタノールアミン(1.44mL、15.0mmol)で3時間処
理した。析出した白色沈殿を濾去し、濾液を減圧濃縮した。シリカクロマトグラ
フィー(50〜100%EtOAc/ヘキサン)処理して、1.41g(82%)の無色油状物を
得た(97.5%ee、キラセルHPLC、25%i-PrOH/ヘキサンによる、保
持時間はR-鏡像異性体が78.5分、S-鏡像異性体が52.1分):1H NMR(CDCl3,300
MHz)8.42(m,2H),7.55-6.80(m,6H),4.65(dd,J=7.8,5.1Hz,1H),4.52(s,
2H),2.75(m,2H),2.05(m,2H),1.49(s,9H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)175.1
,168.4,158.6,150.3,147.7,146.8,137.5,136.3,130.0,123.7,119.4,
114.1,112.5,108.0,82.8,73.5,66.0,40.5,29.5,28.4。
(R) 1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3-インドリル)プロ
パン-1-オール (22)
1-(3-(tert-ブトキンカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3-インドリル)プロパ
ン-1-オン(20)から(21)と同様にして調製。フラッシュクロマトグラフィー(シ
リカゲル、20%→30%EtOAc/ヘキサン)により258mg(55%)の黄色味を帯びた
油状物を得た(+95%ee、キラセルHPLC、20%i-PrOH/ヘキサンによる、保持時
間はR-鏡像異性体が54.2分、S-鏡像異性体が50.7分):IR(単味)3410,2930,
1735,1455,1230,1150,1080cm-1; 1H NMR(MeOH,300MHz)7.51(d,J=7.8Hz
,1H),7.33(d,J=8.1,1H),7.25(略 t,J=7.9,1H),7.11-6.92(m,5H),6.82
-6.78(m,1H),4.67(t,J=5.8Hz,1H),4.54(s,2H),2.85-2.77(m,2H),2.18-
2.06(m,2H),1.47(s,9H); 13C NMR(MeOH,75MHz)170.8,159.9,148.9,138
.6,130.8,129.2,123.2,122.6,120.8,119.9,116.4,114.9,113.7,112.6
,83.8,75.0,67.0,41.3,28.7,22.9。官能基含有モノマーの調製
(1R)-3-フェニル-1-[3-((3-アミノプロピル)オキシ)フェニル]-1-プロピル・(2S
)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)-2-ピペリジンカルボキシレート・ト
リフルオロ酢酸塩 (24)
アルコール2(385mg、1.0mmol)のCH2Cl2(3mL)溶液を、(2S)-1-(1,2-ジオ
キソ-3,3-ジメチルペンチル)-2-ピペリジンカルボン酸(23、255mg、1.0mmo
l、Holt等,J.Amet.Chem.Soc., 1993, 115,9925-9938による文献記載の方法
に従って、L-ピペコリン酸から4工程で調製)で、次いで1,3-ジシクロヘキシル
カルボジイミド(DCC、247mg、1.2mmmol)および4-(ジメチルアミノ)-ピリジン(
DMAP、85mg、0.70mmol)で、窒素雰囲気下に処理した。得られた鮮黄色の懸濁液
を一晩攪拌した。次いで混合物をガラス綿で濾過し、クロマトグラフィー(シリ
カゲル、20%EtOAc/ヘキサン)処理して、(1R)-3-フェニル-1-[3-((3-tert-ブ
チロキンカルバミルプロピル)オキシ)フェニル]-1-プロピル・(2S)-1-(3,3-ジメ
チル-1,2-ジオキソペンチル)-2-ピペリジンカルボキシレート(524mg、84%)を
無色油状物として得た:1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複
数の回転異性体混合物)7.35-6.90(m,9H),5.80(t,J=5.9Hz,1H),5.32(d,J=
5.0Hz,0.82H,回転異性体Aのピペコレートα-H),4.80(br.s,1H),4.02(t,J
=6.1Hz,2H),3.40-3.25(m,3H),3.12(td,J=13.0,3.3Hz,1H),2.60(m,2H)
,2.35(d,J=14Hz,1H),2.28(m,1H),2.07(m,1H),1.96(t,J=6.3Hz,2H),1
.80-1.60(m,5H),1.43(s,9H),1.22(s,3H),1.20(s,3H),0.88(t,J=7.4Hz
,3H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混
合物),208.2,170.1,167.6,159.4,156.4,141.7,141.3,130.1,128.9,12
8.7,126.5,119.4,114.7,113.2,113.0,66.1,57.1,51.7,47.1,44.5,38
.3,32.9,32.1,30.0,28.8,26.8,25.4,24.9,24.0,23.8,23.5,21.6,9.
1。MS(FAB):(M+Na)+645,(M+H)+623。
上記化合物(200mg、0.32mmol)のCH2Cl2(5.0mL)溶液をトリフルオロ酢酸(1.
0mL)で処理し、この混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物をトルエン(1
50mL)で希釈し、減圧濃縮して、化合物24(203mg、100%)を無色のガム状物と
して得た:1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混
合物)7.90(br.s,3H),7.30-6.70(m,9H),5.70(t,J=5.4Hz,1H),5.23(d,J=4
.8Hz,1H),4.01(m,2H),3.30(d,J=12.8Hz,1H),3.13(m,3H),2.58(m,2H)
,2.40-2.00(m,4H),1.75-1.50(m,5H),1.35(m,2H),1.13(s,3H),1.12(s,
3H),0.80(t,J=7.4Hz,3H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー
、複数の回転異性体混合物)208.4,175.3,175.2,170.1,167.8,158.8,142.
0,141.2,130.2,128.9,128.7,126.5,119.
8,114.6,113.0,108.0,66.1,51.8,471,44.6,38.6,38.3,32.8,32.1,2
7.3,26.8,25.3,23.8,23.4,21.5,9.0。HRMS(FAB): (M+Na)+計算値:523.31
72、実測値:523.3162。
(1R)-3-フェニル-1-(3-(ヒドロキシカルボニルメトキシ)フェニル)-1-プロピル
・(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)-2-ピペリジンカルボキシレー
ト (25)
アルコール3(342mg、1.0mmol)のCH2Cl2(3mL)溶液を、(2S)-1-(1,2-ジオ
キソ-3,3-ジメチルペンチル)-2-ピペリジンカルボン酸(23、255mg、1.0mmol、H
olt等、J.Amer.Chem.Soc., 1993, 115,9925-9938による文献記載の方法に従
って、L-ピペコリン酸から4工程で調製)で、次いで1,3-ジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC、247mg、1.2mmol)および4-(ジメチルアミノ)-ピリジン(DMAP
、85mg、0.70mmol)で、窒素雰囲気下に処理した。得られた鮮黄色の懸濁液を一
晩攬拌した。次いで、混合物をガラス綿で濾過し、クロマトグラフィー(シリカ
ゲル、20%EtOAc/ヘキサン)処理して、(1R)-3-フェニル-1-[3-(tert-ブトキシ
カルボニルメトキシ)フェニル]-1-プロピル・(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキ
ソペンチル)-2-ピペリジンカルボキシレート(470mg、82%)を無色油状物とし
て得た:1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合
物)7.50-6.90(m,9H),5.93(t,J=6.0Hz,1H),5.46(d,J=3.4Hz,0.83H,回転
異性体Aのピペコレートα-H),4.67(s,2H),3.50(d,J=12.9Hz,1H),3.32(td
,J=12.5,3.0Hz,1H),2.75(m,2H),2.53(d,J=13.6Hz,1H),2.41(m,1H),2
.22(m,1H),2.97-2.71(m,6H),1.62(s,9H),1.38(s,3H),1.35(s,3H),1.0
3(t,J=7.4Hz); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転
異性体混合物)208.3,175.0,170.0,168.0,167.5,158.5,141.7,141.2,13
0.2,128.9,128.7,126.5,120.2,114.7,113.6,82.8,66.1,51.6,47.1,4
4.5,38.2,32.9,32.0,28.4,26.8,25.3,24.0,23.4,21.6,9.2。HRMS(FAB
): (M+Na)+計算値:602.3094、実測値:602.3090。
上記tert-ブチルエステル(200mg、0.34mmol)のCH2Cl2(5.0mL)溶液を、トリ
フルオロ酢酸(1.0mL)で処理し、この混合物を室温で1時間攪拌した。反応混
合物をトルエン(150mL)で希釈し、減圧濃縮して、化合物25(177mg、99%)を
無色ガム状物として得た:1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数
の回転異性体混合物)7.30-6.80(m,9H),5.75(m,1H),5.30(d,J=4.8Hz,1H),
4.66(s,2H),3.35(d,J=9.27Hz,1H),3.19(td,J=12.4,2.9Hz,1H),2.69(m
,2H),2.39(d,J=16.2Hz,1H),2.30(m,1H),2.10(m,1H),1.90-1.60(m,6H
),1.50(m,1H),1.19(s,3H),1.17(s,3H),0.85(t,J=7.4Hz,3H); 13C NMR
(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.0,1
72.3,169.8,167.9,158.2,142.2,141.1,130.2,128.9,128.7,126.5,120
.3,115.5,111.8,65.5,57.2,52.0,47.2,44.6,38.3,33.0,32.9,32.1,
27.0,25.3,25.2,23.9,23.4,21.5,9.1。HRMS(FAB): (M+Na)+計算値:546.2
468、実測値:546.2461。
(1R)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-[3-(ヒドロキシカルボニルメトキシ)フ
ェニル]-1-プロピル・(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)-2-ピペリ
ジンカルボキシレート (26)
(R) 1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3,4-ジメトキシ
ルフェニル)プロパン-1-オール(13)(805mg、2.0mmol)のCH2Cl2(4mL)溶液(
0℃)を、(2S)-1-(1,2-ジオキソ-3,3-ジメチルペンチル)-2-ピペリジンカルボ
ン酸(23、511mg、2.0mmol、Holt等,J.Amer.Chem.Soc., 1993, 115,9925-9
938による文献記載の方法に従って、L-ピペコリン酸から4工程で調製)で、次
いで4-(ジメチルアミノ)-ピリジン(DMAP、1mg)および1,3-ジシクロヘキシル
カルボジイミド(DCC、413mg、2mmol)で、窒素雰囲気下に処理した。得られた
鮮黄色の懸濁液を2時間攪拌した後、ジエチルエーテル(20mL)で希釈した。その
後、反応混合物を濾過し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、25%→30%EtOAc/ヘキサン)処理して、993mg(78%)の無色透明な粘稠油
状物を得た:IR(単味)2940,1735,1645,1515,1455,1225,1150cm- 1
; 1H NMR(CDCl3,300MHz)7.20-7.17(m,2H),6.91-6.69(m,5H),5.73-5.68(
m,1H),5.24(br s,1H),4.46(s,2H),3.79(s,3H),3.78(s,3H),3.29(br d
,J=13.2Hz,1H),3.07(td,J=12.7,3.0Hz,1H),2.52-2.44(m,2H),2.29(br
d,J=13.6Hz,1H),2.20-2.13(m,1H),2.04-1.95(m,1H),1.71-1.51(m,7H),
1.41(s,9H),1.16(s,3H),1.14(s,3H),0.82(t,J=7.4Hz,3H),13C NMR(CD
Cl3,75MHz)208.2,170.1,168.3,167.6,158.5,149.3,147.8,141.8,133.
9,130.1,120.5,120.3,114.7,113.7,112.2,111.7,82.7,66.2,56.2,51
.7,47.1,44.6,38.3,32.9,31.6,28.8,26.8,25.3,23.8,23.5,21.6,9.
1。HRMS(FAB): (M+Na)+計算値:662.3305、実測値:662.3301。
上記tert-ブチルエステル(460mg、0.72mmol)のCH2Cl2(5.0mL)溶液をトリフ
ルオロ酢酸(1.0mL)で処理し、この混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合
物をトルエン(150mL)で希釈し、減圧濃縮して、化合物26(420mg、100%)を
黄色味を帯びた泡状物として得た:1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマ
ー、複数の回転異性体混合物)8.00(br.s,1H),7.35-6.70(m,7H),5.82(m,1H)
,5.33(d,J=4.5Hz,1H),4.71(m,2H),3.89(s,3H),3.87(s,3H),3.38(d,J=
12.6Hz,1H),3.24(td,J=12.3,2.7Hz,1H),2.60(m,2H),2.45-2.05(m,3H)
,1.70(m,6H),1.45(m,2H),1.23(s,3H),1.21(s,3H),0.89(t,J=7.4Hz,3
H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)2
08.0,172.0,169.8,167.8,158.2,149.4,147.8,142.2,133.7,130.2,129
.4,128.6,125.7,120.6,120.3,115.5,112.2,111.8,111.7,108.2,65.5
,56.3,51.9,47.2,44.6,38.5,32.9,31.7,28.4,27.0,25.3,23.9,23.4
,21.8,21.5,9.1。HRMS(FAB): (M+Na)+計算値:606.2679、実測値:606.2692
。
(1R)-3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1-[3-(ヒドロキシカルボニルメトキシ)
フェニル]-1-プロピル・(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)-2-ピペ
リジンカルボキシレート (27)
アルコール14(650mg、1.5mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液を、(2S)-1-(1,2-ジオ
キソ-3,3-ジメチルペンチル)-2-ピペリジンカルボン酸(23、382mg、1.5mmol)
で、次いで1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(37mg、1.8mmol)および4-(ジ
メチルアミノ)-ピリジン(128mg、1.0mmol)で、窒素雰囲気下に処理した。得ら
れた鮮黄色の懸濁液を一晩攪拌した。この混合物を次いでガラス綿で濾過し、ク
ロマトグラフィー(シリカゲル、20〜30%EtOAc/ヘキサン)処理して、(1R)-3-
(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1-[3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェ
ニル]-1-プロピル・(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)-2-ピペリジ
ンカルボキシレート(776mg、78%)を無色油状物として得た:1
H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)7.30-
6.80(m,4H),6.37(s,2H),5.82(t,J=6.1Hz,1H),5.33(d,J=5.2Hz,1H),4.
54(s,2H),3.85(s,6H),3.83(s,3H),3.38(d,J=12.6Hz,1H),3.16(td,J=1
2.8,3.1Hz,1H),2.60(m,2H),2.45-2.05(m,3H),1.70(m,6H),1.50(s,9H)
,1.45(m,2H),1.25(s,3H),1.23(s,3H),0.90(t,J=7.4Hz,3H); 13C NMR(C
DCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.2,175.1,
170.1,168.2 167.6,158.5,153.6,141.7,137.0,130.1,120.9,120.2,114
.6,113.7,105.7,82.7,66.2,61.2,56.5,51.7,47.1,44.6,38.2,32.9,
32.4,28.4,26.8,25.3,23.9,23.5,21.6,9.1。
上記tert-ブチルエステル(400mg、0.60mmol)のCH2Cl2(5.0mL)溶液をトリフ
ルオロ酢酸(1.0mL)で処理し、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を
トルエン(150mL)で希釈し、減圧濃縮して、化合物27(358mg、98%)を白色の
泡状物として得た: 1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の
回転異性体混合物)7.30-6.80(m,4H),6.39(s,2H),5.82(m,1H),5.33(d,J=
4.6Hz,1H),4.70(m,2H),3.86(s,6H),3.84(s,3H),3.38(d,J=12.6Hz,1H)
,3.22(td,J=12.8,3.1Hz,1H),2.60(m,2H),2.45-2.05(m,3H),1.70(m,6H
),1.45(m,2H),1.23(s,3H),1.21(s,3H),0.89(t,J=7.4Hz,3H); 13C NMR(
CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.2,175.0
,171.7,169.8 167.8,158.2,153.6,142.1,136.9,130.2,129.4,128.6,1
25.7,120.3,115.5,111.8,107.9,105.8,65.6,61.
2,56.5,52.0,47.2,44.6,38.3,32.9,32.5,27.0,25.3,23.8,23.4,21.
5,9.1。MS(FAB): (M+Na)+計算値:636.2785、実測値:636.2756。
(R) 1-(3-(ヒドロキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3,4-メチレンジオキシ
フェニル)-1-プロピル・(2S)-1-(3,3'-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)-2-ピペ
リジンカルボキシレート (28)
(R) 1-(3-(tevt-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3,4-メチレンジ
オキシフェニル)プロパン-1-オール(15)(500mg、1.29mmol)のCH2Cl2(4mL)溶液
(0℃)を、(2S)-1-(1,2-ジオキソ-3,3-ジメチルペンチル)-2-ピペリジンカル
ボン酸(23、330mg、1.29mmol、Holt等,J.Amer.Chem.Soc., 1993, 115,992
5-9938による文献記載の方法に従って、L-ピペコリン酸から4工程で調製)で、
次いで4-(ジメチルアミノ)-ピリジン(DMAP、1mg)および1,3-ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(DCC、267mg、1.29mmol)で、窒素雰囲気下に処理した。得られ
た鮮黄色の懸濁液を2時間攪拌した後、ジエチルエーテル(20mL)で希釈した。
反応混合物を濾過し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、
20%→30%EtOAc/ヘキサン)処理して、556mg(69%)の無色透明の油状物を得
た:IR(単味)2970,1745,1700,1640,1490,1440,1245,1150cm-1; 1H NMR
(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)7.32-7.
26(m,1H),6.99-6.84(m,6H),5.93(s,2H),5.80-76(m,1H),5.33(d,J=4.6H
z,1H),4.55(s,2H),3.83(br d,J=12.9Hz,1H),3.16(td,J=12.3,3.1Hz,1
H),2.63-2.50(m,2H),2.38(br d,J=13.7Hz,1H),2.26-2.16(m,1H),2.09-2
.04(m,1H),1.81-1.57(m,7H),1.51(s,9H),1.26(s,3H),1.23(s,3H),0.9
1(t,J=7.4Hz,3H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回
転異性体混合物)208.2,170.0,168.3 167.6,158.5,148.1,146.2,141.7,135
.0,130.1,121.5,120.2,114.9,113.6,109.2,108.6,101.2,82.7,66.2,
51.7,47.1,44.5,38.3,32.9,31.6,28.4,26.8,25.3,23.8,23.5,21.6,
9.1。HRMS(FAB): (M+Na)+計算値:646.2992、実測値:646.3021。
上記tert-ブチルエステル(625mg、1.00mmol)のCH2Cl2(4.0mL)溶液をトリ
フルオロ酢酸(1.5mL)で処理し、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物
をトルエン(150mL)で希釈し、減圧濃縮して、化合物28(483mg、85%)を無色
透明の油状物として得た:IR(単味)3420,2940,1735,1700,1640,1490,14
40,1245,1040cm-1; 1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数
の回転異性体混合物)7.12(d,J=6.7Hz,1H),6.92-6.81(m,3H),6.68-6.52(m,
3H),5.86(s,2H),5.73(t,J=7.2Hz,1H),5.33(s,1H),4.40(s,2H),3.34.(
d,J=12.2Hz,1H),3.19(t,J=12.0Hz,1H),2.54-2.46(m,2H),2.34(d,J=12.
6Hz,1H),2.24-2.00(m,2H),1.73-1.32(m,7H),1.18(s,3H),1.16(s,3H),
0.84(t,J=7.3Hz,3H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数
の回転異性体混合物)208.0,169.9,167.79,158.3,148.0,146.2,141.9,13
5.0,130.1,121.5,109.1,108.6,107.2,101.2,77.0,51.9,47.0,44.6,3
8.6,32.9,31.8,26.9,25.3,23.9,23.3,21.6,9.1。
(1R)-3-(3-ピリジル)-1-(3-(ヒドロキシカルボニルメトキシ)フェニル)-1-プロ
ピル・(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)-2-ピペリジンカルボキシ
レート (29)
アルコール21(530mg、1.54mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液を、(2S)-1-(1,2-ジオキ
ソ-3,3-ジメチルペンチル)-2-ピペリジンカルボン酸(23、393mg、1.54mmol)で、
次いで1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(381mg、1.85mmol)および4-(ジメチ
ルアミノ)-ピリジン(132mg、1.08mmol)で、窒素雰囲気下に処理した。得られた
鮮黄色の懸濁液を一晩攪拌した。この混合物を次いでガラス綿で濾過し、クロマ
トグラフィー(シリカゲル、20〜60%EtOAc/ヘキサン)処理して、(1R)-3-(3-
ピリジル)-1-[3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル]-1-プロピル・(2
S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)-2-ピペリジンカルボキシレート(8
60mg、96%)を無色油状物として得た: 1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアス
テレオマー、複数の回転異性体混合物)8.46(m,2H),7.50-6.80(m,6H),5.80(
t,J=6.1Hz,1H),5.32(d,J=5.0Hz,1H),4.54(s,2
H),3.38(d,J=12.8Hz,1H),3.14(td,J=12.6,3.0Hz,1H),2.60(m,2H),2.3
6(d,J=13.7Hz,1H),2.25(m,1H),2.10(m,1H),1.75(m,4H),1.49(s,9H),
1.45(m,2H),1.24(s,3H),1.22(s,3H),0.90(t,J=7.4Hz,3H); 13C NMR(CDC
l3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.2,175.1,17
0.0,168.2,167.7,158.6,150.2,148.1,141.3,136.6,130.2,123.8,120.
1,115.0,113.6,107.9,82.8,66.1,51.7,47.1,44.6,39.2,37.8,34.4,
33.0,29.2,28.4,26.7,25.3,23.9,23.5,21.6,21.4,9.1。
上記tert-ブチルエステル(400mg、0.69mmol)のCH2Cl2(5.0mL)溶液をトリフ
ルオロ酢酸(1.0mL)で処理し、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を
トルエン(150mL)で希釈し、減圧濃縮して、化合物29(424mg、96%、トリフル
オロ酢酸塩)を白色の泡状物として得た: 1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジア
ステレオマー、複数の回転異性体混合物)8.75(s,1H),8.67(d,J=10.4Hz,1H)
,8.23(t,J=5.6Hz,1H),7.79(dd,J=7.9,5.6Hz,1H),7.35-6.75(m,4H),5.
80(t,J=6.1Hz,1H),5.25(d,J=5.0Hz,1H),4.75(m,2H),3.35(d,J=13.2Hz
,1H),3.14(td,J=12.6,3.0Hz,1H),2.75(m,2H),2.30(m,3H),1.70(m,6H
),1.40(m,2H),1.22(s,6H),0.92(t,J=7.4Hz,3H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)
(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.3,172.3,T69.9,167.8
,158.6,145.5,142.5,142.0,139.8,139.5,130.6,129.4,128.6,120.2,
117.1,111.8,65.2,51.8,47.1,44.8,36.7,32.8,28.4,26.6,25.2,23.7
,21.4,9.1。HRMS(FAB): (M+Na)+計算値:547.2420、実測値:547.2415。
(1R)-3-(3-インドリル)-1-(3-(ヒドロキシカルボニルメトキシ)フェニル)-1-プ
ロピル・(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)-2-ピペリジンカルボキ
シレート (30)
(R) 1-(3-(tert-ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル)-3-(3-インドリル)プ
ロパン-1-オール(22)から、化合物28のエステルと同様にして、tert-ブチルエス
テルを調製した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、30%EtOAc/ヘ
キサン)により、492mg(76%)の無色透明の油状物を得た IR(単味)3410,2
970,1735,1700,1635,1455,1225,1150cm-1; 1H NMR(CDCl3,300MHz)8.04
(br s,1H),7.53(d,J=7.8Hz,1H),7.37(d,J=8.0Hz,1H),7.30-7.11(m,3H)
,7.01-6.84(m,4H),5.91-5.86(m,1H),5.35(d,J=4.8Hz,1H),4.54(s,2H)
,3.39(d,J=13.3Hz,1H),3.18(td,J=12.6,3.0Hz,1H),2.87-2.74(m,2H),2
.41-2.18(m,3H),1.82-1.57(m,7H),1.50(s,9H),1.27(s,3H),1.24(s,3H)
,0.92(t,J=7.4Hz,3H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)208.3,170.1,168.3,167.
7,158.5,141.9,136.8,130.1,127.7,122.3,121.8,120.3,119.6,119.1
,115.4,114.7,113.7,111.5,82.7,66.2,51.7,47.1,44.5,36.8,32.9,
28.4,26.9,25.4,24.0,23.4.21.6,9.1。HRMS(FAB): (M+Na)+計算値:641.3
203、実測値:641.3193。
上記tert-ブチルエステル(112mg、0.18mmol)のCH2Cl2(5.0mL)溶液をトリフ
ルオロ酢酸(1.0mL)で処理し、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を
トルエン(150mL)で希釈し、減圧濃縮して、化合物30(102mg、100%)を褐色
の泡状物として得た: 1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数
の回転異性体混合物)7.90-6.70(m,10H),5.85(m,1H),5.35(m,1H),4.62(m
,2H),3.40(m,1H),3.25(m,1H),2.80(m,2H),2.40-2.05(m,3H),1.85-1.4
5(m,12H),1.23(s,3H),1.21(s,3H),0.88(t,J=7.4Hz,3H); 13C NMR(CDCl3
,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.0,175.0,
169.8,167.9,158.2,142.3,130.2,129.4,128.6,125.7,122.5,119.7,11
9.1,115.3,111.6,108.0,65.5,52.0,47.2,44.6,32.9,27.0,25.3,23.9
,23.4.21.6,9.1。HRMS(FAB): (M+Na)+計算値:585.2577、実測値:585.2561
。二量体化剤の製造
実施例1.N,N'-ビス[3-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチ
ル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピルフェノキシ)プロピ
ル]・1,4-フェニレンジアセタミド (31)
無水アセトニトリル(5.0mL)中の1,4-フェニレンジ酢酸(194mg、1.0mmol)
とジスクシンイミジルカーボネート(512mg、2.0mmol)との混合物を、ピリジン
(243μL、3.0mmol)で処理した。この混合物を室温で窒素下に一晩攪拌した。
得られた懸濁液を、EtOAc(70mL)と水(50mL)との間で分配させた。有機層を
分離し、1M Na2CO3、水、0.5N HCl、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減
圧濃縮して、1,4-フェニレンジ酢酸ジスクシンイミジルエステル(144mg、37%
)を白色固体として得た。1H NMR(DMSO-d6,300MHz)7.34(s,4H),4.10(s,4H
),2.80(s,8H)。
化合物24(102mg、0.16mmol)のCH2Cl2(2.0mL)溶液を上記の活性化ジエステル
(31mg、0.080mmol)およびEt3N(67μL、0.48mmol)で処理した。この混合物を室
温で一晩攪拌した。得られた透明な溶液をシリカゲルに含浸させ、蒸発乾固した
。クロマトグラフィー(シリカゲル、50〜100%EtOAc/ヘキサン)により化合物31
(60mg、62%)を白色固体として得た:融点55〜57℃; 1H NMR(CDCl3,300 M
Hz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)7.32-7.15(m,16H),6
.95(d,J=7.7Hz,2H),6.83(s,2H),6.74(m,2H),6.01(br.s,2H),5.80(t,J
=5.8Hz,2H),5.32(d,J=4.9Hz,2H),3.98(t,J=5.7Hz,4H),3.52(s,4H),3.
50-3.30(m,6H),3.22(td,J=12.4,2.6Hz,2H),2.67(m,4H),2.38(d,J=13.6
Hz,2H),2.30(m,2H),2.12(m,2H),1.95(t,J=6.1Hz,4H),1.85-1.60(m,10
H),1.50(m,4H),1.23(s,6H),1.21(s,6H),0.89(t,J=7.4Hz,6H); 13C NMR
(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.2,208.0
,171.3,170.1,169.9,167.8,159.2,141.8,141.6,141.2,134.4,130.3,
130.1,128.9,128.7,126.5,119.3,115.0,114.7,113.1,112.8,57.1,51.
7,47.1,44.5,43.7,39.3,38.3,38.2,37.8,33.0,32.8,32.1,29.3,26.
9,25.3,23.9,23.5,21.6,21.4,9.17,9.13。MS(FAB): (M+Na)+1225,(M+H)+
1203。
実施例2.N,N'-ビス[3-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチ
ル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピルフェノキシ)プロピル
]・スベラミド (32)
1,4-フェニレンジ酢酸をスベリン酸に代えた以外は実施例1と同様の方法に従
って、化合物32(54mg、56%)を白色固体として得た:融点44〜46℃; 1H NMR(
CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)7.35-6.85
(m,18H),6.18(br.s,2H),5.86(t,J=5.9Hz,2H),5.39(d,J=4.9Hz,2H),4.
12(t,J=5.9Hz,4H),3.60-3.40(m,6H),3.28(td,J=12.6,2.8Hz,2H),2.70(
m,4H),2.47(d,J=13.8Hz,2H),2.35(m,2H),2.30-2.00(m,12H),1.95-1.70
(m,14H),1.55-1.35(m,6H),1.30(s,6H),1.28(s,6H),0.96(t,J=7.5Hz,6
H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合
物)208.3,170.0,167.8.159.3,141.8,141.2,130.2,128.9,128.7,126.5
,119.4,114.7,113.0,66.4,51.7,47.1,44.5,38.3,37.7,32.8,32.1,2
9.3,28.7,26.9,25.8,25.3,23.9,21.6,9.1。MS(FAB): (M+Na)+1205。
実施例3.N,N'−ビス[3-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチ
ル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピルフェノキシ)プロピル
]・ピリジン-2,6-ジカルボキサミド (33)
1,4-フェニレンジ酢酸をピリジン-2,6-ジカルボン酸に代えた以外は実施例1
と同様の方法に従って、化合物33(44mg、54%)を白色固体として得た:融点60
〜62℃; 1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体
混合物)8.34(d,J=7.7Hz,2H),8.00(t,J=7.7Hz,1H),7.99(br.s,2H,NHs)
,7.30-6.75(m,18H),5.77(t,J=5.7Hz,2H),5.30(d,J=4.8Hz,2H),4.02(m
,4H),3.63(m,4H),3.35(d,J=12.7Hz,2H),3.20(td,J=12.7,2.8Hz,2H),
2.60(m,4H),2.36(d,J=13.3Hz,2H),2.24(m,2H),2.05(m,6H),1.80-1.65(
m,10H),1.50(m,4H),1.20(s,6H),1.18(s,6H),0.85(t,J=7.4Hz,6H); 13
C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の
回転異性体混合物)208.2,170.1,167.7,164.0,159.3,149.1,142.0,141.2
,139.3,130.2,128.9,128.7,126.5,125.4,119.4,115.1,113.2,107.9,
67.0,57.1,51.6,47.1,44.5,38.3,37.9,32.8,32.1,29.6,28.0,26.9,
25.4,23.9,23.5,21.6,9.1。MS(FAB: (M+Na)+1198,(M+H)+1176。
実施例4.N,N'-ビス[3-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチ
ル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピルフェノキシ)プロピル
]・ピリジン-3,5-ジカルボキサミド (34)
1,4-フェニレンジ酢酸をピリジン-3,5-ジカルボン酸に代えた以外は実施例1
と同様の方法に従って、化合物34(32mg、39%)を白色固体として得た:融点62
〜64℃; 1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体
混合物)9.09(d,J=1.8Hz,2H),8.42(d,J=1.9Hz,1H),7.30-6.80(m,20H),5
.78(t,J=5.6Hz,2H),5.28(d,J=4.7Hz,2H),4.12(t,J=5.6Hz,4H),3.68(m
,4H),3.36(d,J=13.0Hz,2H),3.18(td,J=13.4,3.4Hz,2H),2.60(m,4H),
2.35(d,J=13.2Hz,2H),2.25(m,2H),2.05(m,6H),1.80-1.65(m,10H),1.50
(m,4H),1.18(s,6H),1.16(s,6H),0.84(t,J=7.4Hz,6H); 13C NMR(CDCl3
,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.3,170.1,1
67.8,165.2,159.1,150.9,141.9,141.3,130.3,130.2,128.9,128.7,126
.5,119.5,115.0,112.7,107.9,67.0,51.7,47.1,44.5,38.7,38.2,32.8
,32.1,26.8,25.3,23.9,23.5,21.5,9.1。MS(FAB): (M+Na)+1198,(M+H)+1
176。
実施例5.N,N'-ビス[3-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチ
ル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピルフェノキシ)プロピル
]・N-メチルピリジニウム-3,5-ジカルボキサミド・ヨウダイド (35)
化合物34(10mg、8.5μmol)のアセトン(1.0mL)溶液を、MeI(60μL、10.2mmol
)で処理した。混合物を室温で暗所に3日間放置したところ、TLC(100%Et
OAc)は出発物質が全て基準化合物に転化していることを示した。得られた濃黄色
溶液を減圧濃縮して、化合物35(11mg、100%)を黄色固体として得た。1H NMR(
アセトン-d6,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)9.98(s
,1H),9.62(s,2H),9.14(br.s,2H),7.20-6.70(m,20H),5.83(t,J=5.2Hz,
2H),5.27(d,J=4.5Hz,2H),4.75(s,3H),4.18(t,J=6.4Hz,4H),3.67(q,J=
6.1Hz,4H),3.45(d,J=13.4Hz,2H),3.25(m,2H),2.75(m,4H),2.20-1.90(m
,10H),1.75(m,10H),1.50(m,4H),1.21(s,6H),1.19(s,6H),0.85(t,J=7
.5Hz,6H); 13C NMR(アセトン-d6,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回
転異性体混合物)208.7,170.8,168.2,162.1,160.6,148.7,143.3,142.6,
130.8,129.6,127.2,119.8,115.6,113.9,104.0,77.8,67.2,52.5,47.6
,45.3,39.4,38.1,33.6,32.8,27.6,26.1,24.2,23.8,22.4,9.5。MS(FA
B): (M+Na)+1190。
実施例6.N,N'-ビス[3-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチ
ル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピルフェノキシ)プロピル
]・ベンゼン-1,3-ジスルホンアミド (36)
化合物24(106mg、0.17mmol)のCH2Cl2(2.0mL)溶液をEt3N(71μL、0.51mmol)
およびベンゼン-1,3-ジスルホニルクロライド(23mg、0.085mmol)で処理した。
この混合物を室温で一晩攪拌した。得られた黄色い溶液を次いでシリカゲルに含
浸させ、蒸発乾固した。クロマトグラフィー(シリカゲル、50%EtOAc/ヘキサ
ン)により化合物36(64mg、61%)を白色固体として得た:融点58〜60℃; 1H N
MR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)8.39(
d,J=6.3Hz,1H),8.03(dd,J=7.8,1.6Hz,2H),7.57(td,J=7.9,4.4Hz,1H)
,7.35-6.80(m,18H),5.81(m,2H),5.50(m,2H),5.36(d,J=4.4Hz,2H),3.9
5(m,4H),3.43(d,J=12.6Hz,2H),3.22(m,6H),2.65(m,4H),2.43(d,J=13.
6Hz,2H),2.30(m,2H),2.15(m,2H),1.95(m,4H),1.90-1.65(m,12H),1.50
(m,4H),1.25(s,6H),1.23(s,6H),0.90(t,J=7.4Hz,6H); 13C NMR(CDCl3,
75MHz)(単一ジアステレオマー、複
数の回転異性体混合物)208.5,170.1,167.8,159.0,142.1,141.9,141.3,13
1.1,130.5,130.1,128.9,128.7,126.5,125.8,119.5,114.8,112.7,65.7
,57 2,51.8,47.1,44.6,41.2,38.4,32.9,32.8,32.1,29.5,26.8,25.3
,23.9,23.4,21.6,9.2,9.1。MS(FAB): (M+Na)+1269。
実施例7.N,N'-ビス[3-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチ
ル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピルフェノキシ)プロピル
]・5-アミノベンゼン-1,3-ジカルボキサミド (37)
5-アミノイソフタル酸(1.81g、10mmol)とジオキサン(60mL)との混合物を、Na2
CO3(4.24g、40mmol)の水(60mL)溶液で、次いで(Boc)2O(3.5mL、15mmol)で処理
した。この混合物を室温で16時間攪拌した。混合物にEtOAc(100mL)を加え、10%
KHSO4(約100mL)を加えてpHを2にした。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×1
00mL)で抽出した。EtOAc溶液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4
)、減圧濃縮して、5-tert-ブチロキシカルバミル-ベンゼン-1,3-ジカルボン酸
(2.8g、100%)を得た。
アセトニトリル(2mL)中の上記ジカルボン酸(422mg、1.5mmol)とジスクシン
イミジルカーボネート(768mg、3.0mmol)との混合物を、ピリジン(364μL、4.
5mmol)で処理した。この混合物を室温で20時間激しく攪拌した。得られた懸濁
液を、EtOAc(150mL)と0.5N HCl(50mL)との間で分配させた。有機層を分離し、
水(50mL)、10%NaHCO3(2×50mL)、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧
濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル、70%EtOAc/ヘキサン)により(5-
tert-ブチロキシカルバミル)ベンゼン-1,3-ジカルボン酸のジスクシンイミジル
エステル(193mg、27%)を白色固体として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)8.50
(s,1H),8.44(s,2H),6.91(s,1H),2.89(s,8H),1.54(s,9H)。
化合物24(81mg、0.127mmol)のCH2Cl2(2.0mL)溶液に、上記の活性化ジエス
テル(30mg、0.064mmol)を添加し、次いでEt3N(53μL、0.38mmol)を滴下した。
この混合物を室温で4時間攪拌した。得られた透明な溶液をシリカゲル
に含浸させ、蒸発乾固した。クロマトグラフィー(シリカゲル、50〜70%EtOAc
/ヘキサン)により、N-Boc-37(56mg、68%)を白色固体として得た。1H NMR(
CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)8.01(s,2
H),7.93(s,1H),7.35-6.85(m,21H),5.83(t,J=6.0Hz,2H),5.34(d,J=4.6H
z,2H),4.14(t,J=5.2Hz,4H),3.70(m,4H),3.42(d,J=12.8Hz,2H),3.22(t
,J=10.2Hz,2H),2.65(m,4H),2.40(d,J=13.0Hz,2H),2.30(m,2H),2.15(m
,6H),1.85-1.65(m,10H),1.57(s,9H),1.50(m,4H),1.25(s,6H),1.23(s
,6H),0.91(t,J=7.4Hz,6H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー
、複数の回転異性体混合物)208.4,170.1,167.8,166.8,159.3,153.1,141.7
,141.3,139.9,136.1,130.1,128.8,128.7,126.5,119.7,119.4,115.0,
112.8,66.7,51.7,47.1,44.5,38.4,38.2,32.8,32.1,29.4,28.7,26.8
,25.3,23.4,21.5,9.1。
N-Boc-37(20mg、0.016mmol)のCH2Cl2(4.0mL)溶液をトリフルオロ酢酸(0.8
mL)で処理し、混合物を室温で1時間攪拌した。混合物をトルエン(150mL)で
希釈し、減圧濃縮して、化合物37のトリフルオロ酢酸塩(20mg、96%)を無色の
ガム状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数
の回転異性体混合物)7.67(s,1H),7.45-6.90(m,22H),5.88(m,2H),5.40(d
,J=4.6Hz,2H),4.80(br.s,4H),4.20(m,4H),3.75(m,4H),3.45(d,J=12.7
Hz,2H),3.32(m,2H),2.75(m,4H),2.50-2.30(m,4H),2.20(m,6H),1.78(m
,10H),1.50(m,4H),1.32(s,6H),1.30(s,6H),0.98(t,J=7.4Hz,6H)。MS(
FAB): (M+H)+1190。
実施例8.N,N'-ビス[3-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチ
ル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピルフェノキシ)プロピル
]・(±)-2,6-ジアミノピメラミド (38)
5−アミノイソフタル酸を(±)-2,6-ジアミノピメリン酸に代えた以外は実施
例7と同様の方法に従って、ジ-Boc-38(51mg、54%)を白色固体として得た。1
H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)
7.35-6.50(m,20H),5.84(t,J=5.8Hz,2H),5.45-5.20(m,4H),4.08(t,J=5.
4Hz,4H),3.55-3.30(m,6H),3.24(t,J=12.5Hz,2H),2.70(m,4H),2.42(d,
J=13.0Hz,2H),2.35(m,2H),2.20(m,2H),2.05(m,4H),2.00-1.65(m,14H)
,1.50(m,4H),1.47(s,18H),1.28(s,6H),1.25(s,6H),0.94(t,J=7.4Hz,
6H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合
物)208.3,170.1,159.3,141.8,141.3,130.1,128.9,128.7,126.5,119.3
,113.1,80.4,66.7,51.7,47.1,44.5,38.3,32.8,32.1,29.5,28.74,28
.72,26.9,25.3,24.0,23.4,21.6,9.1。
ジ-Boc-38(20mg、0.014mmol)のCH2Cl2(4.0mL)溶液をトリフルオロ酢酸(0
.8mL)で処理し、混合物を室温で1時間攪拌した。混合物をトルエン(150mL)
で希釈し、減圧濃縮して、化合物38のジ(トリフルオロ酢酸)塩(18.9mg、94%)
を無色のガム状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマ
ー、複数の回転異性体混合物)7.40-6.85(m,20H),5.85(m,2H),5.38(m,2H)
,4.05(m,6H),3.45-3.25(m,8H),2.70(m,4H),2.45(m,2H),2.40(m,2H),
2.20(m,2H),2.05(m,4H),1.95-1.60(m,14H),1.50(m,4H),1.28(s,6H),1
.27(s,6H),0.95(t,J=7.4Hz,6H)。MS(FAB): (M+H)+1199。
実施例9.N,N'-ビス[3-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチ
ル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピルフェノキシ)プロピル
]・トリエチレングリコール-1,10-ビスカルバメート (39)
化合物24(85mg、0.13mmol)のCH2Cl2溶液(0℃)に、Et3N、次いでトリエチレ
ングリコール・ビス(クロロホルメート)を添加した。この混合物を0℃で1時間
攪拌したところ、TLCは出発物質が残っていないことを示した。この混合物を減
圧濃縮し、残渣をシリカでクロマトグラフィー処理(70〜80%EtOAc/ヘキサン
)して、化合物39を無色のガム状物(40mg、48%)として得た。1H NMR(CDCl3
,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)7.25-6.70(m,1
8H),5.71(t,J=5.8Hz,2H),5.25(d,J=4.7Hz,2H),5.12(br.s,
2H),4.15(t,J=4.4Hz,4H),3.95(t,J=5.9Hz,4H),3.60(t,J=4.8Hz,4H),3
.75(s,4H),3.30(m,6H),3.10(td,J=12.7,3.0Hz,2H),2.50(m,4H),2.30(
d,J=13.7Hz,2H),2.20(m,2H),2.05(m,2H),1.92(t,J=6.2Hz,4H),1.75-1
.50(m,10H),1.35(m,4H),1.16(s,6H),1.13(s,6H),0.81(t,J=7.4Hz,6H)
;13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物
)208.2,170.1,167.6,159.3,159.9,156.9,141.7,141.3,130.1,128.9,
128.7,126.5,119.4,114.8,113.2,71.0,70.1,66.0,64.3,51.7,47.1,4
4.5,39.2,38.8,38.3,33.0,32.9,32.1,29.9,26.8,25.4,23.9,23.8,2
3.5,21.6,9.1。MS(FAB): (M+Na)+1269。
実施例10.1,4-キシリルジアミン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S-(3,3-ジメチ
ル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピ
ル)フェノキシアセタミド] (40)
カルボン酸25(104mg、0.20mmol)のアセトニトリル(2.0mL)溶液を、ジスクシ
ンイミジルカーボネート(56mg、0.22mmol)およびピリジン(48μL、0.60mmol)で
処理した。この混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を次いでEtOAc(70mL)と
水(50mL)との間で分配させた。有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(N
a2SO4)、減圧濃縮して、白色の泡状物(115mg、93%)を得た。この活性化スク
シンイミジルエステルを、無水アセトニトリル(2.0mL)に再溶解した。得られ
た溶液を次いでトリエチルアミン(75μL、0.54mmol)で、次に1,4-キシリルジア
ミンのDMF溶液(0.32M,288μL、0.092mmol)で処理した。得られた懸濁液を室
温で1時間攪拌したところ、TLCは出発物質が残っていないことを示した。この
混合物をEtOAc(50mL)と水(20mL)との間で分配させた。有機層を分離し、0.5N
HCl(水溶液)、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧濃縮した。クロマ
トグラフィー(シリカゲル、70%EtOAc/ヘキサン)により、化合物40(42mg、4
0%)が白色固体として得られた:融点59〜61℃; 1H NMR(CDCl3,300MHz)(単
一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)7.25-6.70(m,22H),5.69(m,2
H),5.22(d,J=4.8Hz,2H),4.46(s,4H),4.43(d,J=3.
9Hz,4H),3.27(d,J=13.2Hz,2H),3.06(td,J=12.6,2.6Hz,2H),2.50(m,4H
),2.27(d,J=13.4Hz,2H),2.16(m,2H),2.00(m,2H),1.75-1.50(m,10H),1
.35(m,4H),1.12(s,6H),1.10(s,6H),0.78(t,J=7.4Hz,6H); 13C NMR(CDC
l3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.3,170.0
,168.4,168.3,167.6,157.7,142.2,142.1,141.1,137.6,130.4,128.9,
128.7,128.5,126.6,120.6,114.3,113.8,67.7,57.0,51.6,47.1,44.5,
43.0,39.2,38.4,38.1,32.9,32.1,32.0,26.8,25.3,23.9,23.5,21.6,
9.2。MS(FAB): (M+Na)+1169,(M+H)+1147。
実施例11.1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-
((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-
3-フェニル)プロピル)フェノキシアセタミド] (41)
1,4-キシリルジアミンを1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンに代えた以外
は、実施例10と同様の方法に従って、化合物41(35mg、53%)を白色固体として
得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混
合物)7.55-6.90(m,20H),5.93(t,J=5.6Hz,2H),5.46(d,J=4.8Hz,2H),4.6
3(s,4H),3.70-3.50(m,6H),3.37(m,2H),2.95-2.20(m,24H),1.90(m,16H)
,1.60(m,4H),1.37(s,6H),1.35(s,6H),1.03(t,J=7.5Hz,6H);13C NMR(
CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.2,170
.0,168.4,167.7,158.0,142.3,141.1,130.4,128.9,128.7,126.6,120.5
,115.0,113.8,107.9,68.2,51.6,47.1,44.5,38.5,32.9,26.8,25.3,2
3.9,23.5,21.6,9.1。MS(FAB): (M+H)+1211。
実施例12.3,3'-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1
-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)
-3-フェニル)プロピル)フェノキシアセタミド] (42)
1,4-キシリルジアミンを3,3'-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミンに代えた以
外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物42(28mg、48%)を無色ガム状物
として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異
性体混合物)7.50-6.75(m,20H),5.76(t,J=5.8Hz,2H),5.29(d,J=4.8Hz,2H
),4.45(s,4H),3.35(m,6H),3.17(td,J=12.6,2.7Hz,2H),2.60(m,4H),2
.35(m,6H),2.25(m,2H),2.05(m,5H),1.70(m,14H),1.40(m,4H),1.20(s
,6H),1.18(s,6H),0.86(t,J=7.5Hz,6H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジ
アステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.2,170.0,168.4,167.7,158.
0,142.2,141.1,130.4,128.9,128.7,126.5,120.3,115.0,114.6,113.7
,108.0,67.9,56.4,51.6,47.1,44.5,38.4,33.0,32.9,32.1,26.8,25.
3,23.9,23.5,21.6,21.4,9.1。MS(FAB): (M+H)+1156,(M+Na)+1178。
実施例13.1,5-ジアミノペンタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチ
ル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェニル)プロピ
ル)フェノキシアセタミド] (43)
1,4-キシリルジアミンを1,5-ジアミノペンタンに代えた以外は、実施例10と同
様の方法に従って、化合物43(18mg、30%)を無色ガム状物として得た。1
H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)7
.40-7.00(m,18H),6.80(br.s,NHs,2H),5.85(m,2H),5.33(d,J=4.7Hz,2H)
,4.50(s,4H),3.37(m,6H),3.20(td,J=12.7,2.7Hz,2H),2.65(m,4H),2.
38(d,J=13.4Hz,2H),2.28(m,2H),2.14(m,2H),1.90-1.40(m,20H),1.24(s
,6H),1.22(s,6H),0.90(t,J=7.4Hz,6H); 13C NMR(CDCl3,75NHz)(単一ジア
ステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.2,170.0,168.3,167.7,157 8,
142.2,141.2,130.4,128.9,128.7,126.5,120.5,114.2,113.9,67.8,51.
6,47.1,44.5,39.2,38.4,32.9,32.0,29.6,26.8,25.4,24.4,23.9,23.
5,21.6,9.1。MS(FAB): (M+Na)+1135。
実施例14.1,5-ジアミノ-3-オキサペンタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(
3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-フェ
ニル)プロピル)フェノキシアセタミド] (48)
1,4-キシリルジアミンを1,5-ジアミノ-3-オキサペンタン・二塩酸塩(アルド
リッチ社)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物48(23mg、
39%)を無色ガム状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレ
オマー、複数の回転異性体混合物)7.30-6.80(m,20H),5.80(m,2H),5.30(d,
J=4.9Hz,2H),4.48(s,4H),3.50(br.s,8H),3.36(d,J=13.6Hz,2H),3.16(t
d,J=12.6,2.7Hz,2H),2.60(m,4H),2.36(d,J=13.8Hz,2H),2.26(m,2H),
2.10(m,2H),1.80-1.60(m,10H),1.50(m,4H),1.20(s,6H),1.19(s,6H),0
.87(t,J=7.5Hz,6H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の
回転異性体混合物)208.2,170.0,168.5,167.7,157.8,142.2,141.1,130.4
,128.9,128.7,126.5,120.5,114.6,113.7,108.1,69.9,67.8,51.6,47.
1,44.5,39.1,38.4,32.9,32.0,26.8,25.3,23.9,23.5,21.6,21.4,9.1
。MS(FAB): (M+Na)+1137。
実施例15.1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2
S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-
フェニル)プロピル)フェノキシアセタミド] (53)
1,4-キシリルジアミンを1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン(フルカ社)に
代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物53(23mg、32%)を無色
ガム状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数
の回転異性体混合物)7.35-6.85(m,20H),5.80(t,J=5.7Hz,2H),5.33(d,J=4
.9Hz,2H),4.51(s,4H),3.60(br.s,12H),3.40(d,J=12.3Hz,2H),3.20(td
,J=12.6,2.8Hz,2H),2.65(m,4H),2.40(d,J=13.4Hz,2H),2.26(m,2H),2
.10(m,2H),1.90-1.60(m,10H),1.50(m,4H),1.25(s,6H),1.22(s,6H),0.
90(t,J=7.4Hz,6H);13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数
の回転異性体混合物)208.2,170.0,168.4,167.
7,157.8,142.2,141.1,130.4,128.9,128.7,126.5,120.5,114.7,113.6
,70.7,70.1,67.8,51.6,47.1,44.5,39.2,38.4,32.9,32.0,26.8,25.3
,23.9,23.5,21.6,21.4,9.1。MS(FAB): (M+Na)+1181。
実施例16.1,11-ジアミノ-3,6,9-トリオキサウンデカン・N,N'-ビス[2-(3-((1R
)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオ
キソ)-3-フェニル)プロピル)フェノキシアセタミド] (59)
1,4-キシリルジアミンを1,11-ジアミノ-3,6,9-トリオキサウンデカン(Dietri
ch,B.;Lehn,J.-M.;Sauvage,J.P.;Blanzat,J.,Tetrahedron,1973,29,
1628の文献記載の方法を用いて調製)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に
従って、化合物59(18mg、24%)を無色ガム状物として得た。1H NMR(CDCl3,3
00MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)7.35-6.80(m,20H)
,5.77(t,J=6.0Hz,2H),5.30(d,J=4.9Hz,2H),4.48(s,4H),3.60(m,16H)
,3.35(d,J=13.5Hz,2H),3.16(td,J=12.6,2.9Hz,2H),2.65(m,4H),2.37(
d,J=13.6Hz,2H),2.25(m,2H),2.05(m,2H),1.80-1.60(m,12H),1.50(m,4
H),1.21(s,6H),1.19(s,6H),0.87(t,J=7.4Hz,6H); 13C NMR(CDCl3,75MHz
)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.2,170.0,168.4,167.
7,157.8,142.2,141.1,130.4,128.9,128.7,126.5,120.5,114.7,113.6
,108.0,70.9,70.7,70.1,67.8,51.6,47 1,44.5,39.2,38.4,32.9,32.
0,26.8,25.3,23.9,23.5,21.6,9.1。MS(FAB): (M+Na)+1125。
実施例17.1,5-ジアミノペンタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメ
チル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3,4-ジメトキ
シフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (44)
酸モノマー25を26に代え、1,4-キシリルジアミンを1,5-ジアミノペンタンに代
えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物44(58mg、49%)を白色
泡状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の
回転異性体混合物)7.35-6.65(m,16H),5.79(m,2H),5.33(d,J=4.8Hz,2H),
4.49(s,4H),3.87(s,6H),3.86(s,6H),3.35(m,6H),3.20(m,2H),2.95(m
,2H),2.60(m,4H),2.38(d,J=13.4Hz,2H),2.28(m,2H),2.10(m,2H),1.9
0-1.40(m,20H),1.23(s,6H),1.22(s,6H),0.90(t,J=7.4Hz,6H);13C NMR
(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.2,1
70.0,168.3,168.2,167.7,157.8,149.3,147.8,142.3,133.8,130.4,120
.6,114.2,113.9,112.2,111.8,108.0,67.8,56.3,56.2,51.6,47 1,44.
5,39.2,38.6,38.3,32.9,31.6,29.6,26.8,25.3,24.4,23.8,23.6,9.1
。MS(FAB): (M+Na)+1255。
実施例18.1,5-ジアミノ-3-オキサペンタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(
3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3,4-
ジメトキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (49)
酸モノマー25を26に代え、1,4-キシリルジアミンを1,5-ジアミノ-3-オキサペ
ンタン・二塩酸塩(アルドリッチ社)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に
従って、化合物49(73mg、62%)を白色泡状物として得た。1H NMR(CDCl3,300
MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)7.35-6.65(m,16H),
5.79(m,2H),5.33(d,J=4.8Hz,2H),4.51(s,4H),3.87(s,6H),3.86(s,6H)
,3.55(br.s,8H),3.35(m,2H),3.20(m,2H),2.60(m,4H),2.38(d,J=13.4H
z,2H),2.28(m,2H),2.10(m,2H),1.90-1.40(m,20H),1.23(s,6H),1.22(s
,6H),0.90(t,J=7.4Hz,6H);13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー
、複数の回転異性体混合物)208.2,170.0,168.5,168.4,167.7,157.8,149.3
,147.8,142.3,133.7,130.4,120.5,114.6,113.7,112.2,111.8,69.9,6
7.8,56.3,56.2,51.6,47.1,44.5,39.1,38.6,32.9,31.6,26.8,25.3,2
3.8,23.6,21.6,9.1。MS(FAB): (M+Na)+1257。
実施例19.1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2
S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(
3,4-ジメトキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (54)
酸モノマー25を26に代え、1,4-キシリルジアミンを1,8-ジアミノ-3,6-ジオキ
サオクタン(フルカ社)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合
物54(54mg、49%)を白色泡状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一
ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)7.35-6.65(m,16H),5.79(m,2H)
,5.33(d,J=4.8Hz,2H),4.50(s,4H),3.87(s,6H),3.86(s,6H),3.59(br.s
,12H),3.35(m,2H),3.20(m,2H),2.60(m,4H),2.38(d,J=13.4Hz,2H),2.
28(m,2H),2.10(m,2H),1.90-1.40(m,20H),1.23(s,6H),1.22(s,6H),0.9
0(t,J=7.4Hz,6H); 13C NMR(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の
回転異性体混合物)208.2,170.1,168.4,167.7,157.8,149.3,147.8,142.3
,133.7,130.4,120.5,114.7,113.6,112.2,111.8,70.6,70.1,67.8,56.
3,56.2,51.6,47.1,44.5,39.2,38.6,32.9,31.6,26.8,25.3,23.8,23.
6,21.6,9.1。MS(FAB): (M+Na)+1301。
実施例20.1,11-ジアミノ-3,6,9-トリオキサウンデカン・N,N'-ビス[2-(3-((1R
)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリシン-2-カルボニルオキ
ソ)-3-(3,4-ジメトキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (60)
酸モノマー25を26に代え、1,4-キシリルジアミンを1,11-ジアミノ-3,6,9-トリ
オキサウンデカン(Dietrich,B.;Lehn,J.-M.;Sauvage,J.P.;Blanzat,J.
,Tetrahedron,1973,29,1628の文献記載の方法を用いて調製)に代えた以外は
、実施例10と同様の方法に従って、化合物60(64mg、50%)を無色ガム状物とし
て得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体
混合物)7.35-6.65(m,16H),5.79(m,2H),5.33(d,J=4.8Hz,2H),4.50(s,4H
),3.87(s,6H),3.86(s,6H),3.61(m,16H),3.38(m,2H),3.20(m,2H),2.6
0(m,4H),2.38(m,2H),2.28(m,2H),2.10(ln,2H),1.90-1.40(m,20H),1.
23(s,6H),1.22(s,6H),0.90(t,J=7.4Hz,6H); 13C NMR
(CDCl3,75MHz)(単一ジアステレオマー、複数の回転異性体混合物)208.2,1
70.1,168.4,167.7,157.8,149.3,147.8,142.3,133.7,130.4,120.5,114
.7,113.6,112.2,111.8,108.0,70.6,70.1,67.8,56.3,56.2,51.6,47.1
,44.5,39.2,38.6,32.9,31.6,26.8,25.3,23.8,23.5,21.6,9.1。MS(FA
B): (M+Na)+1345。
実施例21.1,5-ジアミノペンタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメ
チル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3,4,5-トリメ
トキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (45)
酸モノマー25を27に代え、1,4-キシリルジアミンを1,5-ジアミノペンタンに代
えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物45(33mg、34%)を白色泡
状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および13C NMR(CDCl3,75MHz)は正
しい。MS(FAB): (M+Na)+1315。
実施例22.1,5-ジアミノ-3-オキサペンタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(
3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3,4,
5-トリメトキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (50)
酸モノマー25を27に代え、1,4-キシリルジアミンを1,5-ジアミノ-3-オキサペ
ンタン・二塩酸塩(アルドリッチ社)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に
従って、化合物50(41mg、46%)を白色泡状物として得た。1H NMR(CDCl3,300M
Hz)および13C NMR(CDCl3,75MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1317。
実施例23.1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S
)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3
,4,5-トリメトキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (55)
酸モノマー25を27に代え、1,4-キシリルジアミンを1,8-ジアミノ-3,6-ジオキ
サオクタン(フルカ社)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合
物55(37mg、38%)を白色泡状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および1 3
C NMR(CDCl3,75MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1361。
実施例24.1,11-ジアミノ-3,6,9-トリオキサウンデカン・N,N'-ビス[2-(3-((1R
)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキ
ソ)-3-(3,4,5-トリメトキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (61)
酸モノマー25を27に代え、1,4-キシリルジアミンを1,11-ジアミノ-3,6,9-トリ
オキサウンデカンに代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物61(
27mg、32%)を白色発泡物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および13C NMR
(CDCl3,75MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1405。
実施例25.1,5-ジアミノペンタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメ
チル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3,4-メチレン
ジオキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (46)
酸モノマー25を28に代え、1,4-キシリルジアミンを1,5-ジアミノペンタンに代
えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物46(42mg、42%)を白色泡
状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および13C NMR(CDCl3,75MHz)は正
しい。MS(FAB): (M+Na)+1223。
実施例26.1,5-ジアミノ-3-オキサペンタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(
3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3,4-
メチレンジオキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (51)
酸モノマー25を28に代え、1,4-キシリルジアミンを1,5-ジアミノ-3-オキサペ
ンタン・二塩酸塩(アルドリッチ社)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に
従って、化合物51(39mg、34%)を白色泡状物として得た。1H NMR(CDCl3,3
00MHz)および13C NMR(CDCl3,75MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1225。
実施例27.1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S
)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3
,4-メチレンジオキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (56)
酸モノマー25を28に代え、1,4-キシリルジアミンを1,8-ジアミノ-3,6-ジオキ
サオクタン(フルカ社)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合
物56(55mg、47%)を白色泡状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および1 3
C NMR(CDCl3,75MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1l269。
実施例28.1,11-ジアミノ-3,6,9-トリオキサウンデカン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)
-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキ
ソ)-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (62)
酸モノマー25を28に代え、1,4-キシリルジアミンを1,11-ジアミノ-3,6,9-トリ
オキサウンデカンに代えた以外は、実施例10と同様の方法に従い、化合物62(52
mg、42%)を無色ガム状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および13C NMR
(CDCl3,75MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1313。
実施例29.1,5-ジアミノペンタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメ
チル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3-ピリジル))
プロピル)フェノキシアセタミド] (47)
酸モノマー25を29に代え、1,4-キシリルジアミンを1,5-ジアミノペンタンに代
えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物47(64mg、58%)を白色泡
状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および13C NMR(CDCl3,75MHz)は正
しい。MS(FAB): (M+Na)+1137。
実施例30.1,5-ジアミノ-3-オキサペンタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(3
,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3-ピ
リジル))プロピル)フェノキシアセタミド] (52)
酸モノマー25を29に代え、1,4-キシリルジアミンを1,5-ジアミノ-3-オキサペ
ンタン・二塩酸塩(アルドリッチ社)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に
従って、化合物52(52mg、55%)を白色泡状物として得た。1H NMR(CDCl3,300M
Hz)および13C NN1R(CDl3,75MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1139。
実施例31.1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2
S)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(
3-ピリジル))プロピル)フェノキシアセタミド] (57)
酸モノマー25を29に代え、1,4-キシリルジアミンを1,8-ジアミノ-3,6-ジオキ
サオクタン(フルカ社)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合
物57(48mg、47%)を白色泡状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および1 3
C NMR(CDCl3,75MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1183。
実施例32.1,11-ジアミノ-3,6,9-トリオキサウンデカン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)
-1-((2S)-(3,3-シメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキ
ソ)-3-(3-ピリジル))プロピル)フェノキシアセタミド] (63)
酸モノマー25を29に代え、1,4-キシリルジアミンを1,11-ジアミノ-3,6,9-トリ
オキサウンデカンに代えた以外は、実施例10と同様の方法に従い、化合物63(58
mg、55%)を無色ガム状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および13C NMR
(CDCl3,75MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1227。
実施例33.1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S
)-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(
3-インドリル))プロピル)フェノキシアセタミド] (58)
酸モノマー25を30に代え、1,4-キシリルジアミンを1,8-ジアミノ-3,6-ジオキ
サオクタン(フルカ社)に代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合
物58(20mg、20%)を白色泡状物として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および1 3
C NMR(CDCl3,75MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1259。
実施例34.エチレンジアミン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1
,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3,4-ジメトキシフェ
ニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (64)
酸モノマー25を26に代え、1,4-キシリルジアミンをエチレンジアミン二塩酸塩
に代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物64(126mg、59%)を
白色固体として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)及び13C NMR(CDCl3,75MHz)は
正しい。MS(FAB): (M+Na)+1213。
実施例35.エチレンジアミン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(3,3-ジメチル-1
,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3-ピリジル))プロピ
ル)フェノキシアセタミド] (65)
酸モノマー25を29に代え、1,4-キシリルジアミンをエチレンジアミン二塩酸塩
に代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物65(79mg、59%)を白
色固体として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)及び13C NMR(CDCl3,75MHz)は正
しい。MS(FAB): (M+H)+1073。
実施例36.N,N'-ジメチルエチレンジアミン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(3
,3-ジメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3,4-
ジメトキシフェニル))プロピル)フェノキシアセタミド] (66)
酸モノマー25を26に代え、1,4-キシリルジアミンをN,N'-ジメチルエチレンジ
アミンに代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物66(118mg、55
%)を白色固体として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および13C NMR(CDCl3,7
5MHz)は正しい。MS(FAB): (M+Na)+1241。
実施例37.N,N'-ジメチルエチレンジアミン・N,N'-ビス[2-(3-((1R)-1-((2S)-(3
,3-シメチル-1,2-ジオキソペンチル)ピペリジン-2-カルボニルオキソ)-3-(3-ピ
リジル))プロピル)フェノキシアセタミド] (67)
酸モノマー25を29に代え、1,4-キシリルジアミンをN,N'-ジメチルエチレンジ
アミンに代えた以外は、実施例10と同様の方法に従って、化合物67(70mg、37%
)を白色固体として得た。1H NMR(CDCl3,300MHz)および13C NMR(CDCl3,75MH
z)は正しい。MS(FAB): (M+H)+1101。合成の概要、第2部
合成の詳細
(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-ヒドロキシ)ブチル-2-ピペリジンカルボ
ン酸メチル (71)
エチルエステル類似物についてD.A.Holt等,J.Am.Chem.Soc., 1993, 115
,9925-9938に報告された方法に従って調製。1
H NMR(CDCl3)δ5.25(dist d,J=5.2Hz,1H),3.78(s,3H),3.59-3.71(m,2H)
,3.49(br.d,J=13.8Hz,1H),3.37(t,J=6.4Hz,1H),3.18(td,J=12.9,3.3Hz
,1H),2.32(br d,J=14.0Hz,1H),1.25-1.80(m,5H),1.23(s,6H)。MS(DCI/
NaI)m/z 289(M+NH4),272(M+H)。
(2S)-1-{3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メト
キシ}ブチル-2-ピペリジンカルボン酸メチル (72)
(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-ヒドロキシ)ブチル-2-ピペリジンカル
ボン酸メチル,71(1.80g、6.6mmol)、N,N'-ジイソプロピルエチルアミン(1.
03g、8.0mmol)、および2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロライド(1.3
3g、8.0mmol)のジクロロメタン(25mL)溶液を室温で21.5時間攪拌した。この
溶液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー処理(シリカゲル、ヘキサン−酢酸エ
チル10:1乃至6:1傾斜)して、標記化合物(2.60g)を無色液体として得た
。1H NMR(CDCl3)δ5.22(br.d,J=5.1Hz,1H),4.62(s,2H),3.73(s,3H),3.49
-3.71(m,5H),3.14(td,J=13.3Hz,3.4H,1H)),2.28(br d,J=14.0Hz,1H),1
.18-1.77(m,5H),1.30(s,3H),1.27(s,3H),0.84-0.94(m,2H),0.00(s,9H)
。MS(FAB+/NaI)m/z。
(2S)-1-{3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メト
キシ}ブチル-2-ピペリジンカルボン酸 (73)
(2S)-1-{3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メ
トキシ}ブチル-2-ピペリジンカルボン酸メチル、72(2.50g、6.2mmol)、1N
水酸化リチウム(9.3mL)およびメタノール(10mL)の混合物を0℃で30分間、次
いで室温で7時間攪拌した。この混合物を1N HClで酸性にし、水で希釈し、ジ
クロロメタンで抽出した。有機抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
濃縮して、無色油状物(2.11g)を得た。これをさらに精製せずに使用した。1
H NMR(CDCl3)δ10.25(br s,1H),5.27(d,J=4.9Hz,1H),4.61(s,2H),3.68(
dist.t,J=9.4,9.9Hz,1H),3.49-3.60(m,4H),3.11-3.20(m,1H),2.31(br d
,J=13.7Hz,1H),1.36-1.79(m,5H),1.29(s,3H),1.27(s,3H),0.91(td,J=
8.4,3.0Hz,2H),0.00(s,9H)。13C NMR(CDCl3)δ207.5,176.9,168.7,96.
4,75.0,66.6,52.5,48.8,45.3,27.7,26.2,23.9(2C),22.6,19.5,0.00
。MS(FAB-)m/z 386(M-H)。
(1R)-1,3-ジフェニル-1-プロピル・(2S)-1-{3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-[2-
(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ブチル-2-ピペリジンカルボキシレート
(74)
(2S)-1-{3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メ
トキシ}ブチル-2-ピペリジンカルボン酸、73(1.00g、2.6mmol)および(1R)-1
,3-ジフェニル-1-プロパノール(0.72g、3.4mmol)のジクロロメタン(10mL)溶
液を、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.70g、3.4mmol)および4-ジメ
チルアミノピリジン(0.22g、1.8mmol)で処理した。得られた懸濁液を窒素雰
囲気下に室温で17時間攪拌した。混合物を次いで少量の酢酸エチルで希釈し、濾
過し、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで処理して(シリカゲル、ヘキ
サン−酢酸エチル8:1)、標記化合物(1.33g)を無色油状物として得た。1
H NMR(CDCl3)δ7.14-7.32(m,10H),5.27-5.47(m,1H),5.08(br d,J=5.2Hz,
1H),4.59(AB q,JAB=6.8Hz,2H),3.66(dd,J=9.2,8.6Hz,1H),3.48-3.62(m
,3H),3.33(br d,J=13.1Hz,1H),2.70-2.92(m,5H),2.00(br
d,J=11.5Hz,1H),1.21-1.49(m,5H),1.27(s,3H),1.25(s,3H),0.86-0.95(
m,2H),0.00及び-0.22(2xs,9H)。
MS(FAB+/Nal)m/z 604(M+Na)。精密質量: C33H17NSiO6の計算値(M+Na)604.3070
;実測値604.3073
(1R)-1,3-ジフェニル-1-プロピル・(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-ヒド
ロキシ)ブチル-2-ピペリジンカルボキシレート (75)
(1R)-1,3-ジフェニル-1-プロピル・(2S)-1-{3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-[
2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ブチル-2-ピペリジンカルボキシレー
ト、74(0.75g、1.3mmol)および48wt% HF(0.5mL)のアセトニトリル(25mL)溶
液を室温で4時間攪拌した後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルとの
間で分配させた。有機層を傾斜分離し、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
濃縮し、残渣をクロマトグラフィー処理(シリカゲル、ヘキサン−酢酸エチル4
:1乃至2:1傾斜)して、化合物75(0.45g)を無色油状物として得た。1
H NMR(CDCl3)δ7.10-7.27(m,10H),5.38-5.47(m,1H),5.04(br d,J=5.3Hz,
1H),3.47-3.621(m,3H),3.29(br d,J=13.9Hz,1H),2.67-2.93(m,5H),2.00
(br d,J=12.8Hz,1H),1.17-1.57(m,5H),1.15(s,3H),1.14(s,3H)。MS(FA
B+/NaI)m/z 474(M+Na)。精密質量:C25H33NO5の計算値(M+Na)474.2256; 実測値
474.2273。
(1R)-1,3-ジフェニル-1-プロピル・(2S)-1-[3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-(1-
スクシンイミジルオキシカルボニル)オキシ]ブチル-2-ピペリジンカルボキシレ
ート (76)
((1R)-1,3-ジフェニル-1-プロピル・(2S)-1-(3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-
ヒドロキシ)ブチル-2-ピペリジンカルボキシレート75(223mg、0.49mmol)のジク
ロロメタン(13mL)溶液を、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.8mL)およびN
,N'-ジスクシンイミジルカーボネート(385mg)で処理し、混合物を室温で
66時間攪拌した。混合物を次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、黄色油状物(28mg)を得た。これをさらに
精製せずに使用した。1H NMR(C6D6)δ7.11-7.32(m,10H),5.56-5.65(m,1H)
,5.36(br d,J=5.1Hz,1H),4.51(d,J=10.5Hz,1H),4.17(d,J=10.5Hz,1H)
,3.52(br d,J=13.4Hz,1H),2.71-3.11(m,5H),1.99(br d,J=14.4Hz,1H),
1.70(br s,4H),1.01-1.38(m,11H)。13C NMR(C6D6)δ205.4,171.0,169.7,1
68.2,153.5,139.2(139.0),131.2,130.2,130.1,129.8,129.5,129.2,128
.3(128.2),77.9,76.9,53.1,48.4,45.3,41.9,41.8,27.7,26.6(2C),26.
3,23.5,22.5,22.3。MS(FAB+/NaI)m/z 615(M+Na),474,434。
精密質量: C32H36N2O9の計算値(M+Na)615.2319; 実測値 615.2299。
2,2-(エチレンジオキシ)ジエチルアミン・N,N'-{2,2-ジメチル-3,4-ジオキソ-4
-{(2S)-2-[(1R)-1,3-ジフェニルプロピルオキシカルボニル]-1-ピペリジニル}
ブチルカルバメート (77)
(1R)-1,3-ジフェニル-1-プロピル・(2S)-1-[3,3-ジメチル-1,2-ジオキソ-4-(1
-スクシンイミジルオキシカルボニル)オキシ]ブチル-2-ピペリジンカルボキシレ
ート、76(75mg、0.13mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(66.3μL)の
アセトニトリル(4mL)溶液を、2,2'-(エチレンジオキシ)ジエチルアミン(9.3μ
L)で処理し、混合物を室温で21時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣をクロマトグ
ラフィー処理(シリカゲル、ヘキサン−酢酸エチル1:3乃至1:2傾斜)して
、標記化合物(20mg)を無色油状物として得た。1H NMR(CDCl3)δ7.10-7.55(m,20
H),5.48(br dd,J=12.2,6.1Hz,2H),5.20-5.35(br s,2H),5.09-5.18(m,2H
),4.22(AB q,JAB=10.6Hz,4H),3.48-3.80(m,8H),3.20-3.45(m,6H),2.80-
3.15(m,10H),1.98-2.08(m,2H),1.17-1.68(m,22H)。13C NMR(CDCl3)δ 20
5.3,170.1,166.9,156.6,137.6,137.3,129.7(2C),128.9,128.8,127.1,
127.0,76.9,70.6,70.4,
(69.9),(60.8),(56.9),51.6,47.3,(47.2),44.0,41.2,40.7,40.5,(40.
2),(39.0),(28.1),26.8,25.2,(24.7),22.3,(22.2),21.8,(21.4),21.0
,(20.8),14.6。MS(FAB+/NaI)m/z 1125(M+Na)。
p-キシリレンジアミン・N,N'-{2,2-ジメチル-3,4-ジオキソ4-{(2S)-2-[(1R)-1
,3-ジフェニルプロピルオキシカルボニル]-1-ピペリジニル}ブチルカルバメー
ト (78)
p-キシリレンジアミンのジメチルホルムアルデヒド溶液(0.1mM、0.5mL)を、
化合物76(66mg、0.11mmol)およびトリエチルアミン(46μL)のアセトニトリル(1
mL)溶液に、30分間かけて滴下した。混合物を次いで酢酸エチルと水との間で分
配させ、有機層を傾斜分離し、水洗シ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して
、黄色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸
エチル1:1)により、標記化合物(33mg)を無色油状物として得た。1H NMR(C6
D6)δ7.34-7.55(m,24H),5.72-5.85(m,2H),5.64-5.68(m,2H),5.35-5.45(m
,2H),4.77(AB q,JAB=10.8Hz,4H),4.46-4.57(m,4H),3.64(br d,J=12.2Hz
,2H),2.92-3.25(m,10H),2.14(br d,J=13.2Hz,2H),1.20-1.75(m,22H)。M
S(FAB+/NaI)m/z 1113(M+Na)。細胞系トランスフェクション検定
一般に、二量体化剤の検定を次のようにして行った。ヒト293細胞を、プラス
ミドPCGNNGF3およびPCGNNF3VP16(それぞれ3コピーのFKBP12に融合したGal4 DN
A結合ドメイン(aa 1-147)およびVP16活性化ドメイン(aa 411-490)に融合した3
コピーのFKBP12を発現する)を用いてリン酸カルシウム法により一時的にトンラ
スフェクションした。これらの検定で用いたリポーター・プラスミド(G5IL2-SE
AP)は、最小IL2プロモーターおよびこのプロモーターの上流に位置する5XG
AL4結合サイトの制御下で分泌アルカリ性ホスファターゼ(SEAP)をコードする
遺伝子を含んでいる。どの場合も、成長ホルモンを発現するプラスミドを、トラ
ンスフェクション効率を監視するための内部対照として使用した。
トランスフェクションから約16時間後に、培地を取り出し、細胞をPBSで2回
洗浄した。細胞に、血清10%を含有するDMEM 2.5mLを再供給し、2時間後に、合
成二量体化剤をエタノール・キャリアー溶液5μL中の適当な濃度で培地に直接
添加した。この薬剤の添加から約24時間後に、100μLの培地を取り出してSEAP活
性について検定し、別の100μLの培地を用いて成長ホルモン活性について検定し
た(トランスフェクション効率を標準化するために)。
この検定系における本発明の多量体化剤のサンプルの結果を、次の表に示すよ
うに0.1ないし104nMの多量体化剤の濃度で、hGH発現に対して標準化して、多量
体化剤のプロトタイプであるFK1012(上掲のSpencer等,Scienceを参照)で認め
られた最大転写活性に対する%で表示した。本発明の多量体化剤は、キメラタン
パク質の種類や系の他の成分(要素)の種類に応じて、その認められる活性がい
くらか変動することは承知されたい。対象となる系の種類に応じて、多量体化剤
の機能に基づいて実施者は多量体化剤を選択することが推奨される。
二量体化剤の検定作業シート
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年9月17日
【補正内容】
請求の範囲
1.式:M1−L−M2で示される多量体化剤、および薬剤に許容されるその塩。
但し、M1およびM2はそれぞれ独立して下記より選ばれた部分である。
上記式中、
X=O、NHまたはCH2;
X1=OまたはCH2;
Y=O、NHもしくはNR3であるか、又はR2から原子9への共有結合を表し
;
Y1=O、NHまたはNR3;
Y2=NHもしくはNR3であるか、又はR2から原子9への共有結合を表し;
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立してC1〜C20アルキルまたはアリールであり
;
ここで、アルキルは、飽和または不飽和の直鎖、分岐鎖、環式、または多環式
脂肪族炭化水素基を含み、これらは1または2以上の炭素原子の代わりに酸素、
イオウもしくは窒素を含有していてもよく、また場合によりヒドロキシ、C1〜C8
アルコキシ、アシルオキシ、カルバモイル、アミノ、N-アシルアミノ、ケトン、
ハロゲン、シアノ、カルボキシル、およびアリールよりなる群から選ばれた1ま
たは2以上の官能基で置換されていてもよく;
アリールは、安定な環式、複素環式、多環式、または複素多環式の不飽和C3〜
C14部分を含み、これらはヒドロキシ、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8分岐鎖もしく
は直鎖アルキル、アシルオキシ、カルバモイル、アミノ、N-アシルアミノ、ニト
ロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、およびカルボキシルよりなる群か
ら選ばれた1〜5個の基でさらに置換されていてもよく;
R1とR2とを連結している破線は、大環状構造を形成する共有結合を意味し;
そして
Lは、R1とR2のいずれかへの共有結合によってモノマーM1とM2とを結合さ
せるリンカー部分であり、R1とR2のいずれへ結合するかはM1とM2において同
じである必要はない。
2.−YR2、−Y1R2、および/または−YR2が、炭素数1〜8の直鎖、分岐
鎖、または環式脂肪族部分である、請求の範囲第1項記載の多量体化剤。
3.−YR2、−Y1R2、および/または−YR2が、エチル、イソプロピル、te
rt−ブチル、tert−アミル、またはシクロヘキシルである、請求の範囲第2項記
載の多量体化剤。
4.−YR2、−Y1R2、および/または−YR2が、ヒドロキシ、C1〜C8アルコ
キシ、C1〜C8分岐鎖もしくは直鎖アルキル、アシルオキシ、カルバモイル、アミ
ノ、N-アシルアミノ、ニトロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、および
カルボキシルよりなる群から選ばれた1〜5個の基でさらに置換されていてもよ
い、安定な環式、複素環式、多環式、または複素多環式の不飽和C3〜C14部分を
含む、請求の範囲第1項記載の多量体化剤。
5.−XR1および/または−X1R1が次式で示される部分である、請求の範囲
第1項記載の多量体化剤。
上記式中、R4はフェニル、置換フェニル、またはヘテロ芳香族基であり;R5は
場合により置換されていてもよい炭素数2〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環式脂肪
族部分であり;R6は反応性官能基R7を有する芳香族またはヘテロ芳香族部分で
あり、R7は−COOH、−CHO、X'H、またはX'R8でよく、ここでX'は
O、S、またはNH(置換もしくは非置換)であり、R8は−(CH2)z−COOH
(zは1〜4の整数)である。
6.−YR2および/または−YR2が、炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖、または環
式脂肪族部分である、請求の範囲第5項記載の多量体化剤。
7.各Mが次式で示される部分である、請求の範囲第6項記載の多量体化剤。
式中、Arはフェニル、置換フェニル、またはヘテロ芳香族基である。
8.Arが3,4−ジメトキシフェニル、3,4−(OCH2O)-フェニル、3,4,5−トリメト
キシフェニル、3−ピリジル、または3−インドリルである、請求の範囲第6項
記載の多量体化剤。
9.Lが下記よりなる群から選ばれる、請求の範囲第1項ないし第8項のいずれ
か1項に記載の多量体化剤。
−(CH2)3−Q1−(CH2)3− および
−O−CH2−CO−Q2−CO−CH2−O−
式中、Q1は下記の部分から選ばれ、
Q2は下記の部分から選ばれる。
10.式:M1−L−M2で示される多量体化剤。
但し、M1およびM2はそれぞれ独立して次式で示される部分である。
上記式中、
n=1または2;
X=O、NHまたはCH2;
Y=O、NHもしくはNR3であるか、又はR2から原子9への共有結合を表し
;
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立してC1〜C20アルキルまたはアリールであり
;
ここで、アルキルは、飽和または不飽和の直鎖、分岐鎖、環式、または多環式
脂肪族炭化水素基を含み、これらは1または2以上の炭素原子の代わりに酸素、
イオウもしくは窒素を含有していてもよく、また場合によりヒドロキシ、C1〜C8
アルコキシ、アシルオキシ、カルバモイル、アミノ、N-アシルアミノ、ケトン、
ハロゲン、シアノ、カルボキシル、およびアリールよりなる群から選ばれた1ま
たは2以上の官能基で置換されていてもよく;
アリールは、安定な環式、複素環式、多環式、または複素多環式の不飽和C3〜
C14部分を含み、これらはヒドロキシ、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8分岐鎖もしく
は直鎖アルキル、アシルオキシ、カルバモイル、アミノ、N-アシルアミノ、ニト
ロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、およびカルボキシルよりなる群か
ら選ばれた1〜5個の基でさらに置換されていてもよく;
R1とR2は、場合により、互いに共有結合して(式IIに破線で示すように)大
環状構造を形成していてもよく;そして
Lは、R1とR2のいずれかへの共有結合によってモノマーM1とM2とを結合さ
せるリンカー部分であり、R1とR2のいずれへ結合するかはM1とM2において同
じである必要はなく、ここで、Lは下記よりなる群から選ばれる。
−(CH2)3−Q1−(CH2)3− および
−O−CH2−CO−Q2−CO−CH2−O−
式中、Q1は下記の部分から選ばれ、
Q2は下記の部分から選ばれる。
11.遺伝子操作を行っている細胞において、所望の遺伝子の転写を活性化し、ア
ポトーシスを作動させ、または他の生物的事象を誘発させるために、FKBP系
組み換え体タンパク質のリガンド媒介多量体化に基づく生物スィッチを活性化さ
せる方法であって、前記細胞またはこの細胞を含む生物体に、該組み換え体タン
パク質の多量体化または該スイッチの活性化に有効な量の式:M1−L−M2で示
される多量体化剤を投与することからなる改良方法。
但し、M1およびM2はそれぞれ独立して次式で示される部分であり、
上記式中、
n=1または2;
X=O、NHまたはCH2;
Y=O、NHもしくはNR3であるか、又はR2から原子9への共有結合を表し
;
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立してC1〜C20アルキルまたはアリールであり
;
ここで、アルキルは、飽和または不飽和の直鎖、分岐鎖、環式、または多環式
脂肪族炭化水素基を含み、これらは1または2以上の炭素原子の代わりに酸素、
イオウもしくは窒素を含有していてもよく、また場合によりヒドロキシ、C1〜C8
アルコキシ、アシルオキシ、カルバモイル、アミノ、N-アシルアミノ、ケトン、
ハロゲン、シアノ、カルボキシル、およびアリールよりなる群から選ばれた1ま
たは2以上の官能基で置換されていてもよく;
アリールは、安定な環式、複素環式、多環式、または複素多環式の不飽和C3〜
C14部分を含み、これらはヒドロキシ、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8分岐鎖もしく
は直鎖アルキル、アシルオキシ、カルバモイル、アミノ、N-アシルアミノ、ニト
ロ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、およびカルボキシルよりなる群か
ら選ばれた1〜5個の基でさらに置換されていてもよく;
R1とR2は、場合により、互いに共有結合して(式IIに破線で示すように)大
環状構造を形成していてもよく;そして
Lは、R1とR2のいずれかへの共有結合によってモノマーM1とM2とを結合さ
せるリンカー部分であり、R1とR2のいずれへ結合するかはM1とM2において同
じである必要はない。
12.多量体化剤が請求の範囲第1項ないし第10項のいずれか1項に記載の多量体
化剤である、請求の範囲第11項記載の方法。
13.式:M1で示される化合物を、結合部分Lを介して、式:M2で示される化合
物に共有結合させることからなる、請求の範囲第1項ないし第10項のいずれか1
項に記載の多量体化剤の製造方法。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C12N 5/10 A61K 31/445
// A61K 31/445 C12N 5/00 A
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 グオ,タオ
アメリカ合衆国、ニュージャージー州
08873、サマセット、リラー・レイン29K
(72)発明者 ラボルド,エドガルド
アメリカ合衆国、マサチューセッツ州
01752、マールボロ、プレザント・ストリ
ート145、アパートメント302A