JPH10504446A - Fas会合タンパク質 - Google Patents

Fas会合タンパク質

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JPH10504446A JP8502462A JP50246296A JPH10504446A JP H10504446 A JPH10504446 A JP H10504446A JP 8502462 A JP8502462 A JP 8502462A JP 50246296 A JP50246296 A JP 50246296A JP H10504446 A JPH10504446 A JP H10504446A
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ジョン シー. リード,
タカアキ サトー,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物タンパク質チロシンホスファターゼであるヒト4型PTP-BAS、ヒト5a型PTP-BASおよびマウス5b型PTP-BAS(これらは、それぞれ、Fas会合タンパク質(FAP)である)、4型PTP-BASまたは5型PTP-BASをコードする核酸分子、および4型PTP-BASまたは5型PTP-BASに対して特異的な抗体を提供する。本発明はまた、FAPを同定する方法を提供する。FAPは、Fasと会合し得、そしてアポトーシスを調整し得る。本発明はまた、FAPとFasとの会合を有効に変化させ得、従って細胞におけるアポトーシスのレベルを増加させるかまたは減少させ得る薬剤を同定するためのスクリーニングアッセイを提供する。本発明はさらに、細胞に、PTP-BASまたはPTP-BASのフラグメントをコードする核酸分子、あるいはアンチセンスヌクレオチド配列(これは、PTP-BASをコードする核酸分子の部分に相補的である)を導入することによって、その細胞におけるアポトーシスを調整する方法を提供する。本発明はまた、FAPに特異的に結合する試薬を使用して、細胞におけるアポトーシスレベルの増加または減少によって特徴づけられる病状を診断する方法を提供する。本発明はまた、細胞と、細胞におけるFATおよびFasの会合を有効に変化させるかまたは細胞におけるFAPの活性を変化させる薬剤とを接触させることによって、その細胞におけるアポトーシスを調整する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 Fas会合タンパク質 発明の背景 発明の分野 本発明は、一般に分子生物学および分子医学の分野に関し、そしてより詳細に は、プログラム細胞死に関連するタンパク質の同定およびこれらのタンパク質の 会合に関する。 背景情報 プログラム細胞死は、ホメオスタシスを確実にする生理学的プロセスであり、 本質的に全ての自己再生組織における細胞生成と細胞代謝回転との間が維持され る。多くの場合、「アポトーシス」と呼ばれる特徴的な形態学的変化が死ぬべき 細胞(dying cell)に生じる。同様の変化が異なるタイプの死ぬべき細胞に生じ るので、細胞死は異なる細胞タイプにおいて共通の経路を介して進行するようで ある。 組織のホメオスタシスを維持する他に、アポトーシスはまた、種々の外部刺激 に応じて生じ、外部刺激には、成長因子損失(deprivation)、カルシウムレベ ルの改変、フリーラジカル、細胞傷害性リンホカイン、特定のウイルスの感染、 放射線、およびほとんどの化学療法剤が挙げられる。このように、アポトーシス は、例えば代謝経路において生じると同様の調節メカニズムを受けるような誘導 可能な事象である。この観点から、アポトーシスの調節不全もまた生じ得、そし て、例えば、特定のタイプのガン細胞においては対応する正常細胞よりも長い時 間生存し、そして神経変性疾患においては神経は早期に死ぬことが観察される。 ウイルス感染では、アポトーシスの誘導が疾患プロセスの病理生理学において顕 著に現れ得る。 プログラム細胞死に関連するいくつかのタンパク質が同定され、これらのいく つかのタンパク質間の会合が記載されている。しかし、これらのタンパク質がそ れらの活性を媒介するメカニズムについては未知のままである。細胞死に関連す るタンパク質の同定およびこれらのタンパク質間の会合の理解は、細胞における アポトーシスのプロセスを操作する手段を提供し得、従って、細胞の相対寿命( relative lifespan)を選択的に調節する。 Fasとして知られる細胞表面タンパク質(APO-1およびCD95とも呼ばれる;以下 「Fas」という)は、乳房ガン細胞、結腸ガン細胞、前立腺ガン細胞、および膵 臓ガン細胞を含む種々のタイプのヒト細胞上で発現され、アポトーシスを引き起 こし得る。Fasは、腫瘍壊死因子レセプター(TNFR)ファミリーのタンパク質の メンバーであり、例えば、神経成長因子レセプターも含む。これらのレセプター タンパク質は、細胞外シグナルを細胞内に変換し、そしてその結果として細胞死 を誘導するかまたは細胞生存を促進し得る。しかし、Fasのような細胞表面レセ プターが細胞死を調節するメカニズムは知られていない。 Fasは細胞表面に存在するので、その作用はおそらく1つまたはそれより多い 細胞内タンパク質に結合するFasにより媒介され、最終的には細胞死をもたらす 。Fasと会合し得、そのためアポトーシスに関連し得るこのような細胞内タンパ ク質の同定は、細胞におけるアポトーシスを調整するための手段としてこの会合 の操作を可能にする。このように、Fasと会合するタンパク質を同定する必要が ある。本発明は、この必要を満たし、そしてさらに他の利点を提供する。 発明の要旨 本発明は、4型PTP-BASおよび5型PTP-BASと命名されたFas-会合タンパク質( FAP)を提供し、あるいは、これらは好塩基球(PTP-BAS)から初めに単離された タンパク質チロシンホスファターゼ(PTPase)の二者択一的にスプライスされた 形態である。さらに、5型PTP-BASタンパク質のサブファミリーが開示され、こ れには触媒ホスファターゼドメインを欠くヒト5a型PTP-BASおよびマウス5b 型PTP-BASを含む。本発明はまた、4型PTP-BASまたは5型PTP-BASをコードする 核酸分子、これらの核酸分子を含むベクター、およびこのベクターを含む宿主細 胞を提供する。本発明はまた、4型PTP-BASまたはt型PTP-BASに特異的に結合し 得る抗体を提供する。 本発明はまた、PTP-BASのようなFAPとFasとの会合を効果的に改変し得る薬剤 (agent)を同定するために有用なスクリーニングアッセイを提供する。FasとFA Pとの会合を改変することにより、効果的な薬剤は細胞におけるアポトーシスの レベルを上昇または低下させ得る。例えば、FasとFAPとの会合を効果的に減少ま たは阻害する薬剤は、アポトーシスのレベルを上昇させ得るが、FasとFAPとの会 合を効果的に増加させる薬剤はアポトーシスのレベルを低下させ得る。 本発明はさらに、アポトーシスのレベルを調整し得る、細胞中のFAPの量を増 加または減少する方法を提供する。例えば、細胞中のFAPの量は、FAPをコードす る核酸配列を細胞中に導入しそして発現することにより増加し得る。細胞中のFA Pの量を増加することにより、細胞をアポトーシスに対して比較的抵抗性にし得 る。さらに、細胞中のFAPの量は、FAPをコードする核酸分子の一部に相補的であ るアンチセンスヌクレオチド配列を細胞中に導入しそして発現することにより減 少し得る。また、PTPase活性を欠くFAPのフラグメントが、細胞中で発現され得 、そしてFAPの優勢なインヒビターとして作用し得、それにより細胞中のFAP活性 を低下する。細胞中のFAPの量または活性を減少することにより、細胞をアポト ーシスに対して比較的感受性にし得る。 本発明はまた、FAPの活性を改変する方法、および結果として細胞中のFasの活 性を改変する方法を提供し、ここでFAPまたはFasの活性のこのような上昇および 低下は、細胞におけるアポトーシスのレベルを調整し得る。例えば、細胞中のFA Pの活性は、FAPをコードする核酸配列を細胞中に導入しそして発現することによ り上昇し得、それにより、発現したFAPはホスファターゼ活性を有する。さらに 、細胞中のFAPの活性は、FAPをコードする核酸分子の一部に相補的であるアンチ センスヌクレオチド配列を細胞中に導入しそして発現することにより低下し得、 それにより低下したFAPの発現は、細胞中のPTPase活性を低下させる。 本発明はまた、FAPを特異的に結合し得る試薬またはFAPをコードする核酸分子 に結合し得るヌクレオチド配列を用いて、細胞中のFAPのレベルの上昇または低 下によって改変したアポトーシスのレベルにより特徴づけられる病状を診断する 方法を提供する。 図面の簡単な説明 図1は、ツーハイブリッドアッセイシステム(two hybrid assay system)に 使用するためのLexA融合タンパク質を生成するために用いた、プラスミドpEG202 のマップを提供する。pEG202は、細菌にアンピシリン耐性を与える遺伝子(AmpR )および細菌におけるプラスミドの複製を可能にするcolE1複製起点を含む。こ のプラスミドはまた、ヒスチジン非存在下でプラスミド含有酵母細胞を増殖可能 にする遺伝子(HIS3)および酵母における複製を可能にする酵母2ミクロン複製 起点を含む。 LexA融合タンパク質は、Fasの細胞質ドメインのオープンリーディングフレー ム(アミノ酸191〜335)をコードするcDNAを、LexA(LexA 202)をコードする核 酸配列の下流にあるポリリンカーのEco RI/Bam HI部位に挿入することにより生 成された。LexA融合タンパク質が生成されるように挿入した配列中にLexAのオー プンリーディングフレームを維持するように、クローニングを行った。融合タン パク質をコードする核酸は、アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター(ADH-P )から発現されており、そしてADH終止部位(ADH-term)で終結する。 図2は、B42融合タンパク質を生成するために用いたプラスミドpJG4-5のマッ プを提供する。このプラスミドは、2ミクロン(2μm)酵母複製起点およびト リプトファンを含まない培地でプラスミド含有酵母細胞の増殖を可能にする遺伝 子(TRP1)を含む。B42融合タンパク質は、示すように、FAPをコードし得るHeLa 細胞由来cDNA配列を、開始メチオニン(ATG)、SV40核局在化シグナル(Nuc.Lo c.)、B42トランスアクチベータードメイン(B42)、およびヘマグルチニンHA1 エピトープタグをコードするカセットの下流に位置するEco RI/Xho I部位に挿入 することにより生成された。B42融合タンパク質をコードする核酸は、ガラクト ース-誘導性プロモーター(GAL1-P)から発現される。このプラスミドはまた、 この融合タンパク質をコードする配列の転写を終結するADH終止シグナル(ADH-t erm)を含む。 図3は、β-ガラクトシダーゼ(β-gal)をコードするリポーターlacZ遺伝子 を含む、プラスミドpSH18-34のマップを提供する。このプラスミドは、細菌の複 製起点(ori)およびアンピシリン耐性遺伝子(amp)を含む。このプラスミドは また、酵母2ミクロン(2μm)複製起点およびウラシルの非存在下でプラスミ ド含有酵母細胞の増殖を可能にする遺伝子(URA3)を含む。lacZ遺伝子は、ガラ クトース-誘導性プロモーター(GAL1)に連結される。ガラクトースの他に、lac Z遺伝子の発現は、LexAオペレーター配列(LexA Op)へのLexAの結合およびトラ ンスアクチベーションに依存する。pSH18-34は8つのLexAオペレーター(LexA結 合部位)を含む。 図4は、LexA/Fas融合タンパク質を生成するためにも使用されるプラスミドpB MT-116のマップを提供する。このプラスミドは、細菌の複製起点(ori)および アンピシリン耐性遺伝子(amp)を含む。このプラスミドはまた、酵母2ミクロ ン(2μm)複製起点およびトリプトファンの非存在下でプラスミド含有酵母細 胞の増殖を可能にする遺伝子(TRP1)を含む。LexA/Fas融合タンパク質は、Fas の細胞質ドメインをコードするヌクレオチド配列を、マルチクローニング部位に 位置するEco RI/Bam HI部位に挿入することにより生成された。LexA/Fas融合タ ンパク質が生成されるように挿入した配列中にLexAのオープンリーディングフレ ームを維持するように、クローニングを行った。 図5は、VP-16トランスアクチベーションドメインとの融合タンパク質を生成 するために用いたプラスミドpVP-16のマップを提供する。このプラスミドは、細 菌の複製起点(ori)およびアンピシリン耐性遺伝子(amp)を含む。f1は、アン チセンス鎖の生成に関する調節エレメントである。このプラスミドはまた、酵母 2ミクロン(2μm)複製起点およびロイシンの非存在下でプラスミド含有酵母 細胞の増殖を可能にする遺伝子(LEU2)を含む。VP-16融合タンパク質は、マウ ス胚mRNAから調製されたcDNAライブラリーを、ATG開始コドンおよびVP-16コード 配列(Nuc.Loc.VP16)の下流のNot I制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入するこ とにより生成された。転写は、ADHプロモーター(ADHp)から開始され、そしてA DH終止配列(ADHt)により終結される。 図6は、Fasタンパク質(FAS/APO-1)および以下のようなFasのフラグメント に連結されたグルタチオン-S-トランスフェラーゼタンパク質(GST)を含む種々 の融合タンパク質を概略的に示す:A)Fas(191-335);B)Fas(191-290);C) Fas(246-335);D)Fas(246-290);E)Fas(191-320)およびF)Fas(321-335)。 TMは、Fasの貫膜領域を示す。数字は、完全長のFasタンパク質に対するアミノ酸 の位置を示した。 図7は、PTP-BASタンパク質を概略的に示し、保存されたグリシン−ロイシン −グリシン−フェニルアラニン(GLGF)領域およびPTP-BASの細胞質ドメインの 触媒ドメインを示す。ツーハイブリッドアッセイを用いて得られる2つのcDNAク ローン(pVP16-31およびpVP-16-43;実施例Iを参照のこと)によりコードされ る相同領域、ヒト脳cDNAライブラリーから得られる2つのcDNAクローン(HFAP10 およびHFAP20)によりコードされる相同領域、およびマウス肝臓cDNAライブラリ ーから得られるcDNAクローン(MFAP23;マウス5b型PTP-BAS)によりコードさ れる相同領域もまた示される。数字は、ヒト1型PTP-BASに対するアミノ酸の位 置を示す。C-末端は、「COOH」により示される。VLFDKは、HFAP10(4型PTP-BAS )およびHFAP20(5a型PTP-BAS)のGLGF2における挿入を示す。HFAP20のC-末端 の黒塗り枠およびMFAP23のC-末端の点描枠は、PTP-BASファミリーのタンパク質 の他のメンバーとは異なる(diverge)アミノ酸配列を示す。HFAP20およびMFAP2 3は、示されるように終結し、従って触媒ホスファターゼドメインを含まない。 図8は、pVP16-31によりコードされるポリペプチドがFasの種々のフラグメン トと会合する能力を示す。完全長のFasタンパク質の概略図を示す。Fasの略図の 下方の実線は、pVP16-31によりコードされるポリペプチドへの結合について検査 した種々のFasのフラグメントを示す。「β-ガラクトシダーゼ活性」とラベルし たカラムは、pVP16-31ポリペプチドを結合して(+)、その結果、ツーハイブリ ッドアッセイ(実施例Iを参照のこと)で転写により活性複合体を生成したフラ グメントまたは結合しなかったフラグメント(−)を示す。「インビトロ結合ア ッセイ」とラベルしたカラムは、GST/HFAP10ポリペプチド融合タンパク質に結合 したFasのフラグメント(+)または結合しなかったフラグメント(−)を示す 。 図9は、GST/Fas融合タンパク質を生成するために用いたプラスミドpGEX-2TX のマップを提供する。このプラスミドは、細菌の複製起点(ori)およびアンピ シリン耐性遺伝子(AmpR)を含む。GST融合タンパク質をコードする配列の転写 は、tacプロモーター(ptac)から調節される。LacIqはlacリプレッサーを示す 。このベクターはまた、トロンビンおよびエンテロキナーゼ切断部位、FLAGTMペ プチド、心筋キナーゼ認識部位(HMK認識)、および示されるような種々の独特 の制限エンドヌクレアーゼ部位をコードするポリペプチド配列をコードする。 図10は、GST/Fas(119-335)(GST/FAS)融合タンパク質またはGSTのいずれか 単独を用いてプローブしたマウスS49 T細胞タンパク質のファーウエスタンブロ ットのオートラジオグラフである。分子量マーカーを右に示す。矢印はGST/Fas( 119-335)を特異的に結合したFAPの移動を示す。 図11は、PTP-BASファミリーのタンパク質の6つのメンバーのアミノ酸配列 を概略的に示し、これには、新たに開示された4型ヒトPTP-BAS、および5型PTP -BASタンパク質のサブファミリーの2つのメンバーであるヒト5a型PTP-BASお よびマウス5b型PTP-BASが含まれる。2型PTP-BASおよび3型PTP-BASの二者択 一的にスプライスされた形態中の欠失したセグメントが示されている(Maekawa ら、FEBS Lett. 337:200-206(1994)、これは本明細書中に参考として援用され る)。数字はヒト1型PTP-BASに対するアミノ酸の位置を示す。種々のPTP-BASイ ソ型のアミノ酸配列を実線で示し、そして図の上部に示すドメインに対応させる (GLGFは図6に示される)。破線は、ヒト4型PTP-BAS、ヒト5a型PTP-BAS、お よびマウス5b型PTP-BASの推定アミノ酸配列を示す。VLFDKは、ヒト4型PTP-BA Sおよびヒト5a型PTP-BAS中のGLGF2における挿入についての1文字表記アミノ 酸コードを示す。ヒト5a型PTP-BASの黒塗り枠領域およびマウス5b型PTP-BAS の点描枠は、PTP-BASファミリーの他のメンバーとは異なるアミノ酸配列を示す 。 図12は、クローン化4型PTP-BAS(HFAP10)に対応する推定アミノ酸配列( 配列番号1)を掲載する。1文字表記アミノ酸コードを用いる。数字は1型PTP- BASにおけるアミノ酸1に対するアミノ酸の位置を示す。下線を引いたアミノ酸 はGLGFリピートを示す。太文字および斜体文字はGLGF2中のVLFDK挿入を示す。 図13は、クローン化4型PTP-BAS(HFAP10)のヌクレオチド配列(配列番号 2)を掲載する。数字は、1型PTP-BASをコードする核酸分子の転写開始部位に 対するヌクレオチドの位置および対応するアミノ酸の位置を示す。下線を引いた ヌクレオチドはGLGFリピートをコードする配列を示す。太文字および斜体文字は GLGF2中のVLFDK挿入をコードする配列を示す。 図14は、クローン化ヒト5a型PTP-BAS(HFAP20)に対応する推定アミノ酸 配列(配列番号3)を掲載する。1文字表記アミノ酸コードを用いる。数字は1 型PTP-BASにおけるアミノ酸1に対するアミノ酸の位置を示す。下線を引いたア ミノ酸はGLGFリピートを示す。太文字および斜体文字を合わせたものはGLGF2中 のVLFDK挿入を示す。斜体文字単独は、PTP-BASファミリーの他のメンバーとは異 なるアミノ酸配列を示す。*はSTOPコドンの位置を示す。 図15は、クローン化ヒト5a型PTP-BAS(HFAP20)のヌクレオチド配列(配 列番号4)を掲載する。数字は1型PTP-BASをコードする核酸分子の転写開始部 位に対するヌクレオチドの位置および対応するアミノ酸の位置を示す。下線を引 いたヌクレオチドはGLGFリピートをコードする配列を示す。太文字および斜体文 字を合わせたものはGLGF2中のVLFDK挿入をコードする配列を示す。斜体文字単独 は、PTP-BASファミリーの他のメンバーとは異なる配列を示す。[-------]は、 未だ配列決定されていない約600ヌクレオチドを示す。下線および斜体文字を合 わせたものは、STOPコドン(TGAおよびTAA)およびポリアデニル化シグナル(AA TAAA)を示す。 図16は、クローン化マウス5b型PTP-BAS(MFAP23)に対応する推定アミノ 酸配列(配列番号5)を掲載する。1文字表記アミノ酸コードを用いる。数字は ヒト1型PTP-BASにおけるアミノ酸1に対するアミノ酸の位置を示す。斜体文字 は、PTP-BASファミリーの他のメンバーとは異なるアミノ酸配列を示す。*はSTO Pコドンの位置を示す。 図17は、クローン化マウス5b型PTP-BAS(MFAP23)のヌクレオチド配列( 配列番号6)を掲載する。数字はヒト1型PTP-BASをコードする核酸分子の転写 開始部位に対するヌクレオチドの位置を示す。斜体文字は、PTP-BASファミリー の他のメンバーとは異なる配列(位置6022で始まる)を示す。下線はSTOPコドン (TAAおよびTAG)を示す。 図18は、抗Fas抗体により誘導されるアポトーシスにおける4型PTP-BAS発現 の効果を示す。示されるような種々の腫瘍細胞株の生存率を、トリパンブルー排 除により測定した。白抜き棒は抗Fas抗体の非存在下(FasAb;「−」)で測定さ れるコントロールの生存率(100%に標準化される)を示す。抗Fas抗体に曝した (「+」)細胞の生存率を黒塗り棒により示す。腫瘍細胞により発現されたFas (FasAg)および4型PTP-BAS(PTP-BAS4)の相対量を示す(「−」は検出される 発現がないことを意味する)。 図19は、ヒト4型PTP-BASを発現するように安定にトランスフェクトされたJ urkat細胞が抗Fas抗体誘導アポトーシスに対して比較的抵抗性であり、抵抗性の 量が細胞で発現される4型PTP-BASの量に相関することを示す。種々の安定にト ランスフェクトされたクローン(C9、C14、C10、およびC8)で発現される4型PT P-BAS(「FAP-1」)の相対量を、ノーザンブロット分析により測定した(オート ラジドグラフを示す)。クローンC19はコントロールプラスミド(「NEO」)でト ランスフェクトした。細胞を抗Fas抗体で4時間処理し、次いで、アポトーシス によりフラグメントになったDNAを有する細胞を、ビオチン化dUTPおよび末端デ オキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)続いてFITC-アビジンを用いる3' OH-DNAの末端標識により検出し、そしてフローサイトメトリーにより検査した。 結果を相対細胞数(y軸)および蛍光強度の対数(「LOG(FL)」;x軸)として 表す。未処理細胞(-Ab)および抗Fas抗体処理細胞(+Ab)を示す。百分率は死 んだ細胞のパーセントを示す。 発明の詳細な説明 本発明は、4型PTP-BASおよび5型PTP-BASと命名された新規なFas-会合タンパ ク質(FAP)を提供し、これらは好塩基球(PTP-BAS)から初めに単離されたタン パク質チロシンホスファターゼ(PTPase)の二者択一的にスプライスされた形態 である。既に記載されているPTP-BASのイソ型とは異なり、4型PTP-BASおよび5 型PTP-BASはそれぞれ、その他の点ではPTP-BASファミリーのタンパク質のメンバ ーの間で保存されている配列中に、5アミノ酸の挿入を含む。さらに、本発明は 、ヒト5a型PTP-BASおよびマウス5b型PTP-BASのような5型PTP-BASタンパク質 のサブファミリーを提供し、これらはC末端でPTP-BASファミリーのタンパク質 の他のメンバーとは異なる。この配列の相違(divergence)の結果として、5型 PTP-BASタンパク質は触媒ホスファターゼドメインを欠き、従って、PTP-BASの非 触媒形態である(図7および11を参照のこと)。 本明細書で用いられる用語「Fas会合タンパク質」または「FAP」は、アポトー シスに関連する細胞表面レセプターであるFasに特異的に結合し得るタンパク質 を意味する。FAPは、例えば、実施例IおよびIIに記載の結合アッセイを用いて 同定され得る。種々のFAPが本明細書中に開示され、PTP-BASファミリーのタンパ ク質のメンバー(図11)および78キロダルトン(kDa)のグルコースで調節さ れるタンパク質(GRP78;以下に記載される)が挙げられる。他のFAPは本明細書 中に開示される方法を用いて同定され得る。 用語「FAP」が一般的に用いられるが、本明細書中に記載のアッセイを用いて 同定されるFAPが候補FAPであると考えられるタンパク質の一部であり得ることを 認識すべきである。本明細書中で用いられる用語「候補FAP」は、Fasを結合し得 るが完全長タンパク質の一部のみからなるポリペプチドに相当するタンパク質を いう。例えば、4型PTP-BASまたは5型PTP-BASのようなFAPは、cDNAライブラリ ーからcDNA配列を得ること、cDNA配列によりコードされるポリペプチドを発現さ せること、およびFasを結合し得るポリペプチドを検出することにより同定され 得る。このようなポリペプチドはFAPであると考えられるが、cDNAライブラリー から得られるcDNA配列が完全長タンパク質を必ずしもコードし得ないことは周知 である。従って、cDNAは、完全長タンパク質の一部のみであるが、それにもかか わらずFasを結合するような適切なコンホメーションをとる4型PTP-BASまたは5 型PTP-BASのようなポリペプチドをコードする。しかし、完全長タンパク質にお いて、ポリペプチドは、例えば、Fas結合部位の立体的ブロッキングのため、Fas を結合しないコンホメーションをとり得る。このような完全長タンパク質は候補 FAPの例である。議論の便宜上、本明細書中で用いられる用語「FAP」は候補FAP を包含することを意図する。従って、FAPは、Fasを結合し得るタンパク質または Fasを結合し得るタンパク質のポリペプチド部分であり得る。 Fasがアポトーシスに関連するので、FAPとFasとの会合は細胞におけるアポト ーシスのレベルに影響し得る。Fasは、細胞においてアポトーシスを引き起こし 得る細胞表面タンパク質である(Itohら、Cell 66:233-243(1991);これは本 明細書中に参考として援用される)。Fasは319アミノ酸を含む36kDaのポリペプ チドである。Fasのシステインリッチな細胞外ドメインは、腫瘍壊死因子レセプ ター(TNFR)のp55形態およびp75形態、ならびに、神経成長因子レセプターおよ び OX40、CD30、およびCD40と命名されたレセプター(Oehmら、J .Biol.Chem. 267 :10709-10715(1992))を含むTNFRファミリーの他のメンバーに類似している。TN FRファミリーのレセプターのこれらのメンバーは、細胞生存に影響を与える(im pact)細胞外シグナルを変換し得る。Fasの細胞質ドメイン(アミノ酸191〜335 )は、TNFRと非常に相同であり、そしてFas機能に必須である。従って、Fasの細 胞質ドメインに結合し得るタンパク質は、Fas媒介細胞死経路におけるシグナル 変換分子であり得る。本発明は、Fasの細胞質ドメインと会合し得、従ってアポ トーシスの調節に関連し得るFAPを提供する。 Fasは、乳房、結腸、前立腺、および膵臓の固体腫瘍を含む種々のタイプのヒ ト細胞で発現する。Fasレセプターに対するリガンドは、クローニングされてお り、細胞傷害性Tリンパ球上に存在する(Sudaら、Cell 75:1169-1178(1993)) 。T細胞上のFasリガンドの存在は、免疫系のエフェクター細胞がガン細胞を認 識しかつ攻撃することを可能にする標的として、Fasが作用し得ることを示す。 本明細書中の種々のFAPの同定は、Fasにより制御されるシグナル変換経路への必 要な洞察を提供し、そしてFAPとFasとの会合を効果的に改変する薬剤を同定する ために有用であるアッセイの開発を可能にしている。このような薬剤は、例えば 、被験体においてガンの効果的な治療を提供すること、または自己免疫疾患を処 置することに有用であり得る。 4型PTP-BASまたは5型PTP-BASのようなFAPは、FAPとFasとの会合を検出する ことにより同定され得る。このような会合は、酵母ツーハイブリッドアッセイ( 実施例Iを参照のこと)のようなインビボアッセイ、またはインビトロアッセイ (実施例IIを参照のこと)を用いて同定され得る。本明細書中で用いられる用語 「会合する」または「会合」は、FAPおよびFasがそれぞれ互いに相対的に特異的 に結合し得、従って結合複合体を形成し得ることを意味する。特に、FAPとFasと の会合は十分に特異的であり、そのため結合複合体が細胞においてインビボでま たは適切な条件下インビトロで形成され得る(実施例IIを参照のこと)。タンパ ク質がFasを結合し得るかどうか、従ってタンパク質がFAPであるかどうかを決定 する他の方法は公知であり、例えば、平衡透析を包含する。 正常細胞において、定常状態のレベルのFAPとFasとの会合が生じているようで ある。特定の細胞タイプにおけるFAPとFasとの会合のこの定常状態のレベルは、 その細胞タイプにおけるアポトーシスの正常レベルを決定し得る。細胞における FAPとFasとの会合の定常状態のレベルの上昇または低下は、被験体の病状となり 得る細胞における上昇または低下したアポトーシスのレベルを生じ得る。細胞に おけるFAPとFasとの正常会合は、例えば、変異体FAPまたは変異体Fasの細胞中で の発現のため改変され得、変異体のいずれかは、細胞でFasに正常に結合するFAP との結合について競合し得、従って細胞におけるFAPとFasとの会合を減少させ得 る。用語「変異体」は本明細書中で一般的に用いられており、通常は特定の細胞 タイプで見出されるFAPまたはFasとは異なるFAPまたはFasをそれぞれ意味する。 さらに、細胞におけるFAPとFasとの正常会合は、例えば、細胞におけるFAPとFas との会合を効果的に改変し得る薬物のような薬剤と細胞との接触のために増加ま たは減少され得る。 新たに記載された4型および5型PTP-BASを含むいくつかのFAPを、酵母ツーハ イブリッドシステム(FieldsおよびSong、Nature 340:245-246(1989);Vojtekら 、Cell 74:205-214(1993)、これらはそれぞれ本明細書中に参考として援用され ている)を用いて同定した。酵母ツーハイブリッドシステムのようなインビボ転 写活性化アッセイは、タンパク質の会合を同定しかつ操作するために特に有用で ある。さらに、このようなアッセイで観察される結果は、細胞において天然に生 じる事象をおそらく反映する。従って、このようなインビボアッセイで得られる 結果は、ヒト被験体のような被験体の細胞において生じ得る結果の予測であり得 る。 酵母ツーハイブリッドシステムのような転写活性化アッセイは、機能的に分離 可能なDNA結合ドメインおよびトランスアクチベーションドメインからなる転写 因子の調節性質(modular nature)に基づく。別々のタンパク質として発現され る場合、これらの2つのドメインは遺伝子転写を媒介しない。しかし、DNA結合 ドメインおよびトランスアクチベーションドメインが、例えば、2つのタンパク 質の会合のためともに架橋される場合、転写活性化活性は回復され得る。DNA結 合ドメインおよびトランスアクチベーションドメインは、例えば、ドメインに融 合されるタンパク質が互いに会合し得る場合、DNA結合ドメインおよびトランス アクチベーションドメインを融合タンパク質(ハイブリッド)として発現するこ とにより架橋され得る。2つのハイブリッドの非共有結合架橋は、DNA結合ドメ インおよびトランスアクチベーションドメインをともに有し、そして転写により 活性な複合体を生成する。タンパク質の会合は、リポーター遺伝子の転写活性化 を観察することにより測定される(実施例Iを参照のこと)。 本明細書中で例示した酵母ツーハイブリッドシステムは、ハイブリッドタンパ ク質を発現するベクターの宿主細胞として、S.cerevisiaeの種々の株を用いる 。転写活性化アッセイもまた、例えば、哺乳動物細胞を用いて行い得る。しかし 、酵母ツーハイブリッドシステムは、酵母を用いる作用の容易性およびアッセイ が行われ得る速度のため、特に有用である。例えば、LexAオペレーター配列に連 結されたlacZリポーター遺伝子を含む酵母宿主細胞を、PTP-BASがFasと相互作用 し得ることを示すために用いた(実施例I)。DNA結合ドメインは、LexA DNA結 合ドメインからなり、これは、Fasの一部、およびcDNA配列(このいくつかはFAP をコードしていた)に融合されたB42酸性領域またはVP16トランスアクチベーシ ョンドメインのいずれかからなるトランスアクチベーションドメインに融合され たLexAプロモーターを結合する。LexAドメインがFAPに融合したトランスアクチ ベーションドメインに非共有結合架橋された場合、FasとFAPとの会合はリポータ ー遺伝子の転写を活性化した。 FAPはまた、例えば、実施例IIに記載されるようなグルタチオン-S-トランスフ ェラーゼ(GST)融合タンパク質を利用するアッセイのようなインビトロアッセ イを用いて同定され得る。このようなインビトロアッセイは、FAPを同定および 単離するための簡単、迅速、かつ安価な方法を提供する。このようなインビトロ アッセイは、インビボで得られる結果を確認することにおいて特に有用であり、 そしてFAPの特異的結合ドメインを特徴付けするために用いられ得る(実施例II を参照のこと)。例えば、GST/Fas融合タンパク質が発現され得、そして固定化 グルタチオンを含むアフィニティーマトリックスに結合することにより精製され 得る。所望の場合、FAPまたはFAPの活性フラグメントを含み得るサンプルは、結 合したGST/Fasを含むアフィニティーカラムを通過させ得、そしてFasに結合する FAPが得られ得る。さらに、GST/FasはcDNA発現ライブラリーをスクリーニングす るために用いられ得、ここで、Fas融合タンパク質のクローンへの結合は、クロ ーンがFAPをコードするcDNAを含むことを示す。 これらのインビトロおよびインビボアッセイを用いて、種々のFAPが同定され ており、これらには、新たに記載されたヒト4型PTP-BAS、ヒト5a型PTP-BAS、 およびマウス5b型PTP-BASが挙げられる。PTP-BASは、最初にヒト好塩基球から クローニングされたPTPaseである(Maekawaら、FEBS Lett. 337:200-206、1994 、これは本明細書中に参考として援用される)。PTP-BASの3つのイソ型は、二 者択一的スプライシングのため生じる天然のインフレーム欠失によって形成され 、本開示の前に公知であった。PTP-BASは、元来、PTPase間で保存されている配 列に関するプライマーを用いる逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応クローニング 法により同定された。PTP-BASの機能は本開示の前には知られておらず、PTP-BAS がFasの細胞質ドメイン、特にFasのC-末端領域と会合し得、そして細胞における PTP-BASの発現レベルがFas誘導アポトーシスに対する細胞の抵抗性に相関するこ とを証明する(実施例Vを参照のこと)。 PTP-BASの既述のイソ型は、1型(2,485アミノ酸)、2型(2,466アミノ酸) 、および3型(2,294アミノ酸)と命名され、これらは本明細書に開示されるよ うにFAPである。2型PTP-BASおよび3型PTP-BASは、1型PTP-BASのオルタナティ ブにスプライスされた形態であり、そしてそれぞれ19アミノ酸および191アミノ 酸の欠失を含む(図11を参照のこと)。これらの欠失は、グアニレートキナー ゼで見られる配列に相同な、3つのグリシン−ロイシン−グリシン−フェニルア ラニン(GLGF)リピートのすぐ上流に位置する(図11)。 1、2、および3型PTP-BASはそれぞれ、そのカルボキシ末端に単一のPTPase 触媒ドメインを含む(図11を参照のこと)。これらの3つのPTP-BASイソ型は またそれぞれ、いくつかの細胞骨格会合タンパク質に存在するドメインに配列が 類似するアミノ末端膜結合ドメインを有する。さらに、本明細書に開示されるよ うに、1、2、および3型PTP-BASはFasを結合し得る(実施例Iを参照のこと) 。 本発明は、実質的に精製された哺乳動物の4型PTP-BASタンパク質および5型P TP-BASタンパク質を提供し、これらはPTP-BASの二者択一的にスプライスされた 形態である。4型および5型PTP-BASタンパク質はFasを結合し得るので、これら はFAPである。これまでに知られているヒト1、2、および3型PTP-BASとは対照 的に、ヒト4型および5a型PTP-BASは、その他の点では保存されたGLGF2リピー トに5アミノ酸挿入を含む(図11を参照のこと)。さらに、5型PTP-BASタン パク質のサブファミリーのメンバーのC末端は、PTP-BASファミリーのタンパク 質の他のメンバーとは配列が異なり、そしてその結果として、ヒト5a型PTP-BA Sおよびマウス5b型PTP-BASのような5型PTP-BASタンパク質は、触媒ホスファ ターゼドメインを含まない(図7および11を参照のこと)。 本発明は、図13に示すヌクレオチド配列(配列番号2)に由来した図12に 示すヒト4型PTP-BASの実質的なアミノ酸配列(配列番号1)を含む、実質的に 精製された哺乳動物4型PTP-BASを提供する。さらに、本発明は、例えば、図1 5に示すヌクレオチド配列(配列番号4)に由来した図14に示すヒト5a型PT P-BASの実質的なアミノ酸配列(配列番号3)、または図17に示すヌクレオチ ド配列(配列番号6)に由来した図16に示すマウス5b型PTP-BASの実質的な アミノ酸配列(配列番号5)を含む、実質的に精製された哺乳動物5型PTP-BAS タンパク質のサブファミリーを提供する。4型PTP-BASおよび5タンパク質は、 このタンパク質ファミリーの他のメンバーとの相同性に基づくPTP-BASファミリ ーのタンパク質のメンバーとして特徴付けされている(図7および11を参照の こと;実施例IIIおよびIVも参照のこと)。 本明細書で用いられる用語「実質的なアミノ酸配列」は、ヒト4型PTP-BAS( 配列番号1)、ヒト5a型PTP-BAS(配列番号3)、またはマウス5b型PTP-BAS (配列番号5)についての開示されたアミノ酸配列、ならびに、配列番号1、配 列番号3、または配列番号5にそれぞれ類似であるが、4型PTP-BASまたは5型P TP-BAS様に機能するためにコードされたタンパク質の能力を実質的に改変しない 、そして例えば、Fasを結合する、1つまたはそれより多いアミノ酸の付加、欠 失、または置換を有するアミノ酸配列を意味する。本明細書で用いられる用語「 実質的に精製された」は、細胞内でタンパク質と通常は会合する脂質、タンパク 質、核酸、または他の細胞性物質が比較的混入していない形態にあるタンパク質 を意味する。実質的に精製されたヒト4型PTP-BAS、ヒト5a型PTP-BAS、または マウス5b型PTP-BASタンパク質は、例えば、周知の生化学的精製方法を用い て、またはそれぞれ配列番号2、配列番号4、または配列番号6として示される 核酸分子のようなPTP-BASをコードする組換え核酸分子を発現させることにより 得られ得る。さらに、配列番号1、配列番号3、または配列番号5のアミノ酸配 列の少なくとも一部からなるアミノ酸配列は、化学的に合成され得るか、または 、それぞれ配列番号2、配列番号4、または配列番号6として示されるヌクレオ チド配列の一部を発現させることにより生成され得る。 本明細書で用いられる用語「タンパク質」または「ポリペプチド」は、細胞性 遺伝子によりまたは組換え核酸配列によりコードされ得るかあるいは化学的に合 成され得るアミノ酸の配列を意味するための最も広い意味で用いられる。ある場 合では、用語「ポリペプチド」は、完全長タンパク質をコードするアミノ酸配列 の一部をいうために用いられる。以下に定義されるFAPの活性フラグメントは、 このようなポリペプチドの一例であり得る。タンパク質は完全な全長遺伝子産物 であり得、アミノ酸改変のないコアタンパク質であり得、または、リンタンパク 質、糖タンパク質、プロテオグリカン、リポタンパク質、および核タンパク質の ような翻訳後改変された形態のタンパク質であり得る。 4型PTP-BASまたは5型PTP-BASのようなFAPに関して、タンパク質は、主とし て、Fasと会合するその能力により特徴付けられる。本明細書で用いられる用語 「Fas」は、完全長Fasタンパク質、またはFasのFas(191-335)若しくはFas(321-3 35)部分のような完全長Fasタンパク質の一部分を意味し、それらのいずれもFAP と会合し得る(実施例IIおよび図6を参照のこと)。FAPがFasと会合する能力が、 4型PTP-BASについておよび5型PTP-BASタンパク質のサブファミリーのメンバー について本明細書で開示されるように、完全長FAPの一部分に起因し得ることも 認識されるべきである。従って、FAPは、完全長タンパク質の活性フラグメント であり得る。本明細書で用いられる用語「活性フラグメント」は、完全長タンパ ク質の一部分であるFAP(この一部分が対応する完全長タンパク質の特徴である活 性を有するという条件で)を意味する。例えば、本明細書で開示されるような4 型PTP-BAS若しくは5型PTP-BASポリペプチドのようなFAPの活性フラグメントま たはPTP-BASのGLGF2ドメインは、Fasを結合する能力のような活性を有し得、ま たは抗FAP抗体を得るために用いられる得る免疫原としての活性を有し得る。従 って、本発明はまた、4型PTP-BASの活性フラグメントまたは5型PTP-BASタンパ ク質のサブファミリーのメンバーを提供し、これらは以下に述べるアッセイを用 いて同定され得る。本明細書で用いられる用語「5型PTP-BASタンパク質のサブ ファミリー」は、触媒ホスファターゼドメインを含まないPTP-BASタンパク質を 意味する(例えば図7を参照のこと)。本明細書で開示されるように、ヒト5a型 PTP-BASおよびマウス5b型PTP-BASは、5型PTP-BASタンパク質のサブファミリ ーのメンバーの例である。用語「5型PTP-BAS」は、本明細書では、一般に、5 型PTP-BASタンパク質のサブファミリーのメンバーをいうために用いられる。 本発明はまた、抗4型PTP-BAS抗体および抗5型PTP-BAS抗体(例えば、抗ヒト 5a型PTP-BAS抗体または抗マウス5b型PTP-BAS抗体を含む)を提供する。本発 明の抗体が特定の型のPTP-BASにのみ存在するエピトープに特異的であり得、ま たは1つ以上の型のPTP-BASに共通であるエピトープに特異的であり得る。例え ば、抗5型PTP-BAS抗体は、ヒト5a型PTP-BASタンパク質のような5型PTP-BAS タンパク質のサブファミリーの単一メンバーに特異的であり得、またはこのサブ ファミリーの1つ以上のメンバーに対して特異的であり得ることを認識すべきで ある。本明細書で用いられる用語「抗体」は、その最も広い意味で用いられ、ポ リクローナルおよびモノクローナル抗体、ならびに特定の抗原に対して少なくと も約1×105-1の特異的結合活性を保持する抗体のポリペプチドフラグメント を含む。当業者は、抗4型PTP-BAS抗体フラグメントまたは抗5型PTP-BAS抗体フ ラグメント(Fab、F(ab')2、FvおよびFdフラグメントなど)が、4型PTP-BASまた は5型PTP-BASに対して、特異的結合活性をそれぞれ保持し得、そしてそれ故、 抗体の定義内に含まれることを知る。さらに、本明細書で用いられる用語「抗体 」は、天然に存在する抗体ならびに天然に存在しない抗体および結合活性を保持 する抗体のフラグメントを含む。このような天然に存在しない抗体は、固相ペプ チド合成を用いて構築され得、組換えにより産生され得、または、例えば本明細 書に参考として援用されるHuseら、Science 246:1275-1281(1989)に記載のよう に、可変重鎖および可変軽鎖からなる組み合わせライブラリーをスクリーニング することにより得られ得る。 抗4型PTP-BAS抗体または抗5型PTP-BAS抗体は、例えば、本明細書に参考とし て援用される、HarlowおよびLane、Antibodies :A laboratory manual(Cold Spr ing Harbor Laboratory Press、1988)に記載のような周知の方法を用いて調製さ れ得る。4型PTP-BASまたは5型PTP-BASタンパク質、あるいは4型PTP-BASまた は5型PTP-BASタンパク質の一部分は、免疫原として用いられ得る。このような 免疫原は、天然の供給源から調製され得または組換えにより産生され得、または タンパク質の一部分の場合は化学的に合成され得る。4型PTP-BASまたは5型PTP -BASタンパク質の非免疫原性ペプチドは、例えば、HarlowおよびLane、前述、19 88に記載のように、ハプテンを、ウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホールリ ンペットヘモシアニン(KLH)のようなキャリア分子に結合することにより免疫原 性に作成され得る。さらに、4型PTP-BASまたは5型PTP-BAS融合タンパク質は、 実施例IIに記載のように発現され得る。このような融合タンパク質は容易に精製 され、そして免疫原として用いられ得る。これらの方法を用いて、種々の抗FAP 抗体が得られた(示されていない)。 ポリクローナル抗体は、例えば、ウサギで惹起され得る。さらに、モノクロー ナル抗体は、周知の方法を用いて得られ得る(例えば、本明細書で参考として援 用されるReedら、Anal .Biochem. 205:70-76(1992)を参照のこと;また、Harlo wおよびLane、前述、(1988)を参照のこと)。例えば、免疫マウス由来の脾臓細 胞を、SP/02ミエローマ細胞のような適切なミエローマ細胞株に融合して、ハイ ブリドーマ細胞を生成し得る。クローン化ハイブリドーマ細胞株は、4型PTP-BA Sまたは5型PTP-BASのような標識免疫原を用いてスクリーニングし、モノクロー ナル抗体を分泌するクローンを同定し得る。所望の特異性および親和性を有する 抗体を発現するハイブリドーマを単離し得、そして抗体の連続的な供給源として 利用し得る。当業者は、モノクローナル抗体の頼りになる供給源が、例えば、以 下に記載の診断キットを調製するために望ましいことを知り得る。 本発明はまた、哺乳動物4型PTP-BASをコードし、図13に示されるようなヒト 4型PTP-BASをコードする実質的なヌクレオチド配列(配列番号2)を含む実質的 に精製された核酸分子を提供する。さらに、本発明は、哺乳動物5型PTP-BASを コードし、例えば、図15に示されるようなヒト5a型PTP-BASをコードする実質 的なヌクレオチド配列(配列番号4)を含む、または図17に示されるようなマウス 5b型PTP-BASをコードする実質的なヌクレオチド配列(配列番号6)を含む、実 質的に精製された核酸分子を提供する。 本明細書で用いられる用語「実質的に精製された」は、細胞内で核酸分子と通 常会合している混入脂質、タンパク質、核酸または他の細胞性物質が相対的にな い形態である核酸分子を意味する。実質的に精製された核酸分子は、例えば、本 明細書で記載されたような、組換えDNA法により得られる得(本明細書に参考とし て援用される、Sambrookら、Molecular Cloning :A laboratory manual(Cold Sp ring Harbor Laboratory Press 1989)もまた参照のこと)、または化学的に合成 され得る。本明細書で用いられる用語「実質的なヌクレオチド配列」は、ヒト4 型PTP-BAS(配列番号2)、ヒト5a型PTP-BAS(配列番号4)、またはマウス5b型 PTP-BAS(配列番号6)について開示されたヌクレオチド配列、および、例えば、 配列番号2、配列番号4または配列番号6で示されたとは異なるヌクレオチドで あるが、遺伝子コードの縮重の結果として、配列番号1、配列番号3または配列 番号5にそれぞれ示されるような実質的に同じアミノ酸配列をコードするヌクレ オチドを含む類似の配列を意味する。さらに、本発明の核酸分子はまた、4型PT P-BASまたは5型PTP-BASタンパク質の一部分(例えば、4型PTP-BASまたは5型PT P-BASタンパク質の活性フラグメントを含む)をコードし得る。 本発明はまた、4型PTP-BAS若しくは5型PTP-BAS、または4型PTP-BASおよび 5型PTP-BASの両方をコードする核酸分子の一部分に、比較的ストリンジェント なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし得るヌクレオチド配列を提 供し得る。そのようなヌクレオチド配列は、長さが少なくとも10ヌクレオチドで あるべきであり、そして例えば、4型PTP-BASまたは5型PTP-BASをコードするク ローン化核酸分子の制限エンドヌクレアーゼ消化により、図13(配列番号2)、図 15(配列番号4)、または図17(配列番号6)に示される核酸分子の一部分のPCR増 幅によりまたは化学的合成により調製され得る。比較的ストリンジェントなハイ ブリダイゼーション条件は経験的に決定され得、または、例えば、ハイブリダイ ズするヌクレオチド配列および標的配列の相対GC:AT含量、ハイブリダイズする ヌクレオチド配列の長さ、ならびにもしあればハイブリダイズするヌクレオチド 配列と標的配列との間のミスマッチの数を基に推定され得る。所望であれば、ハ イブリダイズするヌクレオチド配列は検出可能に標識されてプローブとして用い られ得、またはPCRのプライマーとして用いられ得る。ヌクレオチド配列を検出 可能に標識する方法は当該技術分野で周知である(例えば、Sambrookら、前述、1 989を参照のこと;また、本明細書で参考として援用される、Ausubelら、Curren t Protocols in Molecular Biology (Greene Publ.,NY 1989)を参照のこと)。 簡便さのために、用語「PTP-BAS」を本明細書で一般的に用い、例えば、先に 知られている1型PTP-BAS、2および3、ならびに新たに開示された4型PTP-BAS および5を含む、PTP-BASの任意のまたはすべてのイソ型を意味する。さらに、P TP-BASは、1つまたは小数のアミノ酸付加、欠失または置換を含むPTP-BASであ る、PTP-BASの変異体形態(変異体PTP-BASがFasを結合し得るという条件で)であ り得る。例えば、変異体PTP-BASは、Fasを結合する変異体PTP-BASの能力に著し い影響を与えずにPTPase活性の損失を生じ得る単一のアミノ酸置換を有し得る。 変異体PTP-BASは、例えば、PTP-BASをコードする核酸分子の部位特異的変異誘発 および変異誘発された核酸分子のスクリーニングにより得られ得、Fasを結合し 得るがPTPase活性を欠く変異体PTP-BASを発現する核酸分子を同定する。Fasを結 合し得るが、触媒活性を欠くPTP-BAS(例えば、5型PTP-BASタンパク質のサブフ ァミリーのメンバー、変異体PTP-BAS、または本明細書で開示される4型PTP-BAS の一部分などPTP-BASの一部分のような)の細胞中の発現は、触媒PTP-BASのFasへ の会合を改変し得、そしてそれ故、細胞におけるアポトーシスのレベルを調整し 得る。本明細書で用いられる用語「調整する」は増大または減少を意味する。 本発明はまた、78,000ダルトンのグルコースで調節されるタンパク質(GRP78) である、FAPの別の例を提供する。GRP78は、細胞の小胞体に位置するストレス関 連タンパク質であり、そして主要なヒートショックタンパク質と配列相同性を共 有する(TingおよびLee、DNA 7:275-278(1988);Sugawaraら、Canc .Res.53:6 001-6005(1993)、それぞれ本明細書に参考として援用する)。細胞中のGRP78の発 現は、T細胞媒介細胞傷害性に対する細胞の感受性を減少し得る。本明細書で開 示されるように、GRP78はFasと会合し得、そしてそれ故FAPである。従って、GRP 78は、そのFasとの会合の程度に基づいて細胞中でアポトーシスを調整し得るよ うである。 アポトーシスに関連するFasを結合し得るFAPの同定は、FAPのFasとの会合を効 果的に改変し得る薬剤を同定するための手段を提供する。従って、本発明は、FA PのFasとの会合を改変し得る有効な薬剤を同定するために有用であるスクリーニ ングアッセイを提供する。Fasはアポトーシスに関連するので、そのような有効 な薬剤の同定は、増大したまたは減少したレベルのアポトーシスにより特徴付け られる病状を有する被験体中の細胞におけるアポトーシスのレベルを調整するた めに有用であり得る。 本明細書で用いられる用語「薬剤」は、単純なまたは複雑な有機分子、ペプチ ド、ペプチド模倣物(peptido-mimetic)、タンパク質またはオリゴペプチドのよ うな、FAPとFasの会合を改変するまたはFAPの活性を改変する能力を有する化学 的または生物学的分子を意味する。さらに、本明細書で用いられる用語「有効薬 剤」は、FAPとFasの会合を実際に改変し得る、またはFAPの活性を実際に改変し 得る薬剤を意味する。 本明細書で用いられる用語「会合を改変する」は、FAPとFasとの会合が有効薬 剤の存在に起因して増大または減少するいずれかを意味する。細胞中のFAPとFas の会合が改変される結果、Fasの活性またはFAPの活性が増大または減少し得、そ れによって細胞におけるアポトーシスのレベルを調整する。本明細書で用いられ る用語「活性を改変する」は、薬剤が細胞中のFAPの活性を増大または減少し得 、それによって細胞におけるアポトーシスのレベルを調整することを意味する。 例えば、有効薬剤は、PTP-BASのFasとの会合に影響することなくPTP-BASのホス ファターゼ活性を増大または減少し得る。本明細書で開示されるように、細胞に おけるPTP-BASの発現は、発現したPTP-BASが触媒ホスファターゼドメインを含む 場合、Fas誘導アポトーシスに対する細胞の抵抗性を増大し得る(実施例V参照)。 有効薬剤は、FAPとFasが会合する能力を妨害することにより作用し得、または 結合したFAP-Fas複合体の解離を引き起こすことにより作用し得、ここでは結合 したFAP-Fas複合体の遊離のFAPおよびFasに対する比が細胞におけるアポトーシ スのレベルに関連する。例えば、リガンドのFasへの結合が、順に、Fasの(PTP-B ASの触媒形態のような)FAPへの結合を可能にし得る。Fasと触媒PTP-BASとの会合 は、例えば、PTP-BASのホスファターゼ活性の活性化または阻害を生じ得る。有 効薬剤の存在下で、触媒PTP-BASとFasとの会合が改変され得、そのことが細胞中 のPTP-BASのホスファターゼ活性を改変し得る。改変されたホスファターゼ活性 の結果、細胞におけるアポトーシスのレベルが増大または減少し得る。従って、 FasとFAPの会合を改変する有効薬剤の同定は、細胞におけるアポトーシスのレベ ルを増大または減少する有効薬剤の使用を可能にし得る。 有効薬剤は、例えば、ガン細胞(これは、その正常細胞等価物と比較したとき 減少したレベルのアポトーシスを有することにより特徴付けられる)のような細 胞におけるアポトーシスのレベルを増大するために有用であり得る。有効薬剤は また、例えば、後天性免疫不全症候群のようなウイルス疾患を有する被験体中の Tリンパ球(これは正常T細胞と比較したとき感染T細胞中の増加したアポトーシス のレベルにより特徴付けられる)のような細胞におけるアポトーシスのレベルを 減少させるために有用であり得る。従って、有効薬剤は、増大したまたは減少し たアポトーシスにより特徴付けられる病状を有する被験体におけるアポトーシス のレベルを改変する医薬として有用であり得る。さらに、有効薬剤は、例えば、 アポトーシスのレベルを減少し、そしてそれ故、培養中のハイブリドーマ細胞の ような細胞の生存時間を増大するために用いられ得る。インビトロでの細胞の生 存を延長する有効薬剤の使用は、工業的組織培養用途におけるバイオ生産収率を 顕著に改善し得る。 触媒活性を欠くがFasと会合する能力を保持するPTP-BASは有効薬剤の例である 。何故なら、細胞における非触媒PTP-BASの発現が、触媒PTP-BASとFasの会合を 改変し得るからである。従って、FAPが、例えば、特定の細胞タイプで起こる正 常なFAP-Fas会合に依存する有効薬剤であり得ることを認識すべきである。さら に、PTP-BASのまたはGRP78の活性フラグメントは、この活性フラグメントが細胞 におけるFAPとFasの会合を改変し得る場合、有効薬剤であり得る。このような活 性フラグメントは、約5アミノ酸程度の小さいペプチドであり得、例えば、ペプ チドライブリーをスクリーニングし(例えば、本明細書に参考として援用されるL adnerら、米国特許第5,223,409号を参照のこと)、Fasを結合し得るペプチドを同 定することにより同定され得る。 同様に、Fasのペプチドまたはポリペプチド部分はまた有効薬剤であり得る。 例えば、FasのC末端15アミノ酸がFAPと会合し得る(実施例II;図8参照のこと) 。FasのC末端ペプチドのようなペプチドは、例えば、細胞におけるFAPとFasの会 合を、FAPに対する結合について競合させることによって減少するために有用で あり得る。天然には存在しないペプチド模倣物がまた、有効薬剤として有用であ り得る。このようなペプチド模倣物は、例えば、N置換グリシン、またはオリゴ カルバメートを含むペプチド様配列であるペプトイドを含み得る。ペプチド模倣 物は、例えば、インビボにおける酵素的分解に対して増大した安定性を有するこ とに起因して有効薬剤として特に有用であり得る。 有効薬剤を同定するためのスクリーニングアッセイは、ツーハイブリッドシス テムを用いてインビボで実施され得、または本明細書で開示されるようにインビ トロで実施され得る。酵母ツーハイブリッドシステムが、例えば、FasとFAPの会 合を改変する有効薬剤を同定するための薬剤のパネルをスクリーニングするため に用いられ得る。有効薬剤は、リポーター遺伝子の改変された転写レベルを検出 することにより同定され得る。例えば、FasおよびFAPハイブリッドによるDNA結 合ドメインとトランスアクチベーションドメインとの架橋に起因するリポーター 遺伝子の転写のレベルは、薬剤の非存在下および存在下で測定され得る。FasとF APとの間の会合を改変する有効薬剤は、薬剤の非存在下で転写のコントロールレ ベルと比較したときのリポーター遺伝子の比例して改変された転写レベルにより 同定され得る。 いくつかの場合では、薬剤は酵母細胞壁を通過できないかもしれず、そしてそ れ故、酵母細胞に侵入しFAPとFasの会合を改変し得ない。細胞壁を欠く酵母細胞 である酵母スフェロプラストの使用はこの問題を解決し得る(本明細書で参考と して援用される、SmithおよびCorcoran、Current Protocols in Molecular Biol ogy (Ausubelら編;Greene Publ.,NY 1989))。さらに、薬剤は、細胞に侵入する 際、酵母に存在し得ない細胞機構による「活性化」を必要とし得る。薬剤の活性 化は、例えば、薬剤の代謝プロセッシングまたは薬剤を有効な薬剤に転換するた めに必要であり得る、薬剤のリン酸化のような改変を含み得る。この場合、哺乳 動物細胞株が薬剤のパネルをスクリーニングするために用いられ得る。実施例I に記載の酵母ツーハイブリッドシステムのような転写アッセイは、周知の方法 を用いて哺乳動物細胞における使用のために適合され得る(例えば、本明細書で 参考として援用される、Fearonら、Proc .Natl.Acad.Sci.,USA 89:7958-796 2(1992)を参照のこと;また、Sambrookら、前述、1989;Ausubelら、前述、1989 を参照のこと)。 本発明はまたインビトロスクリーニングアッセイを提供する。FAPとFasの会合 またはFAPの活性を効果的に改変し、そして、それによってアポトーシスを調整 する薬剤を同定するために、このようなスクリーニングアッセイは、それらが自 動化され得、そのことは、例えば、ランダムにまたは合理的にデザインされた薬 剤(薬物、ペプチド模倣物またはペプチドなど)の高処理量のスクリーニングを可 能にするのに特に有用である。インビトロスクリーニングアッセイは、例えば、 FAPまたはFAP-グルタチオン-S-トランスフェラーゼ融合タンパク質(GST/FAP;実 施例II参照のこと)のようなFAP融合タンパク質を利用し得る。インビトロスクリ ーニングアッセイにおける使用には、FAPまたはFAP融合タンパク質は、固体基質 に対する親和性およびFasと会合する能力を有するべきである。例えば、FAPをア ッセイに用いる場合、固体基質は、共有結合した抗FAP抗体を含み得る。あるい は、GST/FAP融合タンパク質がアッセイで使用され得、そして固体基質は、共有 結合グルタチオンを含み得、それにGST/FAP融合タンパク質のGST成分が結合する 。同様に、FasまたはGST/Fas融合タンパク質が、本明細書で記載されるようにイ ンビトロアッセイで用いられ得る。 インビトロスクリーニングアッセイは、例えば、FAPまたはFAP融合タンパク質 を固体支持体に結合させ、次いでFasおよび試験されるべき薬剤を加えることに より、実施され得る。薬剤を含まないコントロール反応は、平行して実施され得 る。例えば、特定のFAPおよびFasの結合を可能にする、適切な緩衝液濃度および pHおよび時間および温度を包含する適切な条件下でのインキュベーション後、薬 剤非存在下および薬剤存在下で会合したFAPおよびFasの量が、測定され得る。FA PおよびFasの会合は、例えば、検出可能な部分(例えば、放射性核種または蛍光 標識)をFasに結合し、そして固体支持体と会合した標識の量を測定することに より、検出され得、ここで検出された標識の量は、FasおよびFAPの会合量を示す 。結合のコントロールレベルと比較して、薬剤存在下での特異的結合の量を比較 す ることにより、FAPおよびFasの結合を変化させる有効な薬剤が、同定され得る。 このようなアッセイは、有効な薬剤を検出するために、ペプチドライブラリーの ような薬剤のパネルをスクリーニングするのに特に有用である。 本発明はさらに、細胞にFAPまたはFasをコードする核酸分子あるいはアンチセ ンスヌクレオチド配列を導入することにより、細胞中のアポトーシスを調節する 方法を提供する。このアンチセンスヌクレオチド配列は、FAPまたはFasをコード する遺伝子領域に相補的であり、そして遺伝子または遺伝子から転写されたmRNA とハイブリダイズし得る。細胞中のアポトーシスのレベルは、細胞中でのFAPま たはFasの発現を増加させるか、または減少させることにより、調節され得る。 これはFAPおよびFasの正常な定常状態の会合を変化させ得、これにより、細胞中 でのFAPまたはFasの活性が増加するか、または減少する。例えば、細胞中での4 型ヒトPTP-BASの発現は、細胞中でのアポトーシスの正常レベルと比較して、Fas 誘導性アポトーシスに対して細胞を相対的に抵抗性にし得る(実施例Vおよび図 19を参照のこと)。従って、上記のような核酸分子またはアンチセンスヌクレオ チド配列は、その正常細胞の対応物(counterpart)と比較して、細胞中でのア ポトーシスのレベルの増加または減少により特徴付けられる病状を処置するため の薬品として有用であり得る。 FAP(例えば、PTP-BASまたはGRP78)あるいはFAPの活性フラグメントをコード する核酸配列は、周知の発現ベクターおよび遺伝子移入法(Sambrookら、上記、 (1989))を用いて、細胞中で発現され得る。標的細胞と適合するウイルスベクタ ーは、FAPをコードする核酸を細胞に導入するのに特に有用である。例えば、一 般的または組織特異的プロモーターを有する組換えアデノウイルスは、FAPをコ ードする核酸を、種々の組織中の種々の細胞型に送達するために使用され得、そ して標的細胞中での核酸の発現を指示し得る。組換えアデノ随伴ウイルスはまた 、FAPをコードする核酸を、細胞に導入するのに有用であり、そして組換えウイ ルスが、休止非増殖細胞(例えば、中枢神経系および末梢神経系のニューロン) のクロマチンに、安定に組込まれ得るというさらなる利点を有する(Lebkowski ら、Mol.Cell.Biol.8:3988-3996(1988)、これは本明細書中に参考として援用さ れる)。 このようなウイルスベクターは、FAPをコードする核酸を、例えば、遺伝子治 療のために被験体中の細胞に導入することが所望である場合に、特に有用である 。ウイルスは、宿主防御機構を逃れ得、そして特定の細胞型に感染し増殖し得る 専門化感染因子である。特に、特定の細胞型に対するウイルスベクターの特異性 は、予め決定された細胞型を標的化するために使用され得る。従って、ウイルス ベクターの選択は、部分的には、標的化されるべき細胞型に依存する。例えば、 神経変性疾患が、疾患に冒されたニューロン細胞中のFAPレベルを増加させるこ とにより処置される場合、ニューロン細胞を標的化するウイルスベクターが使用 され得る。単純ヘルペスウイルス由来のベクターは、ニューロン細胞を標的化す るウイルスベクターの例である(Battlemanら、J.Neurosci. 13:941-951(1993) 、これは本明細書中に参考として援用される)。同様に、造血系の疾患または病 理学的症状が処置される場合、特定の血液細胞またはその前駆体細胞に特異的な ウイルスベクターが、使用され得る。ヒト免疫不全ウイルスに基づくベクターは 、このようなウイルスベクターの例である(Carrollら、J.Cell.Biochem. 17E:2 41(1993)、これは本明細書中に参考として援用される)。さらに、ウイルスベク ターまたは他のベクターが、組織特異的プロモーターまたはエンハンサーをベク ターに取り込むことにより、組織特異的様式で、FAPをコードする核酸を発現さ せるために構築され得る(Daiら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 89:10892-10895(19 92)、これは本明細書中に参考として援用される)。 レトロウイルスベクターは、FAPをコードする核酸をインビボで細胞に導入す るのに特に有用であり得る。レトロウイルスベクターが、感染粒子として機能す るか、または感染の最初の一回のラウンドのみを行うために構築され得る。前者 の場合、ウイルスゲノムは、新規ウイルスタンパク質およびRNAを合成するため に必要な遺伝子、調節配列およびパッケージングシグナルを維持するように改変 される。しかし、これらのウイルスの腫瘍形成能を与える遺伝子は、破壊される 。ウイルスタンパク質が合成された後、宿主細胞は、RNAを新規ウイルス粒子に パッケージングし、このウイルス粒子は、さらなる感染のラウンドを行い得る。 ウイルスゲノムはまた、所望の組換え遺伝子をコードし発現するように操作され る。 非感染ウイルスベクターの場合、ヘルパーウイルスゲノムは、RNAをウイルス 粒子に封入するために必要とされるウイルスパッケージングシグナルを破壊する ように変異され得る。しかし、ヘルパーウイルスは、目的の遺伝子を含む同時導 入される組換えウイルスをパッケージングするために必要とされる構造遺伝子を 保持する。パッケージングシグナルなしでは、ウイルス粒子は、ゲノムを含まず 、従って、引き続く感染のラウンドを進行し得ない。ウイルスベクターを構築し 、使用する方法は、当該分野で公知であり、そして例えば、MillerおよびRosman 、Biotechniques 7:980-990(1992)(これは本明細書中に参考として援用される )に概説されている。特定の型のベクターは、意図される用途に依存する。これ らのベクターは、周知であり、そして当該分野で用意に入手可能であるか、また は当業者により構築され得る。 遺伝子治療のために、FAPまたはFasをコードする核酸あるいはアンチセンスヌ クレオチド配列を含有するベクターは、種々の方法により、被検体に投与され得 る。例えば、ウイルスベクターが使用される場合、投与は、ベクターの標的特異 性を利用し得る。このような場合、ベクターを疾患部位に局所的に投与する必要 がない。しかし、局所投与は、FAPをコードする核酸を投与する特に有効な方法 であり得る。さらに、投与は、被検体への静脈内注射または皮下注射により、な され得る。注射後、ウイルスベクターは、感染に対して適切な標的特異性を有す る宿主細胞を認識するまで、循環される。脊髄液へのウイルスベクターの注射は また、例えば、神経変性疾患の処置において、有効な投与様式であり得る。 レセプター媒介DNA送達アプローチもまた、架橋分子を介して核酸分子と非共 有的に複合体化される組織特異的リガンドまたは抗体を用いる組織特異的様式で 、FAPをコードする核酸分子を細胞に送達するために使用され得る(Curielら、H um.Gene Ther. 3:147-154(1992);WuおよびWu、J.Biol.Chem. 262:4429-4432(19 87)、これらは本明細書中に参考として援用される)。むき出しの(naked)また は、例えば、カチオン性リポソームに封入された核酸分子の直接注射もまた、イ ンビボでの非分裂細胞または分裂細胞への安定な遺伝子移入に使用され得る(Ul merら、Science 259:1745-1748(1993)、これは本明細書中に参考として援用され る)。さらに、FAPをコードする核酸分子は、パーティクルボンバードメント(W illiamsら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 88:2726-2730(1991)、これは本明細書中 に参考として援用される)を用いて種々の組織へ移入され得る。このような核酸 分子は、転写および翻訳に必要とされる適切なヌクレオチド配列に連結され得る 。 FAPをコードする核酸の特に有用な投与様式は、疾患または病理学的症状の部 位での局所的直接接種による。局所投与は、有利であり得る。なぜなら、希釈効 果がなく、それ故標的化細胞の大部分が核酸分子と接触する可能性が増大するか らである。従って、局所接種は、他の投与形態で必要な標的化必要条件を軽減し 得、そして所望であれば、接種領域の全ての細胞型を感染させるベクターが使用 され得る。発現が、接種領域内の特定のサブセットの細胞のみにおいて所望され る場合、所望のサブセットの細胞に特異的なプロモーター、エンハンサーまたは 他の発現エレメントが、核酸分子に連結され得る。このような核酸分子および調 節エレメントを含むベクターは、ウイルスベクター、ウイルスゲノム、プラスミ ド、ファージミドなどであり得る。リポソームのようなトランスフェクションビ ヒクルもまた、非ウイルスベクターをレシピエント細胞に導入するために使用さ れ得る。このようなビヒクルは、当該分野で周知である。 細胞中でのアポトーシスを調節する別の方法は、アンチセンスFAPまたはFasを コードするヌクレオチド配列を細胞に導入し、そして細胞中でこのアンチセンス ヌクレオチド配列を発現させることである。このようなヌクレオチド配列は、上 記方法およびベクターを用いて細胞に導入され得、そして細胞中で発現され得る 。化学的に合成されたヌクレオチド配列もまた、細胞に直接投与され得る。合成 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、周知の方法を用いて調製され得るか、また は市販供給元から購入し得、そして所望であれば、ヌクレオチドアナログを取り 込んで、細胞中のヌクレアーゼによる分解に対するオリゴヌクレオチドの耐性を 増加し得る。 本発明はまた、アポトーシスのレベルの増加または減少が、例えば、細胞中で のFAPの発現の増加または減少によるのか、あるいは変異体FAPの発現によるのか を決定して、細胞中でのアポトーシスのレベルの増加または減少により特徴付け られる病状を診断する方法を提供する。細胞中でのFAPおよびFasの会合の変化に 起因し得るこのような病状の同定は、上記のような有効な薬剤または核酸分子ま たはアンチセンスヌクレオチド配列を用いる干渉治療(intervention therapy) を可能にし得る。一般に、試験サンプルは、アポトーシスの増加または減少によ り特徴付けられる病状を有する被検体から得られ得、そして正常な被検体由来の コントロールサンプルと比較され得、試験サンプル中の細胞が、例えば、FAP発 現の増加または減少を有するかどうかを決定する。細胞中のFAPレベルは、サン プルを薬剤(例えば、抗FAP抗体またはFas、これらのいずれもFAPを特異的に結 合し得る)と接触させることにより、決定され得る。例えば、細胞中のFAPレベ ルは、抗FAP抗体を用いる周知の免疫アッセイまたは免疫組織化学的方法(例え ば、Reedら、上記、1992を参照のこと;HarlowおよびLane、上記、(1988)も参照 のこと)により、決定され得る。本明細書で使用される用語「薬剤」は、FAPま たはFasあるいは結合したFAP-Fas複合体に特異的に結合し得る化学的分子または 生物学的分子を意味する。例えば、抗FAP抗体またはFasのいずれもが、FAPに対 する薬剤であり得、一方、抗Fas抗体またはFAPのいすれもが、Fasに対する薬剤 であり得る。 本明細書で使用される用語「試験サンプル」は、被検体から得られ、そしてサ ンプル中の細胞でのFAPの発現について試験されるべき細胞または組織検体を意 味する。試験サンプルは、例えば、手術中または針生検により得られ得、そして 本明細書に記載される方法を用いて試験され得、アポトーシスの増加または減少 により特徴付けられる病状を診断し得る。試験サンプル中の細胞でのFAPの発現 の増加または減少は、特定の細胞型において予想されるFAPの正常レベルとの比 較により、決定され得る。種々の細胞型におけるFAPレベルの正常範囲は、統計 学的に有意な数の正常被検体をサンプリングすることにより、決定され得る。さ らに、コントロールサンプルは、アポトーシスの増加または減少により特徴付け られる病状が、FAPの発現の増加または減少によるのかどうかを決定するために 、試験サンプルと平行して評価され得る。試験サンプルは、例えば、上記のよう な免疫組織化学方法を用いて試験され得るか、またはサンプルは、さらに処理さ れて試験され得る。例えば、試験サンプルの抽出物が調製され得、そしてサンプ ル中の細胞で発現されるFAPが、コントロール細胞由来のFAPと同様の様式でFas と会合し得るかどうか、または、代わりに、変異体FAPが細胞中で発現されてい るかどうかを決定するために試験され得る。 試薬(例えば、抗FAP抗体またはFas)を取り込む診断アッセイキットは、細胞 中での変化したFAP発現による病状を検出するのに有用であり得る。このような キットは、特に有用である。なぜなら、このようなキットは、アッセイ条件の標 準化を可能にするからである。キットは、試薬に加えて、アッセイを実施するに 適切な反応条件を提供する反応カクテル、および既知量のFAPを含有するコント ロールサンプルを含み得る。さらに、キットは、試薬に対して特異的である抗体 を含み得る。 診断アッセイは、試薬に結合される、サンプル中のFAPの量を検出する簡単な 方法を包含すべきである。周知の方法(抗体の標識について、例えば、Harlowお よびLane、上記、1988;第9章、を参照のこと)を用いて、試薬を標識し、そし て標識の存在を検出することにより、検出が行われ得る。試薬は、種々の検出可 能な部分(放射線標識、酵素、ビオチンまたは蛍光色素を包含する)で標識され 得る。試薬を標識するための物質は、診断キットに含まれ得るか、または市販の 供給元から別個に購入され得る。標識試薬と試験サンプルおよび、所望であれば コントロールサンプルとの接触後、特異的に結合した試薬が、特定の部分を検出 することにより、同定され得る。 試薬を特異的に結合し得る標識抗体はまた、非標識試薬の特異的結合を同定す るために使用され得る。例えば、試薬が抗FAP抗体である場合、第2の抗体が、 抗FAP抗体の特異的結合を検出するために使用され得る。第2の抗体は、一般的 に第1の抗体の特定のクラスに対して特異的である。例えば、抗FAP抗体がIgGク ラスの抗体である場合、第2の抗体は、抗IgG抗体である。このような第2の抗 体は、市販の供給元から容易に入手可能である。第2の抗体は、上記のような検 出可能な部分を用いて標識され得る。サンプルが第2の抗体を用いて標識される 場合、サンプルは、まず第1の抗体と接触させられ、次いでサンプルは、標識さ れた第2の抗体と接触させられ、この第2の抗体は第1の抗体と特異的に結合し 、そして標識サンプルを生じる。 以下の実施例は、本発明を説明するように意図され、本発明を限定するように は意図されない。 実施例I 酵母ツーハイブリッドシステムを用いるFAPの同定 この実施例は、Fasの細胞質ドメインと会合し得るタンパク質をコードするcDN A配列を同定するための、酵母ツーハイブリッドシステムの使用を説明する。 A.宿主/ベクターシステム 2つの異なる酵母宿主/プラスミドベクターシステム(本明細書では「EGY48 システム」および「L40システム」と示す)を使用して、FAPをコードするcDNA配 列を同定した。1.EGY48システム いくつかの実験において、S.cerevisiae EGY48株酵母細胞を、ツーハイブリッ ドアッセイのために宿主細胞として使用した(「EGY48システム」)。EGY48株細 胞は、MATα trpl ura3 his3 LEU2::pLexAop6-LEU2遺伝子型を有する。酵母をYP D培地中で増殖させた。示すように、EGY48株細胞は、LexAopに連結したLeu2遺伝 子を含み、それゆえ転写能力のあるLexA DNA結合ドメイン存在下で、ロイシン欠 乏培地中で増殖し得る。 プラスミドであるpEG202(図1)およびpJG4-5(図2)を、EGY48酵母細胞中 でハイブリッドタンパク質を発現させるために使用した(Zervousら、Cell 72:2 23-232(1993);Gyurisら、Cell 75:791-803(1993);Golemisら、Current Protoc ols in Molecular Biology (Ausubelら編;Green Publ.;NY 1994)、これらのそ れぞれは、本明細書中に参考として援用される)。プラスミドpEG202は、プラス ミドLexA202+PL由来であり(Rudenら、Nature 350:250-252(1991);MaおよびPta shne、Cell 51:113-119(1987)、これらのそれぞれは、本明細書中に参考として 援用される)、そしてクローニングのためのさらなる唯一のポリリンカー部位( unique polylinker sites)を含む。プラスミドpEG202を、唯一のSal I部位(こ れはLexAの下流のポリリンカーに存在する)でLexA202+PLを切断し、そしてSal I部位を再生し、かつ新規なNco I、Not IおよびXho I部位をも含む22マーを挿入 することにより作製した。 22マーを、2つのオリゴヌクレオチド、5'-TCGACCATGGCGGCCGCTCGAG-3'(配列 番号7)および5'-TCGACTCGAGCGGCCGCCATGG-3'(配列番号8)を合成し、そして オリゴヌクレオチドの相補領域をアニーリングすることにより構築した。この22 マーをLexA202+PLのSal I部位に連結して、pEG202を作製した。図1に示すよう に、pEG202はまた、酵母の2μmの複製起点およびヒスチジン選択マーカーを含 む。LexA融合カセットの発現は、強力な構造性ADH1プロモーターからである。オ ープンリーディングフレームをコードするcDNAを、pEG202のEco RI、Bam HI、Sa l I、Nco I、Not IまたはXho I部位に挿入することにより、LexA融合タンパク質 が産生される。 プラスミドpJG4-5は、pUCプラスミド由来であり、そしてガラクトース誘導性 プロモーターを含む(図2)。cDNAを、Eco RIまたはXho I部位に挿入すること により、融合タンパク質が産生される。この融合タンパク質は、B42トランスア クチベーションドメインを有し、そしてSV40核局在化シグナルおよびヘマグルチ ニンエピトープタグを含む(Zervousら、上記、1993;Gyurisら、上記、1993) 。 EGY48システムに使用されるβ-galレポーター遺伝子構築物は、プラスミドpSH 18-34であり、これはLexAオペレータ配列に連結したlacZ遺伝子を含む(図3;H anesおよびBrent、Cell 57:1275-1283(1989);HanesおよびBrent、Science 251: 426-430(1991)、これらのそれぞれは、本明細書中に参考として援用される)。 (5'-TCGACTGCTGTATATAAAACCAGTGGTTATATGTACAGTACTGCTGTATATAAAACCAGTGGTTATA TGTACAGTACG-3';配列番号9)および(5'-TCGACGTACTGTACATATAACCACTGGTTTTAT ATACAGCAGTACTGTACATATAACCACTGGTTTTATATACAGCAG-3';配列番号10)をアニーリ ングすることにより形成される2つの78塩基対オリゴヌクレオチドを、プラスミ ドpLR1Δ1(Westら、Mol.Cell.Biol. 4:2467-2478(1984)、これは、本明細書中 に参考として援用される)のXho I部位に挿入することにより、8コピーのLexA オペレータ配列を含むプラスミドpSH18-34を構築した。各オリゴヌクレオチドは 、LexA DNA結合タンパク質のための4つの結合部位を含む。pSH18-34を含む安定 に形質転換されたEGY48株酵母細胞株を、ウラシルを欠く培地中でのその増殖能 力に基づいて得た。2.L40システム いくつかの実験において、S.cerevisiae L40株酵母細胞を、ツーハイブリッド アッセイのための宿主細胞として使用した(「L40システム」;Vojtekら、上記 、1993)。L40株細胞は、MATa、trp1、leu2、his3、ade2、LYS2:(lexAop)4-HIS3 、URA3::(lexAop)8-lacZ遺伝子型を有し、そしてヒスチジンシンセターゼ(HIS3 )およびlacZレポーター遺伝子(これらの両方とも、lexAオペレータの制御下に ある)で安定に形質転換されている。L40株細胞を、YPD培地中で増殖させた。 プラスミドpBMT-116(図4)およびpVP-16(図5)を、L40株細胞を用いるア ッセイに使用した。プラスミドpBMT-116は、ADHプロモーターの制御下で、LexA DNA結合ドメインをコードする(図4)。L40株細胞中にpBMT-116が存在すること により、トリプトファン欠乏培地中で細胞が増殖し得る。プラスミドpVP-16は、 またADHプロモーターの制御下の、トランスアクチベーティングドメインをコー ドする(図5)。L40株細胞中にpVP-16が存在することにより、ロイシン欠乏培 地中で細胞が増殖し得る。B. ハイブリッドタンパク質をコードするベクターの調製 コントロールとして、そして偽陽性クーロンを除去するために、Bcl-2タンパ ク質をコードするcDNA配列(pSKII-bcl-2α由来;Tanakaら、J .Biol.Chem. 268 :10920-10926(1993)(これは本明細書中に参考として援用される))もまた、以 下に記載のプライマーを用いるPCR変異誘発(Higuchiら、上記、1990)により修 飾し、そしてpEG202中にインフレームでサブクーロン化した。発現タンパク質の 核への潜在的な標的化を防止するために、Bcl-2の貫膜ドメインに対応する配列 を欠失させ(Tsujimoto およびCroce、Proc .Natl.Acad.Sci.,USA 83:5214-52 16(1986)、これは本明細書中に参考として援用される)、そしてオープンリーデ ィングフレームの末端に終止コドンを挿入した。1.EGY48システム ヒトFasの細胞質ドメインをコードするcDNA配列(アミノ酸191〜335;図6参 照;Itohら、上記、1991)を、以下に記載のプライマーを用いるPCR変異誘発(H iguchiら、PCR Protocols(Innesら編;Academic Press;San Diego CA 1990、 これは本明細書中に参考として援用される)により修飾し、そしてpEG202中へイ ンフレームでサブクーロン化し、pEG/Fas(191-335)を生成した。上記のように、 pEG202は、ADHプロモーターを使用して、N末端LexA DNA結合ドメインを含有す る融合タンパク質の発現を構成的に駆動する。ヒトFasの細胞質ドメインのcDNA 配列を、pEG202のEco RI部位に、上流LexA配列とインフレームでサブクーロン化 した。正方向プライマーおよび逆方向プライマーは、Eco RI部位(下線)または BclI部位(イタリック)を含有し、以下の通りであった(太字は終止コドン;TC AをコードするDNAを示す):(i)Fas(アミノ酸(aa)191〜335)(5'-GGAATTCAAGA GAAAGGAAGTACAG-3';配列番号11)および(5'-TGATCACTAGACCAAGCTTTGGAT-3'; 配列番号12);(ii)Bcl-2(aa1〜218)(5'-GGAATTCATGGCGCACGCTGGGAGAAC-3' );配列番号13)および(5'-TGATCACTTCAGAGACAGCCAC-3';配列番号14)。 pJG4-5プラスミドは、ガラクトース誘導性プロモーター(GALl-p)を用い、N末 端B42トランスアクチベーションドメインを含有する融合タンパク質の発現を誘 導的に駆動する(図2)。HeLa細胞cDNAライブラリーをpJG4-5のEco RIまたはXh o I部位中にクローニングすることにより(pJG/HeLa)、FAP候補をコードするB4 2融合タンパク質を産生した。2.L40システム 細胞質ドメインの種々のフラグメントをコードするcDNA配列(Itohら、上記、 1991)を、PCR(Higuchiら、上記、1990)により、以下の通りのEco RI部位(下 線)およびBcl I部位(イタリック)(太字は終止コドンTCAを示す)を含有する 正方向(F)プライマーおよび逆方向(R)プライマーを用いて生成させた:1 )5'-GGAATTCAAGAGAAAGGAAGTACAG-3'(F1;配列番号11);2)5'-GGAATTCAAAGGC TTTGCTTCGAAAG-3'(F2;配列番号15);3)5'-GTGATCACGCTTCTTTCTTTCCATG-3'( R1;配列番号16);および4)5'-CTGATCACTACACCAAGCTTTGGAT-3'(R2;配列番号 12)。プライマーの以下の組み合わせの使用は、示されるFasフラグメントを産 生した:1)F1+R2=Fas(191-335);2)F1+R1=Fas(119-290);3)F2+R1=Fas(246-3 35);および4)F2+R2=Fas(246-290)。Fas(321-335)を、SpeIを用いる制限エンド ヌクレアーゼ消化により生成させ、そしてT4 DNAポリメラーゼを用いてフィルイ ンして終止コドンを生じさせた。Fas(119-335)をコードする配列を、pBMT-116に インフレームでサブクローン化し、pBMT/Fas(191-335)を生成した。 pVP-16プラスミドは、ADHプロモーターを用いて、Vp-16トランスアクチベーシ ョンドメインを含有する融合タンパク質の発現を駆動する。cDNAライブラリーを 、リン酸化ヘキサマーを用いて、9.5〜10.5日のCD1マウス胚ポリ-A+mRNAのラン ダムプライム合成により調製した。プライマーのテンプレートに対する比を調節 し、RNA分子あたりの複数の合成反応を促進させた。これにより、平均約500ヌク レオチドのサイズの第1鎖を生成した。RNAse H、DNAポリメラーゼI、およびE. coli DNAリガーゼを用いる第2鎖合成の後に、cDNAをT4 DNAポリメラーゼを用い て修復し、そして以下のリンカーを結合した: 反応生成物をアガロースゲル電気泳動により分画し、そして350〜700のヌクレ オチドのDNAフラグメントを収集した。DNAフラグメントを、Millipore フィルタ ーカラムを通して抽出し、次いでフェノール:クロロホルム(1:1)抽出し、 そしてエタノールで沈殿させた。多量のcDNAを生成させるため、サイズ選択した DNAを、5mMのMg+2の存在下、上記由来のセンスプライマー(配列番号9)を用い て増幅した。ほぼ飽和までの増幅の後、反応物を10倍希釈し、そして増幅をさら に1サイクル続けた。放射能標識されたヌクレオチドの取り込みにより、1サイ クルあたり1.9の増幅効率が示された。最初の増幅可能なcDNAは、全部で1×108 分子を越えると見積もられた。増幅されたDNAを一晩10ユニットNot I/μg DNAと インキュベートし、次いでpVP-16にクローン化した(pVP/胚;Vojtekら、上記 、1993)。 pVP-16中のNot I挿入物の配列決定のために、cDNA挿入物を11個のヌクレオチ ドパリンドローム(そのうちの9個はGC塩基対を形成する)に隣接させる。この 挿入物を、センスプライマー(5'-GGTACCGAGCTCAATTGCGG-3';配列番号19)(これ はNot Iパリンドロームの一部をカバーする)を用いて配列決定し得る。あるい は、Taq DNAポリメラーゼを用いて高温で配列決定を行い得る。C.アッセイ方法 プラスミドDNAを、LiCl方法またはLiOAc方法(Itoら、J .Bacteriol. 153:163 -168(1983);Gietzら、Nucl .Acids Res. 20:1425(1992);Schiestlら、Curr .G enet. 16:339-346(1989)、これらの各々は本明細書中に参考として援用される) によって酵母細胞中に形質転換した。EGY48システムを用いる実験において、形 質転換細胞を、それぞれpSH、pJG、またはpEG由来プラスミドの存在について選 択するために必要に応じてウラシル、トリプトファン、またはヒスチジンを欠い ている完全最少培地中で増殖させた。さらに、ロイシンを欠く培地での増殖は、 転写活性なLexA/B42複合体の形成を示した。L40システムを用いる実験において 、形質転換細胞を、それぞれpBMTまたはpVP由来プラスミドの存在について選択 するために必要に応じてそれぞれトリプトファンまたはロイシンを欠いている完 全最少培地中で増殖させた。さらに、ヒスチジンを欠いている培地中での増殖は 、転写活性なLexA/VP16複合体の形成を示した。1.EGY48システム 種々の融合タンパク質の発現の後、酵母細胞抽出物を、スフェロプラスト方法 (SmithおよびCorcoran、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら 編、Green Publ.;NY 1989、これは本明細書中に参考として援用される)を用い て調製し、そしてLexA-またはB42-融合タンパク質の発現を、それぞれポリクロ ーナル抗LexA抗血清(BrentおよびPtashne(Nature 312:612-615(1984)、これは 本明細書中に参考として援用される)により記載されているように調製され得る )、または抗HA1物モノクローナル抗体(クローン12CA5;Boehringer Mannheim ;Indianapolis IN)を用いるイムノブロットアッセイにより確認した。 EGY48酵母細胞を、pSH18-34(これは、lexAオペレーターからのレポーターIac Zを発現する)で安定に形質転換した。次いで、この細胞をpEG/Fas(191-335)で 形質転換し、そしてヒスチジンを欠く最少培地中での増殖について選択した。選 択されたコロニーを、pJG/HeLa cDNAライブラリーを用いて形質転換し、そして ヒスチジン、ロイシンおよびトリプトファンを欠く培地上にプレーティングし、 FAP候補をコードするクローン化cDNA配列を同定した。 約1.7×107コロニーを、各々20枚のプレートにプレーティングした。Fasの完 全な細胞質ドメインを用いてスクリーニングされた1700万個の酵母形質転換細胞 のうち、約1210個の独立した細胞のコロニーがLeu+表現型であった。4つのレプ リカを、1210個全てのLeu+形質転換株から作製し、以下のようにプレーティング した:1)グルコース、X-gal、ロイシン;2)ガラクトース、X-gal、ロイシン;3) グルコース;および4)ガラクトースプレート。85個の形質転換株が、ロイシンを 欠く培地上で増殖し、ガラクトース誘導性β-gal活性を示した。 27個のクローンを選択し、そしてヒスチジン含有培地中で細胞を増殖させるこ とにより、LexA/Fasをコードするプラスミドの「キュアリング」をした。次いで 、キュアリングされた細胞を、LexA/Fas、LexA/Ras、LexA/CD40、LexA/Bcl-2(sh ort)またはLexA/lamin融合タンパク質(Vojtekら、上記、1993;Bartelsら、Bio techniques 、14:920-924(1993)、これらは、本明細書中に参考として援用され る)のいずれかを産生した種々のプラスミドを含有するa型酵母(RFY206株{Mata 、ura3、trp1、leu2})のパネルに対して接合させた。接合された細胞を、ヒスチ ジンおよびトリプトファンを欠いている培地中の増殖について選択し、pJG\HeL aクローンおよびLexA-融合タンパク質の両方を含有する細胞を得た。15個のクロ ーンを部分的に配列決定し、そしてデーターベースサーチを実施して相同性につ いて分析した。4個のクローンは、78kDaのグルコースに調節されるGRP78タンパ ク質をコードする核酸配列と同一であった(示していない;TingおよびLee、上 記、1988)。2.L40システム pBMT/Fas(119-335)プラスミドをL40細胞中に導入した。L40細胞は、LexAオペ レーターの制御下でヒスチジンシンセターゼ(HIS3)およびβ-ガラクトシラーゼ( lacZ;β-gal)レポーター遺伝子を含有する。得られた形質転換株をトリプトフ ァンを欠いている培地上で増殖する能力について選択した。なぜなら、pBMT-116 プラスミドは、宿主株における欠損を相補するTRP1遺伝子を含有するからである 。次いで、pBMT/Fas(191-335)を含有するL40細胞を、pVP-16/胚cDNAライブラリ で形質転換した。形質転換株を、pVP-16ベクター中のLEU2遺伝子の存在に基づ いて、ロイシンを欠いているプレート上での増殖により、選択した。 FAP候補をコードするcDNA配列を発現するコロニーを、それらの酵母細胞中のl exAop/HIS3レポーター遺伝子構築物の発現による、ヒスチジンを欠いている培地 中での増殖能力によってまず同定した。約3億の形質転換株をスクリーニングし 、そして395個のHis+ コロニーを同定した。これらの395個のクローンを、β-ga l比色定量分析フィルターアッセイ(BreedenおよびNasmyth、Cold Spring Harb Symp .Quant.Biol. 50:643-650(1985)、これは本明細書中に参考として援用さ れる)を用いてさらに検査し、lacZレポーター遺伝子(これは、lexAオペレータ ーの制御下にある)の発現を同定した。この第2のスクリーニング手順の後、84 個のポジティブクローンを得た。 84個のクローンを、トリプトファン含有培地中で細胞を増殖させることにより LexA/Fasをコードするプラスミドのキュアリングをした。次いで、キュアリング した細胞を、EGY48システムについて上記したように種々の融合タンパク質を含 有するa型酵母(NA-8711-A株{a、leu2、his3、trp1、pho3、pho5})プラスミドの パネルに対して接合させた。接合させた細胞を、トリプトファンおよびロイシン を欠いている培地中での増殖について選択し、pVP\胚クローンおよびLexA-融合 タンパク質の両方を含有する細胞を得た。 選択された84個のクローンのうち、2個が、β-galフィルターアッセイ(Bree denおよびNasmyth、上記、1985)によって測定したところ、LexA/Fasタンパク質 と特異的に反応した。2つのクローンのDNA配列分析により、約350塩基対(bp; pVP16-31)および380bp(pVP16-43;図7参照)の挿入物が示された。これらのマ ウスcDNAクローンとその他とのアラインメントは、それらが重複する独立したcD NA配列を表すことを示した。cDNAクローンを配列決定し、そしてデータベースサ ーチにより、タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP-BAS)をコードするヒトcDN A配列との95%を越える相同性が示された。特に、cDNA配列は、PTP-BAS中の第2 のGLGF反復と相同であった(図7)。以下の実施例II.C.に記載のように、ツー ハイブリッドシステムを用いて得られたこのcDNA挿入物を用いて、λファージヒ トcDNAライブラリをスクリーニングした。 pVP16-31プラスミドを、Fasの種々のフラグメントをコードする核酸配列を含 有するpBMT-116プラスミドと共にL40細胞中に同時導入(cointroduce)し(図8参 照)、そしてlacZ遺伝子からの転写活性化を、β-galフィルターアッセイ(Bree denおよびNasmyth、上記、1985)を用いてアッセイした。図8に示すように、Fa sのC末端15アミノ酸を含むFasのフラグメントは、pVP16-31中のcDNA挿入物によ ってコードされるポリペプチドを結合し得、そしてこの結果、lacZレポーター遺 伝子の転写を活性化した。 実施例II FAP を同定するためのインビトロアッセイ この実施例は、FAPをインビトロにおいて検出し、そして特徴付けるために有 用な融合タンパク質を構築するための方法を記載する。A .GST/Fas融合タンパク質の生産 pGEX-2TX(図9;Pharmacia;Piscataway NJ)に基づくFLAGTMペプチド(エン テロキナーゼ認識部位および心筋キナーゼ(HMK)基質ドメイン)を含有するク ローニングベクターを、GST/Fas融合タンパク質の構築のために使用した(図6 )。このベクターは、誘導性tacプロモーター、Schistosoma japonicum由来のグ ルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)遺伝子、マルチクローニング部位、免 疫学的検出および精製のためのFLAGTMペプチド、GST遺伝子とマルチクローニン グ部位との間に位置するトロンビンおよびエンテロキナーゼ切断部位ならびに融 合タンパク質の放射性標識のためのHMKキナーゼドメインを含む(以下を参照の こと)。 一連のGST/Fas融合タンパク質を、pGEX-2TXを使用してE.coliにおいて生産し た(図6および8を参照のこと)。上記の種々のFasフラグメントをコードする 核酸配列を、pBluescriptTM(Stratagene;San Diego CA)にサブクローン化す るか、またはpGEX-2TXプラスミドに直接クローン化した。GST/Fas融合タンパク 質をコードする核酸分子を、Sequenase version 2.0キット(U.S.Biochemical ;Cleveland OH)を使用して配列決定して、リーディングフレームが適正であり 、そして誤ったヌクレオチドがPCR増幅の間に導入されなかったことを確認し た。GST-融合タンパク質は、以下のFas細胞質ドメインのセグメントを含んでい た:(A)アミノ酸残基191〜335、これは細胞質ドメイン全体に対応する(GST/Fas (191-335));(B)残基191から290、これは貫膜ドメインから保存領域の末端に至 る領域を表す(GST/Fas(191-290));(C)残基246〜335、これは保存領域の始め からFasのC末端までの領域である(GST/Fas(246-335));(D)残基246〜290、こ れはTNFRファミリーのタンパク質のメンバー間で保存されているFasの領域を含 む;(E)残基191〜320、これはC末端の15アミノ酸を除く細胞質ドメイン全体を 含む(GST/Fas(191-320))および(F)残基321〜335、これは負の調節ドメインを 構成するFasのC末端アミノ酸を表す(GST/Fas(321-335);図6)。 GST/Fas融合タンパク質を、1mMのIPTGでtacプロモーターからの発現を誘導す ることによりE.coliにおいて発現させた。約1〜10μgのGST/Fas融合タンパク 質を、1mlの細菌培養物から得た。GST/Fas融合タンパク質を、細菌溶解物から グルタチオン-Sepharose 4B(Sigma;St.Louis MO)でのアフィニティークロマ トグラフィーにより部分精製した。SDS-PAGEおよびクマシーブルー染色によるGS T/Fas融合タンパク質の分析によって、E.coli溶解物から精製した融合タンパク 質が予想される分子量を有したことを確認した(示さず)。 いくつかの実験において、32P標識GST/Fas融合タンパク質を用いて、FAPの存 在を検出する。32P-GST/Fasをウシ心筋キナーゼ(Sigma)を用いて生成させる。 簡潔に述べると、GST/Fasを、グルタチオン-Sepharoseカラムに結合させること により固定化する。結合したGST/Fasを1×HMK緩衝液(20 mM Tris-HCl(pH 7.5 )、100 mM NaCl、12 mM MgCl2)で洗浄し、そしてコートされたビーズを1単位 /mlのcAMP-依存性プロテインキナーゼの触媒性サブユニット(Sigma)、1mCi/m lのγ[32P]-ATP(6000 Ci/mmol、10 mCi/ml;Dupont/NEN;Boston MA)および1 mMのジチオスレイトール(DTT)を含有する1×HMK緩衝液の2〜3ビーズ容量( vol)中に再懸濁する。キナーゼ反応を、室温(RT)で60分間進行させ、次いで 1mlのHMK停止緩衝液(10 mMリン酸ナトリウム(pH 8.0)、10 mMピロリン酸ナ トリウム、10 mM EDTA、1mg/ml BSA)を添加することにより停止させる。遊離 γ[32P]-ATPを、反応混合液を停止緩衝液中に再懸濁し、グルタチオンSepharose ビーズを遠心分離によりペレット化し、そして緩衝液を除去することにより除 去する。これらの工程を4回繰り返し、次いでSepharoseビーズを少なくとも5 回HMK緩衝液で洗浄する。洗浄後、ビーズを溶出緩衝液(5mMグルタチオン、50m M Tris-HCl(pH 8.0)、120 mM NaCl)中に再懸濁して4℃で保存する。B .種々の組織におけるFAPの同定 ファーウェスタンブロッティング(リガンドブロッティング)を使用して、種 々の細胞タイプにおけるFAPの存在を検出した。1つの実験において、50μgのマ ウスS49T細胞由来の全タンパク質を分析した。タンパク質を、Reedら、Canc .Re s. 51:6529-6538(1991)(本明細書中に参考として援用される)に記載のように 、10 mM Tris(pH 7.4)、150 mM NaCl、0.1% SDS、1%デオキシコール酸ナトリ ウム、1% Triton X-100およびプロテアーゼインヒビター中で細胞を溶解し、次 いで12% SDS-ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動により分画することにより得 た。電気泳動の後、タンパク質をニトロセルロースに移し、そしてこのニトロセ ルロースフィルターを一連の変性/再生工程により処理した。フィルターを、6 Mグアニジン-HClを含有するHBB緩衝液(20 mM Hepes(pH 7.5)、5mM MgCl2、 1mM KCl、5mM DTT)とともにインキュベートして、タンパク質を変性させた。 穏やかに振とうしながら10分間インキュベーションした後、この溶液を除去し、 そして同じ手順を2回目に繰り返した。10分後、この溶液を除去し、次いでフィ ルターを連続的に3Mグアニジン-HCl、1.5Mグアニジン-HCl、0.75Mグアニジン- HCl、0.38Mグアニジン-HClを含有するHBB緩衝液で各々5分間インキュベートし 、次いで5%スキムミルクを含有するHBB緩衝液中で振とうして30分間インキュベ ートした。溶液を除去し、そして1%スキムミルクを含有するHBB緩衝液に置換し 、そして振とうを10分間継続した。次いで、フィルターを、1%スキムミルクお よび1μg/mlのGST/Fas(191-335)(これはFas細胞質ドメイン全体を含む)また はGST(コントロール)を含有するHBBの溶液中で一晩インキュベートした。 インキュベーションの後、フィルターを3回PBST緩衝液(137 mM NaCl、2.76 mM KCl、4.3 mM KNa2HPO4、0.2% triton X-100)で15分間洗浄し、次いでリン酸 緩衝化生理食塩水中に1:1000希釈のマウス抗GSTモノクローナル抗体(GS7;Sant a Cruz Biotechnology;Santa Cruz CA)を含有する溶液に移した。このフィル ターを穏やかに振とうして2時間室温でインキュベートし、次いで3回PBSTで10 分間洗浄した。洗浄の後、フィルターを3mlの抗マウスIgG-アルカリホスファタ ーゼ(1mg/ml;1:7000希釈;Promega;Madison WI)中に1時間室温で浸漬し、 次いで3回PBST緩衝液で洗浄し、そしてNBT/BCIP(ニトロブルーテトラゾリウム /5-ブロモ-4,クロロ-3-インドリル-ホスフェート)を用いて複合体を発色させた 。 FAS/APO-1結合タンパク質を同定する予備的な試みとして、Fasの細胞質ドメイ ン全体を含むGST/Fas融合タンパク質を、アフィニティークロマトグラフィーに より精製し、そしてγ32P-ATPおよびcAMPキナーゼの触媒性サブユニットを使用 してインビトロで放射性標識した。32P-GST/Fasをタンパク質ブロットとともに インキュベートした。32、30、および18 kDaの分子量を有する少なくとも3つの FAPを、マウスS49T細胞タンパク質抽出物において同定した(図10)。36kDa Fas タンパク質に相当するバンドは検出されなかった。同様のサイズのFAPを、ヒト 乳ガン(MCF7)、卵巣ガン(A278)、肺ガン(H460)および結腸ガン(Caco-2) 細胞株ならびに正常マウスT細胞およびマウスB細胞リンパ腫株(RS11846)に おいても検出した(示さず)。2 .cDNA発現ライブラリーのスクリーニング 32P標識GST/Fasタンパク質を、λgt11 cDNA発現ライブラリーの直接的なスク リーニングに使用し得る。λgt11 cDNA発現ライブラリーは市販の供給源から得 られ得(Clontech,Palo Alto CA)、または周知の方法を用いて構築され得る( Sambrookら、前出、1989)。放射性標識GSTおよびGST/Fasを上記のように得る。 ファージをニトロセルロースフィルターに移し、これをプラスチックバッグ中に 入れる。ハイブリダイゼーション緩衝液(1%ミルク、20 mM Hepes-KOH(pH 7.7 )、75 mM KCl、0.1 mM EDTA、2.5 mM MgCl2)を添加し、そして約250,000 cpm/ mlのGST/Fas(またはGST)を添加する。フィルターを4℃で一晩、20倍モル過剰 の非標識GSTタンパク質の存在下でインキュベートする(例えば、Kaelinら、前 出、1992を参照のこと)。 ポジティブプラークを選択し、そして上記のようなさらなる回のスクリーニン グに供する。3〜4回のスクリーニングの後、プラーク精製したファージのcDNA 挿入物を、ベクタークローニング部位に隣接するプライマーを使用してPCRによ り増幅するか、あるいは精製ファージDNAの制限消化によりファージから放出す る。これらのcDNA配列をpETベクターであるpET5c(Novagen;Madison WI)(こ れは、挿入されるcDNAとインフレームであるT7/Protein 10融合タンパク質を生 産する)のEcoRI部位にサブクローン化する。組換えタンパク質の発現を、IPTG を使用してE.coli内で誘導し、SDS-PAGEにより分画し、そしてニトロセルロー スフィルターに移す。生じるブロットを、ライブラリーをスクリーニングするた めにもともと使用したのと同じGST/Fas融合タンパク質を使用して、上記のよう にファーウェスタン法を用いて分析する。GST/Fasプローブを結合するFAPを生産 するクローンを配列決定し、そしてそのアミノ酸配列を推定する。これらの配列 をヌクレオチドデータベースおよびタンパク質データベースに対してチェックし て、新規または以前に記載のタンパク質を同定する。 上記のタンパク質相互作用クローニング技術を介して得られたポジティブcDNA 配列を使用して、種々の組織をノーザンブロット分析によりスクリーニングする ためのハイブリダイゼーションプローブを作製する。次いで、適切なクローンを 、適切な組織から調製された市販のλファージcDNAライブラリーをスクリーニン グするためのハイブリダイゼーションプローブとして使用して、種々のFAPのオ ープンリーディングフレーム全体をコードするcDNAを得る。あるいは、5'-また は3'-RACE法を用いて、逆転写されたRNA由来のcDNAの領域を直接増幅し得る(Fr ohmanら、Proc .Natl.Acad.Sci.,USA 85:8998-9002(1988)、これは本明細書 中に参考として援用される)。C .FAPのFasへの結合の特徴付け 上記の酵母ツーハイブリッドシステムを使用して同定されたFAPの、GST/Fas融 合タンパク質に会合する能力を検討した。HFAP10中のcDNA配列をBluescriptベク ターであるpSK-II(Stratagene)中にサブクローン化し、そして35S-L-メチオニ ンの存在下で、カップルしたインビトロ転写/翻訳システム(TNT lysate;Prome ga)およびT7 RNAポリメラーゼを使用して、内部のメチオニンコドンからインビ トロ翻訳した。35S-標識タンパク質を、緩衝液A(150 mM NaCl、50 mM Tris(p H 8.0)、5mM DTT、2mM EDTA、0.1% NP-40、1mMフェニルメチルスルホニルフ ルオリド、1μg/mlロイペプチン)中で16時間4℃でグルタチオン-Sepharoseビ ーズに固定化した種々のGST/Fas融合タンパク質とインキュベートした。インキ ュベーションの後、ビーズを激しく10回緩衝液A中で洗浄し、そして結合したタ ンパク質をグルタチオン-Sepharoseビーズを用いて遠心分離により回収し、沸騰 Laemmli緩衝液中に溶出し、そしてSDS-PAGEおよびフルオログラフィーにより分 析した。 ヒトPTP-BAS由来のポリペプチドは、GST/Fas(191-335)(これはFas細胞質ドメ イン全体を含む)、GST/Fas(246-335)(これはFasの保存領域からC末端までを 含む)、およびGST/Fas(321-335)(これはFasのC末端15アミノ酸を含む)に特 異的に結合した(図8;「インビトロ結合アッセイ」)。対照的に、このポリペ プチドは、保存領域のみを含むGST/Fas融合タンパク質、貫膜ドメインから始ま って保存領域の末端までのFasの領域、GST単独、2つの形態のTNFRのいずれか、 またはCD40には結合しなかった(示さず)。これらの結果は、上記のツーハイブ リッドアッセイの結果と相関し、そしてFasのC末端15アミノ酸が、FasとFAP(P TP-BASなど)との会合のために十分であり、そしてFAPがFasとは特異的に会合す るが、TNFRファミリーのその他のメンバーとは会合しないことを示す。 実施例III 4型PTP-BASおよび5a型PTP-BASの特徴付け この実施例は、ヒト4型PTP-BASおよびヒト5a型PTP-BASの特徴を記載する。 クローンpVP16-31およびクローンpVP16-41(上記参照)をハイブリダイゼーショ ンプローブとして使用し、λ gtll(Clontech)に調製したヒト胎児脳cDNAライブ ラリーおよびマウス肝臓cDNAライブラリーをスクリーニングした(実施例IVを参 照のこと)。ヒトcDNAライブラリーから、2種のクローンを得た(図7;HFAP10お よびHFAP20)。cDNAインサートを上記のように配列決定し、そしてアミノ酸配列 を推定した(図12および14を参照のこと)。これらのcDNA配列によりコードされる ポリペプチドを4型PTP-BASおよび5a型PTP-BASとそれぞれ命名した。 HFAP10は、1814ヌクレオチドインサート(図13;配列番号2)を含んでおり4型 PTP-BASの604アミノ酸(図12;配列番号1)をコードしていた。図11に示すように 、4型PTP-BASのアミノ酸配列は、1型PTP-BASのアミノ酸残基と比較するとアミ ノ酸1279-1883を含む。この4型PTP-BASのアミノ酸配列は、GLGF2、GLGF3および GLGF4を含む。さらに、4型PTP-BASは、5つのアミノ酸VLFDKインサートをGLGF2 中に含む。 HFAP20は、約1500のヌクレオチドインサート(この約600のヌクレオチドが、さ らに決定されなければならない)を含む(図15;配列番号4)。HFAP20のヌクレオ チド配列は、92個のアミノ酸のポリペプチドをコードしていた。HFPA20によりコ ードされたこのポリペプチドのN-末端68アミノ酸は、PTP-BASに対して相同であ り、このため、ポリペプチドを5a型PTP-BASと命名した(図14;配列番号3)。 図11に示されるように、5a型PTP-BASのアミノ酸配列は、PTP-BAS1型のアミノ 酸残基と比較すると、アミノ酸1377-1445を含み、そしてGLGF2(4型PTP-BASと同 様にGLGF2中に5つのアミノ酸VLFDKインサートを含む。5a型PTP-BASポリペプ チド中の残りの24個のC-末端アミノ酸は、タンパク質のPTP-BASファミリー(4型 PTP-BASを含む)の他のメンバーに対して相同ではない(図11参照)。重要なことに 、アミノ酸配列は、終止コドン、TGA、(図15中のヌクレオチド4408-4410)により 終止する。結果として、5a型PTP-BASは、触媒性ホスファターゼドメイン(図11 参照)を含まない。以下に記載するように、ヒト5a型PTP-BASは、触媒性ホスフ ァターゼドメインを含まない5型PTP-BASタンパク質のサブファミリーのメンバ ーである。 実施例IV マウス5b型PTP-BASの同定および特徴付け この実施例は、マウス5b型PTP-BASの同定および特徴付けを記載する。これ は、酵母のツーハイブリッドシステムを使用するPTP-BAS型タンパク質のサブフ ァミリーのメンバーである。 プラスミドpVP16-31およびpVP16-43からのcDNAインサートを用いて、λ gtll( Clontech)にクローン化したマウス肝臓cDNAライブラリーをスクリーニングした 。マウスFAP、MFAP23(図11)をコードするインサートを含むcDNAクローンを得た 。M FAP23の部分ヌクレオチド配列を図17(配列番号6)に、そして推定アミノ酸配列 を図16(配列番号5)に示す。 図11に示されるように、MFAP23にコードされたアミノ酸配列のN-末端は、ヒト 1型PTP-BASタンパク質中のアミノ酸残基1180から始まるPTP-BASのアミノ酸配列 と相同である。マウスPTP-BASは、GFLG2、GLGF3、GLGF4およびGLGF5反復を含む 。しかし、ヒト5a型PTP-BASと同様に、マウス5b型PTP-BASタンパク質は、そ のC-末端で分岐し、そして終止コドンにより終止する(図11、16および17を参照 のこと)。結果として、マウス5b型PTP-BASは、触媒性ホスファターゼドメイン を含まない。従って、マウスPTP-BASは、触媒性ホスファターゼドメインを含ま ないPTP-BAS5型タンパク質のサブファミリーの他のメンバーの例である。 実施例V PTP-BAS 発現はアポトーシスを還元する。 この実施例は、アポトーシスのレベルが細胞中のFAP発現と関連することを実 証する。A. 抗-Fas抗体−誘発アポトーシスに対する感受性が細胞における内因性PTP-BA S発現に関連する。 種々の腫瘍細胞株(SNG-M細胞、Jurket細胞、HepG2細胞、Raji細胞、RS11846細 胞、380細胞およびCos7細胞をPTP-BAS発現について試験し、そして抗-Fas抗体に 細胞を暴露させて誘発されたアポトーシスに対する細胞株の感受性を測定した。 細胞株の全て(Cos7細胞を除く)はFas抗原を発現したが、これは、抗-Fas抗体を 用いるフローサイトメトリック免疫蛍光アッセイにより、およびノーザンブロッ ト分析により決定した(図18を参照のこと)。Cos7細胞をFas cDNAを用いてトラン スフェクトし、Cos7-Fas細胞を得た。これは、Fas抗原(Oehmら、J .Biol.Chem. 267:10709-10715(1992)(本明細書中に参考として援用される)を発現した。 腫瘍細胞株におけるPTP-BAS mRNAの存在または不存在を、ノーザンブロット分 析により測定した。簡潔に記載すると、20μgの全RNAを各細胞株から単離し、電 気泳動により分離し、ナイロンフィルターへ移し、そして32P-標識HFAP10プロー ブ(実施例IIIを参照のこと)とハイブリダイズさせた。試験した腫瘍細胞株のう ちSNG-M、Jurkat、HepG2およびRaji細胞は、検出可能なPTP-BAS mRNAを有さなか ったが、これに対してRS11846、380およびCos7細胞は、PTP-BAS mRNAを発現した (図18)。 2×105細胞/mlを1μg/mlの抗-Fas抗体(CH11;MedicalおよびBiological labo ratories:Nagoya Japan)の存在下(+)または不存在下(-)、24時間培養し、そして 生存細胞数をトリパンブルー排除法により測定した。図18に示されるように、RS 11846細胞、380細胞およびCos7-Fas細胞(PTP-BAS mRNAを発現する)は抗-Fas抗体 により誘発されるアポトーシスに対して完全に抵抗性であった。対照的に、PTP- BAS mRNAを有さない細胞は抗-Fas抗体誘発アポトーシスに対して種々の程度で感 受性であった。これらの結果は、細胞中でPTP-BASを発現することにより、Fas- 誘発アポトーシスに対して細胞を相対的に抵抗性にすることを実証する。 B.細胞での外因性ヒト4型PTP-BASの発現がアポトーシスに対する抵抗性を与え 完全長ヒト4型PTP-BASタンパク質をコードするcDNAは、λ gtllの胎児脳cDNA ライブラリー(実施例IIIを参照のこと)から得られたDNAを用いた一連の4つの重 複するPCR反応により構築した。5'-および3'-隣接プライマーは、Not I部位を含 んでおり、これはG418耐性遺伝子(Invitrogen;San Diego CA)を含むpRc/CMV中の サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの下流のサブクローン化のために用い られた。内因性PTP-BASの検出可能なレベルを発現しないJurkat細胞(図18を参照 のこと)を、25μgのpRc/CMVまたはpRc/CMV-PTP-BAS4を用いてエレクトロボレー ションし、安定なトランスフェクタントがG418選択(0.8mg/ml)により得られ、そ して個々のクローンを制限希釈により単離した。 クローン化細胞の4型PTP-BASの相対レベルをノーザンブロット分析により測 定した(図19参照)。クローン化細胞を50ng/mlの抗-Fas抗体の存在下、または不 存在下において4時間、インキュベートし、次いで、TUNELアッセイを用いて分 析した。これは、アポトーシスの指標となるDNAフラグメンテーションを測定す る(Gorczycaら、Canc.Res.53:1945(1993)、これは本明細書に参考として援用さ れる)。図19に示されるように、抗-Fas抗体−誘発アポトーシスに対する相対的 な抵抗性は、クローン化細胞株において発現する4型PTP-BASの量に相関する。 さらに、より高いレベルの4型PTP-BASを発現するクローンは、コントロール細 胞と比較してより高い抗体の濃度に耐性であり、そしてより長期間、生存した( 示されず)。 C-末端短縮型4型PTP-BASタンパク質をコードするcDNAを、2225位の後に終止 コドンを導入することにより生成した。完全鎖または短縮型4型PTP-BASをコー ドするcDNAをpREP-9(インビトロゲン)にクローン化し、そしてJurkat細胞におい て発現させ、次いでトランスフェクト細胞を抗-Fas抗体誘発アポトーシスに対す る感受性について試験した。短縮型4型PTP-BASタンパク質(触媒性ドメインを有 さない)を発現するクローン化細胞はFas-誘発DNA分解から保護されなかった(示 されず)。これらの結果は、細胞中のFas-誘発アポトーシスのレベルが、細胞中 のPTP-BASの発現により調節され得、かつPTP-BASホスホターゼ活性がこの調節に 必要とされることを実証する。 本発明は、上記実施例を参照して記載されるが、本発明の精神から逸脱するこ となく種々の改変がなされ得ることが理解されるべきである。従って、本発明は 、以下の請求の範囲によってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 9/16 C12P 21/08 C12Q 1/04 C12N 5/00 B // C12P 21/08 A61K 37/02 (C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 9/16 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 サトー, タカアキ アメリカ合衆国 カリフォルニア 92122, サン ディエゴ,フローレ テラス ナ ンバー211 5240

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.実質的に精製された哺乳動物4型PTP−BAS。 2.前記哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の哺乳動物4型PTP−BA S。 3.図12のアミノ酸配列(配列番号1)を実質的に含む、請求項2に記載の ヒト4型PTP−BAS。 4.抗4型PTP−BAS抗体。 5.前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項4に記載の抗体。 6.請求項5に記載のモノクローナル抗体を産生する細胞株。 7.哺乳動物4型PTP−BASをコードする、実質的に精製された核酸分子 。 8.前記哺乳動物がヒトである、請求項7に記載の核酸分子。 9.図13のヌクレオチド配列(配列番号2)を実質的に含む、請求項8に記 載の核酸分子。 10.請求項7に記載の核酸分子を含むベクター。 11.請求項10に記載のベクターを含有する宿主細胞。 12.比較的ストリンジェントな条件下で、請求項7に記載の核酸分子とハイ ブリダイズする、少なくとも10個のヌクレオチドを含むヌクレオチド配列。 13.実質的に精製された哺乳動物5型PTP−BAS。 14.前記哺乳動物がヒトである、請求項13に記載の哺乳動物5型PTP− BAS。 15.図14に示されるヒト5a型PTP−BASのアミノ酸配列(配列番号 3)を実質的に含む、請求項14に記載のヒト5型PTP−BAS。 16.前記哺乳動物がマウスである、請求項13に記載の哺乳動物5型PTP −BAS。 17.図16に示されるマウス5b型PTP−BASのアミノ酸配列(配列番 号5)を実質的に含む、請求項16に記載の哺乳動物5型PTP−BAS。 18.抗5型PTP−BAS抗体。 19.ヒト5a型PTP−BASを結合し得る、請求項18に記載の抗体。 20.マウス5b型PTP−BASを結合し得る、請求項18に記載の抗体。 21.前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項18に記載の抗体。 22.請求項21に記載のモノクローナル抗体を産生する細胞株。 23.哺乳動物5型PTP−BASをコードする、実質的に精製された核酸分 子。 24.前記哺乳動物がヒトである、請求項23に記載の核酸分子。 25.図15に示される、ヒト5a型PTP−BASをコードするヌクレオチ ド配列(配列番号4)を実質的に含む、請求項24に記載の核酸分子。 26.前記哺乳動物がマウスである、請求項23に記載の核酸分子。 27.図17に示される、マウス5b型PTP−BASをコードするヌクレオ チド配列(配列番号6)を実質的に含む、請求項26に記載の核酸分子。 28.請求項20に記載の核酸分子を含むベクター。 29.請求項24に記載のベクターを含有する宿主細胞。 30.比較的ストリンジェントな条件下で、請求項23に記載の核酸分子にハ イブリダイズする、少なくとも10個のヌクレオチドを含むヌクレオチド配列。 31.Fas会合タンパク質(FAP)とFasとの会合を変化させるに有効 な薬剤を同定する方法であって、 a.該FAPおよび該Fasを、該FAPと該Fasとの会合を可能にする条 件下で、該FAPと該Fasとの会合を変化させ得ることが推測される薬剤と接 触させる工程;および b.該FAPと該Fasとの変化した会合を検出する工程であって、該変化し た会合が有効な薬剤を同定する、工程、 を包含する、方法。 32.前記変化した会合が、レポーター遺伝子の転写活性を測定することによ って検出される、請求項31に記載の方法。 33.前記接触工程がインビトロで行われる、請求項31に記載の方法。 34.前記接触工程がインビボで行われる、請求項31に記載の方法。 35.前記接触工程が哺乳動物細胞において行われる、請求項34に記載の方 法。 36.前記接触工程が酵母細胞において行われる、請求項34に記載の方法。 37.前記FAPがタンパク質チロシンホスファターゼ−BAS(PTP−B AS)である、請求項31に記載の方法。 38.前記FAPが78,000ダルトンのグルコースに調節されるタンパク 質(GRP78)である、請求項31に記載の方法。 39.前記有効な薬剤が薬物である、請求項31に記載の方法。 40.前記有効な薬剤がタンパク質である、請求項31に記載の方法。 41.前記タンパク質が、触媒活性を欠くPTP−BASである、請求項40 に記載の方法。 42.細胞におけるアポトーシスのレベルを調整する方法であって、 a.PTP−BASをコードする核酸分子を、該細胞に導入する工程;および b.該PTP−BASを該細胞において発現させる工程であって、該PTP− BASの発現が該細胞におけるアポトーシスを調整する、工程、 を包含する、方法。 43.前記PTP−BASが触媒活性を欠く、請求項42に記載の方法。 44.細胞におけるアポトーシスのレベルを調整する方法であって、 アンチセンスヌクレオチド配列を該細胞に導入する工程を包含し、ここで、該 アンチセンスヌクレオチド配列がPTP−BASをコードする核酸分子に特異的 にハイブリダイズし、該ハイブリダイゼーションが該細胞における該PTP−B ASの発現を減少させるかまたは阻害する、方法。 45.前記核酸がDNAである、請求項44に記載の方法。 46.前記核酸がRNAである、請求項44に記載の方法。 47.被験体におけるFAPのレベルの増加または減少によって特徴づけられ る病状を診断する方法であって、 a.該被験体から試験サンプルを得る工程; b.該試験サンプルを、該FAPを結合し得る試薬と、該試薬と該FAPとの 特異的な結合を可能にする適切な条件下で接触させる工程;および c.該試験サンプルにおける該特異的な結合の量を、コントロールサンプルに おける特異的な結合の量と比較する工程であって、該コントロールサンプルと比 較して該試験サンプルにおける該特異的結合の量の増加または減少を病状と診断 する、工程 を包含する、方法。 48.前記FAPがPTP−BASである、請求項47に記載の方法。 49.前記FAPがGRP78である、請求項47に記載の方法。 50.前記試薬が抗FAP抗体である、請求項47に記載の方法。 51.前記試薬がFasである、請求項47に記載の方法。 52.細胞におけるアポトーシスのレベルを調整する方法であって、 該細胞を、該細胞におけるFAPとFasとの会合を有効に変化させる薬剤と 接触させる工程を包含する、方法。 53.細胞におけるアポトーシスのレベルを調整する方法であって、 該細胞を、該細胞におけるFAPの活性を有効に変化させる薬剤と接触させる 工程を包含する、方法。 54.前記FAPの活性がPTP−BASの触媒活性である、請求項53に記 載の方法。
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