JPH10504291A - 自己乳化性ドラッグデリバリーシステム - Google Patents

自己乳化性ドラッグデリバリーシステム

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JPH10504291A
JPH10504291A JP8505746A JP50574696A JPH10504291A JP H10504291 A JPH10504291 A JP H10504291A JP 8505746 A JP8505746 A JP 8505746A JP 50574696 A JP50574696 A JP 50574696A JP H10504291 A JPH10504291 A JP H10504291A
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ディー. ゴクヘイル,ラジェーブ
ジェイ. グリフィン,マーチン
イー. トゥルーラブ,ジェームズ
シー. ストルゼンバッハ,ジェームズ
カリム,アジズ
ケイ. ロイ,アジト
Original Assignee
ジー.ディー.サール アンド カンパニー
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    • AHUMAN NECESSITIES
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    • A61K47/06Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
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    • A61K47/10Alcohols; Phenols; Salts thereof, e.g. glycerol; Polyethylene glycols [PEG]; Poloxamers; PEG/POE alkyl ethers

Abstract

(57)【要約】 水および油に実質的に不溶性の薬剤のバイオアベイラビリティを改良する、経口投与用薬剤処方が開示される。薬剤以外に、本処方は、乳化剤、油および可溶化剤を含有する。あるいは、本処方は、可溶化剤の水溶液を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】 自己乳化性ドラッグデリバリーシステム 発明の背景 あらゆる薬剤投与処方の主目的は、活性薬剤の必要濃度を作用部位に送達して 、目的の治療応答を誘発し、薬剤の有効濃度を充分な期間維持して、有効な治療 を行うことである。一般に経口投与が好ましいが、これはしばしば、薬剤の活性 型のバイオアベイラビリティ(bioavailability)(すなわち、薬剤の投与型か ら、活性型の薬剤が全身の循環血流に現れる速度と程度)に依存する。バイオア ベイラビリティは、薬剤の物理化学的性質(例えば、pKa、水溶性、脂溶性お よび安定性)や、その吸収、分布、代謝および排泄により、影響される。水に不 溶性の薬剤は一般に腸管腔から吸収されず、油に不溶性の薬剤は一般に、小腸細 胞膜を通過できず全身の血流に入ることができないことは、公知である(エス・ エィチ・ヤルコウスキー(S.H.Yalkowsky)、「薬科学の薬剤:薬剤の可溶化技 術」("DRUGS OF THE PHARMACEUTICAL SCIENCES: TECHNIQUES OF SOLUBILIZATIO N OF DRUGS")、マルセル・デッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、第12巻、 1981)。正しい処方によりバイオアベイラビリティを改良することができる 。 水溶性薬剤または脂溶性薬剤の経口投与処方は、よく知られている。脂溶性の 薬剤の経口投与処方には、典型的には油が水性エマルジョンを形成することが必 要である。このエマルジョンは胃内で形成(例えば、軟ゼラチンカプセル中の油 溶液)されるか、または投与の前に、乳化可能な濃縮物を水溶液と混合して調製 される。いずれの場合も、油は水性環境に放出されると、ただちに乳化する。高 級な乳化装置を用いることなく迅速に乳化する油は、自己乳化性油として知られ ている。自己乳化性油を用いる投与処方は、自己乳化性ドラッグデリバリーシス テムまたはSEEDSとして知られている(チャーマン(Charman)ら、Pha rm.Res.9:87−93,1992)。このような自己乳化性油は公知で あり、界面活性剤と組合せた炭化水素油(イランロイエとピルペル(Iranloye a nd Pilpel)、J.Pharm.Sci.73:1267−127 0,1984)、および非イオン性界面活性剤と組合せた植物油(ウェーカーリ ー(Wakerly)ら、J.Pharm.Pharmacol.39:増刊、6頁、 1987)がある。さらに最近では、脂肪酸とポリエチレングリコール鎖の長さ の異なるポリグリコール化グリセリドが、充分な脂溶性を有する疎水性薬剤のS EDDS処方で使用された(シャー(Shah)ら、Int.J.Pharm.10 6:15−23,1994)。 薬剤が水にも油にも実質的に不溶性の場合は問題が発生する。このような場合 、典型的には薬剤のバイオアベイラビリティが低く、古典的な経口投与処方では そのバイオアベイラビリティを実質的に改良することができない。 発明の簡単な説明 本発明は、水および油に実質的に不溶性の薬剤の経口投与処方に関する。この 処方は、水および油に実質的に不溶性の薬剤、乳化剤、油および可溶化剤を含む 。あるいは、この処方は、水および油に実質的に不溶性の薬剤と可溶化剤の水溶 液よりなる。 図面の簡単な説明 図1は、エリキシル剤絶食とSEDDS絶食の、血漿濃度一時間曲線を示す。 図2は、エリキシル剤絶食とSEDDS食物摂取の、血漿濃度一時間曲線を示 す。 図3は、IC50とIC90の薬剤血漿レベルとともに、SEDDS食物摂取の、 血漿濃度一時間曲線を示す。 図4は、エリキシル剤絶食とSEDDS食物摂取の、薬剤の定常状態の血漿濃 度一時間曲線のシミュレーションを示す。 発明の詳細な説明 本発明は、水および油に実質的に不溶性の薬剤の活性型の必要な濃度を、動物 またはヒトの全身循環血流に経口的に送達して目的の治療応答を誘発する手段を 提供する。本来治療に有用な薬剤も、水および油に実質的に不溶なため利用でき ないことが多い。この不溶性の問題は、典型的にはその薬剤のバイオアベイラビ リティがあっても低いことである。 群として、HIVプロテアーゼインヒビターは経口バイオアベイラビリティが 低く、血漿半減期が短い。従って、長時間その薬剤の充分な治療血中レベルを維 持することは困難である。驚くべきことに、本発明の投与処方において水および 油に不溶性の薬剤を可溶化剤で可溶化することにより、薬剤のバイオアベイラビ リティが実質的に増加する。例えば、式 を有する化合物N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カ ルボニル]−N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ− 1(S)−(フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニ ルカルボニル)アミノ]ブタンジアミドは、有効なプロテアーゼインヒビターで ある(1993年11月15日出願の米国特許出願第08/152,934号を 参照;参考のため本明細書に引用される)。これは、水への溶解度(約0.01 mg/ml)および油への溶解度(1mg/ml未満)が低いため、動物で測定 するとそのバイオアベイラビリティは低かった。投与処方で可溶化剤を利用する と、バイオアベイラビリティが約25〜50倍増加し、従ってHIV感染の治療 のための有効な薬剤としての可能性が出てきた。 本発明はまた、水および油に実質的に不溶性の他の薬剤だけでなく、水または 油に実質的に不溶性であるか、または水または油に可溶性の薬剤でも使用するこ とができる。このような薬剤には、以下のものがあるが、これらに限定されない :Ro31−8959(ロバーツ,エヌ・エー(Roberts,N.A.)ら、Scie nce 1990,248,358−361、およびDrugs of the Future 1991,16(3),210−212):サイクロスポリン :FK506(免疫調節物質);[1S−[1R*(R*),2S*]]−2−( アセチルアミノ)−N−[3−[[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カル ボニル](3−メチル−ブチル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(4 −フルオロフェニルメチル)プロピル]−3,3−ジメチル−ブタンアミド;[ 1S−[1R*(2S*,3R*),2S*]]−N1−[3−[[[(1,1−ジ メチルエチル)アミノ]カルボニル](3−メチルブチル)アミノ]−2−ヒド ロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]−2,3−ジメチル−ブタンジアミ ド;[1S−[1R*(R*),2S*]]−N−[3−[[[(1,1−ジメチ ルエチル)アミノ]カルボニル](3−メチルブチル)アミノ]−2−ヒドロキ シ−1−(フェニルメチル)プロピル]−2−メチル−3−(2−ヒドロキシ− 1−フェニルメチル)プロピル]−2−メチル−3−(2−フェニルエチルスル ホニル)−プロパンアミドおよびそのジアステレオ異性体;[1S−[1R*( S*),2S*]]−3−(4−メトキシベンジル−オキシカルボニル)−N−[ 3−[[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]3−メチルブチル )アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]−2−メチル −プロパンアミド;[1S−[1R*(R*),2S*]]−N−[3−[[[( 1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル](3−メチルブチル)アミノ] −2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]−2−メチル−3−(メ チルスルホニル)−プロパンアミドおよびそのジアステレオ異性体;[2R−ヒ ドロキシ−3−[N−(−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)−N−(2−メ チルプロピル)アミノ]−1S−(フェニルメチル)プロピル−カルバミン酸3 (S)−1,1−ジオキソテトラヒドロチオフェン−3−イル−エステル;[2 R−ヒドロキシ−3−[(4−メトキシフェニルスルホニル)(2−メチルプロ ピル)アミノ]−1S−(フェニルメチル)プロピル−カルバミン酸3(S)− 1,1−ジオキソテトラヒドロチオフェン−3−イル−エステル;N−[2R− ヒドロキシ−3−[[(4−メトキシフェニル)スルホニル](2−メチルプロ ピル)アミノ]−IS−(フェニルメチル)プロピル]−2,6−ジメチルベン ズアミド;N−[2R−ヒドロキシ−3−[[(4−メトキシフェニル)スルホ ニル](2−メチルプロピル)アミノ]−1S−(フェニルメチル)プロピル] −2−メチルベンズアミド;N−[2R−ヒドロキシ−3−[[(4−メトキシ フェニル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−1S−(フェニルメ チル)プロピル]−2,5−ジメチルベンズアミド;[1S −[1R*(S*),2S*]]−3−[[2−ヒドロキシ−3−[(3−メチル ブチル)(フェニルスルホニル)アミノ]−1−(フェニルメチル)プロピル] アミノ]−2−メチル−3−オキソプロピル]−カルバミン酸(4−メトキシフ ェニル)メチルエステル;N1−[2R−ヒドロキシ−3−[(3−メチルブチ ル)(フェニル−スルホニル)アミノ]N4−メチル−1S−(フェニルメチル )プロピル]−2S−[(2−キノリニルカルボニル)アミノ]ブタンジアミド ;[1S−[1R*(S*),2S*]]−n4−[2−ヒドロキシ−3−[(3 −メチルブチル)(フェニルスルホニル)アミノ]−1−(フェニルメチル)プ ロピル]−2,2,3−トリメチル−ブタンジアミド:[1S−[1R*(R*) ,2S*]]−N−[2−ヒドロキシ−3−[(3−メチルブチル)[(4−ア ミノフェニルスルホニル)アミノ]−1−(フェニルメチル)プロピル]−2− メチル−3−(メチルスルホニル)−プロパンアミド;および8−クロロジベン ズ[b,f][1,4]オキサザピン−10−(11H)−カルボン酸、2−[ 3−(エチルスルホニル)−1−オキソプロピル]ヒドラジド。 本発明は、投与量対溶解度比が約1000以上の薬剤に有用であり、投与量対 溶解度比が約10,000以上の薬剤にさらに有用である。例えば、N1−[3 −[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]−N2−(2− メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S)−(フェニルメチ ル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカルボニル)アミノ]ブ タンジアミドの投与量対溶解度比は、約7,500以上であると測定された。 本発明は、a)水および油に実質的に不溶性の薬剤;b)食用乳化剤;c)食 用油;およびd)食用可溶化剤よりなる、経口投与用薬剤組成物である。この薬 剤は、約0.1〜約17%(w/w)の濃度範囲、好ましくは約2〜約10%( w/w)の濃度範囲、さらに好ましくは約5〜約10%(w/w)の濃度範囲で あってよい。乳化剤は、約10〜約55%(w/w)の濃度範囲、好ましくは約 10〜約45%(w/w)の濃度範囲、さらに好ましくは約30〜約45%(w /w)の濃度範囲であってよい。油は、約10〜約50%(w/w)の濃度範囲 、好ましくは約10〜約45%(w/w)の濃度範囲、さらに好ましくは約25 〜約45%(w/w)の濃度範囲であってよい。可溶化剤は、約2〜約50 %(w/w)の濃度範囲、好ましくは約5〜約40%(w/w)の濃度範囲、さ らに好ましくは約10〜約35%(w/w)の濃度範囲であってよい。 あるいは、本発明は、a)水および油に実質的に不溶性の薬剤;b)食用可溶 化剤;およびc)水よりなる、経口薬剤組成物である。この薬剤は、約0.1〜 約17%(w/w)の濃度範囲、好ましくは約2〜約10%(w/w)の濃度範 囲であってよい。可溶化剤は、約40〜約90%(w/w)の濃度範囲、好まし くは約50〜約80%(w/w)の濃度範囲、さらに好ましくは約60〜約80 %(w/w)の濃度範囲であってよい。可溶化剤濃度は、しばしば薬剤の溶解性 と投与総量に依存する。 「食用乳化剤」とは、動物やヒトが消費しても大きな副作用や毒性反応のない 乳化剤である。本発明での使用に適した乳化剤には、脂肪酸のポリオキシエチレ ングリセロールエステル、例えば、タガト(Tagat)TO、タガト(Tagat)L、 タガト(tagat)12、タガト(Tagat)O(ゴールドシュミット・ケミカル社( Goldschmidt Chemical Co.)、エッセン(Essen)、ドイツ、から販売されてい る);エチレングリコールエステル、例えばステアリン酸グリコールおよびジス テアリン酸グリコール;プロピレングリコールエステル、例えばプロピレングリ コールミリステート;脂肪酸のグリセリルエステル、例えばステアリン酸グリセ リルおよびモノステアリン酸グリセリル;ソルビタンエステル、例えばスパンお よびツイーン;ポリグリセリルエステル、例えば4−オレイン酸ポリグリセリル ;脂肪アルコールエトキシレート、例えばブリジ(Brij)型乳化剤;エトキシ化 プロポキシ化ブロックコポリマー、例えばポロキサマー;脂肪酸のポリエチレン グリコールエステル、例えばラブラフィル(Labrafil)2125Cs、ラブラフ ィル(Labrafil)M1944CS、およびラブラソール(Labrasol);クレモフ ォア、例えばクレモフォアEおよびクレモフォアRH40P;モノカプリル酸/ カプリン酸グリセロール、例えばカンプムル(Campmul)CM10;などがある 。タガト(Tagat)TOが好ましい。 「食用油」とは、動物やヒトが消費しても大きな副作用や毒性反応のない油で ある。多くの食用油が本発明での使用に適しており、例えばネオビー(Neobee) 油(ステファン社(Stephan Co.)、イリノイ州、から販売されている)、ミグ リオール(Myglyol)誘導体(分画化ココナツ油)、大豆油、アーモンド油、オ リーブ油、ピーナツ油、約14〜約18個の炭素原子を有するグリセロールの他 の脂肪酸エステル、約8〜約10個の炭素原子を有する中鎖トリグリセリドなど がある。ネオビー(Neobee)油が最も好ましい。 「食用可溶化剤」とは、水および油に実質的に不溶性の薬剤を溶解させること ができ、動物やヒトが消費しても大きな副作用や毒性反応のない物質である。本 発明での使用に適した可溶化剤には、エタノール、tert−ブタノール、スイ ートペパーミント風味、オレンジ油風味、チェリー風味、ラスベリー風味、レモ ン油風味、オレイン酸、リノレン酸、プロピレングリコール、酪酸、プロピオン 酸、ラウリルアルコール、リモネン、ミリスチルアルコール、ポリエチレングリ コールなどがある。エタノールが好ましい。 「実質的に水に不溶性」とは、測定可能な水(pH7)での溶解度が好ましく は1%未満であり、さらに好ましくは0.1%未満であり、そしてさらに好まし くは0.01%未満であることを意味する。 「実質的に油に不溶性」とは、測定可能な油での溶解度が好ましくは1%未満 であり、さらに好ましくは0.1%未満であり、そしてさらに好ましくは0.0 1%未満であることを意味する。 典型的には本発明の処方は、前記の最終濃度範囲の薬剤、可溶化剤、乳化剤、 および油よりなる「乳化可能な濃縮物」を形成することにより調製される。乳化 可能な濃縮物は好ましくは、まず薬剤を可溶化剤に溶解して調製される。薬剤は 好ましくは、可溶化剤に充分溶解されるが、このためには激しい混合、攪拌また は加熱が必要である。この溶液は、乳化剤と組合せて均一な溶液を形成させる。 この混合物は次に、油と組合せて乳化可能な濃縮物を形成させる。 乳化可能な濃縮物は直接使用(例えば、エリキシル剤または軟ゼラチンカプセ ルとして)するか、または水溶液と組合せてから分散または使用する。好適な乳 化可能な濃縮物は水溶液中で自然にエマルジョンを形成するが、使用直前に水溶 液と一緒にして、長期間でエマルジョンが不安定になるのを最小にすることがで きる。ある処方の場合には、乳化可能な濃縮物を使用直前に水溶液と一緒にして 混合物がゲル化するのを避けることが必要な場合もある。例えば、タガト (Tagat)TO、ネオビー(Neobee)油、エタノールおよび水溶液の組成物は、 5℃を越えるとゲルを形成することが観察されている。水溶液は、水(例えば、 緩衝化した酸)、飲料(例えば、清涼飲料、牛乳など)、ジュース(例えば、オ レンジジュース、グレープジュース、アップルジュースなど)でもよい。好まし くは、水溶液は、約3〜約8.5の範囲のpHを有し、さらに好ましくは約5〜 約7.5の範囲のpHを有する。乳化可能な濃縮物と水溶液の好適な比(すなわ ち、油:水の比)は、約1:50〜約1:200の範囲である。 エマルジョン粒子の粒子サイズは、本発明の有効性に決定的に重要である。エ マルジョン粒子が小さいほど、総面積は大きくなり、全身循環血流中に吸収され る確率が高くなる。粒子サイズ分布は、当該分野で公知の動的光散乱法により容 易に決定できる。好ましくは平均エマルジョン粒子サイズは、直径約20nm〜 約25nmの範囲であり、さらに好ましくは直径約22nmである。 化合物N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニ ル]−N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S )−(フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカル ボニル)アミノ]ブタンジアミドについて、本発明の好適な処方は、約5%(w /w)の薬剤、約35%(w/w)のタガト(Tagat)TO、約25%(w/w )のネオビー(Neobee)油、および約35%(w/w)のエタノールである。 本発明の薬剤は単体の活性薬剤として投与できるが、同じ治療に有効な他の薬 剤と組合せて使用してもよい。本発明のこれらの追加の薬剤は、水溶性、脂溶性 、または水もしくは油に実質的に不溶性の薬剤の任意のものでよい。例えば、N1 −[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]−N2 −(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S)−(フェ ニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカルボニル)ア ミノ]ブタンジアミドは、単体の活性薬剤として投与してもよいし、レトロウイ ルス(例えば、HIV)に対して有効な他の抗ウイルス剤と組合せて使用しても よい。そのような化合物には、他のHIVプロテアーゼインヒビター、種々のヌ クレオシド類似体、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、tatアンタゴニ ストおよびグリコシダーゼインヒビターがある(1994年6月3日出願の米国 特許出願第08/253,638号を参照;参考のため本明細書に引用される) が、これらに限定されない。そのような他の抗ウイルス剤は、また本発明の処方 に添加してもよい。 HIVプロテアーゼインヒビターの例には、Ro31−8959(ロバーツ, エヌ・エー(Roberts,N.A.)ら、Science 1990,248,358 −361、およびDrugs of the Future 1991,16( 3),210−212)、KNI−272(カガヤマ,エス(Kagayama,S.)ら 、Antimicrobial Agents and Chemothera py 1993,810−817)、環状尿素シリーズ(ラム,ピー(Lam,P. )ら、「強力な非ペプチド性HIV−1プロテアーゼインヒビターの新規設計と 発見」("De Novo Design and Discovery of Potent,Nonpeptidal HIV-1 prote ase Inhibitors")、第205回アメリカ化学会全国ミーティング(American Ch emical Society National Meeting)の論文96、医学化学部門、デンバー、コ ロラド州、1993年3月28日〜4月2日)、L−735,524(ドーセイ ,ビー・ディー(Dorsey,B.D.)ら、「L−735,524:強力で経口的にバ イオアベイラビリティを有するHIVプロテアーゼインヒビターの合理的設計」 、第206回アメリカ化学会全国ミーティング(American Chemical Society Na tional Meeting)の論文6、医学化学部門、シカゴ、イリノイ州、1993年8 月22日〜27日)、およびこれらの類似体があるが、これらに限定されない。 グリコシダーゼインヒビターの例には、カスタノスペルミン、カスタノスペルミ ン6−ブチリルエステル、N−ブチル−1−デオキシジリマイシン、N−ブチル −1−デオキシジリマイシンペル−ブチリルエステル、およびこれらの類似体が あるが、これらに限定されない。 他の薬理学的に活性または不活性な化合物、賦形剤または添加剤を処方に加え て、薬剤の効力を向上させるか、または薬剤の副作用および/または毒性作用を 低下させるか、全身循環血流中の薬剤の活性型の持続時間を延長させるなどが可 能である。薬剤または処方の安定性を向上させるためにまた、抗酸化剤(BHA 、BHT、ビタミンE、パルミチン酸アスコルビルなど)のような追加の成分を 加えてもよい。さらに、患者または処方の他のユーザーの受け入れ易さやコンプ ラ イアンスを向上させるために、着色剤、香味剤(スイートペパーミント風味、オ レンジ油風味、チェリー風味、ラスベリー風味、レモン油風味など)、甘味剤( アスパルテーム、サッカリン、グルコース、ショ糖、デキストロースなど)など を加えてもよい。 さらに説明することなく、前述の記載に従って当業者は本発明を最大限に利用 できるであろう。従って、以下の好適な具体例は、単に例示のためであって、決 してその開示内容を限定するものではない。 例1 [1S−[1R*(R*),2S*]]−N1−[3−[[[(1,1−ジメチルエ チル)アミノ]カーボン](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ− 1−(フェニルメチル)プロピル]−2−[(2−キノリニルカルボニル)アミ ノ]−ブタンジアミドの調製 パートA: −2℃の807mlのメタノールと807mlのテトラヒドロフランの混合液 中の75.0g(0.226モル)のN−ベンジルオキシカルボニル−L−フェ ニルアラニンクロロメチルケトンの溶液に、13.17g(0.348モル、1 .54当量)の固体水素化ホウ素ナトリウムを100分かけて加えた。減圧下で 40℃で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(約、1リットル)に溶解した。この 溶液を、1Mの硫酸水素カリウム、飽和重炭酸ナトリウムで連続的に洗浄し、次 に飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下 で溶液を除去した。得られた油状物に、ヘキサン(約、1リットル)を加え、混 合液を回転しながら60℃に加熱した。室温に冷却後、固体を集め、2リットル のヘキサンで洗浄した。得られた固体を熱酢酸エチルとヘキサンから再結晶して 、32.3g(収率43%)のN−ベンジルオキシカルボニル−3(S)−アミ ノ−1−クロロ−4−フェニル-2(S)−ブタノールを得た。融点150〜1 51℃およびM+Li=340。 パートB: 室温の968mlの無水エタノール中の6.52g(0.116モル、1.2 当量)の水酸化カリウムの溶液に、32.3g(0.097モル)のN−CBZ −3(S)−アミノ−1−クロロ−4−フェニル-2(S)−ブタノール加えた 。15分間攪拌後、減圧下で溶媒を除去し、固体を塩化メチレンに溶解した。水 で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し溶媒を除去し、27.9gの白色 固体を得た。熱酢酸エチルとヘキサンから再結晶して、22.3g(収率77% )のN−ベンジルオキシカルボニル−3(S)−アミノ−1,2(S)−エポキ シ−4−フェニルブタンを得た。融点102〜103℃およびMH+298。 パートC: 10mlのイソプロピルアルコール中のN−ベンジルオキシカルボニル3(S )−アミノ−1,2−(S)−エポキシ−4−フェニルブタン(1.00g,3 .36ミリモル)とイソブチルアミン(4.90g,67.2ミリモル,20当 量)を、1.5時間加熱還流した。溶液を室温に冷却し、真空下で濃縮し、攪拌 中の100mlのヘキサンに注ぐと、溶液から生成物が析出した。生成物をろ過 して単離し空気乾燥して、1.18g、95%のN=[[3(S)−フェニルメ チルカルバモイル)アミノ−2(R)−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]N− [(2−メチルプロピル)アミンを得た。融点108.0〜109.5℃および MH+m/z=371。 パートD: 10mlのテトラヒドロフラン中の[2(R),3(S)]−N−[[3−( フェニルメチルカルバモイル)アミノ]−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル ]N−[(2−メチルプロピル)]アミンの溶液を、tert−ブチルイソシア ネー(267mg,2.70ミリモル)で室温で5分間処理した。真空下で溶媒 を除去し、酢酸エチルで置換した。酢酸エチル溶液を5%クエン酸、水および食 塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し真空下で濃縮して、1. 19g、97%の[2(R),3(S)]−N−[[3−(フェニルメチルカル バモイル)−アミノ]−2−ヒドロキシ−4−フェニル]−1−[(2−メチル プロピル)]アミノ−2−[1,1−ジメチル)アミノ]カルボニル]ブタンを 得た。MH+m/z−470。 パートE: 20mlのメタノール中の(1.00g,2.21ミリモル)[2(R),3 (S)]−N−[[3−(フェニルメチルカルバモイル)アミノ]−2−ヒドロ キシ−4−フェニル]−1−[(2−メチルプロピル)]アミノ−1−[1,1 −ジメチルエチル]アミノ]カルボニル]ブタンの溶液を、10%パラジウム担 持活性炭で、4時間水素化して、[2(R),3(S)]−N−[[3−(アミ ノ]−2−ヒドロキシ−4−フェニル]−1−[(2−メチルプロピル)]アミ ノ−1−(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]ブタン 720mg 、97%を得た。 パートF: 2mlのジメチルホルムアミド中のN−Cbz−L−アスパラギン(602m g,2.26ミリモル)とn−ヒドロキシベンゾトリアゾール(483mg,3 .32ミリモル)の溶液を、0℃に冷却し、EDC(473mg,2.47ミリ モル)で処理した。溶液を0℃で20分間攪拌し、次に1mlのジメチルホルム アミド中の[2(R),3(S)]−N−[[3−(アミノ]−2−ヒドロキシ −4−フェニル]−1−[(2−メチルプロピル)]アミノ−1−(1,1−ジ メチルエチル)アミノ]カルボニル]ブタン(720mg,2.15ミリモル) で処理した。溶液を室温に暖め、この温度で7時間維持した。次に反応混合物を 100mlの60%飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぐと、白色沈殿物が生成し 、これをろ過して単離した。フィルターケーキを水、5%クエン酸、水で洗浄し 、次に真空下で乾燥して、1.04g、83%の[1S−[1R*(R*),2S* ]]−N1[3−[[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]−カルボニル]( 2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロ ピル]−2−[(フェニルメチルカルバモイル)アミノ]−ブタンジアミドを得 た。融点164.0〜166.5℃、MH+m/z=584。 パートG: 10mlのメタノール中の[1S−[1R*(R*),2S*]]−N1[3−[ [[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル](2−メチルプロピル) アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]−2−[(フェ ニルメチルカルバモイル)−アミノ]−ブタンジアミド(1.00g,1.72 ミリモル)を、10%パラジウム担持活性炭で4時間水素化して、[1 S−[1R*(R*),2S*]]−N1[3−[[[(1,1−ジメチルエチル) アミノ]カルボニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1− (フェニルメチル)プロピル]−2−アミノ]−ブタンジアミド、784mg, 99%を得た。 パートH: 5mlのジクロロメタン中の[1S−[1R*(R*),2S*]]−N1[3− [[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル](2−メチルプロピル )アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]−2−アミノ ]−ブタンジアミド(748mg,1.70ミリモル)、2−キノリンカルボン 酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(459mg,1.70ミリモル)、 N−メチルモルホリン(343mg,3.40ミリモル)の混合物を、室温で1 5分間攪拌した。真空下で溶媒を除去し、酢酸エチルで置換し、溶液を5%クエ ン酸水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ウムで乾燥し、ろ過し真空下で濃縮した。粗生成物をアセトン/ヘキサンから再 結晶化して、790mg,77%の[1S−[1R*(R*),2S*]]−N1[ 3−[[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル](2−メチルプロ ピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]−2−ア ミノ]−ブタンジアミドを得た。融点107.0〜109.8℃、MH+=60 5。 例2 例1、パートEからの化合物の別の調製:N−[3S−アミノ−2R−ヒドロキ シ−4−フェニルブチル]−N1−[1,1−ジメチルエチル)−N−(2−メ チルプロピル)尿素 パートA:β−2−[ビス(フェニルメチル)アミノ]ベンゼンプロパノール 方法1: 工程1:水(500ml)中のL−フェニルアラニン(50.0g,0.302 モル)、水酸化ナトリウム(24.2g,0.605モル)および炭酸カリウム (83.6g,0.605モル)の溶液を、97℃に加熱した。次に臭化ベンジ ル(108.5ml,0.605モル)をゆっくり加えた(添加時間−25分) 。 混合物を窒素雰囲気下で97℃で30分間撹拌した。溶液を室温に冷却し、トル エンで抽出した(2×250ml)。一緒にした有機層を水と食塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し濃縮して油状物を得た。生成物は以下のよう に確認した。分析的TLC(10%酢酸エチル/ヘキサン、シリカゲル)は、R f値=0.32の大きな成分は目的のトリベンジル化化合物、N,N−ビス(フ ェニルメチル)−フェニルアラニンフェニルメチルエステルであることを示した 。この化合物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、15%酢酸エチル/ヘ キサン)により精製した。この生成物は普通充分純粋であり、精製することなく 次の工程に直接使用される。1H NMRスペクトルは、公表されている文献と 一致した。EIMS:m/z434(M−1)。 工程2:前工程の反応からのベンジル化フェニルアラニンフェニルメチルエステ ル(0.302モル)を、トルエン(750ml)に溶解し、−55℃に冷却し た。トルエン(443.9ml,0.666モル)中1.5MのDIABL溶液 を、−55〜−50℃の温度を維持できる速度で加えた(添加時間−1時間)。 混合液を窒素雰囲気下で20分間攪拌し、次にメタノール(37ml)をゆっく り加えて−55℃で反応を停止させた。冷溶液を、次に冷(5℃)1.5N H Cl溶液(1.8リットル)に注いだ。沈殿した固体(約138g)をろ過し、 トルエンで洗浄した。固体物質を、トルエン(400ml)と水(100ml) の混合液中に懸濁した。この混合液を5℃に冷却し、2.5NのNaOH(18 6ml)で処理し、次に固形分が溶解するまで室温で攪拌した。トルエン層を水 層から分離し、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮 して75mlとした(89g)。酢酸エチル(25ml)とヘキサン(25ml )を残渣に加えると、目的のアルコール生成物が析出し始めた。30分後、さら に50mlのヘキサンを加えて結晶化を促進した。固体をろ過し、50mlのヘ キサンで洗浄し、最初の生成物34.9gを得た。第2の生成物(5.6)を、 母液を再ろ過して単離した。2つの生成物を一緒にして、酢酸エチル(20ml )とヘキサン(30ml)から再結晶化して、50gのβS−2−[ビス(フェ ニルメチル)アミノ]ベンゼンプロパノールを得た(L−フェニルアラニンから の収率は40%)。さらに7g(7%)の生成物が、濃縮した母液の再結晶化に よ り得られる。生成物のTLC Rf=0.23(10%酢酸エチル/ヘキサン、 シリカゲル);[a]D 25=42.4(c 1.45,塩化メチレン);DSC 77.67℃;C2325ONの元素分析理論値:C,83.34;H,7.60 ;N,4.23、実測値:C,83.43;H,7.59;N,4.22。キラ ル固定相のHPLC:サイクロボンド(Cyclobond)I SPカラム(250× 4.6mm内径)、移動相:メタノール/トリエチル酢酸アンモニウム緩衝液p H4.2(58:42,v/v)、流速0.5ml/分、230nmと0℃の温 度で検出器で検出。保持時間:11.25分、目的の鏡像異性体の保持時間:1 2.5分。 方法2: L−フェニルアラニノール(176.6g,1.168モル)を、710ml の水中の炭酸カリウム(484.6g,3.506モル)の攪拌溶液に加えた。 混合液を窒素雰囲気下で65℃に加熱した。3Aエタノール(305ml)中の 臭化ベンジル(400g,2.339モル)の溶液を、60〜68℃の温度を維 持できる速度で加えた。この2相系の溶液を65℃で55分間攪拌し、次に激し く攪拌して、10℃に冷却した。油状生成物が、小さな顆粒に固化した。生成物 を2.0リットルの水道水で希釈し、5分間攪拌して、生成物の無機物を溶解し た。減圧下で生成物をろ過して単離して、pHが7になるまで水で洗浄した。得 られた粗生成物を一晩空気乾燥して、半乾燥の固体(407g)を得て、これを 1.1リットルの酢酸エチル/ヘキサン(1:10容量比)から再結晶化した。 生成物をろ過(−8℃で)して、1.6リットルの冷(−10℃)酢酸エチル/ ヘキサン(1:10容量比)で洗浄して、空気乾燥して339g(収率88%) のβS−2−[ビス(フェニルメチル)アミノ]ベンゼン−プロパノールを得た 。融点71.5〜73.0℃。必要な場合は母液からさらに多くの生成物を得る ことができる。他の分析的特徴は、パートA、方法2に記載の化合物と同じであ った。 パートB:aS−[ビス(フェニルメチル)アミノ]ベンゼンプロパンアルデヒ ド方法1: β−2−[ビス(フェニルメチル)アミノ]ベンゼン−プロパノール(200 g,0.604モル)をトリエチルアミン(300ml,2.15モル)に溶解 した。混合液を12℃に冷却し、DMSO(1.6リットル)中の三酸化イオウ /ピリジン複合体(380g,2.39モル)の溶液を、8〜17℃の温度を維 持できる速度で加えた(添加時間−1.0時間)。溶液を窒素雰囲気下で周囲温 度で1.5時間攪拌すると、TLC解析(33%酢酸エチル/ヘキサン、シリカ ゲル)では反応が完了した。反応混合物を氷水で冷却し、1.6リットルの冷水 (10〜15℃)で45分間かけて反応を停止させた。得られた溶液を酢酸エチ ル(2.0リットル)で抽出し、5%クエン酸(2.0リットル)、および食塩 水(2.2リットル)で洗浄し、硫酸マグネシウム(280g)で乾燥し、ろ過 した。ロータリーエバポレーターで35〜40℃で溶媒を除去し、次に真空下で 乾燥して、198.8gのaS−[ビス(フェニルメチル)アミノ]−ベンゼン プロパンアルデヒドを淡黄色の油状物として得た(99.9%)。得られた粗生 成物は充分純粋であり、精製することなく次の工程に直接使用した。この化合物 の分析データは、公表されている文献と一致した。[a]D 25=−92.9°( c 1.87,塩化メチレン);HRMS(M+1)C2323NOの理論値 3 30.450、実測値:330.1836。C2323NOの元素分析理論値:C ,83.86:H,7.04;N,4.25、実測値:C,83.64;H,7 .42;N,4.19。キラル固定相のHPLC:(S<S)パークルーウェル ク(Pirkle-Whelk)−O1カラム(250×4.6mm内径)、移動相:ヘキサ ン/イソプロパノール(99.5:0.5,v/v)、流速:1.5ml/分、 210nmで紫外線検出器で検出。目的のS−異性体の保持時間:8.75分、 R−鏡像異性体の保持時間:10.62分。 方法2: ジクロロメタン(240ml)中の塩化オキサリル(8.4ml,0.096 モル)の溶液を、−74℃に冷却した。ジクロロメタン(50ml)中のDMS O(12.0ml,0.155モル)の溶液を、−74℃の温度を維持できる速 度でゆっくり加えた(添加時間約1.25時間)。混合液を5分間攪拌し、10 0mlのジクロロメタン中のβS−2−[ビス(フェニルメチル)アミノ]ベン ゼン−プロパノール(0.74モル)を加えた(添加時間−20分、温度−75 ℃〜−68℃)。窒素雰囲気下で溶液を−78℃で35分間攪拌した。次にトリ エチルアミン(41.2ml,0.295モル)を10分間かけて加える(温度 −78℃〜68℃)と、アンモニウム塩が沈殿した。冷混合液を30分間攪拌し 、次に水(225ml)を加えた。ジクロロメタン層を水層から分離し、水、食 塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過して濃縮した。残渣を酢酸エチ ルとヘキサンで希釈し、次にろ過してアンモニウム塩をさらに除去した。濾液を 濃縮して、aS−[ビス(フェニルメチル)アミノ]ベンゼンプロパンアルデヒ ドを得た。アルデヒドを、精製することなく次の工程に移した。 方法3: 1.0g(3.0ミリモル)のβS−2−[ビス(フェニルメチル)アミノ] ベンゼンプロパノール、0.531g(4.53ミリモル)のN−メチルモルホ リン、2.27gのモレキュラーシーブ(4A)および9.1mlのアセトニト リルの混合液に、53mg(0.15ミリモル)の過塩素酸テトラプロピルアン モニウム(TRAP)を加えた。混合液を室温で40分間攪拌し、減圧下で濃縮 した。残渣を15mlの酢酸エチルに懸濁し、シリカゲルのパッドでろ過した。 濾液を減圧下で濃縮して、約50%のaS−[ビス(フェニルメチル)アミノ] ベンゼンプロパンアルデヒドを含有する生成物を淡黄色の油状物として得た。 方法4: 9.0mlのトルエン中の1.0g(3.02ミリモル)のβS−2−[ビス (フェニルメチル)アミノ]ベンゼンプロパノールの溶液に、4.69mg(0 .03ミリモル)の2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、 フリーラジカル(TEMPO)、0.32g(3.11ミリモル)の臭化ナトリ ウム、9.0mlの酢酸エチルおよび1.5mlの水を加えた。混合液を0℃に 冷却し、0.735g(8.75ミリモル)の重炭酸ナトリウムを含有する5% 家庭用漂白剤の水溶液2.87mlと8.53mlの水をゆっくり25分間かけ て加えた。混合液を0℃で60分間攪拌した。漂白剤をさらに2回(各1.44 ml)加えて、10分間攪拌した。2層混合液を分離させた。水層を20mlの 酢酸エチルで2回抽出した。一緒にした有機層を、25mgのヨウ化ナトリウム と水(4.0ml)を含有する溶液4.0ml、20mlの10%チオ硫酸ナト リウム水溶液、そして次に食塩水で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾 燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、目的の生成物アルデヒド、aS−[ビス(フ ェニルメチル)アミノ]ベンゼンプロパンアルデヒドを少量含有する粗油状物1 .34gを得た。 方法5: パートB、方法1と同じ方法(ただし、3.0当量の三酸化イオウ/ピリジン 複合体を使用した)を用いて、aS−[ビス(フェニルメチル)アミノ]ベンゼ ンプロパンアルデヒドを同等の収率で得た。 パートC:N,NaS−トリス(フェニルメチル)−2S−オキシランメタンア ミン 方法1: テトラヒドロフラン(1.8リットル)中のaS−[ビス(フェニルメチル) アミノ]ベンゼンプロパンアルデヒド(191.7g,0.58モル)とクロロ ヨードメタン(56.4ml,0.77モル)の溶液を、ステンレスの反応容器 中で窒素雰囲気下で−30〜−35℃に冷却した(−70℃のようなより低い温 度でもうまく進むが、大規模な操作では、より高い温度の方が容易である)。次 にヘキサン(1.6M,365ml,0.58モル)中のn−ブチルリチウムの 溶液を、−25℃以下の温度が維持できる速度で加えた。添加後、混合液を−3 0〜−35℃で10分間攪拌した。以下の方法で試薬をさらに加えた:(1)追 加のクロロヨードメタン(17ml)を加えて、次に<−25℃でn−ブチルリ チウム(110ml)を加えた。添加後、混合液を−30〜−35℃で10分間 攪拌した。これを1回繰り返した。(2)追加のクロロヨードメタン(8.5m l,0.11モル)を加えて、次に<−25℃でn−ブチルリチウム(55ml ,0.088モル)を加えた。添加後、混合液を−30〜−35℃で10分間攪 拌した。これを5回繰り返した。(3)追加のクロロヨードメタン(8.5ml ,0.11モル)を加えて、次に<−25℃でn−ブチルリチウム(37ml, 0.059モル)を加えた。添加後、混合液を−30〜−35℃で10分間攪拌 した。これを1回繰り返した。外部冷却を停止し、混合液を4〜16時間かけて 周囲温度に暖めると、TLC(シリカゲル、20%酢酸エチル/ヘキサ ン)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を10℃に冷却し、温度を2 3℃以下に維持して1452gの16%の塩化アンモニウム溶液(1220ml の水に232gの塩化アンモニウムを溶解して調製した)で反応を停止させた。 混合液を10分間攪拌し、有機層と水層を分離させた。水層を酢酸エチル(2× 500ml)で抽出した。酢酸エチル層をテトラヒドロフラン層と一緒にした。 一緒にした溶液を硫酸マグネシウム(220g)で乾燥し、ろ過し、ロータリー エバポレーターで65℃で濃縮した。褐色の油状物残渣を真空下(0.8バール )で70℃で1時間乾燥して、222.8gの粗物質を得た。(粗生成物重量は 100%であった。生成物のシリカゲル上での不安定さのために、粗生成物は普 通精製することなく次の工程に使用される)。粗混合物のジアステレオ異性体の 比をプロトンNMRで測定した:(2S)/(2R):86.14。この混合物 中の少ないエポキシドジアステレオ異性体と主要なエポキシドジアステレオ異性 体を、tlc分析(シリカゲル、10%酢酸エチル/ヘキサン)で性状解析した 、それぞれ、Rf=0.29と0.32。各ジアステレオ異性体の分析試料は、 精製して得て、以下のように性状解析した:N,N,aS−トリス(フェニルメ チル)−2S−オキシランメタンアミン、HRMS C2226NO(M+1)の 理論値344.477、実測値344.2003:およびN,N,aS−トリス (フェニルメチル)−2R−オキシランメタンアミン、キラル固定層のHPLC :パークルーウェルク(Pirkle-Whelk)−01カラム(250×4.6mm内径 )、移動相:ヘキサン/イソプロパノール(99.5:0.5,v/v)、流速 :1.5ml/分、210nmで紫外線検出器で検出。(8)の保持時間:9. 38分、(4)の鏡像異性体の保持時間:13.75分。 方法2: テトラヒドロフラン(285ml)中の粗アルデヒド0.074モルとクロロ ヨードメタン(7.0ml,0.096モル)の溶液を、窒素雰囲気下で−78 ℃に冷却した。次にヘキサン(25ml,0.040モル)中のn−ブチルリチ ウムの1.6M溶液を、−75℃の温度が維持できる速度で加えた(添加時間− 15分)。最初の添加後、追加のクロロヨードメタン(1.6ml,0.022 モル)を再度加えて、次に−75℃の温度を維持して、n−ブチルリチウム(2 3ml,0.037モル)を加えた。混合液を15分間攪拌した。クロロヨード メタン(0.70ml,0.010モル)とn−ブチルリチウム(5ml,0. 008ml)の各試薬を、−75℃で45分間かけてさらに4回加えた。冷却浴 を除去し、溶液を1.5時間かけて22℃に暖めた。混合物を300mlの飽和 塩化アンモニウム水溶液中に注いだ。テトラヒドロフラン層を分離した。水層を 酢酸エチル(1×300ml)で抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し 、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して褐色の油状物を得た(27.4 g)。生成物は精製することなく次の工程に使用できた。次の工程で目的のジア ステレオ異性体を再結晶化して精製した。生成物はまた、クロマトグラフィーで 精製できた。 方法3: テトラヒドロフラン(1.8リットル)中のaS−[ビス(フェニルメチル) アミノ]ベンゼンプロパンアルデヒド(178.84g,0.54モル)とブロ モクロロメタン(46ml,0.71モル)の溶液を、ステンレスの反応容器中 で窒素雰囲気下で−30〜−35℃に冷却した(−70℃のようなより低い温度 でもうまく進むが、大規模な操作では、より高い温度の法が容易である)。次に ヘキサン(1.6M,340ml,0.54モル)中のn−ブチルリチウムの溶 液を、−25℃以下の温度が維持できる速度で加えた。添加後、混合液を−30 〜−35℃で10分間攪拌した。以下の方法で試薬をさらに加えた:(1)追加 のブロモクロロメタン(14ml)を加えて、次に<−25℃でn−ブチルリチ ウム(102ml)を加えた。添加後、混合液を−30〜−35℃で10分間攪 拌した。これを1回繰り返した。(2)追加のブロモクロロメタン(7ml,0 .11モル)を加えて、次に<−25℃でn−ブチルリチウム(51ml,0. 082モル)を加えた。添加後、混合液を−30〜−35℃で10分間攪拌した 。これを5回繰り返した。(3)追加のブロモクロロメタン(7ml,0.11 モル)を加えて、次に<−25℃でn−ブチルリチウム(51ml,0.082 モル)を加えた。添加後、混合液を−30〜−35℃で10分間攪拌した。これ を1回繰り返した。外部冷却を停止し、混合液を4〜16時間かけて周囲温度に 暖めると、TLC(シリカゲル、20%酢酸エチル/ヘキサン)は、反応が完了 し たことを示した。反応混合物を10℃に冷却し、温度を23℃以下に維持して1 452gの16%の塩化アンモニウム溶液(1220mlの水に232gの塩化 アンモニウムを溶解して調製した)で反応を停止させた。混合液を10分間撹拌 し、有機層と水層を分離させた。水層を酢酸エチル(2×500ml)で抽出し た。酢酸エチル層をテトラヒドロフラン層と一緒にした。一緒にした溶液を硫酸 マグネシウム(220g)で乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレーターで65 ℃で濃縮した。褐色の油状物残渣を真空下(0.8バール)で70℃で1時間乾 燥して、222.8gの粗物質を得た。 方法4: パートC、方法3と同じ方法を用いたが、反応温度は−20℃であった。得ら れたN,N,aS−トリス(フェニルメチル)−2S−オキシランメタンアミン は、方法3の混合物より純度の低いジアステレオ異性体混合物であった。 方法5: パートC、方法3と同じ方法を用いたが、反応温度は−70〜−75℃であっ た。得られたN,N,aS−トリス(フェニルメチル)−2S−オキシランメタ ンアミンは、ジアステレオ異性体混合物であり、これは精製することなく直接次 の工程に使用した。 方法6: パートC、方法3と同じ方法を用いたが、ブロモクロロメタンとn−ブチルリ チウムの連続的添加は、−30〜−35℃で行なった。方法3のように反応と処 理を行なった後、目的のN,N,aS−トリス(フェニルメチル)−2S−オキ シランメタンアミンを、同等の収率と純度で得た。 方法7: パートC、方法2と同じ方法を用いたが、クロロヨードメタンの代わりにジブ ロモメタンを使用した。方法2に記載のように反応と処理を行なった後、目的の N,N,aS−トリス(フェニルメチル)−2S−オキシランメタンアミンを得 た。 パートD:3S−[N,N−ビス(フェニルメチル)アミノ]−1−(2−メチ ルプロピル)アミノ−4−フェニルブタン−2R−オール イソプロパノール(2.7リットル)(または酢酸エチル)中のパートCから の粗N,N,aS−トリス(フェニルメチル)−2S−オキシランメタンアミン (388.5g,1.13モル)の溶液に、イソブチルアミン(1.7kgm, 23.1モル)を2分間かけて加えた。温度は25℃から30℃に上昇した。溶 液を82℃に加熱し、この温度で1.5時間攪拌した。この暖かい溶液を減圧下 で65℃で濃縮した。褐色油状物残渣を3リットルのフラスコに移し、真空(0 .8mmHg)下で16時間乾燥して、450gの3S−[N,N−ビス(フェ ニルメチル)アミノ]−1−(2−メチルプロピル)アミノ−4−フェニルブタ ン−2R−オールを粗油状物として得た。生成物は精製することなく直接次の工 程に使用した。目的の主要なジアステレオ異性体生成物の分析試料は、粗生成物 の少量の試料をシリカゲルクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン) で精製して得た。TLC分析:シリカゲル、40%酢酸エチル/ヘキサン;Rf =0.28;HPCL分析:ウルトラスフェア(utrasphere)ODSカラム、2 5%トリエチルアミノ−/リン酸緩衝液pH3/アセトニトリル、流速:1ml /分、紫外線検出器;保持時間:7.49分;HRMS C28H37N20( =1)の理論値 417.616、実測値 417.2887。少ない粗生成物 の分析試料をシリカゲルクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン)で 精製して、少ないジアステレオ異性体生成物3S−[N,N−ビス(フェニルメ チル)アミノ]−1−(2−メチルプロピル)アミノ−4−フェニルブタン−2 S−オールの少量の分析試料を得た。 パートE:N−[3S−[N,N−ビス(フェニルメチル)アミノ]−2R−ヒ ドロキシ−4−フェニルブチル]−N’−(1,1,−ジメチルエチル)−N− (2−メチルプロピル)尿素 テトラヒドロフラン(6リットル)(または酢酸エチル)中の例4からの粗3 S−[N,N−ビス(フェニルメチル)アミノ]−1−(2−メチルプロピル) アミノ−4−フェニルブタン−2R−オール(446.0g,1.1モル)の溶 液を8℃に冷却した。次にアミンの溶液に滴下ロートでt−ブチルイソシアネー ト(109.5g,1.1モル)を、10〜12℃の温度を維持する速度で加え た(添加時間は約10分間であった)。外部冷却を停止し、30分後反応物を1 8℃に暖めた。溶液を直接反応槽から、真空を用いてテフロンチューブを介して ロータリーエバポレーターフラスコ(10リットル)に移し、次に濃縮した。溶 媒の蒸留に必要な2時間の間、50℃の水浴中でフラスコを加熱した。褐色残渣 を酢酸エチル(3リットル)に溶解し、5%クエン酸水溶液(1×1.2リット ル)、水(2×500ml)、食塩水(1×400ml)で洗浄し、硫酸マグネ シウム(200g)で乾燥し、ろ過した。ロータリーエバポレーター上に50℃ で2時間かけて、生成物溶液の容量を671mlに減少させた。濃縮物を攪拌し 、1.6リットルのヘキサンで希釈した。混合物を12℃に冷却し、15時間撹 拌した。生成物結晶をろ過して単離し、10%酢酸エチル/ヘキサン(1×50 0ml)、ヘキサン(1×200ml)で洗浄し、真空(2mm)下で50℃で 1時間乾燥して、248gのN−[3S−[N,N−ビス(フェニルメチル)ア ミノ]−2R−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−N’−(1,1,−ジメチ ルエチル)−N−(2−メチルプロピル)−尿素を得た。母液と洗浄液を一緒に して、ロータリーエバポレーターで濃縮して270gの褐色の油状物を得た。こ の物質を酢酸エチル(140ml)に50℃で溶解し、ヘキサン(280ml) で希釈して、第1の生成物の結晶(20mg)を接種した。氷浴中で混合物を冷 却し、1時間撹拌した。ろ過して固体を単離し、10%酢酸エチル/ヘキサン( 1×200ml)で洗浄し、真空(2mm)下で50℃で1時間乾燥して、55 .7gの生成物を第2の生成物として得た(全体の収率49%、融点126℃; [a]D25=−59.0℃(c=1.0,CH2C112)、TLC:Rf0 .31(シリカゲル、25%酢酸エチル/ヘキサン)。 パートF:N−[2S−アミノ−2R−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−N ’−(1,1−ジメチルエチル)−N−(2−メチルプロピル)尿素 N−[3S−[N,N−ビス(フェニルメチル)アミノ]−2R−ヒドロキシ −4−フェニルブチル]−N’−(1,1,−ジメチルエチル)−N−(2−メ チルプロピル)尿素(125.77g,0.244モル)をエタノール(1.5 リットル)(またはメタノール)に溶解し、溶液に窒素下で20%水酸化パラジ ウム担持活性炭(18.87g)(または4$パラジウム担持活性炭)を加えた 。混合物を周囲温度で水素雰囲気下で60psiで約8時間攪拌した。触媒をろ 過 して除去し、濾液を濃縮して、85gのN−[3S−アミノ−2R−ヒドロキシ −4−フェニルブチル]−N’−(1,1,−ジメチルエチル)−N−(2−メ チルプロピル)尿素を無色の油状物として得た。 例2の方法のさらなる説明は、1993年11月23日出願の米国特許出願第 08/156,498号(参考のため本明細書に引用される)に記載されている 。 例3 乳化可能な濃縮物の調製と性状解析 N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]− N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S)−( フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカルボニル )アミノ]ブタンジアミド(0.5g,5%w/w)を、無水エタノール(3. 5g,35%w/w)に15分間浸漬して、清澄な溶液が得られるまで静かに攪 拌して溶解した。この溶液にタガト(Tagat)TO(3.5g,35%w/w) を加えて、混合物を静かに攪拌して清澄な溶液とした。ネオビー(Neobee)M5 油(2.5g,25%w/w)を混合物に加えて、静かに攪拌して、乳化可能な 濃縮物の清澄なわずかに粘性の溶液を得た。基本的に同じ比率の他の成分を用い て同じ方法により、薬剤の対応する2.5%w/wの乳化可能な濃縮物も調製し た。35%w/wエタノール、40%w/wタガト(Tagat)TOおよび10% w/wネオビー(Neobee)油中で同じ方法により、薬剤の対応する15%w/w の乳化可能な濃縮物も調製した。タガト(Tagat)TO濃度が46%w/wに増 加した時、薬剤の約2%w/wの乳化可能な濃縮物のエタノール濃度を、2%w /wに低下させてもよい。ネオビー(Neobee)油は46%w/wに、プロピレン グリコールは4%w/wの濃度に加えた。 例4 例3の乳化可能な濃縮物を、0.1Nの塩酸(pHl)のpH5の水(蒸留水 )と混合すると、混濁溶液が生成した。乳化可能な濃縮物:水の比1:50、1 :100、および1:200で、レーザー光学粒子サイズ決定法による動的光分 散法(ブルークハーベン・ラボス(Brookhaven Labs)デジタルコレーターとレ キサル(Lexal)アルゴンイオンレーザー)を用いて、直径20〜25nmの範 囲 内までエマルジョン粒子の大部分を測定した。1:50比の混合物の一部を1: 200に希釈して、さらに測定を行なった。乳化可能な濃縮物/水エマルジョン は、5℃で少なくとも4時間安定であった。乳化可能な濃縮物:水の比1:8で は、約10分間で混合物からゲルが生成した。さらに1:8混合物を0.1N塩 酸で迅速に希釈すると、微小エマルジョンが生成し、これは周囲温度で少なくと も1時間安定であった。例3からの薬剤の対応する2.5%w/wの乳化可能な 濃縮物のエマルジョンも調製し、水で希釈すると微小エマルジョンが生成するこ とが見いだされた。 表1−3は、例3の乳化可能な濃縮物を、水(pH5)、0.1N塩酸(pH 1)および水中の部分的にゲル化したエマルジョンの可溶性画分と、前述のよう に1:50の比率で混合して、5℃で1週間放置した後に得られた、典型的な粒 子サイズの分布(PSD)を示す。可溶性画分は、混合物を微量遠心分離機で2 分間遠心分離して清澄な溶液を産生させて得た。可溶性画分の水による希釈液か ら、22nmのピーク直径と52nmの平均直径を有する小さな粒子が得られた (形が不明瞭な大きな直径のものも含む)。0.1Nの塩酸中の希釈液から、ピ ーク直径が25nmと86nmで、平均直径が61nmの二峰性の粒子サイズ分 布が得られた。 例5 N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]− N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S)−( フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカルボニル )アミノ]ブタンジアミドは、おそらく水と油への低い溶解度のために、通常の 処方ではバイオアベイラビリティは<1%であった。ツイーン80、メチルセル ロースおよび水中の懸濁液としてラットに投与すると、バイオアベイラビリティ は約1%であった。薬剤の結晶をトロストマイクロナイザー装置(Trost Micron izer Apparatus)中で微粉にして、カプセルに入れてイヌに投与(10および1 00mg/kg)しても、検出可能な血漿濃度は観察されなかった(例7を参照 )。 例6 エリキシル剤の調製と性状解析 N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]− N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S)−( フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカルボニル )アミノ]ブタンジアミド(18.75g)を、96%エタノール(117.5 ml)に10分間浸漬し、次に清澄な溶液が得られるまで混合して溶解した。こ の溶液に、ペパーミント風味(15ml)を加えて、混合物を静かに攪拌して清 澄な溶液とした。水(37.5ml)を混合物に加えて、静かに混合して、エリ キシル剤の清澄な溶液が得られた。エリキシル剤を遮光して室温で保存し、通常 21日以後は使用しなかった。 例7 イヌとラットへの経口投与 イヌ:N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル ]−N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S) −(フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカルボ ニル)アミノ]ブタンジアミドを、非ランダム化交差計画で4匹のメスのビーグ ル犬に一連の処方で投与した:(1)エリキシル剤(10mg/kg)(例6) ; (2)PVP共沈殿物(0Omg/kg/)(以下のように調製した:ポリビニ ルピロリドン(PVP)と薬剤(比率2.2w/w)をエタノールに溶解し、次 に真空下で溶媒を除去した;得られた固体をすりつぶして微粉末にし、カプセル に入れた);(3)薬剤の微粉化結晶(10および100mg/kg)(例5) ;(4)SEDDS I(20mg/kg/)(例3の方法に従って調製した薬 剤(5%w/w)、ミグリオール(Myglyol)(35%w/w)、エタノール( 15%w/w)およびラブラフィル(labrafil)CS2125(45%w/w) よりなる乳化可能な濃縮物を、例3の方法に従って1:10の比率で水と混合し た);および(5)SEDDS II(20mg/kg)(例3の乳化可能な濃縮 物を1:10の比率で水と混合した)。イヌに絶食させた状態で、各処方剤を投 与した。イヌにはまた、エリキシル剤とSEDDS I処方剤を高脂肪食ととも に与えた。各投与後、0.25、0.5、1、1.5、2、3、5および7時間 目に、イヌから血液試料を採取した。遠心分離して血漿を得て、分析のための試 料を凍結して保存した。 血漿から固相抽出により薬剤を抽出し、抽出物をHPLCで分析した。薬剤の 血漿濃度を測定し、各投与型について、血漿濃度時間曲線下の面積(AUC)、 ピーク血漿濃度(Cmax)、およびピーク濃度に達する時間(Tmax)を計算した 。データを表4に要約した。 投与量10および100mg/kgの微粉化型の薬剤の投与後に、イヌで薬剤 濃度は検出できなかった。データは、PVP共沈殿物の投与後に薬剤は全身的に 利用可能であるが、濃度は非常に低い(100ng/ml未満)ことを示してい る。アルコールエリキシル剤、または2つのSEDDS処方のいずれかの投与に より、ピーク血漿濃度とAUCは共沈殿物より高くなった。さらに、エリキシル 剤を食物とともに投与すると、薬剤の血漿濃度は、絶食してエリキシル剤を与え る場合より低くなった。しかし、SEDDSビヒクルについては、食物は薬剤の バイオアベイラビリティを上昇させた。 ラット:N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニ ル]−N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S )−(フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカル ボニル)アミノ]ブタンジアミドを、ポリエチレングリコール400、プロピレ ングリコール、エタノールおよびツイーン80(PPE−ツイーン)を含有する ビヒクル、またはSEDDS II処方中で経口投与した。3匹のラットに各投与 ビヒクルで投与した。投与後0.25、0.5、1.0、2.0、4.0、6. 0hr目に血漿試料を得た。薬剤の血漿濃度は、イヌで前記したように測定し、同 じ薬物動力学的パラメータを求めた。結果を表5に示す。データは、この実験で はPPE−ツイーンビヒクルより、SEDDS II処方が最大の薬剤血漿濃度 を与えることを示している。 例8 N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]− N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S)−( フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカルボニル )アミノ]ブタンジアミドの単回経口投与量(500mg)を:(1)各処理( エリキシル剤絶食)の前に一晩約10時間絶食した被験者にエリキシル剤(例6 )として;(2)各処理(SEDDS絶食)の前に一晩約10時間絶食した被験 者に、アップルジュース中の1:10の比率で混合した前述のように混合した乳 化可能な濃縮物(例3)として:(3)高脂肪食の朝食の直後(SEDDS食物 摂取)に被験者に、アップルジュース中の1:10の比率で前述のように混合し た乳化可能な濃縮物(例3)として、ヒト被験者に投与した。18名の被験者( HIV陽性無症候性者)に、ランダム化、バランス化交差試験で3回の処理を行 なった。図1は、エリキシル剤絶食とSEDDS絶食の、薬剤の血漿濃度一時間 曲線を示す。図2は、エリキシル剤絶食とSEDDS食物摂取の、薬剤の血漿濃 度−時間曲線を示す。エリキシル剤と比べると、絶食してSEDDSを投与され た場合のバイオアベイラビリティは、調節放出特性を示さなかった(図1)。し かし、SEDDSを食物ともに投与すると、バイオアベイラビリティが向上(エ リキシル剤に比較して約90%)したばかりでなく、非常に好ましい調製放出プ ロフィールが得られた(図2)。Cmaxにおける平均血漿レベルは、IC50 (10ng/ml)のほとんど50倍であり、以後8時間の投与間隔の間IC50 より高かった。また、平均濃度は、単回投与後ほとんど5時間はIC90(100 ng/ml)より高かった。シミュレーションした定常状態血漿濃度一時間曲線 (図4)は、エリキシル剤と比較してSEDDS食物摂取の血漿レベルは、長時 間にわたってIC90より高かった(影を付けた水平の棒)。 前述の説明は本発明を例示するためのものであり、決して本発明を開示された 化合物に限定するものではない。当業者に明らかな応用や変更は、請求の範囲に より規定する本発明の範囲と精神内にあると考えられる。 前述の説明より、当業者は本発明の基本的な特徴を容易に確認することができ 、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、種々の変更や修飾を加えて、種々の 用途や条件に適応するようにできる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年7月3日 【補正内容】 請求の範囲 1.a)水での溶解度が0.1%(part per thousand)未満で実質的に水に 不溶性であり、油での溶解度が1%(part per hunderd)未満で実質的に油に不 溶性である、0.1〜17%(w/w)の範囲の濃度の薬剤、 b)10〜55%(w/w)の範囲の濃度の食用乳化剤、 c)10〜50%(w/w)の範囲の濃度の食用油;および d)2〜50%(w/w)の範囲の濃度の、プロピレングリコールとポリエチレ ングリコール以外の食用可溶化剤、よりなる経口投与用薬剤組成物。 2.請求の範囲第1項に記載の組成物であって、 a)薬剤は、2〜10%(w/w)の範囲の濃度であり、 b)乳化剤は、10〜45%(w/w)の範囲の濃度であり、 c)油は、10〜45%(w/w)の範囲の濃度であり、そして d)可溶化剤は、5〜40%(w/w)の範囲の濃度である、上記組成物。 3.請求の範囲第2項に記載の組成物であって、 a)薬剤は、5〜10%(w/w)の範囲の濃度であり、 b)乳化剤は、30〜45%(w/w)の範囲の濃度であり、 c)油は、25〜45%(w/w)の範囲の濃度であり、そして d)可溶化剤は、10〜35%(w/w)の範囲の濃度である、上記組成物。 4.請求の範囲第1項に記載の組成物であって、 a)薬剤は、N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カル ボニル]−N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1 (S)−(フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニル カルボニル)アミノ]ブタンジアミドであり、 b)乳化剤は、脂肪酸のポリオキシエチレングリセロールエステル、エチレング リコールエステル、プロピレングリコールエステル、プロピレングリコールエス テル、脂肪酸のグリセリルエステル、ソルビタンエステル、ポリグリセリルエス テル、脂肪アルコールエトキシレート、エトキシ化プロポキシ化ブロックコポリ マー、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、クレモフォア、およびモノカ プリル酸/カプリン酸グリセリルよりなる群から選択され、 c)油は、ネオビー(Neobee)油、ミグリオール誘導体、大豆油、アーモンド油 、オリーブ油、ピーナツ油、および約8〜約10個の炭素原子を有する中鎖トリ グリセリドよりなる群から選択され、そして d)可溶化剤は、エタノール、スイートペパーミント風味、オレンジ油風味、チ ェリー風味、ラスベリー風味、レモン油風味、オレイン酸、リノレン酸、プロピ レングリコール、酪酸、プロピオン酸、ラウリルアルコール、リモネン、および ミリスチルアルコールよりなる群から選択される、上記組成物。 5.a)乳化剤はタガト(Tagat)TOであり、 b)油はネオビー(Neobee)油であり、そして c)可溶化剤はエタノールである、請求の範囲第4項に記載の組成物。 6.請求の範囲第5項に記載の組成物であって、 a)N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル] −N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S)− (フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカルボニ ル)アミノ]ブタンジアミドは、5%(w/w)の濃度であり、 b)タガト(Tagat)TOは、35%(w/w)の濃度であり、 c)ネオビー(Neobee)油は、25%(w/w)の濃度であり、そして d)エタノールは、35%(w/w)の濃度である、上記組成物。 7.水溶性、脂溶性、または水および油に実質的に不溶性である第2の薬剤を さらに含む、請求の範囲第1項に記載の組成物。 8.薬剤は酵素インヒビターである、請求の範囲第7項に記載の組成物。 9.3〜8.5の範囲のpHを有する水溶液をさらに含む、請求の範囲第1項 に記載の組成物。 10.水溶液は、5〜7.5の範囲のpHを有する、請求の範囲第9項に記載 の組成物。 11.油:水の比は、1:5〜1:1000の範囲である、請求の範囲第9項 に記載の組成物。 12.油:水の比は、1:50〜1:200の範囲である、請求の範囲第11 項に記載の組成物。 13.請求の範囲第1項に記載の組成物を、1〜8の範囲のpHを有する水溶 液と、油:水の比を1:5〜1:1000の範囲で組合せることよりなる、薬剤 組成物の製造方法。 14.水溶液は5〜7.5の範囲のpHを有し、油:水の比は1:50〜1: 200の範囲である、請求の範囲第13項に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,US,UZ,VN (72)発明者 グリフィン,マーチン ジェイ. アメリカ合衆国 60077 イリノイ州スコ ーキー,クレイン 4821 (72)発明者 トゥルーラブ,ジェームズ イー. アメリカ合衆国 60048 イリノイ州リバ ティービル,リージェンシー レーン 1006 (72)発明者 ストルゼンバッハ,ジェームズ シー. アメリカ合衆国 60089 イリノイ州バッ ファロー グローブ,スタントン ドライ ブ 278 (72)発明者 カリム,アジズ アメリカ合衆国 60077 イリノイ州スコ ーキー,グリーンリーフ 5225 (72)発明者 ロイ,アジト ケイ. アメリカ合衆国 60025 イリノイ州グレ ンビュー,ロンドメドウ ドライブ 1124

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a)水および油に実質的に不溶性の薬剤、 b)食用乳化剤、 c)食用油;および d)食用可溶化剤、よりなる経口投与用薬剤組成物。 2.請求の範囲第1項に記載の組成物であって、 a)薬剤は、約0.1〜約17%(w/w)の範囲の濃度であり、 b)乳化剤は、約10〜約55%(w/w)の範囲の濃度であり、 c)油は、約10〜約50%(w/w)の範囲の濃度であり、そして d)可溶化剤は、約2〜約50%(w/w)の範囲の濃度である、上記組成物。 3.請求の範囲第2項に記載の組成物であって、 a)薬剤は、約2〜約10%(w/w)の範囲の濃度であり、 b)乳化剤は、約10〜約45%(w/w)の範囲の濃度であり、 c)油は、約10〜約45%(w/w)の範囲の濃度であり、そして d)可溶化剤は、約5〜約40%(w/w)の範囲の濃度である、上記組成物。 4.請求の範囲第3項に記載の組成物であって、 a)薬剤は、約5〜約10%(w/w)の範囲の濃度であり、 b)乳化剤は、約30〜約45%(w/w)の範囲の濃度であり、 c)油は、約25〜約45%(w/w)の範囲の濃度であり、そして d)可溶化剤は、約10〜約35%(w/w)の範囲の濃度である、上記組成物 。 5.請求の範囲第1項に記載の組成物であって、 a)薬剤は、N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カル ボニル]−N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1 (S)−(フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニル カルボニル)アミノ]ブタンジアミドであり、 b)乳化剤は、脂肪酸のポリオキシエチレングリセロールエステル、エチレング リコールエステル、プロピレングリコールエステル、プロピレングリコールエス テル、脂肪酸のグリセリルエステル、ソルビタンエステル、ポリグリセリルエス テル、脂肪アルコールエトキシレート、エトキシ化プロポキシ化ブロックコポリ マー、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、クレモフォア、およびモノカ プリル酸/カプリン酸グリセリルよりなる群から選択され、 c)油は、ネオビー(Neobee)油、ミグリオール誘導体、大豆油、アーモンド油 、オリーブ油、ピーナツ油、および約8〜約10個の炭素原子を有する中鎖トリ グリセリドよりなる群から選択され、そして d)可溶化剤は、エタノール、スイートペパーミント風味、オレンジ油風味、チ ェリー風味、ラスベリー風味、レモン油風味、オレイン酸、リノレン酸、プロピ レングリコール、酪酸、プロピオン酸、ラウリルアルコール、リモネン、ミリス チルアルコール、およびポリエチレングリコールよりなる群から選択される、上 記組成物。 6.a)乳化剤はタガト(Tagat)TOであり、 b)油はネオビー(Neobee)油であり、そして c)可溶化剤はエタノールである、請求の範囲第5項に記載の組成物。 7.請求の範囲第6項に記載の組成物であって、 a)N1−[3−[N2−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル] −N2−(2−メチルプロピル)アミノ]−2(R)−ヒドロキシ−1(S)− (フェニルメチル)プロピル]−2(S)−[N3−(2−キノリニルカルボニ ル)アミノ]ブタンジアミドは、約5%(w/w)の濃度であり、 b)タガト(Tagat)TOは、約35%(w/w)の濃度であり、 c)ネオビー(Neobee)油は、約25%(w/w)の濃度であり、そして d)エタノールは、約35%(w/w)の濃度である、上記組成物。 8.水溶性、脂溶性、または水および油に実質的に不溶性である第2の薬剤を さらに含む、請求の範囲第1項に記載の組成物。 9.薬剤は酵素インヒビターである、請求の範囲第8項に記載の組成物。 10.約3〜約8.5の範囲のpHを有する水溶液をさらに含む、請求の範囲 第1項に記載の組成物。 11.水溶液は、約5〜約7.5の範囲のpHを有する、請求の範囲第10項 に記載の組成物。 12.油:水の比は、約1:5〜約1:1000の範囲である、請求の範囲第 10項に記載の組成物。 13.油:水の比は、約1:50〜約1:200の範囲である、請求の範囲第 12項に記載の組成物。 14.請求の範囲第1項に記載の組成物を、約1〜約8の範囲のpHを有する 水溶液と、油:水の比を約1:5〜約1:1000の範囲で組合せることよりな る、薬剤組成物の製造方法。 15.水溶液は約5〜約7.5の範囲のpHを有し、油:水の比は約1:50 〜約1:200の範囲である、請求の範囲第14項に記載の方法。 16.水および油に実質的に不溶性の薬剤、および可溶化剤の水溶液から、基 本的に構成される経口投与用薬剤組成物。 17.薬剤は、約0.1(w/w)〜約17%(w/w)の範囲の濃度であり 、可溶化剤は約40〜約90%(w/w)の範囲の濃度である、請求の範囲第1 6項に記載の組成物。 18.薬剤は、約2%(w/w)〜約10%(w/w)の範囲の濃度であり、 可溶化剤は約50〜約80%(w/w)の範囲の濃度である、請求の範囲第17 項に記載の組成物。 19.薬剤は、約2%(w/w)〜約10%(w/w)の範囲の濃度であり、 可溶化剤は約60〜約80%(w/w)の範囲の濃度である、請求の範囲第18 項に記載の組成物。 20.可溶化剤はエタノールである、請求の範囲第16項に記載の組成物。
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