JPH10504034A - 小胞製剤 - Google Patents

小胞製剤

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JPH10504034A JP8507102A JP50710295A JPH10504034A JP H10504034 A JPH10504034 A JP H10504034A JP 8507102 A JP8507102 A JP 8507102A JP 50710295 A JP50710295 A JP 50710295A JP H10504034 A JPH10504034 A JP H10504034A
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クリスティン カーター,キャサリン
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Abstract

(57)【要約】 水性ビヒクル及びこの水性ビヒクルの中に懸濁された小胞を含んで成り、薬理活性剤がこの小胞及びこの水性ビヒクルの双方の中に位置している製剤、かかる製剤の利用、並びにそれによる処置方法。

Description

【発明の詳細な説明】 小胞製剤 発明の分野 本発明は水性担体の中に懸濁された小胞の中に存在する薬理活性剤を含んで成 る水性製剤(特に注射用製剤)を提供する。この製剤は、寄生体感染内臓リーシ ュマニア症の処置のための活性剤として五価のアンチモンを特に、しかしながら 排他的にではなく、含む。 背景 内臓リーシュマニア症の処置のために現在使用されている第一線の薬剤は五価 のアンチモン化合物、例えばナトリウムスチボグルコネート及びメグルミンアン チモネートである。これらの薬剤はその極性的な性質に基づき、経口ルートによ っては不活性であり、そして非経口ルートによる投与に従うと迅速な腎性排泄を 受け、多数の回数の投与療法が必要となる。内臓リーシュマニア症が風土病とな っており、そして多大な率にまで達しているスーダンの如き僻地では、かかる療 法の同意は得にくい。かかるアンチモン薬剤の小胞製剤の開発はその効能を高め 、投与回数及び投与量の双方を軽減せしめる。 小胞製剤の構成成分は小胞特性(例えば安定性、サイズ、電荷)、それ故その 薬剤担体系としての安定性に影響を及ぼし、そして意図する用途に応じてのその 製剤の要件は薬剤特異的となりうる。内臓リーシュマニア症のネズミモデルを利 用した我々の従来の研究において、我々は小胞サイズが重要であることを示し、 その理由は脾臓の如き深遠部位からのリーシュマニア寄生体の排除が小型の薬剤 装填小胞の利用を必要とするからにある。これらの部位からの寄生体の不完全な 除去は再発をもたらし、そしておそらくはアンチモン治療後に報告される再発率 の2〜8%を占める。 潜在的な治療的用途、例えば薬剤デリバリー(Ozerら、1991)及び免疫アジュ バント(Brewer and Alexander,1993)用途を有する小胞を形成するのに様々な 非イオン界面活性剤が利用されうる。我々はスチボグルコネート装填非イオン界 面活性小胞が、実験系内臓リーシュマニア症の処置を向上させるのに、薬剤装填 リポソームと同等に有効であることを既に実証している(Carterら、1989 a,b) 。 本発明の目的は向上した効能のかかる小胞製剤の提供にある。本発明のかかる 及びその他の目的は以下の説明及び実施例から明らかとなるであろう。 発明の記述 広く述べると、本発明は向上した治療効能が小胞自体及び水性担体ビヒクルの 双方中の活性剤の提供により達成されうるという発見に関与する。 即ち、本発明は: −水性ビヒクル; −この水性ビヒクルの中に懸濁された小胞;並びに −この小胞及びこの水性ビヒクルの双方内において含まれる薬理活性剤; を含んで成る製剤を提供する。 詳細な説明 小胞相及び水性液体相の双方の中での薬理活性剤の存在はその効 能を高める。水性ビヒクル中の活性剤の濃度は小胞中のその濃度と同一、高い、 又は低くてもよい。便宜上、この活性剤を含む水性ビヒクルは一般に活性剤を小 胞の中に装填するのに利用するものであり、ここではかかる方法を小胞の中に活 性剤を導入するために利用する。 原理的には、この小胞は当業界において公知であり、且つ活性剤をデリバリー するのに適する任意の方法で形成されうる。例えば、「ホモジナイゼーション」 法又は「凍結乾燥」法のいづれかを利用して形成でき、双方の方法は当業界にお いて公知である。ホモジナイゼーション法において、所望のモル比における脂質 材料の必要たる量は以下の方法のいづれかにおいて処理されうる:乾燥粉末(即 ち、脂質材料)を封入用活性剤の溶液により所望の温度(0〜150 ℃の範囲)で 水和し、そして必要たる速度で所望の小胞特性が得られるのに必要な時間にわた ってホモジナイズする。他方、脂質材料は必要たる温度での必要たる溶液による 水和の前に加熱(例えば40〜150 ℃の温度範囲)により溶融させてよい。次いで この懸濁物を、所望の特性を有する小胞ができるのに必要たる速度及び必要たる 時間ホモジナイズすることができる。 ナトリウムスチボグルコネート小胞懸濁物は小胞構成成分を例えば 135℃で加 熱することによって上記に概略した方法を利用して生成できうる。次いで、溶融 脂質を5mlの予備加熱したナトリウムスチボグルコネート溶液による水和の前に 例えば70℃にまで冷却してよい。小胞サイズの縮小は、サンプルを一定の時間間 隔、特定の時間で、例えば70℃で15分間において、Silversonミキサー(密封ユ ニット)又はUltra-turrac(モデルT25)(ホモジナイザー装置)で例えば 800 0rpmで運転させてホモジナイズすることにより達成できる。 凍結乾燥法において、凍結乾燥調製品は以下の方法のいづれかで製造できる: 所望のモル比の必要量の小胞構成成分を有機溶媒(例えばt−ブチルアルコー ル)に溶かし、次いで例えば多孔質膜(例えば0.2mm)で濾過することができる 。次いで界面活性溶液を凍結し、そして有機溶媒の完全な除去に必要な時間凍結 乾燥させることができる。次いで得られる凍結乾燥生成物を封入すべき活性剤溶 液で水和し、そして小胞懸濁物ができるのに必要な温度で振盪させることができ る。他方、小胞懸濁物を上記のホモジナイゼーションプロセスにより作り、多孔 質膜(例えば0.2mm)で濾過し、次いで凍結乾燥させて水性溶媒を除去してよい 。得られる凍結乾燥生成物を必要たる溶液で水和し、そして小胞懸濁物ができる のに必要な温度において振盪させることができる。 小胞は好ましくはステロール、例えばコレステロール又はエルゴステロールと 、界面活性剤とより形成する。もし非イオン界面活性剤を使用するなら、小胞の 凝集を避けるために小胞製剤の中に脂肪酸の如き帯電物質を含ませることが一般 に必要とされる。適当な帯電物質にはジセチルホスフェート、ステアリン酸及び パルミチン酸が含まれる。 非イオン界面活性剤を使用することが極めて有利でありうる。これはモノ−、 ジ−、トリ−又はポリ(10に至るまで)グリセロールモノ−又はジ−脂肪酸エス テル(例えばC10−C20脂肪酸エステル)、例えばトリグリセロールモノステア レートであるか;又は例えば親水性頭部領域と疎水性尾部領域とを担うC10−C20 の直鎖もしくは枝分れアルキル鎖をもつ1〜10のオキシエチレン成分を好適に 含んで成るポリオキシエチレンエーテルであってよい。 非イオン界面活性剤、コレステロール及びジセチルホスフェート 又は脂肪酸を含んで成る小胞製剤はそれぞれ3〜5:1〜4:0〜4のモル比で 存在していてよい。 好適な小胞製剤は非イオン界面活性剤、コレステロール、及びジアセチルホス フェート又はステアリン酸もしくはパルミチン酸より選ばれる脂肪酸を含んで成 り、そしてこれらは好都合にはそれぞれ3〜5:2〜4:0〜3のモル比におい て存在する。 本明細書に記載の通りにして決定された小胞の直径は 100〜2500nmの範囲にあ ることがこの度見い出され、それ故1000nmより有意に大きくてもよい。好ましく は、小胞の直径は 100〜1000nmの範囲、そしてより好ましくは 200〜600nm の範 囲に属する。800nmを超える直径の小胞が有効であることが驚くべきことに発見 された。かかる小胞製剤は肝臓、脾臓及び骨髄の感染症に対して極めて有効であ り、そしてこれは活性剤の優先的なターゲッティングを可能にする。 活性剤は小胞懸濁物中で効率的にデリバリーされうる原理的に任意の剤であっ てよい。特定の剤には、ナトリウムスチボグルコネート、メグルミンアンチモネ ート、ペンタミジン、抗生物質、例えばアミノグリコシド(例えばパロモマイシ ン)及びアンホテリシンBが含まれる。親水性活性剤は一般に水性ビヒクル中で 可溶性であり、一方親油性のものは一般に小胞二重層の中に存在しているであろ う。小胞相中の活性成分の濃度は一般に0.01〜10重量/重量%である。 製剤は一般に小胞成分の混合物を形成することにより調製する。通常はこれら を一緒に溶融し、次いで冷却することによる。小胞懸濁物を作るため、活性成分 含有水性液体を溶融小胞製剤に加え(例えば70〜100 ℃の温度で)、次いで強力 撹拌してよい。小胞懸濁物を多孔質膜を介して押し出し、粒径を変えることがで きうる。この 製剤はできたまま使用するか、又は水性相中の活性剤の濃度を適宜変えてよい。 本発明の更なる観点において、病気の処置、特に内臓リーシュマニア症の処置 のための医薬の製造における本発明に係る製剤の利用を提供する。当然、当業者 は本発明の更なる観点において、哺乳動物、特にヒトに対する本発明に係る製剤 を投与することを含んで成る病気、特に内臓リーシュマニア症の処置の方法が提 供されることを認識しているであろう。 図1:L.ドノバニL .donovani)感染マウスの脾臓、肝臓及び骨髄寄生体負 荷に対する界面活性剤V,VII,VIII又はIX V/Dスチボグルコネート懸濁物 (全用量/マウス: 17.2mg SbV/kg)による処置の効果。 図2:L.ドノバニL .donovani)感染マウスの脾臓、肝臓及び骨髄寄生体負 荷に対する界面活性剤V,VII,VIIIもしくはIX V/Dスチボグルコネート懸 濁物(全用量/マウス: 88.8mg SbV/kg)、スチボグルコネート溶液(全用量 /マウス: 88.8mg SbV/kg)又はPBS(コントロール)による処置の効果。 図3:L.ドノバニ感染マウスの脾臓、肝臓及び骨髄寄生体負荷に対する界面活 性剤IX V/Dスチボグルコネート懸濁物(全用量/マウス:17.8,44.4又は88 .8mg SbV/kg)又はPBS(コントロール)による処置の効果。 図4:L.ドノバニ感染マウスの脾臓、肝臓及び骨髄寄生体負荷に対する遊離薬 剤(スチボグルコネート)溶液(全用量/マウス:17.8,44.4又は 88.8mg SbV /kg)又はPBS(コントロール)による処置の効果。 本発明の態様を例示的にこれより説明する。実施例 第1章 材料 0.32mgのSbV/mgに相当するナトリウムスチボグルコネート(ペントスタム) を The Wellcome Foundation,UKより入手した。以下の化学的に規定される界面 活性剤をこの研究において利用した:Bladgen Chemicals Ltd.,UKより購入した 界面活性剤V(トリグリセロールモノステアレート)及び界面活性剤VI(ヘキサ グリセロールジステアレート);Chesham Chemicals Ltd.,UKより購入した界面 活性剤VII(ジエチレングリコールモノn−ヘキサデシルエーテル)、界面活性 剤VIII(テトラエチレングリコールモノn−ヘキサデシルエーテル)及び界面活 性剤IX(ヘキサエチレングリコールモノn−ヘキサデシルエーテル)。アンチモ ン標準品、トリパンブルー、ジセチルホスフェート及び無灰コレステロールは S igmaから入手し、そしてブルーデキストランT-2000は Pharmacia Biosystems Lt d.,UKより入手した。その他の試薬は全て分析級のものとした。小胞サイズの縮 小は押出機(Lipex Biomembranes Inc.)を用い、ポリカーボネート膜(Nucleop ore)を通すことにより実施した。小胞懸濁物をMalvern Zetasizer 4(Malvern I nstruments Ltd.,UK)を用い、製造者の仕様書に従う光子相関スペクトル測定に よりサイズ選別した。 動物及び寄生体 歳及び性を合わせた生後8〜10週目の純系雄又は雌Balb/cマウスを研究全体 を通じて使用した。リーシュマニア・ドノバニ(株MHOM/ET/67:LV82)を純系 ゴールデン・シリアン(Golden Syrian)ハムスター(Mesocricetus Auratus,C arterら、1989)に一連の継代により維持させた。マウスを1〜2×107のリーシ ュマニア・ドノバニ体の静脈内注射(尾静脈、麻酔なし)により感染させた(Ca rterら、1988に記載)。寄生体投与日を実験0日目と表示した。 小胞形成 ストック状の小胞溶融物をまず界面活性剤、コレステロール及びジアセチルホ スフェートを5:4:1のモル比で混合し、その混合物を 150℃で5分加熱し、 次いで冷却することにより調製した。150μlの固形化ストック小胞溶融物を沸 騰浴槽の中で溶けるまで加熱し、次いで5mlの0.5%w/vのトリパンブルー溶 液(色素小胞)、リン酸緩衝食塩水(PBS pH 7.4)又は 300mMのD−グルコース (「空」小胞)により70℃ですばやく水和させた。水和を70℃で2時間強力に撹 拌し続けた。一部の小胞懸濁物を孔径 200nmのポリカーボネート膜を通じて10回 押出し、次いでジャケット付き(70℃)押出機を用いた孔径50nmの2枚の膜を通 じて押出して小胞の直径を変えた。一部の実験において、遊離薬剤又は遊離トリ パンブルーを18×2.6cm のSephadex G50カラムを用い、溶出剤として PBS又は T es/ヒスチジン/食塩水(THSバッファー、pH 7.4)により小胞懸濁物から除去 した。TesはN−トリス〔ヒドロキシメチル〕メチル−2−アミノエタンスルホ ン酸の略語である。このカラムのボイド容量はカラムにブルーデキストランT-20 00溶液を通すことにより確認した。 本発明に係る「V/D」懸濁物の調製において、遊離薬剤の除去のためのゲル 濾過工程は省略し、そして薬剤装填小胞は水和のために用いる薬剤の中で保存し た。 小胞懸濁物をレーザー光子相関スペクトル測定を利用してサイズ選別した。懸 濁物を4℃で保存し、そして調製して3日以内に使用した。 アンチモンの測定 等容量のプロパノールの添加により破壊した 0.1mlの小胞懸濁物を蒸留水で1 /50に希釈し、そして存在しているアンチモン(Sb物 質)の量を火炎原子吸収スペクトルを利用して標準品(アンチモン標準溶液)と の比較により決定した。小胞調製品についての捕促率(%として表示)は以下の 等式を利用して決定した: 薬剤処置及び寄生体数の決定 感染マウス(5匹/処理)を、0.2mlの容量の PBS、「空」小胞、薬剤装填小 胞(全アンチモン用量:0.64〜2.42mgのSbV/kg)、0.97,2.5,5mgのSbV/mlの 濃度のスチブグルコネートで水和した本発明に係る「V/D」懸濁物(全アンチ モン用量:17.2,44.4及び88.8mgのSbV/kgそれぞれ)、又は遊離スチボグルコ ネート溶液(全アンチモン用量:17.2,44.4及び88.8mgのSbV/kg)により、7 日及び8日目、又は14日及び15日目にて尾静脈(麻酔なし)を介して処置した。 1回目の薬剤処置の7日後、即ち14〜21日目に、コントロール並びに薬剤処置し たマウスの肝臓、脾臓及び骨髄中の寄生体数(1000個の宿主細胞核当り)を決定 した(Carterら、1988)。リーシュマン・ドノバン単位(LDU)を肝臓及び脾臓 に関する器官当り、式 LDU=1000個の宿主細胞核当りの寄生体数×器官重量(g )を利用し、計算した(Bradley and Kirkley,1977)。 データーの紹介及び統計学的分析 脾臓及び肝臓の寄生体負荷を平均 LDU/器官±標準誤差として表示し、そして 骨髄計測数は平均寄生体数/1000宿主細胞核±標準誤差として表示した。平均パ ーセント寄生体抑制±標準誤差(SE)も示し、それは各実験値を特定の部位につ いての相対平均コントロールと比較することにより決定されたものである。寄生 体負荷は log10変換データーに基づく Studentの不対合(unpaired)検定を利用 して分析した(脾臓及び肝臓については LDU/器官、そして骨髄に ついては寄生体数/1000個の宿主細胞核)。 結果 小胞の形成 小胞の形成の推定的な証拠はトリパンブルー溶液で水和した界面活性懸濁物の ゲル濾過から得た。これに基づき、界面活性剤V〜IXは全て小胞を形成し、その 理由はトリパンブルーが2本のバンド泳動し、第一のバンドはボイド容量におい て出現し(小胞封入化色素)、そしてはるかに大きい溶出容積を有する第二のバ ンドは非封入化色素を示したからである。 5種類の界面活性剤は全て PBS又はグルコースによる水和により 203〜639nm に範囲する平均直径を有する小胞も形成した(表1)。利用した条件下で、界面 活性剤IXはいづれの水和用溶液によっても最小の小胞を形成した。種々の濃度の ナトリウムスチボグルコネート溶液による水和は界面活性剤V,VI,VII及びVII Iの場合は類似のサイズの小胞を供したが、界面活性剤VIは33.3mgのSbV/mlに相 当するスチボグルコネート溶液による水和では小胞を形成しなかった。同じ条件 で(スチボグルコネート溶液による水和)、界面活性剤IXは最大の小胞を供した (表1)。 ポリカーボネート膜を通じる押出は平均小胞径に対してはほとんど影響がなく 、そして事実上界面活性剤IX小胞懸濁物の場合は平均径を増大させるようであっ た(表1)。薬剤装填界面活性剤VIII小胞を利用し、押出を行う膜の孔径を小さ くしていくと、暫進的に平均径が大きくなっていく小胞が生成され(データーは 示さない)、一方ゲル濾過は平均小胞径を小さくしていった(表1)。 5種類の界面活性剤及び水和用の2通りの濃度のナトリウムスチボグルコネー トを利用して作った小胞の捕促率を決定した。低めの薬剤濃度(5mgのSbV/ml )では、小胞調製品は全て水和用溶液中 の約1%のアンチモンを捕促し、製剤間での変動は小さかった(0.73%〜1.1% )。33.3mgのSbV/mlによる水和は変動性の捕促率(0.14%〜3.46%)を示し、 界面活性剤IX小胞は最小の、そして界面活性剤VIII小胞は最大の捕促率を示した 。 寄生体の抑制 表2は水性相中に薬剤の入っていない小胞懸濁物の効果の対比目的について示 す。図1〜4は本発明に係るV/D懸濁物を示す。表3は改良V/D懸濁物を含 むV/D懸濁物の効率の対比を示し、ここで水性ビヒクル中の薬剤の濃度は変え てある。 1)対比結果 界面活性剤V,VI,VII又はIXを利用して調製した「空」(グルコース装填) 小胞によるL.ドノバニ感染マウスの処置は、対応のコントロールと比較して、 肝臓、脾臓又は骨髄寄生体負荷に対する抑制効果がなかった(データーは示さず )。しかしながら、「空」界面活性剤VIII小胞による処置は肝臓中の寄生体数を 減少させ(p<0.05)、しかしコントロールと比較して脾臓及び骨髄における寄 生体数には有意な影響を及ぼさなかった(データーは示さず)。 界面活性剤V(データーは示さず)並びに界面活性剤VII,VIII及びIX(表2 )から調製した押出した又は押出していない薬剤装填小胞による処置(0.42〜2. 42mgのSbV/kgの域の全薬剤用量)は対応のコントロールと比べて肝臓寄生体負 荷を有意に抑制したが(p<0.0005)、骨髄寄生体数に対しては何ら影響を及ぼ さなかった。脾臓中で、薬剤装填界面活性剤VIII小胞(押出又は押出していない )による処置のみが寄生体負荷を有意に(p<0.005)抑制した。小胞調製品間で の効率の変動は薬剤含有量の相違に起因し得、いうなれば捕促率の差に反映する 。しかしながら、重要な要因は、遊離形態と比較しての小胞薬剤の増大した効率 である。全用量88.8mgのSbV/kg の遊離スチボグルコネートにより得られる抑制は、小胞調製品(0.42〜2.42mgの SbV/kgの用量域)により達せられるものよりも有意に(p<0.0005)低かった 。88.8mgのSbV/kgの用量においては、スチボグルコネート処置は脾臓及び骨髄 寄生体負荷を抑制しなかった(表2)。 2)本発明に係るV/D懸濁物の結果 図1は、L.ドノバニ感染マウスの脾臓、肝臓及び骨髄寄生体負荷に対する本 発明に係る界面活性剤V,VII,VIII又はIX V/Dスチボグルコネート懸濁物 〔図1(全用量/マウス:17.2mgのSbV/kg)又は図2(全用量/マウス:88.8m gのSbV/kg)〕、スチボグルコネート溶液(全用量/マウス:88.8mgのSbV/kg )又はPBS(コントロール)による処置の効果を示す。動物を感染後14及び15日 目に処置し、そして6日後に殺した。コントロール値との対比での Student検定 :*p<0.05,**p<0.005,***p<0.0005 図3は、L.ドノバニ感染マウスの脾臓、肝臓及び骨髄寄生体負荷に対する本 発明に係る界面活性剤IX V/Dスチボグルコネート懸濁物(全用量/マウス: 17.8,44.4又は88.8mgのSbV/kg)、スチボグルコネート溶液(図4は全用量/ マウス:17.8,44.4又は88.8mgのSbV/kg)、又はPBS(コントロール)による処 置の効果を示す。動物を感染後7及び8日目に処置し、そして6日後に殺した。 コントロール値との対比での Student検定:*p<0.05,**p<0.005,***p<0 .0005。 0.97mgのSbV/kg(全用量17.2mgのSbV/kg)で水和した界面活性剤V,VII,V III及びIXから調製した本発明に係るV/D懸濁物は肝臓寄生体数において類似 の有意(p<0.0005)な低下を誘導した(図1)。これらの界面活性剤から調製 したが、5mgのSbV/ml(全用量88.8mg SbV/kg)で水和しておいたV/D懸濁 物は肝臓寄生 体数の多大な低下を誘導した(図2)。V/D懸濁物は全て肝臓寄生体に対する 等用量の遊離薬剤よりも活性であった。 低めの用量レベルでは、V/D調製品は脾臓又は骨髄寄生体に対して有意な効 果がなく(図1)、一方4種のV/D調製品は全て高い用量レベルにおいて脾臓 中の寄生体に対して活性であり(p<0.01、図2)、そして界面活性剤V及びIX V/D懸濁物は界面活性剤VII及びVIII懸濁物よりも活性であった。界面活性 剤V及び界面活性剤IX V/D懸濁物(全用量88.8mgのSbV/kg)のみがコント ロールと比べて骨髄寄生体数を有意に抑制した(p<0.005、図2)。同等の濃 度で、遊離薬剤処置は脾臓又は骨髄寄生体に対して有意な効果がなかった。より 有効な界面活性剤V及びIX V/D懸濁物(それぞれ 831±156nm 及び1030±257 nm)は低い活性の界面活性剤VII及びVIII懸濁物(それぞれ平均径 536±19nm及び 546±40nm)よりも大型の小胞を含んだ。 界面活性剤IX V/D懸濁物を利用し、脾臓、肝臓及び骨髄寄生負荷に対する 用量依存式効果が得られた(図3)。同濃度の遊離薬剤による処置も肝臓L.ド ノバニ寄生体負荷に対して用量依存式効果を示し、脾臓中の寄生体に対しては弱 い効果を示し、そして骨髄寄生体数に対しては有意な効果を示さなかった(図4 )。 備考 「空」小胞−小胞は薬剤の代わりにグルコース溶液を使用して作製 小胞懸濁物−未封入薬剤の除去のため薬剤装填小胞を洗浄;これに より薬剤「パケット」のみ供される V/D懸濁物−薬剤装填小胞をそれを形成するのに用いる薬剤溶液 の中で保存;即ち、それは混合調製品 改変V/D懸濁物−薬剤装填小胞を生成し、次いで未封入薬剤(通 常は非常に高い薬剤濃度)を除去するために洗浄し、 次いで薬剤装填小胞を希薄薬剤溶液の中に再懸濁実施例 第2章 材 料 0.32mg SbV/mgに相当するナトリウムスチボグルコネート(ペントスタム)を The Wellcome Foundation,UKより入手した。パロマイシンスルフェートは Sig ma,UKより入手した。以下の化学的に規定される界面活性剤をこの研究において 利用した:Bladgen Chemicals Ltd.,UKより購入した界面活性剤V(トリグリセ ロールモノステアレート)及び界面活性剤VI(ヘキサグリセロールジステアレー ト);Chesham Chemicals Ltd.,UKより購入した界面活性剤VII(ジエチレング リコールモノn−ヘキサデシルエーテル)、界面活性剤VIII(テトラエチレング リコールモノn−ヘキサデシルエーテル)及び界面活性剤IX(ヘキサエチレング リコールモノn−ヘキサデシルエーテル)。ジセチルホスフェート及びコレステ ロール(無灰)は Sigmaから入手し、そしてその他の試薬は全て分析級のものと した。小胞懸濁物をMalvern Zetasizer 4(Malvern Instruments Ltd.,UK)を 用いてサイズ選別した。動物及び寄生体 歳及び性を合わせた生後8〜10週目の純系雄又は雌Balb/cマウ ス並びに歳及び性を合わせた純系ゴールデン・シリアンハムスター(90〜125 g :Mesocricetus auratus)を研究全体を通じて使用した。リーシュマニア・ドノ バニ(株MHOM/ET/67:LV82)を純系ゴールデン・シリアンハムスター(Carter ら1988,J.Pharm.Pharmacol.,40,370-373)に一連の継代により維持させた。 マウス(尾静脈、麻酔なし、Carterら、1988,J.Pharm.Pharmacol.,40,370-37 3)又はハムスター(頸静脈、麻酔なし、Carterら、1989,Int.J.Pharmaceutics 53,129-137)を1〜2×107のリーシュマニア・ドノバニ体の静脈内注射により 感染させた。寄生体投与日を実験0日目と表示した。小胞形成 a)小スケール製造方法 ナトリウムスチボグルコネート又はパロマイシン非イオン小胞(NIV)懸濁物をW illiamsら(1995,J.Drug Targeting 3 1-7)に記載の通りにして調製した。簡 単には、ストック溶融物をまず界面活性剤、コレステロール、及びジセチルホス フェート、パルミチン酸又はステアリン酸を所望のモル比で混合し、135℃で5 分その混合物を加熱し、次いで冷却することによって調製した。150,750,3750 又は 6600molの固形化ストック溶融物を沸騰浴槽で溶融させ、次いで5mlのナト リウムスチボグルコネート溶液により70℃で急速水和させた。水和を70℃で2時 間撹拌し続けた。NIV懸濁物は、薬剤装填小胞が水和用薬剤溶液の中に維持され ているとき、「V/D」懸濁物と称する。あるケースにおいては、V/D懸濁物 をその後水によるV/D懸濁物の直接希釈により又は水和用薬剤溶液を除去し、 次いでV/D懸濁物の中に存在している薬剤装填小胞を希薄な薬剤溶液に再懸濁 することにより、希薄な薬剤溶液の中で薬剤装填小胞の懸濁物が生成されるよう に処理した。例えば、6600molのV/D 懸濁物を撹拌しながら水で希釈して3.75mgのSbV/mlを含む750molの NIV懸濁物 にした。水和用薬剤溶液を除去するため、V/D懸濁物を 35,000rpmで50分遠心 し(Beckman XL-90 Ultracentrifuge)、次いで小胞ペレットをPBS(pH 7.4)又は 新鮮なナトリウムスチボグルコネート溶液(0.97mgのSbV/ml)に再懸濁した。5 0分間更に遠心した後、ペレットを最後に新鮮なナトリウムスチボグルコネート 溶液(0.97,2.31又は5mgのSbV/ml)又は PBSに再懸濁した。実験において、 これらの NIV懸濁物の効能を小胞ペレットを再懸濁するのに用いた遊離薬剤のそ れと比較した(0.97,2.31又は5mgのSbV/ml)。 b)「ホモジネーション」を利用する小胞製剤の調製 所望のモル比における小胞構成成分(界面活性剤、コレステロール及びジセチ ルホスフェート、パルミチン酸又はステアリン酸)を 135℃に加熱した。溶融混 合物を次に70℃に冷却し、次いで5mlの予備加熱しておいたナトリウムスチボグ ルコネート溶液で水和させた。次いでこの懸濁物を Silversonミキサー(密封ユ ニット)又はホモジナイザーUltra-turrac(モデルT25; 8000rpmで運転)で70 ℃で15分ホモジナイズした。 「薬剤非含有」小胞製剤の抗寄生体活性を決定するため、グルコース、PBS又 は水装填(「空」)小胞懸濁物を上記と同じ方法で作った。小胞懸濁物をレーザ ー光子相関スペクトル測定を利用してサイズ選別し、そして4℃で保存した。小 胞製剤を全て調製して3日以内に使用した。 アンチモン決定 遊離薬剤をゲル濾過により、18×2.6cm のSephadex G50カラムを溶出剤として の PBS又はpH 7.4の Tes/ヒスチジン/食塩水バッファーとを用いて小胞懸濁物 から除去し、次いでアンチモン含有測定 を行った。等容量のプロパノールの添加により破壊しておいた 0.1mlの小胞懸濁 物を蒸留水で1/50に希釈し、そして存在しているアンチモンの全量を火炎原子 吸収スペクトルを利用して標準品(アンチモン標準溶液、Sigma)との対比により 決定した。 薬剤処置 感染したマウス又はハムスター(5匹/グループ)を感染後7,8又は29日目 に下記の適当な調製品 200μlで静脈内処置した(マウスに関しては尾静脈、そ してハムスターに関しては頸静脈):PBS(コントロール)、V/D懸濁物(2.25 ,3.75又は33.3mgのSbV/ml)、NIV懸濁物(アンチモン用量は存在する遊離薬剤 溶液の濃度、即ち、2.25,3.75mg又は33.3SbV/mlに基づく)、グルコース、 PB S又は水装填小胞懸濁物、又はスチボグルコネート溶液(2.25,3.75又は33.3mg のSbV/ml)。一部の実験においては、マウスに感染後7日目においてPBS(コン トロール)又は薬剤調製品を一回注射又は30分間隔で2回注射した。 寄生体数の測定 コントロール並びに薬剤処置したマウスの肝臓、脾臓及び骨髄中の寄生体数( 1000個の宿主細胞核当り)を決定した(Carterら、1988,J.Pharm.Pharmacol.,4 0,370-373)。リーシュマン・ドノバン単位(LDU)を肝臓及び脾臓に関する器官当 り、式 LDU=1000個の宿主細胞核当りの寄生体数×器官重量(g)を利用し、計 算した(Bradley and Kirkley,1977,Clin.Ex.Immunol.,30,119-129)。 データーの紹介及び統計学的分析 平均パーセント寄生体抑制±標準誤差(SE)を示し、それは各実験値を特定の 部位についての相対平均コントロールと比較することにより決定されたものであ る。寄生体負荷は log10変換データーに基づく Studentの不対合(unpaired)検 定を利用して分析した(脾 臓及び肝臓については LDU/器官、そして骨髄については寄生体数/1000個の宿 主細胞核)。 結果表 4 L.ドノバニ感染Balb/cマウスの寄生体負荷に対する種々のスチボグルコネ ート NIV製剤による処置の効果(平均%抑制±SEで表示)。動物を感染後7日目 に以下のいづれか 0.2mlにより静脈内処置した:PBS(コントロール)、遊離薬剤 溶液(2.25mgのSbV/ml)又は NIV製剤。次いで7日後に寄生体数を測定した。 小胞懸濁物(5500mmol)を50mgのSbV/mlナトリウムスチボグルコネートで水和 し、そして水で希釈して2.25mgのSbV/ml遊離薬剤溶液/mlを含む 750mmolの懸 濁物にした。構成成分(界面活性剤VIII:コレステロール:ジセチルホスフェー ト又は脂肪酸)のモル比をかっこ内に示す。小胞懸濁物をホモジナイゼーション 法を利用して作った。 表 5 L.ドノバニ感染Balb/cマウスの脾臓、肝臓及び骨髄寄生体負 荷に対する界面活性剤VIIIナトリウムスチボグルコネート NIV懸濁物(調製品1 ,2又は3;3:4:1のモル比)又はスチボグルコネート溶液(3.75又は33.3 mgのSbV/ml)による処置の効果。調製品1は6600nmolの懸濁物であり、33.3mg のSbV/mlの薬剤溶液により水和され、そして3.75mgのSbV/mlの最終薬剤濃度( 濃度 750mmol;薬剤用量/マウスは33.3mgのSbV/kgに相当)となるように水で 希釈してある。調製品2は33.3mgのSbV/mlで水和した一定容量の 750mmolのV /D懸濁物を遠心し、次いで薬剤装填小胞をそのもとの容量の2.31mgのSbV/ml の遊離薬剤溶液(濃度 750mmol;薬剤用量/マウスは20.5mgのSbV/kgに相当) の中に再懸濁することにより調製した。調製品3は33.3mgのSbV/ml薬剤溶液( 薬剤用量は 296mgのSbV/kgに相当)で水和した 750mmolのV/D懸濁物である 。調製品4は PBSで水和した 750mmolのV/D懸濁物である(空の小胞懸濁物) 。7日目に動物に 200μlの用量を1回与え、そして6日後に殺した。抑制をコ ントロール動物の平均負荷を基礎に計算した。抑制についての平均小胞直径は: 調製品1:2292±802nm ;調製品2: 389±24nm;調製品3: 403±18nm。小胞 懸濁物を小スケール法を利用して製造した。 表 6 L.ドノバニ感染ハムスターの寄生体負荷に対するナトリウムスチボグルコネ ート製剤による処置の効果。ハムスターを感染後7日目(急性感染症)又は29日 目(慢性感染症)にて 0.2mlのPBS(コントロール)、遊離薬剤(33.3mgのSbV/ml )又は界面活性剤VIIIスチボグルコネート NIV製剤(3:4:1のモル比;750m ol;33.3mgのSbV/ml薬剤溶液で水和)により静脈内処置した。動物を感染後7 日目に殺した。コントロール値との対比**p<0.01,***p<0.005。小胞懸濁物 をホモジナイゼーション法を利用して調製した。 表 7 L.ドノバニ感染Balb/cマウスの脾臓、肝臓及び骨髄寄生体負荷に対するパ ロモマイシン製剤による処置の効果。動物に 200μlの用量のPBS(コントロール )もしくはパロモマイシン溶液(7.9mg/ml)、又は50μl用量の界面活性剤Xパロ モマイシン NIV懸濁物(5:4:2のモル比、750mol)を感染後7日目に1回与 え、そしてその6日後に殺した。NIV製剤は 3750molの懸濁物を39.5mg/mlのパ ロモマイシンにより水和することにより調製し、そして使用前に水で1:5に希 釈した。小胞懸濁物は小スケール法を利用して作り、そしてマウスに付与した薬 剤用量はかっこ内でmg/kgで示す。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年9月10日 【補正内容】 明細書 原理的には、この小胞は当業界において公知であり、且つ活性剤をデリバリー するのに適する任意の方法で形成されうる。例えば、「ホモジナイゼーション」 法又は「凍結乾燥」法のいづれかを利用して形成でき、双方の方法は当業界にお いて公知である。ホモジナイゼーション法において、所望のモル比における脂質 材料の必要たる量は以下の方法のいづれかにおいて処理されうる:乾燥粉末(即 ち、脂質材料)を封入用活性剤の溶液により所望の温度(0〜150 ℃の範囲)で 水和し、そして必要たる速度で所望の小胞特性が得られるのに必要な時間にわた ってホモジナイズする。他方、脂質材料は必要たる温度での必要たる溶液による 水和の前に加熱(例えば40〜150 ℃の温度範囲)により溶融させてよい。次いで この懸濁物を、所望の特性を有する小胞ができるのに必要たる速度及び必要たる 時間ホモジナイズすることができる。 ナトリウムスチボグルコネート小胞懸濁物は小胞構成成分を例えば 135℃で加 熱することによって上記に概略した方法を利用して生成できうる。次いで、溶融 脂質を5mlの予備加熱したナトリウムスチボグルコネート溶液による水和の前に 例えば70℃にまで冷却してよい。小胞サイズの縮小は、サンプルを一定の時間間 隔、特定の時間で、例えば70℃で15分間において、Silversonミキサー(密封ユ ニット)又はUltra-turrac(モデルT25)(ホモジナイザー装置)で例えば 8000rpm で運転させてホモジナイズすることにより達成できる。 凍結乾燥法において、凍結乾燥調製品は以下の方法のいづれかで製造できる: 所望のモル比の必要量の小胞構成成分を有機溶媒(例えばt−ブチルアルコー ル)に溶かし、次いで例えば多孔質膜(例えば0.2mm)で濾過することができる。 次いで界面活性溶液を凍結し、そして有 機溶媒の完全な除去に必要な時間凍結乾燥させることができる。次いで得られる 凍結乾燥生成物を封入すべき活性剤溶液で水和し、そして小胞懸濁物ができるの に必要な温度で振盪させることができる。他方、小胞懸濁物を上記のホモジナイ ゼーションプロセスにより作り、多孔質膜(例えば0.2mm)で濾過し、次いで凍結 乾燥させて水性溶媒を除去してよい。得られる凍結乾燥生成物を必要たる溶液で 水和し、そして小胞懸濁物ができるのに必要な温度において振盪させることがで きる。 小胞は好ましくはステロール、例えばコレステロール又はエルゴステロールと 、界面活性剤とより形成する。もし非イオン界面活性剤を使用するなら、小胞の 凝集を避けるために小胞製剤の中に脂肪酸の如き帯電物質を含ませることが一般 に必要とされる。適当な帯電物質にはジセチルホスフェート、ステアリン酸及び パルミチン酸が含まれる。 非イオン界面活性剤を使用することが極めて有利でありうる。これはモノ−、 ジ−、トリ−又はポリ(10に至るまで)グリセロールモノ−又はジ−脂肪酸エス テル(例えばC10−C20脂肪酸エステル)、例えばトリグリセロールモノステア レートであるか;又は例えば親水性頭部領域と疎水性尾部領域とを担うC10−C20 の直鎖もしくは枝分れアルキル鎖をもつ1〜10のオキシエチレン成分を好適に 含んで成るポリオキシエチレンエーテルであってよい。 非イオン界面活性剤、コレステロール及びジセチルホスフェート又は脂肪酸を 含んで成る小胞製剤はそれぞれ3〜5:1〜4:0〜4のモル比で存在していて よい。 データーの紹介及び統計学的分析 脾臓及び肝臓の寄生体負荷を平均 LDU/器官±標準誤差として表示し、そして 骨髄計測数は平均寄生体数/1000宿主細胞核±標準誤差として表示した。平均パ ーセント寄生体抑制±標準誤差(SE)も示し、それは各実験値を特定の部位につ いての相対平均コントロールと比較することにより決定されたものである。寄生 体負荷は log10変換データーに基づく Studentの不対合(unpaired)検定を利用 して分析した(脾臓及び肝臓については LDU/器官、そして骨髄については寄生 体数/1000個の宿主細胞核)。 結果 小胞の形成 小胞の形成の推定的な証拠はトリパンブルー溶液で水和した界面活性懸濁物の ゲル濾過から得た。これに基づき、界面活性剤V〜IXは全て小胞を形成し、その 理由はトリパンブルーが2本のバンド泳動し、第一のバンドはボイド容量におい て出現し(小胞封入化色素)、そしてはるかに大きい溶出容積を有する第二のバ ンドは非封入化色素を示したからである。 5種類の界面活性剤は全て PBS又はグルコースによる水和により 203〜639nm に範囲する平均直径を有する小胞も形成した(表1)。利用した条件下で、界面 活性剤IXはいづれの水和用溶液によっても最小の小胞を形成した。種々の濃度の ナトリウムスチボグルコネート溶液による水和は界面活性剤V,VI,VII及びVII Iの場合は類似のサイズの小胞を供したが、界面活性剤VIは33.3mgのSbV/mlに相 当するスチボグルコネート溶液による水和では小胞を形成しなかった。同じ条件 で(スチボグルコネート溶液による水和)、界面活性剤IXは最大の小胞を供した (表1)。 ポリカーボネート膜を通じる押出は平均小胞径に対してはほとん ど影響がなく、そして事実上界面活性剤IX小胞懸濁物の場合は平均径を増大させ るようであった(表1)。薬剤装填界面活性剤VIII小胞を利用し、押出を行う膜 の孔径を小さくしていくと、暫進的に平均径が大きくなっていく小胞が生成され (データーは示さない)、一方ゲル濾過は平均小胞径を小さくしていった(表1 )。 5種類の界面活性剤及び水和用の2通りの濃度のナトリウムスチボグルコネー トを利用して作った小胞の捕促率を決定した。低めの薬剤濃度(5mgのSbV/ml )では、小胞調製品は全て水和用溶液中の約1%のアンチモンを捕促し、製剤間 での変動は小さかった(0.73%〜1.1%)。33.3mgのSbV/mlによる水和は変動性 の捕促率(0.14%〜3.46%)を示し、界面活性剤IX小胞は最小の、そして界面活 性剤VIII小胞は最大の捕促率を示した。 寄生体の抑制 表2は水性相中に薬剤の入っていない小胞懸濁物の効果の対比目的について示 す。図1〜4は本発明に係るV/D懸濁物を示す。表3は改良V/D懸濁物を含 むV/D懸濁物の効率の対比を示し、ここで水性ビヒクル中の薬剤の濃度は変え てある。 1)対比結果 界面活性剤V,VI,VII又はIXを利用して調製した「空」(グルコース装填) 小胞によるL.ドノバニ感染マウスの処置は、対応のコントロールと比較して、 肝臓、脾臓又は骨髄寄生体負荷に対する抑制効果がなかった(データーは示さず )。しかしながら、「空」界面活性剤VIII小胞による処置は肝臓中の寄生体数を 減少させ(p<0.05)、しかしコントロールと比較して脾臓及び骨髄における寄 生体数には有意な影響を及ぼさなかった(データーは示さず)。 界面活性剤V(データーは示さず)並びに界面活性剤VII,VIII及びIX(表2 )から調製した押出した又は押出していない薬剤装填小胞 による処置(0.42〜2.42mgのSbV/kgの域の全薬剤用量)は対応のコントロール と比べて肝臓寄生体負荷を有意に抑制したが(p<0.0005)、骨髄寄生体数に対 しては何ら影響を及ぼさなかった。脾臓中で、薬剤装填界面活性剤VIII小胞(押 出又は押出していない)による処置のみが寄生体負荷を有意に(p<0.005)抑制 した。小胞調製品間での効率の変動は薬剤含有量の相違に起因し得、いうなれば 捕促率の差に反映する。しかしながら、重要な要因は、遊離形態と比較しての小 胞薬剤の増大した効率である。全用量88.8mgのSbV/kgの遊離スチボグルコネー トにより得られる抑制は、小胞調製品(0.42〜2.42mgのSbV/kgの用量域)によ り達せられるものよりも有意に(p<0.0005)低かった。88.8mgのSbV/kgの用 量においては、スチボグルコネート処置は脾臓及び骨髄寄生体負荷を抑制しなか った(表2)。動物及び寄生体 歳及び性を合わせた生後8〜10週目の純系雄又は雌Balb/cマウス並びに歳及 び性を合わせた純系ゴールデン・シリアンハムスター(90〜125 g:Mesocricet us auratus)を研究全体を通じて使用した。リーシュマニア・ドノバニ(株MHOM /ET/67:LV82)を純系ゴールデン・シリアンハムスター(Carterら1988,J.Pha rm.Pharmacol.,40,370-373)に一連の継代により維持させた。マウス(尾静脈、 麻酔なし、Carterら、1988,J.Pharm.Pharmacol.,40,370-373)又はハムスター (頸静脈、麻酔なし、Carterら、1989,Int.J.Pharmaceutics 53,129-137)を1 〜2×107のリーシュマニア・ドノバニ体の静脈内注射により感染させた。寄生 体投与日を実験0日目と表示した。小胞形成 a)小スケール製造方法 ナトリウムスチボグルコネート又はパロマイシン非イオン小胞(NIV)懸濁物をW illiamsら(1995,J.Drug Targeting 3 1-7)に記載の通りにして調製した。簡 単には、ストック溶融物をまず界面活性剤、コレステロール、及びジセチルホス フェート、パルミチン酸又はステアリン酸を所望のモル比で混合し、135℃で5 分その混合物を加熱し、次いで冷却することによって調製した。150,750,3750 又は6600μmoleの固形化ストック溶融物を沸騰浴槽で溶融させ、次いで5mlのナ トリウムスチボグルコネート溶液により70℃で急速水和させた。水和を70℃で2 時間撹拌し続けた。NIV懸濁物は、薬剤装填小胞が水和用薬剤溶液の中に維持さ れているとき、「V/D」懸濁物と称する。あるケースにおいては、V/D懸濁 物をその後水によるV/D懸濁物の直接希釈により又は水和用薬剤溶液を除去し 、次いでV/D懸濁物の中に存在している薬剤装填小胞を希薄な薬 剤溶液に再懸濁することにより、希薄な薬剤溶液の中で薬剤装填小胞の懸濁物が 生成されるように処理した。例えば、6600μmoleのV/D懸濁物を撹拌しながら 水で希釈して3.75mgのSbV/mlを含む 750μmoleの NIV懸濁物にした。水和用薬 剤溶液を除去するため、V/D懸濁物を 35,000rpmで50分遠心し(Beckman XL-90 Ultracentrifuge)、次いで小胞ペレットをPBS(pH 7.4)又は新鮮なナトリウムス チボグルコネート溶液(0.97mgのSbV/ml)に再懸濁した。50分間更に遠心した 後、ペレットを最後に新鮮なナトリウムスチボグルコネート溶液(0.97,2.31又 は5mgのSbV/ml)又は PBSに再懸濁した。実験において、これらの NIV懸濁物 の効能を小胞ペレットを再懸濁するのに用いた遊離薬剤のそれと比較した(0.97 ,2.31又は5mgのSbV/ml)。 b)「ホモジネーション」を利用する小胞製剤の調製 所望のモル比における小胞構成成分(界面活性剤、コレステロール及びジセチ ルホスフェート、パルミチン酸又はステアリン酸)を 135℃に加熱した。溶融混 合物を次に70℃に冷却し、次いで5mlの予備加熱しておいたナトリウムスチボグ ルコネート溶液で水和させた。次いでこの懸濁物を Silversonミキサー(密封ユ ニット)又はホモジナイザーUltra-turrac(モデルT25;8000rpmで運転)で70 ℃で15分ホモジナイズした。 「薬剤非含有」小胞製剤の抗寄生体活性を決定するため、グルコース、PBS又 は水装填(「空」)小胞懸濁物を上記と同じ方法で作った。小胞懸濁物をレーザ ー光子相関スペクトル測定を利用してサイズ選別し、そして4℃で保存した。小 胞製剤を全て調製して3日以内に使用した。 薬剤処置 感染したマウス又はハムスター(5匹/グループ)を感染後7,8又は29日目 に下記の適当な調製品 200μlで静脈内処置した(マウスに関しては尾静脈、そ してハムスターに関しては頸静脈):PBS(コントロール)、V/D懸濁物(2.25 ,3.75又は33.3mgのSbV/ml)、NIV懸濁物(アンチモン用量は存在する遊離薬剤 溶液の濃度、即ち、2.25,3.75mg又は33.3SbV/mlに基づく)、グルコース、PBS 又は水装填小胞懸濁物、又はスチボグルコネート溶液(2.25,3.75又は33.3mgの SbV/ml)。一部の実験においては、マウスに感染後7日目においてPBS(コント ロール)又は薬剤調製品を一回注射又は30分間隔で2回注射した。 寄生体数の測定 コントロール並びに薬剤処置したマウスの肝臓、脾臓及び骨髄中の寄生体数( 1000個の宿主細胞核当り)を決定した(Carterら、1988,J.Pharm.Pharmacol.,4 0,370-373)。リーシュマン・ドノバン単位(LDU)を肝臓及び脾臓に関する器官当 り、式 LDU=1000個の宿主細胞核当りの寄生体数×器官重量(g)を利用し、計 算した(Bradley and Kirkley,1977,Clin.Ex.Immunol.,30,119-129)。 データーの紹介及び統計学的分析 平均パーセント寄生体抑制±標準誤差(SE)を示し、それは各実験値を特定の 部位についての相対平均コントロールと比較することにより決定されたものであ る。寄生体負荷は log10変換データーに基づく Studentの不対合(unpaired)検 定を利用して分析した(脾臓及び肝臓については LDU/器官、そして骨髄につい ては寄生体数/1000個の宿主細胞核)。 結果表 4 L.ドノバニ感染Balb/cマウスの寄生体負荷に対する種々のスチボグルコネ ート NIV製剤による処置の効果(平均%抑制±SEで表示)。動物を感染後7日目 に以下のいづれか 0.2mlにより静脈内処置した:PBS(コントロール)、遊離薬剤 溶液(2.25mgのSbV/ml)又は NIV製剤。次いで7日後に寄生体数を測定した。 小胞懸濁物(5500μmole)を50mgのSbV/mlナトリウムスチボグルコネートで水 和し、そして水で希釈して2.25mgのSbV/ml遊離薬剤溶液/mlを含む 750μmole の懸濁物にした。構成成分(界面活性剤VIII:コレステロール:ジセチルホスフ ェート又は脂肪酸)のモル比をかっこ内に示す。小胞懸濁物をホモジナイゼーシ ョン法を利用して作った。 表 5 L.ドノバニ感染Balb/cマウスの脾臓、肝臓及び骨髄寄生体負荷に対する界 面活性剤VIIIナトリウムスチボグルコネート NIV懸濁物(調製品1,2又は3; 3:4:1のモル比)又はスチボグルコネート溶液(3.75又は33.3mgのSbV/ml )による処置の効果。調製品1は6600μmoleの懸濁物であり、33.3mgのSbV/ml の薬剤溶液によ り水和され、そして3.75mgのSbV/mlの最終薬剤濃度(濃度 750μmole;薬剤用 量/マウスは33.3mgのSbV/kgに相当)となるように水で希釈してある。調製品 2は33.3mgのSbV/mlで水和した一定容量の 750μmoleのV/D懸濁物を遠心し 、次いで薬剤装填小胞をそのもとの容量の2.31mgのSbV/mlの遊離薬剤溶液(濃 度 750μmole;薬剤用量/マウスは20.5mgのSbV/kgに相当)の中に再懸濁する ことにより調製した。調製品3は33.3mgのSbV/ml薬剤溶液(薬剤用量は 296mg のSbV/kgに相当)で水和した 750μmoleのV/D懸濁物である。調製品4は PB Sで水和した 750μmoleのV/D懸濁物である(空の小胞懸濁物)。7日目に動 物に200μlの用量を1回与え、そして6日後に殺した。抑制をコントロール動 物の平均負荷を基礎に計算した。抑制についての平均小胞直径は:調製品1:22 92±802nm;調製品2: 389±24nm;調製品3: 403±18nm。小胞懸濁物を小ス ケール法を利用して製造した。 表 6 L.ドノバニ感染ハムスターの寄生体負荷に対するナトリウムス チボグルコネート製剤による処置の効果。ハムスターを感染後7日目(急性感染 症)又は29日目(慢性感染症)にて 0.2mlのPBS(コントロール)、遊離薬剤(33. 3mgのSbV/ml)又は界面活性剤VIIIスチボグルコネート NIV製剤(3:4:1の モル比; 750μmole;33.3mgのSbV/ml薬剤溶液で水和)により静脈内処置した 。動物を感染後7日目に殺した。コントロール値との対比**p<0.01,***p<0 .005。小胞懸濁物をホモジナイゼーション法を利用して調製した。 表 7 L.ドノバニ感染Balb/cマウスの脾臓、肝臓及び骨髄寄生体負荷に対するパ ロモマイシン製剤による処置の効果。動物に 200μlの用量のPBS(コントロール )もしくはパロモマイシン溶液(7.9mg/ml)、又は50μl用量の界面活性剤Xパロ モマイシン NIV懸濁物(5:4:2のモル比、750mol)を感染後7日目に1回与 え、そしてその6日後に殺した。NIV製剤は3750μmoleの懸濁物を39.5mg/mlの パロモマイシンにより水和することにより調製し、そして使用前に水で1:5に 希釈した。小胞懸濁物は小スケール法を利用して作 り、そしてマウスに付与した薬剤用量はかっこ内でmg/kgで示す。 請求の範囲 1.i)水性ビヒクル; ii)前記水性ビヒクル中に懸濁された非イオン界面活性剤、ステロール及び帯 電物質を含んで成る小胞;並びに iii)前記小胞及び前記水性ビヒクルの双方内に位置する薬理活性剤; を含んで成る製剤。 2.前記非イオン界面活性剤がモノ−、ジ−、トリ−又はポリ(10まで)グリ セロールモノー又はジ−脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンエーテルより選 ばれる、請求項1記載の製剤。 3.前記非イオン界面活性剤がC10〜C20直鎖又は枝分れアルキル鎖をもつ1 〜10個のオキシエチレン成分を含んで成るポリオキシエチレンエーテルである、 請求項1又は2記載の製剤。 4.前記小胞の直径が 100nm〜2500nmの範囲に属する、先の請求項のいづれか 1項記載の製剤。 5.前記小胞の直径が 100nm〜1000nmの範囲に属する、先の請求項のいづれか 1項記載の製剤。 6.前記小胞の直径が 200nm〜600nm の範囲に属する、先の請求項のいづれか 1項記載の製剤。 7.前記非イオン界面活性剤、ステロール及び帯電物質がそれぞれ3〜5:1 〜4:0〜4のモル比で存在している、先の請求項のいづれか1項記載の製剤。 8.前記非イオン界面活性剤、ステロール及び帯電物質がそれぞれ3〜5:2 〜4:0〜3のモル比で存在している、請求項7記載の製剤。 9.前記ステロールがコレステロールであり、そして前記帯電物 質がジセチルホスフェートである、請求項7記載の製剤。 10.前記帯電物質が脂肪酸である、請求項7又は8記載の製剤。 11.前記脂肪酸がステアリン酸及びパルミチン酸より選ばれる、請求項10記載 の製剤。 12.前記薬理活性剤がナトリウムスチボグルコネート、メグルミンアンチモネ ート、ペンタミジン及び抗生物質、特にアミノグリコシド類から選ばれる、先の 請求項のいづれか1項記載の製剤。 13.前記アミノグリコシド類がパロモマイシン及びアンホテリシンBより選ば れる、請求項12記載の製剤。 14.前記小胞相中の活性成分の濃度が0.01〜10重量%である、請求項1〜13の いづれか1項記載の製剤。 15.病気の処置のための医薬品の製造における先の請求項のいづれか1項記載 の製剤の利用。 16.内臓リーシュマニア症の処置のための医薬品の製造における先の請求項の いづれか1項記載の製剤の利用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアムズ,デニス マーガレット イギリス国,アードロサン ケーエー22 7イービー,ミルグレン ロード 13

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.i)水性ビヒクル; ii)前記水性ビヒクル中に懸濁された小胞;並びに iii)前記小胞及び前記水性ビヒクルの双方内に位置する薬理活性剤; を含んで成る製剤。 2.前記小胞が非イオン界面活性剤、ステロール及び帯電物質を含んで成る、 請求項1記載の薬剤。 3.前記非イオン界面活性剤がモノ−、ジ−、トリ−又はポリ(10まで)グリ セロールモノ−又はジ−脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンエーテルより選 ばれる、請求項1又は2記載の製剤。 4.前記非イオン界面活性剤がC10〜C20直鎖又は枝分れアルキル鎖をもつ1 〜10個のオキシエチレン成分を含んで成るポリオキシエチレンエーテルである、 先の請求項のいづれか1項記載の製剤。 5.前記小胞の直径が 100nm〜2500nmの範囲に属する、先の請求項のいづれか 1項記載の製剤。 6.前記小胞の直径が 100nm〜1000nmの範囲に属する、先の請求項のいづれか 1項記載の製剤。 7.前記小胞の直径が 200nm〜600nm の範囲に属する、先の請求項のいづれか 1項記載の製剤。 8.前記非イオン界面活性剤、ステロール及び帯電物質がそれぞれ3〜5:1 〜4:0〜4のモル比で存在している、先の請求項のいづれか1項記載の製剤。 9.前記非イオン界面活性剤、ステロール及び帯電物質がそれぞれ3〜5:2 〜4:0〜3のモル比で存在している、請求項8記載の製剤。 10.前記ステロールがコレステロールであり、そして前記帯電物質がジセチル ホスフェートである、請求項8記載の製剤。 11.前記帯電物質が脂肪酸である、請求項8又は9記載の製剤。 12.前記脂肪酸がステアリン酸及びパルミチン酸より選ばれる、請求項11記載 の製剤。 13.前記薬理活性剤がナトリウムスチボグルコネート、メグルミンアンチモネ ート、ペンタミジン及び抗生物質、特にアミノグリコシド類から選ばれる、先の 請求項のいづれか1項記載の製剤。 14.前記アミノグリコシド類がパロモマイシン及びアンホテリシンBより選ば れる、請求項13記載の製剤。 15.前記小胞相中の活性成分の濃度が0.01〜10重量%である、請求項1〜14の いづれか1項記載の製剤。 16.病気の処置のための医薬品の製造における先の請求項のいづれか1項記載 の製剤の利用。 17.内臓リーシュマニア症の処置のための医薬品の製造における先の請求項の いづれか1項記載の製剤の利用。
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