【発明の詳細な説明】
複数の酵素を含有する顆粒およびその製法
本発明は、少なくとも二種の異なる酵素を含有する顆粒、その製法、並びに固
体または液体の洗浄および清浄製剤中におけるその用途に関する。
酵素、とりわけプロテアーゼは、洗剤、洗浄助剤および清浄製剤中に広範に使
用されている。通例、酵素は純物質としてではなく、希釈剤/担体材料との混合
物の形態で用いる。このような酵素製剤を従来の洗剤に加えると、とりわけ漂白
活性化合物が存在する場合には、酵素活性が貯蔵中に顕著に低下し得る。ドイツ
連邦共和国特許出願公開DE−OS1617190に従って酵素を担体塩に適用
すると同時に造粒するか、またはノニオン性界面活性剤(ドイツ連邦共和国特許
出願公開DE−OS1617118)もしくはセルロースエーテルの水溶液(ドイ
ツ連邦共和国特許出願公開DE−OS1787568)を用いて付着により造粒
しても、貯蔵安定性はあまり改善されない。なぜなら、そのような混合物におい
て、感受性酵素は通例、担体表面上に位置するからである。例えばドイツ連邦共
和国特許DE−PS1617232、ドイツ連邦共和国特許出願公開DE−OS
2032768並びにドイツ連邦共和国特許出願公告DE−AS2137042
および同2137043に記載されているように、酵素を担体材料でコーティン
グするか、または担体材料中に封入し、押出、圧縮および球形化により所望の粒
子形態とすることによって、酵素の貯蔵安定性を顕著に高め得る。しかし、その
ような酵素製剤は、溶解性が低い。未溶解粒子は、洗濯物に取り付いてそれを汚
すか、または未使用のまま廃水に入り得る。ドイツ連邦共和国特許出願公開DE
−OS1803099により知られている封入組成物は、固体酸または酸性塩お
よび炭酸塩または炭酸水素塩の混合物から成り、水を加えると崩壊するので、酵
素製剤の溶解性を改善するが、水分に対し非常に感受性であるので、更なる保護
手段を要する。この製剤のもう一つの欠点は、乾燥粉末の形態の酵素しか加工で
きないということである。酵素製造において通例得られる発酵ブイヨンは、その
ままの形態では使用できず、予め水を除去しなければならない。
欧州特許EP168526には、水膨潤性デンプン、ゼオライトおよび水溶性
造粒助剤を含有する酵素顆粒が記載されている。そのような製剤を製造するため
に該文献が提案する方法は、前記問題を克服したものであって、実質的に、不溶
性成分を除去した発酵液を濃縮し、上記添加剤を加え、得られる混合物を造粒す
ることを含んで成る。該文献に提案された添加剤混合物を使用する方法は、乾燥
物含量が比較的高く(例えば55重量%)なるよう濃縮した発酵液を用いて行うこ
とが好都合である。
国際特許出願公開WO92/11347には、顆粒状洗浄および清浄組成物中
に使用する酵素顆粒であって、酵素2〜20重量%、膨潤性デンプン10〜50
重量%、造粒助剤としての水溶性有機ポリマー5〜50重量%、穀物粉10〜3
5重量%、および水3〜12重量%を含有する酵素顆粒が記載されている。この
ような添加剤を用いると、活性をあまり損失することなく酵素を加工することが
できる。顆粒中の酵素の貯蔵安定性も充分である。
上記文献例に見られるように、顆粒状酵素製剤の製造の分野において、個々の
酵素を顆粒形態に調製する種々の方法を当業者に提供するために、広範な従来技
術が存在する。しかし、そのような方法は、相互作用を起こし得る二種またはそ
れ以上の酵素を一つの顆粒中に組み合わせる場合には、有効でない。この問題は
とりわけ、プロテアーゼに関して生じる。プロテアーゼはタンパク質分解酵素で
あるから、同時に存在する第二の酵素および/または他の酵素を当然分解し得る
。このような分解が、酵素顆粒の製造および/または貯蔵中に起こると、第二の
酵素および/または他の酵素の、使用条件下における活性が充分でなくなる恐れ
がある。
この問題に対する解決方法も、従来技術において既に提案されている。国際特
許出願公開WO90/09440によると、プロテアーゼおよびセルロースを含
有するコアを、全部で10の層(ステアリン酸/パルミチン酸グリセリドおよび
カオリンが交互)でコーティングし(実施例において、保護コーティング材料の量
が、コアの量よりも多い)、次いで、第二の酵素、結合剤、充填剤および造粒助
剤の混合物を適用し、最後に外部コーティングを適用することによって、二酵素
含有顆粒を製造する。このような方法は、酵素含有コアと、より外側に存在する
第二酵素含有層とを分離する材料を多量に要する故に、望ましくない。もう一つ
の欠点は、使用条件下に外側の酵素が先に溶解し、後の段階でしか他方の酵素が
コアから放出されないので、二酵素を同時に作用させることができないというこ
とであり得る。
未公開のドイツ連邦共和国特許出願DE4329463には、複数の酵素を含
有する顆粒の製法であって、それぞれ一つの酵素を含有する大きさの異なる顆粒
を別々に製造し、次いでそれらを共造粒工程において凝集することを含んで成る
方法が記載されている。
酵素含有基礎顆粒を、第二の酵素を含有する粉末状成分でコーティングし得る
ことが、欧州特許出願EP304332により知られている。しかし、この複数
酵素含有顆粒の製法では、外層中に存在する第二酵素の安定性がしばしば不充分
となる。第二酵素を前以て粉末状に調製しなければならないことも、この方法の
欠点である。そしてこの場合も、通例、二酵素を同時に洗浄または清浄液に放出
することができない。
本発明の課題は、相互作用を起こす少なくとも二種の異なる酵素を含有する顆
粒状酵素製剤を簡単に製造する方法であって、複数の酵素を活性の損失無く、一
つの顆粒に組み合わせることができ、その状態で安定に貯蔵し得るという方法を
提供することであった。驚くべきことに、少なくとも二種の異なる酵素の混合物
を、特に選択した添加剤と共に共押出することにより、上記課題を実質的に解決
することができた。
すなわち、本発明は、少なくとも二種の異なる酵素を含有する酵素顆粒を製造
する方法であって、第一の酵素(第一酵素)を含有する水性液体(場合により、発
酵ブイヨンから不溶性成分を除去し、それを濃縮したものであり得る)を、無機
および/または有機担体材料と混合し、そのようにして調製した第一酵素配合物
を次いで、第二の酵素または更なる酵素(第二酵素)と混合し、得られた混合物を
多孔ダイから押出した後、切断し、場合により押出物を整粒装置内で球形化し、
乾燥し、要すれば、色素および/または顔料を場合により含有するコーティング
を適用することによる方法に関する。
本発明はまた、洗浄または清浄製剤(とりわけ顆粒状の洗浄または清浄製剤)中
に組み合わせるのに適当な、酵素並びに無機および/または有機担体材料を含有
する酵素顆粒であって、少なくとも二種の異なる酵素(とりわけ、互いに適合性
ではない酵素)を均一に分布した状態で含有する酵素顆粒にも関する。本発明は
、清浄活性量の界面活性剤と、少なくとも二種の異なる酵素(とりわけ、互いに
適合性ではない酵素)が均一に分布している酵素顆粒とを含有する洗浄または清
浄製剤にも関する。
本発明の方法によると、互いに適合性でない酵素を組み合わせて、それらが実
質的に均一に存在するが不都合な相互作用は起こさない顆粒を製造することがで
きる。これに関して重要な条件は、第一酵素の濃厚水溶液に第二酵素を直接加え
ることをせず、まず無機および/または有機担体材料(とりわけ、水膨潤性のも
の)に第一酵素濃厚液を含ませ、次いで第二酵素を加えるということである。第
一酵素は好ましくはプロテアーゼであり、第二酵素は好ましくはアミラーゼ、リ
パーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼまたは
それらの混合物である。
本発明に従って製造する酵素顆粒中に存在する第一酵素は、とりわけ、微生物
(例えば細菌または真菌)から得られるプロテアーゼである。プロテアーゼは適当
な微生物から、既知の発酵法によって得ることができる。そのような方法は例え
ば、ドイツ連邦共和国特許出願公開DE−OS1940488、2044161
、2201803および2121397、米国特許US−PS3632957お
よび4264738、欧州特許出願EP006638、並びに国際特許出願公開
WO91/02792に記載されている。プロテアーゼは例えば、BLAP(商
標)、サビナーゼ(Savinase、商標)、エスペラーゼ(Esperase、商標)、マキサ
ターゼ(Maxatase、商標)、オプティマーゼ(Optimase、商標)、アルカラーゼ(
Alcalase、商標)、デュラザイム(Durazym、商標)またはマキサペム(Maxapem
、商標)の名称で市販されている。
第一酵素は好ましくは、本発明による押出物中に1〜6重量%の量で存在する
。本発明の酵素顆粒がプロテアーゼ含有製剤である場合、酵素顆粒1g当たりの
プ
ロテアーゼ活性は好ましくは、50000〜350000プロテアーゼ単位[P
U;テンシド(Tenside)7(1970)、125に記載の方法により測定]、より
好ましくは100000〜250000PUである。
本発明の方法において第二酵素または第二酵素成分として適当なリパーゼは、
次のような種から得られるものである:例えば欧州特許出願EP258068、
EP305216およびEP341947に記載のフミコラ・ラヌギノーサ(Hu
micola lanuginosa);例えば国際特許出願公開WO91/16422または欧
州特許出願EP384717に記載のバシラス;例えば欧州特許出願EP468
102、EP385401、EP375102、EP334462、EP331
376、EP330641、EP214761、EP218272もしくはEP
204284、または国際特許出願公開WO90/10695に記載のシュード
モナス;例えば欧州特許出願EP130064に記載のフザリウム;例えば欧州
特許出願EP117553に記載のリゾプス;または例えば欧州特許出願EP1
67309に記載のアスペルギルス。適当なリパーゼは、例えば、リポラーゼ(
Lipolase、商標)、リポザイム(Lipozym、商標)、リポマックス(Lipomax、商
標)、アマノ(Amano、商標)リパーゼ、トーヨー・ジョーゾー(Toyo Jozo、商
標)リパーゼ、メイトー(Meito、商標)リパーゼ、およびダイオシンス(Diosy
nth、商標)リパーゼの名称で市販されている。本発明の複数の酵素を含有する顆
粒(多酵素顆粒)が、1〜80KLU/g[キロ・リパーゼ単位/g;ノボ・ノルデ
ィスク・パブリケーション(Novo Nordisk publication)AF95に記載のよ
うに、トリブチリンの酵素加水分解に基づくノボ標準法に従って測定]、好まし
くは1.5〜60KLU/g、より好ましくは10〜50KLU/gを含有するよ
うに、多酵素顆粒中にリパーゼを使用することが好ましい。
本発明の多酵素含有顆粒のうち、第一酵素としてプロテアーゼを含有し、第二
酵素としてアミラーゼを含有するものは、食器洗剤、とりわけ、食器洗い機用洗
剤中に使用するのに特に適当である。適当なアミラーゼは、例えばマキサミル(
Maxamyl、商標)およびターマミル(Termamyl、商標)の名称で市販されている。
本発明の多酵素顆粒が、1〜100KNU/g[キロ・ノボ単位/g;ノボ標準法
に従って測定;エス・ピー・コロウィック(S.P.Colowick)およびエヌ・デ
ィ・カプラン(N.D.Kaplan)、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods
in Enzymology)、第1巻、1955、第149頁にピー・バーンフェルド(
P.Bernfeld)が記載している方法に基づいて、1KNUは、pH5.6/37℃
でデンプン5.26gを分解する酵素の量である]、好ましくは2〜60KNU/g
、より好ましくは5〜50KNU/gを含有するような量で、多酵素顆粒中にア
ミラーゼを使用することが好ましい。
第二酵素または第二酵素成分として使用するのに適当なセルラーゼは、細菌ま
たは真菌から得ることのできる酵素で、好ましくは弱酸性ないし弱アルカリ性の
pH域(6〜9.5)に至適pHを持つ。そのようなセルラーゼは、例えば、ドイツ
連邦共和国特許出願公開DE−OS3117250、同3207825、同32
07847、同3322950、または欧州特許出願EP265832、EP2
69977、EP270974、EP273125およびEP339550によ
り、知られている。最終的な多酵素顆粒が、50〜1250CEVU/g[セルロ
ース粘度単位/g;ノボ・ノルディスク・パブリケーションAF253に記載の
ように、pH9.0/40℃におけるカルボキシメチルセルロースの酵素加水分解
によって測定]、好ましくは100〜1000CEVU/gのセルロース分解活性
を有するような量で、セルラーゼを使用することが好ましい。
第一酵素を含有する第一酵素配合物の製造は、第一酵素の水溶液または水性懸
濁液、とりわけ水性発酵ブイヨン(好ましくは水含量50〜75重量%)と、担体
材料との混合を含んで成る。本発明の方法の好ましい一態様においては、この段
階では、担体材料の全部ではなく一部(とりわけ、膨潤性の担体材料を含有する)
を加える。残部の担体材料は、膨潤性材料との混合後に直接第二酵素との混合物
(第二酵素配合物)として、または第二酵素との混合後に加え得る。適当な膨潤性
担体材料は、とりわけ、セルロース(粉末または繊維状で存在し得る)、麦芽デキ
ストロース、スクロース、転化糖、グルコース、およびそれらの混合物である。
粉末状セルロースとスクロースとの混合物が好ましい。膨潤性担体材料、または
第二酵素混合前に第一酵素液に加える膨潤性担体材料は、好ましくは20〜60
重量%、より好ましくは25〜50重量%の量で存在する。
前記膨潤性材料との混合物として、膨潤性材料混合直後に、または第二酵素添
加後に加え得る他の第一酵素用担体材料としては、酵素を全く、または無視し得
る程度にしか分解または可逆的不活性化するに過ぎず、押出条件下に安定であれ
ば、いずれの有機または無機粉末状物質も基本的に適当である。そのような物質
は、例えば、デンプン、穀物粉、セルロースエーテル、アルカリ金属アルミノシ
リケート(とりわけ、ゼオライト)、層状シリケート(例えばベントナイトまたは
スメクタイト)、および水溶性無機または有機塩(例えばアルカリ金属塩化物、ア
ルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属炭酸塩、またはアルカリ金属酢酸塩; 好ましい
アルカリ金属は、ナトリウムまたはカリウム)を包含する。デンプン、穀物粉、
並びに要すればセルロースエーテルおよびアルカリ金属炭酸塩から成る混合物を
担体材料として使用することが好ましい。
デンプンは、好ましくはトウモロコシデンプン、米デンプン、ジャガイモデン
プンまたはそれらの混合物であり、特に好ましくはトウモロコシデンプンである
。デンプンは、第一酵素用担体材料中に、該担体材料全体に対して好ましくは2
0〜80重量%、より好ましくは25〜75重量%の量で存在する。デンプンお
よび穀物粉の総量は、好ましくは95重量%以下、とりわけ60〜95重量%で
ある。穀物粉は、とりわけ小麦、大麦、ライ麦もしくはオート麦から得られる粉
、またはそれらの混合物であり、全粒粉が好ましい。本発明において全粒粉とは
、完全には挽いていない粉であって、殻付きの全粒から製造したもの、または少
なくとも大部分がそのような生成物から成り、残部が充分挽いた粉もしくはデン
プンであるものであると理解される。市販の小麦粉(例えばタイプ450または
550)を使用することが好ましい。全粒から製造したことが明らかなものであ
れば、前記デンプンを導く穀物の粉砕生成物を使用してもよい。添加剤混合物の
穀物粉成分は、同量で組み合わせた対応するデンプンよりも、酵素製剤の臭気を
はるかに顕著に軽減することが知られている。前記のような穀物粉は、第一酵素
用担体材料中に、好ましくは10〜35重量%、より好ましくは15〜25重量
%の量で存在する。
添加剤の更なる成分として、造粒助剤が存在し得る。造粒助剤は、例えばセル
ロースまたはデンプンのエーテル(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボ
キシメチルデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロースおよびそのようなセルロース混合エーテル)、ゼラチン
、カゼイン、トラガカント、または他の天然物もしくは合成物由来の水溶性もし
くは易水分散性オリゴマーもしくはポリマーを包含する。合成水溶性ポリマーは
、アルキルまたはアルケニルポリエトキシレート、ポリエチレングリコール、ポ
リアクリレート、ポリメタクリレート、アクリル酸とマレイン酸またはビニル基
含有化合物とのコポリマー、ポリビニルアルコール、部分的に加水分解したポリ
酢酸ビニルおよびポリビニルピロリドンを包含する。ポリエチレングリコールは
、平均分子量200〜3000のものから選択することが好ましい。上記造粒助
剤は、カルボキシル基を有する場合、通例、アルカリ金属塩、とりわけナトリウ
ム塩の形態で存在する。そのような造粒助剤は、本発明の目的に適当な酵素配合
物中に、押出に付す多酵素混合物に対して10重量%まで、とりわけ0.5〜8
重量%の量で存在し得る。カルボキシメチルセルロースの置換度は、好ましくは
0.8〜0.95である。そのようなカルボキシメチルセルロースを使用すると、
特に強度の高い顆粒が得られるか、またはある強度の顆粒を得るのに要する使用
量が、比較的低置換度のセルロースよりも少なくてよいので、好ましい。更に、
そのような比較的高置換度のカルボキシメチルセルロースの使用により、顆粒製
造の押出工程において、押出機の処理量を高めることができる。カルボキシメチ
ルセルロースの置換度とは、セルロースの糖モノマー当たりの、カルボキシメチ
ル基を結合したエーテル化酸素原子の数であると理解される。
第二酵素は、固体形態で(すなわち酵素そのものとして、またはとりわけ、担
体材料を含有する第二酵素配合物として)、または液体製剤として(すなわち水お
よび/または有機溶媒との混合物の形態で)、要すれば安定剤と組み合わせて加
え得る。第二の酵素または他の酵素を含有する第二酵素配合物は、特定の担体材
料に制限されず、最終的な多酵素顆粒の他の成分と適合性であることが確実ない
ずれの有機および/または無機担体材料を使用してもよい。この目的のための担
体を、第一酵素用の前記担体材料から選択し得る。第二酵素配合物中に第二酵素
に加えて要すれば存在する他の成分は重要ではないが、本発明の酵素顆粒を洗剤
および清浄組成物中に好ましく使用するためには、洗剤および清浄組成物の通常
の成分、または少なくともそれと適合性の物質が存在することが好ましい。第二
酵素含有配合物は好ましくは、第二酵素配合物に対して無機塩(とりわけアルカ
リ金属硫酸塩および/または塩化物)を30〜80重量%、繊維または粉末状セ
ルロースを2〜40重量%、結合剤(とりわけ、デキストロース、スクロース、
ポリビニルアルコールおよび/またはポリビニルピロリドン)を0.1〜15重量
%含有する。第二酵素を含有する酵素顆粒を製造し、それを本発明による製法に
使用してもよい。すなわち、第二酵素を含有する顆粒を、押出法(例えば国際特
許出願公開WO92/11347または欧州特許EP168526に記載されて
いる)によって製造することができる。好ましくは、第二酵素含有顆粒は、無機
および/または有機担体材料、および酵素水溶液から、パン造粒によって製造す
る。担体材料中に無機塩およびセルロース繊維を使用し、結合剤として水および
/または蝋様物質を使用したそのような方法が、例えばドイツ連邦共和国特許D
E2730481に記載されている。
本発明の酵素顆粒は、不溶性不純物を例えばマイクロ濾過によって除去した、
第一酵素の水性発酵ブイヨンから製造することが好ましい。マイクロ濾過は、例
えば欧州特許出願EP200032に記載されているように、0.1μmよりも大
きい微小孔を有する多孔管を用いて、濃厚液の流速2m/s以上、透過側に対する
圧力差5バール未満で、十字流マイクロ濾過として行うことが好ましい。マイク
ロ濾過の透過物を、次いで、好ましくは限外濾過、およびその後に要すれば減圧
蒸発を行うことによって濃縮する。この濃縮工程は、国際特許出願公開WO92
/11347に記載されているように、乾燥物含量が好ましくは5〜50重量%
、より好ましくは10〜40重量%と、比較的低くなる程度にのみ行い得る。こ
の濃縮物を、予め調製しておくことが好ましい前記膨潤性担体材料の乾燥粉末状
ないし顆粒状混合物に加える。他の前記担体材料(予め混合しておくことが好ま
しい)および押出助剤は、その後、第二酵素配合物添加の前または後に加える。
添
加剤は、生成する多酵素押出物の嵩密度が700〜1200g/lとなるように、
前記担体材料および造粒助剤から選択することが好ましい。押出に付す混合物の
水含量は、混合物が、撹拌機およびビーターを用いて混ぜ合わせると室温で非粘
着性の顆粒に変換でき、塑性変形し、比較的高い圧力下に押出すことができるよ
うに選択すべきである。次いで、通例流動性の多酵素混合物を、基本的に既知の
方法で、押出機に隣接するニーダー内で加工して、可塑性の実質的に均一なペー
ストを生成する。このペーストは、混練の結果、40〜60℃、とりわけ45〜
55℃に温度上昇し得る。押出機から吐出した材料を多孔ダイに通し、切断刃で
切断して、予め設定したサイズの円筒形粒子とする。多孔ダイの孔直径は、好ま
しくは0.7〜1.2mm、とりわけ0.8〜1.0mmである。この押出物の長さ対厚
さ比は、好ましくは0.9〜1.1:1、より好ましくは1.0:1である。この
形態の粒子を、次いで、要すれば乾燥した後、そのまま洗浄および清浄製剤中に
組み合わせ得る。しかし、押出機およびカッターから吐出された円筒形粒子を球
形化すること、すなわち適当な機械内で角を落とし、「ばり取り」することが有
利であるとわかった。そのような球形化方法は、例えばドイツ連邦共和国特許出
願公開DE−OS2137042および2137043に記載されている。球形
化は、静止固定側壁、および底部に取り付けた回転する摩擦板を有する円筒形容
器から成る機械で行う。このような機械は、マルメライザー(Marumerizer、商
標)の名称で市販されている。球形化の後、まだ湿潤している球形粒子を、連続
的またはバッチ式に乾燥する。乾燥は、好ましくは流動床乾燥器内で、好ましく
は35〜50℃で、とりわけ最高生成物温度45℃で行い、残留水含量を4〜1
0重量%、好ましくは5〜8重量%とする(粒子の水含量がそれよりも高かった
場合)。この段階で、サイズが0.1mm未満、とりわけ0.4mm未満のダスト状フ
ラクション(押出物製造中に生じたもの)、およびサイズが2mmを越え、とりわけ
1.6mmを越える粗粒フラクションがあれば、それを篩過または空気分離によっ
て除去し得、要すれば製造工程に戻し得る。押出工程は、生成する本発明の多酵
素押出物が、下記粒子サイズ分布を有するように行うことが好ましい:直径0.
2mm未満の粒子が10重量%未満、とりわけ2重量%未満;直径0.2mm以上0.
4mm未満の粒子
が10〜20重量%;直径0.4mm以上0.8mm未満の粒子が80〜90重量%。
乾燥工程後または好ましくは乾燥工程中に、押出粒子を封入およびコーティン
グする物質を更に加え得る。この目的のために乾燥工程を、流動床内で酵素含有
粒子に、通常の結合剤(最も単純な形態のものは水であり得る)を噴霧しながら行
うことが好ましい。他の適当な結合剤は、ノニオン性界面活性剤、並びにとりわ
け前記水溶性有機ポリマーから選択するフィルム形成剤、例えばカルボキシメチ
ルセルロースおよび/またはポリエチレングリコールであり、そのまま、または
とりわけ水溶液の形態で使用し得る。更に、この段階において色素または顔料を
も粒子に適用し得る。これは、粒子に着いていることのある色(通例、酵素濃厚
液に由来する)を遮蔽または改善するためである。二酸化チタンおよび炭酸カル
シウムが、不活性で生理学的に安全な顔料で、特に適当であることがわかった。
これを、結合剤の後、または好ましくは結合剤と共に、水性分散液の形態で導入
する。顔料分散液または結合剤に伴って導入された水は、乾燥工程(同時に行う
か、または後の段階で行う必要があり得る)において除去する。
本発明の方法によって容易に得られる多酵素顆粒中の各酵素は、それらの個別
の酵素活性から理論的に期待される酵素活性を有する。通例、期待される活性の
90%以上、とりわけ95%以上が保たれる。
前記のようにして得られる本発明の多酵素顆粒は、固体、とりわけ顆粒状の洗
浄または清浄製剤の製造に使用することが好ましい。そのような洗浄または清浄
製剤は、酵素顆粒と、洗浄または清浄製剤中に通例存在する他の成分とを、単に
混合することによって得られる。驚くべきことに、本発明の多酵素顆粒は、液体
またはペースト状の水含有製剤中にも組み合わせることができる。その場合の酵
素貯蔵安定性は、不適合性の複数の酵素が同時に存在するにもかかわらず、溶液
に酵素を導入した場合よりも顕著に高い。そのような液体製剤の粘度は好ましく
は100〜60000mPasであり、石鹸および溶媒の使用濃度によって広い範
囲内で調節し得る。とりわけプロテアーゼ/アミラーゼを含有する本発明の顆粒
は、食器洗い機用洗剤中に使用することが好ましい。食器洗い機用洗剤は、好ま
しくは、高嵩密度(好ましくは750〜1000g/l)の粉末として、または錠剤
の形態で市販される。そのような錠剤を製造するには、本発明の多酵素顆粒を好
ましくは、ミキサー内で他の成分全部と混合し、得られた混合物を従来の錠剤プ
レス(例えば偏心プレスまたは回転式プレス)により、200×105〜1500
×105Paの圧力で製錠する。このようにして、使用条件下には充分短時間で溶
解するが、通例150Nを越える曲げ強さを有する破断抵抗性の錠剤が容易に得
られる。このように製造する錠剤は好ましくは、重量が15〜40g、特に20
〜30g、直径が35〜40mmである。
顆粒状の洗浄および清浄製剤中に組み合わせるには、本発明の多酵素顆粒の平
均粒子サイズは、好ましくは0.9〜1.8mm、より好ましくは1.0〜1.5mmで
ある。本発明の酵素顆粒において、0.2〜1.6mmのサイズ範囲外の粒子の含量
は、好ましくは5重量%未満、より好ましくは1重量%までである。
本発明によって得られる酵素製剤は、実質的に球形化した、ダストの無い粒子
から成り、その嵩密度は通例、約650〜1050g/l、とりわけ700〜88
0g/lである。本発明に従って製造する顆粒は、とりわけ室温を越える温度で高
湿下にも貯蔵安定性が非常に高いことによって特徴付けられる。この安定性は、
相互作用を起こし得る酵素が共存するにもかかわらず、通例、別々に調製した各
酵素をそれぞれ貯蔵する場合の安定性よりも高い。このことは、本発明の酵素顆
粒にも、顆粒状の洗浄または清浄製剤中に組み合わせた本発明の酵素顆粒にも当
てはまる。本発明の酵素顆粒のもう一つの利点は、使用条件下の洗浄液への溶解
性である。存在する全ての酵素が同時に放出され、清浄効果を発揮することがで
きる。好ましい態様においては、本発明の顆粒は、25℃の水中で3分以内、と
りわけ70秒ないし2.5分で、酵素活性を少なくとも90%放出する。
本発明の多酵素顆粒または本発明の方法によって製造した多酵素顆粒を含有す
る洗浄または清浄製剤は、酵素と不都合な相互作用を起こさない、そのような製
剤の他の通常の成分をも含有し得る。本発明の多酵素顆粒は、洗浄または清浄製
剤中に0.1〜5重量%、とりわけ0.5〜2.5重量%の量で組み合わせること
が好ましい。
驚くべきことに、前記性質を有する酵素顆粒は、洗浄および清浄組成物中の他
のある種の成分の効果に相乗的に影響し、逆に、多酵素顆粒中の酵素の効果も、
他のある種の洗剤成分によって相乗的に向上することがわかった。このような効
果はとりわけ、次のような成分との間に起こる:ノニオン性界面活性剤;汚れ防
ー;水不溶性無機ビルダー;水溶性無機および有機ビルダー、とりわけ酸化した
炭水化物から成るビルダー;過酸素系漂白剤、とりわけアルカリ金属過炭酸塩;
スルフェートおよびスルホネート型の合成アニオン性界面活性剤(ただし、相乗
作用があるとしても、わずかである);アルキルベンゼンスルホネート。従って
、上記成分を、本発明の多酵素顆粒と共に使用することが好ましい。
好ましい一態様においては、前記のような製剤は、脂肪アルキルポリグリコシ
ド、脂肪アルキルポリアルコキシレート(とりわけ、エトキシレートおよび/ま
たはプロポキシレート)、脂肪酸ポリヒドロキシアミド、および/またはエトキ
シル化および/またはプロポキシル化生成物の形態の脂肪アルキルアミン、ビシ
ナルジオール、脂肪酸アルキルエステルおよび/または脂肪酸アミド、またはそ
れらの混合物から成る群から選択するノニオン性界面活性剤を、とりわけ2〜2
5重量%の量で含有する。
前記のような製剤の他の態様は、スルフェートおよび/またはスルホネート型
の合成アニオン性界面活性剤、とりわけ脂肪アルキルスルフェート、脂肪アルキ
ルエーテルスルフェート、スルホ脂肪酸エステルおよび/またはスルホ脂肪酸二
酸を、とりわけ2〜25重量%の量で含有する。このようなアニオン性界面活性
剤は、アルキルまたはアルケニル基の炭素数が8〜22、とりわけ12〜18で
ある、アルキルもしくはアルケニルスルフェートおよび/またはアルキルもしく
はアルケニルエーテルスルフェートから選択することが好ましい。
適当なノニオン性界面活性剤は、炭素数10〜22、好ましくは12〜18の
、飽和またはモノもしくはポリ不飽和、直鎖または分枝状アルコールのアルコキ
シレート(とりわけエトキシレートおよび/またはプロポキシレート)である。ア
ルコールのアルコキシル化度は、通例1〜20、好ましくは3〜10である。そ
のような界面活性剤は、対応するアルコールと、対応するアルキレンオキシドと
の
反応によって、既知の方法で製造し得る。脂肪アルコールの誘導体が特に適当で
あるが、その分枝鎖異性体(とりわけ、いわゆるオキソアルコール)を用いて適当
なアルコキシレートを調製することもできる。すなわち、直鎖状の基、とりわけ
ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシル基を有する第一級ア
ルコールおよびそれらの混合物のアルコキシレート、とりわけエトキシレートが
適当である。また、前記アルコールと同様のアルキル部分を有するアルキルアミ
ン、ビシナルジオールおよびカルボン酸アミドの、対応するアルコキシル化生成
物を使用してもよい。他の適当なノニオン性界面活性剤は、脂肪酸アルキルエス
テルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド挿入生成物(国際特
許出願公開WO90/13533に記載の方法により、合成し得る)、および脂
肪酸ポリヒドロキシアミド(米国特許US1985424、US2016962
およびUS2703798、並びに国際特許出願公開WO92/06984に従
って合成し得る)である。本発明の製剤中に組み合わせるのに適当な、いわゆる
アルキルポリグリコシドは、式:(G)n−OR1[式中、R1はC8−C22アルキル
またはアルケニル基であり、Gはグリコース単位であり、nは1〜10の数であ
る。]で示される化合物である。そのような化合物およびその製法は、例えば、
欧州特許出願EP92355、EP301298、EP357969およびEP
362671、並びに米国特許US3547828に記載されている。グリコシ
ド成分(G)nは、天然アルドースまたはケトースモノマー(とりわけ、グルコース
、マンノース、フルクトース、ガラクトース、タロース、グロース、アルトロー
ス、アロース、イドース、リボース、アラビノース、キシロースおよびリキソー
スを包含する)の、オリゴマーまたはポリマーである。そのようなグリコシド結
合したモノマーから成るオリゴマーは、糖の種類だけでなく、糖の数(いわゆる
オリゴマー化度)によっても特徴付けられる。分析学的測定値としてのオリゴマ
ー化度nは、通例整数でない1〜10の範囲の数であり、好ましくは1.5未満、
とりわけ1.2〜1.4の値である。モノマーとしては、グルコースが入手容易で
ある故に好ましい。グリコシドのアルキルまたはアルケニル基R1は、再生し得
る材料の入手容易な誘導体(とりわけ、脂肪アルコール)から誘導することが好ま
しい。
脂肪アルコールの分枝鎖異性体、とりわけ、いわゆるオキソアルコールを、適当
なグリコシドの製造に使用することもできる。すなわち、直鎖状オクチル、デシ
ル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシル基を有する第一
級アルコールおよびその混合物が、特に有用である。特に好ましいアルキルグリ
コシドは、ヤシ油脂肪アルキル基(すなわち、実質的にR1=ドデシルおよびR1
=テトラデシルから成る混合物)を有する。
ノニオン性界面活性剤は、本発明の多酵素顆粒を含有する製剤中に、好ましく
は1〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%の量で存在する。
前記製剤は、前記界面活性剤の代わりに、またはそれに加えて、他の界面活性
剤、好ましくは合成アニオン性界面活性剤(スルフェートまたはスルホネート型
のもの)を、製剤全体に対して、好ましくは20重量%以下、とりわけ0.1〜1
8重量%の量で含有し得る。そのような製剤中に使用するのに特に適当な合成ア
ニオン性界面活性剤は、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、またはアル
キルもしくはヒドロキシアルキル置換アンモニウムイオンを対カチオンとして有
するC8−C22アルキルおよび/またはアルケニルスルフェートである。脂肪ア
ルコール(特に、炭素数12〜18のもの)、およびその分枝鎖類似体(いわゆる
オキソアルコール)の誘導体が好ましい。アルキルおよびアルケニルスルフェー
トは、対応するアルコール成分と、通常の硫酸化剤(とりわけ、三酸化イオウま
たはクロロスルホン酸)とを反応させ、次いでアルカリ金属、アンモニウム、ま
たはアルキルもしくはヒドロキシアルキル置換アンモニウム塩基で中和すること
によって、既知の方法で製造し得る。そのようなアルキルおよび/またはアルケ
ニルスルフェートは、本発明の多酵素顆粒を含有する製剤中に、好ましくは0.
1〜20重量%、とりわけ0.5〜18重量%の量で存在する。
他の適当なスルフェート型の界面活性剤は、前記アルコールの硫酸化アルコキ
シル化生成物(いわゆるエーテルスルフェート)である。そのようなエーテルスル
フェートは、1分子当たりエチレングリコール基を好ましくは2〜30個、より
好ましくは4〜10個有する。スルホネート型の適当なアニオン性界面活性剤は
、脂肪酸エステルと三酸化イオウとを反応させ、次いで中和することによって得
ら
れるα−スルホエステル、とりわけ、C8−C22(好ましくはC12−C18)脂肪酸
とC1−C6(好ましくはC1−C4)直鎖状アルコールとから誘導するスルホン化生
成物、およびそのようなスルホン化生成物からケン化により誘導するスルホ脂肪
酸を包含する。
要すれば使用する他の界面活性成分は、石鹸である。飽和脂肪酸石鹸、例えば
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸またはステアリン酸の塩、および天然
脂肪酸混合物(例えばヤシ油、パーム核油または獣脂脂肪酸)から誘導する石鹸が
適当である。飽和C12−C18脂肪酸石鹸50〜100重量%、およびオレイン酸
石鹸50重量%まで、という組成の石鹸混合物が、特に好ましい。石鹸は、好ま
しくは0.1〜5重量%の量で存在する。しかし、より多い量(通例、20重量%
まで)の石鹸が存在してもよい(特に、本発明の多酵素顆粒を含有する製剤が液体
の場合)。
他の態様においては、本発明の多酵素顆粒を含有する製剤は、とりわけ、アル
カリ金属アルミノシリケート、結晶アルカリ金属シリケート(モジュラスが1を
越えるもの)、ポリカルボキシレートモノマー、ポリカルボキシレートポリマー
およびそれらの混合物から成る群から選択する水溶性および/または不溶性ビル
ダーを、特に2.5〜60重量%の量で含有する。
本発明の多酵素顆粒を含有する製剤は、水溶性および/または水不溶性の有機
および/または無機ビルダーを好ましくは20〜55重量%の量で含有する。水
溶性有機ビルダーは、とりわけ、ポリカルボン酸(特にクエン酸および糖酸)、お
よび(ポリ)カルボン酸ポリマー[とりわけ、国際特許出願公開WO93/161
10に従って多糖を酸化することによって得られるポリカルボキシレート、並び
にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸のポリマーおよびコポリマー(カルボ
ン酸官能基を持たない重合性物質が少量共重合していてもよい)]の群から選択
するビルダーを包含する。不飽和カルボン酸ホモポリマーの相対分子量は通例、
5000〜200000であり、コポリマーの相対分子量は通例、2000〜2
00000、好ましくは50000〜120000である(遊離酸換算)。特に好
ましいアクリル酸/マレイン酸コポリマーは、相対分子量が50000〜100
000である。この群の化合物として、アクリル酸またはメタクリル酸と、ビニ
ルエーテル(例えばビニルメチルエーテル)、ビニルエステル、エチレン、プロピ
レンおよびスチレンとのコポリマーであって、酸の含量が少なくとも50重量%
であるものも適当である(ただし、好ましさは劣る)。他の適当な水溶性有機ビル
ダーは、モノマーとしての2種のカルボン酸および/またはその塩と、第3のモ
ノマーとしてのビニルアルコールおよび/またはビニルアルコール誘導体または
炭水化物とから成るターポリマーである。第1の酸モノマーまたはその塩は、モ
ノエチレン性不飽和C3−C8カルボン酸、好ましくはC3−C4モノカルボン酸、
とりわけアクリル(メタクリル)酸から誘導する。第2の酸モノマーまたはその塩
は、C4−C8ジカルボン酸の誘導体、好ましくはC4−C8ジカルボン酸、より好
ましくはマレイン酸であり得る。この場合、第3のモノマー単位は、ビニルアル
コールから誘導し、および/または好ましくはエステル化ビニルアルコールであ
る。短鎖カルボン酸(例えばC1−C4カルボン酸)とビニルアルコールとのエステ
ルであるビニルアルコール誘導体が、特に好ましい。好ましいターポリマーは、
アクリル(メタクリル)酸またはアクリレート(メタクリレート)(好ましくはアク
リル酸またはアクリレート)およびマレイン酸またはマレエート60〜95重量
%(とりわけ、70〜90重量%)と、ビニルアルコールおよび/または酢酸ビニ
ル5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)とから成る。特に好ましいター
ポリマーにおいては、アクリル(メタクリル)酸またはアクリレート(メタクリレ
ート)と、マレイン酸またはマレエートとの重量比が、1:1ないし4:1、好ま
しくは2:1ないし3:1、より好ましくは2:1ないし2.5:1である。上記の
量および重量比は、酸換算のものである。第2の酸モノマーまたはその塩は、2
位においてアルキル基(好ましくはC1−C4アルキル基)または芳香族基(好まし
くは、ベンゼンまたはベンゼン誘導体から誘導したもの)で置換されたアリルス
ルホン酸の誘導体であってもよい。好ましいターポリマーは、アクリル(メタク
リル酸)またはアクリレート(メタクリレート)(好ましくはアクリル酸またはアク
リレート)40〜60重量%(とりわけ、45〜55重量%)、メタリルスルホン
酸またはメタリルスルホネート10〜30重量%(とりわけ、15〜25重量%)
、
および第3のモノマーとしての炭水化物15〜40重量%(とりわけ、20〜4
0重量%)から成る。この炭水化物は、例えば、単糖、二糖、オリゴ糖または多
糖であってよく、単糖、二糖またはオリゴ糖が好ましく、スクロースが特に好ま
しい。第3のモノマーの使用によって、予め弱点がポリマーに組み込まれ、これ
がポリマーの易生分解性に寄与すると考えられる。このようなポリマーは、とり
わけ、ドイツ連邦共和国特許DE4221381およびドイツ連邦共和国特許出
願P4300772.4に記載の方法によって製造し得、その相対分子量は通例
、1000〜200000、好ましくは200〜50000、より好ましくは3
000〜10000である。そのようなポリマーは、水溶液(好ましくは30〜
50重量%水溶液)の形態で、とりわけ液体製剤の製造のために使用し得る。通
例、前記ポリカルボン酸はいずれも、水溶性塩、とりわけアルカリ金属塩の形態
で使用する。
前記のような有機ビルダーは、好ましくは40重量%まで、より好ましくは2
5重量%まで、最も好ましくは1〜5重量%の量で使用する。本発明の多酵素顆
粒を含有する製剤がペースト状または液体(特に水を含有するもの)である場合に
は、上記範囲の上限に近い量を使用することが好ましい。
適当な水不溶性水分散性無機ビルダーは、とりわけ、結晶または非晶のアルカ
リ金属アルミノシリケートであり、その使用量は50重量%まで、好ましくは4
0重量%以下で、液体製剤中ではとりわけ1〜5重量%である。そのようなビル
ダーのうち、洗剤用結晶アルミノシリケート、とりわけゼオライトNaA、およ
び場合によりNaXが特に好ましい。固体顆粒状製剤においては、上記範囲の上
限に近い量を使用することが好ましい。適当なアルミノシリケートにおいては、
とりわけ30μmを越える大きさの粒子は存在せず、好ましくは、10μmよりも
小さい粒子が少なくとも80重量%を占める。そのカルシウム結合能は、100
〜200mgCaO/gである(ドイツ連邦共和国特許DE2412837に従って
測定し得る)。上記アルミノシリケートの代替品または部分的な代替品として適
当なものは、結晶アルカリ金属シリケートであって、単独で、または非晶シリケ
ートとの混合物として使用し得る。製剤中のビルダーとして適当なアルカリ金属
シリケートは、アルカリ金属オキシドとSiO2とのモル比が0.95未満、とり
わけ1:1.1ないし1:12のものであり、非晶または結晶形態で存在し得る
。好ましいアルカリ金属シリケートは、Na2O:SiO2モル比1:2ないし1:
2.8のケイ酸ナトリウム、とりわけ非晶ケイ酸ナトリウムである。そのような
非晶アルカリ金属シリケートは、例えばポーティル(Portil、商標)の名称で市
販されている。Na2O:SiO2のモル比が1:1.9ないし1:2.8のものは、
欧州特許出願EP0425427の方法によって製造し得る。それを、製造工程
において、溶液の形態ではなく固体として加えることが好ましい。単独で、また
は非晶シリケートとの混合物の形態で存在し得る好ましい結晶シリケートは、式
:Na2SixO2x+1・yH2O[式中、x(いわゆるモジュラス)は1.9〜4の数で
あり、yは0〜20の数であり、xは好ましくは2、3または4である。]で示さ
れる結晶層状シリケートである。上記式で示される結晶層状シリケートは、例え
ば欧州特許出願EP0164514に記載されている。式中、xが2または3で
ある結晶層状シリケートが好ましい。β−およびδ−二ケイ酸ナトリウムNa2S
i2O5・yH2Oが特に好ましい。β−二ケイ酸ナトリウムは、例えば、国際特許
出願公開WO91/08171に記載の方法によって得られる。モジュラスが1
.9〜3.2であるδ−ケイ酸ナトリウムは、日本国特許出願JP04/2388
09またはJP04/260610に従って調製し得る。xが1.9〜2.1であ
る上記式で示される、実質的に水不含有の結晶アルカリ金属シリケート(欧州特
許出願EP0548599、EP0502325およびEP0452428に記
載のように、非晶アルカリ金属シリケートから調製したもの)を、本発明の多酵
素顆粒を含有する製剤中に使用してもよい。本発明の製剤の他の好ましい態様に
おいては、欧州特許出願EP0436835の方法によって砂およびソーダから
調製し得る、モジュラス2〜3の結晶層状ケイ酸ナトリウムを使用する。本発明
の多酵素顆粒を含有する洗浄または清浄製剤の他の好ましい態様においては、欧
州特許EP0164552および/またはEP0293753の方法によって得
られる、モジュラス1.9〜3.5の結晶ケイ酸ナトリウムを使用する。製剤のア
ルカリ金属シリケート含量は、水不含有活性物質換算で、好ましくは1〜50重
量%、より好ましくは5〜35重量%である。アルカリ金属アルミノシリケート
(とりわけ、ゼオライト)が更なるビルダーとして存在する場合、アルカリ金属シ
リケート含量は、水不含有活性物質換算で、好ましくは1〜15重量%、より好
ましくは2〜8重量%である。この場合、アルミノシリケートとシリケートとの
重量比は、水不含有活性物質換算で、好ましくは4:1ないし10:1である。
非晶および結晶アルカリ金属シリケートの両方を含有する製剤においては、非晶
アルカリ金属シリケートと結晶アルカリ金属シリケートとの重量比は、好ましく
は1:2ないし2:1、より好ましくは1:1ないし2:1である。
上記無機ビルダーに加えて、他の水溶性または水不溶性無機物質も本発明の多
酵素顆粒を含有する製剤中に使用し得る。そのような適当な物質は、アルカリ金
属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩およびアルカリ金属硫酸塩、並びにそれらの
混合物である。このような更なる無機材料は、70重量%までの量で存在し得る
が、全く存在しないことが好ましい。
更に、本発明の製剤は、洗浄および清浄製剤中に通例存在する他の成分をも含
有し得る。そのような要すれば使用する成分は、とりわけ、漂白剤、漂白活性剤
、重金属錯化剤(例えば、アミノポリカルボン酸、アミノヒドロキシポリカルボ
ン酸、ポリホスホン酸および/またはアミノポリホスホン酸)、再沈着防止剤(例
えば、セルロースエーテル)、色移り防止剤(例えばポリビニルピロリドンまたは
ポリビニルピロリドン−N−オキシド)、抑泡剤(例えば、オルガノポリシロキサ
ンまたはパラフィン)、溶媒、および蛍光増白剤(例えば、スチルベンジスルホン
酸誘導体)を包含する。本発明の多酵素顆粒を含有する製剤は、蛍光増白剤、と
りわけ置換4,4'−ビス−(2,4,6−トリアミノ−s−トリアジニル)−スチル
ベン−2,2'−ジスルホン酸の群から選択する化合物を1重量%まで(とりわけ
0.01〜0.5重量%)、重金属錯化剤、とりわけアミノアルキレンホスホン酸
およびその塩を5重量%まで(とりわけ0.1〜2重量%)、再沈着防止剤を3重
量%まで(とりわけ0.5〜2重量%)、および抑泡剤を2重量%まで(とりわけ0
.1〜1重量%)含有することが好ましい(重量部は、製剤全体に対する値)。
とりわけ本発明の多酵素顆粒を含有する液体製剤中に使用する溶媒、並びに多
酵素顆粒の製造において第一および/または第二酵素の液体製剤の成分として存
在し得る溶媒としては、水のほか、水混和性溶媒が好ましい。水混和性溶媒は、
低級アルコール(例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およ
びブタノール異性体)、グリセロール、低級グリコール(例えば、エチレンおよび
プロピレングリコール)、およびそれらの化合物群から誘導するエーテルを包含
する。多酵素顆粒は、液体製剤中で、不溶形態(すなわち、固体顆粒形態)で存在
する。
とりわけ液体である本発明の製剤中に要すれば存在し、また、多酵素顆粒の製
造において第一酵素およびとりわけ第二酵素の液体製剤の成分として適当である
通常の酵素安定剤は、アミノアルコール(例えばモノ−、ジ−、トリ−エタノー
ルアミンおよびプロパノールアミン、並びにそれらの混合物)、低級カルボン酸(
例えば、欧州特許出願EP376705およびEP378261により既知のも
の)、ホウ酸またはアルカリ金属ホウ酸塩、ホウ酸/カルボン酸組み合わせ(例え
ば、欧州特許出願EP451921により既知のもの)、ホウ酸エステル(例えば
国際特許出願公開WO93/11215または欧州特許出願EP511456に
より既知のもの)、ホウ酸誘導体(例えば欧州特許出願EP583536により既
知のもの)、カルシウム塩(例えば、欧州特許EP28865により既知のカルシ
ウム/ギ酸組み合わせ)、マグネシウム塩(例えば、欧州特許出願EP37826
2により既知のもの)、および/またはイオウ含有還元剤(例えば、欧州特許出願
EP080748またはEP080223により既知のもの)を包含する。
適当な抑泡剤は、長鎖石鹸(とりわけ、ベヘン酸石鹸)、脂肪酸アミド、パラフ
ィン、ワックス、微結晶ワックス、オルガノポリシロキサンおよびその混合物(
更に、微細な、要すればシラン化するか、または他の方法で疎水化したシリカを
も含有し得る)を包含する。顆粒状製剤中に使用するためには、前記抑泡剤を、
例えばドイツ連邦共和国特許出願公開DE−OS3436194、欧州特許出願
EP262588、EP301414、EP309931、または欧州特許EP
150386に記載のように顆粒状水溶性担体に固定することが好ましい。
更に、本発明の多酵素顆粒を含有する製剤は、再沈着防止剤をも含有し得る。
再沈着防止剤の機能は、繊維から離れた汚れを液体中に懸濁して保ち、それによ
って繊維の変色を防止することである。再沈着防止剤は、水溶性の、通例有機の
コロイド、例えばカルボン酸ポリマーの水溶性塩、糊、ゼラチン、またはデンプ
ンもしくはセルロースのエーテルカルボン酸もしくはエーテルスルホン酸塩、ま
たはセルロースもしくはデンプンの硫酸エステル塩を包含する。酸基を有する水
溶性ポリアミドも、この目的に適する。可溶性デンプン製剤、および前記以外の
デンプン生成物、例えば部分的に加水分解したデンプンを使用してもよい。ナト
リウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチ
ルセルロースおよびそれらの混合物を使用することが好ましい。
本発明の多酵素顆粒を含有する製剤の他の態様は、過酸素系漂白剤をとりわけ
5〜70重量%の量で、および要すれば漂白活性剤をとりわけ2〜10重量%の
量で含有する。そのような漂白剤は、洗剤中に通例用いられるパー化合物、例え
ば過酸化水素、パーボレート(四水和物または一水和物として存在し得る)、パー
カーボネート、パーピロホスフェートおよびパーシリケートであって、通例、ア
ルカリ金属塩(とりわけ、ナトリウム塩)として存在する。そのような漂白剤は、
本発明の多酵素顆粒を含有する洗剤中に、洗剤全体に対して好ましくは25重量
%まで、より好ましくは15重量%まで、最も好ましくは5〜15重量%の量で
存在する。要すれば使用する漂白活性剤は、通常用いられるN−またはO−アシ
ル化合物、例えばポリアシル化アルキレンジアミン(とりわけ、テトラアセチル
エチレンジアミン)、アシル化グリコールウリル(とりわけ、テトラアセチルグリ
コールウリル)、N−アシル化ヒダントイン、ヒドラジド、トリアゾール、ウラ
ゾール、ジケトピペラジン、スルフリルアミドおよびシアヌレート、並びにカル
ボン酸無水物(とりわけ、無水フタル酸)、カルボン酸エステル(とりわけ、イソ
ノナノイルフェノールスルホン酸ナトリウム)、およびアシル化糖誘導体(とりわ
け、ペンタアセチルグルコース)を包含する。漂白活性剤が貯蔵中にパー化合物
と相互作用するのを防止するために、漂白活性剤を、殻形成物質で既知の方法で
コーティングするか、または造粒しておいてよい。カルボキシメチルセルロース
と共に造粒したテトラアセチルエチレンジアミン(平均粒子サイズ0.01〜0.
8mm; 例えば欧州特許EP037026に記載の方法によって製造し得る)、お
よび/または造粒した1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,
3,5−トリアジン(ドイツ連邦共和国特許DD255884に記載の方法によっ
て製造し得る)が、特に好ましい。そのような漂白活性剤は、本発明の洗剤中に
、洗剤全体に対して好ましくは8重量%まで、とりわけ2〜6重量%の量で存在
する。
更に、本発明の多酵素顆粒を含有する製剤の他の態様は、ジカルボン酸および
グリコールのコポリエステルから成る汚れ防止剤を、とりわけ0.01〜5重量
%の量で含有し得る。化学的類似性の故にポリエステル繊維に対して特に有効な
汚れ防止剤(他の繊維製品素材にも所望の作用を示し得る)は、ジカルボン酸単位
、アルキレングリコール単位およびポリアルキレングリコール単位を有するコポ
リエステルである。そのような汚れ防止コポリエステル、および洗剤中における
その使用は、既知である。例えばドイツ連邦共和国特許出願公開DE−OS16
17141に、ポリエチレンテレフタレート/ポリオキシエチレングリコールコ
ポリマーを用いる洗濯方法が記載されている。ドイツ連邦共和国特許出願公開D
E−OS2200911は、ノニオン性界面活性剤およびポリオキシエチレング
リコール/ポリエチレンテレフタレートコポリマーを含有する洗剤に関する。ド
イツ連邦共和国特許出願公開DE−OS2253063には、二塩基性カルボン
酸とアルキレンまたはシクロアルキレンポリグリコールおよび場合によりアルキ
レンまたはシクロアルキレングリコールとのコポリマーを含有する、酸性の繊維
製品仕上げ製剤が記載されている。欧州特許EP066944は、エチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、芳香族ジカルボン酸およびスルホン化芳香族
ジカルボン酸を特定のモル比で有するコポリエステルを含有する繊維製品処理製
剤に関する。欧州特許EP185427には、エチレンおよび/またはプロピレ
ンテレフタレート、およびポリエチレンオキシドテレフタレート単位を有するメ
チル−またはエチル−末端キャップポリエステル、並びに該汚れ防止ポリマーを
含有する洗剤が記載されている。欧州特許EP241984は、オキシエチレン
基およびテレフタル酸単位に加えて置換エチレン単位およびグリセロール単位を
有
するポリエステルに関する。そのような汚れ防止ポリエステルは、本発明の多酵
素顆粒を含有する製剤中に、好ましくは0.1〜2.5重量%、より好ましくは0
.2〜2重量%の量で存在する。
前記のような洗浄または清浄製剤は、別に加える酵素、すなわち本発明の多酵
素顆粒の成分ではない酵素をも含有し得る。しかし、存在する酵素は全て、多酵
素顆粒中に組み合わせたものであることが好ましい。
好ましい一態様においては、本発明の多酵素顆粒または本発明に従って製造し
た多酵素顆粒を含有する製剤は顆粒状で、下記成分を含有する: 無機ビルダー2
0〜55重量%、水溶性有機ビルダー15重量%まで(とりわけ、2〜12重量
%)、合成アニオン性界面活性剤2.5〜20重量%、ノニオン性界面活性剤1〜
20重量%、漂白剤25重量%まで(とりわけ、1〜15重量%)、漂白活性剤8
重量%まで(とりわけ、0.5〜6重量%)、無機塩(とりわけ、アルカリ金属炭酸
塩および/または硫酸塩)20重量%まで(とりわけ、0.1〜15重量%)。
他の好ましい一態様においては、とりわけライトデューティー洗剤としての使
用を意図した粉末状洗剤が、下記成分を含有する: 無機ビルダー20〜55重量
%、水溶性有機ビルダー15重量%まで(とりわけ、2〜12重量%)、ノニオン
性界面活性剤成分4〜24重量%、合成アニオン性界面活性剤15重量%まで(
とりわけ、1〜10重量%)、無機塩(とりわけ、アルカリ金属炭酸塩および/ま
たは硫酸塩)65重量%まで(とりわけ、1〜30重量%);漂白剤および漂白活
性剤は含有しない。
他の好ましい態様は、液体製剤であり、下記成分を含有する: 水溶性有機ビル
ダー5〜35重量%、水不溶性無機ビルダー15重量%まで(とりわけ、0.1〜
5重量%)、合成アニオン性界面活性剤15重量%まで(とりわけ、0.5〜10
重量%)、ノニオン性界面活性剤1〜25重量%、石鹸15重量%まで(とりわけ
、4〜12重量%)、水および/または水混和性溶媒30重量%まで(とりわけ、
1〜25重量%)。
実施例
実施例1
国際特許出願公開WO91/02792に記載の方法によってバシラス・レン
ツス(lentus)DSM5483の遺伝子配列を形質転換により変化したバシラス・
リヘニフォルミス(licheniformis)(ATCC53926)を、ドイツ連邦共和国
特許DE2725427に記載の方法によって発酵して、プロテアーゼを約65
000PU/g含有するバイオマス含有発酵ブイヨンを得た。この発酵ブイヨン
を、国際特許出願公開WO92/11347に記載の方法で、デカント、十字流
マイクロ濾過、限外濾過(分離限界:分子量10000)し、次いで減圧下に蒸発
することにより濃縮して、プロテアーゼ含量を700000PU/gとした。こ
のように濃縮した発酵ブイヨンを、回転ビーター付きのミキサー内で、セルロー
ス粉末[テクノセル(Technocel、商標)30;ツェルローゼ・フュルシュトッフ
・
スクロース(35重量部)と混合した。次いでその第一酵素配合物に、レディゲ
ス(Tylose、商標);ヘキスト社(Hoechst AG)の製品](120重量部)、ポリ
エチレングリコール(平均分子量2000)(50重量部)、トウモロコシデンプン
(300重量部)および小麦粉(130重量部)、並びに第二酵素配合物として第1
表に挙げる市販顆粒を加えた。得られた混合物を、外部から冷却したニーダー内
でホモジナイズした。その可塑性材料を、多孔押出ダイ(孔直径0.8mm)および
回転刃を取り付けた押出機で押出した。第1表に示す酵素組成を有する長さ0.
8mmの酵素押出物を得、これに炭酸カルシウム粉末(3重量部)を付け、整粒機(
マルメライザー)内で約1分間、球形化およびばり取りして、均一に球形化した
粒子を形成した。整粒機から吐出した材料を40〜45℃の流動床乾燥器内で乾
燥し、TiO2、ステアリルアルコールおよび40×エトキシル化ヒマシ油から成
るコーティング材料(150重量部)でコーティングした。次いで、サイズが0.
4mmよりも小さい粒子および1.6mmよりも大きい粒子(全粒子の1重量%未満)
を、篩過によって除去した。
実施例2
実施例1において製造した多酵素顆粒E2(1重量部)を、国際特許出願公開W
O91/02047に従って製造した嵩密度780g/lの洗剤(99重量部)と混
合した(製剤W1)。この洗剤の組成を次に示す:アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム(18重量%)、ノニオン性界面活性剤[デヒドール(Dehydol、商標)](
3重量%)、過ホウ酸ナトリウム(16重量%)、ゼオライトNaA(29重量%)、
炭酸ナトリウム(5重量%)、ポリカルボキシレートポリマー[ソカラン(Sokalan
)CP5;BASFの製品](5重量%)、テトラアセチルエチレンジアミン(6重
量%)、可塑化助剤(40×エトキシル化脂肪アルコール)(3重量%)、および水(
100重量%とする)。洗剤および酵素の含量は同じであるが、二種の酵素を異
なる粒子中に含有する混合物C1を、比較のために調製した(国際特許出願公開
WO92/11347によるプロテアーゼ顆粒、およびノボ・ノルディスクの製
品リポラーゼ100Tを含有)。二製剤を、40℃/相対湿度80%で6週間貯
蔵した。貯蔵前後の酵素活性(任意単位)を第2表に示す。本発明の多酵素顆粒を
含有する洗剤において同一粒子中に存在する複数酵素の安定性が、別々の粒子中
に存在する複数酵素の安定性よりも顕著に高いことがわかる。この驚くべき知見
は、実施例1の多酵素押出物E1、E3およびE4にも当てはまる。
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(72)発明者 ヴァイス,アルブレヒト
ドイツ連邦共和国デー−40764ランゲンフ
ェルト、フォレレンヴェーク37番
(72)発明者 パーツ,カトレーン
ドイツ連邦共和国デー−40589デュッセル
ドルフ、アム・ブロイヒグラーベン8番
(72)発明者 ハース,ウルリッヒ
ドイツ連邦共和国デー−40699エルクラー
ト、ガルテンシュトラーセ14番
(72)発明者 ベッカー,モニカ
ドイツ連邦共和国デー−42799ライヒリン
ゲン、イム・ロットフェルト14番