【発明の詳細な説明】
2−アミノ−3−アロイル−ベンゾ[β]チオフェン類およびそれらの製造方法
本発明は、薬化学の分野に関し、また一群の6−ヒドロキシ−2−(4−ヒド
ロキシフェニル)−3−[4−(2−アミノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオ
フェン類を製造するのに有利な方法を提供する。さらに具体的には、本発明は、
新規2−アミノ−3−アロイル−ベンゾ[β]チオフェン類を製造するための方法
、およびそれらのチオフェン類の対応する2−(4−ヒドロキシフェニル)誘導体
への後の転換に関する。
Ablenasら、Can.J.Chem.65:1800−1803(1987)は、種
々の2−アリール−2−ヒドロキシチオアセトアミド類の製造、およびメタンス
ルホン酸(MeSO3H)を用いてのそれらの2−アミノベンゾチオフェン類[ベ
ンゾ[β]チオフェン類]への後の環化を教示している。
Chippendaleら、J.C.S.Perkin I、1168−1172(1976)は
、幾つかの2−並びに3−(第二級アミノ)ベンゾ[β]チオフェン類の製造、およ
び2−(第二級アミノ)ベンゾチオフェン類のアシル化を開示している。
本発明の方法により製造される化合物の大部分は、米国特許第4,133,81
4号に教示されている。
本発明は、3つの個々のフェノール性酸素各々に様々な官能基を有する6−ヒ
ドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベ
ンゾ[β]チオフェン類の便利な合成を予期せず与える新規中間体を提供する。
本発明はまた、フェノール性酸素に種々の置換基を有する6−ヒドロキシ−2
−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾ[β]チオ
フェン類を製造するための方法も提供する。本発明の方法はまた、廃棄物処理問
題と関係している試薬物質の使用も回避する。例えば、本発明の方法は、アシル
化工程での塩化アルミニウムの使用を回避することができる。
従って、本発明は、式I:
[式中、
RはC1−C6アルキルを示し;
R"はC1−C6アルキル、アミノC1−C6アルキル、または−(CH2)nN(R1)
(R2)(ここで、nは1〜4の整数であって、R1およびR2は独立してC1−C10
アルキルであるか、またはR1およびR2は結合してC4−C6ポリメチレンもしく
は−(CH2)nO(CH2)2−を形成する)を示し;および
R3およびR4は独立してC1−C6アルキルであるか、または結合してC4−C6
ポリメチレンを形成する]
の化合物を提供する。
フェニルグリニャール試薬を用いての式Iの化合物の処理は、2−フェニル−
6−アルコキシ−3−アロイルベンゾ[β]チオフェン類を予期せず与える。
本発明はまた、2−アミノ−3−アロイルベンゾ[β]チオフェン類を経て3−
アロイル−2−フェニルベンゾ[β]チオフェン類を製造するのに便利な方法も提
供する。この方法は、以下の工程からなる:
(a)アルデヒドをチオアミドアニオンと縮合させて、式:
のα−ヒドロキシチオアセトアミドを製造し;
(b)そのα−ヒドロキシチオアセトアミドを環化させて、6−アルコキシベン
ゾチオフェンを形成し;
(c)そのベンゾチオフェンを式:
[式中、R5は活性エステルまたは水素である]
のアシル化剤でアシル化して、2−アミノ−3−アロイル−ベンゾ[β]チオフェ
ンを得;そして
(d)その2−アミノ−3−アロイル−ベンゾ[β]チオフェンをフェニルグリニ
ャール試薬と反応させる。
本発明はさらに、式III:
[式中、R6およびR7は水素である]
の化合物を製造するための方法であって、6−メトキシ−(4−メトキシフェニ
ル)−3−[4−(2−ジアルキルアミノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフ
ェン類を上記のように製造した後、その結果得られたベンゾ[β]チオフェン類を
硫黄化合物で脱アルキル化することからなる方法を提供する。
本明細書中、温度は全て、セ氏温度で記す。溶媒の比率が容量単位であること
を除き、量、比率、濃度、割合等は全て、特にことわらない限り、重量単位で記
す。
先の式中、一般的用語は、それらの通常の意味を有する。例えば、C1−C4第
一級または第二級アルキルという用語は、メチル、エチル、プロピル、s−ブチ
ル、i−ブチル等といったような基を示す。C1−C4アルキルという用語には、
先の基が含まれ、またt−ブチルもまた含まれる。C1−C4アルコキシという用
語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブチルオキシ等とい
ったような、直鎖状または分枝鎖状の低級アルコキシ基を示す。C4−C6ポリメ
チレンという用語は、テトラメチレン、ペンタメチレンおよびヘキサメチレンを
示す。C1−C6アルキルという用語には、上記のC1−C4基および種々の直鎖状
または分枝鎖状のペンチル並びにヘキシル基が含まれる。
「置換フェニル」という用語は、C1−C4アルキル、C1−C5アルコキシ、ヒ
ドロキシ、ニトロ、クロロ、フルオロ、またはトリ(クロロまたはフルオロ)メチ
ルよりなる群から選択される1つまたは2つの置換基を有するフェニル分子を示
す。「C1−C5アルコキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ
、イソプロポキシ等といったような、炭素の橋かけによって結合したC1−C5ア
ルキル基を示す。
読み手が該方法の全体にわたる目的を十分に理解することを確かなものとする
ために、該方法および本発明の代表的な最終生成物群を以下に挙げる:
6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ジメチルア
ミノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェン;
3−[4−(2−エトキシメチルアミノエトキシ)ベンゾイル]−6−ヒドロキシ
−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[β]チオフェン;
3−[4−(2−エトキシイソプロピルアミノエトキシ)ベンゾイル]−6−ヒド
ロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[β]チオフェン;
3−[4−(2−ジブチルアミノエトキシ)ベンゾイル]−5−ヒドロキシ−2−
(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[β]チオフェン;
3−[4−(2−(1−メチルプロピル)メチルアミノエトキシ)ベンゾイル]−6
−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[β]チオフェン;
6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−[2−ジ(2−メ
チルプロピル)アミノエトキシ]ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェン;
6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピロリジノ
エトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェン;
6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピペリジノ
エトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェン;
6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−モルホリノ
エトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェン;
3−[4−(2−ヘキサメチレンイミノエトキシ)ベンゾイル]−6−ヒドロキシ
−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[β]チオフェン。
最終の6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−アミ
ノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェン化合物は、組織特異的エストロゲ
ン作動薬/拮抗薬であることから、エストロゲン、抗エストロゲンおよび抗アン
ドロゲン療法に有用である。従って、それらは、内分泌標的器官の病的状態を治
療するのに有用であり、これらの状態は、エストロゲンまたはアンドロゲンに依
存するか、または一部依存する。そのような状態には、乳癌、乳房線維嚢胞病、
前立腺癌、および良性前立腺肥大が含まれる。
米国特許第4,131,814号は、該化合物の幾つかがまた、抗癌剤および避
妊薬としても有用であることを教示している。本発明により製造される好ましい
化合物、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピペ
リジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェンの抗エストロゲンおよび抗ア
ンドロゲン効果は、米国特許第4,413,068号でさらに詳細に説明されてい
る。
ヒトに投与すべき化合物の用量は、かなり広範に変えることができる。ラウリ
ン酸塩のような塩の形で投与し、これの塩を形成する部分がかなりの分子量を有
する場合、化合物の用量を調節することが必要となり得ることに注意すべきであ
る。該化合物の一般的な有効投与速度範囲は、約0.05mg/kg/日〜約50mg
/kg/日である。好ましい速度範囲は、約0.1mg/kg/日〜約10mg/kg/日
であって、最も非常に好ましい範囲は、約0.1mg/kg/日〜約5mg/kg/日で
ある。勿論、化合物の日用量を1日の様々な時間に分けて投与するのが実際的で
あることが多い。
該化合物の投与経路は重要ではない。該化合物は、消化管から吸収されること
が知られているので、通常、便利性を理由として、化合物を経口投与するのが好
ましい。しかし、該化合物は、ある一定の場合に望ましいなら、経皮的に、また
は直腸による吸収のための坐剤として、同様に有効に投与することができる。
該化合物は、通常、医薬組成物として投与する。錠剤、咀嚼用錠剤、カプセル
剤、溶液剤、非経口溶液剤、トローチ剤、坐剤および懸濁液剤を含め、通常の組
成物の種類を全て使用することができる。日用量または便利な日用量のフラクシ
ョンを投薬量単位で含むよう組成物を製剤化するが、これらは、1個の錠剤もし
くはカプセル剤または便利な容量の液体であるのがよい。一般的に、組成物は、
所望の用量および使用すべき組成物の種類により、化合物を約0.000006
%〜約60%含む。
該化合物の活性は、その中で該化合物が投与される組成物または組成物の濃度
に依存しない。従って、該組成物は、単に便利性および経済性に関して選択され
、また製剤化される。
式Iの好ましい化合物には、Rがメチルであり、R'がN,N−ジアルキルアミ
ノエチル基であって、R3およびR4がメチルである化合物が含まれる。式Iの特
に好ましい化合物は、2−N,N−ジメチルアミノ−6−メトキシ−3−[4−(
2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェンである。この化合物
は、最終の2−ヒドロキシフェニルベンゾ[β]チオフェン類を便利に製造するた
めの方法において特に有用である。
式Iの2−アミノ−3−アロイルベンゾ[β]チオフェン中間体および最終化合
物、6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(4−ヒドロキシベ
ンゾイル)ベンゾ[β]チオフェン類をもたらす本発明の方法を反応式Iに示す。
反応式Iでは、RおよびR'は独立してC1−C6アルキルを示し、またR"は種
々のアルキルまたはアミノアルキル基を示す。本発明の化合物および方法に含ま
れ得る種々のR、R'、およびR"基は、以下の方法の記述から考えて明らかであ
ろう。好ましい方法では、R"は2−アミノエチル基、またさらに好ましくは2
−ピペリジノエチル基を示す。より十分に以下に論ずるように、2−アミノエチ
ル基は、アシル化の間、アシル化剤に存在し得る。場合により、アシル化剤は、
2−アミノエチル基の前駆体を含み得る。2−アミノベンゾ[β]チオフェンの形成
2−アミノベンゾ[β]チオフェンの合成は、テトラヒドロフラン中、−60℃
より低い温度で、また好ましくは約−78℃で、適当な塩基、好ましくはリチウ
ムジイソプロピルアミドのようなアミド塩基で脱プロトン化することによりN,
N−ジアルキルチオホルムアミドから生成したアニオンと、例えば、アニスアル
デヒドのような適当なアルデヒドとを縮合させることによって進行する。好まし
い態様(反応式IIを参照)では、チオアミドアニオンを塩化トリメチルシリルでト
ラップする。その結果得られたトリメチルシリルチオアセトアミドを、場合によ
り単離した後、アルデヒドと反応させて、α−フェニル−α−ヒドロキシチオア
セトアミド(2−フェニル−2−ヒドロキシチオアセトアミド)を得る。シリル化
チオアミドの反応は、ナトリウムメトキシド、四塩化チタンまたはフッ化テトラ
ブチルアンモニウムといったような触媒を用いて行う。好ましい触媒は、フッ化
テトラブチルアンモニウムである。
単離した後、溶媒中、そのα−ヒドロキシチオアセトアミドを、例えば、メタ
ンスルホン酸のような強酸で処理して、閉環する。閉環に適当な溶媒には、塩化
メチレンが含まれる。アルデヒドがアニスアルデヒドのようなp−アルコキシベ
ンズアルデヒドである場合、単離される唯一の生成物は、2−ジメチルアミノ,
6−アルコキシベンゾ[β]チオフェンである。
次いで、その2−ジメチルアミノベンゾチオフェンを適当な酸クロリドと反応
させて、2−アミノ−3−アロイルベンゾ[β]チオフェンを得る。アシル化
その2−アミノベンゾチオフェンのアシル化は、2−アミノエチル(R )基
を既に含むアシル化剤を用いて行うことができ、例えば、所望の生成物の2−ピ
ペリジノエトキシ基を得る。あるいはまた、その2−アミノベンゾチオフェンの
アシル化は、2−アミノエチル基の前駆体を有するアシル化剤を用いて行うこと
ができる。そのような前駆体は、式−(CH2)nX(ここで、nは0、1または2
であって、Xは塩素または臭素といったような脱離基である)の基であろう。ア
シル化剤を以下に詳細に論ずる。
驚いたことに、本発明によるアシル化は、カーボネートまたは第三級アミンと
いったような酸スカベンジャーを用いることなく、便利に行うことができること
が発見された。それどころか、従来の第三級アミンの酸スカベンジャーの添加が
反応を妨害するか、または終結させてしまうことさえあり得る。
さらに、(a)アシル化剤のR"基が−(CH2)nNR1R2であり、(b)反応
が塩酸のようなプロトン酸の存在下に行われ、また(c)アシル化剤のR5基が
クロロ、ブロモまたはヨードである場合、アシル化反応は自己触媒的であること
が発見された。特定の理論に拘束されることなく、アシル化の間に生成するハロ
ゲンがプロトン酸を再生すると、現在のところ考えられる。好ましくは、アシル
化は、伝統的なフリーデル−クラフツ触媒を使用することなく行う。反応は自己
触媒的であるので、触媒を加える必要はない。それにもかかわらず、塩酸塩のよ
うな塩として複合した、プロトン酸またはアミノを含むアシル化剤を加えて、ア
シル化するのがよい。
従って、アシル化は、実質的には、変更されたフリーデル−クラフツのアシル
化であって、その他の点では、通常の方法で行うことができる。場合により、ル
イス酸またはプロトン酸のいずれかをフリーデル−クラフツ触媒として使用する
ことができる;そのような触媒の優れた論議は、Olah、Friedel−Crafts and
Related Reactions、Interscience Publ.、New York、London and Sid
ney、1963、第I巻、第III章および第IV章に掲載されている。
Olahにより説明されているように、古典的なフリーデル−クラフツ触媒はル
イス酸であった。塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、並びに塩化物、三フッ
化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、四塩化チタン、四臭化チタン、塩化ス
ズ、臭化スズ、三塩化ビスマスおよび塩化鉄といったような金属ハライドが周知
の触媒であって、このアシル化において有用である。
このアシル化に有用なプロトン酸触媒には、リン酸、ポリリン酸、過塩素酸、
クロロスルホン酸、メタンスルホン酸およびエタンスルホン酸といったようなア
ルキルスルホン酸、トルエンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸、硫酸、クロ
ロ酢酸およびトリフルオロ酢酸といったような物質が含まれる。
アシル化は、普通、溶媒中で行われ、また条件により有意に侵されない不活性
有機溶媒ならいずれも使用することができる。例えば、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロメタン、クロロホルム等といったようなハロゲン化溶媒を使用するこ
とができ、ベンゼン、クロロベンゼン等といったような芳香族化合物、石油エー
テル、ヘキサン等といったようなアルカン、およびニトロベンゼンおよびニトロ
アルカンといったようなニトロ炭化水素も使用することができる。
伝統的なフリーデル−クラフツのアシル化とは違い、本発明の態様によるアシ
ル化は、トルエンの存在下に行うことができる。従って、該方法の初期工程で製
造された物質からトルエンを除去することは重要ではない。
アシル化は、好ましいプロトン酸触媒、トリフルオロメタンスルホン酸により
触媒される反応の場合には、ほぼ室温〜約100℃の温度で、好ましくは反応混
合物の還流温度で行うことができ、またルイス酸により触媒される方法の場合に
は、ほぼ室温で好ましく行うことができる。
アシル化剤は、R5が塩素原子、臭素原子といったような、認められた「活性
基」の1つである適当な安息香酸の活性型であるか、または活性エステルである
。適当な活性エステルは、ヒドロキシベンゾトリアゾール、アシルイミダゾール
、ニトロフェノール、ペンタクロロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミド
、ジシクロヘキシルカルボジイミド等で形成される。R5基はまた、無水物、特
に酢酸、ギ酸といったような小さいカルボン酸、また特にスルホン酸で形成され
るような混合無水物も示す。
好ましいアシル化剤は、R5がクロロまたはブロモであるアシル化剤である。
従って、最も非常に好ましい個々のアシル化剤は、4−(2−ピペリジノエトキ
シ)ベンゾイルクロリド、4−(2−ピロリジノエトキシ)ベンゾイルブロミド、
4−(2−ピロリジノエトキシ)ベンゾイルクロリド、4−(2−ピロリジノエト
キシ)ベンゾイルブロミド、4−[2−(3−メチルピロリジノ)エトキシ]ベンゾ
イルクロリドおよび4−[2−(3−メチルピロリジノ)エトキシ]ベンゾイルブロ
ミドである。
アシル化工程は、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、1,2−
ジクロロエタン等といったような不活性ハロゲン化溶媒中で行うのが好ましい。
一般的に、そのようなアシル化反応に関しては、Effenbergerによる論文、Ang
ew.Chem.Int.Ed.Engl.19:151−230、特に163−165(198
0)を参照。置換
出発化合物を、アミノエトキシ前駆体を含むアロイル化合物でアシル化する場
合、X基を適当な第二級アミンで置換することにより、生成物のアミノ基を続い
て適切な位置に置く。そのX基は、脱離基、好ましくはクロロまたはブロモであ
り、これらは、既知の方法により、アミンで容易に置換される。
例えば、置換は、アセトンもしくはメチルエチルケトンのようなケトン、酢酸
エチルおよびギ酸プロピルのようなエステル、メタノールもしくはエタノールの
ようなアルコール、アセトニトリルのようなニトリル、またはジメチルアセトア
ミドおよびジメチルホルムアミドのようなアミドといったような不活性溶媒中で
、またはヘキサメチルホスホルアミドのような不活性溶媒中で、またアルカリ金
属カーボネートおよびビカーボネート等のような酸スカベンジシャーの存在下に
行う。少なくとも等モル量の酸スカベンジシャーが必要であって、好ましくは少
し過剰である。置換は、室温で行うか、またはほぼ室温から反応混合物の還流温
度までと少し高温で行うのがよい。
さらに好ましくは、置換は、触媒量のヨウ化物イオンのさらなる存在下に行う
のがよく、これは、置換の触媒として作用する。ヨウ化物を混合物中で使用する
場合、温度範囲は、幾つかの場合には高温が可能であるが、約0℃から、好まし
くは、室温までと低い。
さらに、反応を行う前に、水素化ナトリウムまたはアルキル−リチウム化合物
といったような非常に強い塩基と接触させること等により、アミンのアニオンを
形成させてもよい。アニオンの使用は、酸スカベンジシャーが必要ではないこと
を除き、その他の点では、置換が行われる方法を変えない。2−アミノ,3−アロイルベンゾチオフェンへのマイケル付加
アシル化した後、適当な溶媒中、2−アミノ,3−アロイルベンゾチオフェン
を適当なグリニャール試薬と約−78℃〜20℃の温度で反応させる。幾つかの
態様では、還流溶媒中、グリニャール試薬をアミノベンゾチオフェンと反応させ
てもよい。適当な溶媒には、エチルエーテルおよびテトラヒドロフランが含まれ
る。好ましい態様では、グリニャール試薬を4−ブロモアニソールから生成させ
た後、テトラヒドロフラン中、2−アミノ,3−アロイルベンゾチオフェンと0
℃で縮合して、所望の最終化合物の基本的な炭素−骨組みを含む2−アリール−
3−アロイルベンゾチオフェンを専ら得る。この反応は、ジメチルアミノ基の脱
離と同時に生ずる基質へのグリニャール試薬の独特な予期されない1,4−マイ
ケル付加である。この反応は、驚いたことに、2−アリール−3−アロイルベン
ゾチオフェンを専ら与える。好ましい態様では、化学量論的な量のグリニャール
試薬を使用して、生成物の劣化を回避する。他の可能な生成物、すなわち、以下
の化合物i−ivは、全く観察されない。
3−アロイル−アルコキシベンゾ[β]チオフェンの脱保護
3−アロイル−ジアルコキシ物質を、メチオニンおよび式:
X−S−Y
(式中、Xは水素または非分枝鎖状のC1−C4アルキルであって、YはC1−C4
アルキルまたはフェニルである)
の化合物よりなる群から選択される硫黄化合物で処理することにより、ジアルコ
キシベンゾ[β]チオフェンを脱保護して、所望のジヒドロキシ最終生成物を得る
ことができる。
硫黄化合物は、メタンチオール、エタンチオール、好ましい物質、イソプロパ
ンチオール、ブタンチオール等といったようなアルキルチオール;ジエチルスル
フィド、ブチル s−ブチルスルフィド、エチルプロピルスルフィド、ブチルイソ
プロピルスルフィド、ジメチルスルフィド、メチルエチルスルフィド等といった
ようなジアルキルスルフィド;ベンゼンチオール;メチオミン;およびメチルフ
ェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、ブチルフェニルスルフィド等と
いったようなアルキルフェニルスルフィドであるのが好ましい。
脱メチル化は、出発化合物であるベンゾチオフェン1モルにつき約4〜約10
モルの範囲と、かなり過剰な量の硫黄化合物を使用する場合に最も良く進むとい
うことが見い出されている。該方法を、あまり効率的ではないが、出発化合物1
モルにつき約2または3モルの範囲と、より少ない量の硫黄化合物で行って、塩
化、ヨウ化または臭化ナトリウム、カリウムまたはリチウムといったようなアル
カリ金属ハライドを約1〜3モル加えることにより、収率をよくすることができ
る。(ヨウ化ナトリウムの同様なる効果は、Niwaら、Tet.Let.22:423
9−40(1981)により示されている)。
脱メチル化は、約15℃〜約30℃の範囲と、ほぼ室温で十分進み、またその
ような操作が好ましい。しかし、脱メチル化工程は、そうするのが望ましいなら
ば、約−30℃〜約50℃の範囲の温度で行うことができる。約1時間の範囲で
の短い反応時間が適当であることが見い出されている。
本発明の好ましい態様では、クロロベンゼンのようなハロゲン化溶媒中、保護
された物質をn−プロパンチオールおよび塩化アルミニウムと反応させることに
より、アルコキシ保護された2−アリール−3−アロイルベンゾチオフェンを脱
保護する。
生成物を脱メチル化した後、それを従来の方法により回収して単離する。単離
における簡単な変更は、所望の生成物を遊離アミノ化合物またはアミンの塩酸塩
のいずれかとして与えることができる。
先の幾つかの具体的工程で述べたことを除き、先の反応工程は全て、化学量論
的な量の反応物を使用する場合、許容され得る収率を与える。普通、有機化学で
の場合のように、反応物の1つを過剰量使用することにより、よい収率が得られ
、またより安価な、もしくはより容易に得られる反応物を過剰量使用するのが実
際的である。例えば、保護された出発化合物の形成では、より高価なジヒドロキ
シ出発化合物の完全な反応を確かなものとするために、アシル化剤またはスルホ
ン化剤を過剰量使用するのが実際的かつ経済的である。1つの反応物の過剰が望
ましい場合、約1%〜約25%の範囲の過剰が便利に使用される。
該化合物は、酸付加塩を形成し得る。その塩は、有機化学において通常である
ように、本発明により製造した化合物を適当な酸と反応させることにより、便利
に形成される。その塩は、適度な温度で迅速に高収率で形成され、また合成の最
終工程として該化合物を適当な酸性洗浄から単に単離することにより製造される
ことが多い。例えば、塩は、無機または有機酸と共に形成し得る。
そのような塩を形成するために使用される典型的な無機酸には、塩酸、臭化水
素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、次リン酸等が含まれる。脂肪族モノ
およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸およびヒ
ドロキシアルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸といったよう
な有機酸から誘導される塩もまた使用することができる。従って、そのような薬
学上許容され得る塩には、酢酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アク
リル酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香
酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、o-アセ
トキシ安息香酸塩、ナフタレン−2−安息香酸塩、臭化物、イソ酪酸塩、フェニ
ル酪酸塩、α−ヒドロキシ酪酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,4−
二酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、ギ酸
塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、乳酸塩、リンゴ酸
塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシ
ラート、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、
テレフタル酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、
ピロリン酸塩、プロピオル酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、サ
リチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、ピ
ロ硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−
ブロモフェニルスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸
塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−1
−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、
キシレンスルホン酸塩、酒石酸塩等が含まれる。好ましい塩は、塩酸塩である。
薬学上許容され得る酸付加塩は、一般的に、化合物を等モルまたは過剰量の酸
と反応させることにより形成される。反応物は、通例、ジエチルエーテルまたは
ベンゼンといったような相互溶媒中で合わせる。その塩は、普通、約1時間〜1
0日以内に溶液から沈殿して、濾過により単離することができるか、または溶媒
を従来の方法により除去することができる。
以上または以下に引用する文献、例えば、特許および定期刊行論文は全て、そ
のまま本明細書の一部をなす。
本発明を以下の実施例によりさらに説明するが、これらは、本発明を、範囲ま
たは精神において、実施例に記載する具体的方法に限定するものと解釈されるべ
きではない。生成物の多くは、核磁気共鳴(NMR)分析により同定された。その
ような分析は、特にことわらない限り、ジュウテロクロロホルム中、300mHz
で行った。
実施例1
α−ヒドロキシ−α−(4−メトキシフェニル)
N,N−ジメチルチオアセトアミドの製造
ジイソプロピルアミンの試料(5.66ml、40.4mmol)をTHF27mlに溶解
した。次いで、その溶液混合物を氷浴中で0℃まで冷却した後、n−BuLi(24
.9ml、40.4mmol、ヘキサン中、1.62M)を加えた。さらに15分混合した
後、その溶液混合物をアセトン/ドライアイス浴中で−78℃まで冷却した後、
アニスアルデヒド(5.00g、36.7mmol)およびN,N−ジメチルチオホルム
アミド(3.60g、40.4mmol)の混合物のTHF溶液10mlを加えた。半透明
で黄色の、不均一に見える混合物が形成され、これを−78℃で2.5時間維持
した後、氷浴中で0℃まで温める。次いで、その反応混合物を水性飽和塩化アン
モニウム20mlで処理した後、エチルエーテル40mlで希釈して、相を分離した
。水相をエチルエーテル20mlで抽出した。有機相を合わせ、NaCl/MgSO4
で乾燥し、濾過した後、減圧下に濃縮して、固形/油状の混合物(8.87g)を
得た。次いで、この混合物をエチルエーテル10mlでスラリーとした後、氷浴中
で0℃まで冷却した。次いで、その混合物を冷時吸引濾過した後、フィルターケ
ーキを氷冷エチルエーテル(2×5ml)で洗浄した。次いで、湿った固形物質をさ
らに家庭用減圧装置(house vacuum)で乾燥して、オフホワイト色の粉末状物質(
3.90g)を得た。さらなる結晶物を、合わせた母液およびエーテル洗浄物から
得
た(0.84g)。全収率は57%であった。
(分析純度は、エタノールからの再結晶化により得た、融点101℃)。
C11H15NO2に関する分析
計算値 : C 58.64;H 6.71;N 6.22
実測値 : C 58.85;H 6.80;N 6.13
実施例2
2−N,N−ジメチルアミノ−6−メトキシベンゾ[β]チオフェンの製造
実施例1で製造したα−ヒドロキシチオアミドの試料(40.0g、177mmol
)を塩化メチレン1480mlに溶解した。次いで、激しく撹拌しながら、メタン
スルホン酸(57.0ml、888mmol)を徐々に加えた(反応温度は、18.9〜2
4.6℃であった)。次いで、その反応を2時間進行させて、(反応終点を)TLC
分析(40%酢酸エチル/ヘキサン、SiO2)により確認した。次いで、激しく撹
拌しながら、その反応混合物(深紅色の溶液)を水性飽和炭酸ナトリウム300ml
、続いて水100mlで処理した。相を分離して、有機相を固形の塩化ナトリウム
(〜5g)で乾燥し、デカントした後、減圧下に濃縮して、固形物質(51.0g)
を得た。次いで、この固形物質をエタノール200mlから再結晶化し、黄色の固
形物質を得、家庭用減圧装置で、これを50℃で一晩乾燥した。粗い黄色の粉末
状物質(29.2g、79%)を得た。
(分析純度の試料は、融点:75−76℃を有する)。
C11H13NOSに関する分析
計算値 : C 63.74;H 6.32;N 6.76
実測値 : C 63.49;H 6.32;N 6.74
実施例3
2−N,N−ジメチルアミノ−6−メトキシ−3−
[4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェンの製造
実施例2で製造した2−ジメチルアミノベンゾチオフェンの試料(10.3g、
49.8mmol)および4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイルクロリド塩酸塩(
15.9g、52.3mmol)をクロロベンゼン100mlに一部溶解した。その混合
物を100−105℃の油浴中で9時間温めた。次いで、その混合物を1時間か
けて室温まで冷却した。(冷却すると、その混合物の完全な凝固が起こった)。
次いで、凝固した混合物を粉々にして、水性飽和炭酸ナトリウム(60ml)、続
いて水(30ml)、次いで塩化メチレン、次いで50%水性水酸化ナトリウム(1
0ml)で処理した。短時間撹拌した後、その混合物を塩化メチレン300mlおよ
び水100mlで希釈した。相を分離して、有機相を50%飽和炭酸ナトリウム(
40ml)で洗浄した。相を分離して、有機相を固形の塩化ナトリウム(5g)で乾
燥した後、デカントして、減圧下に濃縮して、粘稠な黒色の油状物質(24.6g
)を得た。塩化メチレン(1000ml)、続いて5%メタノール/塩化メチレン(3
000ml)を用い、SiO2カラム(29×5cm)を通して溶離することにより、精
製を行った。所望の生成物を含む画分を集めて、濃縮して、粘稠な黒色の油状物
質(19.8g、重量収率91%、H−NMRにより純度84%)を得た。補正収
率=76%。
(分析純度は、アセトニトリルからの再結晶化により得ることができた、融点
209−211℃(分解))。
C25H30N2O3Sに関する分析
計算値 : C 68.46;H 6.89;N 6.39;S 7.31
実測値 : C 68.19;H 6.98;N 6.32;S 7.35
実施例4
2−N,N−ジメチルアミノ−6−メトキシ−3−[4−(2−
ピペリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェン塩酸塩の製造
実施例2で製造した2−ジメチルアミノベンゾチオフェンの試料(104mg、
0.50mmol)および4−(2−ピペリジノエトキシ)ベンゾイルクロリド塩酸塩(
152mg、0.50mmol)をトルエン100mlに一部溶解した。その混合物を12
0℃の油浴中で16時間加熱還流した。次いで、その混合物を室温まで冷却した
後、
濾過した。フィルターケーキを風乾して、鮮やかな黄色の粉末状物質(235mg
、重量収率99%、HPLCにより純度74%)を得た。補正収率約74%。
C25H31ClN2O3Sに関する分析
計算値 : C 63.21;H 6.58;N 5.90;S 6.75;C 7.46
実測値 : C 63.09;H 6.54;N 5.76;S 7.05;C 7.61
実施例5
2−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−3−[4−(2−
ピペリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェン塩酸塩の製造
磁気撹拌棒および隔壁を備えた、乾いた25mlのrbf中、乾燥窒素雰囲気下に
、実施例3で製造した3−アロイル,2−アミノベンゾチオフェンの試料(25
2mg、0.575mmol)をTHF5mlに溶解した。その溶液混合物を氷浴中で0℃
まで冷却した後、4−メトキシフェニルマグネシウムブロミドの溶液(1.41ml
、2.51mmol、THF中、1.78M)を加えた。10分後、その反応混合物を
水10mlで処理した後、塩化メチレン20mlで希釈した。形成するエマルション
を分離した後、有機相を分離し、MgSO4で乾燥し、濾過して濃縮して、黄色の
油状物質(384mg)を得た。次いで、この粗製の混合物をシリカカラムクロマト
グラフィー(塩化メチレン−5%メタノール/塩化メチレンのグラジエント)によ
り精製した。薄い黄色の油状物質(260mg、収率90%)を得た。
実施例6
2−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−3−[4−(2−
ピペリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェン塩酸塩の製造
磁気撹拌棒および隔壁を備えた、乾いた50mlのrbf中、乾燥窒素雰囲気下に
、実施例3で製造した3−アロイル,2−アミノベンゾチオフェンの試料(1.4
0g、3.19mmol)をクロロベンゼン15mlに溶解した。その溶液混合物を氷浴
中で0℃まで冷却した後、4−メトキシフェニルマグネシウムブロミドの溶液(
2.4ml、4.27mmol、THF中、1.78M)を加えた。1時間かけて室温まで
徐
々に温めながら、反応を進行させた。次いで、その反応混合物を0℃まで冷却し
た後、HCl飽和メタノール30mlで処理した。次いで、暗色の混合物を減圧下
に一部濃縮して、メタノールおよび過剰のHClを除去した。放置すると、薄く
着色した固形物質が沈殿し、次いで、その混合物を冷時(0℃)濾過して、淡黄色
の固形物質(1.39g、重量収率88%、HPLCにより純度85%)を得た。
補正収率=75%。
物質をHPLC分析によって基準物質と関連させた。
実施例7
6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−
ピペリジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[β]チオフェン塩酸塩の製造
実施例6で製造したベンゾチオフェンの試料(0.70g、1.3mmol)をクロロ
ベンゼン10mlに懸濁させた。この混合物に、三塩化アルミニウム(1.06g、
8.0mmol)を一度に加えた後、n−プロパンチオール(0.3ml)を加えた。次いで
、暗赤色の混合物を35℃で2.5時間加熱した。その反応混合物を氷浴(0℃)
中で冷却した後、THF15mlを徐々に加えた。さらに10分混合した後、6N
水性HCl 10mlを加えた結果、沈殿の形成が起こった。一晩撹拌し続けた。
その混合物を濾過して、フィルターケーキを一晩風乾して、黄色味がかった白色
の固形物質0.63gを得た、収率95%。
物質をHPLC分析によって基準物質と関連させた。
本発明の具体的態様を説明の目的で本明細書中に記載したが、本発明の精神お
よび範囲から逸脱することなく、種々の変更をなし得ることが、前述のことから
理解されるであろう。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07D 409/12 207 9053−4C C07D 409/12 207
211 9053−4C 211
413/12 333 9053−4C 413/12 333
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,UG,UZ,VN