JPH10501975A - フィルタ材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 水流交絡処理されたリヨセルステープルファイバより成る紙巻きたばこフィルタが開示される。このような紙巻きたばこを喫煙時において、フィルタ効率が高く、味がよく、汚れに対する抵抗が高く、物理的抵抗が大きく、空気流通性が良好なことが観察された。

Description

【発明の詳細な説明】 フィルタ材 この発明は紙巻きたばこフィルタのフィルタ本体を形成するための材料に関す るものである。 紙巻きたばこ（以下たばこ）のための繊維含有フィルタは周知のものである。 公知の構成のものでは、フィルタの本体はトウ(tow)状の連続フィラメント、通 常はセルロースアセテート（アセテート）フィラメントをたばこの長手方向軸線 に平行に配置して構成される。他の公知構成ではフィルタ本体はシリンダ内に圧 縮された襞若しくは溝付紙により構成される。このような構成においては単一の フィルタエレメントが含まれており、それはモノフィルタと称される。他の公知 の構成はデュアルフィルタと称されるもので、二つのフィルタ、例えばたばこの 内部に向けた紙フィルタと外部に向けたトウフィルタから成る。別の公知の構成 はトリプルフィルタと称されるものであり、トリプルフィルタの構造は、ある量 の活性炭若しくは他の材料が二つのフィルタエレメント間に介在されていること を除いてデュアルフィルタの構造とと類似している。 たばこの煙からタールを除去することに関してはペーパフィルタはトウフィル タより一般的に有効であることは知られている。タールの除去効率が高いことは 低タール含有量のたばこが好まれるというという最近の傾向から特に好ましいこ とである。ペーパフィルタは喫煙時にたばこの煙から発生する湿気を吸収する。 その結果、フィルタは湿気を帯び、圧縮されやすくなり、フィルタを通してのた ばこの煙の通過抵抗が高くなる。たばこフィルタの外端部は喫煙に従って汚れて くるのが一般的である。一般的に、アセテートフィル タは淡褐色で均一な汚れを呈し、ペーパフィルタは一般的に濃いまだら状の汚れ を呈する。この後者の点は視覚的に望ましくないものである。モノペーパフィル タはその製造工程自体は複雑であるが材料費がアセテートより安価であることに から製造コストはアセテートフィルタより安価となる。デュアルフィルタは、そ の製造工程がより複雑であることからモノペーパ若しくはトウフィルタより製造 コストが嵩み、トリプルフィルタは一層高価となる。この発明の目的は、フィル タ本体中にペーパを有する通常型の紙フィルタと関連した上述の欠点の少なくと もあるものは克服することができる高いタール除去効率のたばこフィルタを提供 することにある。 この発明のたばこフィルタの特徴によれば、フィルタの本体はリヨセル(lyoce ll)ステープルファイバを有する水流交絡処理された(hydroentangled)布帛より 成る。この発明は、また、かかるフィルタを組み込んだたばこを提供するもので ある。 リヨセル繊維は素材としては公知のものであり、その製法はUS-A-4,246,221号 等に記載がある。この素材は良好な分解性を具備している。また、コートールズ (Courtaulds)社からTencelという商標名で市販されているものがある。リヨセル 繊維の製造は、セルロースを溶媒中に溶解し、得られた溶液を紡糸口金より凝固 液中に押し出し、セルロースを凝固させ、溶媒を繊維から洗い流すことにより行 うことができる。この方法は溶媒紡糸と称され、従って、リヨセル繊維は溶媒紡 糸セルロース繊維とも称される。セルロースは通常は木材パルプである。溶媒は 第３アミンＮ酸化物、好ましくはＮメチルモルフォリンＮオキサイドであり、一 般的には少量の水を含有している。溶媒が第３アミンＮ酸化物である場合には、 凝固浴は水性であるのがこのましい。本来的にリヨセル繊維から構成される布帛 はリヨセル布帛と称することができる。溶媒紡糸プロセスは、セル ロースの化学的誘導体の形成及び分解に依拠するセルロース繊維の他の公知の製 造方法、例えば、ビスコースプロセスと区別されるものである。 水流交絡処理とは、高速ジェット状若しくはカーテン状の水流を使用すること によりウエブ中の繊維の相互巻付け及び結節を行うことにより布帛の形成を行う プロセスのことをいう。一般的にウエブは平行化されたステープルファイバ層、 例えばカードウエブより成る。二つ若しくはそれ以上の層を使用した場合には、 繊維は相互に平行になるように、又は各層の繊維が相互に或る角度をなすように される。角度をなして配置した構成により布帛の平面内における各方向での引き 裂き強度等の物理的特性のよりいっそうの均一化を実現することができる。代替 構成としてウエブは１つ又はそれ以上（好ましくは１つ）のペーパ層と、一つ若 しくはそれ以上の平行化されたステープルファイバ層とから構成される。ペーパ には、リヨセル繊維及び／若しくは他の種類の繊維、例えば木材パルプ及びアセ テートファイバ若しくはブレンドを含ませることができる。水流交絡処理された 繊維はスパンレース(spunlace)布とも称される。水流交絡処理布帛はバインダー をほとんど含まないか全然含まない。水流交絡処理及び水流交絡布帛は米国特許 UA-A-3,485,706号に記載されており、詳しくは同特許を参照されたい。 水流交絡布帛はリヨセルのみを含むか実質的にその全体がリヨセルによって構 成される。代替手段として布帛はリヨセルファイバに対するたばこフィルタにお いて使用される公知の他のタイプの一つ若しくはそれ以上の繊維、例えばセルロ ースアセテート繊維若しくは木材パルプのブレンドにより構成することができる 。水流処理プロセスを受けるウエブを形成するために使用される層はその各々が 単一のタイプの繊維若しくはステープルファイバのブレンドから構 成することができる。各種の層の組成は同一のものであっても異なったものであ ってもよい。水流交絡処理繊維はリヨセル繊維を少なくとも２５パーセント、少 なくとも５０パーセント、若しくは少なくとも７５パーセント含むことができる 。 水流交絡処理を受けた布帛の基礎重量とは一般的に公知のペーパフィルタにお いて使用されているものと同様であり、一般的には１平方メートル当たり１５か ら１５０グラム、好ましくは１平方メートル当たり２０から８０グラムの範囲に ある。水流交絡処理を受ける繊維ウエブにおける層数は１から１０、好ましくは １から５の範囲にある。 リヨセル繊維及び任意選択される他の繊維の太さは一般的には0.05から２０、 大抵は１から５デシテックスの範囲にある。 水流交絡処理された布帛に含まれる繊維は好ましくはフィブリル化される。リ ヨセル繊維のフィブリル化はリヨセル繊維を湿潤状態、例えば水流交絡処理の最 中等において機械的な擦過を加えることにより行うことができる。フィブリル化 によって、繊維の本体からの薄い繊維（フィブリル）の部分的な剥離が生じ、か くして個々の繊維は毛で覆われた状態を呈するにいたる。フィブリル化されたリ ヨセル繊維はフィブリル化されていない繊維と比較してその表面積が大きくなっ ており、これは濾過効率の面で有利であると考えられる。 水流交絡処理された布帛はフィルタ本体内でたばこの長手方向軸線が布帛の全 体的な平面と平行をなすように配置されている。布帛は好ましくは襞付若しくは 溝付の布帛である。この布帛はペーパフィルタ製造のための通常の装置によりフ ィルタに変換される。この装置において、水流交絡処理を受けた布帛はペーパと 比較してより急速に処理することができ、これにより製造コストの低減を図るこ とができる。 ペーパの代わりに水流交絡処理を受けた布帛を使用してデュアルフィルタ、ト リプルフィルタ、特にモノフィルタ等の公知の形態のフィルタを作ることができ る。 この発明の紙巻きたばこフィルタはその濾過効率は公知のセルロースアセテー トトウフィルタより高くかつ公知のあるペーパフィルタと同等である。しかも、 この発明のフィルタはたばこの呈しうる紙っぽい若しくは他の不快な味を減少す ることができる。これは、リヨセル繊維がセルロース繊維であることからすると 驚異的なものである。通常のタイプのセルロース繊維、例えば木材パルプ及びビ スコースレイヨンはこのような紙っぽい味を呈することはよく知られたことであ る。喫煙後における本発明のフィルタの端部の視覚的外観（汚れパターン）は通 常のセルロースアセテートトウ繊維のそれと比肩でき程度であり、通常のペーパ フィルタより相当良好なものである。この発明のフィルタによれば、喫煙後にお いて、良好な物理特性（圧縮抵抗性）及び空気流通特性を確保することができる 。 この発明を以下実施例によって説明する。 実施例１ リヨセル繊維(Courtauls社からTencelの商標名で入手可能な太さ1.7デシテッ クス、ステープル長２５mmのセミマット)をウエブにカージングした。２枚のウ エブが合体され、８個のノズルをピーク圧力１００バールで使用することにより 基礎重量（目つけ）３３gm²の水流交絡リヨセル布帛が得られた。機械方向およ び横断方向における引っ張り強度および伸びはそれぞれ3.6 および1. 7kg/in(4. 3 kg/cm)並びに24.1および72.7 %であった。 布帛は波形に成形されかつたばこフィルタにされ、通常型のペーパフィルタ製 造装置が使用された。ロッド状フィルタの品質は優秀との評価を受けた。フィル タロッドの特性を通常型のペーパフィルタおよびセルロースアセテート(CA)トウ フィルタとの比較において表１に示す（パーセントで表される変動係数は表にお いて括弧を付けて表される）。 紙巻きたばこがリヨセル（サンプルＢ）、ペーパおよびセルロースアセテート フィルタを使用して作られ、喫煙テストにより主観的評価を受けた。結果はリヨ セルフィルタのたばこと、ペーパフィルタのたばことの間で主観的な均等性を示 している。しかしながら、リヨセルフィルタに関してはたばこモデルの最適化は されていなかったように思われる。結果は表２に示される。 実施例２ リヨセルファイバ(1.7 dtex，25 mm)がウエブとしてレイされかつ水流交絡を 付されることにより第１実施例と同様に布帛に形成された。その詳細および布帛 特性は表３に示される。 MDは機械方向を示す。サンプルＨにおいて、リヨセル繊維はリヨセルペーパ上 にレイされることにより複合材を形成され、次いでこの複合材は水流交絡処理に 付された。サンプルＩ及びＪは水流交絡処理によりエンボスされつつ、２４メッ シュシャリ(challis)パターンを担持するベルト上にレイされた。 たばこフィルタはウエブＡ−Ｊにより製造された。その詳細及び実験結果は表 ４に示される。 （1）上の表においてダッシュは計測がされなかったことを意味する。（2）コ ラゲーションレベル(corrugation level)の値は任意ユニットにおいて設定する 機械コラゲーション力のことをいう。各ウエブは３つのコラゲーション力により フィルタに変換される。即ち、最小力ではフィルタ圧力降下の変動が許容可能な 小さいフィルタを作ることができ；最大力とはウエブを分割することなく加える ことが可能な力であり；これらの二つの力の中間の力がある。最小力と最大力と は材料に対し加えることが可能な範囲である。（3）CVは％表示の変動係数であ る。（4）RTD は水中でのミリメートル表示のドロー(draw)に対する抵抗である 。（5）RTD20.20CDは20.20 mmに規格化された水中でのミリメートル表示のドロ ーに対する抵抗である。（6）27 tip PD とは水中でのフィルタロッドの27 mmの 部分に沿った圧力降下を示す。（7）FEは有効な全粒子の除去割合として計測さ れるフィルタ効率を表す。 比較の目的で、通常の27 mmのペーパチップのフィルタ効率はRTD 60 mmにおけ る65 %からRTD 200 mmにおける90 %まで直線的に増加する。通常の27 mmのアセ テートチップのフィルタ効率はRTD 100 mmで59 %，RTD 152 mmで67 %，RTD 19 5 mmで72 %である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＭ，ＡＴ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＫ ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ， ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，Ｌ Ｔ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ， ＳＩ，ＳＫ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，Ｕ Ｓ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ウッディングス，カルバン ロジャー イギリス国，ウォーウィックシャー シー ブイ11 ４ティーキュー，ナンイートン, コプスウッド アベニュ 12 (72)発明者 エドワーズ，ウィリアム ビー．， ザ サード アメリカ合衆国，バージニア 23228，リ ッチモンド，ニュー ベルン ロード 2400 (72)発明者 ガウタム，ネイビン アメリカ合衆国，バージニア 23113，ミ ドロシアン，ウィルソン ウッド ロード 1524 (72)発明者 ガウビン，ポール エヌ. アメリカ合衆国，バージニア 23234，リ ッチモンド，ホワイトストーン ドライブ 4517 (72)発明者 ラスリー，ドナルド イー. アメリカ合衆国，バージニア 23113，ミ ドロシアン，オールド カントリー レー ン 12801 (72)発明者 ニューマン，ケネス エー. アメリカ合衆国，バージニア 23875，プ リンス ジョージ，センテニアル ロード 11866

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．フィルタ本体はリヨセルステープルファイバを含む水流交絡処理された布 帛より成ることを特徴とする紙巻きたばこフィルタ。 ２．前記水流交絡処理布帛の基礎重量は平方メートル当たり１５から150グラ ムの範囲にあることを特徴とする請求の範囲１に記載の紙巻きたばこフィルタ。 ３．前記水流交絡処理布帛の基礎重量は平方メートル当たり２０から８０グラ ムの範囲にあることを特徴とする請求の範囲２に記載の紙巻きたばこフィルタ。 ４．前記水流交絡処理布帛は１から１０層の平行化されたウエブを水流交絡処 理することにより形成されることを特徴とする請求の範囲１から３のいずれかに 記載の紙巻きたばこフィルタ。 ５．前記ウエブは２から１０層を含み、層内の繊維は相互に角度をなして配置 されていることを特徴とする請求の範囲４に記載の紙巻きたばこフィルタ。 ６．前記水流交絡布帛は１層若しくはそれを超える数の平行化された繊維の層 及び紙の層より成るウエブを水流交絡処理することにより形成されることを特徴 とする請求の範囲１から５のいずれかに記載の紙巻きたばこフィルタ。 ７．リヨセルファイバはフィブリル化されていることを特徴とする請求の範囲 １から６のいずれかに記載の紙巻きたばこフィルタ。 ８．水流交絡処理布帛は本質的にリヨセルファイバより構成されることを特徴 とする請求の範囲１から７のいずれかに記載の紙巻きたばこフィルタ。 ９．モノフィルタであることを特徴とする請求の範囲１から８のいずれかに記 載の紙巻きたばこフィルタ。 10．リヨセルファイバは第３アミン酸化物を含有する溶媒中のセルロース溶液 を水性凝固浴に押し出すステップを含む工程により作られることを特徴とする請 求項１から９のいずれかに記載の紙巻きたば紙巻きたばこフィルタ。 11．請求の範囲１から１０のいずれかに記載のフィルタを組み込んだことを特 徴とする紙巻きたばこ。