JPH1050155A - 同軸ケーブルの製造方法 - Google Patents

同軸ケーブルの製造方法

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JPH1050155A
JPH1050155A JP8220480A JP22048096A JPH1050155A JP H1050155 A JPH1050155 A JP H1050155A JP 8220480 A JP8220480 A JP 8220480A JP 22048096 A JP22048096 A JP 22048096A JP H1050155 A JPH1050155 A JP H1050155A
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Yoichi Okada
洋一 岡田
Hidenori Harada
秀則 原田
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Totoku Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融金属めっき層が金属編組遮蔽導体層の内
奥部深く絶縁体層外周面まで均一に含浸形成され金属編
組遮蔽導体層内面の平滑性の良い、信号の反射・減衰特
性と可撓性に優れる同軸ケーブルの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 供線リール16に貯留された被めっき同
軸ケーブルWは、減圧雰囲気筒30のケーブル導入口3
3から減圧雰囲気筒30内に導入され、金属編組遮蔽導
体層4内の空気が脱気されて減圧雰囲気筒30内に上昇
してきている溶融金属めっき液12中に入り、更にケー
ブル導出口34から該ケーブル導出口34の開口する溶
融金属めっき液槽11の溶融金属めっき液12中に導か
れ、溶融金属めっき液12内の滑車15Eで進行方向を
転換され溶融金属めっき液12内から導出され、めっき
液絞りダイス13、冷却装置14、ガイド滑車15Bを
経て巻取りリール17に巻き取られ、所要めっき仕上が
り外径の同軸ケーブル1が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波用途の電子機器
や通信機器の配線材に好適な同軸ケーブルの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器や通信機器の適用周波数の高帯
域化に伴い、それらに使用される同軸ケーブルも高周波
帯域において優れた反射・減衰特性をもつものが求めら
れている。このような高周波帯域用途の同軸ケーブルと
して、中心導体とそれを被覆する絶縁体層の外周に銅或
いはアルミニュウム等のパイプを同軸状に被せて金属遮
蔽導体層としたセミリジッド型の同軸ケーブルがある。
このセミリジッド型の同軸ケーブルは、高周波帯域にお
ける反射・減衰等の電気的特性に極めて優れている反
面、製造コストが高く、また可撓性に劣り配線作業性が
悪いという難点があった。
【0003】そこで、上記セミリジッド型同軸ケーブル
に比べ反射・減衰等の電気的特性に劣るが、可撓性があ
り製造コストも安価な同軸ケーブルとして、中心導体の
外周に絶縁体層と金属編組遮蔽導体層とを順次被覆した
後溶融金属めっき液中に通すことにより、金属編組遮蔽
導体層に溶融金属めっき層を形成させる同軸ケーブルが
提案されている。図5は、かかる同軸ケーブルの従来の
製造方法を示す説明図であり、図6は図5の製造方法に
より得られた同軸ケーブル101の横断面図である。先
ず、従来の同軸ケーブルの製造方法を図5に沿い説明す
る。前工程で常用手段により中心導体102の外周に絶
縁体層103と金属編組遮蔽導体層104を被覆された
被めっき同軸ケーブルWは、供線リール110から導出
されガイド滑車112Aを通り溶融金属めっき槽106
内の溶融金属めっき液107中に導入され、めっき槽1
06内のガイド滑車112B,112Cを経て溶融金属
めっき液107中から導出され、溶融金属めっき液10
7上に配置されためっき液絞りダイス108を通って所
要めっき厚さに調整され、冷却装置109、ガイド滑車
112Dを経て巻取りリール111に巻き取りられ、同
軸ケーブル101に形成されるものであった。上記製造
方法により形成された従来の同軸ケーブル101は、図
6に図示するように、金属編組遮蔽導体層104の外周
に施された溶融金属めっき層105が金属編組遮蔽導体
層104の外周面とその僅か内部に浸透している程度の
ものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の同軸ケー
ブル101の製造方法では、被めっき同軸ケーブルWは
溶融金属めっき液107中をそのまま単に通過するだけ
であるので、溶融金属めっき液107の大部分は被めっ
き同軸ケーブルWの金属編組遮蔽導体層104の外表面
上にのみ塗着し、金属編組遮蔽導体層104内には僅か
浸透する程度で、金属編組遮蔽導体層104の内部奥深
く絶縁体層103の外周表面まで均等に浸透することは
なかった。それ故、従来製造方法で得られた同軸ケーブ
ル101にあっては、絶縁体層103の外周面と金属編
組遮蔽導体層104の内周面との接触面は凹凸のある金
属編組面で接触した状態にあるので、平滑性に劣るた
め、絶縁体層103の外周面と金属編組遮蔽導体層10
4の内周面との境界面において信号の反射・減衰特性が
悪化するという欠点があった。また、溶融金属めっき層
105が金属編組遮蔽導体層104の外周面上にのみ集
中して塗着しているので可撓性に劣り、ケーブルを屈曲
したときに金属編組遮蔽導体層104に亀裂を生じやす
いという欠点もあった。
【0005】そこで、本発明の目的は、溶融金属めっき
層が金属編組遮蔽導体層の内奥部深く絶縁体層外周面ま
で均一に含浸形成され金属編組遮蔽導体層内面の平滑性
の良い、信号の反射・減衰特性と可撓性に優れる同軸ケ
ーブルの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、この発
明は、中心導体の外周に絶縁体層と金属編組遮蔽導体層
とを順次被覆した後溶融金属めっき液中を通過させ前記
金属編組遮蔽導体層に溶融金属めっき層を形成する同軸
ケーブルの製造方法において、前記溶融金属めっき液中
の被めっき同軸ケーブルの進行経路に前記被めっき同軸
ケーブルに屈曲を与えるための複数個の滑車をジグザグ
状に配置し、前記被めっき同軸ケーブルの金属編組遮蔽
導体層に伸縮を付与させつつ前記金属編組遮蔽導体層に
溶融金属めっき層を含浸形成させることを特徴とする同
軸ケーブルの製造方法を提供することにある。
【0007】第2の観点では、この発明は、中心導体の
外周に絶縁体層と金属編組遮蔽導体層とを順次被覆した
後溶融金属めっき液中を通過させ前記金属編組遮蔽導体
層に溶融金属めっき層を含浸形成する同軸ケーブルの製
造方法において、前記溶融金属めっき液に超音波振動を
付与し、前記溶融金属めっき液中を進行する被めっき同
軸ケーブルの金属編組遮蔽導体層に溶融金属めっき層を
含浸形成させることを特徴とする同軸ケーブルの製造方
法を提供することにある。
【0008】第3の観点では、この発明は、中心導体の
外周に絶縁体層と金属編組遮蔽導体層とを順次被覆した
後溶融金属めっき液中を通過させ前記金属編組遮蔽導体
層に溶融金属めっき層を含浸形成する同軸ケーブルの製
造方法において、被めっき同軸ケーブルの金属編組遮蔽
導体層を減圧雰囲気中で脱気しながら前記溶融金属めっ
き液中に導入し、前記溶融金属めっき液中を進行する前
記被めっき同軸ケーブルの金属編組遮蔽導体層に溶融金
属めっき層を含浸形成させることを特徴とする同軸ケー
ブルの製造方法を提供することにある。なお、この場
合、上記減圧雰囲気は50〜760mmHgの範囲であ
ることが好ましい。
【0009】第4の観点では、この発明は、上記第1の
観点による同軸ケーブルの製造方法と上記第2の観点に
よる同軸ケーブルの製造方法と上記第3の観点による同
軸ケーブルの製造方法のうちのいずれかの2つの同軸ケ
ーブルの製造方法を組み合わせることにより、金属編組
遮蔽導体層へ溶融金属めっき層を含浸形成させる同軸ケ
ーブルの製造方法を提供することにある。
【0010】また、第5の観点では、この発明は、上記
第1の観点による同軸ケーブルの製造方法と上記第2の
観点による同軸ケーブルの製造方法と上記第3の観点に
よる同軸ケーブルの製造方法の3つの同軸ケーブルの製
造方法を全て組み合わせることにより、金属編組遮蔽導
体層へ溶融金属めっき層を含浸形成させる同軸ケーブル
の製造方法を提供することにある。
【0011】
【作用】上記第1の観点による同軸ケーブルの製造方法
では、溶融金属めっき液中に複数個の滑車が被めっき同
軸ケーブルの進行経路にジグザグ状に配置されているの
で、被めっき同軸ケーブルはこのジグザグ状に配置され
た複数個の滑車により屈曲され進行方向を転換する毎
に、金属編組遮蔽導体層には伸縮が全面にわたって繰り
返し付与され、金属編組遮蔽導体層が伸長し金属編組の
編目が十分開いた状態において、溶融金属めっき液は金
属編組遮蔽導体層の奥深く絶縁体層の外表面まで浸透す
る。この結果、溶融金属めっき層が金属編組遮蔽導体層
中深く絶縁層表面まで均一に含浸した同軸ケーブルを得
ることができる。
【0012】上記第2の観点による同軸ケーブルの製造
方法では、被めっき同軸ケーブルは超音波振動の付与さ
せた溶融金属めっき液中を進行するので、被めっき同軸
ケーブルの金属編組遮蔽導体層内全面にわたって生ずる
超音波キャビテーションにより、溶融金属めっき液は金
属編組遮蔽導体層の全面にわたって奥深く絶縁体層の表
面まで浸透する。この結果、溶融金属めっき層が金属編
組遮蔽導体層中深く絶縁層表面まで均一に含浸した同軸
ケーブルを得ることができる。
【0013】上記第3の観点による同軸ケーブルの製造
方法では、被めっき同軸ケーブルは減圧雰囲気中で脱気
されながら溶融金属めっき液中に導入されるので、脱気
され減圧した金属編組遮蔽導体層内に溶融金属めっき液
が容易に浸透する。この結果、溶融金属めっき層が金属
編組遮蔽導体層中深く絶縁層表面まで均一に含浸した同
軸ケーブルを得ることができる。この場合、減圧雰囲気
は50〜760mmHgの範囲であることが好ましい。
これは、50mmHg未満の減圧雰囲気では溶融金属め
っき液が金属編組遮蔽導体層内に十分浸透させることが
難しいためであり、また760mmHgを超える減圧雰
囲気は減圧雰囲気を保持する装置が大掛かりとなるうえ
溶融金属めっき液を金属編組遮蔽導体層内に浸透させる
のに実用上それ程の必要性がないことによる。
【0014】上記第4の観点による同軸ケーブルの製造
方法では、上記第1の観点、上記第2の観点または上記
第3の観点のいずれか2つの観点を組み合わせた同軸ケ
ーブルの製造方法であるので、上記同軸ケーブルの製造
方法のいずれか2つの作用が相乗し、被めっき同軸ケー
ブルの金属編組遮蔽導体層内には溶融金属めっき液がよ
り容易に浸透することになる。
【0015】上記第5の観点による同軸ケーブルの製造
方法では、上記第1の観点、上記第2の観点および上記
第3の観点の全ての同軸ケーブルの製造方法を組み合わ
せた同軸ケーブルの製造方法であるので、上記第1の観
点、上記第2の観点および上記第3の観点の全ての同軸
ケーブルの製造方法の作用が相乗し、被めっき同軸ケー
ブルの金属編組遮蔽導体層内には溶融金属めっき液がよ
り容易に浸透することになる。
【0016】このように、上記第1の観点〜第5の観点
のいずれによる本発明の同軸ケーブルの製造方法におい
ても、溶融金属めっき層は金属編組遮蔽導体層内全体に
わたって絶縁体層表面まで均一に含浸形成されるので、
金属編組遮蔽導体層内周面と絶縁体層外周面との境界面
は浸透した溶融金属めっき層により平滑性が良好となり
優れた信号の反射・減衰特性が得られ、また金属編組遮
蔽導体層内の編組編目全体に均一に浸透した溶融金属め
っき層により金属編組遮蔽導体層の可撓性が向上し屈曲
によっても金属編組遮蔽導体層に容易に亀裂の生じない
同軸ケーブルを製造することができる。
【0017】
【実施例】先ず、本発明の製造方法により得られた同軸
ケーブルの横断面図を図4に示す。同軸ケーブル1は、
中心導体2と、その外周に押出し被覆したフッ素系樹脂
の絶縁体層3と、更にその外周に施した金属編組遮蔽導
体層4と、この金属編組遮蔽導体層4の内部の絶縁体層
3表面まで浸透し金属編組遮蔽導体層4内全体に均一に
固着形成された溶融金属めっき層5とからなる。
【0018】次に、本発明の同軸ケーブルの製造方法に
ついて、以下の図に示す実施態様例により詳細に説明す
る。なお、これによりこの発明が限定されるものではな
い。
【0019】図1は本発明の同軸ケーブルの製造方法の
第1の実施態様を示す説明図である。第1の実施態様の
同軸ケーブルの製造方法では、溶融金属めっき液槽11
の溶融金属めっき液12内に被めっき同軸ケーブルWに
屈曲を付与するための複数個の滑車10A,10B,1
0C,10Dが、被めっき同軸ケーブルWの進行経路に
ジグザグ状に配置される。図1に沿って製造工程を説明
する。被めっき同軸ケーブルWは、前工程(図示せず)
で常用手段により、中心導体2の外周に絶縁層3が押出
し被覆され、更にその外周に金属編組遮蔽導体層4が施
されてなる。供線リール16に貯留された被めっき同軸
ケーブルWは、ガイド滑車15Aを経て溶融金属めっき
液12内に導入される。導入された被めっき同軸ケーブ
ルWは、溶融金属めっき液12中にジグザグ状に配置さ
れた滑車10A,10B,10C,10Dで進行方向を
転換しながら千鳥状に進むことで、被めっき同軸ケーブ
ルWの金属編組遮蔽導体層4の全面にわたって伸縮が繰
り返し付与され、金属編組遮蔽導体層4が伸張し編組編
目が拡張した時に、溶融金属めっき液12が拡張した編
組編目を通って金属編組遮蔽導体層4内に浸透する。こ
のようにして金属編組遮蔽導体層4内の奥深く均一に溶
融金属めっき液12の浸透した被めっき同軸ケーブルW
は、溶融金属めっき液12から導出され、溶融金属めっ
き液槽11上に配置されためっき液絞りダイス13で所
要めっき仕上がり外径に調整された後、冷却装置14、
ガイド滑車15Bを経て巻取りリール17に巻き取ら
れ、同軸ケーブル1が得られる。
【0020】第1の実施態様の具体例として、外径0.
912mmの銀めっき銅覆鋼線の中心導体2外周に絶縁
体層3として四フッ化エチレン樹脂(PTFE)を0.
99mm厚に押出し被覆し更にその外周に外径0.14
mmの軟銅線の5本持ち16本打ちの金属編組遮蔽導体
層4を施してなる外径3.47mmの被めっき同軸ケー
ブルWを、外径30mmの滑車10A,10B,10
C,10Dをジグザグ状に配置した液温260°Cの溶
融はんだめっき液12中を約10秒間通過させ、内径
3.5mmの絞りダイス13によりめっき仕上がり外径
3.5mmの同軸ケーブル1を製造した。なお、冷却装
置14には雰囲気温度10°Cの空冷方式を使用した。
得られた同軸ケーブル1は、溶融金属めっき層5が金属
編組遮蔽導体層4内全体に均一に絶縁体層3表面まで浸
透形成されていた。
【0021】図2は本発明の同軸ケーブルの製造方法の
第2の実施態様を示す説明図である。第2の実施態様の
同軸ケーブルの製造方法では、溶融金属めっき液槽11
の溶融金属めっき液12内に超音波振動子20を配置
し、超音波振動により被めっき同軸ケーブルWの金属編
組遮蔽導体層4内に溶融金属めっき液12を浸透させ
る。製造工程を図2に沿って説明する。上記第1の実施
態様に述べたと同構造の被めっき同軸ケーブルWは、供
線リール16からガイド滑車15Aを経て溶融金属めっ
き液12内に導入される。導入された被めっき同軸ケー
ブルWは、溶融金属めっき液12内のガイド滑車15C
とガイド滑車15D間に配置された超音波振動子20上
を通過し、金属編組遮蔽導体層4内に生ずる超音波キャ
ビテーションにより、溶融金属めっき液12が金属編組
遮蔽導体層4内に浸透する。このようにして金属編組遮
蔽導体層4内に十分均一に溶融金属めっき液12の浸透
した被めっき同軸ケーブルWは、その後上記第1の実施
態様と同工程を経て巻取りリール17に巻き取られ、所
要めっき仕上がり外径の同軸ケーブル1が得られる。得
られた同軸ケーブル1は、溶融金属めっき層5が金属編
組遮蔽導体層4内全体に均一に絶縁体層3表面まで浸透
形成されていた。
【0022】第2の実施態様の具体例として、上記第1
の実施態様と同構造の被めっき同軸ケーブルWを、超音
波振動子20により超音波の付加された液温260°C
の溶融はんだめっき液12中を約6秒間通過させ、内径
3.5mmの絞りダイス13によりめっき仕上がり外径
3.5mmの同軸ケーブル1を製造した。得られた同軸
ケーブル1は、溶融金属めっき層5が金属編組遮蔽導体
層4内全体に均一に絶縁体層3表面まで浸透形成されて
いた。なお、冷却装置14には雰囲気温度10°Cの空
冷方式を使用した。
【0023】図3は本発明の同軸ケーブルの製造方法の
第3の実施態様を示す説明図である。第3の実施態様の
同軸ケーブルの製造方法では、被めっき同軸ケーブルW
を減圧雰囲気筒30中に通し、被めっき同軸ケーブルW
の金属編組遮蔽導体層4内を脱気してから溶融金属めっ
き液12中に導入し、脱気された金属編組遮蔽導体層4
内に溶融金属めっき液12を浸透させる。減圧雰囲気筒
30は、溶融金属めっき液槽11の被めっき同軸ケーブ
ルWの導入側に配置され、上端に被めっき同軸ケーブル
Wの外径と略同内径の気密性保持用封止材で封止された
ケーブル導入口33と下端に溶融金属めっき液12内に
開口するケーブル導出口34を有し、排気管31にて減
圧ポンプ32に連結され、減圧雰囲気筒30外周にヒー
タ35が設けられる。減圧ポンプ32により減圧雰囲気
筒30内が減圧されると、溶融金属めっき液12は減圧
雰囲気筒30内に上昇してくる。減圧雰囲気筒30内に
上昇した溶融金属めっき液12はヒータ35により溶融
金属めっき液槽11中の溶融金属めっき液12と略同温
度に保持される。次に、製造工程を図3に沿って説明す
る。供線リール16に貯留された上記第1の実施態様と
同構造の被めっき同軸ケーブルWは、ケーブル導入口3
3から減圧雰囲気筒30内に導入され金属編組遮蔽導体
層4内を脱気されつつ減圧雰囲気筒30内に上昇してき
ている溶融金属めっき液12中へと入り、ケーブル導出
口34から溶融金属めっき液槽11の溶融金属めっき液
12に入り、溶融金属めっき液12中のガイド滑車15
Eにより進行方向を転換し溶融金属めっき液12中から
導出され、めっき液絞りダイス13、冷却装置14、ガ
イド滑車15Bを経て巻取りリール17に巻き取られ、
金属編組遮蔽導体層4内に均一な溶融金属めっき層5の
形成された所要めっき仕上がり外径の同軸ケーブル1が
得られる。
【0024】第3の実施態様の具体例として、上記第1
の実施態様と同構造の被めっき同軸ケーブルWを、50
0mmHgに減圧した減圧雰囲気筒30内を通し、液温
260°Cの溶融はんだめっき液12中を約6秒間通過
させ、内径3.5mmの絞りダイス13によりめっき仕
上がり外径3.5mmの同軸ケーブル1を製造した。得
られた同軸ケーブル1は、溶融金属めっき層5が金属編
組遮蔽導体層4内全体に均一に絶縁体層3表面まで浸透
形成されていた。なお、冷却装置14には雰囲気温度1
0°Cの空冷方式を使用した。
【0025】次に、本発明の代表例として上記第3の実
施態様の具体例に記載の同軸ケーブル1について、可撓
性および信号の反射・減衰特性を測定した結果を以下に
記す。なお、比較のため、従来例として、第3の実施態
様の具体例と同構造の被めっき同軸ケーブルを前記従来
技術に記載の図5の製造方法により液温260°Cの溶
融はんだめっき液107中を20秒間通過させ、内径
3.5mmの絞りダイス108によりめっき仕上がり外
径3.5mmの同軸ケーブル101を製造し、比較試料
とした。
【0026】−可撓性試験(1)− 上記各試料5本を用意し、各試料の同一箇所に曲げ半径
40mm、曲げ角度90°で繰返し曲げを与え、試料表
面にクラックの発生する曲げ回数を測定した。試験結果
を表1に示す。この試験結果から明らかなように、本発
明による同軸ケーブルの金属編組遮蔽導体層には、繰返
し曲げによっても、容易にクラックが発生しないことが
確認された。
【0027】
【表1】
【0028】−可撓性試験(2)− 上記各試料について曲げ角度90°にて曲げ半径を変え
て各曲げ半径毎1回の曲げを与え、試料表面にクラック
の発生する曲げ許容半径を測定した。試験結果を表2に
示す。この試験結果から明らかなように、本発明により
製造した同軸ケーブルは、従来方法により製造した同軸
ケーブルに比べ、曲げ半径を約2分の1まで小さくして
も金属編組遮蔽導体層表面にクラックの発生は見られな
かった。
【0029】
【表2】
【0030】−反射・減衰特性試験− 上記各試料から試料長1mのものを5本用意し、各試料
についてネットワークアナライザーを用いて、0.04
5GHz〜18GHzの高周波帶域において反射・減衰
特性を比較測定した。測定の結果、本発明の各試料は
0.045GHz〜18GHzの周波数帶域における反
射電圧定在波比が1.2倍であったのに対し、従来例の
各試料では反射電圧定在波比が1.7倍もあった。この
試験結果から明らかなように、本発明による同軸ケーブ
ルは高周波帶域の信号の反射・減衰特性が顕著に向上し
ていることが確認された。
【0031】
【発明の効果】本発明の同軸ケーブルの製造方法によれ
ば、溶融金属めっき層が金属編組遮蔽導体層内側の絶縁
体層表面まで均一に浸透形成され、金属編組遮蔽導体層
内側と絶縁体層表面との平滑性が良くなり、高周波信号
の反射・減衰特性に優れる同軸ケーブルを製造すること
ができる。また、溶融金属めっき層が金属編組遮蔽導体
層の編組編目に隈なく浸透形成されるので、可撓性に優
れる同軸ケーブルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同軸ケーブルの製造方法の第1の実施
態様を示す説明図である。
【図2】本発明の同軸ケーブルの製造方法の第2の実施
態様を示す説明図である。
【図3】本発明の同軸ケーブルの製造方法の第3の実施
態様を示す説明図である。
【図4】本発明の同軸ケーブルの製造方法により得られ
た同軸ケーブルの横断面図である。
【図5】従来の同軸ケーブルの製造方法を示す説明図で
ある。
【図6】従来の同軸ケーブルの製造方法により得られた
同軸ケーブルの横断面図である。
【符号の説明】
1 同軸ケーブル 2 中心導体 3 絶縁体層 4 金属編組遮蔽導体層 5 溶融金属めっき層 10A,10B,10C,10D 屈曲用滑車 11 溶融金属めっき槽 12 溶融金属めっき液 13 絞りダイス 14 冷却装置 15A,15B,5C,15D,15E 滑車 16 供線リール 17 巻取りリール 20 超音波振動子 30 減圧雰囲気筒 31 排気管 32 減圧ポンプ 33 導入口 34 導出口 35 ヒータ W 被めっき同軸ケーブル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心導体の外周に絶縁体層と金属編組遮
    蔽導体層とを順次被覆した後溶融金属めっき液中を通過
    させ前記金属編組遮蔽導体層に溶融金属めっき層を形成
    する同軸ケーブルの製造方法において、前記溶融金属め
    っき液中の被めっき同軸ケーブルの進行経路に前記被め
    っき同軸ケーブルに屈曲を与えるための複数個の滑車を
    ジグザグ状に配置し、前記被めっき同軸ケーブルの金属
    編組遮蔽導体層に伸縮を付与させつつ該金属編組遮蔽導
    体層内に溶融金属めっき層を含浸形成せしめることを特
    徴とする同軸ケーブルの製造方法。
  2. 【請求項2】 中心導体の外周に絶縁体層と金属編組遮
    蔽導体層とを順次被覆した後溶融金属めっき液中を通過
    させ前記金属編組遮蔽導体層に溶融金属めっき層を形成
    する同軸ケーブルの製造方法において、前記溶融金属め
    っき液に超音波振動を付与し、前記溶融金属めっき液中
    を進行する被めっき同軸ケーブルの金属編組遮蔽導体層
    内に溶融金属めっき層を含浸形成せしめることを特徴と
    する同軸ケーブルの製造方法。
  3. 【請求項3】 中心導体の外周に絶縁体層と金属編組遮
    蔽導体層とを順次被覆した後溶融金属めっき液中を通過
    させ前記金属編組遮蔽導体層に溶融金属めっき層を形成
    する同軸ケーブルの製造方法において、被めっき同軸ケ
    ーブルを減圧雰囲気中で脱気しながら前記溶融金属めっ
    き液中に導入し、前記被めっき同軸ケーブルの金属編組
    遮蔽導体層に溶融金属めっき層を含浸形成せしめること
    を特徴とする同軸ケーブルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記減圧雰囲気が50〜760mmHg
    である請求項3記載の同軸ケーブルの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載
    の何れか2つの同軸ケーブルの製造方法を組み合わせた
    ことを特徴とする同軸ケーブルの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1と請求項2と請求項3に記載の
    同軸ケーブルの製造方法を全て組み合わせたことを特徴
    とする同軸ケーブルの製造方法。
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