JP4545834B2 - 導線の周りの絶縁材料製気体包含シースの製造方法と製造装置、およびこの種のシースを備えた同軸ケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導体の周りの絶縁材料製気体包含シースの製造方法および製造装置に関する。本発明はさらに詳しくは、限定的ではないが、同軸ケーブル中間誘電性シースの製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
同軸ケーブルは一般的には絶縁性誘電材料製中間シースで包まれた中心導体(中実または撚り線形状)を含み、中間シース自体が外部導体によって包まれ、この外部導体が外部保護シースによって包まれていることは周知である。中間誘電性シースは、特に高周波数に必要な減衰特性をケーブルのために得るために、特定の誘電特性を持たなければならない。さらに具体的には、このシースは約1.8以下、そしてできるだけ1に近い誘電率を有することが一般に要求される。誘電率が1に近いほど、ケーブルは高い周波数に使用することができる。
【0003】
ケーブル製造において従来から使用されている絶縁材料は、中実の形状で使用されるときにはこのような誘電率を持っていない。これらの絶縁材料の誘電率は一般に2付近である。これは特にポリエチレンとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の場合である。この誘電率を下げるために、これらの材料をセルラーシースまたは気体包含シースを形成するために使用することは周知である。
【0004】
セルラーシースは、絶縁材料を(一般には押出し成形によって)シースの形で実施する間に、誘電率が1付近の空気またはガスが充てんされた複数の泡が、最も頻繁には化学反応によって中に入れられたものである。この形式のシースは本発明と関係はない。
【0005】
本発明が関心を寄せる気体包含シースは、ケーブルに沿って長手方向に(直線状またはらせん状に)延びて互いに放射状仕切り壁によって区分された小胞(セル)を有するシースであり、これらの小胞は、中実の場合には、使用される絶縁性材料を、このために適切な開口と通路とをもたらす押出し成形装置を用いて加工成形することによって得られる。これらの小胞は完全に閉包され、その結果、中間シースは円筒状または多角形状であり、その横断面はほぼスポーク車輪の形状を有する。
【0006】
完全に閉包された小胞を容する気体包含円筒状中間シースの製造方法は、米国特許第3771934号に記載されている。この方法は一般的には、勿論粘性状態の絶縁性材料を、小胞を形成するために加工成形手段によって望みの形状を前記材料に与えながら押し出し、次にこうして成形された材料を中心導体の上に重ね合わせ、最後にシースを得るためにこの絶縁性材料を冷却させることからなる。
【0007】
この方法では、押出しによって成形された材料を成形手段の出口で、中心導体の上に直接重ね合わせる。この結果、形成された小胞の非常に薄い上部仕切り壁(これらはケーブルの外部導体に接触することを目的とする)のつぶれを避けるために、製造中にこれらの小胞の内部に過圧を導くことが必要である。これによって製造が複雑になる。
【0008】
さらに、成形材料はガイドから導体へ急激に移り、これによって成形材料は直径の大きな変動を被り、これは形成されたシース中に長手方向のき裂を生じさせる可能性がある。
【0009】
最後に、この方法によっては、低い誘電率と中間シースの上の小さな直径を有する気体包含絶縁同軸ケーブルを製造することはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の第一の目的は、小胞中における過圧の使用を不必要にすることができる、導体の周囲に気体包含シースを製造する方法を開発することである。
【0011】
本発明の他の目的は、形成されたシースにおけるき裂発生の危険性をもたらさない上記の方法を開発することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明は、導体の周囲に絶縁性材料の気体包含シースを製造する方法を提案するもので、前記シースは、前記導体が収納された長手方向の通路、ならびに長手方向に延びそして互いに放射状仕切り壁によって区分された閉包された小胞を含み、前記方法は下記の操作、すなわち、
− 前記小胞を形成するために、前記粘性状態の絶縁性材料を、加工成形手段を使用して望みの形状を前記材料に与えながら押し出す操作と、
− こうして成形された絶縁性材料を前記導体の上に重ね合わせる(アプライする)操作と、
− 前記シースを得るためにこの絶縁性材料を冷却させる操作と
からなり、前記小胞の内部に過圧を使用することなく、小胞の仕切り壁がつぶれないように前記絶縁性材料が十分に引き伸ばされる(ドローダウンされる)ように、この材料を成形手段の出口からある距離の所で前記導体の上に重ね合わせることを特徴とする。
【0013】
本発明による方法によれば、成形された材料を成形手段を出た後直ちに導体の上に重ね合わせないので、この材料の伸び(ドローダウン)は小胞の仕切り壁のつぶれを防止するには十分であり、したがって小胞の内部に過圧を使用する必要はもうない。したがって本発明による方法は、従来の技術による方法よりも実行する上ではるかに簡単である。
【0014】
さらに伸びの事実によって、製造されたシースにき裂が生ずることはない。
【0015】
その上、本発明による方法では、中間シース上における直径が小さい(5mm以下)同軸ケーブルの誘電率が低い(1.7以下)絶縁性中間シースの製造が可能になるが、このような中間シースはこれまで作ることができなかった。
【0016】
米国特許第3771934号に記載された方法を実施するための装置は、ケーブル中心導体を通すための内部縦導管を有するガイドと、ガイドを取り囲み、ガイドの外表面と共に粘性状態の絶縁性材料のための通路を規定する、ガイドと同軸のダイスとを含み、シースの形状はガイド自体中に設けられた開口によって得られ、その結果、得られた中間シースの横断面形状は、ダイスとガイドとの間に規定された通路の横断面形状に属するガイドの開口の横断面形状とほぼ同じである。
【0017】
この配置は、特に医療の分野で使用される典型的には5mm以下の中間シース上での小さな直径を有する同軸ケーブルの製造は可能でない。実際に、得られる中間シースの形状がガイドの空き部分の減少がない「写真」である前記特許に記載された方法によって、このようなケーブル中間シースを製造するためには、装置の出口で望みの寸法を持つシースをすぐに得るために非常に小さな寸法のガイドを使用しなければならないだろう。そこでシースの横断面において、物質が空いている部分の面積と全面積との間の高い比、典型的には40以上、すなわち典型的には1.7以下の低い誘電率を得ることが望まれる。このような比を得ることができるようにする開口を、非常に小さな寸法のガイド中に開けることは不可能である。それは、中間シースの製造において使用されるためには不十分な機械的耐性を有するガイドの製造に至ることになるからである。
【0018】
したがって本発明の他の目的は、中間シース上における小さな直径と低い誘電率を同時に有するケーブルの製造を可能にする前記の方法を実施する装置を実現することである。
【0019】
したがってこのために、本発明は、
− 前記導体を通すための内部縦導管を有するガイドと、
− ガイドを取り囲み、このガイドの外面と共に粘性状態の前記絶縁性材料のための通路を規定する、このガイドと同軸のダイスと
を含み、
前記ダイスが前記通路と連絡する少なくとも一つの開口を含み、この開口中に粘性状態の前記絶縁性材料を入れることができ、前記通路の周りの配置と前記一つまたは複数の開口の形状が、前記ダイスの出口で前記材料が前記小胞を含むように適合されていることを特徴とする、本発明による方法を実施するための装置を提案することである。
【0020】
下記の二つの特徴、すなわち
− 開口がガイド中ではなくダイス中に開けられた装置の使用と、
− 材料を導体の上に重ね合わせる前の材料の引き伸ばし
との組合せによって、望み通りの小さな寸法の、特に医療分野での利用に適合する寸法中間シースを得ることができる。
【0021】
本発明による装置の特に有利な実施態様によれば、ダイスは、その縦軸の周りに対称的に配置された複数の同じ開口を含み、これらの開口の各々の横断面はほぼT字形を呈し、そのTの各横棒は縦軸の周りに曲り、すべて同じ円筒に属し、各縦棒の延長線は縦軸において互いに交わる。
【0022】
このような装置を用いて、成形された絶縁性材料が導体の上に重ね合わされる前に引き伸ばされる場合には、この材料はダイスの出口で、Tの横棒を互いに接触させるように張る圧力を受け、これによって所望のシースを得ることができる。
【0023】
本発明の装置と方法を用いて、適用される引伸し比に応じて、相似比を除けば、ダイスの形状とほぼ同一の形状(ダイスが複数のT形開口を有し、シースの形状が、複数のTの各横棒が接近した後にダイスの形状と同じであるとき)か、または十分に異なった形状を有する中間シースを製造することができる。
【0024】
最後に、本発明は、
− 中心導体と、
− 前記導体が収納された長手方向の通路、ならびに長手方向に延びそして互いに放射状仕切り壁によって区分された閉包された小胞とを含む、誘電材料の絶縁性中間シースと、
− 外部導体と、
− 外部保護シースと
が内部から外部に向かって同軸状に配置されたものを含み、前記中間シースの外径が5mm以下であり、その誘電率が1.7以下であることを特徴とする、本発明の方法によって得られることが好ましい同軸ケーブルに関する。
【0025】
本発明による方法および装置によって始めて、このようなケーブルの製造が可能になった。
【0026】
本発明のその他の特徴と利点は、説明のための非限定的な例として挙げた本発明の方法と装置に関する説明から明らかになろう。
【0027】
【発明の実施の形態】
添付のすべての図において、共通の要素には同じ参照番号が付いている。
【0028】
図1に、本発明によって得ることができる同軸ケーブル10を示す。このケーブル10は、
− 例えば導線の撚り合わせからなる銅製の内部導電体4と、
− 導体4と接触している円筒管状部分51と、軸Xに沿って直線状に長手方向に延び、互いに放射状仕切り壁53によって区分された複数の小胞52と、放射状仕切り壁53を取り囲み、その結果中間シース5がほぼスポーク車輪の形状の横断面を有する円筒管状部分54を含む、例えばエチレンとプロピレンのフッ化物(FEP)からなる絶縁性誘電材料製中間シース5と、
− シース5の円筒管状部分54の上に支えられた編組被覆すなわち電線被覆の形状をなす外部導体6と、
− 外部保護シース7と
が縦軸Xの周りに内部から外部に向かって同軸状に配列されたものを含む。
【0029】
次に、上記の形式の二つの同軸ケーブルの典型的な寸法を挙げる。
【0030】
医療分野において使用可能な、すなわち小さな寸法の同軸ケーブルは、下記の寸法を有する。
【0031】
− 内部導体4の直径:0.12mm、
− 中間シース5の外径:0.51mm、
− 外部導体6:直径0.03mmの細線の織線被覆からなり、被覆率98%、
− 外部シース7の外径:0.55mm。
【0032】
遠距離通信において使用可能な、すなわち中程度の寸法の同軸ケーブルは、下記の寸法を有する。
【0033】
− 内部導体4の直径:0.25mm、
− 中間シース5の外径:1.20mm、
− 外部導体6:直径0.10mmの細線の織線被覆からなり、被覆率66%、
− 外部シース7の外径:2mm。
【0034】
図2に、図1のケーブル10中間シース5を製造できるようにする本発明による押出し成形装置を示す。この装置はガイド2とダイス3を含む。
【0035】
ガイド2は、ガイドの縦軸Yの周りに円筒状内部導管20を備えている。この導管20は導体4の通過を可能にする。ガイド2は、円錐台状部分22によって延長されたほぼ円筒状の部分21を含み、円錐台状部分22の最も小さな直径の底は、円筒状部分21と同じ直径を有する。
【0036】
ダイス3はガイド2を取り囲み、ガイド2と同軸である。その外表面は円筒状であり、その内表面30は円錐台状部分32によって延長された円筒状部分31を有する。ダイス3の内表面30はガイド2とともに、中間シース5を構成することを目的とする絶縁性材料35のための円筒状通路34を規定する。この絶縁性材料35は、ダイスとガイドとの組立品の下流側にある押出し成形装置のクロスヘッド(図示せず)から出てくる。
【0037】
シース5がスポーク車輪の形状の横断面を有するように、所望の形状を絶縁性材料35に与えるために、通路34と連絡する開口(図2には図示せず)がダイス3の円筒状部分31中に開けられる。これらの開口は同様にガイド2中に開けることもできるが、後述するように、これらの開口をダイス3中に開けることが好ましい。
【0038】
導体4の周りに絶縁性中間シース5を作るためには、この導体を導管20の内部に、図2における矢印Fで示す方向に、すなわちガイド2とダイス3のそれぞれの円錐台状部分21、31の直径が減少する方向に通す。また粘性状態の絶縁性材料35を、通路34ならびにダイス3の開口を満たすように圧力をかけて導く。
【0039】
本発明によれば、こうして成形された材料は、ダイス3の出口37においてすぐに導体と接触するのではなく、この出口37から(矢印Fの方向に)ゼロではない距離で接触することになる。この結果、材料は導体4に重ね合わされる(アプライされる)前に引き伸ばされる(ドローダウンされる)。この伸び(ドローダウン)によって、従来の技術におけるように小胞52中に過圧を入れることを必要とせず、小胞52の仕切り壁53、54を構成する材料がまだ粘性状態であるのに、仕切り壁53、54がつぶれないようにすることができる。
【0040】
ダイス3の出口37と成形されたシースと導体4とが接触するゾーンとの間の距離は、望みの引伸し比によって決定される。所定の引伸し比については、この距離は導体4の走行速度によって決定される。説明例としては、これはダイス3の内径の2倍から20倍の間で変化することができる。
【0041】
本発明によれば、ダイス3の出口37と導体4の上に形成中のシースを重ね合わせる点との間の距離は、引伸し比が少なくとも25になるようにしなければならない。
【0042】
引伸し比(Draw Down Ratio:DDR)は次式によって得られることを思い起こされたい。
【0043】
【数1】
【0044】
ただし、DFはダイス3の開口の外径、DGはガイド2の円筒状部分21の外径、Dfはシース5の外径、およびDgはシース5の管状部分51の外径である。
【0045】
成形される絶縁性材料が導体4に重ね合わされる前に伸びるとすれば、得られる中間シースの横断面は、粘性状態にある材料の通過開口によって規定された空き部分の横断面より必然的に小さく、前者の横断面と後者の横断面とは相似である。こうして、ガイドの表面よりも大きな表面を必然的に有するダイス中に開口を開けるときには、適合された引伸し比を選択し、小胞が大きな断面を有するように開口の寸法を調節して、非常に小さな寸法と低い誘電率を持つ中間シースを実現することができる。
【0046】
図4に、本発明によるガイド2とダイス3´の横断面を示す。このダイス3´の四つの開口38´は、円筒状部分31のレベルでこのダイスを一方から他方へ長手方向に縦断し、通路34と連絡している。開口38´は各々ほぼT字形を呈し、その横棒39´は軸Yの周りに湾曲している。これらの開口はすべて軸Yの同じ円筒に所属している。Tの縦棒40´は通路34と連絡し、その延長線は軸Yの上で互いに交差する。
【0047】
湾曲した水平部分39´の頂部における直径は8mmであり、底部における直径は6.4mmであり、その結果これは0.8mmの厚さを有する。
【0048】
ダイス3´によって、引伸し比が235のときには図3に示す中間シース5´を得ることができる。図3では、Tの横棒39´から来るシースの部分5´が互いに接触して、シース5´のほぼ円筒状の外部管状部分54´を形成している。
さらにこの図に見られるように、シース5´の横断面は、Tの横棒が互いに接触していることを除き、ダイス3´の空き部分(開口38´と通路34)と実際に同じである。これは、引伸し比が大きいとき、実際には150以上のときに作られる。この場合には、シース5´がダイス3´の空き部分とほとんど相似であるので、シース5´中に存在する空気の量を正確に制御することができる。高い引伸し比で使用されるこの形式のダイスによって、特に医療分野で使用可能な寸法の小さい同軸ケーブルを得ることができる。
【0049】
したがって、低い誘電率(1.57)を持つ小さな寸法(外径:0.51mm)の中間シースを得ることができる。
【0050】
図6に、本発明によるガイド2と他のダイス3´´との横断面を示す。このダイス3´´の四つの開口38´´は、円筒状部分31のレベルでこのダイスを一方から他方へ長手方向に縦断し、通路34と連絡している。開口38´´は各々ほぼT字形を有し、その横棒39´´は軸Yの周りに湾曲している。これらの開口はすべて軸Yの同じ円筒に属している。Tの縦棒40´´は通路34と連絡し、その延長線は軸Yの上で互いに交差する。
【0051】
湾曲した水平部分39´´の頂部における直径は7mmであり、底部における直径は4.37mmであり、その結果これは1.315mmの厚さを有する。すなわち厚さは図3のダイスの開口38´の湾曲した水平部分39´よりも非常に厚い。
【0052】
ダイス3´´によって、引伸し比が32のときには図5に示す中間シース5´´を得ることができる。図5では、Tの横棒39´´から来るシースの部分5´´が互いに接触しているだけでなく、シース5´´のほぼ円筒状の外部管状部分54´´を形成するために互いに混入し合った状態になっている。さらにこの図に見られるように、シース5´´の横断面は、ダイス3´´の空き部分(開口38´´と通路34)の横断面とはかなり異なっている。これは、引伸し比が小さいとき、実際には50程度のときに作られる。この場合には、シース5´´がダイス3´´の空き部分と相似でないので、シース5´´中に存在する空気の量を正確に制御することはできない。低い引伸し比で使用されるこの形式のダイスはむしろ、遠距離通信において使用される同軸ケーブルのため中程度の寸法中間シースを作るために使用される。
【0053】
したがって、低い誘電率(1.56)を持つ外径が1.2mmの中間シースを得ることができる。
【0054】
本発明の方法と装置によって得られる同軸ケーブルは、これらのケーブルが使用される適用例のために一般に必要な要件を満たす電気的特性を有する。これらのケーブルのインピーダンスは約75オームである。
【0055】
これらのケーブル中間シースはまた、中実の絶縁材と同じように容易にはぎとることができる。これら中間シースの外部円筒性は、外部導体を迅速かつ正確に切ることを可能にするのに十分である。さらにまた、これらのシースは均質でき裂がない。
【0056】
得られたケーブルは破壊や曲げ応力に対してすぐれた耐性を有する。
【0057】
最後に、本発明による方法によって、ダイスの加工の違いを別にして、中実絶縁性シースの押出し成形のために使用される装置と同じ形式の装置を使用することができる。
【0058】
もちろん、本発明は上に説明した実施態様に限定されるものではない。
【0059】
最初に、本発明は同軸ケーブルの気体包含シースの製造のみでなく、この形式のシースを必要とするあらゆる形式のケーブルにおける、例えば撚り導線の対ケーブルまたは4分ケーブルにおける気体包含シースの製造のために使用することができる。
【0060】
その上、シースを製造するために使用される材料は、押出し成形可能であれば、特に本発明の実施に必要な引伸し比のような引伸し比に耐え得る熱可塑性材料であれば、どんな種類の材料にすることもできる。これは特にFEPにすることができるが、特にエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリふっ化ビニリデン(PVDF)、さらにまた過フルオロアルコキシ(PFA)(Du Pont de Nemours社の登録商標)によって作ることができる。
【0061】
空気やシースの誘電率の低下を可能にする他のどんなガスによっても、小胞を充てんすることができる。したがってこのために、押出し成形は小胞充てんガスの雰囲気中で実施される。
【0062】
さらに、ダイスをその縦軸の周りに回転運動させて、ケーブルにさらにうまく曲げ応力を支えることのできる、らせん状の小胞を得ることができる。
【0063】
ダイスの開口の形は、望みのシース形状を得ることが可能などんなものにすることもできる。特にダイスは、製造すべきシースの横断面と厳密に同じ形状を有する開口を含むことができる。
【0064】
最後に、どの手段でも、本発明の範囲を逸脱することなく等価の手段で代用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって得られる通気性中間シース式同軸ケーブルから取り出した部分の斜視図である。
【図2】本発明による装置の概略側面図である。
【図3】内部導体と中間シースのみが見える図1の横断面図である。
【図4】図3に示す中間シースを得ることのできるガイドとダイスのレベルにおける図2の横断面図である。
【図5】内部導体と中間シースの変形例のみが見える図1の横断面図である。
【図6】図5に示す中間シースを得ることのできるガイドとダイスの変形のレベルにおける図2の横断面図である。
【符号の説明】
2 ガイド
3 ダイス
4 内部導体
5 中間シース
6 外部導体
7 外部保護シース
10 同軸ケーブル
20 円筒状内部導管
21 円筒状部分
22 円錐台状部分
30 内表面
31 円筒状部分
32 円錐台状部分
34 円筒状通路
35 絶縁性材料
37 出口
51 円筒管状部分
52 小胞
53 放射状仕切り壁
54 円筒管状部分
Y 縦軸
Claims (7)
- 導体(4)が収納された長手方向の通路(51)と、長手方向に延び互いに放射状仕切り壁(53)によって区分された閉包された小胞(52)とを含む、導体(4)の周囲の絶縁性材料製の気体包含シース(5)を製造する方法にして、
粘性状態の絶縁性材料(35)を、導体のためのガイドおよびガイドを取り囲むガイドと同軸のダイスとからなる前記小胞(52)を形成するための成形手段(2、3)を使用して、導体を収容する長手方向の通路と、長手方向に延び互いに放射状仕切り壁によって区分された閉包された小胞を有する形状を前記材料に与えながら押し出す操作と、
こうして成形された絶縁性材料を前記導体の上に重ね合わせる操作と、
前記シースを得るためにこの絶縁性材料を冷却させる操作と
を含む製造方法であって、
小胞(52)の仕切り壁(53、54)がつぶれないよう前記絶縁性材料が十分に引き伸ばされるように、この材料を成形手段のダイスの出口からある距離を置いた所で前記導体の上に重ね合わせることを特徴とする方法。 - 前記距離が、前記材料の引伸し比が少なくとも25であるような距離であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記絶縁性材料(35)が熱可塑性材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記絶縁性材料(35)がエチレンおよびプロピレンのフッ化物であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記導体(4)を通すための内部縦導管(20)を有するガイド(2)と、
ガイド(2)を取り囲み、このガイド(2)の外面と共に粘性状態の前記絶縁性材料(35)のための通路(34)を規定する、このガイド(2)と同軸のダイス(3)とを含み、
前記ダイス(3)が前記通路(34)と連絡する少なくとも一つの開口(38’;38’’)を含み、この開口(38’;38’’)中に粘性状態の前記絶縁性材料(35)を入れることができ、前記一つまたは複数の開口(38’;38’’)の前記通路(34)の周りの配置と形状が、前記ダイス(3)の出口で前記材料が導体を収容する長手方向の通路の周りに長手方向に延び互いに放射状仕切り壁によって区分された閉包された前記小胞(52)を備えた形状を有するように定められていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置。 - 前記ダイスが(3’;3’’)、その縦軸(Y)の周りに対称的に配置された複数の同じ開口(38’;38’’)を含み、これらの開口(38’;38’’)の各々の横断面がほぼT字形を有し、そのTの横棒(39’;39’’)が前記縦軸(Y)の周りに曲り、さまざまなTの曲がった横棒がすべて同じ円筒に属し、各縦棒(40’;40’’)の延長線が縦軸(Y)において互いに交わることを特徴とする請求項5に記載の装置。
- 請求項1に記載の方法によって得られる同軸ケーブルであって、
中心導体(4)と、
前記導体(4)が収納された長手方向の通路(51)、ならびに長手方向に延び互いに放射状仕切り壁(53)によって区分された閉包された小胞(52)を含む、誘電材料の絶縁性中間シース(5)と、
外部導体(6)と、
外部保護シース(7)と
が内部から外部に向かって同軸状に配置されたものを含む同軸ケーブルであって、前記中間シース(5)の外径が5mm以下であり、その誘電率が1.7以下であることを特徴とする同軸ケーブル。
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