【発明の詳細な説明】
アカント酸の製造方法およびこれを含む医薬組成物
発明の分野
本発明は、アカント酸(acanthoic acid:(−)−ピマラ−9(11),15
−ジエン−19−オイックアシッド)の製造方法および前記アカント酸を含む、
インターロイキン−1(以下、IL−1と略称)または腫瘍壊死因子−α(以下
、TNF−αと略称)の過剰生産によって惹起される疾病の治療に有用な医薬組
成物に関する。
発明の背景
アカントパナックス コレアヌム ナカイ(Acanthopanax koreanum Nakai)
(ウコギ科(Araliaceae))は韓国の済州島に自生し、伝統的に神経痛、中風、腰
痛などの治療剤として用いられてきた。下記式(A)のアカント酸を含む種々の
有用成分がその根皮から分離された(Kim,Y.H.and Chung,B.S.,J.Nat.Pro.,51,1
080(1988))。
アカント酸は白血球遊走およびプロスタグランジンE2(PGE2)の生成を阻
害する能力によって種々の薬理学的効果、たとえば、鎮痛および抗炎症活性を有
し、ラットに投与した際、最少致死量(MLD)が1000mg/kgである非常に
低い毒性を示すと報告された(Lee,Y.S.,“Pharmacological Study for(-)-Pima
ra-9(11),15-Diene-19-oic Acid,A Component of Acanthopanax koreanum Nakai
”、
韓国ソウル大学薬学部博士論文、1990)。
周知のとおり、IL−1は広範囲の人体防御および免疫機構に関与する調節因
子である(Dinarello,D,A.,FASEB J.,2,108(1988)参照)。活性化されたマクロ
ファージから初めて発見されたIL−1は、線維芽細胞、ケラチノサイト、T細
胞、B細胞、および脳の星状膠細胞などの種々の細胞から生産および分泌される
。また、IL−1は、CD4+T細胞の増殖を刺激し(Mizel,S.B.,Immumol.Rev
.,63,51(1982))、T細胞受容体(TCR)への結合を通じて胸腺Tc細胞の細胞
殺傷効果を刺激し(McConkey,D.,J.,et al.,J.Biol.Chem.,265,3009(1990))、
PGE2、ホスホリパーゼA2(PLA2)およびコラゲナーゼなどのような炎症
機構に関与する種々の物質の生産を誘発し(Dejana,E.,etal.,Bolid,69,695-699
(1987))、肝で急性期(acute-phase)蛋白質の生産を誘発し(Andus,T.,et al.
,Eur.J.Immunol.,123,2928(1988))、血管系で血圧を上昇させ(Okusuwa,S.,et
al.,J.Clin.Invest.,81,1162(1988))、IL−6およびTNFなどの他のサイト
カインの生産を誘発(Dinarello,C.A.,et al.,J.Immunol.,139,1902(1987))す
るなど種々の機能を有すると報告された。
報告されいるように、IL−1は慢性関節リウマチ(Nouri,A.M.,et al.,Clin
.Exp.Immunol.,58,402(1984))、胃腸移植後の拒絶反応(Mauri and Teppo,Tran
splantation,45,143(1988))、敗血症(Cannon,J.G.,et al.,Lymphokine Res.,7
,457(1988))などの種々の免疫疾患に関与する。また、IL−1は人体に大量に
投与した際、熱や痛みを誘発すると報告された(Smith,J.,et al.,Am.Soc.Clin.
Oncol.,9.710(1990))。
BCG(Bacille Calmette-Guerin)またはLPS(lipopolysaccharide)で
処理した動物の血清から初めて発見された(Carswell,E.A.,et al.,Proc.Natl.A
cad.Sci.U.S.A.,72,3666(1975))TNF−αは、活性化されたマクロファージお
よび線維芽細胞などの種々の細胞によって生産されると報告された。また、TN
F−αは線維肉腫L929細胞を殺傷し(Espevik and Nissen-Meyer,J.Immunol
.Methods,95,99(1986))、線維芽細胞の増殖を刺激し(Sugarman,B.J.,et al.,S
c
ience,230,943(1985))、炎症反応に関与するPGE2、アラキドン酸などの生産
を誘発し(Suttys,et al.,Eur.J.Biochem.,195,465(1991))、IL−6または他
の成長因子の生産を誘発(Van Hinsbergh,etal.,Blood,72,1467(1988))するな
どの機能を有すると報告された。
TNF−αもまた種々の疾患に直接または間接に関与すると報告され、かかる
疾患の例はトリパノソーマ、プラスモジウム属の菌株などによって媒介される伝
染病(Cerami,A.,et al.,Immunol.Today,9,28(1988))、全身性紅斑性狼瘡(S
LE)および関節炎のような自己免疫疾患(Fiers,W.,FEBS,285,199(1991)),
AIDS(Mintz,M.,et al.,Am.J.Dis.Child.,143,771(1989))、敗血症(Tracey
,K.J.,et al.,Curr.Opin.Immunol.,1,454(1989))、および感染症(Balkwill,F.
R.1989,Cytokines in Cancer Therapy,Oxford University Press)である。
このような報告は、人体内免疫体系の恒常性維持および関連疾患の治療や予防
のために、IL−1とTNF−αの生産調節が重要であるという事実を支持して
いる。
したがって、インターロイキンの生産を調節するための多数のアプローチが提
案されてきた。たとえば、自然に発生するIL−1受容体阻害剤(IL−1Ra)
を用いてIL−1のその受容体への結合を阻害することによって、動物モデルで
敗血症、関節炎、炎症などの発生を減少させることができると報告され(Dinare
llo,C.A.and Thompson,R.C.,Immunol.Today,12,404(1991))、特定の抗体を用い
てIL−1の活性を阻害する方法が提案された(Giovine,D.F.S.and Duff,G.W.,
Immunol.Today,11,13(1990))。IL−6の場合、IL−6またはIL−6受容
体に対する抗体を用いてIL−6の過度な分泌によって骨髄腫にかかった患者の
骨髄細胞の増殖を阻害した(Suzuki,H.,Eur.J.Immuno.,22,1989(1992))。
しかし、IL−1およびTNF−αの生産を特異的に阻害する物質および方法
は報告されたことがなく、したがって、IL−1およびTNF−αの生産に対す
る特異的阻害剤を発見するための努力が続いている。
発明の概要
したがって、本発明の目的は、アカントパナックス コレアヌム ナカイの根
皮からアカント酸を製造する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、IL−1またはTNF−αの過剰生産によって惹起され
る免疫疾患の治療に有用な治療的有効量のアカント酸および薬剤学的に許容され
得る担体を含む医薬組成物を提供することである。
図面の簡単な説明
本発明の前述した目的および他の目的および特徴は、本願に添付した図面を参
照しながら行われる下記の説明から明らかになる。
図1は、ヒト単球およびマクロファージに対するアカント酸の細胞毒性を示し
;
図2は、ヒト単球およびマクロファージでIL−1の生産に対するアカント酸
の阻害効果を示し;
図3は、ヒト単球およびマクロファージでTNF−αの生産に対するアカント
酸の阻害効果を示し;
図4は、ラットの肺マクロファージおよびリンパ球でTNF−αの生産に対す
るアカント酸の阻害効果を示し;
図5は、ヒト単球およびマクロファージで反応性酸素類の生産に対するアカン
ト酸の阻害効果を示し;
図6は、NIH3T3線維芽細胞の増殖に対するアカント酸の阻害効果を示し
;
図7は、ラットの肺線維芽細胞でコラーゲンの生産に対するアカント酸の阻害
効果を示し;
図8は、ラットの肺組織でコラーゲンの生産に対するアカント酸の阻害効果を
示し;
図9は、ラットで珪肺症に対するアカント酸の阻害効果を示し;
図10は、肝硬変を誘発させたラットの血清中のGOTおよびGPT濃度に対
するアカント酸の阻害効果を示し;
図11は、ラット肝硬変に対するアカント酸の阻害効果を示す。
発明の詳細な説明
本明細書で言及した全ての文献はここに引用することによって本明細書の記載
とされる。
本発明によって、アカントパナックス コレアヌム ナカイから抽出したアカ
ント酸は、IL−1またはTNF−αの生産を特異的に阻害する能力を有すると
いうことが判明し、したがって、有効量のアカント酸を含む医薬組成物は、IL
−1またはTNF−αの過剰生産によって惹起される種々の免疫疾患の治療に有
用である。
前記アカント酸は種々の有機溶媒、たとえば、メタノール、ジエチルエーテル
、またはこれらの混合物を用いてアカントパナックス コレアヌム ナカイの根
皮から抽出できる。特に、アカント酸は下記の本発明の好ましい態様によって製
造できる。
乾燥したアカントパナックス コレアヌム ナカイの根皮1kgに1ないし31
、好ましくは21のメタノールを加え、この混合物を20ないし60℃範囲の温
度、好ましくは室温で少なくとも10時間、好ましくは12時間処理して濾過す
る。前記手順を好ましくは3回繰り返し、濾液を集めて減圧濃縮してメタノール
抽出物を得る。
前記メタノール抽出物100gを200ないし400ml、好ましくは300ml
の水と200ないし400ml、好ましくは300mlのジエチルエーテルで分配す
る。これからジエチルエーテル分画を分離した後、減圧濃縮してジエチルエーテ
ル抽出物を得る。前記抽出物をヘキサンと酢酸エチルの混合物を溶離液として用
いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製してアカント酸を得る。
前記アカント酸は、抗炎症および抗線維化効果を示し、コラーゲン合成および
反応性酸素類の生産を阻害し、血清GOTおよびGPT濃度を減少させる。すな
わち、アカント酸はIL−1またはTNF−αの過剰生産によって惹起される免
疫疾患、たとえば、敗血症、慢性関節リウマチ、炎症、肝硬変および珪肺症の治
療のための医薬組成物に使用できる。
本発明の医薬組成物は活性成分としてのアカント酸と共に薬製学的に許容可能
な賦形剤、担体または希釈剤を含むことができる。医薬製剤は任意の通常の方法
によって製造できる。
組成物の製造において、活性成分は担体に混合、希釈するか、またはカプセル
、におい袋(sachet)または他の容器形態の担体に封入するのが好ましい。担体
が希釈剤として働く場合、これは活性成分の溶剤、賦形剤または媒質として作用
する固体、半固体または液体物質であり得る。したがって、この組成物は錠剤、
丸剤、粉末、香粉、エリキシル、懸濁剤、乳化剤、液剤、シロップ、エアロゾー
ル、軟質または硬質のゼラチンカプセル、滅菌注射剤、滅菌包装粉末などのよう
な形態であり得る。
適当な担体、賦形剤および希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース
、スクロース、ソルビトール、マンニトール、スターチ、アカシアゴム、アルギ
ン酸塩、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ゼラチン、セルロース、メチル
セルロース、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安
息香酸メチル、ヒトロキシ安息香酸プロピル、滑石、ステアリン酸マグネシウム
、および鉱油などがある。
前記組成物は、潤滑剤、湿潤剤、香味剤、乳化剤および防腐剤などをさらに含
むことができる。本発明の組成物は、患者に投与してから、活性成分を迅速に、
または持続的に、または遅延放出させる当分野で周知の任意の方法によって調剤
できる。
前記医薬組成物は、経口、経被、皮下、静脈内および筋肉内投与をはじめ、種
々の経路を通じて投与できる。活性成分の1日投与量は、通常的に体重1kg当り
約1ないし500μg、好ましくは30ないし300μgの範囲であり、1回また
は数回に分けて投与できる。しかし、実際に投与する活性成分の量は治療すべく
症状、投与経路、患者の年齢および体重、および患者の症状を含む種々の関連因
子を考慮して決定しなければならない。したがって、上記の投与量が本発明の範
囲を限定すると解釈してはならない。
下記製造例および実施例は、本発明の範囲を制限するのものではなく、本発明
をさらに詳細に例示するためのもので、特に言及しない限り、実施例で用いられ
た実験方法は参照実施例によって実施できる。
なお、以下固体中の固体、液体中の液体および液体中の固体に対する百分率は
、特に言及しない限り、それぞれ重量/重量、体積/体積および重量/体積に基
づいたものである。
製造例:アカント酸の製造
よく乾燥したエー.コレアヌムナカイ根皮約1.7kgを細かく切り刻み、メタ
ノール約41で室温で24時間抽出した後、濾過した。前記抽出手順を3回繰り
返して集めた濾液を減圧濃縮してメタノール抽出物約200gを得た。
前記メタノール抽出物全量を蒸留水600mlとジエチルエーテル600mlの混
合物に分配した。ジエチルエーテル層を分離し、減圧濃縮してジエチルエーテル
抽出物110gを得た。
前記ジエチルエーテル抽出物全量をヘキサン:酢酸エチル(20:1(v/v)
→5:1(v:v))を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製
して1.76%の収率で活性物質30gを得た。
この活性物質は薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて標準物質(Kim,Y.
H.and Chang,B.S.,J.Nat.Pro.,51,1080(1988))と比べることによってアカント
酸として同定され、これはまた1H−NMR、13C−NMR、MSおよびIRに
よっても確認された。
参照例1:検定用細胞の分離
(1)ヒト単球、マクロファージおよび好中球の分離
正常なヒト末梢血液をヘパリンで処理し、同量のハンクス細胞培養用塩類溶液
(HBSS;Mg2+およびCa2+を含有しない)で希釈した。希釈した血液を密度1.
119のフィコル−ヒパク(Ficoll-Hypaque,Sigma,St.Louise,MO,U.S.A.)層上
に積み重ねた密度1.077のフィコル−ヒパクを含む遠沈管に入れ、700xg
で30分間遠心して密度1.077のフィコル−ヒパク層と血漿層との間の層か
ら単球を、そして密度1.077のフィコル−ヒパク層と密度1.119のフィコ
ルーヒパク層との間の層から好中球を得た。分離した細胞を4℃HBSS(Ca2 +
およびMg2+を含有しない)で2回洗浄し、10%牛胎児血清(FBS,Hyclon
e,logan,Utah,U.S.A.)を含むRPMI1640培地(Gibco,Grand Island,NY,U.
S.A.)に懸濁した。懸濁液を24−ウェル培養プレート(Costar,Cambridge,MA,
U.S.A.)のウェルに入れ、37℃で2時間培養して単球、マクロファージおよび
好中球を得た。
(2)線維芽細胞の分離
ファンらの方法(Phan S.H.,et al.,J.Clin Invest.,76,241(1985))の変形を
用いてラットから線維芽細胞を次のように分離した。
ラットをエーテルで麻酔させ、無菌作業台で肺臓を取り出した。肺臓を2ない
し4mmの大きさに細かく切り刻み、コラゲナーゼおよび0.5%トリプシンを含
むリン酸塩緩衝食塩水(PBS)に懸濁し、37℃で約2時間組織を消化させた
。懸濁液を滅菌したガーゼに通して濾過し、消化されなかった組織を除いた。分
離した細胞はPBSで2回または3回洗浄し、10%牛胎児血清(FBS,Hycl
one,Logan,Utah,U.S.A.)を含むRPMI1640培地(Gibco,Grand Island,NY
,U.S.A.)に懸濁した。懸濁液を培養プレートのウェルに入れ、5%CO2培養器
(Lunaire Environ,Inc.,Pennsylvania,U.S.A.)を用いて37℃で1ないし2日
間培養した。プレートをRPMI1640培地で洗浄し、プレートに付着してい
ない細胞を除いた。新鮮な培地をプレートに加え、融合性層が形成されるまで培
養を続けた。5回以下の継代培養を経た細胞を下記試験に用いた。
NIH3T3線維芽細胞(ATCC CRL 1658)を10%FBSを含
むRPMI1640培地で前述した条件下で培養した。
(3)アカント酸を用いた細胞処理
前記手順で得られた細胞5X105/mlに色々の濃度のアカント酸を加え、細
胞を5%CO2培養器で37℃で1時間前培養した。その後、シリカ(100mg
/ml)1mlおよび2%FBSを含むRPMI1640培地1mlを加え、細胞を前
記と同一条件下で48時間培養した。培養上澄液を集め、1,500rpmで10分
間遠心分離して細胞およびシリカを除いた。得られた上澄液をPBSに透析し、
0.2μm濾過注射器で濾過した後、濾液を−20℃で保管した。
参照例2:アカント酸の細胞毒性検定
アカント酸の細胞毒性は下記の手順によって決定した。
参照例1(1)で得られた単球およびマクロファージ5X105細胞/mlずつ
を参照例1(3)の手順に従って、それぞれ製造例で得られたアカント酸0.1
、1、10または100μg/mlで処理し、同一条件下で培養した。アリーら(A
lley)の方法(Alley,M.C.,et al.,Cancer Res.,48,589(1988))によって各培養
液を1ml/ウェルの量で培養プレートのウェルに入れ、3−4,5−ジメチルチ
アゾール−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT,Sigma)0.5m
gを各ウェルに加えた。37℃で4時間培養した後、培養液を遠心分離して上澄
液を除いた。酸性化されたイソプロパノール0.04N HCl(イソプロパノー
ル溶液)100μlずつを各ウェルの細胞に加えて生きている細胞によって生産
されたホルマザンを溶離し、ELISAリーダー(Titertek multiskan Mcc/3
40)を用いて540nmでの光学密度(O.D.)を測定した(図1)。
図1は、アカント酸で処理しなかった対照群の光学密度を100%と見なした
場合、アカント酸の濃度に対する試料の光学密度の相対値を示す。アカント酸の
毒性によって単球およびマクロファージの生存率が減少するとホルマザンの生産
も減少し、これによって光学密度が減少する。アカント酸の濃度が10μg/ml
に及ぶまでアカント酸で処理した試料は対照群と比べて大きい差を示さない。し
たがって、アカント酸は10μg/ml以下の濃度で細胞毒性を示さないことを確
認し、以後、全ての試験は前記濃度範囲内で行った。
実施例1:アカント酸によるヒト単球およびマクロファージでのIL−1生産 の阻害
参照例1(1)で得られた単球およびマクロファージをアカント酸0.1ない
し100μg/mlと共に1時間培養し、シリカ100μg/mlで48時間処理した
。培養液を遠心分離して上澄液を得た後、これをPBSに対して透析した。透析
物中のIL−1の活性はゲリ(Gery)の方法(Cellular Immunology,64,293-303
(1981))によって次のように測定した。
10%FBSを含むRPMI1640培地に懸濁したC3H/HeJマウス胸
腺細胞1X107細胞/mlをフィトヘムアグルチニン(PHA:Burruoghs Wellcome
,Reserch Triangle Park,NC,U.S.A.)1μg/mlで処理し、懸濁液各100μl/
ずつを96−ウェル培養プレート(Costar,平底)のウェルに加えた。前記透析
物50μlおよび10%FBSを含むRPMI1640培地を各ウェルに加えた
。その後、プレートを37℃で5%CO2下で72時間培養した。培養が終わる
16時間前に、3H−チミジン0.5μCi/ウェルをウェルに加えた。培養が終
わると、細胞をガラス線維濾過器上に集め、結合された3H−チミジンの量を液
体シンチレーション計測器(Beckman)で測定した。
図2は、アカント酸で処理しなかった対照群の3H−チミジン結合量を100
%と見なす場合、アカント酸の濃度による3H−チミジン結合量の相対値を示す
。図2から理解されるように、ヒト単球およびマクロファージでのIL−1生産
はアカント酸の濃度に依存して阻害された。
実施例2:アカント酸によるヒト単球およびマクロファージでTNF−α生産 の阻害
実施例1に記載と同様の手順に従ってヒト単球およびマクロファージをアカン
ト酸で処理し、TNF−αの活性はアガウォル(Aggarwal)の方法(J.Biol.Che
m.,260,2345(1985))によって細胞溶解検定法で測定した。
TNF−α依存性L929線維芽細胞株(ATTC CCL1)を5%FBS
を含むRPM11640培地に懸濁し、96−ウェル培養プレートのウェルに3
x104細胞/ウェルの量で加えた。プレートを37℃で2時間培養して細胞を
培養プレートに付着させた。その後、培地を除き、アクチノマイシン D(Sigm
a)1μg/mlおよび実施例1で得た単球およびマクロファージの培養透析物50
μlを各ウェルに加えた。各ウェル中のFBSの最終濃度を5%に調節し、細胞
を37℃で5%CO2下で24時間培養した。
培養が終わった後培地を除き、細胞をPBSで2回洗浄した後、20%メタノ
ール中の0.5%クリスタルバイオレット溶液で5分間染色した。細胞をPBS
で3回洗浄して乾燥した。次いで、33%酢酸をウェル当り100μlずつ加え
て染料を溶出させ、570nm読込フィルター(reading filter)および405nm
参照フィルター(reference filter)を有するELISAリーダーを用いて各ウ
ェルから得られた試料のO.D.を測定した。溶出された染料の量は内部対照群、
即ち、rHu TNF−α(Genzyme)のO.D.値を参照としたO.D.値から計算
した。
図3から理解されるように、アカント酸は5μg/ml以上の溶液でTNF−α
の生産を少なくとも90%阻害する。
実施例3:アカント酸によるラット肺マクロファージおよびリンパ球でのTN F−α生産の阻害
ラットをケタミンで麻酔した後、気管支に滅菌した細い管を挿入し、30ml注
射器を使ってRPMI1640培地10mlを3回繰り返して注入および吸入する
ことによって肺マクロファージおよびリンパ球を得た。得られた細胞を400xg
で5分間遠心分離し、10%FBSを含むRPMI1640培地50mlに懸濁し
た後、37℃で2時間培養して培養プレートに付着させた。プレートをPBSで
2回洗浄して浮き上がる細胞を除いて肺マクロファージとリンパ球を得た。肺マ
クロファージおよびリンパ球を24−ウェル培養プレートのウェルに加えた後、
2X105細胞/ウェルの量でアカント酸10μg/mlを各ウェルに加えた。細胞
を37℃で1時間予備培養し、シリカ100μg/mlで3日間処理した。培養液
をPBSに透析した後、実施例2に記述した方法に従ってTNF−α依存性L9
29細胞株を用いて透析液中のTNF−α活性度を測定した。
図4から理解されるように、ラット肺マクロファージおよびリンパ球でのTN
F−α生産もアカント酸によって阻害されることを観察した。図4で、medは何
らの処理もしなかった対照群、siはシリカで刺激した試料、そしてsi+acanはア
カント酸で処理し、シリカで刺激した試料をそれぞれ示す。
実施例4:アカント酸による反応性酸素類の生産阻害
炎症反応は、色々な刺激剤で刺激された免疫細胞からIL−1のような種々の
サイトカインの分泌;前記サイトカインで刺激された他の免疫細胞によるホスホ
リパーゼA2、リソソーム酵素、反応性酸素類などの生産;および前記生成物に
よって誘発される組織損傷を含む一連の反応として知られている(Pruzanski,W.
and Vadas,P.,Immunol.Today,12,143(1991))。炎症反応を遮断するアカント酸
の能力は、反応性酸素類、たとえば、H2O2およびO2 -の生産に対する阻害活性
を測定することによって調査した。
H2O2の量は、96−ウェルマイクロプレートを用いた微量測定法によって次
のように測定した。RPMI1640培地の入れてある各ウェルに好中球5x1
05細胞を加え、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(500μg/ml;typeII、Sig
ma)25μlおよびフェノールレッド(1mg/ml)75μlを各ウェルに加えた。
その後、細胞をアカント酸10、20、および50μg/mlで1時間処理し、1
0-7Mホルボール ミリスタート アセタート(PMA)で刺激した後、37℃
で60分間培養した。培養が終わった後、3M NaOHを25μl/ウェルの量
で加えて反応を中止し、ELISA リーダー(Dynatech Lab.Inc.)を用いて
620nmでO.D.を測定してフェノールの酸化による色の変化を測定し、H2O2
の量は希釈したH2O2(Sigma)を用いて作成した標準曲線によって決定した。
生産したO2 -の量を測定するため、RPOMI1640培地に1x106細胞
/800μlで懸濁した好中球を24−ウェルプレートのウェル一部に加え、空
いているウェルにはスーパーオキシドジスムターゼ(SOD,Sigma)10μg/
mlを加えた。プレートを37℃で2分間放置した後、チトクロムC(3mg/ml,
Sigma)を100μl/ウェルの濃度で各ウェルに加えた。細胞を10、20、お
よび50μg/mlの濃度のアカント酸で1時間処理し、刺激剤として10-7MP
MAを導入して37℃で20分間反応させた。1mM N−エチルマレイミド(S
igma)をウェルに加えて反応を中止し、培養液を1,600xgで10分間遠心分
離して上澄液を得た。チトクロムCの還元によって惹起された上澄液の色の変
化をUV−Vis分光光度計(Kontron Instrument,Milano,Italy)を使って55
0nmで測定した。生成したO2 -の量はチトクロムCの吸光係数(E550nm=1.8
3x104nM-1cm-1)を使って20分間1x106細胞でチトクロムCの還元を
阻害できるSODの濃度で示した。
表Iから理解されるように、アカント酸は濃度50μl/mlでH2O2の生産を
85%阻害し、O2 -の生産を72%阻害する。この結果はアカント酸が炎症反応
に強い阻害活性を有することを示す。
一方、濃度10μg/mlのアカント酸を用いて37℃で1時間処理した後、シ
リカ100μg/mlで刺激したヒト単球およびマクロファージ5x105細胞によ
って生産されたH2O2とO2 -の量を測定するため前記と同様な手順を繰り返した
。図5から理解されるように、アカント酸で処理し、シリカで刺激した単球およ
びマクロファージ(si+acan)は、シリカのみで刺激した対照群(si+med)に
比べてH2O2およびO2 -の量が著しく減少した。
実施例5:アカント酸による線維芽細胞の増殖阻害
線維症は主に線維芽細胞の増殖またはコラーゲンの合成によって惹起される。
線維芽細胞の増殖に対するアカント酸の効果を確認するため、参照例1(3)に
記述した手順に従ってヒト単球およびマクロファージをアカント酸10μg/ml
で処理した後、培養した。培養液をPBSに対して透析し、透析物50μlを培
養プレートのウェルに加えた。NIH3T3線維芽細胞(ATCC CRL 1
658)5x103細胞を各ウェルに加えた後、37℃で5%CO2下で5日間培
養した。培養液に3H−チミジンを加えた後、細胞を16時間さらに培養した。
細胞に結合された3H−チミジンの量は液体シンチレーション計測器を使って測
定した(図6)。図6から理解されるように、アカント酸で処理し、シリカで刺
激した線維芽細胞(si+acan)はシリカのみで処理した対照群(si+med)に比
べて線維芽細胞の増殖が著しく阻害された。かかる阻害は、アカント酸の作用に
よって、線維症を惹起するインターロイキンまたは他の線維化成長因子の生成が
減少するか、または抗−線維化因子が誘発されることによると推定される。
実施例6:アカント酸によるコラーゲン合成の阻害
IL−1とTNF−αは、線維症を惹起し、ラット線維芽細胞でコラーゲン合
成を誘発するサイトカインとして知られている(Kang,H.S.et al.,KoreanJ.Immu
mol.,14,193(1992))。IL−1とTNF−αの作用を阻害するアカント酸の能
力を確認するため、ラット肺線維芽細胞および肺組織でのコラーゲン合成に対す
る阻害効果を測定した。ラット肺線維芽細胞の培養液中に生成したコラーゲンの
量は間接ELISA方法で測定し、肺組織の培養液中に生成したコラーゲンの量
はヒドロキシプロリンの濃度を測定すると共に内部対照群の標準曲線を用いてコ
ラーゲンの量を計算することによって決定した。
ラット肺線維芽細胞の培養液内で合成されたコラーゲンの量を測定するため、
内部対照群としてコラーゲン(Sigma,Type I)をペプシン1mg/mlを含む1M
酢酸に溶かし、この溶液をコーティング緩衝液(0.05M炭酸塩,pH9.6)
で1μgないし16pg範囲の濃度で5倍ずつ連続希釈した溶液を平底マイクロタ
イタープレート(Dynatech,Immulon2)のウェルに100μl/ウェルの量で加え
た。
一方、参照例1(2)で得たラット肺線維芽細胞の培養上澄液1mlをスピード
バック乾燥器(Savant,Hicksville,NY,U.S.A.)を使って10ないし20倍濃縮
し、コーティング緩衝液(0.1M NaHCO3,0.02% NaN3;Na2CO3
でpHを9.6に調整)100μlに溶かし、この溶液を100μl/ウェルの量
でウェルに加えた後、4℃で一晩コーティングした。
プレートを洗浄緩衝液(PBS,0.05%ツイン20、pH7.4)で3回洗
浄し、1%牛血清アルブミン(BSA,Sigma)を100μl/ウェルの量でウェ
ルに加えた。プレートを室温で2時間培養してコーティングされない部分を遮断
した。プレートを前記と同一な緩衝液で4回洗浄し、希釈緩衝液(0.05M T
ris−HCl,1mM MgCl2・6H2O,0.15M NaCl,0.02% NaN3
,1%BSA,0.05%ツイン20、pH8.1)で1,000倍希釈したアル
カリ性ホスファターゼの結合されたウサギ抗−ヤギlgG(Cappel,Durham,NC,U.
S.A.)を100μl/ウェルの量でウェルに加えた。
プレートを37℃で2時間培養した後、前記と同一な緩衝液で3回洗浄した。
基質緩衝液(0.05M NaHCO3,10mM MgCl2・6H2O,pH9.8)
を用いて1mg/mlの濃度に希釈したp−ニトロフェニルリン酸100μl/ウェ
ルをウェルに加え、ELISAリーダーを用いて405nmで培養液のO.D.を測
定した。生産されたコラーゲンの量はこのO.D.値と内部対照群のO.D.値から
計算した。
図7から理解されるように、合成されたコラーゲン量はアカント酸で予備処理
したラット肺線維芽細胞の培養液で著しく減少した。図7で、si+PBSはシリ
カで刺激した試料を示し、si+acanはアカント酸で処理し、シリカで刺激した試
料をそれぞれ示す。
また、ラット肺組織で合成されたコラーゲン量を測定するため、次のようにヒ
ドロキシプロリンの量を測定した。
ラット肺組織0.1ないし0.2gをPBS1mlと混合した後、パイレックス管
(Corning,Rochester,NY,U.S.A.)の中で粉砕した。生成された組織抽出物を超
音波器(Heat system,W−380)で粉砕し、ここにヒドロクロン酸(hydroch
ronic acid)1mlを加え、混合物を120℃の乾燥器で一晩乾燥した。生成物を
冷凍器で冷凍し、凍結乾燥器(Labconco)で凍結乾燥した後、蒸留水1mlを加え
て完全に溶かした。生成された溶液50μlを微量遠心分離管に加え、そこに蒸
留水50μlを加えて溶液を希釈した。内部対照群として、トランス−γ−ヒド
ロキシ−L−プロリン(Sigma)を20μgないし150pg範囲の濃度で希釈し、
それぞれの希釈溶液100μlずつを微量遠心分離管に加えた。クロラミン−T
(ナトリウムN−クロロ−P−トルエンスルホンアミド)1.41gをn−プロパ
ノール10mlと蒸留水10mlに溶かして製造した溶液0.9mlを前記管に加え、
これを室温で20分間放置した後、n−プロパノール62mlにp−ジメチルアミ
ノベンズアルデヒド15gを溶かしてから60%過塩素酸26mlを総容量が10
0mlになるように加えて作ったアルデヒド/過塩素酸溶液1mlを加えてよく混合
した。微量遠心分離管を65℃水浴で15分間反応させて発色させた。650nm
で試料のO.D.を測定し、内部対照群の標準曲線を用いて試料中のヒドロキシプ
ロリンの量を計算した。
図8から理解されるように、正常なラットの肺組織(正常)で生成されたコラ
ーゲンの量を100%と見なす場合、シリカのみで処理したか(si+PBS)シ
リカおよびジメチルスルホキシドで処理した(si+DMSO)ラット肺組織で合
成されたコラーゲン量は著しく多かったが、シリカ、DMSOおよびアカント酸
で処理したラット肺組織(si+acan.)では、合成されたコラーゲン量が約50
%減少した。この結果はアカント酸が抗線維化活性を有することを示す。
実施例7:アカント酸によるIL−6生産の阻害
アカント酸の生体内抗線維化活性を確認するため、実験的な珪肺症のモデルを
確立し、それに投与した際の珪肺症モデルに対するアカント酸の効果を測定した
。
ルガノの方法(Am.J.Pathol.,109,27-36(1982))に従って、Fe2O3のような
汚染物質をシリカから除くために次のようにシリカを精製した。シリカ粉末(Si
gma,St.Loise,MO;5μmの直径を有する粒子の含量が少なくとも80%であ
る)を1N HClに懸濁し、懸濁液を加熱して蒸留水で洗浄した。生成物を2
00℃で2時間乾熱滅菌した後、下記実験に用いた。
7ないし8週齢の雄性スプラグダウリーラットおよび5週齢の雌性ICRマ
ウスをケタミンクロリド2ないし5mgを腹腔内注射して麻酔した。滅菌したPB
S0.5mlに溶かしたシリカ50mgを1ml注射器を使ってラットの気管支に注射
し、マウスには滅菌したPBS0.1mlに溶かしたシリカ2mgを注射した。シリ
カを注入してから翌日から、アカント酸10mgを週に2回ずつ12ないし18週
間ラットおよびマウスに経口投与した。
その後、ラットおよびマウスの肺を取り出して10%中性ホルマリンに固定し
、4mm厚さに展開した後、通常の方法によってパラフィンに埋め込んだ。埋め込
まれた組織を5mm厚さに切断してヘマトキシリン エオシン、マソン トリクロ
ムおよびレチクリンで染色した後顕微鏡で観察した(図9)。
図9から理解されるように、シリカやDMSOを投与したラットの肺(A)で
は過度な線維症と結合組織形成を示す多数の融合性肉芽腫、過度な単球浸潤、線
維症およびヒアリン化を観察した反面、シリカ、DMSOおよびアカント酸を投
与したラットの肺(B)では融合していない小さい肉芽腫と軽い線維症のみが観
察された。この結果はアカント酸が実験的な珪肺症を阻害する能力を有すること
を示す。
実施例8:アカント酸による肝硬変の阻害
肝硬変(肝硬化)は肝全体の線維症、線維性中隔による肝実質の完全な破壊、
および再生性結節の形成を特徴とする。肝硬変は大部分慢性肝炎または慢性アル
コール中毒から由来するが、その正確な原因は明らかではない。肝硬変の患者の
場合、炎症および線維症に関与するTNF−αのようなサイトカインの量が増大
した状態であり、したがって、アカント酸による肝硬変の阻害はTNF−αに対
する阻害活性によって測定できる。
ナカタウカサらの方法(Nakataukasa,H.,etal.,J.Clin.Invest.,85,1833-184
3(1990))に従って実験的な肝硬変を誘発するために、4週齢の雄性スプラグダ
ウリーラットに1.0ml/100g体重の量のCCl4溶液(50%CCl4+50
%とうもろこし油)を1週間に2回腹腔内注射し、エー.コレアニウム ナカイ
のメタノール抽出物またはアカント酸0.2mlをそれぞれ1週間に2回CCl4注
射時に経口投与した。試験開始13週後、各ラットをエーテルで麻酔し、心臓か
ら血液試料を取って血清グルタミン酸−オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(sG
OT)値および血清グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ(sGPT)
値を測定した(図10)。
図10から理解されるように、対照群として用いられたCCl4、DMSOおよ
びPBSで処理したラットから得られた血液試料と比べる際、エー.コレアニウ
ム ナカイのメタノール抽出物で処理したラット(CCl4+A.M.)およびアカ
ント酸で処理したラット(CCl4+acan)から得られた血液試料のsGOT値は
それぞれ20%および30%減少した。また、アカント酸で処理したラットから
得られた血液試料(CCl4+acan)でsGPT値は40%減少した。
前記ラットから分離された肝の病理組織学的検査のため、肝を10%中性ホル
マリン水溶液に固定して4mm厚さに切断した後、パラフィンに埋め込んだ。埋め
込まれた組織を5mm厚さに切断し、ヘマトキシリン エオシンおよびマソントリ
クロムで染色した後、顕微鏡で観察した(図11)。
図11から理解されるように、正常の肝(A)に比べてCCl4を単独で投与し
たラットの肝(B、CおよびD)においては比較的厚くなった線維性バンドを有
する肝小葉の結節形成が明らかであった。CCl4およびエー.コレアニウム ナ
カイのメタノール抽出物を投与したラットの肝(E)では肝硬変の徴候が見られ
たが、肝小葉の結節を取り囲んでいる線維性バンドがCCl4のみで処理したラッ
トから得られた肝の線維性バンドより薄く、結節の多くが不完全で、肝細胞の再
生成変化もCCl4のみで処理したラットから得られた肝に比べて減少した。CC
l4およびアカント酸を投与したラットの肝(F)では肝硬変に対する阻害効果が
Eより低かった。
下記製剤例は例示するのみで、いずれにしても本発明の範囲を限定しない。
製剤例
下記成分を用いて硬質ゼラチンカプセルを製造した。
量(mg/カプセル)
活性成分 20
乾燥澱粉 160 ステアリン酸マグネシウム 20
合計 200mg
前記成分を混合して200mg単位量で硬質ゼラチンカプセルに充填した。
本発明を前記の具体的な実施形態と関連させて記述したが、添付した請求の範
囲によって定義される本発明の範囲内で、当該分野の熟練者が本発明を多様に変
形および変化させ得ることは勿論である。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年10月4日
【補正内容】
請求の範囲
1.治療的有効量のアカント酸および薬剤学的に許容され得る担体を含む、イ
ンターロイキン−1または腫瘍壊死因子−αの過剰生産によって惹起される免疫
疾患の処置のための医薬組成物。
2.前記免疫疾患がコラーゲン合成、反応性酸素類の生産、線維芽細胞の増殖
、または血清中のGOTおよび/またはGPT濃度の増加によって惹起されるも
のである、請求項1記載の医薬組成物。
3.前記疾患が敗血症、炎症、慢性関節リウマチ、肝硬変または珪肺症である
、請求項1記載の医薬組成物。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 35/78 ADS A61K 35/78 ADS
AED AED
C07C 51/42 2115−4H C07C 51/42
63/44 2115−4H 63/44
(72)発明者 カン,ヒュンシク
大韓民国302−280テジョン、ソー−ク、ウ
ォルピュン−ドン(番地の表示なし) ジ
ョンウォン・アパートメント102−1401
(72)発明者 リー,ジュンジョン
大韓民国305−333テジョン、ユソン−ク、
エウン−ドン(番地の表示なし) ハンビ
ット・アパートメント132−201
(72)発明者 キム,ヨンホー
大韓民国305−333テジョン、ユソン−ク、
エウン−ドン(番地の表示なし) ハンビ
ット・アパートメント125−1504