JPH10501418A - 黄色ぶどう球菌の表面蛋白 - Google Patents

黄色ぶどう球菌の表面蛋白

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JPH10501418A
JPH10501418A JP8502282A JP50228296A JPH10501418A JP H10501418 A JPH10501418 A JP H10501418A JP 8502282 A JP8502282 A JP 8502282A JP 50228296 A JP50228296 A JP 50228296A JP H10501418 A JPH10501418 A JP H10501418A
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Abstract

(57)【要約】 カテーテル及び類似の装置の使用に伴う黄色ぶどう球菌(Staphylococcusaureus)感染を予防するための方法及び組成物を提供する。これらは、ぶどう球菌の表面蛋白がこの微生物が宿主の全身に侵入する最初の段階として皮膚−カテーテル接合部においてカテーテルの表面に付着する能力を消滅させてしまうことを基本とする。

Description

【発明の詳細な説明】 黄色ぶどう球菌の表面蛋白 技術分野 本発明は黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus(S.aureus))による感染、と りわけカテーテル人工器官及び心臓弁置換の使用によって誘発されるそれらの感 染を予防するための方法及び組成物に関するものである。より詳しく言えば本発 明は、皮膚−カテーテル接合部において内皮細胞又はカテーテルへの微生物の付 着を行わせそれにより感染を引き起こすS.aureus表面蛋白の能力を阻害するため に有効な方法及び組成物に関するものである。 発明の背景 S.aureusは院内感染で最も頻度の高い病原体のひとつである。これはカテーテ ル又は類似の構造物を用いたことによる院内感染全体に対して、その25%の原因 となっている。入院患者の大多数は何らかの種類の静脈内装置を必要とするので 、感染の可能性は非常に高い。同様の危険性は、股関節置換及び他の関節置換の ような人工器官の使用にも当てはまるが、それはこのような装置に付着する能力 をぶどう球菌が持つためである。 カテーテルの存在に対する哺乳動物被移植体の最初の反応の一つは、侵入を排 除しようとする全身反応を先導するものとしてのフィブリノーゲン及び他の基質 蛋白による物体の被覆化である。このことが院内環境ではS.aureusによる感染の 機会を与えることになり、S.aureusは皮膚−カテーテル接合部においてそれ自身 をフィブリノーゲンに付着させ、次いで皮膚に分け入り血液中に侵入する。病院 、個人医院及び他の患者介護施設内に広く存在する菌種は抗生物質抵抗性を持つ ことが多いために、このようなタイプの感染はきわめて深刻であり阻止すること は非常に難しい。そこで、当技術分野においてはこのような日和見感染を予防す るために多大な努力が費やされてきた。 発明の簡単な要約 ある表面蛋白及びそれを発現する遺伝子が今回発見された。この蛋白は侵入細 菌がフィブリノーゲンに付着するのを可能にする。フィブリノーゲン又はこの表 面蛋白に対する抗体は細菌の付着を防ぎそれにより感染を阻害すると考えられる 。この蛋白及び蛋白のセグメントはワクチンとして、又はカテーテル若しくは同 等の装置の使用に先立ち患者の受動的防護に有効な抗体を産生させるために有効 である。 本発明は従って、上記蛋白そのもの及びそのセグメント、そのような産物を産 生する遺伝子及びそのセグメント、上記遺伝子及びその有用なセグメントに対す るベクター、そのようなベクターにより形質転換された微生物、上記蛋白及びそ の有用なセグメントに対するモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、上記 蛋白及びそのセグメントを利用して製造されたワクチン、並びにそのような製品 を利用してS.aureus感染を予防する方法を含む。本発明は同時に、ここに述べる 遺伝子産物を利用した診断用プローブを含む。 図面の説明 以下に図面の簡単な説明を示す。 図1.クローンナンバー14の細胞分画の、フィブリノーゲン及びそれに続いて 抗フィブリノーゲン抗体複合体をプローブに用いたウエスタンブロット。対照は τZap内にpBR322インサートを持つE.coliクローンの溶解物を含む。矢印は34kD の反応性バンド及び二量体と思われる上部バンドを示している。125I-フィブリ ノーゲンをプローブに用いたブロットを2回行い同様の結果が得られた。 図2.フィブリノーゲンカラム中に分画化させたクローンナンバー14のペリプ ラスム(periplasmic)抽出物のウエスタンブロット(A)及び銀染色ゲル(B)。フィ ブリノーゲン/抗フィブリノーゲン複合体をプローブに用いてウエスタンブロッ トを行った。短い矢印は粗溶解物プラス対照物からのフィブリノーゲン反応性バ ンドを示す。長い矢印はフィブリノーゲンと反応し〔(A)の第4レーン〕3Mチオ シアン酸カリウムにより溶出されるが0.5M Naclを加えたPBSや酸溶出液では溶出 されない34kD蛋白を記す。 図3.フィブリノーゲン反応性蛋白をコードするクローン 36(C36)の完全配列 。 図4.GCGパッケージのPileupプログラムによる、DB株の配列と、8325-4、213 及びBB株からのコアグラーゼの配列の比較。矢印はこの蛋白に特異な(unique)11 アミノ酸配列を示す。この配列は他のグラム陽性細胞壁蛋白中に見られる細胞壁 アンカーモチーフと相同性を有する。しかしながら、このモチーフと完全な同一 性はGenbankに存在しない。残基409及び419の矢印はこの蛋白の特異な配列セグ メントを示している。 この蛋白のアミノ酸の半分(残基59-325)はガルニ(Garnier)分析から予測さ れるように本来らせん形を取る。2つの領域(残基58-194及び264-297)から7 残基による周期性が明らかになり、7個によるモチーフ'abcdefg'の'a'位置及び 'd'位置の残基は疎水性又は無極性である。このパターンはコイルドコイル(coil ed-coil)配座構造に一致する。配列はマッチャープログラム(Matcher Program) により分析する(22)。 図5.GCGパッケージのPileupプログラムによる、本発明の蛋白(DB株)と、8 325-4、213及びBB株からのコアグラーゼの配列比較。矢印は本発明の蛋白に特異 な11アミノ酸配列を示す。この配列は他のグラム陽性細胞壁蛋白中に見られる細 胞壁アンカーモチーフと相同性を有する。しかしながら、このモチーフと完全な 同一性はGenbankに存在しない。 以下の略号を本発明の記述において使用する: DB株 - S.aureusの野性株 N2Y ブロス - 市販の培地 LB - 市販の培地 IPTG - イソプロピル -ベータ -D-チオガラクトピラノシド BSA - ウシ血清アルブミン X-gal - 5-ブロモ -4-クロロ -3-インドリル -ベータ -D-ガラクト ピラノシド SDS - ドデシル硫酸ナトリウム NP40 - 市販の非イオン洗剤 pBR322 - 公知の構造を有する市販のプラスミド pBluescript - 公知の構造を有する市販のファージミド SSPE -0.15NaCl、10mM NaH2PO4、Im MEDTA pH7.4 TSE バッファー-0.1M Tris、20%スクロース、5mM EDTA pH8 PBS - リン酸緩衝食塩液 DB株はアメリカン タイプ カルチャー コレクションに受入れ番号 で寄 託されている。 以下の材料と方法の部は本発明を理解を助けるために記す。 材料と方法 細菌、プラスミド及びファージ 表現型として特性決定されているDB株(5)をゲノムライブラリーの作成に使用 した。E.coli Sure株(Stratagene)をτZapベクターの宿主細胞とした。クロー ン14及び36はインサートを含むフィブリノーゲン反応性プラークに由来するファ ージミドであった。プロテインAクローンを含むpBluescriptファージミドであ るpAC8はDBのZapゲノムライブラリーから誘導した。培地及び抗生物質 他に指示しない限りは以下の培地を使用した:NZYブロス及びLB(23)をE.coli 株の生育に使用した。アフィニティ精製したヤギ抗−フィブリノーゲン複合体の調製 市販のヤギ抗−ヒト フィブリノーゲン抗体(Cappel、ウェストチェスター、 PA)を先に述べたように(7)フィブリノーゲンカラムでアフィニティ精製した。 フィブリノーゲンカラムは製造元の説明書に記載されているようにグルタルジア ルデヒド活性化ビーズ(Boehringer Mannheim、インディアナポリス、IN)を用 いて調製した(4)。アフィニティ精製したヤギ抗−ヒト フィブリノーゲンIgGの 単一特異性が精製フィブリノーゲン及び血漿を抗原に用いたイムノブロットによ り証明された(7)。このアフィニティ精製抗体の蛋白濃度をBCA蛋白アッセイ試薬 (Pierce Chemicals、ロックフォード、IL)により測定した。アフィニティ精製 したヤギ抗−ヒト フィブリノーゲン抗体をボラー(Voller)が述べているよ うに(32)ウシ腸アルカリホスファターゼ(Sigma、セントルイス、MO)に複合さ せた。ぶどう球菌ゲノムライブラリーの作成及びスクリーニング EcoRIで切断し脱リン酸化したZapベクターを用いて、DB株のゲノムライブラリ ーを作成した(Stratageneクローニングキット)。先に述べたような手法でDB染色 体DNAをリソスタフィン溶解細胞から抽出した(5,29)。ゲノムDNAを26ゲージのシ リンジで機械的切断(shearing)し、セファロースCL2Bによるゲル濾過にかけて 1kb未満のフラグメントを除去した。4-5kbフラグメントを含むフラクションを集 め、T4ポリメラーゼで処理して平滑末端を作り、EcoRIメチラーゼ(New England Biolabs、ボストン、MA)でメチル化し、EcoRIリンカーを用いてZapベクターの EcoRI部位に挿入して、Gigapackパッケージング抽出液(Stratagene)を用いて インピトロパッケージングした。IPTG及び X-galの存在下でlac-宿主株Sure上に まいた場合、組み換えファージの90%以上が白色プラークとして認められた。 フィブリノーゲン反応性プラークをスクリーニングするために、組み換えファ ージを42℃でNZY寒天上でE.coli宿主とインキュベートして(23)、遺伝子を発現 させた。二重のニトロセルロースフィルター(直径82mm、Schleicher & Schuell 、キーン、NH)上に移した後、フィルターを1% BSAを含むTNTバッファー(10mM Tris、0.15M NaCl、0.05% Tween20)10mlで室温で1時間封鎖した後、25μgのフ ィブリノーゲン(Sigma #4883)を加えて37℃で3時間インキュベートした。この フィブリノーゲン調製品は混入IgGを除去するためにプロテインAセファロースカ ラムでさらに精製されたもので、この蛋白を含む銀染色SDS-ゲルにより測定した ところ実質的に混入物がないことが示された。上記フィルターをその後0.1% BSA 及び0.1% NP40を含むTNTで1回、0.1% BSAを含むTNTで2回、それぞれ5分ずつ 洗浄した。アフィニティ精製したヤギ抗−フィブリノーゲン抗体アルカリホスフ ァターゼ複合体を1% BSAを含むTNTバッファーに1:1000に希釈したものを室温で 1時間上記フィルターとインキュベートした。フィルターを0.1% BSA及び0.1% N P40を含むTNTで2回、0.1% BSAを含むTNTで3回、それぞれ5分間ずつ洗浄した 後、ブレイクら(Blake et al.)が述 べている方法により(1)5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルホスフェートを基質に 用いてフィブリノーゲン反応性プラークを可視化した。pBR322インサートを有す るτZapベクターをE.coliにまいたもの又はE.coli細胞単独を陰性対照として使 用した。フィブリノーゲン/抗−フィブリノーゲン複合体により検出される陽性 クローンは二重フィルター上のプラークを125I-フィブリノーゲンと反応させて 確認した。このスクリーニング方法は、非放射性ラベルのフィブリノーゲンの代 わりに125I-フィブリノーゲン(100,000 cpm)を使用することを除けば上記の方法 と同様であった。反応後、ニトロセルロースフィルターを0.1% BSA及び0.1% NP4 0を含むTNTで2回、0.1% BSAを含むTNTで3回、それぞれ5分間ずつ洗浄して、 オートラジオグラフィーにかけた。精製プラークは、各陽性クローンを少なくと も4回再スクリーニングすることにより単離した。フィブリノーゲン反応性クローンのDNA配列決定 E.coli宿主株にf1ヘルパーファージ(R408)および上記インサートを含むτZa pベクターを同時に感染させることで、このインサートを持つpBluescriptファー ジミドを含む一本鎖DNAをパッケージングして再環状化し、それによりLB/アンピ シリン寒天上にまかれてE.coli細胞中にサブクローンを産生することができる( Stratageneクローニングキット説明書)。配列決定用のプラスミドはセシウムク ロライド−エチジウムブロマイドによる平衡密度勾配遠心によりE.coliから精製 した(23)。プラスミドの純度は制限酵素(New England BioLab、ビバリー、MA) で切断して確認した。上記インサートに隣接するT3及びT7プライマーの両方を用 いることにより、クローン14及び36のプラスミド配列決定をシーケネースキット (U.S.Biochemicals、クリーブランド、OH)を製造元の説明書に従って用いて 行った(27)。上記インサート内の配列決定用にそれ以外のプライマーも入手した 。サザンブロットハイブリダイゼーション サザンブロットハイブリダイゼーションをゲル精製したDNAフラグメントのラ ンダムプライムドサンプルをプローブに用いて行った(12,23)。簡単に説明する と、制限酵素で切断した染色体DNAを0.7% TBEゲルに溶解してHybond-N+メンブレ ン(Amersham、アーリントンハイツ、IL)上に移した(14)。DNAプローブ はランダムプライムドDNAラベリングキット(Boehringer Mannheim)を用いて32P (-32Pデオキシシチジン3リン酸、Amersham)でラベルした。上記メンブレンを32 PラベルしたDNAプローブを用いて65℃で一晩ハイブリダイズし、0.1% SDSを加 えた2X SSPEで 10分間室温で2回、さらに0.1% SDSを加えた1X SSPEで15分間65 ℃で洗浄した。このメンブレンを-70℃で補強スクリーンを用いてオートラジオ グラフィーにかけた。E.coli におけるS.aureusのフィブリノーゲン反応性蛋白の発現 フィブリノーゲン結合性クローンの一つであるクローン14をE.coliにおけるフ ィブリノーゲン結合性蛋白の発現について評価した。このクローンを含むE.coli 細胞を37℃で50μg/mlのアンピシリンを含むLB 10ml中でOD600が1.0になるまで 生育させた。7,000gで10分間遠心して細胞を回収し、1.25mlの氷冷TSEバッファ ー(20%スクロース及び5mM EDTAを含む100mM Tris,pH8.0)中に再懸濁させた。 リゾチームを最終濃度が0.5mg/mlになるように加え、サンプルを20分間氷冷した 。全細胞溶解物として、この懸濁液の0.25mlを取り出して7.5μlのTriton X-100 及び50μlのDNase溶液(100μg/mlのDNaseを加えた10mM MgCl2)を加えた。この サンプルを2回凍結(-70℃)及び解凍した。 残りの細胞懸濁液1mlに塩化マグネシウムを(最終濃度50mMになるように)加 えてスフェロプラストを安定化させ、その後7,000g、15分間遠心加圧(pelt)した 。上清を0.45μm Milliporeメンブレンで濾過し、ペリプラスム分画を得た。 スフェロプラストを溶解するために、0.25mlのDNase溶液を水0.75と共にペレ ットに加えた。パスツールピペットで数回激しくスフェロプラストを吸引して、 上記のように2回凍結及び解凍した。この処理によって得られた溶解物を49,000 gで1時間遠心した。0.4μmメンブレンで濾過した上清を細胞質分画とした。 形質転換したE.coliはアメリカン タイプ カルチャー コレクションに受入 れ番号 で寄託した。SDS-PAGE 及びイムノブロット分析 細胞抽出液(各10μl)をラムリ(Laemmli)の方法により9% SDS-ポリアクリルア ミドゲルスラブ上で分離させた(21)。予め染色した分子標準物(BRL、ゲイサー スバーグ、MD)を同時に隣のウェルに展開させた。電気泳動の後、ゲルを銀(Pie rce Chemicals)で染色するか又はニトロセルロース上に移した(30)。移した後、 ゲノムライブラリーのスクリーニングについて述べたようにニトロセルロースフ ィルターをフィブリノーゲンと反応させ、次いでアフィニティ精製したヤギ抗− フィブリノーゲン アルカリホスファターゼ複合体及び反応性基質と反応させた 。幾つかの実験では先に述べたように、上記フィルターを125I-フィブリノーゲ ン(250,000 cpm)とインキュベートし、洗浄してオートラジオグラフィーにかけ た。 細胞抽出液中の他の蛋白を検出するために、封鎖用バッファー(10mM Tris、0 .5M NaCl、0.05% Tween20,pH8.2)中に希釈した特異的抗体を上記ブロットと室 温で2時間インキュベートした。この後、適当なアルカリホスファターゼ複合体 と1時間インキュベートし、先に述べられているように(3)バンドを可視化する 処理を行った。S.aureus のフィブリノーゲン反応性蛋白の部分精製 クローン14からフィブリノーゲン反応性蛋白を精製する目的で、先に述べたよ うに4Lの培養物からペリプラスム抽出物を調製した。簡単に説明すると、遠心( 7,000g、20分)によって細胞を回収し、37.5mgのリゾチームを含むTSEバッファ ー75mlに再懸濁した。氷上で20分間インキュベートした後にMgCl2を最終濃度が5 0mMになるように加え、スフェロプラストを7,000gで30分間かけてセグメント化 した。ペリプラスム分画を上清から吸引して0.45μmメンブレンで濾過し、直ち にフィブリノーゲンカラム(2.5×20cm)にのせた後、4℃で一晩回転させた。25m gのフィブリノーゲン及び5gmのグルタルジアルデヒドビーズを先に述べられてい るように混合してフィブリノーゲンカラムを調製した(4)。通過流出液を回収し た後、カラムをPBS 150mlで洗浄し、次いで0.5NaClを加えたPBS 150mlで洗浄し た。その後、室温でカラムに3Mチオシアン酸カリウム10mlを加えて20分間回転さ せてフィブリノーゲン結合性蛋白を流出させて回収した。予備試験で、0.1Mグリ シンpH3.0を用いた同様の 溶出法はうまくいかなかった。カラムから得た分画をCentricon 10(Amicon、ダ ンバーズ、MA)で濃縮し、上記のようにSDS-PAGE及びフィブリノーゲンを用いる イムノブロットによって分析した。配列データのコンピューター分析 DNA蛋白配列分析及びデータベースとの配列比較をゲネティックス コンピュ ーター グループ(Genetics Computer Group;ウィスコンシン大学、マジソン 、WI)によるシーケンス アナリシス ソフトウェア パッケージを用いて行っ た(9)。推定蛋白の推定アミノ酸配列をピアソン アンド リップマン(Pearson and Lipman)の計算法により配列データベースと比較した(GenBankのTFASTA履 行)(25)。図に示したフィブリノーゲン反応性蛋白配列をクローン36とした。 結果 フィブリノーゲン反応性クローンの単離 前記の方法を用いて、DB株のτZapライブラリーをフィブリノーゲンに対して 反応性を持つクローンについてスクリーニングした。スクリーニングした100,00 0プラークの内、3個の新規クローン、すなわちクローン14、30及び36がイムノ ブロットで125I-フィブリノーゲン及びフィブリノーゲン/抗フィブリノーゲン 複合体の両方に対して高い反応性が見られた。上記インサートと共にpBluescrip tファージミドを含むサブクローンをE.coli株Sure中で産生させた。クローン14 、30及び36のアルカリ溶解ミニプレプ(miniprep)からのプラスミドDNAはインサ ートを放出するEcoRIによる切断によって、それぞれ4.6、3.6及び3.2kbのDNAフ ラグメントを明らかにした。4.6、3.6及び3.2kbフラグメントを別々のプルーブと して用いて、これらのクローンのEcoRI切断物のサザンブロット分析からこれら が互いにハイブリダイズすることが立証された。これらのクローンは、DBのプロ テインAプローブであるpAC8のEcoRIフラグメントとはハイブリダイズしなかっ たため、発現されたプロテインA遺伝子産物とヤギ抗フィブリノーゲン抗体複合 体がスクリーニング処理中に誤って陽性反応を起こした可能性は排除された。さ らに分析したところクローン14は成熟分子であるC36のそのC-末端まで広がる約2 /3を含むことが示された。S .aureusのフィブリノーゲン反応性蛋白の発現試験 制限分析に基づくと、クローン14及び30は同様の結果を示した。配列分析によ るとクローン36は完全な遺伝子を含んでいたが、このクローンによるフィブリノ ーゲン反応性蛋白の発現は困難であることが分かった。注目すべきことに、クロ ーン14の培養体も静止後期(OD6oomm1.5)まで生育させるとフィブリノーゲン反応 性蛋白の収量が著しく減少した。この結果は、この蛋白のE.coliに対する毒性 又は静止期における蛋白分解の増加のいずれかよって説明することができる。こ れらの理由から、静止前期(OD600mm1.0)まで生長させたクローン14では蛋白の一 部分が発現されているものと評価した。 125I-フィブリノーゲン又はフィブリノーゲン/抗フィブリノーゲン複合体の いずれかをプローブに用いたウェスタンブロットによるクローン14の種々の分画 の発現試験から、34kDの分子サイズを持つ蛋白が細胞全体、ペリプラスム分画及 び膜分画に見られた(図1)。対照的に、pBR322インサートと共にpBluescript ファージミドを含むE.coliクローンの粗溶解物はフィブリノーゲンと反応しな かった(図1)。分画によっては(例えば、膜)、フィブリノーゲンと反応する おそらく二量体と考えられる、より大きな分子量のバンドも見られた。これらの 蛋白はいずれもIPTGでは誘導できなかったので融合蛋白ではなかった。さらに、 これらのバンドはイムノブロットにおいてポリクローナル及びモノクローナル抗 −ベーターガラクトシダーゼ抗体(1:1000希釈)(Boehringer Mannheim)と反応し なかった。フィブリノーゲン反応性バンドはアフィニティ精製したニワトリ抗プ ロテインA抗体(Accurate Chemicals、ウェストベリー、NY)とも反応しなかった 。このことは、プロテインAがクローニングされているとIgGに結合して誤った 陽性の結果をもたらしかねないのだが、そのようなプロテインAのクローニング が起きていないことをさらに証明している。 この蛋白のフィブリノーゲンへの結合特異性を確認するために、混入物バント のより少ないペリプラスム抽出物をクローン14の蛋白を発現するE.coli細胞4L から採取し、フィブリノーゲン結合ビーズによるアフィニティカラムにかけた。 注目のクローニング蛋白は、銀染色並びに125I-フィブリノーゲン及びフィブリ ノーゲン/抗フィブリノーゲン複合体とのウェスタンブロットによる分析か ら、カラム処理前分画及び3Mチオシアン酸カリウム溶出液中に見られた。しかし ながら、それらは通過流出液、0.5M NaClを加えたPBS溶出液、及び酸溶出液(グ リシンpH3.0)中には見られなかった(図2)。このワンステップ処理では上記蛋 白は均質性を持つところまで精製されなかったが(図2)、これらの結果はこの 蛋白のフィブリノーゲンに対する結合特異性を明らかに示している。フィブリノーゲン反応性蛋白の配列分析 クローン30により発現されるフィブリノーゲン蛋白の完全な配列を図3に示す 。この配列から1,935ヌクレオチドから成る転写解読枠が明らかにされた。ぶど う球菌ゲノムではグアノシン−シトシン(GC)含量が30%であるのに対して(10)、 この配列はGC含量が34.7%である。GC含量が高いのはこの分子のカルボキシ末端 半分に起因する(39.7%)。推定される転写及び翻訳シグナル並びにリボソーム結 合部位を図3に示す。最初の26アミノ酸は細菌性シグナルペプチドに特有の特徴 を持つ(16)。予想開裂部位に基づくと、成熟蛋白は予想サイズが69,991で推定pI が6.5である。 推定アミノ酸配列の分析からこの蛋白には3個の別個のドメインがあることが 明らかになった。残基27-58を除けば、この蛋白のN-末端半分(残基58-325)は ガルニエ(Garnier)分析から予測されるように本来らせん形を取る(15)。この分 子のらせん部分内の2つの領域(残基58-194及び264-294)から7残基による周 期性が明らかになり、7個によるモチーフ'abcdefg'の'a'位置及び'd'位置の残 基は疎水性又は無極性である(図4)。この知見はこれらの領域における安定な コイルドコイル(coiled-coil)配座構造を示唆している(14,22)。残基326と残基5 05の間の第二のドメインはプロリン−及びグリシンリッチな領域を示す(20%)。 存在する180個の残基の内、17個がプロリン残基及び19個がグリシン残基である 。これはその残基のうちわずか3%だけがプロリン又はグリシンである上記分子の N-末端部分と対照的であり、残りのカルボキシル部分は14%がプロリン/グリシ ン残基の組成であることが分かる。カルボキシル末端ドメイン(残基506-645) は、5個の末端アミノ酸(PRVTK)が続くそれぞれ27アミノ酸による5個の直列の 直接反復から成る。主に外側の反復において違いが観察された。配座分析からこ の反復領域はらせん形を取らず、主としてベーターシート形を含 むことが示された。この蛋白配列をGenBankデータベース中の他の配列と比較す ることにより、S.aureus株8325-4、BB及び213の公表されている3個のS.aureus コアグラーゼに対して有意の相同性が明らかになった(18,19,26)。フィブリノー ゲン反応性蛋白の一次翻訳産物の残基7を除いて、4個の配列全てにおいてリー ダーペプチドを含むN-末端33アミノ酸残基は等しく、それ故に同じ配列開裂部位 を持つと考えられる(図3参照)。フィブリノーゲン反応性蛋白の残基1から422 を8325-4、BB及び213株のコアグラーゼと比較すると、それぞれ56.2%、73.2%及 び56.2%の同一性を持つ。5個の反復ユニットを含む残基423から645までの間の コアグラーゼ配列中の相同領域に対する同一性は8325-4、BB及び213株について それぞれ93.9%、95.1%及び96.9%と著しく増大した(図5)。フィブリノーゲン 反応性蛋白のそれと同様に、8325-4、BB及び213株のコアグラーゼ配列のC-末端 は末端配列PRVTKが続く相同であるが同等ではない27個のアミノ酸から成る反復 ユニットを含む(図6)。しかしながら、反復ユニットの数は各株の間で異なる 。フィブリノーゲン反応性蛋白の配列はコアグラーゼ配列と共通の特徴を示した が、注意深く比較するとプロリン/グリシンリッチ領域の中央部に残基409から4 19までの11アミノ酸から成る特異な範囲(SVTLPSITGES)が明らかになった(図5 )。モチーフLPSITGESが他のグラム陽性表面蛋白に見られる細胞壁アンカーモチ ーフ(LPXTGX)と相同性を持つという事実は興味深い(12,28)。しかしながら、G enbankデータベース中の配列の間にはこの7個によるモチーフとの完全な同一性 は存在しない。 上記の事柄全てに基づいて言うと、S.aureusの新規フィブリノーゲン反応性蛋 白がクローニングされたことは明白である。この蛋白は構造上及び機能上の両方 において上記コアグラーゼのような見かけ上似ている他の蛋白とは異なっている 。この蛋白及びこれを発現する遺伝子を図3に表わす。この図は完全なクローン 36及びそれが発現する蛋白を示している。クローン14は図3のヌクレオチド684 からヌクレオチド1935に及ぶ。クローン14によって発現される蛋白はアミノ酸残 基229から645までに及ぶ。クローン30は実質的にクローン14と同等であり、実質 的に同等の蛋白を発現する。 配列分析から、本発明のフィブリノーゲン反応性蛋白がぶどう球菌のコアグラ ーゼと有意の相同性を持つことが明らかに示されている。ボーデン及びフロック (Boden and FIocK)により最近示された証拠もS.aureusのフィブリノーゲン結合 性蛋白が抗コアグラーゼ抗体と交差反応性を持つらしいことを示唆していた(2) 。しかしながら、いくつかの方面からの証拠はクローン14及び30と同様にクロー ン36が特異なフィブリノーゲン結合性蛋白を発現することを示している。第一に 、アミノ酸残基229から645を発現するクローン14の発現試験から発現された蛋白 がフィブリノーゲン結合に必要であることが示される。対照的に、古典的なコア グラーゼはプロトロンビンと複合してスタフィロトロンビンを形成し、これがそ の後フィブリノーゲンをフィブリンに転化することが分かっている(10,17)。第 二に、配列中に上記のコアグラーゼ配列の内のいずれにも見られない11アミノ酸 から成る特異な範囲が存在する(残基409-419)。第三に、この特異なアミノ酸 配列は多様なグラム陽性表面蛋白における固定(anchoring)に必要なことが分か っている細胞壁アンカーモチーフ(LPXTGX)と相同性を持つ(13,28)。これらの知 見に基づくと、フィブリノーゲン反応性蛋白はコアグラーゼ様蛋白の種族に属す るものと思われるが、これまでに述べられているコアグラーゼのいずれとも構造 上及び機能上の両方で異なっている。 通常のクロマトグラフィー法を用いたぶどう球菌全細胞溶解物からのフィブリ ノーゲン結合性蛋白の単離は2つの実験に報告されている(11,31)。しかしなが ら、分子量(420KDと62kD)及びアミノ酸組成がこの2つの実験では大きく異な っている。この62kD蛋白とは対照的に、本発明の蛋白中にはメチオニン及びチロ シン残基が存在するが、システイン残基は存在しない。クローン36により発現さ れるここに述べるフィブリノーゲン反応性蛋白はリジン(11.2%)、スレオニン(9. 3%)及びグルタミン酸(9%)を多く含むが、62kD蛋白にはグリシン(16.8%)、グルタ ミン酸(15%)及びリジン(13.3%)が豊富である(31)。さらに、上記フィブリノーゲ ン反応性蛋白の推定等電点(pI-6.5)も62kD蛋白の基本pI(約10.2)とは異なってい る。 以前の実験からS.aureusのフィブリノーゲン結合性成分は、ぶどう球菌L型に は存在しないこと(10)及びフィブリノーゲン存在下での細菌凝集がプリテイネー スによる全細胞分解により完全に消失すること(4)から細胞壁構成成分であるこ とが明らかにされている。他のグラム陽性表面固定蛋白のC-末端領域の分子構成 を見ると、それらが幾つかの保存された特徴を含むことが明らかである(13,14) 。これらの蛋白のC-末端では、荷電した尾部(4-7アミノ酸)の前に通常、疎水 性の高い膜アンカー(約16-20アミノ酸)、6量体LPXTGX、プロリン−グリシン リッチ ドメイン及びC-末端反復領域がある(14)。明らかに、当フィブリノーゲ ン反応性蛋白のC-末端領域は上記のモデルとは異なっている。特に、停止コドン の前に来る領域が荷電した尾部及び疎水性の膜アンカーを欠いている。その代わ りに、5個の末端アミノ酸(PRVTK)の前にそれぞれ27アミノ酸から成る5回の反 復配列がある。さらに、これらの反復配列のN-末端に当たる領域は広いプロリン /グリシン領域(残基326-505)であり、その中央部に他のグラム陽性表面蛋白 に見られる細胞壁アンカーモチーフ(LPXTGX)と相同性を持つ特異な配列(LPSITGE )がある。注目すべきことに、C-末端におけるこの分子構成は肺炎球菌の(pneumo coccal)表面プロテインAについて記述されているものと同様である(35)。肺炎 球菌表面プロテインAのアミノ末端半分はフィブリノーゲン反応性蛋白のそれと 同様にα-らせん形であり、α-らせんコイル型蛋白配座に一致する。このα-ら せん領域にプロリンリッチ ドメイン及び20アミノ酸からなる配列が10回繰り返 される反復領域が続く。さらに、これも同様に古典的な膜アンカー及び荷電した 尾部を欠いている。しかしながら、当フィブリノーゲン反応性蛋白とは対照的に 肺炎球菌表面プロテインAのC-末端領域にはLPXTGEモチーフはない。 本発明の新規蛋白はS.aureusの表面蛋白である。このような蛋白はこれまでに 検出も単離も特性決定もされていない。これらは第一にフィブリノーゲンに結合 する能力を特徴とする。クローン36によって発現されるこの蛋白の分子量は約69 ,991Daであり、等電点は6.5である。この蛋白を発現する遺伝子は約1935ヌクレ オチドを含む。この蛋白並びにセグメントC14及びC30の他の特徴的性質は上に述 べたとおりである。クローン36からの蛋白発現が困難なことから、本発明の好ま しいクローンはクローン36である。好ましいフィブリノーゲン結合性蛋白はこの クローンによって発現される蛋白である。 本発明の蛋白はここに詳細に述べたように、種々のS.aureus株の間で異なって いてもよいが、全てが実質的に同数のアミノ酸残基、同等の三次元構造及び結合 活性を持つことを特徴とする蛋白種を代表するものとして当業者には認識される であろう。これらは蛋白鎖内の特定の位置におけるアミノ酸残基の同一性におい てわずかに異なっていてもよい。このような蛋白は全て本発明の範囲に含まれる 。 本発明の蛋白を産生する遺伝子も同様に種々の株の間でわずかに異なっていて もよいが、それらは全て本発明の蛋白を産生するという共通の特徴を持つ。 本発明の遺伝子は、当業者には分かるように、E.coliのような微生物を形質転 換して本発明の蛋白を発現する新しい菌株を製造するのに有用なプラスミド又は 他のベクターを作るために使用することもできる。 S.aureusが内皮細胞に結合するのを阻止することが、感染予防の主な要因であ る。従って、クローン36、そのセグメントであるクローン14及び30、並びにより 小さなセグメントについてもそれによって発現された蛋白に対する抗体は感染を 制御する上で重要な要因である。本発明の蛋白及び蛋白セグメントはそれ故に防 御となる量の抗体の産生を刺激してS.aureusの付着を制限するように選択された 蛋白の一定量を投与することにより、ヒトを含む哺乳動物のS.aureus感染を阻止 するためのワクチンの形成に有用である。これらの蛋白はさらに、受動免疫に使 用できる抗体をインピトロで製造するのに使用することもできる。 本発明の蛋白及びポリペプチド又はペプチドセグメントは上記の組み換えDNA 法を含む多くの公知の方法のいずれによって得ることもできる。 本発明の範囲に含まれる、例えば約6ないし20又はそれ以上のアミノ酸セグメ ントを含むポリペプチド及びペプチドは、適当なアミノ酸に保護、脱保護及び開 裂法を用い、さらに特定のアミノ酸又はペプチドに適当な試薬を用いて標準的な 固体相方法によって合成することもできる。マニュアル処理及び自動(例えばApp lied Biosystem 430A)固相法を組み合わせて本発明の新規ペプチドの合成を行う こともできる。利便性という面では劣るが、古典的なペプチド合成法も使用でき る。固相法の背景として、以下の文献が参考になる:Andreu,D.,Merrifield,R .B.,Steiner,H.and Boman,H.G.,(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80,6 475-6479;Andreu,D.,Merrifield,R.B.,Steiner,H.and Boman,H.G., (1 985)Biochemistry 24,1683-1688;Fink,J.,Boman,A., Boman,H.G., and Merrifield,R.B.,(June 1989)Int.J.Peptide Protein R es.33,412-421;Fink,J.,Merrifield,R.B.,Boman,A.and Boman,H.G.,( 1989)J.Biol.Chem.264-6260-6267;これらの各文献を参考文献としてここに 組み入れる。 本発明の製品は両性である。これらは遊離の塩基又は医薬上許容される金属付 加塩若しくは酸付加塩とすることができ、利用することができる。適当な金属塩 としてはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、好ましくはナトリウム塩又は カリウム塩が挙げられる。酸付加塩は広い範囲の有機酸及び、金属酸を含む無機 酸、例えばクエン酸、乳酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸及び塩酸から製造して もよい。これらの塩は当業者に周知の方法により製造することができる。 ワセリンとして使用するには、選択した製品をバッファーのような医薬上許容 される担体に加えて投与することが現在のところ好ましい。マウス又は、ヒトを 含む他の哺乳動物はそのように免疫化されると、S.aureusによる侵入増殖及びそ れに続く感染から保護される。 典型的には、予防免疫反応を引き出すのに有効な量の本発明の製品を予防すべ き患者に投与する。選択された薬剤は単独、又はそれが分散、溶解若しくは懸濁 することができる医薬上許容される液体若しくは固体担体中に加えた形で投与し てもよい。例えば患者に静脈投与すべき場合は、上記ペプチドを遊離の塩基とし て懸濁するか、又は等張バッファー液に金属塩として溶解してもよい。他の投与 方法及び医薬上許容される担体は当業者には明らかであろう。 本発明の蛋白、ポリペプチド及びペプチド、並びにそれらの発現に使用される 遺伝子又はオリゴヌクレオチドは遺伝子及び蛋白に対するプローブとして有用で ある。これらは又、特定の連鎖球菌株を同定することができる抗体を作るのに有 用である。409位から419位までの特異なセグメントを導くヌクレオチド配列及び この配列を修飾したものはS.aureus株を同定するための診断用プローブとして特 に有用である。他の感染性微生物を同定する方法は当業者に周知である。その方 法には、疑わしいグラム陽性細菌から機械的又は酵素的に完全に溶解することに よって放出されたDNAを突きとめるために使用するラベル化オリゴヌクレオチド の製造が含まれる。 本出願では以下の文献を引用する。これらを参考文献として組み入れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:445)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.S.aureus上にフィブリノーゲン結合性表面蛋白を発現するクローン14、クロ ーン30及びクローン36から成る群の遺伝子、並びにS.aureus上に表面蛋白を発現 することができ実質的に同等の活性を持つ当該遺伝子のセグメント及びアナログ 。 2.請求項1に記載の遺伝子により発現される表面蛋白。 3.請求項1に記載の遺伝子を乗せたプラスミドベクター。 4.請求項1に記載の遺伝子により形質転換されフィブリノーゲン結合性蛋白を 発現する事ができる微生物。 5.請求項2に記載の表面蛋白に対する抗体。 6.請求項2に記載の蛋白を含むことによりS.aureusのフィブリノーゲンへの付 着を阻止するのに有効なワクチン。
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