JPH10501181A - 割出可能なインサート用の工具ホルダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、中央孔を有した切削用インサートを工具ホルダ（１０）のポケット内にクランプするための工具ホルダに関する。新しい構成は、前端部（２１）がインサートの中央孔（１４）の孔壁にインサート頂面（１２）から離れた一点（２２）で係合し、かつ、該中央孔（１４）とインサート受承ポケットにおける後方の直立した側方支持表面（１７）との間に在るインサート頂面（１２）の一部に係合した下面（３０）を有したクランプ（１８）を用いることである。

Description

【発明の詳細な説明】 割出可能なインサート用の工具ホルダ 技術分野 本発明は、金属材料の削り加工に用いる中心開口型の割出可能なインサート用 の工具ホルダに関する。 割出可能なインサートは通常、鼻部点（ノーズポイント）が角度６０°より小 さく形成され、通常は、倣い加工に用いられる。菱形、長斜方形、三角形インサ ート等の鼻部点の角度が５５°の色々の形式の割出可能なインサートに用いる種 々の工具ホルダがあり、上記菱形、長斜方形、三角形インサートはインサートの 周りの角度が全て等しく形成されている。そして、これらのインサートに用いら れる材料は通常、超硬合金材料又はセラミック材料である。 このような割出可能なインサート用の通常のロック機構は、ホルダにおいて上 方にインサート受承用ポケットに向けて延長したピンを具備し、該ピンは該ポケ ット内に配設されたインサートの孔に係合するように設けられ、また上記ロック 機構は該ピンが内向きに該ホルダに向かう枢動作用を受けるように付勢する手段 を具備し、該付勢手段は、前記ピンの下部を作動するように配置され、かくして ピンとインサートとの両者を該ホルダに形成された上方に向けて延長する壁面に 向けて該インサート受承用ポケットの後方で押圧するようになっている。この種 の工具ホルダは、米国特許第3,314,126号公報に開示されている。然しながら、 このような工具ホルダの欠点は、切削用インサートの前方鼻部が該インサートの 下に配置したシム板から分離する傾向を有し、このために時にはインサートの故 障につながる点である。 従って、本発明の目的は、インサートを受承ポケット内にきちんとクランプ固 定する新規な構成を提供し、クランプがインサートの頂面および中心孔壁の両者 に作用して下方および側方に作用するクランプ力でインサートを所定位置にしっ かりと安全に、かつ下側の支持面から分離動作する傾向がないようにすることを 確実に達成し得るようにすることである。 発明の開示 本発明によれば、工具ホルダは中心孔を有したインサートを受承するポケット を有し、クランプが設けられ、同クランプは前端、後端および両端間に延在され て下方に向けて伸長すると共にホルダ本体に螺合したクランプボルトとを有し、 該クランプの前端は二つのクランプ表面を備え、二つの表面の一方の表面はイン サートの孔壁の一部に係合するように設けられ、他方の表面は上記のインサート の孔とインサート受承用ポケットの後方に設けた直立支持壁との間に配置される インサートの上部表面に衝合するように配設される。 本発明の好ましい実施形態では、クランプの後端はホルダ本体に設けられる前 方および上方に傾斜したカム表面に衝合するのに適している。 以下、本発明を添付図面に示す好ましい実施形態に基づいて説明する。 図１は、本発明による工具ホルダの側面図、 図２は、図１に示した工具ホルダの平面図、そして 図３は、本発明の別の実施形態の側面図である。 図１、２を参照すると、旋回作動する切削工具の一部が図示されており、同工 具は、一部が図示された左周り回転用の工具ホルダ１０を具備し、その前方鼻部 （ノース）には多角形々状を有した割出 し可能な切削用インサート１１を受承するためのポケットを備えている。このイ ンサートは、菱形基本形状を有し、その鼻部の先端点状部は６０°より小さい角 度を有している。インサートは上部平面１２と、該上部平面に平行な下部平面１ ３を有している。また、同インサートは四つの側面を有し、これらの側面は上記 の上部平面、下部平面１２、１３と垂直な面を成し、該４側面の中の二面は、イ ンサート受承ポケットにおける２つの直立した支持表面１６、１７に面衝合する ように設けられ、また該下部平面１３はインサート受承ポケットの底支持面１５ に着座するように設けられている。インサートの中心孔は参照番号１４で指示さ れている。上記底支持面１５は工具ホルダ自体の部分的な表面部分であっても良 く、また該ホルダのインサート受承ポケットに別のシム板として設けたものであ っても良い。 クランプ１８が設けられ、ホルダ１０のポケット内にインサートを固定する。 該クランプはクランプねじ２０によって作動させ得るもので、該ねじ２０は該ク ランプを貫通してホルダ１０の孔１９中に螺合され、同ねじの中心軸線Ｓ１はイ ンサートの中心孔１４の中心軸線と平行に延在している。該クランプの前端は下 方かつ内側に傾斜した第一の突出部２１の形状を有し、上記の中心孔１４の下向 き孔壁に、該インサートの上部平面１２から下方に離れた接触点２２において内 側からホルダ側に向うようにして係合している。 上記クランプの反対側の端部は、第二の突起２３の形状をしており、ホルダ１ ０の凹所２４内に受承され、該第二突起２３の端面２５は、平坦面形状又は、好 ましくは横方向に隔たった２つの凸面形状をして上記凹所２４の平坦接触表面２ ６に面衝合し、該表面２６は、クランプねじ２０の中心軸線Ｓ１に関して角度α だけ傾いている。 図３は、本発明の別の実施形態を示している。この実施形態では、クランプ１ ８の後端部分の衝合面２５は好ましくは横方向に隔てた２つの平坦面として形成 されてホルダの対応する平坦面２６と面衝合するようになっている。そして、該 クランプの平坦面２５はインサートの上面１２と平行に形成されている。この場 合に、クランプ作動ねじ２０は、円錐形状の頭部２７を有し、該頭部の中心軸線 Ｓ１は、クランプの凹所２８の中心軸線に対して横方向にずれている。特に、該 ねじの中心軸線Ｓ１は該凹所２８の中心軸線Ｓ２に対比して内向きにホルダに向 けて偏心的にずらされており、それによってクランプ１８を固定するとき、該ね じを締め付け、ホルダ本体１０の対応のねじ孔１９中に下動、螺合させると、ク ランプ１８はホルダ側に内向きに固定されることになる。 クランプ１８は、第一の突起２１とクランプねじ２０の位置との間に配設され た平坦な下表面３０を有して上面１２の表面一部分に平坦な面衝合をするように 構成され、該表面一部分は直立した側部支持表面１７と中心孔１４との間に配設 される。好ましい実施形態では、上記の下表面３０は支持表面１７と孔１４との 間に配設された上記上面１２の表面の大部分と平坦な面衝合をするような寸法に 形成されている。 図１、図２に示した実施形態では、クランプ１８の前端は突起２１の形状に形 成され、該突起は角度αより幾分小さいか略等しい角度βで下方、内向きに延長 する対称軸線Ｚを有している。図１、２の工具ホルダは更にヘリカルばね３１を 備え、ねじ２０を緩めると、該クランプが上方に向けて押圧されるようになって いる。このばね３１はホルダ本体の円筒座ぐり孔３２内に部分的に受承されてお り、かつクランプ下底部の同様な円筒座ぐり孔内に部分的に受承されている。 ねじ２０を螺動により、締め付け作動せることによってクランプ１８を作動さ せると、クランプ１８は下方に押動され、従って表面又は横に隔てた表面２５が 接触面２６に沿って下方、内向きに摺動し、同時に下方クランプ面２９は上記頂 面１２と平坦な面衝合をして、かつ前記前方部２１はインサートの孔１４に上記 頂面１２から下方に離れた点２２で係合する。上述した角度αの傾斜面２６を設 けることによって良好なくさび作用が得られ、これによって該インサートに対し て作用する効果的な縦方向および横方向のクランプ力を付与することができる。 ここで、角度αの値は１５°から５０°に選定すべきであり、好ましくは２０〜 ４０°の範囲に選定される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．底面（１５）と該底面（１５）から直立した少なくとも一つの側表面（１ ７）とによって形成されるポケット内に切削用インサート（１１）を保持し、該 インサートは、上面、底面（１２、１３）と、中央貫通孔（１４）と、前記上面 、底面に交叉する切刃面とを有し、前記工具ホルダは前記工具ホルダに取着した 前部突起、後部突起（２１、２３）を備えてクランプねじ（２０）により該イン サートに対して作動するクランプ（１８）を備えてなり、かつ該クランプねじ（ ２０）は、前記クランプを完全に貫通して延在されると共に前記工具ホルダの孔 に螺合してなる工具ホルダ（１０）において、 前記クランプの前端部（２１）は、前記中央孔（１４）の孔壁と前記頂面（１ ２）から離して設けた点（２２）で係合する接触面を有した突起の形状を備え、 かつ前記クランプ（１８）は、前記インサートの頂面（１２）の表面部分に面衝 合するのに適した平坦な下方接触面（３０）を備え、該インサートの頂面はイン サートの中央孔（１４）と前記工具ホルダのインサート受承ポケットの後方直立 支持表面（１７）との間に配設されていることを特徴とする工具ホルダ。 ２．前記後部突起（２３）は前記工具ホルダの凹所（２４）内に受承され、該 突起は、前記クランプねじ（２０）を下向きに作動して該クランプを前記工具ホ ルダに向けて押圧し、該インサートを前記底面（１５）と前記側方支持表面（１ ７）とに当接せしめるときに、前記工具ホルダの前記凹所（２４）の傾斜面（２ ６）に接触係合するように設けられている請求の範囲１に記載の工具ホルダ。 ３．前記クランプ（１８）の後方配置突起（２３）の端面（２５ ）は側方に隔てた２つの凸型接触曲面の形状に形成されて前記凹所（２４）の傾 斜接触表面（２６）に衝合するように設けられている請求の範囲１又は２に記載 の工具ホルダ。 ４．前記クランプ作動ねじ（２０）は円錐型の頭部（２７）を有し、該頭部は クランプの対応する部分円錐凹所（２８）に受承され、以て前記ねじ頭部の軸線 Ｓ１はクランプの凹所（２８）の中心軸線Ｓ２に対して該工具ホルダに向けて内 向きに偏心的にずれて設けられ、前記ねじ（２０）を前記工具ホルダ（１０）の 孔（１９）にねじ係合させるように締め付けるとき、前記クランプと前記インサ ートとを内向きに前記ホルダに向けて付勢するクランプ力を作用させる請求の範 囲１に記載の工具ホルダ。 ５．前記クランプ（１８）の下表面部分（３０）は、前記インサートの頂面（ １２）の主要部分に平坦に面衝合し、該インサートの頂面（１２）は前記インサ ートの孔（１４）と前記インサート受承ポケットの隣接した側方支持表面（１７ ）との間に配設されている請求の範囲１〜４に記載の工具ホルダ。 ６．前記クランプの前記後方部（２３）は側方に隔てた２つの平坦表面（２５ ）を備えており、該平坦表面（２５）は、インサート（１１）の頂面（１２）と 平行で平坦な前記ホルダの表面（２６）に面衝合するように形成されている請求 の範囲４に記載の工具ホルダ。