JPH10500660A - モノアルキルホスフェートおよびその他の吸収プロモーターを使用する経皮薬物送達の増進 - Google Patents

モノアルキルホスフェートおよびその他の吸収プロモーターを使用する経皮薬物送達の増進

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JPH10500660A JP7522317A JP52231795A JPH10500660A JP H10500660 A JPH10500660 A JP H10500660A JP 7522317 A JP7522317 A JP 7522317A JP 52231795 A JP52231795 A JP 52231795A JP H10500660 A JPH10500660 A JP H10500660A
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オーイ ウォン,
ツイティエン エヌ. ヌグエン,
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シグナス, インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明の処方物およびデバイスを使用する、薬学的処方物、経皮薬物送達デバイス、および、薬物送達方法が開示され、これは、薬学的に活性な化合物、および特にモルシドミンの経皮薬物送達速度を増進することを可能にする。薬物送達速度は、吸収プロモーターの使用によって増大され、これは、モノアルキルホスフェートおよびその塩単独または、ポリヒドロキシルエステル、長鎖脂肪酸、ポリヒドロキシルアルコールおよびテルペンのような、その他の吸収プロモーターとの組み合わせを包含する。モノアルキルホスフェートと、1つ以上のさらなる吸収プロモーターとの特定の組み合わせは、モルシドミンのような特定の薬学的に活性な薬物の薬物送達速度を増進することに関して、相乗効果を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 モノアルキルホスフェートおよびその他の吸収プロモーターを使用する 経皮薬物送達の増進技術分野 本発明は概して、経皮薬物送達速度を増進するための透過エンハンサーとして 使用される化合物の分野に関する。より詳細には、本発明は、単独および/また はその他の吸収プロモーターと併用して使用される場合、モルシドミンのような 、薬学的に活性な薬物の経皮送達を大いに増進する、モノアルキルホスフェート に関する。発明の背景 以前から、経皮薬物送達システムによって、患者に薬物投与することが可能で あることが公知であった。本質的に、その方法論は、薬物を皮膚および/または 粘膜の表面に配置する工程、およびその薬物を、全身的軽減のために皮膚を通し て患者の血液供給に、および/または軽減が局所的な効果を得るために必要とさ れる特定の箇所に透過させる工程を包含する。経皮薬物送達は、いくつかの薬物 には良好に働くが、皮膚を通って容易に吸収されないその他の薬物にはそれほど 良好に働かない。薬物が、皮膚を通して容易に吸収されない場合は、その他の方 法論および/または化合物が、吸収速度を増進するため、すなわち、所定の単位 時間内に皮膚を通してより多く薬物を得るために使用され得る。 薬物送達速度を増進する公知の方法の1つは、吸収プロモーターとして作用す るさらなる成分、すなわち、皮膚を通して経皮薬物透過速度を増進する化合物を 添加することである。異なる透過エンハンサーは、異なる機構で作用する。さら に、皮膚を通して良好に吸収しない薬物は、異なる理由によって妨げられる。従 って、全ての透過エンハンサーが、全ての薬物の透過を増進するわけではない。 透過エンハンサーは、特定薬物を良好に吸収されなくする困難を克服することを 補助することによって特徴づけられるべきである。皮膚を通して良好に吸収され ないことが公知である1つの薬物は、モルシドミンである。 モルシドミン(N-5-エトキシカルボニル-3-モルホリノシドノニミン)は、メ ソイオン芳香環を有する新規シドノニミン誘導体である。それはまたエステルプ ロドラッグである。 モルシドミンは、白色無色結晶粉末であり、実質的に無味または無臭である。こ のイミンは、分子量242、140-141℃の融点、および25℃でのpKa値3.34を有する 。極大UV吸収波長は、CHCl3中で326nmである。種々の溶媒系中におけるモルシド ミンの溶解度は、表Iに示されている。 それは、プロピレングリコールおよび種々の有機溶媒に可溶性である。モルシ ドミンの化学安定性はAsahiら(1971)に詳細に研究された。それは、pH5〜pH 7の水溶液中で安定であるが(表II)、光感受性、特に日光に対して感受性であ る。 モルシドミンは、持続性抗アンギナ効果を有し、代謝されてSIN-1になり得、 これは容易に活性代謝物SIN-1A(遊離ニトロソ基を有する)に転換されることが 示された。スキームI。 モルシドミンおよびその他の血管拡張剤(ニトログリセリンを含む)の血管拡 張作用についてのごく最近の研究は、活性代謝物SIN-1Aから遊離された酸化窒素 が、可溶性グアニレートシクラーゼを活性化し、次に、これが血管拡張を生じさ せることを明らかにした。これは、ニトログリセリンの血管拡張作用との主な相 違点である。 ニトログリセリンの冠拡張作用は、システインの存在に依存する。システイン 欠損は、ニトログリセリンの使用に対して進展した耐性に関連することが認めら れた。ニトログリセリンへの長期の曝露後に、冠状剥離(coronary strip)中で進 展した薬物耐性は、システインによって拮抗され得る。しかし、モルシドミンの 活性代謝物であるSIA-1Aは、システインの存在および非存在の両方で活性であり 、従って、モルシドミンは重大な耐性を生じず(KulovetzおよびHolzmann,1985 )、それを抗アンギナ治療のより良い代替とする。 モルシドミンの経皮送達が研究され、インビボにおけるラット実験において、 プロピレングリコールと10%オレイン酸との組み合わせが、モルシドミンに対し て399μg/時-cm2の推定の流動率(flux)を生成したことが示された。 2mgのモルシドミンの経口単回投与が、冠動脈心疾患を有する患者において3 から5時間の抗アンギナ効果を生じ得ることが示された。異なる経口投与レベル が、異なる程度の冠動脈心疾患患者に利益を与え得る。代表的には、日に3回の 2mgの経口投与、または日に4回の4mgの経口投与が与えられるべきであること が示唆される。薬物動態学データは、2mgの経口投与後の、モルシドミンの全ク リアランスおよびピーク血漿濃度は、それぞれ46,000ml/時および15mg/mlである ことを示す。経口投与によるモルシドミンの生物学的利用率は44%である。一般 的に、薬物の有効血液濃度は、ピーク血漿濃度未満であり、従って、有効血液濃 度に基づく目標流動率の見積もりは、治療応答を生じるために要求される送達速 度の、より良い指標であるはずである。 「外部使用用経皮薬学的調製物」と題する、欧州特許出願番号第0,127,468号 が、1984年12月6日に公開された。この出願は、種々の量のモルシドミンおよび 種々の吸収プロモーターを含有する、薬学的経皮処方物を開示する。発明の開示 本発明の1つの局面は、経皮投与のための薬学的処方物であって、該処方物は : 薬学的に活性な薬物;および、 吸収を促進する量のアルキル基が8から30個の炭素原子を含有するモノアルキ ルホスフェート、または薬学的に受容可能なそれらの塩を含有する。 本発明のもう1つの局面は、それに吸収された上記の薬学的処方物を有するマ トリックスを含む、薬物送達デバイスである。図面の簡単な説明 図1は、モルシドミンに対する標準的なHPLCクロマトグラフィーを示すグラフ である。 図2は、6つの異なる賦形剤処方物における皮膚流動率を示すグラフである。 図3は、モノアルキルホスフェートを含有しないキャリアと比較した、モノア ルキルホスフェートの異なる組み合わせを用いて得た、透過増進を示すグラフで ある。 図4は、異なる量のモルシドミンを含有する、4つの異なるシリコーンマトリ ックスについて得た、皮膚流動率を示すグラフである。 図5は、試験用に種々の異なる皮膚試料を使用して、モルシドミンについて得 た皮膚流動率を示すグラフである。 図6は、本発明のモルシドミン処方物について得た、皮膚流動率を示すグラフ である。 図7は、本発明の処方物を含有する異なるモルシドミンについて得た、皮膚流 動率を示すグラフである。そして、 図8は、本発明の処方物を含有するモルシドミンについて得た、皮膚流動率を 示すグラフである。本発明を実施するための態様 本発明の経皮薬物送達デバイス、処方物および薬物送達の方法が記載される前 に、本発明は、それ自体無論のこと変化し得る、記載の特定のデバイス、処方物 あるいは方法に限定されないことが理解される。本明細書に使用されている用語 は、特定の実施態様を記載する目的のためのみに使用され、本発明の範囲は添付 の請求の範囲によってのみ限定されるので、限定することは意図されない。 本明細書および添付の請求の範囲で使用されているように、単数形「a」、「a nd」および「the」は、内容が明かにその他に指示していなければ、複数概念を 包含する。従って、例えば、「単数の(a)モノアルキルホスフェート」の言及は 、このような化合物の混合物を包含し、「単数の(an)エンハンサー」の言及は、 本明細書に記載されている同じ一般的な型のエンハンサーの混合物を包含し、「 (the)賦形剤キャリア」は、当業者によって一般に使用される賦形剤キャリアの 混合物、および関連する型を包含するなど。 他に定義されていなければ、本明細書に使用されている技術用語および科学用 語は、本発明が属する当該分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意 味を有する。本明細書に記載されているものと類似あるいは同等の任意の方法お よび材料が、本発明の試験の実施に使用され得るが、好ましい材料および方法が 本明細書に記載されている。本明細書に記載されている全ての刊行物は、全体が 本明細書に参考として援用されている。 本分野の多くの標準的な略語が、本出願および添付の図面を通して以下のよう に使用される:クロロホルムに対してCHCl3であり;ポリエチレングリコールに 対してPEGであり;塩酸に対してHClであり;マイクロリットルに対してμlであ り;マイクログラムに対してμgであり;高速液体クロマトグラフィーに対してH PLCであり;リン酸一ナトリウムに対してNaH2PO4であり;分に対してmin.であり ;プロピレングリコールモノラウレートに対してPGMLであり;プロピレングリコ ールに対してPGであり;モノドデシルホスフェートに対してDDPO4であり;モル シドミンに対してMOSDであり;メタノールに対してCH3OHであり;水に対してH2O であり;オレイン酸に対してOAであり;ラウリルアルコールに対してLAである。 本発明をいかに作製しそして使用するかを記載するためには、本発明の薬学的 処方物をどのようにして作製するのかを最初に記載することが最も論理的であり 、ここでこれらの処方物は経皮薬物送達デバイスを作製するために使用され得、 その処方物およびデバイスの両方は本発明の方法を実施するために使用され得る 。本発明の本質は、特定の実施例の参考なしに理解され得る。しかし、皮膚を通 る薬物送達速度を大いに増大することにより、経皮薬物送達を増進することにお ける、請求の範囲の本発明の有効性を実証するたに、実施例が提供される。さら に、実施例は、吸収プロモーターの異なる組み合わせの使用により得られる相乗 効果を実証する。薬学的処方物 本質的に、本発明の薬学的処方物は、(1)薬学的に活性な薬物、および(2)吸収 プロモーター、である2つの成分を含有する。しかし、処方物は、ほとんどの場 合に、(3)薬学的に受容可能な賦形剤キャリアの形態の、さらなる成分を含有す る。 薬学的に活性な薬物は、最も好ましくはモルシドミンである。その他の薬物が 処方物中で、モルシドミンと組み合わされるか、あるいはモルシドミンと置換さ れ得る。しかし、モルシドミンが存在しない場合には、薬学的に活性な薬物は、 吸収プロモーターに関して同じ様式で薬物を作用させるモルシドミンに関する多 くの特徴を有し、それによって、実質的にモルシドミンと同じ程度に吸収プロモ ーターの恩恵を得る。 吸収プロモーターは、モノアルキルホスフェートおよび/またはその塩を包含 する。ある範囲の異なるモノアルキルホスフェートおよび塩が開示され、そのい ずれもが単独で、または、本発明によって得られる結果に影響することなく、異 なる比率の量のその他のものと組み合わせて、使用され得る。主な吸収エンハン サー(モノアルキルホスフェートあるいはその塩)は、単独で、または、以下の ような4つの異なる群内に存在する1つ以上のさらなる吸収エンハンサーと組み 合わせて、使用され得る:(1)ポリヒドロキシルエステル;(2)長鎖脂肪酸;(3) ポリヒドロキシルアルコール;および(4)テルペン。さらなる吸収プロモーター は、独立して、または(1)から(4)の任意の組み合わせで存在し得、好ましくは、 各々は約8〜30個の炭素原子を含有する。さらなる吸収プロモーターは任意の所 定量で存在し得るが、好ましくは、モノアルキルホスフェート吸収プロモーター の重量より実質的に多い量、例えば、2から20倍程度の量で存在する。 本発明の薬学的処方物は、好ましくは、薬学的に活性な薬物としてモルシドミ ン(MOSD)を含有する。このような処方物は、好ましくは、約1〜15%のMOSDお よび約99〜85%の吸収エンハンサー(重量%)(好ましくは全てDDPO4またはその 塩である)を含有する。DDPO4のような吸収エンハンサーは、マトリックスまた は他のキャリア中に存在し得、そしてDDPO4:マトリックスおよび/または賦形 剤の比が1:99〜20:80で存在する。特に好ましい処方物は、約5%のMOSD、10%のD DPO4、および85%のPGMLを含有する。特に好ましいマトリックスは、約6%のMOSD 、6%のPGML、および88%のマトリックス(最も好ましいマトリックスはシリコー ン2920である)を含有する。全ての比および%量は重量による。 薬学的に活性な薬物は、吸収プロモータと組み合わされて処方物を形成し得る 。しかし、商業的に有用な処方物を提供するために、一般的に、薬学的に受容可 能な賦形剤物質を含有することが望ましく、この賦形剤物質は、水、アルコール および、特にイソプロピルアルコールのような低級アルコール、生理食塩水、ス クロース溶液のような種々の水溶液、ならびに、当業者に周知のその他の液体賦 形剤を包含し得、賦形剤は、本発明に関連して使用される吸収プロモーターおよ び薬学的に活性な薬物と良好に混合することが容易に決定され得る。 上記に示されているように、本発明の本質的な特徴は、それが、吸収プロモー ターとしてモノアルキルホスフェートまたはその塩を含有することである。ある 範囲の異なるモノアルキルホスフェート、塩、および各々および/または両方の 混合物が使用され得る。一般的には、モノアルキルホスフェートは、次の一般構 造式を有する: ここで、「n」は、約7から約29の範囲である。1つの好ましい実施態様では、 nは11であり、従って、以下のモノアルキルホスフェートを提供する: 上記の構造は、モノドデシルホスフェート、またリン酸モノドデシルエステル と呼ばれる構造を示し、これは、約58℃から約63℃の範囲の融点、および266の 分子量を有する。その他のモノアルキルホスフェートが使用され得、そのアルキ ル部分は一般に、8から30個の炭素原子を有する。ナトリウムおよびカリウム塩 のような、任意のモノアルキルホスフェートの薬学的に有用な塩もまた使用され 得る。 その他の吸収プロモーターと組み合わせて使用されるようなモノアルキルホス フェートおよびその塩は、皮膚、鼻粘膜、口腔粘膜、直腸粘膜、胃、腸、および 腟粘膜を含む、生物学的な膜を通る、薬学的に活性な薬物の経皮薬物送達速度を 大いに増進する。従って、本発明の薬学的処方物は、膜を通って、治療されるべ き患者への、薬物の薬物送達速度を増進するために、これらの任意の膜に配置さ れ得る。 吸収プロモーターに加えて、本発明に従う薬学的調製物は、ベース成分、ベン ジルアルコールのような任意のアルコール、プロピレングリコール、ソルビトー ル溶液、グリセリン、ポリエチレングリコールなど、オリーブ油、ベニバナ油、 綿実油などのような植物油および油脂、スクアラン、スクアラン、ラノリンなど のような動物油および脂質、流動パラフィン、ワセリンのようなパラフィン、イ ソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、ジエチルセバセートのよ うな高級脂肪酸エステル、モノアセチン、ジアセチン、カプリルトリグリセリド 、カプリントリグリセリドなどのようなグリセリンエステル、および/またはエ チルセロソルブ、メチルセロソルブなどと、(このようなベース成分の好ましい 割合は一般的に10〜95重量%であるが)適切な割合で、混合され得る。 上記の吸収プロモーターおよびベース成分に加えて、本発明に従う経皮吸収用 の薬学的調製物は、モリシドミンの経皮吸収を調節し、そのことにより持続性血 液濃度を確実にするための成分を含有し得る。それらは例えば、固形パラフィン 、蜜ろう、ブラジルロウヤシワックス、水素添加ヒマシ油、ラノリン、ポリエチ レングリコール(例えば、PEG 400、1500、4000)、マッコウクジラ油、グリセ リルモノステアレート、コレステロール、カルボポール(carbopol)、カルボキ シメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、シリコーン樹脂などであり 、(このような調節成分の好ましい割合は一般的に10〜95重量%であるが)適切 な割合で含有される。 本発明に従って、前述の化合物を含有する経皮吸収用の薬学的組成物は、それ 自身、あるいは任意の親水性、油性、およびエマルジョン形態に処方されて、任 意のヒト身体表面に適用され得、これらは、本明細書に参考として援用されてい る日本薬局方および/またはRemington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publ ising Co.,Easton,PA(最新版)に掲載されている。 特に好ましい処方物は、約5%のモルシドミン、10%のモノドデシルホスフェー ト、および85%のプロピレングリコールモノラウレートを含有する。経皮薬物送達デバイス 本質的に、本発明の経皮薬物送達デバイスは、薬学的に活性な薬物(好ましく はモルシドミン)を有する、好ましくは柔軟性で実質的に平面の支持体物質であ る支持体ベース、およびモノアルキルホスフェートあるいはその塩を包含する吸 収エンハンサーを含む。 支持体ベースは、種々異なる型の物質から構成され得る。例えば、支持体ベー スは、皮膚に適用されたときに人体の形状に順応する実質的に平面で柔軟性の物 質から構成され得る。このような物質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ 塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、セル ロースアセテート、セルロースナイトレート、ポリアクリロニトリル、エチレン ビニルアルコールコポリマー、およびポリジメチルシロキサン、織布、例えばナ イロン、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンから構成される不織 布、および紙のような、高分子量ポリマーフィルムであり得る。支持体物質は、 好ましくはヒトの皮膚に適合性の湿潤蒸気伝達速度(moisture vapor transmissi on rate)を有するように、多孔性である。シリコーン物質は、薬物および吸収プ ロモーターが吸収される吸収マトリックスとして特に好ましい。皮膚に適合性で あり、処方物を吸収して皮膚に放出し得るその他の物質もまた使用され得る。 本発明が、接着テープ、シート、あるいは膏薬の形態で利用可能にされる場合 は、接着剤は、ポリアルキルビニルエーテル、ポリアルキルアクリレート、ポリ イソブチレン、天然ゴム、合成ゴムなどの物質から選択され得る。さらに、適切 な程度の可塑性および接着性をもたらす目的のために、動物または植物油、ワセ リン、ラノリンなど、または/および抗発疹成分、ジフェンヒドラミンのような 抗ヒスタミン剤を添加することが可能である。 モルシドミンのほとんどの臨床研究において、1日に3回から4回の2mgの経 口投与が、狭心症の処置および予防に有効であることが示された。1日の総投与 量は6〜8mgである。しかし、経口投与によるモルシドミンの絶対生物学的利用 率は44%であり、このことは経皮送達に必要とされるのは、2.64〜3.52mgのみで あることを示す;従って、20cm2のモルシドミン経皮治療システムのための目標 流動率は、約5.5〜7.5μg/時-cm2であると見積もられる。 特に好ましい装置は、約6%モルシドミン、約6%吸収プロモーター、および、シ リコーン2920のようなシリコーンである、約88%マトリックスを包含する。吸収 プロモーターは、最も好ましくはモノドデシルホスフェートおよびプロピレング リコールモノラウレートである。使用方法 本質的に、本発明の方法は、薬学的処方物の治療に有効な量、および/または 、 患者の皮膚および/または粘膜へ、薬学的処方物の治療に有効な量を含有する経 皮薬物送達装置を適応すること;および、患者に薬物の治療量を送達するのに十 分な時間の間、その処方物あるいは装置を適当な場所にとどめること;を包含す る。治療効果を得るために、薬物は、所望の効果が得られるような速度で十分量 が送達されなければならない。無論のこと、得られるべき効果は、送達される特 定薬物に依存して変化する。モルシドミンに関しては、得られるべき効果は、も し十分であれば、アンギナの軽減および/またはその発症を予防する、血管拡張 剤効果である。従って、得られる効果は前進的である。いくつかの例では、送達 される薬物は局所効果のみを提供する。患者によって日に1回適用され得るよう な、経皮薬物送達装置を考案するのが最も望ましい。このことは、患者の追従を 容易に続ける投与プロトコールで最大にするためになされる。特定の場合に、薬 学的処方物は、それ自身直接に皮膚あるいは粘膜に適用されるか、あるいは、適 用されて、次に従来の包帯で被覆され得る。 実施例 以下の実施例は、本発明の処方物および薬物送達装置をいかにつくりそして使 用するか、および可能性を実証するように完全な開示および記載を当業者に提供 するように記載され、発明者が彼らの発明と考えるものの範囲を限定することを 意図しない。結果は、使用される数(例えば、量、温度など)に関して精度を確 実にするようになされたが、いくらかの実験誤差および偏差は考慮されるべきで ある。他に標記されていなければ、部は重量部であり、分子量は平均分子量であ り、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧である。 本発明に関連して使用される種々の物質、方法論、および処方物成分がまず詳 細に記載され、続いて種々の試験方法が記載されている。材料 : モルシドミンはSigmaから入手した。ピルシドミン(pirsidomine)はCasella から入手した。60mg/2mlのケトロラクトロメタミン(KT)注射薬(Toradol) は、地元薬局から購入した。その注射薬は、10%エタノールおよび等張状態に調 整するための塩化ナトリウムを含有する。注射薬を、HClまたはNaOHのいずれか で生理学的pHに調整した。皮膚透過調査に使用したプロピレングリコールモノラ ウレート(PGML)は、Gattefosse(Elmsford,NY)から入手した。Morstik 607 はMorton-Thiokolから、Silicone 2920はDow Corningから、そしてGelva 2333は Monsantoから入手した。モノドデシルホスフェートエステルはLancaster,New H ampshireから入手した。分析方法モルシドミン 試料中のモルシドミン濃度は、HPLC分析法によって分析した。HPLC分析装置は 、Perkin-Elmer Diode整列検出器(array detector)LC-235、Perkin-Elmer自動 試料採取機ISS 100C、Perkin-Elmerポンプ、およびQuaternary LCポンプ620を備 える。分離に使用した、15×3.2mm(ID、RP-18を充填、7ミクロン)のガードカ ラムを装着した、Spheri-5-RP-18(OD-MP)(5ミクロン)を充填した100×4.6mm (ID)カラムは、Applied Biosystemsから入手した。いくつかのHPLC操作条件を 開発した。 A.移動相0.025 M NaH2PO4(82%):アセトニトリル(18%)、流速1.0ml/分、検 出波長315nm、および保持時間3.0分。 B.移動相メタノール(40%)および水(60%)、流速1.0ml/分、検出波長315nm、 保持時間2.8分。 方法(B)は、方法(A)よりも、より安価な溶媒であるメタノールを、より高価 なアセトニトリルに代わって使用し、そしてリン酸塩は必要ではなく、このこと がカラム使用期限を延ばし得るので、いくつかの利点を有する。1から55μg/ml の範囲は標準曲線で直線性を示した。図1は、HPLCクロマトグラフィーおよびモ ルシドミンの標準曲線を示す。高濃度を示す皮膚流動率試料については、試料の カラム外(off-column)希釈が、標準曲線から濃度を読み取るために必要である。 モルシドミンは光感受性であることが報告されており、従って、全てのモルシド ミン溶液は褐色容器に保存した。ケトロラク Toradolを使用したケトロラクに対するHPLC標準曲線を作成するために、注射 薬中のケトロラクの正確な濃度は既知でなければならない。これは、UV分光分析 法によって測定した。注射薬の1mlを、2〜3滴の濃塩酸で酸性化し、HPLC級メ タノールで希釈して10.00mlにした。この貯蔵溶液をさらにメタノールで100倍に 希釈し、次いで溶液に対する吸光度およびUVスペクトルを、312nmでCary 3UV分 光光度計に記録した。測定は、3つの異なる標準溶液を使用して、3回行った。 ケトロラクの正確な濃度は、17400のケトロラク遊離酸の報告されたモル吸光度 を用いて、吸光度から算出し、これをベールの法則の計算に使用した。次に、31 2nmに合わせた検出波長でのUV標準曲線を、ケトロラクのUV吸光度の直線性を実 証するために作成した。 実験から生じた試料中のケトロラク濃度を、HPLC分析法で分析した。使用した HPLC装置は、Perkin-Elmer Diode整列検出器LC-235、Perkin-Elmer自動試料採取 機ISS 100C、Perkin-Elmerポンプ、およびQuaternary LCポンプ620を備えた。[1 5×3.2mm(ID、RP-18を充填、7ミクロン)]のガードカラムを装着した、Spheri- 5-RP-18(OD-MP)(5ミクロン)を充填した[100×4.7mm(ID)]カラムを分離に 使用し、Applied Biosystemsから入手した。移動相は、アセトニトリル(43%) と1.5%酢酸水溶液(57%)との混合物であった。流速は1.0ml/分であり、そして 保持時間は約2.8分であった。低ケトロラク濃度の試料分析には、検出波長を312 nmに合わせ、高ケトロラク濃度の試料のためには345nmに合わせた。ピルシドミン 試料中のピルシドミン濃度を、HPLC分析法によって分析した。HPLC装置は、Pe rkin-Elmer Diode整列検出器LC-235、Perkin-Elmer自動試料採取機ISS 100C、Pe rkin-Elmerポンプ、およびQuaternary LCポンプ620を備える。分離に使用した、 15×3.2mm(ID、RP-18を充填、7ミクロン、Applied Biosystemsから入手)のガ ードカラムを装着した、Spheri-5-RP-18(OD-MP)(5ミクロン)を充填した100 ×4.6mm(ID)カラムは、Applied Biosystemsから入手した。移動相はメタ ノール(80%)と水(20%)、流速は1.0ml/分、検出波長は345nm、そして保持時 間は2.6分であった。 ピルシドミンは、特に日光中で光感受性であることが報告されており、従って 、全てのピルシドミン溶液を褐色容器に貯蔵した。賦形剤中の溶解度 : モルシドミン粉末を秤量紙上で測定し、そして試料バイアルに移した。溶媒を バイアルに移して、次にテフロン被覆した小さなマグネットスターラーバーを入 れた。試料バイアルにネジ蓋をし、Florida Scientific,Inc.から入手した多重 撹拌システムの上に設置し、32℃のインキュベーションオーブン中に入れた。試 料溶液を飽和について検査した。飽和が達成されるまで、溶液により多くのモル シドミンを添加した。 飽和溶液をマイクロフィルターで濾過して、過剰の固体モルシドミンを除去し た。次に、濾過試料を、HPLC分析法によってモルシドミン濃度について調べた。溶液処方物の調製 : モルシドミンおよびピルシドミンの場合には、1または2mlの単一の賦形剤ま たは賦形剤の組み合わせを用いて作製した飽和溶液を、皮膚流動率実験用に調製 した。組み合わせの賦形剤を、褐色バイアル中で賦形剤の割合を撹拌して最初に 調製し、次に、20〜50mgの範囲の少量のモルシドミン粉末を賦形剤に添加した。 固体が溶解する間に、混合物を小さなマグネットバーで撹拌してより多くのモル シドミン粉末をバイアルに添加した。この方法で、薬物の特定の賦形剤中の溶解 度を評価した。 ケトロラクの場合には、注射薬の適切な容積の溶媒を次の方法で除去した:最 初に、注射薬を、小さなマグネットスターラーを入れた褐色バイアルに移した。 次に、溶媒を75℃の減圧オーブン中で0.8Hgの減圧下で加熱するか、または70℃ 以下の温度で、ホットプレート上で加熱することにより除去した。特定の賦形剤 あるいは賦形剤の組み合わせの適切な量を、バイアル中に秤り込み、そして皮膚 流動率実験の前に一晩混合した。モノリシック(monolithic)マトリックスの組み立て : 各処方物を、均質溶液あるいは懸濁液を形成するまで、回転ミキサーで少なく とも1〜2時間混合した。混合物を、種々の量のモリシドミンおよび賦形剤と混 合した。物質をポリエチレンプラスティックシート上に一様に広げて、Gardner ナイフで、10〜40mil(湿潤状態)の種々の厚さを有するフィルムを作製した。 このフィルムを少なくとも20分間フードの中で乾燥させ、次いで、さらに70℃の オーブン中で乾燥した。硬化したフィルムを冷却した後に、剥離ライナーを使用 してフィルムを被覆し、それを使用するまでプラスティックバッグ中に貯蔵した 。 基本的に、マトリックスモノリシックは、各表面を被覆する剥離ライナーを有 する、薬物含有マトリックス層である。剥離ライナーを1つの面から除去して、 薬物マトリックスの表面を曝しその面を皮膚表面に適用する。 実施例1 皮膚流動率実験 ヒト死体表皮を、皮膚を60℃の脱イオン水中で1、2分間加熱後、皮膚採取し た完全な厚さの皮膚から注意深く取り出した。剥き取った表皮を、2枚のポリエ チレンプラスティックシート間に置き、使用するまで冷蔵庫中に保存した。直径 5/8インチの表皮のディスクを打ち金で打ち抜き、漏れについて試験した。これ は、最初に表皮を水に浸漬し、次にプラシティックシート上に平らに広げ、その 後、表皮の上を実験室用ティッシュで数回押さえつけて、行った。表皮の漏れは 、ティッシュ上の湿潤スポットを示した。 表皮ディスクを、改変Franz垂直拡散セルアッセンブリー(a modified Franz vertical diffusion cell assembly)のレシーバーセル(receiver cell)上に置 き、その後、ドナーセル(dono rcell)をレシーバーセル上に置いた。小さなマグ ネットスターラーバーを、サンプリング口からレシーバーセル区画に入れた。拡 散セルアッセンブリーを互いに留めて、恒温室(32℃)に移した。レシーバーセ ル区画を、8.0mlのpH5.0の等張リン酸緩衝液で満たした。7.0の等張リン酸緩衝 液もまた、皮膚流動率比較のために使用した。液体処方物については、0.2mlの 特定の液体処方物をドナーセル区画に適用し、次にそれを、テフロンプラグで密 封した。マトリックス処方物については、適切な大きさのマトリックスディスク (直径5/8インチ)を、打ち金で打ち抜いた。剥離ライナーを除去して、拡散セ ルアッセンブリーを互いに留める前に、そのマトリックスを表皮上に置いた。マ トリックス重量を、2つの剥離ライナーディスクとマトリックスディスクとの間 の重量差から計算した。次に、ドナーセル中のモルシドミン量を計算した。適切 なサンプリング時間に、1mlの試料を新たな1mlの緩衝液と入れ替えた。皮膚流動率データ処理 : 各試料中の薬物量を、HPLC分析法によってアッセイした。1.0mlの容積のレシ ーバー液体を取り出し、この容積を新たなレシーバー液体と入れ替えたので、各 実験の第2の時点の後に、試料に対して薬物濃度補正が必要である。各サンプリ ング時点での薬物の累積量を計算し、サンプリング時間に対してプロットして、 皮膚透過プロフィールを得た。プロフィールの直線部分を、直線回帰分析法によ る定常状態皮膚流動率の評価に使用した。透過面積(通常0.689cm2)で回帰直線 の傾斜(μg/時)を割ると、定常状態皮膚流動率(μg/時-cm2)が得られる。皮 膚流動率の受容可能性は、(1)実験の標準偏差(通常は3回の)、(2)透過プロフ ィールの視覚調査、および(3)全再現透過プロフィールの各データーポイントの 標準偏差に基づいた。 実施例2 一次ウサギ皮膚刺激性調査 一次ウサギ皮膚刺激性調査を行った。処置は、(1)4つのモルシドミンマト リックス処方物、(2)シリコーン2920およびPGMLを含有するマトリックス処方 物、および(3)コントロールとしての鉱油を、包含する。マトリックス処方物 の組成は以下に記載されている。モルシドミンの飽和溶解度 : 多くの溶媒中のモルシドミンの溶解度は既知であるので、本発明者らは特定の 賦形剤中のモルシドミンの溶解度のみを測定した。表IIIは、多くの溶媒系での 溶解度を示す。モルシドミンは、プロピレングリコール、および10%のオレイン 酸、90mg/mlのオーダーのラウリルアルコールまたはPGMLとプロピレングリコー ルとの組み合わせの溶媒に可溶性である。リン酸緩衝液では、112mg/mlを認めた 。リン酸緩衝液はレシーバー液体として使用したので、各実験で浸透条件(sink condition)が維持され得るかどうかを知ることは重要であった。レシーバーセ ル中のモルシドミンの最終濃度は一般に2〜3mg/ml未満であるので、リン酸緩 衝液中のモルシドミンの溶解度は、レシーバー液体が、全ての皮膚透過実験につ いて浸透条件を提供し得ることを示す。 賦形剤処方物からの皮膚流動率モルシドミン 全ての賦形剤処方物をモルシドミンで飽和した;従って、これらの処方物中の モルシドミンの熱力学的活性は最大であると予測された。図2は、6つの賦形剤 処方物からのモルシドミンの皮膚流動率を示す。プロピレングリコールのみを使 用した場合は、皮膚流動率はむしろ低く、リン酸緩衝液から得た皮膚流動率に匹 敵した。PGMLまたはプロピレングリコールとオレイン酸、またはラウリルアルコ ール、またはPGMLとの組み合わせを使用した場合には、50〜75μg/時-cm2のオー ダーの非常に高い皮膚流動率を得た。これらの高い皮膚流動率は、より低い経皮 水損失を有する表皮を使用した別の調査において実証した。 モルシドミンは、pH5と7との間の水溶液中で非常に安定であるので、モルシド ミンが水溶液から送達され得るどうかを観察することは興味がある。pH6.8で、9 .7±1.9μg/時-cm2の妥当な高い皮膚流動率を得た。このことは、ヒドロゲルの ような親水性マトリックスが、モルシドミンの有用な貯蔵体であり得ることを示 唆する。 シリコーン2920(80%)、モルシドミン(10%)、およびPGML(10%)から作製 されたマトリックス処方物についての別の調査で、pH5.0または7.0のレシーバー 液体の使用は、モルシドミンの皮膚流動率に有意な結果を示さない。 非常に低いヒト皮膚刺激性の可能性を有する、モノアルキルホスフェートエステ ル、モノドデシルホスフェート(DDPO4)を、本研究において皮膚流動率増進に ついて試験した。図3は、モルシドミンの透過増進を示す。PGMLへの10% DDPO4 の添加は、皮膚流動率の4倍の増大をもたらした。この吸収プロモーターもまた 、ピルシドミン皮膚透過増進を示した。ケトロラク 下記の表IVは、モノアルキルホスフェートエンハンサーを含有するケトロラク の種々の処方物についてのインビトロ皮膚流動率試験の結果を報告する。 ピルシドミン 下記の表Vは、ピルシドミンの種々の処方物についてのインビトロ皮膚流動率 試験の結果を示す。 モノリシックマトリックスからの皮膚流動率: 溶液処方物から高い皮膚流動率を達成した後に、マトリックス処方物を、良好 な皮膚流動率が送達され得るどうかを決定するために評価した。調査される4つ の型の接着剤は、Silicone 2920、Morstik 607、Gelva 788およびGelva 2333を 包含した。図4は、種々の量のモルシドミンおよびPGMLを負荷した、4つのSili cone 2920についての皮膚流動率を示す。皮膚流動率は、モルシドミン濃度依存 性であるようである。 皮膚透過の多様性は避けられないので、異なる供与体皮膚を、1つのシリコー ン2920マトリックス処方物を使用して試験した。図5は、種々の供与体皮膚から 得たモルシドミン皮膚流動率を示す。流動率は、平均14.3μg/時-cm2で、11から 20μg/時-cm2の範囲である。この情報は、新たな供与体皮膚のモルシドミンに対 する透過率を評価することにおいて助けになる。 モルシドミンは、流動率7μg/時-cm2で、Morstik 607マトリックスから送達さ れ得、これは、図6に示されている目標流動率に一致する。Gelva 788マトリッ クスからの皮膚流動率は、図7に示されているように妥当に高く、すなわち、10 〜15μg/時-cm2の範囲である。PGML濃度は、流動率になんらかの効果を有するよ うである。Gelva 2333マトリックスからの皮膚流動率は、先の3つの型のマトリ ックスより低く、図8に示されているように3.5〜4.4μg/時-cm2の範囲である。 表VIは、評価された最良の最適化されていないマトリックス処方物についての 、皮膚流動率のまとめを示す。 一次ウサギ皮膚刺激性: 4つの最良の最適化されていないマトリックス処方物を、一次ウサギ皮膚刺激 性調査に供した。算出された平均スコアは表Vに示されている。2つのコントロ ール(鉱油ならびにシリコーン2920およびPGMLのみで作製されたマトリックス) とともに、処方物は、0または非常に低い皮膚刺激性を示した。 上記の実験に基づいて、モルシドミンが、いくつかの賦形剤溶液から、200μg /時-cm2までの広範囲の皮膚流動率で、ヒト死体の表皮を通って送達され得るこ とを、決定し得る。いくつかの有望なモノリシックマトリックスは、約5〜20μ g/時-cm2の範囲のインビトロ皮膚流動率を与え、これは、目標流動率5.5〜7.5μ g/時-cm2を超えた。いくつかのモノリシックモルシドミンマトリックスの一次ウ サギ皮膚刺激性調査は、0または非常に低い皮膚刺激性スコアを示した。Silico ne 2920、Gelva 788、およびMorstik 607は、モルシドミン経皮治療システムを 開発するための、潜在的なポリマーマトリックスである。 本発明は、本明細書中に、最も実用的で好ましい実施態様であると考えられる ものを示しそして記載する。しかし、本開示を読むことにより、当業者に、本発 明の範囲内に存在する離脱がなされ、そして明白な改変が生じることは、認識さ れる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.経皮投与のための薬学的処方物であって: 薬学的に活性な薬物;および、 アルキル基が8から30個の炭素原子を有するモノアルキルホスフェートまたは その薬学的に受容可能な塩の吸収を増進する量を含有する、薬学的処方物。 2.前記薬学的に活性な薬物が、モルシドミン、ピルシドミン、またはケトロラ クである、請求項1に記載の処方物。 3.請求項1に記載の処方物であって: 30個までの炭素原子を含有するポリヒドロキシルエステル;8から30個の炭素 原子を含有する脂肪酸エステル;8から30個の炭素原子を含有するポリヒドロキ シルアルコール;および、8から30個の炭素原子含有するテルペンからなる群よ り選択される、さらなる吸収エンハンサーをさらに含有する、処方物。 4.前記薬物がモルシドミンであり、そしてモルシドミンの吸収プロモーターに 対する重量比が、約1:99〜約15:85である、請求項3に記載の処方物。 5.請求項1に記載の処方物を吸収したマトリックスを含む、薬物送達デバイス 。 6.前記マトリックスがシリコーンからなる、請求項5に記載のデバイス。
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