JPH1049229A - 曲面走行装置 - Google Patents

曲面走行装置

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Publication number
JPH1049229A
JPH1049229A JP8205842A JP20584296A JPH1049229A JP H1049229 A JPH1049229 A JP H1049229A JP 8205842 A JP8205842 A JP 8205842A JP 20584296 A JP20584296 A JP 20584296A JP H1049229 A JPH1049229 A JP H1049229A
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JP
Japan
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angle
torsion angle
traveling
wheels
vehicle bodies
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Application number
JP8205842A
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English (en)
Inventor
Keiji Kawaguchi
圭史 川口
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 独立に、操舵、走行自在な複数の車体を、走
行装置前後方向の連結軸回りに相対回動自在に連結した
管内走行装置において、所望の安定した走行が可能な管
内走行装置を得る。 【解決手段】 連結軸回りの車体相互間の相対角である
ねじれ角を求めるねじれ角検出手段を備えるとともに、
このねじれ角検出手段22によって検出されるねじれ角
と予め設定される初期設定ねじれ角との差に従って、ね
じれ角が初期設定ねじれ角になるように、複数の車体4
に備えられる車輪5のうちの一部の車輪5の操舵角もし
くは駆動回転速度、あるいは前記操舵角及び前記駆動回
転速度の両方を制御する走行姿勢維持手段24を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス配管内などの
検査走行あるいは修繕の等に使用する管内走行装置等の
曲面上を走行する曲面走行装置に利用する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の、装置前後方向に設けら
れる連結軸回りに、互いに相対回動自在に構成される複
数の車体を備えるとともに、車体に操舵及び駆動回転自
在な車輪を備え、車輪に対する操舵機構及び駆動回転機
構を備えた管内走行装置を使用して、管周方向で安定し
た走行を行おうとする提案がなされている。このような
提案は、特願平7−249378の管内走行装置の周方
向走行方法や、特願平7−165436の管内ロボット
の走行方法に見られる周方向走行に見られる。ここで、
前者で示すものは、図4、図6に示すような管内走行装
置に姿勢により、管周方向の走行をしようとするもので
ある。即ち、この手法においては、連結軸で車体前後方
向で連結された車体を、正面視重なる正常姿勢(図1、
2に示すような姿勢)に維持し、それぞれの車体に備え
られる車輪の操舵角を、絶対値において同一で符号が異
なった角(図4に示す±θ)に設定して、管内走行装置
の前後方向に掛かる走行力をキャンセルするとともに、
管周方向の走行力を得て、管周方向の走行をおこなおう
とする。一方、後者に示すものは、図5、図7に示すよ
うに、管内走行装置の車体を胴折れ状態(連結軸回りの
車体回動角を異なったものとし、正面視において、各車
体が重ならない状態)として、全ての車輪を管周方向に
向けて、管内走行装置の管周方向の走行を行おうとする
ものである。従来、このような手法を採用することによ
り、管周方向の走行をおこなうことができたが、これら
の方法は、フィードフォワード的なものであり、車輪の
付着力の変化等により、一方の車輪の走行が遅れた場合
等に於ける影響を考慮したものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記従来技術
では、管の状態、前輪、後輪の重量差、さらに、スリッ
プ、付着力の減少等の理由により、接地状態が異なると
円周方向走行等において、前後輪の移動に差異が生じ、
場合によっては転倒するという問題があった。従って、
従来は強力な磁気吸着力を備えた車輪が必要とされた。
さらに、管内あるいはホルダー等の曲面上を、直進走
行、螺旋走行する場合において、各車体間の相対姿勢を
予め設定された状態を維持したままで走行をおこなうこ
とが好ましい場合があるが、このような場合に、上記の
ようなスリップ、付着力の減少等の問題が発生した場合
には、同様に走行が不正となる問題をはらんでいる。従
って、本発明の目的は、独立に、操舵、走行自在な複数
の車体を、走行装置前後方向の連結軸回りに相対回動自
在に連結した管内走行装置等において、所望の安定した
走行が可能な曲面走行装置を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による請求項1に係わり、装置前後方向に設け
られる連結軸回りに、互いに相対回動自在に構成される
複数の車体を備えるとともに、前記車体に操舵及び駆動
回転自在な車輪を備え、前記車輪に対する操舵機構及び
駆動回転機構を備えた曲面走行装置の特徴構成は、以下
のとおりである。即ち、前記連結軸回りの車体相互間の
相対角であるねじれ角を求めるねじれ角検出手段を備え
るとともに、このねじれ角検出手段によって検出される
ねじれ角と予め設定される初期設定ねじれ角との差に従
って、ねじれ角が初期設定ねじれ角になるように、複数
の車体のうちの一部の車体に備えられる車輪の操舵角も
しくは駆動回転速度、あるいは前記操舵角及び前記駆動
回転速度の両方を制御する走行姿勢維持手段を備えるの
である。 〔作用・効果〕このような曲面走行装置にあっては、連
結軸によって装置前後方向に連結された複数の車体が、
一定の相対姿勢関係を維持しながら、走行が行われる。
即ち、前述の管周方向の走行について例示的に説明する
と、図6に示す例では、車体が正面視で重なった姿勢関
係で(連結軸回りの相対回転角が無い、ねじれ角0の状
態)で、さらに、図7に示す例では、ねじれ角が一定の
有限値を維持した状態で、走行がおこなわれる。そし
て、各車体間において、それらの車体に備えられている
車輪に於ける走行状況が、所望の状態からずれた場合
は、この構成の曲面走行装置にあっては、ねじれ角検出
手段によって検出されるねじれ角の初期設定ねじれ角と
の差として現れる。従って、この状態をそのまま継続す
ると、曲面走行装置における異常走行、転倒等の問題を
発生しやすいが、本願の曲面走行装置にあっては、走行
姿勢維持手段が働き、この手段が、車輪の操舵角あるい
は駆動回転速度、もしくはこれらの両方を制御して、ね
じれ角が初期設定ねじれ角になるように車輪の制御をお
こなう。従って、本願の曲面走行装置にあっては、ねじ
れ角の状態をみながら、曲面走行装置の走行を所望の状
態に維持することができる。 〔構成〕さらに上記の構成において、管内を周方向に走
行する周方向走行を行う場合に、前記走行姿勢維持手段
が働くことが好ましい。この構成が請求項2に係わる。 〔作用・効果〕曲面走行装置は、例えば、管体の周方向
に形成される溶接線の検査をおこないたい場合がある。
このような場合は、曲面走行装置は、管周方向の走行が
必要となる。先に説明したように、このような場合、複
数の車体間において、一部の車体の走行が他の車体の走
行に対して異なった状態となると、ねじれ角が変化す
る。従って、このねじれ角の偏差分に従った制御を、一
部の車体に備わる車輪に対して適応することにより、他
方の側の車体とのバランスをとって、ねじれ角を設定状
態に戻すことができる。このようにすると、管周方向の
走行を、車体の姿勢関係を乱すことなくおこなうことが
できる。 〔構成〕さらに、上記の請求項2に係わる曲面走行装置
において、前記周方向走行を行う前に、前記車体間のね
じれ角を前記初期設定ねじれ角に、前記車体の車輪の各
操舵角を予め設定された初期設定操舵角に、さらに、前
記車体の車輪の各駆動回転速度を予め設定された初期設
定駆動回転速度に設定する周方向走行姿勢移行手段を備
えることが好ましい。この構成が請求項3に係わる。 〔作用・効果〕周方向走行姿勢移行手段は、任意の走行
姿勢状態にある車体、これら車体に備えられた車輪の姿
勢を、所定の初期状態に移行させる。即ち、予め設定さ
れている初期設定ねじれ角、初期設定操舵角、初期設定
駆動回転速度は、管周方向の走行をおこなう場合に適し
た値で、予め設定されており、このような値を取って走
行をおこなう場合は、管周方向のへの姿勢変更を安定し
て容易におくなうことができる。従って、この手段の働
きにより、任意の姿勢から最適な管周方向走行姿勢への
移行を自動的におこなって、曲面走行装置を使用勝手の
よいものとすることができる。 〔構成〕さらに請求項1〜3のいずれか1項に係わる曲
面走行装置にあって、複数の車体それぞれに、前記連結
軸に対して直角な方向の軸の傾きである車体の傾きを検
出する傾斜角検出手段が備えられ、先に説明したねじれ
角検出手段が、連結軸によって連結される連続した一対
の車体に於ける傾斜角の差をねじれ角として検出するも
のであることが好ましい。この構成が請求項4に係わ
る。 〔作用・効果〕この構成の曲面走行装置にあっては、連
結軸回りの前後車体の相対回動角であるねじれ角を、各
車体に備えられる傾斜角検出手段によって検出される傾
斜角から求める。例えば、各車体の鉛直方向からの傾き
を検出することで、ねじれ角を得ることができるのであ
るが、互いに独立して簡便に傾斜角を求める構成となる
ため、従来型の比較的汎用的な傾斜計を利用して、曲面
走行装置のねじれ角検出系を構築できる。 〔構成〕さらに、請求項1〜4のいずれか1項に係わる
曲面走行装置において、複数の車体に於ける異なった車
体間にあって、初期設定状態に近い挙動をしている標準
側車輪と、前記初期設定状態から離れた挙動をしている
非標準側車輪とを区別する区分け手段を備え、この区分
け手段により、非標準側車輪と区分けされる前記車輪に
対して前記走行姿勢維持手段による制御が行われる構成
とすることが好ましい。この構成が請求項5に係わる。 〔作用・効果〕装置が所定の走行状態を維持する状態に
あっては、それぞれの車体に備えられる車輪が所定の初
期設定状態に維持されて走行がおこなわれる。そして、
これらの内のいずれかもしくは両方の車輪の状態が、初
期設定状態からずれた場合に、ねじれ角の偏差が現れ
る。ここで、車輪の挙動は、例えば、操舵角の値、駆動
回転速度の値として把握することができ、これらの値が
初期設定状態である所定の設定値からの外れを把握する
ことができる。ここで、本願の構成にあっては、複数の
車体にそれぞれ備えられる車輪のうちの一部の車輪を制
御し、他の車輪はそのままの状態を維持しながら、ねじ
れ角を初期設定ねじれ角に戻す。この場合、ねじれ角を
戻す制御とともに、車輪の操舵角及び駆動回転速度も、
初期設定の値から大きくはずれない方が、好ましい。従
って、この構成においては、区分け手段により、各車輪
の状態を、それらの初期設定状態からの外れ量に基づい
て、標準側車輪と非標準側車輪に区分けし、それらの一
方である非標準側車輪に対して走行姿勢維持手段による
制御を掛ける。このようにすると、比較的初期設定状態
に近い状態に系を速い段階で、収束させることができ、
良好な走行状態を確保することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本願の曲面走行装置の一例として
の管内走行装置2について、以下、図面に基づいて説明
する。図1は、本願に係わる管内走行装置2の一部断面
側面図を示しており、図2はこの管内走行装置2の走行
・操舵系の概念を示す説明図である。図1に示すよう
に、この管内走行装置2は、装置前後方向の連結軸3周
りに、互いに回動自在に連結された、前方車体4aと後
方車体4bとを備えて構成されている。前記前方車体4
a及び後方車体4bには、夫々、走行・操舵可能な車輪
5が備えられている。即ち、各車体毎に、走行・操舵可
能な車輪5が備えられている。
【0006】前記車輪5について、図2を参照しながら
説明すると、車輪5は夫々、車軸6の両端部位に輪体7
を備えて構成されている。ここで、車軸6と一対の輪体
7は、それらが一体となって回転され、走行に寄与する
構成となっている。さて、図1に示すように、車軸6内
には磁石8が配設されており、両端部位に位置する輪体
7が異なった磁極となるように構成されている。従っ
て、車輪5が良好な正常状態で走行面に接地している状
態にあっては、磁石8から発生する磁束は、その大部分
が、一方の輪体7から管体内に侵入し、さらに他方の輪
体7へ侵入して、強力な磁気吸着状態を得ることができ
る。即ち、この車輪5は磁気吸着走行体として構成され
ている。
【0007】以上が車輪5に関する説明であるが、この
車輪5の動作機構に関して、前記前方車体4aを例に取
って説明する。後方車体4bに関しては、概略、同様な
構造であるため、説明を省略する。ここで、前方車体4
aに関するものについては図番にaを添字として付する
ものとし、後方車体4bに関するものについては図番に
bを添字として付するものとする。前記前方車体4aに
は、前方車輪5aを備えた前方車輪走行モジュール10
aが上下方向の操舵軸11aに対して回動自在に備えら
れるとともに、この前方車輪走行モジュール10aを一
体として前記操舵軸周りに操舵する前方操舵機構12a
を備えている。この前方操舵機構12aは、操舵モータ
13aとこの操舵モータ13aの回転により前記前方車
輪走行モジュール10aを操舵回動可能な操舵用ギヤ伝
導機構14aを主な構成機構として備えて構成されてい
る。前記、前方車輪走行モジュール10a内には、所
謂、走行機構としての前方車輪駆動回転機構15aが備
えられている。この機構15aは、前記前方車輪走行モ
ジュール内で、車軸軸芯周りに回転可能に構成される前
方車輪5aを、その軸周りに回動させる機構であり、モ
ジュール内に収納される走行モータ16aと、このモー
タ16aの回転を車軸6に伝導する走行用ギヤ伝導機構
17aを主な構成機構として備えている。従って、以上
説明した構成により、図2に説明的に示すように、前方
車輪5a及び後方車輪5bは、夫々、独立に駆動回転し
て走行可能であるとともに、各車輪5は、各車体4の上
下軸周りに、一対の輪体7、車軸6を一体として操舵可
能となっている。
【0008】そして、前述の駆動回転機構15及び操舵
機構12に対して、これらを所定の状態に制御する制御
装置18が備えられている。結果、各車輪5は、制御装
置18により、所望の操舵角θ及び駆動回転速度vに独
立に制御設定できる。
【0009】さて、以上の構成において、各車輪5の操
舵角θ及び駆動回転速度vを検出する操舵角検出手段1
9、駆動回転速度検出手段20が備えられるとともに、
前述の操舵軸11の例えば鉛直方向からの傾きを検出す
る傾斜角検出手段21が設けられている。従って、各車
体4に備えられる傾斜角検出手段21の検出値の差が各
車体間で定義されるねじれ角φとなっている。即ち、各
車体間において、それらの傾斜角の差であるねじれ角φ
を検出する(実体上は傾斜角の差として求める)ねじれ
角検出手段22が備えられている。このねじれ角検出手
段22は、上記の構成の他、各車体4間に備えられ、相
互の車体の連結軸3回りの定点のずれを検出するセンサ
として構成してもよい。
【0010】先に説明した制御装置18には、任意の姿
勢状態から、例えば周方向走行に適した姿勢である図
6、図7に示す姿勢に管内走行装置2の、車体間のねじ
れ状態、車輪5の操舵角及び車輪5の駆動回転速度をも
っていく、周方向走行姿勢移行手段23が備えられてい
る。即ち、この周方向走行姿勢移行手段23は、管内を
周方向に走行する周方向走行を行う前に、各車体間のね
じれ角(前方車体と後方車体の傾斜角の差)を初期設定
ねじれ角に、各車体4の車輪5の各操舵角を予め設定さ
れた初期設定操舵角に、さらに、各車体4の車輪5の各
駆動回転速度を予め設定された初期設定駆動回転速度に
設定する。ここで、初期設定ねじれ角、初期設定操舵角
及び初期設定駆動回転速度は、周方向走行にそれぞれ適
した設定値であり、図6、図7の姿勢に対して以下のよ
うな関係にある。但し、記載中前後とは、前方車体及び
後方車体のことをそれぞれ示している。
【0011】
【表1】 初期設定ねじれ角 初期設定操舵角 初期設定駆動回転速度 図6に示す姿勢 0 前後で±θ 前後で等速 図7に示す姿勢 0以外の有限値 90度 前後で等速 ここで、図6の場合前後で等速とは、前輪は前進状態、
後輪は後進状態で、その絶対値が等しい状態で駆動され
ることを意味する。
【0012】本願の走行装置にあっては、周方向走行に
おいて、上記の表の関係を満たした状態で走行をおこな
うのであるが、この設定は、前方車輪もしくは後方車輪
の一方の遅れ等の理由により、くずれる場合がある。従
って、このような場合は良好な周方向走行が行えない。
この場合の対策として、本願の制御装置18には、走行
姿勢維持手段24が備えられている。この走行姿勢維持
手段24は、先に説明したねじれ角検出手段22によっ
て検出されるねじれ角と予め設定される初期設定ねじれ
角との差に従って、現実のねじれ角が初期設定ねじれ角
になるように、前方車体4a、後方車体4bに備えられ
る車輪5のうちの一方の車輪5の操舵角もしくは駆動回
転速度、あるいは操舵角及び駆動回転速度の両方を制御
するように構成されている。即ち図3に示すような制御
構成が採用されているのである。即ちねじれ角検出手段
22により、各傾斜角の差として検出されるねじれ角が
初期設定ねじれ角と比較され、この比較情報が走行姿勢
維持手段24に入力される。この差分情報が走行モータ
16および操舵モータ13への制御指令を生成する回路
に導入される。情報は各増幅器25を介して増幅される
とともに、初期設定駆動回転速度、初期設定操舵角の値
を加味した状態で、操舵角指令及び駆動回転速度指令が
生成される。従って、この制御構成においては、ねじれ
角の変動として現れる車体間に於ける走行状態の差を検
出して、これを補正して、正常な初期設定状態に戻すよ
うに、制御を働かせる。
【0013】この制御構成について、以下、さらに説明
する。この構成の管内走行装置2の場合は、前方車輪5
aと後方車輪5bを備えるため、これら相互間において
制御が行われることになる。即ち、二つの車輪5が対象
となるが、その一方を基準状態とする。この基準状態の
選択は、制御装置18に備えられている区分け手段26
によって行われる。即ち、この区分け手段26は、予め
行っている実験等から、初期設定状態に近い挙動をして
いる標準側車輪と、初期設定状態から離れた挙動をして
いる非標準側車輪とを区別し、初期設定速度を維持して
いる方の車輪(標準側車輪)を標準側として選択して、
非標準側の車輪が制御を受けるものとされている。本願
の構造にあっては、車輪の現状の操舵角、駆動回転速度
が検出されるため、これらの検出値と初期設定値との関
係から、経験的に標準側、非標準側の区分けは容易に行
える。
【0014】非標準側車輪の制御について、図面を参照
しながら、以降に説明する。先ず、図6に示す姿勢で、
周方向走行をおこなう場合について説明する。この場合
について、ねじれ角が、何らかの原因で設定値よりずれ
た場合に関して説明する。図4に示すように、ここで
は、右側の車輪5bが標準状態にあるものとする。Δθ
=0の場合、ねじれ角の変化はΔvに依存する。従っ
て、左側の車輪5aが遅れた場合には、その遅れ(φ<
0)に応じた速度に加速、逆に進んだ場合にはその進み
(φ>0)に応じた速度に加速することとなる。即ち、 Δv=−kφ という状態フィードバックを用いればよい。ここで、k
が増幅器25に相当する。kの範囲は、基本的には符号
のみの条件(この場合は正数)だけになる。ただし、実
際問題としてオーバーシュート・応答性の遅れなどでθ
(厳密にはsinθ)の値に応じて経験的に上下限を決
定する必要がある。
【0015】この場合における制御にあっては、前後方
向の車体の移動についても考慮する必要がある。即ち、
これに関しては、車輪5の空回りや滑りなどの影響が大
きく定量的に評価することは難しいが、空回りや滑りが
無い場合には、次のような関係が成り立つために、これ
を基準に操舵角の調整(Δθ)を行う。この場合、前後
方向の関係式は次のようになる。
【0016】
【数1】 (v+Δv)cos(θ+Δθ)=vcos(θ) ここで、 cos(Δθ)=1 sin(Δθ)=Δθ ΔvΔθ=0 と仮定すると、 Δθ=(Δvcosθ)/vsinθ
【0017】という関係式が成り立つ。従って、走行速
度の変化Δvに比例して操舵角を調整することにより、
前後方向の移動を無くす(現実問題は小さくする)こと
が可能となる。この操舵角の変化は周方向で考えると、 (v+Δv)sin(θ+Δθ)−vsin(θ)=Δ
v/sin(θ) となり、周方向のねじれ角の変化量が若干増加する(s
inθ=0になる状態はリミッタなどで回避する)。
【0018】以上は、図4、図6に示す周方向走行をお
こなう場合の走行制御に関するものであるが、図5、図
7に示す周方向走行においても、以下のようになる。た
だし、この場合は、フィードバック式は、 Δv=−k(φ−φ0) という様に初期設定ねじれ角φ0(有限値)を式に含め
る必要がある。また、操舵は基本的に行う必要がないた
め、前後方向に関する検討は不要となる。
【0019】〔別実施の形態例〕 (イ) 上記の実施の形態にあっては、走行装置とし
て、これが、一対の前方車体4aと後方車体4bとを備
えた構成としたが、本願の手法を採用するにあたって
は、車体数に制限はなく、独立に操舵、走行可能な車体
を複数備え、これらが、装置前後方向に連結軸回りに回
動可能に構成されていれば、本願の構成を採用して、走
行を安定化することができる。 (ロ) 上記の実施の形態にあたっては、管内走行装置
が、周方向走行をおこなう場合を対象として、ねじれ角
基準の車輪の操舵、走行制御をおこなった。しかしなが
ら、本願のような装置では、管内走行装置は、基本的な
姿勢(初期設定ねじれ角、初期設定操舵角、初期設定駆
動回転速度が維持される状態)から、不正なずれが発生
すると、ねじれ角に変動が生じやすい。従って、このね
じれ角を検出しながら、各車体間の姿勢関係を、車輪の
操舵角、駆動回転速度の制御によって維持することで、
良好な走行状態を維持することができる。 (ハ) 上記の実施の形態にあっては、走行装置の例と
して管内走行装置を例示して説明したが、本願の走行装
置にあっては、曲面上を所定の姿勢を維持しながら走行
する走行装置にあっては、本願の構成を採用できる。従
って、装置前後方向の連結軸を有し、この連結軸回りに
相対回動自在な複数の車体を備え、所定の姿勢関係を維
持しながら曲面に沿って走行する走行装置を曲面走行装
置と呼ぶ。 (ニ) 上記の実施の形態にあっては、車輪の駆動回転
速度(走行速度)、操舵角制御を行う場合に、図3に示
すように、それぞれのモータ(走行モータ及び操舵モー
タ)に対する回転角速度ωのフィードバック系を備えた
速度制御回路で、制御をおこなったが、例えば、モータ
をステッピングモータで構成し、直接、目標駆動回転速
度、目標操舵角を与えて、制御するようにしてもよい。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の制御構造を有する管内走行装置の側面図
【図2】管内走行装置の走行・操舵構造の概略を示す説
明図
【図3】ねじれ角基準の走行・操舵制御に関する制御構
造を示す図
【図4】周方向走行時の車輪姿勢の一例を示す図
【図5】周方向走行時の車輪姿勢の一例を示す図
【図6】提案されている周方向走行の概略を示す図
【図7】提案されている周方向走行の概略を示す図
【符号の説明】
3 連結軸 4 車体 5 車輪 6 車軸 12 操舵機構 15 駆動回転機構 22 ねじれ角検出手段 23 周方向走行姿勢移行手段 24 走行姿勢維持手段 26 区分け手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置前後方向に設けられる連結軸回り
    に、互いに相対回動自在に構成される複数の車体を備え
    るとともに、前記車体に操舵及び駆動回転自在な車輪を
    備え、前記車輪に対する操舵機構及び駆動回転機構を備
    えた曲面走行装置であって、前記連結軸回りの車体相互
    間の相対角であるねじれ角を求めるねじれ角検出手段を
    備えるとともに、前記ねじれ角検出手段によって検出さ
    れるねじれ角と予め設定される初期設定ねじれ角との差
    に従って、前記ねじれ角が前記初期設定ねじれ角になる
    ように、前記複数の車体のうちの一部の車体に備えられ
    る前記車輪における操舵角もしくは駆動回転速度、ある
    いは前記操舵角及び前記駆動回転速度の両方を制御する
    走行姿勢維持手段を備えた曲面走行装置。
  2. 【請求項2】 管内を周方向に走行する周方向走行を行
    う場合に、前記走行姿勢維持手段が働く請求項1記載の
    曲面走行装置。
  3. 【請求項3】 前記周方向走行を行う前に、前記車体間
    のねじれ角を前記初期設定ねじれ角に、前記車体の車輪
    の各操舵角を予め設定された初期設定操舵角に、さら
    に、前記車体の車輪の各駆動回転速度を予め設定された
    初期設定駆動回転速度に設定する周方向走行姿勢移行手
    段を備えた請求項2記載の曲面走行装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の車体それぞれに、前記連結軸
    に対して直角な方向の軸の傾きを検出する傾斜角検出手
    段が備えられ、前記ねじれ角検出手段が、前記連結軸に
    よって連結される連続した一対の車体に於ける傾斜角の
    差を前記ねじれ角として検出する請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の曲面走行装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の車体に於ける異なった車体間
    にあって、初期設定状態に近い挙動をしている標準側車
    輪と、前記初期設定状態から離れた挙動をしている非標
    準側車輪とを区別する区分け手段を備え、前記区分け手
    段により、非標準側車輪と区分けされる前記車輪に対し
    て前記走行姿勢維持手段による制御が行われる請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の曲面走行装置。
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