JPH1048067A - 歪・温度分布測定方法およびその測定装置 - Google Patents

歪・温度分布測定方法およびその測定装置

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JPH1048067A
JPH1048067A JP8201897A JP20189796A JPH1048067A JP H1048067 A JPH1048067 A JP H1048067A JP 8201897 A JP8201897 A JP 8201897A JP 20189796 A JP20189796 A JP 20189796A JP H1048067 A JPH1048067 A JP H1048067A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長距離測定が可能な歪み分布測定方法、およ
び歪みと温度を区別して測定可能な方法と、この測定に
用いる装置の実現。 【解決手段】 光ファイバにおける後方ブリルアン散乱
係数の歪み依存性係数C1 、その温度依存係数C2 、ブ
リルアン周波数シフトの歪み依存性係数C3 、その温度
依存係数C4 を予め求めておき、光ファイバ6に光を入
射し、光ファイバ各点の後方ブリルアン散乱光の散乱係
数ηの相対変化δη/ηと、ブリルアン周波数シフトの
変化δνB の両方を光検出器8を介して検出し、光ファ
イバに発生した歪みの変化δεと光ファイバの温度の変
化δTに関する2元連立方程式δη/η=C1 ・δε+
2 ・δT、δνB =C3 ・δε+C4 ・δTを演算に
より解くことにより、光ファイバに発生した歪みの変化
δεと光ファイバの温度の変化δTをそれぞれ区別して
同時に測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの後方
ブリルアン散乱光を利用して、光ファイバをセンサとし
た歪みと温度の分布を測定する歪・温度分布測定方法お
よびその測定に用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】歪みと温度は基本的な物理量であるた
め、これまで、歪みゲージや熱電対に代表されるような
種々のセンサが開発されてきた。しかし、その大部分は
ポイントセンサであるために、従来のセンシングシステ
ム(検出システム)は、測定箇所が多数ある場合には非
常に多くのセンサを必要とした。また、その測定箇所が
広域にわたり分布している場合には、測定データを収集
するためのデータ多重化装置および情報伝送路も必要と
し、センシングシステムが非常に複雑かつ高価になると
いう欠点があった。
【0003】このような問題を解決するために、ラマン
散乱光の後方散乱係数の温度による変化に着目した温度
分布測定方法が提案されている(文献[1]: J.P.Da
kinet al.(J.P.ダーキン等), “Distributed opt
ical fibre Raman temperature sensor using a semico
ndutor light source and detector,”「半導体光源と
検出器を用いた光ファイバ・ラマン温度分布センサ」El
ectron. Lett.,vol.21,no.13,pp.569-570,1985) 。この
温度分布測定方法では、ラマン散乱光の測定に、光パル
ス試験器(OTDR:Optical Time Domain Reflectome
ter ;光時間領域反射測定器) を使用する。この光パル
ス試験器は、光パルスを光ファイバに入射し、光ファイ
バ中で後方に散乱された光のパワーの時間変化を測定す
るものである。光パルスが入射されてから散乱光が測定
されるまでの遅延時間が散乱点までの距離に対応するた
め、光ファイバの任意の点のラマン散乱光の温度による
散乱係数の変化、すなわち、温度変化が測定可能にな
る。このラマンOTDR法はすでに大規模構造物の温度
分布測定などに応用されている。しかしこの方法には、
次のような欠点がある。
【0004】1)ラマン散乱は非弾性散乱であるため、
ラマン散乱光の波長は、入射光の波長からずれたものと
なる。このラマン散乱による波長変化は、光ファイバが
石英系の場合、約100nmと大きな値であるため、入
射光とラマン散乱光の波長を両方とも光ファイバの損失
が最低になる1550nmにすることはできない。した
がって、ラマンOTDR法によっては長距離にわたる測
定ができない。
【0005】2)ラマン散乱係数の歪み依存性は小さい
ため、ラマンOTDR法による歪測定はできない。
【0006】また、ラマンOTDR法以外に、光ファイ
バ中でのブリルアン散乱光の周波数シフト(ブリルアン
周波数シフトと呼ぶ)量をファイバに沿って分布計測す
ることにより、歪みと温度を測定する方法も提案されて
いる。この方法もOTDRまたはそれと類似なパルス−
連続光対向法と組み合わせることにより、歪みと温度の
連続的分布が測定可能である(文献[2]: T.Horigu
chi et al.(堀口等), “Development of a distribut
ed sensing technique using Brillouin scattering,”
「ブリルアン散乱を用いた分布検出技術の開発」J. Lig
htwave Technol.,vol.13,no.7,pp.1296-1302,1995)。し
かし、この方法は、ブリルアン周波数シフトが歪みと温
度の両方に依存するため、両者を区別して測定できない
という欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような従来の技術の状況に鑑み、長距離測定が可能で
あり、また歪みと温度を区別して測定することが可能な
歪・温度分布測定方法およびその測定に用いる装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による測定方法は、光ファイバに光を入射
し、その入射された光による後方ブリルアン散乱光の散
乱係数の歪みによる変化を検出する。
【0009】すなわち、本発明による歪分布の測定方法
は、光ファイバにおける後方ブリルアン散乱係数の歪み
依存性係数C1 を予め求めておき、光ファイバに光を入
射し、上記光ファイバの各点の後方ブリルアン散乱光の
散乱係数ηの歪みによる相対変化δη/ηを検出し、歪
みの変化δεを、δε=(δη/η)/C1 の式から求
めることを特徴とする。
【0010】また、1)後方ブリルアン散乱光の散乱係
数の変化と、2)後方ブリルアン散乱光の周波数シフト
(ブリルアン周波数シフトと呼ぶ)の変化の両方を検出
することにより、歪みおよび温度をそれぞれ区別して測
定する。
【0011】すなわち、本発明による歪・温度分布測定
方法は、光ファイバにおける後方ブリルアン散乱係数の
歪み依存性係数C1 、および後方ブリルアン散乱係数の
温度依存係数C2 、および後方ブリルアン散乱光の周波
数シフト(ブリルアン周波数シフトと呼ぶ)の歪み依存
性係数C3 、および、ブリルアン周波数シフトの温度依
存係数C4 を予め求めておき、光ファイバに光を入射
し、上記光ファイバ各点の後方ブリルアン散乱光の散乱
係数ηの相対変化δη/ηと、ブリルアン周波数シフト
の変化δνB の両方を検出し、光ファイバに発生した歪
みの変化δεと光ファイバの温度の変化δTに関する2
元連立方程式δη/η=C1 ・δε+C2・δT、δν
B =C3 ・δε+C4 ・δTを演算により解くことによ
り、上記光ファイバに発生した歪みの変化δεと光ファ
イバの温度の変化δTをそれぞれ区別して同時に測定す
ることを特徴とする。
【0012】また、後方ブリルアン散乱光の検出には、
コヒーレント検波を使用し、後方ブリルアン散乱光の散
乱係数の変化を検出するときには、コヒーレント検波さ
れた信号を通過させる電気フィルタの通過帯域幅を、ブ
リルアン散乱光のスペクトル線幅よりも広く設定し、ブ
リルアン周波数シフトの変化を検出するときには、コヒ
ーレント検波された信号を通過させる電気フィルタの通
過帯域幅を、ブリルアン散乱光のスペクトル線幅と同等
あるいはそれよりも狭く設定する。
【0013】すなわち、本発明の測定装置は、光ファイ
バに所定の光を入射して後方ブリルアン散乱光を発生さ
せる光入射手段と、上記光ファイバの各点の後方ブリル
アン散乱光を受光してコヒーレント検波(ヘテロダイン
検波あるいはホモダイン検波)するコヒーレント検波手
段と、上記後方ブリルアン散乱光の散乱係数の変化を検
出するときに使用され、上記コヒーレント検波手段によ
りコヒーレント検波された信号を通過させる通過帯域幅
が上記ブリルアン散乱光のスペクトル線幅よりも広く設
定された第1の電気フィルタ手段と、上記後方ブリルア
ン散乱光のブリルアン周波数シフトの変化を検出すると
きに使用され、上記コヒーレント検波手段によりコヒー
レント検波された信号を通過させる通過帯域幅が上記ブ
リルアン散乱光のスペクトル線幅と同等あるいはそれよ
りも狭く設定された第2の電気フィルタ手段と、上記第
1の電気フィルタ手段の出力と上記第2の電気フィルタ
手段の出力からそれぞれ生成された信号を基にして上記
2元連立方程式を演算する演算手段とを有することを特
徴とする。
【0014】次に、上記構成における本発明の作用を説
明する。
【0015】本発明はこのように光ファイバの後方ブリ
ルアン散乱光を利用しており、そのブリルアン散乱によ
る周波数シフトは小さく、石英系光ファイバの場合、お
よそ10GHz(波長換算で約0.1nm)である。し
たがって、入射光とブリルアン散乱光の両波長とも、光
ファイバの低損失帯である1550nmにすることがで
き、光ファイバの低損失性を最大限に活かした長距離測
定が可能となる。
【0016】また、ブリルアン散乱光は、入射された光
が熱的に励起された音波(フォノン)によって形成され
た位相変化型回折格子により散乱された光であるため、
温度の上昇とともに音波のエネルギーが強くなり、それ
とともにブリルアン散乱光も強くなる。このブリルアン
散乱光の強さは、およそ絶対温度Tに比例することが知
られている(例えば、文献[3]:C.L.Tang(C.L.
タン), “Saturationand spectral characteristics o
f the Stokes emission in the stimulated Brillouin
process”「誘導ブリルアン・プロセスにおけるスト−
クス光放出の飽和とスペクトル特性」,J.Appl.Phys.,vo
l.37,no.8,p.2945,1966 ;式 (3.1)-(3.3)を参照)。す
なわち、ラマン散乱による温度測定と同様にして、ブリ
ルアン散乱光の強度変化を測定することにより、温度変
化を測定することが可能である。
【0017】一方、本発明は、光ファイバに歪みが加わ
ると、光ファイバガラスの格子の振動のしやすさ、すな
わち、音波の発生のしやすさが変化し、その結果、ブリ
ルアン散乱光パワーが変化することに着目したものであ
る。すなわち、本発明では、ブリルアン散乱光の散乱係
数の変化を測定することにより、温度ばかりでなく歪み
も測定可能としている。
【0018】さらに、本発明では、1)後方ブリルアン
散乱光の散乱係数の歪みまたは温度による変化と、2)
後方ブリルアン散乱光の周波数シフト(ブリルアン周波
数シフトと呼ぶ)の歪みまたは温度による変化の両方を
検出することで、歪みと温度変化に関する2元連立方程
式をたてることが可能となる。したがって、この方程式
を解くことにより、歪みと温度を区別して、なおかつ同
時に測定可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0020】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態の構成を示す。図中、1は周波数が安定で発
振線幅の狭い、第1の周波数安定化狭線幅光源である。
2は光パルス変調器、3は光増幅器、4は光方向性結合
器、5は1×2光切替スイッチ、6は光ファイバ、7は
光フィルタ、8は光検出器、9は増幅器、10はAD変
換器、11はディジタル信号処理装置、12はタイミン
グ信号発生器である。
【0021】第1の周波数安定化狭線幅光源1の出力連
続光は、光パルス変調器2によりパルス光に変換され、
光増幅器3により所定のパワーまで光増幅されたのち、
光方向性結合器4と1×2光切替スイッチ5を介して光
ファイバ6に入射される。光ファイバ6で後方に散乱さ
れたブリルアン散乱光は、再び、1×2光切替スイッチ
5と光方向性結合器4を通って光フィルタ7に導かれ
る。光フィルタ7には、波長がシフトしたブリルアン散
乱光は通過するが、波長が光ファイバ6への入射光と同
じレーリー散乱光は遮断する特性を有するものを使用す
る。したがって、光検出器8は、ブリルアン散乱光のみ
を受光する。
【0022】光検出器8により光電変換されたブリルア
ン散乱信号は増幅器9により所定の電圧まで増幅された
のち、AD変換器10によりディジタル信号に変換さ
れ、ディジタル信号処理装置11により平均化処理など
の信号処理が施される。なお、上記の光パルスの発生、
AD変換、ディジタル信号処理の同期は、タイミング信
号発生器12からの信号に基づき行う。
【0023】今、光ファイバ6に入射した光が、その入
射点(A端とする)から距離zに位置する箇所で後方に
ブルリアン散乱され、このブルリアン散乱光がふたたび
光の入射点に戻るとする。このときの光検出器8により
検出される受信光パワーPA(z) は次式で与えられる。
【0024】
【数3】 PA(z)=k PinA η(z)exp(-αf z)exp (-αb z) (1) ここで、kは1×2光切替スイッチ5、光方向性結合器
4、および光フィルタ7の全ての透過損を考慮した比例
係数、PinA は光ファイバ6への入射パワー、η(z)
は後方ブリルアン散乱係数、αf およびαb は、入射光
およびブリルアン散乱光の各波長に対する光ファイバ6
の損失係数である。本発明では後方ブリルアン散乱係数
ηが、歪みあるいは温度に依存して変化することを利用
する。そこで、式(1)では、後方ブリルアン散乱係数
は一定値ではなく位置zの関数η(z)としている。式
(1)に示すように、受信光パワーPA (z)は、ηだ
けでなく、光ファイバの損失にも依存する。そこで次
に、ηと損失の両者を分離するために、1×2光切替ス
イッチ5を切替えて、今度は光ファイバ6のA端の他の
端(B端とする)から光を入射し、後方に散乱されたブ
リルアン散乱光を測定する。このときの受信パワーPB
(z) は次式で与えられる。
【0025】
【数4】 PB(z)=k PinB η(z)exp(-αf (L-z))exp (-αb (L-z)) (2) ここで、PinB は光ファイバ6への入射パワー、Lは光
ファイバ6の長さである。このときディジタル信号処理
装置11により式(1)、(2)の積を計算すると、
【0026】
【数5】 PA (z) PB (z) = k2 inA inB ( η(z))2 exp (-αf L)exp (-αb L) (3) となる。式(3)の右辺で位置zに依存性のあるものは
後方ブリルアン散乱係数η(z)のみである。すなわ
ち、式(3)は、η(z)を光ファイバ6の損失から分
離し、η(z)の分布が測定可能であることを示してい
る。
【0027】なお、光ファイバ6の損失係数であるαf
やαb をあらかじめ別途求めておけば式(3)を用いな
くても、式(1)を基に後方ブリルアン散乱係数ηの分
布を求めることができる。
【0028】また、ブリルアン散乱光の周波数シフトは
僅かであるので、入射光の波長を約1550nmとする
ことにより、αf =αb =(光ファイバの最低損失値)
とすることができる。このとき、式(3)からわかるよ
うに、ブリルアン散乱光の光ファイバ伝搬による信号強
度の減衰は最小限に抑えられるため、従来のラマン散乱
法等よりも、長尺な光ファイバ測定が可能となる。
【0029】以上述べた本発明の測定法の有効性を確認
するために、下記の実験を行った。この実験では、第1
の周波数安定化狭線幅光源1に、波長1550nm、線
幅10MHzのDFB(分布帰還型)半導体レーザを使
用し、また光パルス変調器2には音響光学型光変調器
(acoustooptic modulator; 音響光学変調器ともいう)
を使用し、光増幅器3にはエルビウムドープ光ファイバ
増幅器(EDFA)を使用して、パルス幅100ns、
ピーク光パワー20dBmの光パルスを光ファイバ6に
入射した。また、光フィルタ7には、ファブリペロー共
振器を使用した。このとき光ファイバ6の一部分を恒温
層に入れ、室温(20℃)から温度を変化させて測定し
た。
【0030】恒温層に入れて温度を変化させた部分の測
定結果を図2に示す。この図2から、ηが0.3%/℃
の割合で変化していることが分かる。この温度に対する
ηの変化率を温度依存係数と呼ぶ。これは、先にも述べ
たように、ブリルアン散乱光の強度が、絶対温度T=t
+273(tは温度[℃])に比例することから、室温
付近では、ブリルアン散乱係数の相対変化δη/ηは、
δη/η=δT/T=δT/(20+273)=0.0
034(δT)の温度依存性を持つことと一致する。し
たがって、歪みの変化はないと仮定すると、逆にηの変
化から温度分布が求まることが分かる。
【0031】次に、本発明の有効性を検証するため、同
様の実験を、歪みについても行った。この実験では、光
ファイバ6の一部を直線状にして、引っ張り応力を加え
た。
【0032】引っ張り応力により歪みが発生した部分の
測定結果を図3に示す。この図3から、ηは歪みに対し
て、−0.1%/100μεの割合で変化することが分
かる。この歪に対するηの変化率を歪依存係数と呼ぶ。
したがって、温度の変化はないと仮定すると、逆にηの
変化から歪み分布が求まることが分かる。
【0033】(第2の実施形態)図4は、本発明の第2
の実施形態の構成を示す。図中、13は第2の周波数安
定化狭線幅光源である。14は第1の周波数安定化狭線
幅光源1と第2の周波数安定化狭線幅光源13の発振周
波数、あるいは両光源の周波数差を制御する第1の光周
波数制御装置である。15は光ファイバ6に入射する光
パルスの入射端を切り替えると同時に、第2の周波数安
定化狭線幅光源13からの出力光が光パルスと対向して
光ファイバ6を伝搬するように、第2の周波数安定化狭
線幅光源13からの出力光を光ファイバ6に入射させる
ための2×2光切替スイッチである。また、16は第2
の周波数安定化狭線幅光源13と2×2光切替スイッチ
15間に接続した光ON/OFFスイッチである。な
お、1〜4,6および7〜12で示した構成要素は図1
の第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明は
省略する。
【0034】本実施形態では、このような構成をとるこ
とにより、1)後方ブリルアン散乱光の散乱係数の歪み
または温度による変化と、2)後方ブリルアン散乱光の
周波数シフト(ブリルアン周波数シフト)の歪みまたは
温度による変化の両方が検出可能となる。
【0035】図4の構成の具体的な動作は以下の通りで
ある。最初は先ず、光ON/OFFスイッチ16をOF
F状態にして、第2の周波数安定化狭線幅光源13から
の出力光を、光ファイバ6に入射させないようにする。
この状態で、2×2光切替スイッチ15を切り替えるこ
とにより、先に説明した本発明の第1の実施形態と全く
同様にして、光パルスを光ファイバのA端またはB端か
ら入射したときの後方ブリルアン散乱光を測定すること
ができる。すなわち、後方ブリルアン散乱係数η(z)
の相対変化δη(z)/η(z)が測定できる。
【0036】今、このδη(z)/η(z)は、歪みの
変化δε(z)と、温度の変化δT(z)の両方の変化
により生じたとすると、以下の式が成立する。
【0037】
【数6】 δη(z)/η(z)=C1 ・δε(z) +C2 ・δT(z) (4) ここで、C1 は後方ブリルアン散乱係数の歪み依存性係
数、C2 は後方ブリルアン散乱係数の温度依存性係数で
ある。第1の実施形態で述べた実験によれば、C1 =−
0.1%/100με、C2 =0.3%/℃である。
【0038】次に、ブリルアン周波数シフトの分布を測
定するために、光ON/OFFスイッチ16をON状態
にして、第2の周波数安定化狭線幅光源13からの出力
光を、光ファイバ6の一端(例えばB端)から入射させ
る。また、第1の周波数安定化狭線幅光源1から生成し
た光パルスも、もう一方の端(A端)から同時に入射さ
せる。このとき、第1の周波数安定化狭線幅光源1から
生成した光パルスの周波数νP と第2の周波数安定化狭
線幅光源13からの出力光の周波数νCWの差νP −νCW
を、光ファイバ6のブリルアン周波数シフトνB と一致
させると、第2の周波数安定化狭線幅光源13からの出
力光は、光パルスと衝突したときに光増幅される。これ
をブリルアン増幅と呼ぶ。第2の周波数安定化狭線幅光
源13からの出力光のブリルアン増幅による増加分が、
測定すべき信号であり、その信号が検出器8により検出
される。
【0039】以上のことから分かるように、第1の光周
波数制御装置14により、光パルスの周波数νP と第2
の周波数安定化狭線幅光源13からの出力光の周波数ν
CWの差νP −νCWを逐次変化させながら、上記測定を繰
り返すことにより、光ファイバ6のブリルアン周波数シ
フトの分布νB (z)を求めることができる(文献
[2]を参照)。
【0040】以上の説明では、光パルスの周波数νp と
第2の周波数安定化狭線幅光源13からの出力光の周波
数νCWの差νP −νCWを、光ファイバ6のブリルアン周
波数シフトνB と一致させたが、この差νP −νCWを−
νB と一致させても良い。このときは、第2の周波数安
定化狭線幅光源13からの出力光は、光パルスにより減
衰を受け、この減少量の絶対値が検出器8により測定さ
れる信号となる。νP−νCW=νB とした場合と、νP
−νCW=−νB とした場合の信号は基本的には同一であ
る(文献[2]を参照)。
【0041】また以上の説明では、第2の周波数安定化
狭線幅光源13からの出力光を、光ファイバ6のB端か
ら入射させ、かつ、第1の周波数安定化狭線幅光源1か
ら生成した光パルスを、もう一方のA端から入射させて
測定を行った。しかし、その逆、すなわち、第2の周波
数安定化狭線幅光源13からの出力光および第1の周波
数安定化狭線幅光源1から生成した光パルスを、光ファ
イバ6のA端およびB端からそれぞれ入射させて測定を
行っても良い。これは、ブリルアン周波数シフトの分布
は、ブリルアン散乱係数の測定の場合と異なり、光ファ
イバ6の損失と分離して測定可能だからである。
【0042】今、このようにして測定したνB (z)の
変化δνB (z)が、歪みの変化δε(z)と、温度の
変化δT(z)の両方の変化により生じたとすると、以
下の式が成立する。
【0043】
【数7】 δνB (z)=C3 ・δε(z) +C4 ・δT(z) (5) ここで、C3 およびC4 はそれぞれ、ブリルアン周波数
シフトの歪み依存性係数と温度依存性係数である。文献
[2]によればこれらの値は、波長1550nmの光に
対して、C3 =5.0MHz/100με、C4 =1.
0MHz/℃である。
【0044】したがって、図4に示した構成により、δ
η(z)/η(z)とδνB (z)の両方を測定し、式
(4)、(5)を連立させてディジタル信号処理装置1
1により計算することにより、歪みの分布δε(z)と
温度の分布δT(z)を区別して、かつ同時に求めるこ
とができる。
【0045】実際に歪みと温度の同時測定が可能である
ことを確認するために、歪みと温度を同時に変えて測定
を行った。歪みと温度の設定は以下の2通りについて行
った。
【0046】設定 I:温度変化δT=10度、歪み変
化δε=1000με 設定II:温度変化δT=20度、歪み変化δε=10
00με (以上の変化は、温度20℃、歪み0μεを基準にした
ものである) この測定で得られた、ブリルアン散乱係数の相対変化δ
η(z)/η(z)とブリルアン周波数シフトの変化δ
νB (z)の測定値を図5に示す。図5には、これらの
測定値の記載に加えて、係数C1 =−0.1%/100
με、C2 =0.3%/℃、C3 =5.0MHz/10
0με、C4 =1.0MHz/℃を式(4)、(5)に
代入して計算した温度変化δTと歪みの変化δεの計算
値も示してある。これらの計算値は、図5に示すように
実際の設定値と良く一致しており、本発明による測定法
の有効性が確認できた。
【0047】(第3の実施形態)上述の第1の実施形態
および第2の実施形態では、光フィルタ7を使用してブ
リルアン散乱光成分を他の光の成分から分離している。
しかし、ブリルアン散乱光をコヒーレント検波(光ヘテ
ロダイン検波あるいは光ホモダイン検波)により検出
し、電気的フィルタにより他の光の成分の信号から分離
しても良いことは言うまでもない。図6は、本発明の第
3の実施形態として、このような場合の実施形態の構成
を示す。
【0048】図6において、17は第3の周波数安定化
狭線幅光源、18はコヒーレント検波を可能とするコヒ
ーレントレシーバである。コヒーレントレシーバ18
は、例えば受信光とローカル光発振器(本例の場合は、
受信光と第3の周波数安定化狭線幅光源17)からの出
力光(ローカル光)とを合成するビームスプリッタ、お
よびその合成された光信号を検波する光検波器とからな
り、光検波器から差周波数の電気的出力が得られる。こ
の検波出力波形としては光ホモダイン検波、あるいは光
ヘテロダイン検波がある。19は第2の光周波数制御装
置であり、第1および第3の周波数安定化狭線幅光源
1、17の周波数を制御する、あるいは両光源の周波数
差を制御する。20−1および20−2は電気切替スイ
ッチ(電気的切替スイッチ)である。21−1は通過帯
域幅がブリルアン散乱光のスペクトル線幅(通常20M
Hz以上ある)よりも広い電気フィルタ(電気的フィル
タ)であり、21−2は通過帯域幅がブリルアン散乱光
のスペクトル線幅と同等あるいはそれよりも狭い電気フ
ィルタである。
【0049】第1の周波数安定化狭線幅光源1からの出
力光は、第1の実施形態と同様に、光パルス変調器2に
よりパルス光となり、光ファイバ6に入射される。一
方、第3の周波数安定化狭線幅光源17からの出力光
は、コヒーレントレシーバ18の局発光(ローカル光)
として使うために、コヒーレントレシーバ18に入力さ
れる。また、光ファイバ6からの後方ブリルアン散乱光
もコヒーレントレシーバ18に入力され、光電変換され
る。光電変換された電気信号は、電気フィルタ21−1
あるいは電気フィルタ21−2の一方を通過したのち、
増幅器9により所定の電圧まで増幅され、AD変換器1
0によりディジタル信号に変換され、ディジタル信号処
理装置11により自乗され、かつ平均化処理などの信号
処理が施される。上記の光パルスの発生、AD変換、デ
ィジタル信号処理の同期は、タイミング信号発生器12
からの信号に基づいて行う。
【0050】なお、入射光と同一の周波数を有するレー
リー散乱光と、入射光からシフトした周波数を有するブ
ルリアン散乱光の周波数差は約10GHzもあるため、
電気フィルタ21−2により雑音となるレーリー散乱光
による信号は取り除くことが可能となる。すなわち、本
実施形態では、図6から分かるように、第1の実施形態
で必要であった光フィルタ7がなくてもよいことにな
る。
【0051】本発明の動作は以下の通りである。先ず測
定の第1ステップとして、後方ブリルアン散乱係数η
(z)の相対変化δη(z)/η(z)を測定する。そ
のために、1×2光切替スイッチ5をA端側に切替え
て、光ファイバ6のA端から光を入射し、後方に散乱さ
れたブリルアン散乱光を測定する。次に、1×2光切替
スイッチ5をB端側に切替えて、光ファイバのB端から
光を入射し、後方に散乱されたブリルアン散乱光を測定
する。このようにして、先に説明した本発明の第1の実
施形態と全く同様に、後方ブリルアン散乱係数η(z)
の相対変化δη(z)/η(z)が測定できる。この測
定のときは、電気切替スイッチ20−1および電気切替
スイッチ20−2を、通過帯域幅が、光ファイバからの
ブリルアン散乱光のスペクトル線幅(通常20MHz以
上ある)よりも広い電気フィルタ21−1側に切替えて
おく。これにより、ブリルアン散乱光による信号の全て
のパワーを受信可能となる。
【0052】次に、測定の第2ステップとして、ブリル
アン周波数シフトの分布δνB (z)を測定する。この
測定の時には、ブリルアン散乱光のスペクトルのピーク
周波数を高精度で測定するために、電気切替スイッチ2
0−1および電気切替スイッチ20−2を、通過帯域幅
が、光ファイバからのブリルアン散乱光のスペクトル線
幅と同等あるいはそれよりも狭い電気フィルタ21−2
側に切替えておく。また、第1の周波数安定化狭線幅光
源1と第3の周波数安定化狭線幅光源17の周波数差Δ
νが一定となるように、第2の光周波数制御装置19に
より出力周波数を制御しながら、電気フィルタ21−2
の透過中心周波数を掃引する。これに代え、電気フィル
タ21−2の透過中心周波数は固定として、周波数差Δ
νを掃引しても良いことは言うまでもない。
【0053】以上の第1および第2のステップの測定に
より、それぞれ後方ブリルアン散乱係数η(z)の相対
変化δη(z)/η(z)と、ブリルアン周波数シフト
の分布δνB (z)を測定できる。そこで最後に、第2
の実施形態と同様にして、この測定値を代入した式
(4)、(5)を連立させてディジタル信号処理装置1
1により計算することにより、歪みの分布δε(z)と
温度の分布δT(z)を区別して、かつ同時に求めるこ
とができる。
【0054】(第4の実施形態)第3の実施形態では、
上記δη(z)/η(z)とδνB (z)の測定を、時
間をずらして順次行った。これに対し、図7に示した本
発明の第4の実施形態では、同時平行処理により、より
高速の測定を可能としたものである。図7において、2
2はコヒーレントレシーバ18からの出力を2つの端子
に同時に分岐する電気分岐器(例えば、分岐ジョイン
ト)、24−1は通過帯域幅が光ファイバ6からのブリ
ルアン散乱光のスペクトル線幅よりも広い電気フィル
タ、24−2は通過帯域幅が光ファイバ6からのブリル
アン散乱光のスペクトル線幅と同等あるいはそれよりも
狭い電気フィルタである。9−1および9−2は増幅
器、10−1および10−2はAD変換器、23はディ
ジタル信号処理装置である。その他の構成は図6の構成
と同様である。
【0055】コヒーレントレシーバ18からの出力信号
は、電気分岐器22により分割され、一方の信号は電気
フィルタ24−1に入力されて、後方ブリルアン散乱係
数η(z)の相対変化δη(z)/η(z)の測定に供
される。他方の信号は電気フィルタ24−2に入力され
て、ブリルアン周波数シフトの分布δνB (z)の測定
に供される。
【0056】電気フィルタ24−1の通過帯域幅は光フ
ァイバからのブリルアン散乱光のスペクトル線幅よりも
広いため、コヒーレントレシーバ18により検出された
全てのブリルアン散乱光信号が電気フィルタ24−1を
通過する。この通過信号は、増幅器9−1により所定の
電圧まで増幅され、AD変換器10−1によりディジタ
ル信号に変換され、ディジタル信号処理装置23により
自乗され、かつ平均化処理などの信号処理が施される。
このときに、第3の実施形態と同様にして、まず、1×
2光切替スイッチ5をA端側に切替えて、光ファイバ6
のA端から光を入射し、後方に散乱されたブリルアン散
乱光を測定する。次に、1×2光切替スイッチ5をB端
側に切替えて、光ファイバ6のB端から光を入射し、後
方に散乱されたブリルアン散乱光を測定する。このよう
にして、後方ブリルアン散乱係数η(z)の相対変化δ
η(z)/η(z)が測定できる。
【0057】以上のδη(z)/η(z)の測定と平行
して、電気フィルタ24−2を通過した信号を使用し
て、ブリルアン周波数シフトの分布δνB (z)の測定
が可能である。すなわち、第1の周波数安定化狭線幅光
源1と第3の周波数安定化狭線幅光源17の周波数差Δ
νが一定となるように、第2の光周波数制御装置19に
より出力周波数を制御しながら、電気フィルタ24−2
の透過中心周波数を掃引する。あるいは、電気フィルタ
24−2の透過中心周波数は固定として、周波数差Δν
を掃引しても良い。電気フィルタ24−2を通過した信
号は、増幅器9−2により所定の電圧まで増幅され、A
D変換器10−2によりディジタル信号に変換され、デ
ィジタル信号処理装置23により自乗され、かつ平均化
処理などの信号処理が施される。電気フィルタ24−2
の通過帯域は、ブリルアン散乱光のスペクトル線幅と同
等あるいはそれよりも狭いため、ブリルアン散乱光のス
ペクトルのピーク周波数の変化、すなわちブリルアン周
波数シフトの分布δνB (z)を高精度で測定可能とな
る。
【0058】なお、上記の光パルスの発生、AD変換、
ディジタル信号処理の同期は、タイミング信号発生器1
2からの信号に基づいて行う。
【0059】以上説明したように、この第4の実施形態
では、δη(z)/η(z)の測定と、δνB (z)の
測定が同時に実施できるので、測定の高速化が図られ
る。
【0060】なお、上述した第3の実施形態および第4
の実施形態の説明において、δνB(z)の測定の説明
では、パルス光を入射する光ファイバ6の光ファイバ端
については言及しなかったが、これは、第2の実施形態
の場合と同様に、ブリルアン周波数シフトの分布は、光
パルスの入射方向に関係なく、一方から入射した場合の
みで、測定可能だからである。
【0061】また、図4および図6を使用してそれぞれ
説明した第2の実施形態および第3の実施形態では、そ
れぞれ、2台の光源を使用した。具体的には、第2の実
施形態では、図4における第1の周波数安定化狭線幅光
源1と第2の周波数安定化狭線幅光源13であり、第3
の実施形態では、図6における第1の周波数安定化狭線
幅光源1と第3の周波数安定化狭線幅光源17である。
これらの2台の光源の相対周波数は安定化されている。
このように相対周波数が安定化された光源2台を使用す
る代わりに、1)1台の光源の出力光を変調し、相対周
波数が安定な2つの光波を発生させることにより、それ
ぞれの光波を上記2台の光源からの出力光の代わりに使
う、あるいは、2)1台の光源の出力光の一部の光の周
波数を光周波数シフタによりシフトさせ、そのシフト光
と元の光とを上記2台の光源からの出力光の代わりに使
っても良い。これらの方法は、文献[2]に詳しく解説
されている。
【0062】以上の第1の実施形態、第2の実施形態お
よび第3の実施形態の説明では、相対歪み分布と相対温
度分布の測定について述べた。絶対歪み分布と絶対温度
分布の測定は以下のようにすれば良い。すなわち、歪み
と温度が既知であり、安定な環境におかれた参照光ファ
イバ(図示しない)を、光ファイバ6のA端あるいはB
端に接続し、あるいは光ファイバ6の中間に挿入し、こ
の参照光ファイバの測定値を常に基準にして、光ファイ
バ6の後方ブリルアン散乱係数の相対変化δη(z)/
η(z)およびブリルアン周波数シフトの変化δν
B (z)を測定すれば、絶対歪み分布と絶対温度分布を
求めることができる。
【0063】また、以上の全ての実施形態において、光
方向性結合器4を介して光ファイバ6に入射する光はパ
ルス光として説明したが、その入射する光は連続光であ
っても良いことは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下の効果が得られる。
【0065】1)光ファイバの後方ブリルアン散乱光を
利用しており、そのブリルアン散乱による周波数シフト
は小さので、入射光とブリルアン散乱光の両波長とも、
光ファイバの低損失帯である1550nmにすることが
できる。したがって、歪みと温度の分布の測定において
光ファイバの低損失性を最大限に活かした長距離測定が
可能となる。
【0066】2)後方ブリルアン散乱光の散乱係数の歪
みまたは温度による変化と、後方ブリルアン散乱光の周
波数シフトの歪みまたは温度による変化の両方を検出し
ているので、歪みと温度変化に関する2元連立方程式を
たてることが可能となり、この方程式を解くことによ
り、歪みと温度を区別して、なおかつ同時に測定するこ
とが可能となる。
【0067】3)また、光フィルタに代えてコヒーレン
トレシーバと電気フィルタとを使用することにより、ブ
リルアン散乱光成分を他の成分から高精度に分離可能な
ので、より高精度の測定が期待できる。
【0068】4)また、電気分岐器を用いて同時平行処
理で測定することで、より高速測定が可能となる。
【0069】5)この他に、構成が単純、廉価、測定が
容易などの利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】後方ブリルアン散乱係数の温度依存性の測定結
果を示すグラフである。
【図3】後方ブリルアン散乱係数の歪み依存性の測定結
果を示すグラフである。
【図4】本発明による第2の実施形態の構成を示すブロ
ック図である。
【図5】本発明による温度と歪みの同時測定の結果を示
す図である。
【図6】本発明による第3の実施形態の構成を示すブロ
ック図である。
【図7】本発明による第4の実施形態の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 第1の周波数安定化狭線幅光源 2 光パルス変調器 3 光増幅器 4 光方向性結合器 5 1×2切替スイッチ 6 光ファイバ 7 光フィルタ 8 光検出器 9,9−1,9−2 増幅器 10,10−1,10−2 AD変換器 11 ディジタル信号処理装置 12 タイミング信号発生器 13 第2の周波数安定化狭線幅光源 14 第1の光周波数制御装置 15 2×2光切替スイッチ 16 光ON/OFFスイッチ 17 第3の周波数安定化狭線幅光源 18 コヒーレントレシーバ 19 第2の光周波数制御装置 20−1,20−2 電気切替えスイッチ 21−1,21−2,24−1,24−2 電気フィル
タ 22 電気分岐器 23 ディジタル信号処理装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバにおける後方ブリルアン散乱
    係数の歪み依存性係数C1 を予め求めておき、 光ファイバに光を入射し、 前記光ファイバの各点の後方ブリルアン散乱光の散乱係
    数ηの歪みによる相対変化δη/ηを検出し、 歪みの変化δεを、 【数1】δε=(δη/η)/C1 の式から求めることを特徴とする歪分布測定方法。
  2. 【請求項2】 光ファイバにおける後方ブリルアン散乱
    係数の歪み依存性係数C1 、および後方ブリルアン散乱
    係数の温度依存係数C2 、および後方ブリルアン散乱光
    の周波数シフト(ブリルアン周波数シフトと呼ぶ)の歪
    み依存性係数C3 、および、ブリルアン周波数シフトの
    温度依存係数C4 を予め求めておき、 光ファイバに光を入射し、 前記光ファイバ各点の後方ブリルアン散乱光の散乱係数
    ηの相対変化δη/ηと、ブリルアン周波数シフトの変
    化δνB の両方を検出し、 光ファイバに発生した歪みの変化δεと光ファイバの温
    度の変化δTに関する2元連立方程式 【数2】δη/η=C1 ・δε+C2 ・δT δνB =C3 ・δε+C4 ・δT を演算により解くことにより、 前記光ファイバに発生した歪みの変化δεと光ファイバ
    の温度の変化δTをそれぞれ区別して同時に測定するこ
    とを特徴とする歪・温度分布測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の測定方法に使用する装
    置であって、 周波数が安定で発振線幅の狭い周波数安定化狭線幅光源
    と、 該周波数安定化狭線幅光源からの出力光を光パルスに変
    調する光パルス変調器と、 前記光パルスを光ファイバに入射する手段と、 該光ファイバの各点の後方ブリルアン散乱光を通過させ
    レーリー散乱光は遮断する光フィルタと、 該光フィルタを通過した光を電気信号に変換し、増幅
    し、ディジタル信号に変換する光・電気回路と、 該光・電気回路のディジタル出力から前記δη/ηを検
    出し、前記δε=(δη/η)/C1 の演算を行って、
    前記光ファイバに発生した歪みの変化δεを出力するデ
    ジタル信号処理装置とを有することを特徴とする歪分布
    測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の測定方法に使用する装
    置であって、 光ファイバに所定の光を入射して後方ブリルアン散乱光
    を発生させる光入射手段と、 前記光ファイバの各点の後方ブリルアン散乱光を受光し
    てコヒーレント検波(ヘテロダイン検波あるいはホモダ
    イン検波)するコヒーレント検波手段と、 前記後方ブリルアン散乱光の散乱係数の変化を検出する
    ときに使用され、前記コヒーレント検波手段によりコヒ
    ーレント検波された信号を通過させる通過帯域幅が前記
    ブリルアン散乱光のスペクトル線幅よりも広く設定され
    た第1の電気フィルタ手段と、 前記後方ブリルアン散乱光のブリルアン周波数シフトの
    変化を検出するときに使用され、前記コヒーレント検波
    手段によりコヒーレント検波された信号を通過させる通
    過帯域幅が前記ブリルアン散乱光のスペクトル線幅と同
    等あるいはそれよりも狭く設定された第2の電気フィル
    タ手段と、 前記第1の電気フィルタ手段の出力と前記第2の電気フ
    ィルタ手段の出力からそれぞれ生成された信号を基にし
    て前記2元連立方程式を演算する演算手段とを有するこ
    とを特徴とする歪・温度分布測定装置。
  5. 【請求項5】 前記コヒーレント検波手段の出力を分割
    して同時に前記第1の電気フィルタ手段と前記第2の電
    気フィルタ手段に供給する電気分岐手段を有し、 前記演算手段は前記第1の電気フィルタ手段からの出力
    信号と前記第2の電気フィルタ手段からの出力を同時に
    受け入れて前記2元連立方程式を演算することにより、
    前記光ファイバに発生した歪みの変化δεと光ファイバ
    の温度の変化δTの同時算出を行うことを特徴とする請
    求項4に記載の歪・温度分布測定装置。
  6. 【請求項6】 前記コヒーレント検波手段の出力を前記
    第1の電気フィルタ手段と前記第2の電気フィルタ手段
    に交互に供給する電気切替スイッチ手段を有することを
    特徴とする請求項4に記載の歪・温度分布測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の測定方法に使用する装
    置であって、 周波数が安定で発振線幅の狭い第1の周波数安定化狭線
    幅光源と、 周波数が安定で発振線幅の狭い第2の周波数安定化狭線
    幅光源と、 前記第1の周波数安定化狭線幅光源と前記第2の周波数
    安定化狭線幅光源の発振周波数、あるいは両光源の周波
    数差を制御する第1の光周波数制御装置と、 前記第1の周波数安定化狭線幅光源からの出力光を光パ
    ルスに変調する光パルス変調器と、 前記光パルスを入射する光ファイバの入射端を切替ると
    同時に、前記第2の周波数安定化狭線幅光源からの出力
    光を前記光ファイバに入射させるための2×2光切替ス
    イッチと、 後方ブリルアン散乱係数の相対変化を測定するときにO
    FF状態となり、ブリルアン周波数シフトの分布を測定
    するときにON状態となって、前記第2の周波数安定化
    狭線幅光源からの出力光を前記2×2光切替スイッチを
    介して前記光ファイバに選択的に入射させるための光O
    N/OFFスイッチと、 前記光ファイバの各点の後方ブリルアン散乱光を通過さ
    せレーリー散乱光は遮断する光フィルタと、 該光フィルタを通過した光を電気信号に変換し、増幅
    し、ディジタル信号に変換する光・電気回路と、 該光・電気回路のディジタル出力から前記2元連立方程
    式を演算するデジタル信号処理装置とを有することを特
    徴とする歪・温度分布測定装置。
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