JPH1047366A - 弾性軸継手およびその製法 - Google Patents
弾性軸継手およびその製法Info
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- JPH1047366A JPH1047366A JP20391996A JP20391996A JPH1047366A JP H1047366 A JPH1047366 A JP H1047366A JP 20391996 A JP20391996 A JP 20391996A JP 20391996 A JP20391996 A JP 20391996A JP H1047366 A JPH1047366 A JP H1047366A
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- tape
- shaped
- thermoplastic elastomer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】捩じりばね特性がばらつくことがなく、補強材
のリング形状がばらけることがなく、生産性の良い弾性
軸継手を提供する。 【解決手段】複数の貫通丸穴1aが同心円状に穿設され
た平板状の弾性体1と、上記各貫通丸穴1aに固着され
た複数のカラー2a〜2dと、隣り合う2つのカラー2
a〜2dに袈裟掛け状に架設され上記弾性体1内に埋設
されたリング状の補強材3とを備えている。そして、上
記補強材3が、熱可塑性エラストマー5で被覆された複
数の補強糸4を並列状に配設した状態で一体化してなる
テープ6の複数本の積層体である。
のリング形状がばらけることがなく、生産性の良い弾性
軸継手を提供する。 【解決手段】複数の貫通丸穴1aが同心円状に穿設され
た平板状の弾性体1と、上記各貫通丸穴1aに固着され
た複数のカラー2a〜2dと、隣り合う2つのカラー2
a〜2dに袈裟掛け状に架設され上記弾性体1内に埋設
されたリング状の補強材3とを備えている。そして、上
記補強材3が、熱可塑性エラストマー5で被覆された複
数の補強糸4を並列状に配設した状態で一体化してなる
テープ6の複数本の積層体である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のステア
リングジョイント,FCRカップリング等に用いる弾性
軸継手およびその製法に関するものである。
リングジョイント,FCRカップリング等に用いる弾性
軸継手およびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車等のステアリングジョ
イント(ステアリングシャフトとステアリングギアをジ
ョイントする部分)等には、図11および図12に示す
ようなステアリングカップリング(弾性軸継手)が用い
られている。このステアリングカップリングは、4つの
貫通穴31aが仮想円周上に等間隔をあけて穿設された
円盤状のゴム製弾性体31と、上記各貫通穴31aに固
定された金属製カラー(円筒体)32a〜32dと、隣
り合う各カラー32a〜32dに袈裟掛け状に架設され
たリング状の補強材33とからなる。この補強材33
は、ゴム糊を被覆した補強糸41(図14参照)を多重
に巻き取ってリング状に作製したものである。図におい
て、34は中央貫通穴である。このようなステアリング
カップリングでは、図13に示すように、4つのカラー
32a〜32dのうち、相対峙する1組のカラー32
a,32cがステアリングシャフト35の下端部から延
びる二股状の連結部35aに嵌合するとともに、他の1
組のカラー32b,32d(図13には、一方のカラー
32bしか示されていない)がステアリングギア36の
シャフト上端部36bから延びる二股状の被連結部36
a(図には、一方の被連結部36aしか示されていな
い)に嵌合しており、ステアリングシャフト35の上端
部に取付けられるハンドルの操舵角度または回転トルク
をステアリングギア36に伝達している。また、このス
テアリングカップリングには、操舵安定性のために所望
の捩じりばね特性が必要とされれており、上記補強材3
3は、上記回転トルクに対する補強になるとともに、上
記所望の捩じりばね特性を得るための補助になってい
る。
イント(ステアリングシャフトとステアリングギアをジ
ョイントする部分)等には、図11および図12に示す
ようなステアリングカップリング(弾性軸継手)が用い
られている。このステアリングカップリングは、4つの
貫通穴31aが仮想円周上に等間隔をあけて穿設された
円盤状のゴム製弾性体31と、上記各貫通穴31aに固
定された金属製カラー(円筒体)32a〜32dと、隣
り合う各カラー32a〜32dに袈裟掛け状に架設され
たリング状の補強材33とからなる。この補強材33
は、ゴム糊を被覆した補強糸41(図14参照)を多重
に巻き取ってリング状に作製したものである。図におい
て、34は中央貫通穴である。このようなステアリング
カップリングでは、図13に示すように、4つのカラー
32a〜32dのうち、相対峙する1組のカラー32
a,32cがステアリングシャフト35の下端部から延
びる二股状の連結部35aに嵌合するとともに、他の1
組のカラー32b,32d(図13には、一方のカラー
32bしか示されていない)がステアリングギア36の
シャフト上端部36bから延びる二股状の被連結部36
a(図には、一方の被連結部36aしか示されていな
い)に嵌合しており、ステアリングシャフト35の上端
部に取付けられるハンドルの操舵角度または回転トルク
をステアリングギア36に伝達している。また、このス
テアリングカップリングには、操舵安定性のために所望
の捩じりばね特性が必要とされれており、上記補強材3
3は、上記回転トルクに対する補強になるとともに、上
記所望の捩じりばね特性を得るための補助になってい
る。
【0003】上記ステアリングカップリングは、つぎの
ようにして作製される。すなわち、まず、図14に示す
ように、糸巻用円筒体40に巻回されたポリエステルコ
ード等の補強糸41を糸巻用円筒体40から引き出して
ゴム糊塗布機42のゴム糊浴槽(図示せず)に通し、補
強糸41にゴム糊を被覆する。ついで、このゴム糊を被
覆した一本の補強糸41を巻き取り機(図示せず)に設
けた一対の巻き取り軸43に多重に巻き取ってリング状
にし、リング状の補強材33を作製する。この補強材3
3のリング形状はゴム糊の粘着性により保持されるた
め、巻き取り機による巻き取り後に巻き取り機から補強
材33を取り外しても、補強材33のリング形状が保持
されている。この補強材33を4つ作製する。つぎに、
成形型(図示せず)内に4つの金属製カラー32a〜3
2dを仮想円周上に等間隔をあけて配置し、隣り合う各
カラー32a〜32dに補強材33をそれぞれ袈裟掛け
状に架設する(図15参照)。そののち、成形型内にゴ
ムを注入し、加硫し、円盤状のゴム製弾性体31で4つ
のカラー32a〜32dおよび4つの補強材33を一体
化する。このとき、補強糸41を被覆するゴム糊により
補強材33が弾性体31に強固に一体化する。このよう
にしてステアリングカップリングが作製される。
ようにして作製される。すなわち、まず、図14に示す
ように、糸巻用円筒体40に巻回されたポリエステルコ
ード等の補強糸41を糸巻用円筒体40から引き出して
ゴム糊塗布機42のゴム糊浴槽(図示せず)に通し、補
強糸41にゴム糊を被覆する。ついで、このゴム糊を被
覆した一本の補強糸41を巻き取り機(図示せず)に設
けた一対の巻き取り軸43に多重に巻き取ってリング状
にし、リング状の補強材33を作製する。この補強材3
3のリング形状はゴム糊の粘着性により保持されるた
め、巻き取り機による巻き取り後に巻き取り機から補強
材33を取り外しても、補強材33のリング形状が保持
されている。この補強材33を4つ作製する。つぎに、
成形型(図示せず)内に4つの金属製カラー32a〜3
2dを仮想円周上に等間隔をあけて配置し、隣り合う各
カラー32a〜32dに補強材33をそれぞれ袈裟掛け
状に架設する(図15参照)。そののち、成形型内にゴ
ムを注入し、加硫し、円盤状のゴム製弾性体31で4つ
のカラー32a〜32dおよび4つの補強材33を一体
化する。このとき、補強糸41を被覆するゴム糊により
補強材33が弾性体31に強固に一体化する。このよう
にしてステアリングカップリングが作製される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、一本の補強糸41を多重に巻回してリング状
の補強材33を作製しているため、巻き取り後のリング
形状が不均一になりやすい。しかも、補強糸41へのゴ
ム糊の付着が不均一になりやすく、また、補強糸41に
付着したゴム糊の粘着力(ゴム糊の粘着力はあまり強く
ない)だけで補強材33のリング形状を保持しているた
め、補強材33のリング形状の保形力が弱く、補強糸4
1がばらけやすい。したがって、ゴム注入時におけるゴ
ム注入圧により、各カラー32a〜32dに架設した補
強材33のリング形状が崩れて捩じりばね特性にばらつ
きが生じる。また、補強糸41がばらけやすいため、補
強糸41の端部が弾性体31から飛び出して製品表面へ
露出し、外観不良を起こす。そのうえ、補強材33を巻
き取り機から取り外して成形型内のカラー32a〜32
dにセットする際に、補強糸41のゴム糊が巻き取り機
や成形型等に付着して補強材33のリング形状が崩れ、
捩じりばね特性にばらつきが生じるという問題もある。
方法では、一本の補強糸41を多重に巻回してリング状
の補強材33を作製しているため、巻き取り後のリング
形状が不均一になりやすい。しかも、補強糸41へのゴ
ム糊の付着が不均一になりやすく、また、補強糸41に
付着したゴム糊の粘着力(ゴム糊の粘着力はあまり強く
ない)だけで補強材33のリング形状を保持しているた
め、補強材33のリング形状の保形力が弱く、補強糸4
1がばらけやすい。したがって、ゴム注入時におけるゴ
ム注入圧により、各カラー32a〜32dに架設した補
強材33のリング形状が崩れて捩じりばね特性にばらつ
きが生じる。また、補強糸41がばらけやすいため、補
強糸41の端部が弾性体31から飛び出して製品表面へ
露出し、外観不良を起こす。そのうえ、補強材33を巻
き取り機から取り外して成形型内のカラー32a〜32
dにセットする際に、補強糸41のゴム糊が巻き取り機
や成形型等に付着して補強材33のリング形状が崩れ、
捩じりばね特性にばらつきが生じるという問題もある。
【0005】そこで、補強材33の保形性を向上させる
ため、図16に示すように、数本の(図面では、4本
の)補強糸41を数個の(この例では、4個の)糸巻用
円筒体40から引き出して並列状に並べ、上記4本の補
強糸41を上下一対の未加硫ゴムシート45で挟み、こ
れを巻き取って多層に積層したのち予備加硫して一体化
しテープ状にするものがある。このものでは、補強材3
3のリング形状が崩れにくいものの、加硫を2回行わな
ければならず、生産性が悪いという問題がある。また、
未加硫ゴムシート45に代えて、熱可塑性樹脂製のシー
トを用いることも考えられるが、このものでは、熱可塑
性樹脂自体が硬くてステアリングカップリングが高剛性
化し、所望の捩じりばね特性を得ることができないとい
う問題がある。
ため、図16に示すように、数本の(図面では、4本
の)補強糸41を数個の(この例では、4個の)糸巻用
円筒体40から引き出して並列状に並べ、上記4本の補
強糸41を上下一対の未加硫ゴムシート45で挟み、こ
れを巻き取って多層に積層したのち予備加硫して一体化
しテープ状にするものがある。このものでは、補強材3
3のリング形状が崩れにくいものの、加硫を2回行わな
ければならず、生産性が悪いという問題がある。また、
未加硫ゴムシート45に代えて、熱可塑性樹脂製のシー
トを用いることも考えられるが、このものでは、熱可塑
性樹脂自体が硬くてステアリングカップリングが高剛性
化し、所望の捩じりばね特性を得ることができないとい
う問題がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、捩じりばね特性のばらつきを低減することがで
き、しかも、補強糸がばらけて補強糸の端部が弾性体か
ら飛び出すことがなく、生産性の良い弾性軸継手および
その製法の提供をその目的とする。
もので、捩じりばね特性のばらつきを低減することがで
き、しかも、補強糸がばらけて補強糸の端部が弾性体か
ら飛び出すことがなく、生産性の良い弾性軸継手および
その製法の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、複数の貫通穴が同心円状に穿設された弾
性体と、上記弾性体の各貫通穴に固着された複数の筒状
体と、隣り合う2つの筒状体に袈裟掛け状に架設され上
記弾性体内に埋設されたリング状補強材とを備え、上記
補強材が、熱可塑性エラストマーで被覆された複数の補
強糸を並列状に配設した状態で一体化してなるテープ状
体の複数本の積層体である弾性軸継手を第1の要旨と
し、成形型内に複数の筒状体を成形空間の中心を囲うよ
うに所定間隔で配置する工程と、溶融した熱可塑性エラ
ストマーで複数の補強糸を被覆することにより得られた
補強糸を並列状に揃えた状態で熱可塑性エラストマーを
固化し全体をテープ状体にする工程と、上記テープ状体
を複数本積層した状態でリング状に形成しリング状補強
材化する工程と、上記リング状に形成したテープ状体を
成形型内の隣り合う2つの筒状体に袈裟掛け状に架設す
る工程と、上記成形型内を弾性体で埋めて上記複数の筒
状体とテープ状体と弾性体とを一体化する工程を備えた
弾性軸継手の製法を第2の要旨とする。
め、本発明は、複数の貫通穴が同心円状に穿設された弾
性体と、上記弾性体の各貫通穴に固着された複数の筒状
体と、隣り合う2つの筒状体に袈裟掛け状に架設され上
記弾性体内に埋設されたリング状補強材とを備え、上記
補強材が、熱可塑性エラストマーで被覆された複数の補
強糸を並列状に配設した状態で一体化してなるテープ状
体の複数本の積層体である弾性軸継手を第1の要旨と
し、成形型内に複数の筒状体を成形空間の中心を囲うよ
うに所定間隔で配置する工程と、溶融した熱可塑性エラ
ストマーで複数の補強糸を被覆することにより得られた
補強糸を並列状に揃えた状態で熱可塑性エラストマーを
固化し全体をテープ状体にする工程と、上記テープ状体
を複数本積層した状態でリング状に形成しリング状補強
材化する工程と、上記リング状に形成したテープ状体を
成形型内の隣り合う2つの筒状体に袈裟掛け状に架設す
る工程と、上記成形型内を弾性体で埋めて上記複数の筒
状体とテープ状体と弾性体とを一体化する工程を備えた
弾性軸継手の製法を第2の要旨とする。
【0008】すなわち、本発明の弾性軸継手は、複数の
貫通穴が同心円状に穿設された弾性体と、上記弾性体の
各貫通穴に固着された複数の筒状体と、隣り合う2つの
筒状体に袈裟掛け状に架設され上記弾性体内に埋設され
たリング状補強材とを備えており、上記補強材が、熱可
塑性エラストマーで被覆された複数の補強糸を並列状に
配設した状態で一体化してなるテープ状体の複数本の積
層体である。このように本発明の弾性軸継手では、リン
グ状補強材が、(複数の補強糸を一体化してなる)テー
プ状体を積層状に巻回等することにより作製されている
ため、複数の補強糸が揃ってリング状になり、補強材の
リング形状が均一になりやすい。しかも上記テープ状体
は、熱可塑性エラストマーをバインダーとして用い、こ
の熱可塑性エラストマーで被覆された複数の補強糸を並
列状に配設した状態で固化して一体化したものであるた
め、テープ状体に複数の補強糸を強固に保持することが
できる。したがって、補強材のリング形状の保形力が強
く、しかも、各補強糸がばらけることがなく、捩じりば
ね特性のばらつきを大幅に低減することができ、所望の
捩じりばね特性を満足することができるようになる。ま
た、上記のように、補強糸がばらけないことから、補強
糸の端部が弾性体から飛び出して製品表面へ露出するこ
とがない。そのうえ、補強糸が熱可塑性エラストマーで
被覆されているため、補強材に直接弾性体が触れること
がなく、弾性体をゴム材料で作製した場合にも、ゴム配
合薬品(アミン)による補強糸の劣化を防ぐことがで
き、ゴム材料の自由度も高くなる。
貫通穴が同心円状に穿設された弾性体と、上記弾性体の
各貫通穴に固着された複数の筒状体と、隣り合う2つの
筒状体に袈裟掛け状に架設され上記弾性体内に埋設され
たリング状補強材とを備えており、上記補強材が、熱可
塑性エラストマーで被覆された複数の補強糸を並列状に
配設した状態で一体化してなるテープ状体の複数本の積
層体である。このように本発明の弾性軸継手では、リン
グ状補強材が、(複数の補強糸を一体化してなる)テー
プ状体を積層状に巻回等することにより作製されている
ため、複数の補強糸が揃ってリング状になり、補強材の
リング形状が均一になりやすい。しかも上記テープ状体
は、熱可塑性エラストマーをバインダーとして用い、こ
の熱可塑性エラストマーで被覆された複数の補強糸を並
列状に配設した状態で固化して一体化したものであるた
め、テープ状体に複数の補強糸を強固に保持することが
できる。したがって、補強材のリング形状の保形力が強
く、しかも、各補強糸がばらけることがなく、捩じりば
ね特性のばらつきを大幅に低減することができ、所望の
捩じりばね特性を満足することができるようになる。ま
た、上記のように、補強糸がばらけないことから、補強
糸の端部が弾性体から飛び出して製品表面へ露出するこ
とがない。そのうえ、補強糸が熱可塑性エラストマーで
被覆されているため、補強材に直接弾性体が触れること
がなく、弾性体をゴム材料で作製した場合にも、ゴム配
合薬品(アミン)による補強糸の劣化を防ぐことがで
き、ゴム材料の自由度も高くなる。
【0009】一方、本発明の弾性軸継手の製法は、溶融
した熱可塑性エラストマーで複数の補強糸を被覆するこ
とにより得られた補強糸を並列状に揃えた状態で熱可塑
性エラストマーを固化し全体をテープ状体にする工程
と、上記テープ状体を複数本積層した状態でリング状に
形成しリング状補強材化する工程とを備えている。この
ように本発明の製法では、(複数の補強糸を一体化して
なる)テープ状体を積層状に巻回等することによりリン
グ状補強材化しているため、複数の補強糸を揃えてリン
グ状に形成することができ、補強材のリング形状が均一
になりやすい。しかも、上記テープ状体は、熱可塑性エ
ラストマーをバインダーとして用い、この熱可塑性エラ
ストマーで被覆された複数の補強糸を並列状に配設した
状態で固化して一体化したものであるため、テープ状体
に複数の補強糸を強固に保持することができる。したが
って、補強材のリング形状の保形力が強く、しかも、各
補強糸がばらけることがなく、ゴム注入時におけるゴム
注入圧等、筒状体とテープ状体と弾性体を一体化する際
に補強材のリング形状が崩れることがない。したがっ
て、捩じりばね特性のばらつきを大幅に低減することが
でき、所望の捩じりばね特性を満足することができるよ
うになる。さらに、補強糸がばらけないため、補強糸の
端部が弾性体から飛び出して製品表面へ露出することが
ない。そのうえ、補強糸が熱可塑性エラストマーで被覆
されているため、補強材に直接弾性体が触れることがな
く、弾性体をゴム材料で作製した場合にも、ゴム配合薬
品(アミン)による補強糸の劣化を防ぐことができ、ゴ
ム材料の自由度も高くなる。そのうえ、複数の補強糸に
熱可塑性エラストマーを被覆して固化する作業が数十秒
で可能であり、生産性に優れる。さらに、補強材は硬化
状態にあるため、(補強糸をリング状に形成するため
の)巻き取り機等から補強材を取り外して成形型内の筒
状体にセットする際に、補強材が巻き取り機や成形型等
に付着することがなく、補強材のリング形状の崩れが起
こらない。
した熱可塑性エラストマーで複数の補強糸を被覆するこ
とにより得られた補強糸を並列状に揃えた状態で熱可塑
性エラストマーを固化し全体をテープ状体にする工程
と、上記テープ状体を複数本積層した状態でリング状に
形成しリング状補強材化する工程とを備えている。この
ように本発明の製法では、(複数の補強糸を一体化して
なる)テープ状体を積層状に巻回等することによりリン
グ状補強材化しているため、複数の補強糸を揃えてリン
グ状に形成することができ、補強材のリング形状が均一
になりやすい。しかも、上記テープ状体は、熱可塑性エ
ラストマーをバインダーとして用い、この熱可塑性エラ
ストマーで被覆された複数の補強糸を並列状に配設した
状態で固化して一体化したものであるため、テープ状体
に複数の補強糸を強固に保持することができる。したが
って、補強材のリング形状の保形力が強く、しかも、各
補強糸がばらけることがなく、ゴム注入時におけるゴム
注入圧等、筒状体とテープ状体と弾性体を一体化する際
に補強材のリング形状が崩れることがない。したがっ
て、捩じりばね特性のばらつきを大幅に低減することが
でき、所望の捩じりばね特性を満足することができるよ
うになる。さらに、補強糸がばらけないため、補強糸の
端部が弾性体から飛び出して製品表面へ露出することが
ない。そのうえ、補強糸が熱可塑性エラストマーで被覆
されているため、補強材に直接弾性体が触れることがな
く、弾性体をゴム材料で作製した場合にも、ゴム配合薬
品(アミン)による補強糸の劣化を防ぐことができ、ゴ
ム材料の自由度も高くなる。そのうえ、複数の補強糸に
熱可塑性エラストマーを被覆して固化する作業が数十秒
で可能であり、生産性に優れる。さらに、補強材は硬化
状態にあるため、(補強糸をリング状に形成するため
の)巻き取り機等から補強材を取り外して成形型内の筒
状体にセットする際に、補強材が巻き取り機や成形型等
に付着することがなく、補強材のリング形状の崩れが起
こらない。
【0010】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0011】本発明の弾性軸継手は、複数の貫通穴が穿
設された弾性体と、上記各貫通穴に固着された複数の筒
状体と、上記弾性体内に埋設されたリング状補強材を備
えている。そして、上記補強材が、熱可塑性エラストマ
ーで被覆された複数の補強糸を並列状に配設した状態で
一体化してなるテープ状体の複数本の積層体で構成され
ている。
設された弾性体と、上記各貫通穴に固着された複数の筒
状体と、上記弾性体内に埋設されたリング状補強材を備
えている。そして、上記補強材が、熱可塑性エラストマ
ーで被覆された複数の補強糸を並列状に配設した状態で
一体化してなるテープ状体の複数本の積層体で構成され
ている。
【0012】上記弾性体を構成する材料としては、NR
(天然ゴム),BR(ブタジエンゴム),SBR(スチ
レンブタジエンゴム),CR(クロロプレンゴム),E
PDM(エチレンプロピレンターポリマー),IIR
(ブチルゴム)等の各種のゴム材料や、スチレン系(S
IS,SBS,SEBS,SEPS)、オレフィン系
(TPO)、塩ビ系(TPVC)、ウレタン系(TP
U)、エステル系(TPEE)、アミド系(TPAE)
等の各種の熱可塑性エラストマーが用いられる。熱可塑
性エラストマーを用いる場合には、弾性体の材料を補強
糸を被覆する熱可塑性エラストマーと同じにすることに
より、弾性体,筒状体および補強糸を一体化する際に、
一体化のための温度が限定されないという利点がある。
(天然ゴム),BR(ブタジエンゴム),SBR(スチ
レンブタジエンゴム),CR(クロロプレンゴム),E
PDM(エチレンプロピレンターポリマー),IIR
(ブチルゴム)等の各種のゴム材料や、スチレン系(S
IS,SBS,SEBS,SEPS)、オレフィン系
(TPO)、塩ビ系(TPVC)、ウレタン系(TP
U)、エステル系(TPEE)、アミド系(TPAE)
等の各種の熱可塑性エラストマーが用いられる。熱可塑
性エラストマーを用いる場合には、弾性体の材料を補強
糸を被覆する熱可塑性エラストマーと同じにすることに
より、弾性体,筒状体および補強糸を一体化する際に、
一体化のための温度が限定されないという利点がある。
【0013】上記筒状体としては、通常、金属製の円筒
体が用いられる。
体が用いられる。
【0014】上記補強糸としては、ポリエステル,ナイ
ロン6,ナイロン66,レーヨン,アラミド等の各種の
合成樹脂製コードや、炭素繊維,ガラス繊維,スチール
等の各種の有機,無機繊維コードが挙げられる。上記補
強糸の材料として、合成樹脂材料を用いる場合には、そ
の熱収縮率の範囲が1〜10%に設定され、好ましく
は、2〜7%に設定される。熱収縮率が上記範囲内に設
定されていると、補強糸が加硫時(成形時)の熱で収縮
し、熱可塑性エラストマーがゴム製弾性体に融着すると
同時にヒートセットされる。
ロン6,ナイロン66,レーヨン,アラミド等の各種の
合成樹脂製コードや、炭素繊維,ガラス繊維,スチール
等の各種の有機,無機繊維コードが挙げられる。上記補
強糸の材料として、合成樹脂材料を用いる場合には、そ
の熱収縮率の範囲が1〜10%に設定され、好ましく
は、2〜7%に設定される。熱収縮率が上記範囲内に設
定されていると、補強糸が加硫時(成形時)の熱で収縮
し、熱可塑性エラストマーがゴム製弾性体に融着すると
同時にヒートセットされる。
【0015】上記熱可塑性エラストマーの材料として
は、各種の熱可塑性エラストマーが用いられるが、弾性
体がゴム材料である場合には、加硫時(150〜160
℃)の温度に耐えられるものが用いられる。このような
ものとして、オレフィン系,ウレタン系,エステル系,
アミド系の熱可塑性エラストマーが用いられる。より詳
しく説明すると、オレフィン系の熱可塑性エラストマー
としては、熱可塑性ポリオレフィン(PE,PP等)と
エラストマー(EPDM,EPR等)のブレンド物で、
サントプレーン(AES社製),住友TPE(住友化学
社製),ミラストマー(三井石油化学社製)等が用いら
れ、ウレタン系の熱可塑性エラストマーとしては、ポリ
エステルポリオールまたはポリエーテルポリオールを主
成分として構成されており、ミラクトラン(日本ミラク
トラン製),パンデックス(大日本インキ化学工業
製),エラストラン(武田バーディシェウレタン工業
製)等が用いられ、エステル系の熱可塑性エラストマー
としては、ポリ1,4−ブタンジオールテレフタレート
とポリアルキレンエーテルテレフタレートのブロック共
重合体で、ハイトレル(DuPont製),ペルプレン
(東洋紡績製)等が用いられ、アミド系の熱可塑性エラ
ストマーとしては、ポリエーテルあるいはポリエステル
とポリアミドのブロック共重合体で、Pebax(東レ
製),Vestamid(ダイセルヒュルス製)等が用
いられる。
は、各種の熱可塑性エラストマーが用いられるが、弾性
体がゴム材料である場合には、加硫時(150〜160
℃)の温度に耐えられるものが用いられる。このような
ものとして、オレフィン系,ウレタン系,エステル系,
アミド系の熱可塑性エラストマーが用いられる。より詳
しく説明すると、オレフィン系の熱可塑性エラストマー
としては、熱可塑性ポリオレフィン(PE,PP等)と
エラストマー(EPDM,EPR等)のブレンド物で、
サントプレーン(AES社製),住友TPE(住友化学
社製),ミラストマー(三井石油化学社製)等が用いら
れ、ウレタン系の熱可塑性エラストマーとしては、ポリ
エステルポリオールまたはポリエーテルポリオールを主
成分として構成されており、ミラクトラン(日本ミラク
トラン製),パンデックス(大日本インキ化学工業
製),エラストラン(武田バーディシェウレタン工業
製)等が用いられ、エステル系の熱可塑性エラストマー
としては、ポリ1,4−ブタンジオールテレフタレート
とポリアルキレンエーテルテレフタレートのブロック共
重合体で、ハイトレル(DuPont製),ペルプレン
(東洋紡績製)等が用いられ、アミド系の熱可塑性エラ
ストマーとしては、ポリエーテルあるいはポリエステル
とポリアミドのブロック共重合体で、Pebax(東レ
製),Vestamid(ダイセルヒュルス製)等が用
いられる。
【0016】上記複数の補強糸を熱可塑性エラストマー
で被覆し一体化してテープ状体を作製する方法として
は、押し出し機を使用する方法、ディップ被覆する方法
等がある。押し出し機を使用す場合には、図3に示すよ
うに、まず、押し出し機15のホッパー16から材料5
(粉,粒体の熱可塑性エラストマー)を供給し、シリン
ダ17内で溶融したのち、ダイ18に押し出す。つぎ
に、このダイ18に、図4に示すように、複数の補強糸
4(図面では、1本の補強糸4しか見えない)を並列状
にガイド23に通し、各補強糸4の外周部をダイ18に
押し出された溶融材料5で被覆しながら、この溶融材料
5をヒーター19,20で加熱,固化して、テープ状体
を作製することが行われる。図3において、21はスク
リューで、21aはスクリューねじ山である。また、図
4において、22はダイ本体で、24は溶融材料5の通
路である。一方、ディップ被覆する場合には、図5に示
すように、複数の補強糸4(図面では、1本の補強糸4
しか見えない)を並列状に並べて貯槽13内の溶融材料
5(熱溶融させた熱可塑性エラストマー)に浸漬して各
補強糸4の外周部を溶融材料5で被覆したのち、冷却槽
14に通して固化し、テープ状体6を作製することが行
われる(図6参照)。図において、27〜29は回転ロ
ールである。
で被覆し一体化してテープ状体を作製する方法として
は、押し出し機を使用する方法、ディップ被覆する方法
等がある。押し出し機を使用す場合には、図3に示すよ
うに、まず、押し出し機15のホッパー16から材料5
(粉,粒体の熱可塑性エラストマー)を供給し、シリン
ダ17内で溶融したのち、ダイ18に押し出す。つぎ
に、このダイ18に、図4に示すように、複数の補強糸
4(図面では、1本の補強糸4しか見えない)を並列状
にガイド23に通し、各補強糸4の外周部をダイ18に
押し出された溶融材料5で被覆しながら、この溶融材料
5をヒーター19,20で加熱,固化して、テープ状体
を作製することが行われる。図3において、21はスク
リューで、21aはスクリューねじ山である。また、図
4において、22はダイ本体で、24は溶融材料5の通
路である。一方、ディップ被覆する場合には、図5に示
すように、複数の補強糸4(図面では、1本の補強糸4
しか見えない)を並列状に並べて貯槽13内の溶融材料
5(熱溶融させた熱可塑性エラストマー)に浸漬して各
補強糸4の外周部を溶融材料5で被覆したのち、冷却槽
14に通して固化し、テープ状体6を作製することが行
われる(図6参照)。図において、27〜29は回転ロ
ールである。
【0017】上記テープ状体をリング状に形成する方法
としては、図7に示すような巻き取り装置が用いられ
る。この巻き取り装置は、ターンテーブル等に固定され
た一対の円柱状巻き取り具25と、上記ターンテーブル
等に両巻き取り具25間の中央位置で固定された一対の
加熱体(熱融着体)26を備えている。そして、まず、
テープ状体の始端部6aを加熱体の一方に熱融着により
固定し、ついで、ターンテーブル等を回転させることに
より両巻き取り具25にテープ状体をリング状に巻回す
る。この巻回の際に、順次積層されていくテープ状体に
各加熱体26の熱が伝熱で伝わってその内側のテープ状
体に熱融着する。そして、上記ターンテーブル等を所定
回数回転させて両巻き取り具25にテープ状体を所定回
数巻回させたのち、テープ状体の終端部をその内側のテ
ープ状体に熱融着し、ここで切断することが行われる。
この方法では、テープ状体の始端部6a,終端部等の固
定力が補強糸の被覆材料(熱可塑性エラストマー)の強
度に依存しており、この熱可塑性エラストマーの選択に
より強固に固定できるうえ、リング状に形成されたテー
プ状体の始端部6a,終端部以外にも、相対峙する2箇
所で熱融着されるため、テープ状体がほどけることがな
い。また、接着剤を用いる方法や被覆材料自体の粘着性
を利用する方法も考えられる。これらの方法でも、積層
されるテープ状体同士を所定個所で接合してテープ状体
がほどけないようにすることが好ましい。また、この接
合は、テープ状体の全長にわたって行ってもよい。
としては、図7に示すような巻き取り装置が用いられ
る。この巻き取り装置は、ターンテーブル等に固定され
た一対の円柱状巻き取り具25と、上記ターンテーブル
等に両巻き取り具25間の中央位置で固定された一対の
加熱体(熱融着体)26を備えている。そして、まず、
テープ状体の始端部6aを加熱体の一方に熱融着により
固定し、ついで、ターンテーブル等を回転させることに
より両巻き取り具25にテープ状体をリング状に巻回す
る。この巻回の際に、順次積層されていくテープ状体に
各加熱体26の熱が伝熱で伝わってその内側のテープ状
体に熱融着する。そして、上記ターンテーブル等を所定
回数回転させて両巻き取り具25にテープ状体を所定回
数巻回させたのち、テープ状体の終端部をその内側のテ
ープ状体に熱融着し、ここで切断することが行われる。
この方法では、テープ状体の始端部6a,終端部等の固
定力が補強糸の被覆材料(熱可塑性エラストマー)の強
度に依存しており、この熱可塑性エラストマーの選択に
より強固に固定できるうえ、リング状に形成されたテー
プ状体の始端部6a,終端部以外にも、相対峙する2箇
所で熱融着されるため、テープ状体がほどけることがな
い。また、接着剤を用いる方法や被覆材料自体の粘着性
を利用する方法も考えられる。これらの方法でも、積層
されるテープ状体同士を所定個所で接合してテープ状体
がほどけないようにすることが好ましい。また、この接
合は、テープ状体の全長にわたって行ってもよい。
【0018】成形型を用いて筒状体,補強材,弾性体を
一体化する方法としては、型加硫等のプレス加硫や、注
型成形,インジェクション成形等が行われる。
一体化する方法としては、型加硫等のプレス加硫や、注
型成形,インジェクション成形等が行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図
面にもとづいて説明する。
面にもとづいて説明する。
【0020】図1は本発明のステアリングカップリング
(弾性軸継手)の一実施の形態を示す拡大断面図であ
る。図において、1は4つの貫通丸穴1aが同心円状に
(すなわち、仮想円周上に)等間隔をあけて穿設された
円盤状の天然ゴム製弾性体であり、この弾性体1の各貫
通丸穴1aにそれぞれ円筒状の金属製カラー(筒状体)
2a〜2dが固着されている。また、上記弾性体1に
は、図2に示すように、その内部に4つのリング状の補
強材3が埋設されており、各補強材3が隣り合うカラー
2a〜2d同士に袈裟掛け状に架設されている。上記補
強材3は、テープ(テープ状体)6を3重に巻回してリ
ング状体に形成したもので構成されており、このテープ
6は、並列状に並ぶ4本のポリエステル製補強糸4をエ
ステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)5で被覆し
一体化したものからなる。図において、7は弾性体1の
中央に穿設された貫通丸穴である。
(弾性軸継手)の一実施の形態を示す拡大断面図であ
る。図において、1は4つの貫通丸穴1aが同心円状に
(すなわち、仮想円周上に)等間隔をあけて穿設された
円盤状の天然ゴム製弾性体であり、この弾性体1の各貫
通丸穴1aにそれぞれ円筒状の金属製カラー(筒状体)
2a〜2dが固着されている。また、上記弾性体1に
は、図2に示すように、その内部に4つのリング状の補
強材3が埋設されており、各補強材3が隣り合うカラー
2a〜2d同士に袈裟掛け状に架設されている。上記補
強材3は、テープ(テープ状体)6を3重に巻回してリ
ング状体に形成したもので構成されており、このテープ
6は、並列状に並ぶ4本のポリエステル製補強糸4をエ
ステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)5で被覆し
一体化したものからなる。図において、7は弾性体1の
中央に穿設された貫通丸穴である。
【0021】上記ステアリングカップリングを、つぎの
ようにして作製することができる。すなわち、まず、図
8に示すように、補強糸4を多重に巻回した円筒体10
を4個用意するとともに、成形型(図示せず)を1個用
意する。この成形型には、図9に示すように、その下型
11の円柱状の成形空間11aの下面11bに同心円状
に等間隔をあけて4つの丸形凹部(図示せず)が穿設さ
れており、各丸形凹部にカラー2a〜2dの下部が嵌合
されている。これにより、上記下型11の成形空間11
a内にカラー2a〜2dが同心円状に等間隔をあけて配
設されている。図9において、12はステアリングカッ
プリングの貫通丸穴7(図2参照)を作製するための円
柱状ピンである。ついで、各円筒体10から補強糸4を
引き出して並列状に引き揃え、図5に示すように、上記
引き揃えた補強糸4を貯槽13に導入し、この貯槽13
に貯留された溶融TPEE5に浸漬し、このTPEE5
で各補強糸4の外周部を被覆する。つぎに、各補強糸4
を並列状に引き揃えたままで冷却槽14に通して上記溶
融TPEE5を固化する。これにより、4本の補強糸4
を一体化したテープ6を作製する(図6参照)。つぎ
に、このテープ6を、図7に示すような巻き取り装置の
両巻き取り具25に巻き取る。そして、この巻き取り装
置により、テープ6を3重に巻回したリング状の補強材
3を4つ作製する。図8において、30a〜30cは回
転ロールである。つぎに、これら4つの補強材3を巻き
取り装置から取り外し、図10に示すように、成形型内
の4つのカラー2a〜2dに袈裟掛け状に架設する。こ
のとき、各カラー2a〜2dは成形型に位置決め,固定
されているため動かない。この状態で、成形型内に未加
硫の天然ゴム材料を注入し、加硫して、製品化する。
ようにして作製することができる。すなわち、まず、図
8に示すように、補強糸4を多重に巻回した円筒体10
を4個用意するとともに、成形型(図示せず)を1個用
意する。この成形型には、図9に示すように、その下型
11の円柱状の成形空間11aの下面11bに同心円状
に等間隔をあけて4つの丸形凹部(図示せず)が穿設さ
れており、各丸形凹部にカラー2a〜2dの下部が嵌合
されている。これにより、上記下型11の成形空間11
a内にカラー2a〜2dが同心円状に等間隔をあけて配
設されている。図9において、12はステアリングカッ
プリングの貫通丸穴7(図2参照)を作製するための円
柱状ピンである。ついで、各円筒体10から補強糸4を
引き出して並列状に引き揃え、図5に示すように、上記
引き揃えた補強糸4を貯槽13に導入し、この貯槽13
に貯留された溶融TPEE5に浸漬し、このTPEE5
で各補強糸4の外周部を被覆する。つぎに、各補強糸4
を並列状に引き揃えたままで冷却槽14に通して上記溶
融TPEE5を固化する。これにより、4本の補強糸4
を一体化したテープ6を作製する(図6参照)。つぎ
に、このテープ6を、図7に示すような巻き取り装置の
両巻き取り具25に巻き取る。そして、この巻き取り装
置により、テープ6を3重に巻回したリング状の補強材
3を4つ作製する。図8において、30a〜30cは回
転ロールである。つぎに、これら4つの補強材3を巻き
取り装置から取り外し、図10に示すように、成形型内
の4つのカラー2a〜2dに袈裟掛け状に架設する。こ
のとき、各カラー2a〜2dは成形型に位置決め,固定
されているため動かない。この状態で、成形型内に未加
硫の天然ゴム材料を注入し、加硫して、製品化する。
【0022】上記のように、補強材3が、4本の補強糸
4を一体化してなるテープ6を積層状に巻回することに
より作製されているため、4本の補強糸4が揃ってリン
グ状になり、補強材3のリング形状が均一になりやす
い。しかも、上記テープ6は、熱可塑性エラストマー5
をバインダーとして用いたものであるため、テープ6に
各補強糸4を強固に保持することができる。したがっ
て、補強材3のリング形状の保形力が強く、しかも、各
補強糸4がばらけることがない。また、補強糸4がばら
けないことから、補強糸4の端部が弾性体1から飛び出
して製品表面へ露出することがない。さらに、補強糸4
が熱可塑性エラストマー5で被覆されているため、補強
材4に直接弾性体1が触れることがなく、弾性体1をゴ
ム材料で作製した場合にも、ゴム配合薬品(アミン)に
よる補強糸4の劣化を防ぐことができる。そのうえ、各
補強糸4に熱可塑性エラストマー5を被覆・固化する作
業が数十秒で可能であり、生産性に優れる。さらに、補
強材3は硬化状態にあるため、巻き取り機や成形型等に
付着することがなく、補強材3のリング形状の崩れが起
こらない。
4を一体化してなるテープ6を積層状に巻回することに
より作製されているため、4本の補強糸4が揃ってリン
グ状になり、補強材3のリング形状が均一になりやす
い。しかも、上記テープ6は、熱可塑性エラストマー5
をバインダーとして用いたものであるため、テープ6に
各補強糸4を強固に保持することができる。したがっ
て、補強材3のリング形状の保形力が強く、しかも、各
補強糸4がばらけることがない。また、補強糸4がばら
けないことから、補強糸4の端部が弾性体1から飛び出
して製品表面へ露出することがない。さらに、補強糸4
が熱可塑性エラストマー5で被覆されているため、補強
材4に直接弾性体1が触れることがなく、弾性体1をゴ
ム材料で作製した場合にも、ゴム配合薬品(アミン)に
よる補強糸4の劣化を防ぐことができる。そのうえ、各
補強糸4に熱可塑性エラストマー5を被覆・固化する作
業が数十秒で可能であり、生産性に優れる。さらに、補
強材3は硬化状態にあるため、巻き取り機や成形型等に
付着することがなく、補強材3のリング形状の崩れが起
こらない。
【0023】なお、上記実施の形態では、1本のテープ
6を作製するのに、4本の補強糸4を用いているが、2
本以上であれば何本でもよく、好適には、5〜10本用
いられる。また、テープ6を3回巻回してリング状の補
強材3を作製しているが、何回巻回してもよく、好適に
は、3〜8回巻回される。
6を作製するのに、4本の補強糸4を用いているが、2
本以上であれば何本でもよく、好適には、5〜10本用
いられる。また、テープ6を3回巻回してリング状の補
強材3を作製しているが、何回巻回してもよく、好適に
は、3〜8回巻回される。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の弾性軸継手によ
れば、リング状補強材が、(複数の補強糸を一体化して
なる)テープ状体を積層状に巻回等することにより作製
されているため、複数の補強糸が揃ってリング状にな
り、補強材のリング形状が均一になりやすい。しかも、
上記テープ状体は、熱可塑性エラストマーをバインダー
として用い、この熱可塑性エラストマーで被覆された複
数の補強糸を並列状に配設した状態で固化して一体化し
たものであるため、テープ状体に複数の補強糸を強固に
保持することができる。したがって、補強材のリング形
状の保形力が強く、しかも、各補強糸がばらけることが
なく、捩じりばね特性のばらつきを大幅に低減すること
ができ、所望の捩じりばね特性を満足することができる
ようになる。また、上記のように、補強糸がばらけない
ことから、補強糸の端部が弾性体から飛び出して製品表
面へ露出することがない。そのうえ、補強糸が熱可塑性
エラストマーで被覆されているため、補強材に直接弾性
体が触れることがなく、弾性体をゴム材料で作製した場
合にも、ゴム配合薬品(アミン)による補強糸の劣化を
防ぐことができ、ゴム材料の自由度も高くなる。
れば、リング状補強材が、(複数の補強糸を一体化して
なる)テープ状体を積層状に巻回等することにより作製
されているため、複数の補強糸が揃ってリング状にな
り、補強材のリング形状が均一になりやすい。しかも、
上記テープ状体は、熱可塑性エラストマーをバインダー
として用い、この熱可塑性エラストマーで被覆された複
数の補強糸を並列状に配設した状態で固化して一体化し
たものであるため、テープ状体に複数の補強糸を強固に
保持することができる。したがって、補強材のリング形
状の保形力が強く、しかも、各補強糸がばらけることが
なく、捩じりばね特性のばらつきを大幅に低減すること
ができ、所望の捩じりばね特性を満足することができる
ようになる。また、上記のように、補強糸がばらけない
ことから、補強糸の端部が弾性体から飛び出して製品表
面へ露出することがない。そのうえ、補強糸が熱可塑性
エラストマーで被覆されているため、補強材に直接弾性
体が触れることがなく、弾性体をゴム材料で作製した場
合にも、ゴム配合薬品(アミン)による補強糸の劣化を
防ぐことができ、ゴム材料の自由度も高くなる。
【0025】一方、本発明の製法によれば、(複数の補
強糸を一体化してなる)テープ状体を積層状に巻回等す
ることによりリング状補強材化しているため、複数の補
強糸を揃えてリング状に形成することができ、補強材の
リング形状が均一になりやすい。しかも、上記テープ状
体は、熱可塑性エラストマーをバインダーとして用い、
この熱可塑性エラストマーで被覆された複数の補強糸を
並列状に配設した状態で固化して一体化したものである
ため、テープ状体に複数の補強糸を強固に保持すること
ができる。したがって、補強材のリング形状の保形力が
強く、しかも、各補強糸がばらけることがなく、ゴム注
入時におけるゴム注入圧等、筒状体とテープ状体と弾性
体を一体化する際に補強材のリング形状が崩れることが
ない。したがって、捩じりばね特性のばらつきを大幅に
低減することができ、所望の捩じりばね特性を満足する
ことができるようになる。さらに、補強糸がばらけない
ため、補強糸の端部が弾性体から飛び出して製品表面へ
露出することがない。そのうえ、補強糸が熱可塑性エラ
ストマーで被覆されているため、補強材に直接弾性体が
触れることがなく、弾性体をゴム材料で作製した場合に
も、ゴム配合薬品(アミン)による補強糸の劣化を防ぐ
ことができ、ゴム材料の自由度も高くなる。そのうえ、
複数の補強糸に熱可塑性エラストマーを被覆して固化す
る作業が数十秒で可能であり、生産性に優れる。さら
に、リング状補強材は硬化状態にあるため、(補強糸を
リング状に形成するための)巻き取り機等から補強材を
取り外して成形型内の筒状体にセットする際に、補強材
が巻き取り機や成形型等に付着することがなく、補強材
のリング形状の崩れが起こらない。
強糸を一体化してなる)テープ状体を積層状に巻回等す
ることによりリング状補強材化しているため、複数の補
強糸を揃えてリング状に形成することができ、補強材の
リング形状が均一になりやすい。しかも、上記テープ状
体は、熱可塑性エラストマーをバインダーとして用い、
この熱可塑性エラストマーで被覆された複数の補強糸を
並列状に配設した状態で固化して一体化したものである
ため、テープ状体に複数の補強糸を強固に保持すること
ができる。したがって、補強材のリング形状の保形力が
強く、しかも、各補強糸がばらけることがなく、ゴム注
入時におけるゴム注入圧等、筒状体とテープ状体と弾性
体を一体化する際に補強材のリング形状が崩れることが
ない。したがって、捩じりばね特性のばらつきを大幅に
低減することができ、所望の捩じりばね特性を満足する
ことができるようになる。さらに、補強糸がばらけない
ため、補強糸の端部が弾性体から飛び出して製品表面へ
露出することがない。そのうえ、補強糸が熱可塑性エラ
ストマーで被覆されているため、補強材に直接弾性体が
触れることがなく、弾性体をゴム材料で作製した場合に
も、ゴム配合薬品(アミン)による補強糸の劣化を防ぐ
ことができ、ゴム材料の自由度も高くなる。そのうえ、
複数の補強糸に熱可塑性エラストマーを被覆して固化す
る作業が数十秒で可能であり、生産性に優れる。さら
に、リング状補強材は硬化状態にあるため、(補強糸を
リング状に形成するための)巻き取り機等から補強材を
取り外して成形型内の筒状体にセットする際に、補強材
が巻き取り機や成形型等に付着することがなく、補強材
のリング形状の崩れが起こらない。
【図1】本発明のステアリングカップリングの一実施の
形態の拡大断面図である。
形態の拡大断面図である。
【図2】上記ステアリングカップリングの平面図であ
る。
る。
【図3】押し出し機の説明図である。
【図4】ダイの説明図である。
【図5】ディップ被覆方法の説明図である。
【図6】冷却槽の説明図である。
【図7】巻き取り装置の説明図である。
【図8】ステアリングカップリングの製造方法の説明図
である。
である。
【図9】成形型の下型にカラーを配設した状態を示す平
面図である。
面図である。
【図10】上記カラーに補強材を架設した状態を示す平
面図である。
面図である。
【図11】従来例のステアリングカップリングの平面図
である。
である。
【図12】従来例のステアリングカップリングの断面図
である。
である。
【図13】ステアリングカップリングの使用状態の説明
図である。
図である。
【図14】従来例のステアリングカップリングの作製方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図15】従来例のステアリングカップリングの作製方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図16】他の従来例の説明図である。
1 弾性体 1a 貫通丸穴 2a〜2d カラー 3 補強材 4 補強糸 5 熱可塑性エラストマー 6 テープ
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の貫通穴が同心円状に穿設された弾
性体と、上記弾性体の各貫通穴に固着された複数の筒状
体と、隣り合う2つの筒状体に袈裟掛け状に架設され上
記弾性体内に埋設されたリング状補強材とを備え、上記
補強材が、熱可塑性エラストマーで被覆された複数の補
強糸を並列状に配設した状態で一体化してなるテープ状
体の複数本の積層体であることを特徴とする弾性軸継
手。 - 【請求項2】 成形型内に複数の筒状体を成形空間の中
心を囲うように所定間隔で配置する工程と、溶融した熱
可塑性エラストマーで複数の補強糸を被覆することによ
り得られた補強糸を並列状に揃えた状態で熱可塑性エラ
ストマーを固化し全体をテープ状体にする工程と、上記
テープ状体を複数本積層した状態でリング状に形成しリ
ング状補強材化する工程と、上記リング状に形成したテ
ープ状体を成形型内の隣り合う2つの筒状体に袈裟掛け
状に架設する工程と、上記成形型内を弾性体で埋めて上
記複数の筒状体とテープ状体と弾性体とを一体化する工
程を備えたことを特徴とする弾性軸継手の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20391996A JPH1047366A (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 弾性軸継手およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20391996A JPH1047366A (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 弾性軸継手およびその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1047366A true JPH1047366A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16481872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20391996A Pending JPH1047366A (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 弾性軸継手およびその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1047366A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2600018A3 (de) * | 2011-12-02 | 2017-11-29 | Süddeutsche Gelenkscheibenfabrik GmbH & Co. KG | Elastischer Gelenkkörper |
-
1996
- 1996-08-01 JP JP20391996A patent/JPH1047366A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2600018A3 (de) * | 2011-12-02 | 2017-11-29 | Süddeutsche Gelenkscheibenfabrik GmbH & Co. KG | Elastischer Gelenkkörper |
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