JPH1046152A - 表面処理難燃性有機粉体およびその樹脂組成物 - Google Patents

表面処理難燃性有機粉体およびその樹脂組成物

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JPH1046152A
JPH1046152A JP20577196A JP20577196A JPH1046152A JP H1046152 A JPH1046152 A JP H1046152A JP 20577196 A JP20577196 A JP 20577196A JP 20577196 A JP20577196 A JP 20577196A JP H1046152 A JPH1046152 A JP H1046152A
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JP
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flame
retardant
powder
resin
treated
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JP20577196A
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English (en)
Inventor
Yasunori Shinko
泰憲 新子
Yasuyoshi Miyaji
保好 宮地
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散性および耐熱性の優れた表面処理難燃性
有機粉体を提供すること、ならびに該粉体を用いた難燃
性、流動性、耐熱性良好な難燃性樹脂組成物を提供する
こと。 【解決手段】 難燃性塩素系粉体、難燃性臭素系粉体、
難燃性有機リン系粉体もしくはその金属塩、または難燃
性有機窒素系粉体の表面をアルミニウム系表面処理剤剤
により処理し、それを熱可塑性樹脂および/または熱硬
化性樹脂に配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性ならびに表面処理により分散性が改善
された表面処理難燃性有機粉体、及び該表面処理難燃性
有機粉体を含有する熱可塑性または熱硬化性樹脂組成物
に関する。本発明の難燃性樹脂組成物は例えば電気およ
び電子部品用途、建築材料等の難燃性が要求される分野
等に有用である。
【0002】
【従来の技術】各種樹脂の難燃化に各種難燃性塩素系化
合物、難燃性臭素系化合物、難燃性リン系化合物、難燃
性有機窒素系粉体化合物等の有機難燃剤、および酸化ア
ンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
赤燐等の無機難燃剤が単独または併用して用いられてい
ることは周知の事実である。
【0003】上述の化合物は一般に固体(粉体)であり
且つ高融点であることが多く、それ故に液状化合物を用
いた場合と比較して樹脂への分散性がどうしても悪くな
ってしまう。その結果、これらの粉体を各種樹脂に配合
した場合、液状の難燃剤と比較して配合物の外観や物
性、例えば衝撃強度、難燃性等が低下してしまうことが
知られている。
【0004】上記の問題に対し、例えば無機難燃剤の表
面処理を行うことで難燃剤の樹脂への分散性の改善、配
合物の物性や難燃性の向上、高充填化を行うことが報告
されている(特開昭63−268752、特開昭57−
108164等)。
【0005】また、有機難燃剤を脂肪酸やそのエステ
ル、脂肪酸アミド、非イオン性界面活性剤、両性界面活
性剤等の低分子化合物やメラミン/ホルムアルデヒド樹
脂等の高分子化合物により難燃剤をマイクロカプセル化
したり、表面をコーティングすることにより、分散性、
難燃性を改善できることが報告されている(特開昭62
−253610、特開平7−157652、特公昭61
−11977、特開昭58−138746、特開昭54
−90246、特公昭56−15738等)。
【0006】近年、難燃性樹脂組成物の製造において、
種々の要因から混練および成形時のハイフロー化、混練
温度や成形温度の向上等が求められている。この目的の
ため、特に樹脂に有機または無機フィラーが添加されて
いる場合、耐熱性良好な分散性改良剤の使用が必須であ
る。しかしながら、上記の低分子化合物を用いて難燃性
有機粉体を表面処理した場合、高温での混練、成形、加
工時に難燃性有機粉体の表面上の表面処理剤が揮発して
しまい、その結果粉体の分散不良や成形物の難燃性の低
下をもたらすという欠点があった。また、上記の高分子
化合物で難燃性有機粉体を表面処理しようとする際に
は、表面処理剤が逆に凝集剤として作用してしまい、難
燃性有機粉体の分散不良、配合物の難燃性低下となるば
かりではなく、増粘剤としても作用してしまい混練、成
形時の加工性を低下させてしまうという欠点があった。
更に、この高分子化合物で難燃性有機粉体を被覆する場
合には、例えばモノマーを懸濁重合させながら難燃性有
機粉体を被覆したり、ポリマーを溶解した溶媒中で一旦
難燃性有機粉体を被覆した後に溶媒を留去する必要があ
り、作業も繁雑で時間がかかるため、コストの面からも
実用的ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、難燃
性塩素系粉体、難燃性臭素系粉体、難燃性有機リン系粉
体およびその金属塩、難燃性有機窒素系粉体の様な難燃
性有機粉体を上述の様な条件下使用する場合に、流動性
および耐熱性の優れた表面処理難燃性有機粉体を提供す
ること、ならびに該粉体を用いた難燃性、流動性、耐熱
性良好な難燃性樹脂組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決するために鋭意検討重ねた結果、表面処理に用いる
表面処理剤として耐熱性の高いアルミニウム系化合物を
用いることにより、分散性、流動性および耐熱性の優れ
た表面処理された難燃性有機粉体が得られることを見出
すとともに、該粉体を用いることにより難燃性、耐熱性
および流動性良好な難燃性樹脂組成物が得られることを
見出し本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は難燃性塩素系粉体、難
燃性臭素系粉体、難燃性有機リン系粉体もしくはその金
属塩、または難燃性有機窒素系粉体のうちいずれか少な
くとも一つをアルミニウム系表面処理剤により処理した
表面処理難燃性有機粉体、ならびに該表面処理難燃性有
機粉体を熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂10
0重量部に対して0.1〜50重量部含有することを特
徴とする難燃性樹脂組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いる難燃性塩素系粉
体、難燃性臭素系粉体、有機リン系粉体およびその金属
塩、有機窒素系粉体とは、常温(25℃)にて固体であ
って、さらにその平均粒径がおおよそ0.1μm〜10
00μmの粉体化合物である。
【0011】本発明に用いる難燃性塩素系粉体とは分子
中に塩素を含有し難燃性を示す化合物であるが、例えば
パークロロシクロペンタデカン、塩素化ポリエチレン樹
脂、塩素化パラフィン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビ
ニル樹脂が挙げられる。難燃性塩素系粉体における塩素
含有率は難燃性を示せば特に限定されるものではない
が、樹脂への難燃剤の配合量を考慮した場合、塩素含有
率が10%以上のものが好ましい。
【0012】本発明に用いる難燃性臭素系粉体とは分子
中に臭素を含有し難燃性を示す化合物であるが、例えば
デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニ
ルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、臭素化
ビスフェノール−Aおよびそのオリゴマー、ヘキサブロ
モシクロドデカン、エチレンビステトラブロモフタルイ
ミド、エチレンビスペンタブロモジフェニルが挙げられ
る。難燃性臭素系粉体における臭素含有率は難燃性を示
せば特に限定されるものではないが、樹脂への難燃剤の
配合量を考慮した場合、臭素含有率が10%以上のもの
が好ましい。
【0013】本発明に用いる難燃性有機リン系粉体とは
分子中にリンを含有し難燃性を示す化合物であるが、例
えばリン酸トリアリールエステル、リン酸ジアリールエ
ステルの金属塩、リン酸モノアリールエステルの金属
塩、リン酸ジアルキルエステルの金属塩、リン酸モノア
ルキルエステルの金属塩、リン酸ジアリールエステルの
アンモニウム塩、リン酸モノアリールエステルのアンモ
ニウム塩、リン酸ジアルキルエステルのアンモニウム
塩、リン酸モノアルキルエステルのアンモニウム塩、リ
ン酸ジアリールエステルのアミン塩、リン酸モノアリー
ルエステルのアミン塩、リン酸ジアルキルエステルのア
ミン塩、リン酸モノアルキルエステルのアミン塩、リン
酸のアミン塩等が挙げられる。難燃性有機リン系粉体に
おけるリン含有率は難燃性を示せば特に限定されるもの
ではないが、樹脂への難燃剤の配合量を考慮した場合、
リン含有率が1%以上のものが好ましい。
【0014】具体的にはリン酸トリフェニル、リン酸ト
リス(2,6−キシレニル)、リン酸ジフェニルのAl
塩、リン酸モノフェニルのAl塩、リン酸ジブチルのA
l塩、リン酸モノブチルのAl塩、リン酸ジフェニルの
Mg塩、リン酸モノフェニルのMg塩、リン酸ジブチル
のMg塩、リン酸モノブチルのMg塩、リン酸ジフェニ
ルのアンモニウム塩、リン酸モノフェニルのアンモニウ
ム塩、リン酸ジブチルのアンモニウム塩、リン酸モノブ
チルのアンモニウム塩、リン酸ジフェニルのトリエチル
アミン塩、リン酸モノフェニルのトリエチルアミン塩、
リン酸ジブチルのトリエチルアミン塩、リン酸モノブチ
ルのトリエチルアミン塩、リン酸のトリエチルアミン
塩、リン酸ジフェニルのメラミン塩、リン酸モノフェニ
ルのメラミン塩、リン酸のメラミン塩等が挙げられる。
【0015】本発明に於ける難燃性有機窒素系粉体は例
えばメラミン、メラミンシアヌレート、サクシノグアナ
ミン、アジポグアナミン、メチルグルタログアナミン、
CTU−グアナミン等が挙げられる。難燃性有機窒素系
粉体における窒素含有率は難燃性を示せば特に限定され
るものではないが、樹脂への難燃剤の配合量を考慮した
場合、窒素含有率が10%以上であることが好ましい。
【0016】これら列挙した難燃性有機粉体は、単独で
使用しても複数を併用して使用しても良く、その配合物
が難燃性を示すものであれば良い。
【0017】本発明のアルミニウム系表面処理剤とはア
ルミニウムアルコキシドの一部をアセト酢酸エステル、
カルボン酸やアルコールで置換したものであり、構造は
特に限定されず、モノマー型、ポリマー型いずれのもの
でも差し支えない。本化合物の一般的調製方法は例えば
特公昭61−26830に記載されている。具体的なア
ルミニウムキレート化合物として、例えばジイソプロポ
キシアルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノ
イソプロポキシアルミニウムピスオレイルアセトアセテ
ート、モノイソプロポキシアルミニウムモノメタアクリ
レートモノオレイルアセトアセテート、モノイソプロポ
キシアルミニウムモノオレエートモノエチルアセトアセ
テート、モノイソプロポキシアルミニウムモノエチルア
セトアセテートモノオレイルアセトアセテート、ジイソ
プポキシアルミニウムモノラウリルアセトアセテート、
ジイソプロポキシアルミニウムモノステアリルアセトア
セテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノイソステ
アリルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニ
ウムビスオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキ
シアルミニウムモノメタアクリレートモノオレイルアセ
トアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノオ
レエートモノエチルアセトアセテート、モノイソプロポ
キシアルミニウムモノオレイルアルコキシドモノエチル
アセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモ
ノロジネ一トモノラウリルアセトアセテート、ジイソプ
ロポキシアルミニウムモノアビエチルアセトアセテ一
ト、およびモノイソプロポキシアルミニウムモノ−N−
ラウロイル−β−アラネートモノラウリルアセトアセテ
ートなどが挙げられる。
【0018】このアルミニウム系表面処理剤は塩基性を
示し、本発明に用いる難燃性塩素系粉体、難燃性臭素系
粉体、難燃性有機リン系粉体およびその金属塩、難燃性
有機窒素系粉体を含め一般に有機粉体の表面は酸性であ
ることから互いの親和性が非常に高く、従って高い表面
処理効果を達成することが出来る。酸性の表面処理剤を
用いた場合、表面処理剤と被処理粉体との電気的反発に
より所望の処理効果を得ることが出来ない。
【0019】アルミニウム系表面処理剤を難燃性塩素系
粉体、難燃性臭素系粉体、難燃性有機リン系粉体および
その金属塩、難燃性有機窒素系粉体に対して用いる際
に、当該表面処理剤をそのまま用いればよいが、当該表
面処理剤の製造課程におけるアルコールまたは溶媒の溜
去前の反応生成物をそのまま使用してもよい。また、ア
ルミニウム系表面処理剤以外の表面処理剤や、複数のア
ルミニウム系表面処理剤を問題の起こらない範囲で併用
しても何ら差し支えない。本発明に用いられる表面処理
剤の添加量は難燃性塩素系粉体、難燃性臭素系粉体、難
燃性有機リン系粉体およびその金属塩、難燃性有機窒素
系粉体の種類、比表面積及びその表面に結合した水分量
によっても異なるが、用いるこれらの難燃性有機粉体に
対して0.05〜20重量%、好ましくは0.2〜10
重量%である。又、表面処理法としては、1)難燃性有
機粉体にアルミニウム系表面処理剤をそのまま添加しヘ
ンシェルミキサー、ボールミル、アトマイザー、コロイ
ドミル等の粉砕機を用いて共粉砕する方法、2)トルエ
ン、キシレン、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、
メチルエチルケトン、アセトン、アセトニトリル、四塩
化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチ
レン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の適当
な有機溶媒中に粉体化合物と共に加え、撹拌、混合後、
溶媒を除去する方法、3)熱可塑性および/または熱硬
化性樹脂と被表面処理難燃性有機粉体の混合物中に直接
アルミニウム系表面処理剤を添加し、一軸混練機、二軸
混練機、バンバリーミキサー、熱ロール等で混合処理す
る方法等が挙げられる。
【0020】熱可塑性樹脂とはスチレン樹脂、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタク
リル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレン
エーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂等であるが、これらに限定
されるものではない。
【0021】熱硬化性樹脂とはエポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リウレタン樹脂等であるが、これに限定されるものでは
ない。
【0022】また上述の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂は
単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよく、組み
合わせた例として例えば熱硬化性ウレタンエラストマー
が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0023】また本発明の表面処理難燃性有機粉体は、
必要に応じて液状の難燃剤、例えばトリクレジルホスフ
ェート、レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、
トリブチルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェ
ート、ジメチルメチルホスホネート、トリブチルホスフ
ィンオキシド等の液状リン化合物、塩素化パラフィン等
の液状塩素化合物と併用することが出来、これらの液状
化合物の併用は本発明の特徴を損なうものではない。
【0024】さらに、本発明の難燃性樹脂組成物は、必
要に応じて通常各種樹脂への添加剤として用いられる、
安定剤、顔料、可塑剤、滑剤、整泡剤、発泡剤等と併用
することが出来、これらの各種添加剤の併用は本発明の
特徴を損なうものでもない。
【0025】本発明の表面処理難燃性有機粉体を熱可塑
性樹脂および/または熱硬化性樹脂へ混練する方法とし
ては、例えば、一軸混練機、二軸混練機、バンバリーミ
キサー、熱ロール等で混合処理する方法等が挙げられる
が、通常混連に用いられる方法であれば特に限定されな
い。
【0026】熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂
への本発明の表面処理された難燃性有機粉体の添加量
は、樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部含有
することが好ましい。添加量が樹脂100重量部に対し
て0.1重量部未満の場合、添加する樹脂に対して所望
の難燃性を付与することが出来ない。また添加量が樹脂
100重量部に対して50重量部より多い場合、配合物
の諸物性、例えば機械的強度等の低下を引き起こす。
【0027】尚、上述の表面処理剤により表面処理され
た本発明の表面処理された難燃性有機粉体と熱可塑性お
よび/または熱硬化性樹脂との混練、混合に際しては周
知の方法によって行うことが出来る。
【0028】本発明の表面処理された難燃性有機粉体
は、上述の様に被処理難燃性有機粉体を耐熱性が高く、
かつ被処理難燃性有機粉体の表面と親和性の高い表面処
理剤を用いて処理しているため、混練、成形加工時の温
度が高い場合でも表面処理剤の揮発による処理効果の低
減が抑制され、同粉体の配合物が混練、成形加工時に高
い流動性、分散性を保持することができ、従って樹脂を
難燃化する際に必要な難燃性有機粉体の添加量を未表面
処理難燃性有機粉体と比較して減らすことが可能とな
る。
【0029】
【実施例】以下、製造例、実施例、比較例により本発明
を具体的に説明する。尚、各例における「部」および
「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0030】製造例1.アルミニウム系表面処理剤の製
造 四つロフラスコに攪はん機、温度計、滴下ロート、冷却
器を付し、このフラスコ中にアルミニウムイソプロピラ
ート204g(1モル)を加え、滴下ロートよりアセト
酢酸オレイルエステル370g(1モル)を攪はん下、
液温を50〜60℃に保つて30分間で滴下した。滴下
終了後徐々に温度を上げ130℃とし、同温度反応で生
成するイソプロパノールを留出させながら攪はん下に反
応を行った。イソプロパノールの留出が止まった後、更
に15分反応させた後冷却し、油状液体のジイソプロポ
キシアルミニウムオレイルアセトアセテート415g
(表面処理剤A)を得た。
【0031】実施例1.表面処理剤として製造例1の表
面処理剤Aを10℃/minの昇温速度で熱重量分析を
行い、100、200、300℃での重量減少率(重量
%)を測定した。(使用機器:(株)リガク製、TAS
−200システム)
【0032】比較例1.表面処理剤としてステアリン酸
(試薬、和光純薬工業(株)製)を用いる以外は実施例
1と同様の操作を行った。
【0033】比較例2.表面処理剤としてポリアミド樹
脂(三洋化成工業(株)製、ポリマイドS−40E、平
均分子量約30,000)を用いる以外は実施例1と同
様の操作を行った。
【0034】実施例1、比較例1〜2の結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から実施例1および比較例2に使用し
た表面処理剤は、比較例1で使用の表面処理剤と比較し
て、より優れた耐熱性を有していることが判明した。
【0037】実施例2.難燃性粉体としてエチレンビス
ペンタブロモジフェニル(アルベマール社製、SAYT
EX8010)1,000gを、表面処理剤として製造
例1の表面処理剤A40g(固形分換算10g)でヘン
シェルミキサー(岡田精工(株)製、SK−150)を
用いて15分間表面処理を行い処理粉体Aを得た。得ら
れた処理粉体Aを60℃、1mmHgにて12時間減圧
乾燥後、試験管に同処理粉体0.5g秤量し、トルエン
10mLを加えた後に試験管内を均一に懸濁させ、30
分間静置後の分散の状態を上澄みの厚みを測定すること
により沈降安定性の評価を行った。
【0038】実施例3.難燃性粉体としてパークロロシ
クロペンタデカン(オキシデンタルケミカル社製、デク
ロランプラス25)1,000gを用いる以外は実施例
2と同様の操作を行った(表面処理された処理粉体を処
理粉体Bとよぶ)。
【0039】実施例4.難燃性粉体としてメラミンホス
フェート(A&W社製、AMGARD NH)1,00
0gを用いる以外は実施例2と同様の操作を行った(表
面処理された処理粉体を処理粉体Cとよぶ)。
【0040】実施例5.難燃性粉体としてメラミンシア
ヌレート(日産化学工業(株)製、MC−610)1,
000gを用いる以外は実施例2と同様の操作を行った
(表面処理された処理粉体を処理粉体Dとよぶ)。
【0041】比較例3.表面処理剤を用いず、実施例2
と同様の操作で沈降安定性の評価を行った。
【0042】比較例4.表面処理剤として酸性表面処理
剤であるステアリン酸10g(試薬、和光純薬工業
(株)製)を用いる以外は実施例2と同様の操作を行っ
た(表面処理された処理粉体を処理粉体Eとよぶ)。
【0043】比較例5 表面処理剤としてポリアミド樹脂(三洋化成工業(株)
製、ポリマイドS−40E、平均分子量約30,00
0)/トルエン/イソプロパノール=50/25/25
(重量比率)の溶液20gを用いる以外は実施例2と同
様の操作を行った(表面処理された処理粉体を処理粉体
Fとよぶ)。
【0044】比較例6 表面処理剤として酸性表面処理剤であるステアリン酸1
0gを用いる以外は実施例3と同様の操作を行った(表
面処理された処理粉体を処理粉体Gとよぶ)。
【0045】実施例2〜5、比較例3〜6の結果を表
2、3に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】表2、3から実施例2〜5の表面処理粉体
は比較例3〜6の表面処理粉体と比較して、より高い沈
降安定性を有していることが判明した。
【0049】実施例6.ポリスチレン樹脂(旭化成
(株)製、H8652)100部に対して難燃性有機粉
体として実施例2で得られた処理粉体Aを13部、三酸
化アンチモン(三工(株)製、ポリセーフ100−T)
4部の比率でラボプラストミル(東洋精機製作所(株)
製、MRタイプ)、2軸混練機(東洋精機製作所(株)
製、2D20S型)およびペレタイザー(東洋精機製作
所(株)製、MC1)を用いて、210℃で混練、次い
でペレット化を行った。この時2軸混練機のダイから出
てくるストランドの外観を目視にて観察した。得られた
ペレットから射出成形機(日本製鋼所、N40−BII)
を用い、JIS K 7110の2号試験片(A切欠
き)およびJIS K 7201のA−1号試験片を調
製した。得られた試験片の外観を目視にて評価するとと
もに、アイゾッド衝撃強度試験機を用いて衝撃強度を測
定した。さらに配合した同ペレットのメルトフローレー
トをメルトフローインデクサー(東洋精機製作所(株)
製、メルトインデクサーP101型)を用いて測定し
た。次に調製した試験片の難燃性を酸素指数測定装置
(東洋精機製作所(株)製、D型キャンドル燃焼試験
機)を用いて測定した。
【0050】実施例7.難燃性有機粉体として実施例3
で得られた処理粉体Bを用いる以外は実施例6と同様の
操作を行った。
【0051】実施例8.難燃性有機粉体として実施例4
で得られた処理粉体Cを用いる以外は実施例6と同様の
操作を行った。
【0052】比較例7.難燃性有機粉体として比較例4
で得られた処理粉体Eを用いる以外は実施例6と同様の
操作を行った。
【0053】比較例8.難燃性有機粉体として比較例5
で得られた処理粉体Fを用いる以外は実施例6と同様の
操作を行った。
【0054】比較例9.難燃性有機粉体としてエチレン
ビスペンタブロモジフェニルの未処理粉体を用いること
以外は実施例6と同様の操作を行った。
【0055】実施例6〜8、比較例7〜9の結果を表
4、5に示す。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】表4、5から実施例6〜8の成形物は比較
例7〜9の成形物と比較して、より良好な外観、および
より高い難燃性、流動性、衝撃強度を有していることが
判明した。
【0059】
【発明の効果】本発明の表面処理難燃性有機粉体は、耐
熱性、分散性に優れており、この表面処理難燃性有機粉
体の熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂への混
練、成形加工時に高い流動性や耐熱性を有し、さらに配
合物、成形物は、良好な外観、高い難燃性、流動性、衝
撃強度を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09C 3/08 PBU C09C 3/08 PBU

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難燃性塩素系粉体、難燃性臭素系粉体、
    難燃性有機リン系粉体もしくはその金属塩、または難燃
    性有機窒素系粉体のうちいずれか少なくとも一つをアル
    ミニウム系表面処理剤により処理した表面処理難燃性有
    機粉体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表面処理難燃性有機粉体
    を熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂100重量
    部に対して0.1〜50重量部含有することを特徴とす
    る難燃性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002212433A (ja) * 2001-01-12 2002-07-31 Polyplastics Co 難燃性樹脂組成物
JP2005325214A (ja) * 2004-05-13 2005-11-24 Toray Ind Inc 難燃性ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物

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