JPH1045829A - 改良された溶液中における重合体臭素化法 - Google Patents

改良された溶液中における重合体臭素化法

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JPH1045829A
JPH1045829A JP9117401A JP11740197A JPH1045829A JP H1045829 A JPH1045829 A JP H1045829A JP 9117401 A JP9117401 A JP 9117401A JP 11740197 A JP11740197 A JP 11740197A JP H1045829 A JPH1045829 A JP H1045829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改良された溶液中におけるイソオレフィン−
共役ジオレフィン重合体の臭素化法。 【解決手段】 イソオレフィン−共役ジオレフィン重合
体を、溶媒として選ばれたハロゲン含有炭化水素の溶液
中で臭素化するイソオレフィン−共役ジオレフィン重合
体の臭素化法の改良法が提供される。また臭素化された
重合体は、結合した臭素原子の80%より少なくない量
を該重合体の加硫に関与するのに適した形で含み、結合
した共役ジオレフィン単位の70%より少なくない量が
同様に臭素化されている上記方法から得られる改善され
た生成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の分野】本発明はイソオレフィン重合体の臭素
化を行う改良法、およびこのような改良法によって得ら
れる生成物に関する。
【0002】
【本発明の背景】イソオレフィン重合体は多年に亙って
公知であり、イソオレフィンおよび共役ジオレフィンの
重合体、特にイソブチレンおよびイソプレンの重合体と
して市販されている。このような重合体は広範囲の所望
の性質をもっているが、高度の不飽和性をもった重合
体。例えば1個またはそれ以上の共役ジオレフィンを高
い割合で含む重合体と一緒に加硫することは容易ではな
い。このような問題を克服するために、イソオレフィン
−共役ジオレフィン重合体、特にブチル重合体として知
られているイソブチレン−イソプレンをハロゲン化する
方法が行われて来た。このハロゲン化、特に塩素化また
は臭素化は、ブチル重合体の不活性有機溶媒溶液を一定
量の塩素または臭素で処理することによって達成され
る。ハロゲン化により得られたブチル重合体はブチル重
合体の固有の満足すべき性質をもっており、同時に高度
の不飽和性をもった重合体と一緒に加硫することができ
る。
【0003】ハロゲン化法はかなり非能率的であること
は良く知られている。この非能率性の理由の一つは、重
合体の中に導入される各塩素または臭素原子に対し、1
分子の塩化水素または臭化水素が生じることである。他
の理由はこの塩化水素または臭化水素の若干量が重合体
に付加し、化学的に望ましくない基を生じることであ
る。さらに他の理由としては、塩素または臭素の実際の
利用効率は非常に低く、一般に約25〜約40重量%程
度であることが挙げられる。
【0004】
【従来法の説明】ブチル重合体の製造法は公知であり、
イソオレフィン、好ましくはイソブチレン、および共役
ジオレフィン、好ましくはイソプレンを不活性希釈剤、
好ましくは塩化メチル中において、フリーデル・クラフ
ツ触媒、好ましくは塩化アルミニウムを存在させ、温度
約−80〜−120℃において反応させる。このように
して得られたブチル重合体は約95〜約99.5モル%
のイソブチレンと約0.5〜約5モル%のイソプレンを
含んでいる。このような重合体を有機溶媒に溶解し、約
10〜約60℃において好ましくは塩素または臭素と、
重合体中の二重結合1個当たり1個以下の結合塩素、ま
たは重合体中の二重結合1個当たり3個以下、好ましく
は1個以下のの結合臭素を含むような重合体が得られる
のに十分な時間の間反応させる。例えば米国特許第2
944 578号および同第3 011 996号参
照。米国特許第3 018 275号には、ハロゲン化
工程の間過酸化水素、過酸化ナトリウム、塩素酸ナトリ
ウムまたは臭素酸ナトリウム、および次亜塩素酸ナトリ
ウムから成る群から選ばれる材料を含む酸化剤を存在さ
せ、該工程におけるハロゲン化剤の利用率を向上させる
ブチル重合体のハロゲン化法が記載されている。
【0005】
【本発明の総括】本発明の目的は工程中における臭素の
利用率を向上させることによりイソブチレン重合体を臭
素化する改良法を提供することである。
【0006】本発明の他の目的はこの改良法を使用する
ことにより改良された臭素化ブチル重合体を提供するこ
とである。
【0007】従って本発明の一態様においては、溶媒中
にC4〜C6イソオレフィン−C4〜C6共役ジオレフィン
重合体を含む溶液をつくり、該溶液に臭素を加え、温度
約10〜60℃において該臭素を該重合体と反応させ、
臭素の量が該重合体中の共役ジオレフィン1モル当たり
約0.3〜約1.0モルである臭素化されたイソオレフ
ィン−共役ジオレフィン重合体を分離するC4〜C6イソ
オレフィン−C4〜C6共役ジオレフィン重合体を臭素化
する方法において、該溶媒は不活性ハロゲン含有炭化水
素から成り、該ハロゲン含有炭化水素はハロゲン化され
たC2〜C6パラフィン炭化水素およびハロゲン化された
芳香族炭化水素から成る群から選ばれることを特徴とす
る改良法が提供される。
【0008】本発明の一態様においては、溶媒中にC4
〜C6イソオレフィン−C4〜C6共役ジオレフィン重合
体を含む溶液をつくり、該溶液に臭素を加え、温度約1
0〜60℃において該臭素を該重合体と反応させ、臭素
の量が該重合体中の共役ジオレフィン1モル当たり約
0.30〜約1.0モルである臭素化されたイソオレフ
ィン−共役ジオレフィン重合体を分離するC4〜C6イソ
オレフィン−C4〜C6共役ジオレフィン重合体を臭素化
する方法において、該溶媒は臭化エチル、塩化プロピ
ル、塩化n−ブチルおよびモノクロロベンゼンから成る
群から選ばれる不活性ハロゲン含有炭化水素から成って
いる改良法が提供される。
【0009】本発明の他の態様においては、溶媒がさら
に最高20容積%の水を含んでいる。
【0010】本発明の一態様においては、溶媒がさらに
最高20容積%の酸化剤水溶液を含んでいる方法が提供
される。この酸化剤は水溶性であり、この工程中重合鎖
を実質的に酸化することなく臭化水素を酸化して臭素に
するのに適している。特定の態様においては、酸化剤は
次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ナトリウ
ム、塩素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、または他の
適当な酸化剤から成る群から選ばれる酸素を含んだ酸化
剤である。
【0011】本発明のさらに他の態様においては、溶媒
は最高20容積%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液を含
み、次亜塩素酸ナトリウムの量は加えた臭素のモル数の
約200%に対応する量よりも少ない。
【0012】本発明のさらに他の態様においては、臭素
化された重合体が臭素化された重合体に関して約1〜約
4重量%の臭素を含み、結合した臭素原子の約80%よ
り少なくない量が該重合体の加硫に関与するのに適した
形で存在し、もとのイソオレフィン−共役ジオレフィン
重合体中の1,4−イソプレン単位の約70%より少な
くない量が該重合体の加硫に関与するのに適した形に変
わっている上記方法で製造された改良された臭素化イソ
オレフィン−共役ジオレフィン重合体が提供される。
【0013】
【本発明の詳細な説明】イソオレフィン−共役ジオレフ
ィン重合体、及び該重合体の製造法は公知である。イソ
オレフィンはC4〜C6イソオレフィンから選ばれ、イソ
ブチレンが好適なイソオレフィンである。共役ジオレフ
ィンはC4〜C6イソオレフィンから選ばれ、イソプレン
が好適なジオレフィンである。このような重合体はイソ
オレフィン約95〜約99.5モル%、好ましくはイソ
ブチレン約97〜約99.5モル%、および共役ジオレ
フィン約0.5〜約5モル%、好ましくはイソプレン約
0.5〜約3モル%から成っている。この重合体は不活
性希釈剤、好ましくは塩化メチル中において、温度約−
80℃〜約−120℃で、フリーデル・クラフツ触媒、
好ましくは塩化アルミニウムを存在させ、イソオレフィ
ンと共役ジオレフィンとを陽イオン重合させることによ
り製造される。
【0014】従来法の臭素化法においては、重合体を不
活性炭化水素溶媒、例えばペンタン、ヘキサンおよびヘ
プタンに溶解し、この溶液をハロゲン化反応器に供給す
る。ハロゲン化反応器は典型的には入口および出口ライ
ンおよび撹拌機を備えた容器である。重合体の量および
該重合体の二重結合含量に関連して調節された割合で臭
素をまたハロゲン化反応器に供給する。反応器から出て
来る材料を水酸化ナトリウムのようなアルカリ水溶液で
処理し、ハロゲン化反応によって生じた臭化水素を中和
し、残留臭素と反応させ、次いで高温の水および水蒸気
と接触させて溶媒を除去し、水中に臭素化された重合体
を含むスラリをつくり、これを通常の方法で処理して実
質的に乾燥した重合体を得る。回収工程において臭素化
された重合体に対する安定剤を加えることができる。
【0015】このような従来法においては、重合体に導
入される各臭素原子に対して1分子の臭化水素が生成
し、少量の臭化水素が重合体に付加し、実際に重合体に
混入されるよりも多くの臭素を使用する必要があるた
め、ハロゲン化工程における臭素の利用率は悪い。
【0016】本発明においては、不活性ハロゲン含有炭
化水素、さらに詳細にはハロゲン化されたC2〜C6パラ
フィン炭化水素またはハロゲン化された芳香族炭化水素
から成る溶媒を重合体に対する溶媒として使用すると、
ハロゲン化工程を著しく改善し得ることが見出された。
好ましくは不活性ハロゲン含有炭化水素は臭化エチル、
塩化プロピル、塩化n−ブチルおよびモノクロロベンゼ
ンから成る群から選ばれる。溶媒はまた全溶媒に関し最
高約20容積%、好ましくは約3〜約15容積%の水を
含んでいることができる。さらに溶媒は全溶媒に関し最
高約20容積%、好ましくは約3〜約15容積%の酸化
剤水溶液、例えば次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、
過酸化ナトリウム、塩素酸または臭素酸ナトリウムから
成る群から選ばれる酸素を含んだ酸化剤水溶液を含んで
いることができる。この酸化剤は水溶性であり、工程中
において重合鎖を実質的に酸化することなく臭化水素を
酸化して臭素にするのに適している。重合体の酸化を防
ぐかまたはこれを最小限度に抑制するためには、次亜塩
素酸ナトリウムのような弱い酸化剤を低濃度で使用する
ことが好適である。 好ましくは酸化剤は次亜塩素酸ナト
リウムの水溶液から成り、次亜塩素酸ナトリウムの量は
工程に加えた臭素のモル数の約200%以下、好ましく
は約100〜約140%に相当する量である。
【0017】このような溶媒を重合体に対して使用する
と、重合体中に混入されて該重合体の加硫に関与する化
学構造をつくる臭素の量が増加する。本発明方法におい
て一定の反応時間の間に工程に供給された臭素の約85
モル%が重合体中に導入されて重合体の加硫に関与する
化学構造をつくることが見出された。これとは対照的に
従来法においては、僅かに約60〜70モル%の臭素が
導入されるに過ぎない。溶媒が水を含んでいる場合、所
望の化学構造をつくるのに利用される臭素の利用率の改
善は幾分大きい。これは反応で生じる臭化水素が好適に
も水溶性であり、臭化水素が付加された構造をつくるの
に容易に使用されることがないためであると思われる。
溶媒が次亜塩素酸ナトリウム水溶液を含んでいる場合、
所望の化学構造をつくるのに利用される臭素の割合の改
善はかなり大きく、工程に供給された臭素の最高約19
0モル%になることもできる。このことは反応中に生じ
た臭化水素が次亜塩素酸ナトリウムによって酸化されて
臭素になり、これがさらに重合体と反応し得るからであ
ると考えられる。
【0018】本発明の範囲を限定するつもりはないが、
臭素利用率の改善は、不活性炭化水素溶媒中で製造され
たイソオレフィン−共役ジオレフィンの溶液に、選ばれ
たハロゲン含有炭化水素を加えることにより反応媒質の
誘電定数を増加させることによって達成されると考えら
れる。ハロゲン含有炭化水素の誘電定数は、本発明方法
に対する適切な反応媒質を選択する指標として使用でき
ものと思われる。下記表Aに若干のハロゲン含有炭化水
素およびヘキサンの誘電定数を掲げた。すべてのハロゲ
ン含有炭化水素が本発明方法に適しているとは言えない
ことがこの表から明らかである。例えば四塩化炭素の誘
電定数はヘキサンよりも僅かに大きいだけであり、僅か
な改善が期待できるだけである。これとは対照的に、モ
ノクロロベンゼン、塩化n−ブチル、臭化エチルのよう
な誘電定数の高い溶媒を使用すると例外的な結果が得ら
れるに相違ない。所望の結果を得るためには、誘電定数
は四塩化炭素よりも大きくなければならないであろう。
【0019】表Aに掲げたハロゲン化された溶媒の幾つ
かには、重合体に対する溶解度が小さいものがある。こ
のような場合或る種の炭化水素を加えることは、重合体
を溶解する助けとなるために推奨される。
【0020】表A − 数種の溶媒の誘電定数 ハロゲン化された溶媒 45℃における誘電定数 ヘキサン 1.85 四塩化炭素 2.19 クロロフォルム 4.38 ブロモベンゼン 5.11 クロロベンゼン 5.30 塩化n−ブチル 6.42 ブロモエタン 8.16 塩化メチレン 8.23 塩化メチル 8.64 ジクロロエタン 9.17 このような発見は、工程に供給される臭素の量を減少さ
せることができ、臭素化された重合体と共に臭素化反応
器を出る過剰の量の臭素を減少させ、従ってそれと反応
させるのに必要なアルカリ水溶液の量を減少させること
ができ、重合体中で化学的に結合される臭素の量を以後
の加硫工程においてより効率的に使用でき、重合体の不
飽和度(結合した共役ジオレフィンの量)を減少させる
ことができることを意味する。何故ならば臭素が十分に
利用されるようになると、従来法に比べ重合体中の不飽
和結合が一層効果的に臭素化されるからである。
【0021】臭素化された重合体中における所望の化学
構造はエキソ臭化アリル構造、エンド臭化アリル構造、
および再配列されたエキソ臭化アリル構造を含んでい
る。これらのすべての場合において臭素原子は炭素−炭
素二重結合をもつアリル型の配置にある炭素原子に結合
して存在している(即ちC=C−CBrとして)。ここ
でエキソおよびエンドは通常の意味をもっている。これ
らの場合臭素原子は化学的に非常に活性であり、後で行
われる加硫工程に関与する。これらの種々の化学構造の
量は500MHzのHNMRにより容易に極めて高い精
度で決定することができる。エキソ臭化アリル構造は主
要な構造であり、通常所望の化学構造の約75〜約85
%をなしている。従って全主要構造はエキソ臭化アリ
ル、エンド臭化アリルおよび再配列した臭化アリルの全
部を意味し、本発明の生成物では、結合した臭素原子の
約80%より少なくない量が後で活性的に加硫工程に関
与するこのような配置をとっている。本発明方法を用い
れば、結合した1,4−イソプレン単位の多くがこの主
要構造に変化する。本発明方法では70%以上で最高9
0%またはそれ以上がこの主要構造に変化するが、従来
法では約50〜約60%がこのような変化をするに過ぎ
ない。結合した1,4−イソプレン単位の割合として表
した全主要構造が明らかにこの効果を示している。
【0022】ハロゲン化工程は約10〜約60℃、好ま
しくは約20〜約50℃の温度で操作され、反応時間は
約1〜約10分、好ましくは約1〜約5分であることが
できる。ハロゲン化反応器の中の圧力は約0.8〜約1
0バールであることができる。
【0023】ハロゲン化工程から回収された臭素化され
た重合体は典型的にはムーニイ粘度(125℃における
ML 1+8)で表して約25〜約55の分子量をもっ
ている。ブロモブチル重合体のような臭素化された重合
体は、重合体の炭化水素含量に関し約0.5〜約3モル
%、最も好ましくは約1〜約2モル%のイソプレン、お
よび約97〜約99.5モル%、最も好ましくは約98
〜約99モル%のイソブチレンを含み、ブロモブチル重
合体に関し約1〜4重量%、好ましくは約1.5〜約3
重量%の臭素原子を含んでいる。さらに本発明の生成物
は重合体の加硫に関与するのに適した形の結合した臭素
原子を約80%より少なくない量で含んでいる。従来法
の生成物では、炭素−炭素二重結合に臭化水素分子が付
加する結果として結合した臭素の量は少なく、加硫工程
において臭素原子は実質的に不活性である飽和基が生じ
る。本発明の生成物においては、炭素−炭素二重結合に
臭化水素分子が付加する結果として重合体中に存在する
結合した臭素の量は従来法よりも減少している。臭素化
された重合体の構造組成を決定する方法は500MHz
のHNMRで分析する方法である。イソブチレン−イソ
プレン重合体においては、1,4−配置で結合したイソ
プレンはHNMRで約5.1ppmで共鳴する。臭素化
されたイソブチレン−イソプレン重合体においては、エ
キソ臭化アリル構造に対応する約5.4、5.05およ
び4.35ppm、エンド臭化アリル構造に対応する約
5.6ppm、および再配置エキソ臭化アリル構造に対
応する約4.08および4.10ppmに共鳴が観測さ
れる。臭化水素化された構造は物質収支から計算され
る。また本発明方法の生成物においては、臭素原子と反
応した(加硫工程で活性がある不飽和臭素含有基をつく
るために)炭素−炭素二重結合の割合は、従来法の生成
物の場合よりも遥かに高い。従って本発明方法の生成物
は加硫工程に関与するのに適した形の結合した臭素原子
を高い割合で含んでいる。
【0024】臭素化された重合体は加硫を行うのに使用
される。重合体の加硫は公知である。カーボンブラック
は当業界において加硫物を補強するものとして良く知ら
れており、配合工程中重合体に加えられる。炭化水素の
伸展油も配合工程に使用される公知の材料である。一般
にカーボンブラックはファーナス・カーボンブラックお
よびチャンネル・カーボンブラックから選ばれ、重合体
100重量部当たり約20〜約90重量部の量で使用す
ることができる。炭化水素伸展油はパラフィン油、ナフ
テン油および芳香族油から、好ましくはパラフィン油お
よびナフテン油から選ばれ、重合体100重量部当たり
約5〜約40重量部の量で使用される。本発明方法と共
に使用される加硫システムはブロモブチル重合体と共に
使用される当業界に公知のものであり、一般に金属酸化
物、少なくとも1種の硫黄をベースにした促進剤、およ
び随時元素状の硫黄を含んでいる。適当な金属酸化物は
酸化亜鉛であり、重合体100重量部当たり約1〜約7
重量部の量で使用される。適当な硫黄をベースにした促
進剤は硫化チウラム、チオカーバメート、チアジル化合
物およびベンゾチアジル化合物から選ぶことができる。
このような促進剤の量は重合体100重量部当たり約
0.3〜約3重量部である。元素状の硫黄は重合体10
0重量部当たり最高2重量部の量で存在することができ
る。種々の安定剤、酸化防止剤、粘着化剤等を配合工程
で加えることができる。配合自身はゴム混練機または内
部混合機を使用する通常の方法により、一または二段階
で温度をコントロールして約80℃以下に保ち、一般に
硬化活性成分を最後に添加して行われる。このようにし
て生じた配合物を次に成形し、約150〜約200℃の
温度において約5〜約60分加熱することにより加硫す
る。
【0025】実施例 1 撹拌機および二つの試薬投入口を装着した0.5Lのガ
ラス製反応器に、溶媒270ml中にブチル重合体(イ
ソプレン1.77モル%を含むイソブチレン−イソプレ
ン重合体)20gの溶液を加えた。使用した溶媒を表I
Vに示した。撹拌機を作動させながら重合体溶液を45
℃に加熱し、次いで水または次亜塩素酸水溶液18ml
を加え、溶液中に十分に分散させた。反応混合物を光か
ら保護し、重合体または溶媒が光で誘起されて臭素化さ
れるのを避けた。試薬投入口の一つを通して臭素0.1
8mlを加え、混合物の撹拌を継続した。2分の反応時
間の後、第2の試薬投入口から水酸化ナトリウムの6%
水溶液20mlを加えて反応を停める。重合体に対する
安定剤を加え、中性になるまで蒸溜水で洗滌し、溶媒の
大部分を回転蒸発器中で除去し、最後に真空炉中で乾燥
して臭素化された重合体を回収した。
【0026】500MHzのHNMRで重合体を分析し
た結果を表Iに示す。実験#1は溶媒としてヘキサンを
使用したから対照例である。この結果において生成物の
性質の改善は明白である。
【0027】実施例 2 実施例1記載の方法を用い、表IIに示すように他の溶
媒を評価した。実験#6および7は対照例である。
【0028】 表I 実験番号# 1 2 3 4 5 溶媒−ヘキサン(ml) 270 - - - - −臭化エチル(ml) - 270 270 - - −塩化n−ブチル(ml) - - - 270 270 −H2O(ml) 18 18 - 18 - −NaOCl/H2O(ml) - - 18 - 18生成物の組成 エキソ構造(モル%) 0.53 0.88 1.32 0.74 1.29 全主要構造(モル%) 0.61 0.94 1.46 0.79 1.37 未反応イソプレン(モル%) 1.05 0.66 0.2 0.91 0.29 臭化水素化された構造(モル%) 0.11 0.17 0.11 0.07 0.11 臭素利用率(モル%) 62.4 97.2 151 81.4 141.6 存在する全臭素に対する 84.3 84.8 93.1 92.5 92.2 百分率としての全主要構造(%) もとの重合体の結合した1,4− 34.5 53.1 82.5 44.6 77.4 イソプレンに対する百分率と しての全主要構造(%) 表II 実験番号# 6 7 8 9 溶媒−四塩化炭素(ml) 270 270 - - −モノクロロベンゼン(ml) - - 270 270 −H2O(ml) 18 - 18 - −NaOCl/H2O(ml) - 18 - 18生成物の組成 エキソ構造(モル%) 0.69 1.00 0.89 1.4 全主要構造(モル%) 0.78 1.22 0.96 1.53 未反応イソプレン(モル%) 0.87 0.45 0.66 0.15 臭化水素化された構造(モル%) 0.12 0.1 0.15 0.09 臭素利用率(モル%) 80.2 125.8 98.6 158.6 存在する全臭素に対する 86.6 91.1 86.5 94.7 百分率としての全主要構造(%) もとの重合体の結合した1,4− 44.1 68.9 54.2 86.4 イソプレンに対する百分率と しての全主要構造(%) 定義 ハロゲン化された溶媒に関連した不活性という言葉は、
臭素化条件下において臭素との反応に対し不活性である
ことを意味する。
【0029】上記実施例は勿論本発明を例示するもので
あり、本発明を限定するものではない。本発明の精神ま
たは添付特許請求の範囲を逸脱することなく本発明の種
々の変形を行うことができる。
【0030】本発明の主な特徴及び態様は次の通りであ
る。 1.溶媒中にC4〜C6イソオレフィン−C4〜C6共役ジ
オレフィン重合体を含む溶液をつくり、該溶液に臭素を
加え、温度約10〜60℃において該臭素を該重合体と
反応させ、臭素の量が該重合体中の共役ジオレフィン1
モル当たり約0.3〜約1.0モルである臭素化された
イソオレフィン−共役ジオレフィン重合体を分離するC
4〜C6イソオレフィン−C4〜C6共役ジオレフィン重合
体を臭素化する方法において、該溶媒は不活性ハロゲン
含有炭化水素から成り、該ハロゲン含有炭化水素はハロ
ゲン化されたC2〜C6パラフィン炭化水素およびハロゲ
ン化された芳香族炭化水素から成る群から選ばれる改良
法。
【0031】2.溶媒中にC4〜C6イソオレフィン−C
4〜C6共役ジオレフィン重合体を含む溶液をつくり、該
溶液に臭素を加え、温度約10〜60℃において該臭素
を該重合体と反応させ、臭素の量が該重合体中の共役ジ
オレフィン1モル当たり約0.3〜約1.0モルである
臭素化されたイソオレフィン−共役ジオレフィン重合体
を分離するC4〜C6イソオレフィン−C4〜C6共役ジオ
レフィン重合体を臭素化する方法において、該溶媒は不
活性ハロゲン含有ジオレフィンから成り、該ハロゲン含
有炭化水素は臭化エチル、塩化プロピル、塩化n−ブチ
ルおよびモノクロロベンゼンから成る群から選ばれる改
良法。
【0032】3.該溶媒はさらに最高20容積%の水を
含んでいる上記第1または2項記載の方法。
【0033】4.溶媒はさらに、工程中重合鎖を実質的
に酸化することなく臭化水素を酸化して臭素にするのに
適した水溶性の酸化剤の水溶液を最高20容積%含んで
いる上記1または2項記載の方法。
【0034】5.溶媒はさらに次亜塩素酸ナトリウム、
過酸化水素、過酸化ナトリウム、塩素酸ナトリウムまた
は臭素酸ナトリウムから成る群から選ばれる酸素を含ん
だ酸化剤を最高20容積%含んでいる上記1または2項
記載の方法。
【0035】6.溶媒は最高20容積%の次亜塩素酸ナ
トリウムの水溶液を含み、次亜塩素酸ナトリウムの量は
加えた臭素のモル数の約200%に対応する量よりも少
ない上記第1または2項記載の方法。
【0036】7.該イソオレフィン−共役ジオレフィン
重合体はイソブチレンを約97〜約99.5モル%含
み、イソプレンを約0.5〜約3モル%含むイソブチレ
ン−イソプレン重合体である上記第1、2、3、4、5
または6項記載の方法。
【0037】8.該イソオレフィン−共役ジオレフィン
重合体はイソブチレンを約97〜約99.5モル%含
み、イソプレンを約0.5〜約3モル%含むイソブチレ
ン−イソプレン重合体であり、溶媒は臭化エチルおよび
塩化n−ブチルから成る群から選ばれ、反応は温度約2
0〜約50℃、反応時間約1〜5分で行われる上記第
1、2、3、4、5、または6項記載の方法。
【0038】9.該イソオレフィン−共役ジオレフィン
重合体はイソブチレンを約97〜約99.5モル%含
み、イソプレンを約0.5〜約3モル%含むイソブチレ
ン−イソプレン重合体であり、溶媒は臭化エチルおよび
塩化n−ブチルから成る群から選ばれるハロゲン含有炭
化水素、および溶媒の約3〜約15容積%をなす水であ
り、反応は温度約20〜約50℃、反応時間約1〜5分
で行われる上記第3項記載の方法。
【0039】10.該イソオレフィン−共役ジオレフィ
ン重合体はイソブチレンを約97〜約99.5モル%含
み、イソプレンを約0.5〜約3モル%含むイソブチレ
ン−イソプレン重合体であり、溶媒は臭化エチルおよび
塩化n−ブチルから成る群から選ばれるハロゲン含有炭
化水素、および溶媒の約3〜約15容積%をなす次亜塩
素酸ナトリウム水溶液であり、反応は温度約20〜約5
0℃、反応時間約1〜5分で行われる上記第4項記載の
方法。
【0040】11.臭素化されたイソブチレン−イソプ
レン重合体は臭素化された重合体に関し約1〜約4重量
%の臭素を含み、結合した臭素の80%より少なくない
量の臭素が該重合体の加硫に関与するのに適した形で存
在し、もとのイソブチレン−イソプレン重合体の1,4
−イソプレン単位の約70%より少なくない量が臭素化
された重合体中において該重合体の加硫に関与するのに
適した形に変化している上記第8項記載の方法の生成
物。
【0041】12.臭素化されたイソブチレン−イソプ
レン重合体は臭素化された重合体に関し約1〜約4重量
%の臭素を含み、結合した臭素の80%より少なくない
量の臭素が該重合体の加硫に関与するのに適した形で存
在し、もとのイソブチレン−イソプレン重合体の1,4
−イソプレン単位の約70%より少なくない量が臭素化
された重合体中において該重合体の加硫に関与するのに
適した形に変化している上記第9項記載の方法の生成
物。
【0042】13.臭素化されたイソブチレン−イソプ
レン重合体は臭素化された重合体に関し約1〜約4重量
%の臭素を含み、結合した臭素の80%より少なくない
量の臭素が該重合体の加硫に関与するのに適した形で存
在し、もとのイソブチレン−イソプレン重合体の1,4
−イソプレン単位の約70%より少なくない量が臭素化
された重合体中において該重合体の加硫に関与するのに
適した形に変化している上記第10項記載の方法の生成
物。
【0043】14.上記第1、2、3、4、5、6また
は7項記載の方法の生成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハインリヒ・ケーニヒスホーフエン ドイツ51465ベルギツシユグラートバツ ハ・アムミユーレンベルク26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒中にC4〜C6イソオレフィン−C4
    〜C6共役ジオレフィン重合体を含む溶液をつくり、該
    溶液に臭素を加え、温度約10〜60℃において該臭素
    を該重合体と反応させ、臭素の量が該重合体中の共役ジ
    オレフィン1モル当たり約0.3〜約1.0モルである
    臭素化されたイソオレフィン−共役ジオレフィン重合体
    を分離するC4〜C6イソオレフィン−C4〜C6共役ジオ
    レフィン重合体を臭素化する方法において、該溶媒は不
    活性ハロゲン含有炭化水素から成り、該ハロゲン含有炭
    化水素はハロゲン化されたC2〜C6パラフィン炭化水素
    およびハロゲン化された芳香族炭化水素から成る群から
    選ばれることを特徴とする改良法。
  2. 【請求項2】 臭素化されたイソブチレン−イソプレン
    重合体は臭素化された重合体に関し約1〜約4重量%の
    臭素を含み、結合した臭素の80%より少なくない量の
    臭素が該重合体の加硫に関与するのに適した形で存在
    し、もとのイソブチレン−イソプレン重合体の1,4−
    イソプレン単位の約70%より少なくない量が臭素化さ
    れた重合体中において該重合体の加硫に関与するのに適
    した形に変化していることを特徴とする請求項1記載の
    方法の生成物。
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