JPH1045641A - 4−フェニル−1−ブテン類の製造方法 - Google Patents
4−フェニル−1−ブテン類の製造方法Info
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- JPH1045641A JPH1045641A JP19912896A JP19912896A JPH1045641A JP H1045641 A JPH1045641 A JP H1045641A JP 19912896 A JP19912896 A JP 19912896A JP 19912896 A JP19912896 A JP 19912896A JP H1045641 A JPH1045641 A JP H1045641A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 比較的入手の容易な原料、触媒などを用い、
加熱還流等を行わずに、高純度、高収率で4−フェニル
−1−ブテン類を製造しうる方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、Mはアルカリ金属を表わす。)で表わされるフ
ェニル金属化合物を、アミン類の存在下、トルエンと反
応させて一般式(2) 【化2】 (式中、Mは一般式(1)と同義である。)で表わされ
るベンジル金属化合物を得、これを一般式(3) 【化3】 (式中、Xはハロゲン原子を表わし、R1 、R2 、R3
は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基
又はアルコキシアルキル基を表わす。)で表わされるハ
ロゲン化アリル類と反応させる、一般式(4) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 は一般式(3)と同義であ
る。)で表わされる4−フェニル−1−ブテン類の製造
方法。
加熱還流等を行わずに、高純度、高収率で4−フェニル
−1−ブテン類を製造しうる方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、Mはアルカリ金属を表わす。)で表わされるフ
ェニル金属化合物を、アミン類の存在下、トルエンと反
応させて一般式(2) 【化2】 (式中、Mは一般式(1)と同義である。)で表わされ
るベンジル金属化合物を得、これを一般式(3) 【化3】 (式中、Xはハロゲン原子を表わし、R1 、R2 、R3
は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基
又はアルコキシアルキル基を表わす。)で表わされるハ
ロゲン化アリル類と反応させる、一般式(4) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 は一般式(3)と同義であ
る。)で表わされる4−フェニル−1−ブテン類の製造
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農医薬品の合成中
間体として有用な4−フェニル−1−ブテン類の新規な
製造方法に関するものである。
間体として有用な4−フェニル−1−ブテン類の新規な
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】4−フェニル−1−ブテン類の製造方法
としては、(1)ベンジルマグネシウムハライドとハロ
ゲン化アリル類を反応させる方法(例えば J. Am. Che
m. Soc., 55, 699 (1933))、(2)アリルマグネシウ
ムハライド類とハロゲン化ベンジルを反応させる方法
(例えば Bull. Soc. Chim. Fr., 43, 1326 (1928))、
(3)Wittig反応によりリンイリド類をカルボニル化合
物と反応させる方法(例えば特開平3−294271
号)、(4)フェネチルマグネシウムハライドをニッケ
ル触媒の存在下、ハロゲン化ビニル類と反応させる方法
(例えば米国特許第5,030,784号)、(5)フ
ェニルナトリウムを加熱還流下にトルエンと反応させ、
得られたベンジルナトリウムをハロゲン化アリル類と反
応させる方法(例えば J. Chem. Soc., 1975 (1950))な
どが挙げられる。
としては、(1)ベンジルマグネシウムハライドとハロ
ゲン化アリル類を反応させる方法(例えば J. Am. Che
m. Soc., 55, 699 (1933))、(2)アリルマグネシウ
ムハライド類とハロゲン化ベンジルを反応させる方法
(例えば Bull. Soc. Chim. Fr., 43, 1326 (1928))、
(3)Wittig反応によりリンイリド類をカルボニル化合
物と反応させる方法(例えば特開平3−294271
号)、(4)フェネチルマグネシウムハライドをニッケ
ル触媒の存在下、ハロゲン化ビニル類と反応させる方法
(例えば米国特許第5,030,784号)、(5)フ
ェニルナトリウムを加熱還流下にトルエンと反応させ、
得られたベンジルナトリウムをハロゲン化アリル類と反
応させる方法(例えば J. Chem. Soc., 1975 (1950))な
どが挙げられる。
【0003】しかし、(1)、(2)の方法はウルツカ
ップリングの競合によりグリニャール反応剤自体の合成
が難しく、(3)、(4)の方法は高価な触媒を使用し
たり、生成物の分離精製に多大な労力を要するなど、工
業的に実施するのに十分な方法とは言い難い。(5)の
方法は、ベンジルナトリウムを得るために加熱還流とい
う操作が必要であり、このとき同時にフェニルナトリウ
ムの熱分解が起きるため収率の低下は避け難く、例えば
アリルクロライドとの反応による4−フェニル−1−ブ
テンの収率は51〜72%程度にすぎない。
ップリングの競合によりグリニャール反応剤自体の合成
が難しく、(3)、(4)の方法は高価な触媒を使用し
たり、生成物の分離精製に多大な労力を要するなど、工
業的に実施するのに十分な方法とは言い難い。(5)の
方法は、ベンジルナトリウムを得るために加熱還流とい
う操作が必要であり、このとき同時にフェニルナトリウ
ムの熱分解が起きるため収率の低下は避け難く、例えば
アリルクロライドとの反応による4−フェニル−1−ブ
テンの収率は51〜72%程度にすぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、比較
的入手の容易な原料、触媒などを用い、加熱還流等を行
わずに、高純度、高収率で4−フェニル−1−ブテン類
を製造しうる方法を提供することを目的とする。
的入手の容易な原料、触媒などを用い、加熱還流等を行
わずに、高純度、高収率で4−フェニル−1−ブテン類
を製造しうる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の手段により達成された。 (1)一般式(1)
の手段により達成された。 (1)一般式(1)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、Mはアルカリ金属を表わす。)で
表わされるフェニル金属化合物を、アミン類の存在下、
トルエンと反応させて一般式(2)
表わされるフェニル金属化合物を、アミン類の存在下、
トルエンと反応させて一般式(2)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、Mは一般式(1)と同義であ
る。)で表わされるベンジル金属化合物を得、これを一
般式(3)
る。)で表わされるベンジル金属化合物を得、これを一
般式(3)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、Xはハロゲン原子を表わし、R
1 、R2 、R3 は同一でも異なっていてもよく、水素原
子、アルキル基又はアルコキシアルキル基を表わす。)
で表わされるハロゲン化アリル類と反応させることを特
徴とする、一般式(4)
1 、R2 、R3 は同一でも異なっていてもよく、水素原
子、アルキル基又はアルコキシアルキル基を表わす。)
で表わされるハロゲン化アリル類と反応させることを特
徴とする、一般式(4)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R1 、R2 、R3 は一般式(3)
と同義である。)で表わされる4−フェニル−1−ブテ
ン類の製造方法。
と同義である。)で表わされる4−フェニル−1−ブテ
ン類の製造方法。
【0014】(2)ベンジル金属化合物の調製のための
アミン類が2級アミンである(1)項記載の4−フェニ
ル−1−ブテン類の製造方法。 (3)ベンジル金属化合物の調製のためのアミン類が3
級アミンである(1)項記載の4−フェニル−1−ブテ
ン類の製造方法。
アミン類が2級アミンである(1)項記載の4−フェニ
ル−1−ブテン類の製造方法。 (3)ベンジル金属化合物の調製のためのアミン類が3
級アミンである(1)項記載の4−フェニル−1−ブテ
ン類の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において用いられる前記一般式(1)で表
わされるフェニル金属化合物は、通常の合成方法、すな
わち、分散したナトリウム又はカリウム粒子にクロルベ
ンゼン等を反応させる等の方法により、容易に得ること
ができる。このとき用いられる溶媒は反応に不活性なも
のがよく、例えば、オクタン、ベンゼン、トルエンなど
が挙げられるが、その後の工程で反応剤も兼ね得るとい
う点でトルエンが最も好ましい。その使用量はクロルベ
ンゼンに対し2〜30倍重量でよい。フェニル金属化合
物とトルエンとの反応による一般式(2)で表わされる
ベンジル化合物の合成において、反応は無溶媒(前記の
トルエン以外の溶媒は用いない)で行ってもよく、この
ときのトルエンの使用量は、フェニル金属化合物とトル
エンの反応モル比で1:2〜1:30が好ましく、1:
3〜1:10がより好ましい。一般式(1)、(2)に
おいてMはアルカリ金属、例えばナトリウム又はカリウ
ムを表わす。
する。本発明において用いられる前記一般式(1)で表
わされるフェニル金属化合物は、通常の合成方法、すな
わち、分散したナトリウム又はカリウム粒子にクロルベ
ンゼン等を反応させる等の方法により、容易に得ること
ができる。このとき用いられる溶媒は反応に不活性なも
のがよく、例えば、オクタン、ベンゼン、トルエンなど
が挙げられるが、その後の工程で反応剤も兼ね得るとい
う点でトルエンが最も好ましい。その使用量はクロルベ
ンゼンに対し2〜30倍重量でよい。フェニル金属化合
物とトルエンとの反応による一般式(2)で表わされる
ベンジル化合物の合成において、反応は無溶媒(前記の
トルエン以外の溶媒は用いない)で行ってもよく、この
ときのトルエンの使用量は、フェニル金属化合物とトル
エンの反応モル比で1:2〜1:30が好ましく、1:
3〜1:10がより好ましい。一般式(1)、(2)に
おいてMはアルカリ金属、例えばナトリウム又はカリウ
ムを表わす。
【0016】この反応はアミン触媒の存在下で行わせる
が、共存させるアミン類の量は、通常、フェニル金属化
合物に対し0.1〜20mol%、好ましくは1〜10
mol%である。アミン類としては2級アミン、3級ア
ミンが好ましく、例えば、ジエチルアミン、ジ−n−プ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチル
アミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミ
ン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミ
ン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、N−イソ
プロピルベンジルアミン、ピロリジン、2,5−ジメチ
ルピロリジン、2,5−ジメチル−3−ピロリン、ピペ
リジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジノール、モルホリン、N,N,
N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジア
ミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2−
ブテン−1,4−ジアミン、N,N,N’,N’−テト
ラメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N,N’,
N’−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン、
N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレント
リアミン等が挙げられ、さらに好ましくはジイソプロピ
ルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジシクロヘキシ
ルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、
2,5−ジメチルピロリジン、2,6−ジメチルピペリ
ジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,
N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,
N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリア
ミンである。これらのアミン類は単独で、もしくは同量
程度の溶媒で希釈して加えられる。この溶媒としては、
例えば一般式(1)で表わされるフェニル金属化合物の
合成に用いられる溶媒があげられる。滴下方法について
は特に制限はない。反応温度は通常0〜40℃、好まし
くは15〜30℃であり、特に加熱する必要はない。こ
のような温度条件下での反応時間は通常1〜5時間で十
分であるが、反応時間がこれより長くても特に悪影響は
ない。この反応は、上記のように温和な条件で反応が完
結するため、フェニル金属化合物が熱分解せず、収率よ
くベンジル金属化合物を得ることができる。
が、共存させるアミン類の量は、通常、フェニル金属化
合物に対し0.1〜20mol%、好ましくは1〜10
mol%である。アミン類としては2級アミン、3級ア
ミンが好ましく、例えば、ジエチルアミン、ジ−n−プ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチル
アミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミ
ン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミ
ン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、N−イソ
プロピルベンジルアミン、ピロリジン、2,5−ジメチ
ルピロリジン、2,5−ジメチル−3−ピロリン、ピペ
リジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジノール、モルホリン、N,N,
N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジア
ミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2−
ブテン−1,4−ジアミン、N,N,N’,N’−テト
ラメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N,N’,
N’−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン、
N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレント
リアミン等が挙げられ、さらに好ましくはジイソプロピ
ルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジシクロヘキシ
ルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、
2,5−ジメチルピロリジン、2,6−ジメチルピペリ
ジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,
N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,
N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリア
ミンである。これらのアミン類は単独で、もしくは同量
程度の溶媒で希釈して加えられる。この溶媒としては、
例えば一般式(1)で表わされるフェニル金属化合物の
合成に用いられる溶媒があげられる。滴下方法について
は特に制限はない。反応温度は通常0〜40℃、好まし
くは15〜30℃であり、特に加熱する必要はない。こ
のような温度条件下での反応時間は通常1〜5時間で十
分であるが、反応時間がこれより長くても特に悪影響は
ない。この反応は、上記のように温和な条件で反応が完
結するため、フェニル金属化合物が熱分解せず、収率よ
くベンジル金属化合物を得ることができる。
【0017】次に、以上のようにして得られた一般式
(2)で表わされるベンジル金属化合物と一般式(3)
で表わされるハロゲン化アリル類とを反応させる。一般
式(3)において、Xはハロゲン原子、例えば塩素原子
又は臭素原子を表わし、R1 、R2 及びR3 は同一でも
異なっていてもよく、水素原子、アルキル基(好ましく
は炭素数18以下、さらに好ましくは炭素数1〜10
で、飽和、不飽和のいずれでもよく、直鎖、分岐のいず
れでもよい。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエ
ニル等)、アルコキシアルキル基(好ましくは炭素数2
〜15、さらに好ましくは炭素数2〜8で、飽和、不飽
和のいずれでもよく、直鎖、分岐のいずれでもよい。ア
ルコキシは脂肪族、芳香族のいずれでもよい。例えば、
メトキシメチル、エトキシメチル、フェノキシメチル、
ベンジロキシメチル等)を表わす。一般式(3)で表わ
されるハロゲン化アリル類の好ましいものとして具体的
には、アリルクロライド、アリルブロマイド、メタリル
クロライド、メタリルブロマイド、クロチルクロライ
ド、クロチルブロマイド、プレニルクロライド、プレニ
ルブロマイド、1−クロロ−2−ペンテン、1−クロロ
−2−ヘキセン、1−クロロ−2−オクテン、1−クロ
ロ−2−ノネン、1−クロロ−2−メチル−2−ブテ
ン、1−ブロモ−4−メトキシ−2−メチル−2−ブテ
ン、1−ブロモ−4−エトキシ−2−メチル−2−ブテ
ン、1−ブロモ−4−フェノキシ−2−メチル−2−ブ
テン、1−ブロモ−4−ベンジロキシ−2−メチル−2
−ブテン、ゲラニルクロライド等が挙げられ、さらに好
ましくはアリルクロライド、メタリルクロライド、クロ
チルクロライド、プレニルクロライド、1−ブロモ−4
−メトキシ−2−メチル−2−ブテンである。
(2)で表わされるベンジル金属化合物と一般式(3)
で表わされるハロゲン化アリル類とを反応させる。一般
式(3)において、Xはハロゲン原子、例えば塩素原子
又は臭素原子を表わし、R1 、R2 及びR3 は同一でも
異なっていてもよく、水素原子、アルキル基(好ましく
は炭素数18以下、さらに好ましくは炭素数1〜10
で、飽和、不飽和のいずれでもよく、直鎖、分岐のいず
れでもよい。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエ
ニル等)、アルコキシアルキル基(好ましくは炭素数2
〜15、さらに好ましくは炭素数2〜8で、飽和、不飽
和のいずれでもよく、直鎖、分岐のいずれでもよい。ア
ルコキシは脂肪族、芳香族のいずれでもよい。例えば、
メトキシメチル、エトキシメチル、フェノキシメチル、
ベンジロキシメチル等)を表わす。一般式(3)で表わ
されるハロゲン化アリル類の好ましいものとして具体的
には、アリルクロライド、アリルブロマイド、メタリル
クロライド、メタリルブロマイド、クロチルクロライ
ド、クロチルブロマイド、プレニルクロライド、プレニ
ルブロマイド、1−クロロ−2−ペンテン、1−クロロ
−2−ヘキセン、1−クロロ−2−オクテン、1−クロ
ロ−2−ノネン、1−クロロ−2−メチル−2−ブテ
ン、1−ブロモ−4−メトキシ−2−メチル−2−ブテ
ン、1−ブロモ−4−エトキシ−2−メチル−2−ブテ
ン、1−ブロモ−4−フェノキシ−2−メチル−2−ブ
テン、1−ブロモ−4−ベンジロキシ−2−メチル−2
−ブテン、ゲラニルクロライド等が挙げられ、さらに好
ましくはアリルクロライド、メタリルクロライド、クロ
チルクロライド、プレニルクロライド、1−ブロモ−4
−メトキシ−2−メチル−2−ブテンである。
【0018】この一般式(3)で表わされるハロゲン化
アリル類の使用量は、一般式(2)で表わされるベンジ
ル金属化合物に対して通常0.7〜1.5モル倍、好ま
しくは0.9〜1.1モル倍の範囲である。反応温度は
通常、−20℃〜50℃、好ましくは−10℃〜30℃
の範囲である。滴下方法については特に制限はなく、一
般式(2)で表わされるベンジル金属化合物に適当な時
間で加えればよい。その際、一般式(3)で表わされる
ハロゲン化アリル類は必要に応じ、前段の反応で用いた
と同様の溶媒で希釈、溶解することができる。反応後は
蒸留、晶析等の手段に従って処理し、目的の4−フェニ
ル−1−ブテン類を得ることができる。本発明におい
て、各工程を別々の反応容器で行ってもよいが、1つの
反応容器(ワンポット)で行うのが好ましい。
アリル類の使用量は、一般式(2)で表わされるベンジ
ル金属化合物に対して通常0.7〜1.5モル倍、好ま
しくは0.9〜1.1モル倍の範囲である。反応温度は
通常、−20℃〜50℃、好ましくは−10℃〜30℃
の範囲である。滴下方法については特に制限はなく、一
般式(2)で表わされるベンジル金属化合物に適当な時
間で加えればよい。その際、一般式(3)で表わされる
ハロゲン化アリル類は必要に応じ、前段の反応で用いた
と同様の溶媒で希釈、溶解することができる。反応後は
蒸留、晶析等の手段に従って処理し、目的の4−フェニ
ル−1−ブテン類を得ることができる。本発明におい
て、各工程を別々の反応容器で行ってもよいが、1つの
反応容器(ワンポット)で行うのが好ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は実施例によって制限されるもので
はない。 実施例1 800gのトルエン中、60.0g(2.610mo
l)のナトリウム分散体と144.0g(1.279m
ol)のクロロベンゼンより合成したフェニルナトリウ
ムにジイソプロピルアミン2.58g(0.025mo
l、2mol%)のトルエン20g溶液を室温(約20
℃)で加え、そのまま2時間攪拌した。得られた緑褐色
スラリーにアリルクロライド98.0g(1.280m
ol)のトルエン40g溶液を−10〜0℃を保ちつつ
加え、さらに室温で1時間熟成を行った。反応終了後、
反応混合物を5〜20℃の範囲において5%硫酸250
mlで加水分解し、その後、静置、分液を行った。有機
層を水200mlで2回洗浄し、これをガスクロマトグ
ラフィーで分析したところ、4−フェニル−1−ブテン
が96.4%の収率で生成していた。さらに常圧蒸留に
て濃縮後、残留物を106℃/105mmHgにて減圧
蒸留し、148.0g(1.119mol、収率87.
5%−クロロベンゼン基準、以下同じ)の4−フェニル
−1−ブテンを得た。このものをガスクロマトグラフィ
ーにて純度分析したところ、98.7%であった。
説明するが、本発明は実施例によって制限されるもので
はない。 実施例1 800gのトルエン中、60.0g(2.610mo
l)のナトリウム分散体と144.0g(1.279m
ol)のクロロベンゼンより合成したフェニルナトリウ
ムにジイソプロピルアミン2.58g(0.025mo
l、2mol%)のトルエン20g溶液を室温(約20
℃)で加え、そのまま2時間攪拌した。得られた緑褐色
スラリーにアリルクロライド98.0g(1.280m
ol)のトルエン40g溶液を−10〜0℃を保ちつつ
加え、さらに室温で1時間熟成を行った。反応終了後、
反応混合物を5〜20℃の範囲において5%硫酸250
mlで加水分解し、その後、静置、分液を行った。有機
層を水200mlで2回洗浄し、これをガスクロマトグ
ラフィーで分析したところ、4−フェニル−1−ブテン
が96.4%の収率で生成していた。さらに常圧蒸留に
て濃縮後、残留物を106℃/105mmHgにて減圧
蒸留し、148.0g(1.119mol、収率87.
5%−クロロベンゼン基準、以下同じ)の4−フェニル
−1−ブテンを得た。このものをガスクロマトグラフィ
ーにて純度分析したところ、98.7%であった。
【0020】比較例 220gのトルエン中、20.3g(0.883mo
l)のナトリウム分散体と46.5g(0.413mo
l)のクロロベンゼンよりフェニルナトリウムを合成
し、このもののトルエンスラリーを加熱還流下にて2.
5時間攪拌した。得られた黒色スラリーを冷却し、これ
にアリルクロライド31.6g(0.413mol)の
トルエン40g溶液を−10〜0℃を保ちつつ加え、さ
らに室温で30分間熟成を行った。反応終了後、反応混
合物を5〜20℃の範囲において水350mlで加水分
解し、その後、常法に従って有機層を水300mlで2
回洗浄した。常圧蒸留にてトルエンを除去し、残ったオ
レンジオイルを実施例1と同様に減圧蒸留したところ純
度98.3%の4−フェニル−1−ブテン39.4g
(0.298mol、収率72.2%)が得られ、後に
は6.3gの釜残が残された。
l)のナトリウム分散体と46.5g(0.413mo
l)のクロロベンゼンよりフェニルナトリウムを合成
し、このもののトルエンスラリーを加熱還流下にて2.
5時間攪拌した。得られた黒色スラリーを冷却し、これ
にアリルクロライド31.6g(0.413mol)の
トルエン40g溶液を−10〜0℃を保ちつつ加え、さ
らに室温で30分間熟成を行った。反応終了後、反応混
合物を5〜20℃の範囲において水350mlで加水分
解し、その後、常法に従って有機層を水300mlで2
回洗浄した。常圧蒸留にてトルエンを除去し、残ったオ
レンジオイルを実施例1と同様に減圧蒸留したところ純
度98.3%の4−フェニル−1−ブテン39.4g
(0.298mol、収率72.2%)が得られ、後に
は6.3gの釜残が残された。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法によれば、加熱還流等を行
うことなく温和な条件で中間体のベンジル金属化合物を
得られるため、フェニル金属化合物の熱分解が起こら
ず、目的の4−フェニル−1−ブテン類を高純度、高収
率で得ることができる。また、本発明の方法では、合成
の難しい反応剤や高価な触媒を用いる必要がなく、全工
程をワンポットで行うことができ、生成物の分離精製も
比較的容易であるという優れた作用効果を奏し、工業的
規模において実施するのに好適である。
うことなく温和な条件で中間体のベンジル金属化合物を
得られるため、フェニル金属化合物の熱分解が起こら
ず、目的の4−フェニル−1−ブテン類を高純度、高収
率で得ることができる。また、本発明の方法では、合成
の難しい反応剤や高価な触媒を用いる必要がなく、全工
程をワンポットで行うことができ、生成物の分離精製も
比較的容易であるという優れた作用効果を奏し、工業的
規模において実施するのに好適である。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Mはアルカリ金属を表わす。)で表わされるフ
ェニル金属化合物を、アミン類の存在下、トルエンと反
応させて一般式(2) 【化2】 (式中、Mは一般式(1)と同義である。)で表わされ
るベンジル金属化合物を得、これを一般式(3) 【化3】 (式中、Xはハロゲン原子を表わし、R1 、R2 、R3
は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基
又はアルコキシアルキル基を表わす。)で表わされるハ
ロゲン化アリル類と反応させることを特徴とする、一般
式(4) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 は一般式(3)と同義であ
る。)で表わされる4−フェニル−1−ブテン類の製造
方法。 - 【請求項2】 ベンジル金属化合物の調製のためのアミ
ン類が2級アミンである請求項1記載の4−フェニル−
1−ブテン類の製造方法。 - 【請求項3】 ベンジル金属化合物の調製のためのアミ
ン類が3級アミンである請求項1記載の4−フェニル−
1−ブテン類の製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19912896A JPH1045641A (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 4−フェニル−1−ブテン類の製造方法 |
DE69714404T DE69714404T2 (de) | 1996-05-30 | 1997-05-29 | Verfahren zur herstellung von benzyl-metall-verbindungen und verfahren zur herstellung von 4-phenyl-1-butenen unter verwendung derselben |
KR10-1998-0700681A KR100494401B1 (ko) | 1996-05-30 | 1997-05-29 | 벤질금속화합물의제조방법및이것을이용한4-페닐-1-부텐류의제조방법 |
TW086107274A TW448139B (en) | 1996-05-30 | 1997-05-29 | Method of preparing benzyl metal compounds and method of preparing 4-phenyl-1-butenes using the same |
US09/011,266 US6024897A (en) | 1996-05-30 | 1997-05-29 | Process for the preparation of benzyl-metal compounds and process for the preparation of 4-phenyl-1-butenes by the use of the same |
EP97924267A EP0866068B1 (en) | 1996-05-30 | 1997-05-29 | Process for the preparation of benzyl-metal compounds and process for the preparation of 4-phenyl-1-butenes by the use of the same |
PCT/JP1997/001843 WO1997045433A1 (fr) | 1996-05-30 | 1997-05-29 | Procede de preparation de composes benzyl-metal et procede de preparation de 4-phenyl-1-butenes a l'aide de ces composes |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19912896A JPH1045641A (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 4−フェニル−1−ブテン類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1045641A true JPH1045641A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16402613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19912896A Pending JPH1045641A (ja) | 1996-05-30 | 1996-07-29 | 4−フェニル−1−ブテン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1045641A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003183192A (ja) * | 2001-12-13 | 2003-07-03 | Dainippon Ink & Chem Inc | (3−アルケニル)−4−クロロベンゼン化合物の製造方法 |
-
1996
- 1996-07-29 JP JP19912896A patent/JPH1045641A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003183192A (ja) * | 2001-12-13 | 2003-07-03 | Dainippon Ink & Chem Inc | (3−アルケニル)−4−クロロベンゼン化合物の製造方法 |
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