JPH1045600A - 甲殻類又は魚類の感染症予防治療剤及びそれを含有する飼料 - Google Patents

甲殻類又は魚類の感染症予防治療剤及びそれを含有する飼料

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JPH1045600A
JPH1045600A JP8204492A JP20449296A JPH1045600A JP H1045600 A JPH1045600 A JP H1045600A JP 8204492 A JP8204492 A JP 8204492A JP 20449296 A JP20449296 A JP 20449296A JP H1045600 A JPH1045600 A JP H1045600A
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JP
Japan
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fish
agent
virus
infectious
infection
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JP8204492A
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English (en)
Inventor
Tadakazu Tamai
忠和 玉井
Minoru Kihara
稔 木原
Hiroshi Nakajima
中島  浩
Takeshi Okada
剛 岡田
Nobuyuki Sato
信行 佐藤
Hiroyuki Tanabe
宏至 田辺
Teruhiko Mizota
輝彦 溝田
Nobuo Seki
信夫 関
Tetsushi Mori
哲志 森
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Maruha Nichiro Corp
Original Assignee
Maruha Corp
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全で優れた効果を有する甲殻類又は魚類の
感染症予防治療剤及び該予防治療剤を含有する甲殻類用
又は魚類用飼料を提供すること。 【解決手段】 本発明の甲殻類又は魚類の感染症予防治
療剤及び甲殻類用又は魚類用飼料は、ラクチュロースを
有効成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、甲殻類又は魚類の
感染症予防治療剤及び該予防治療剤を含有する甲殻類用
又は魚類用飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】養魚技術は近年急速な発展を遂げ、養殖
面積(経営体数)は年々増加している。しかし、天然の
魚類、甲殻類と違い、養殖の場合は高密度で飼育されて
いるために、病気にかかるものも多い。特に病原性ウイ
ルスによる被害は甚大である。例えば、1992年に起
きた台湾でのエビの大量死亡が、翌年、韓国、中国及び
日本に伝播し、エビ養殖業に大きな被害をもたらした。
これらはバキュロウイルス感染エビがビブリオ症に二次
感染したためだと考えられている。
【0003】従来より、魚類、甲殻類の伝染性疾患に対
しては、抗生物質が使用されてきたが、耐性菌の発生
や、動物体内での残留の問題が起こり、使用が制限され
ている。これらの疾病のうち細菌症に関しては抗生物質
に代わるものとして、ラクトフェリン、ラクトフェリン
分解物、初乳が著効を示すことが見出され(特開平7−
4827号公報及び特開平7−145069号公報参
照)、安全性の高い予防治療剤として研究されている
が、ウイルス症に対しては抗生物質に代わる有効な薬剤
は知られていない。一方、魚類の成長を促進し、かつ健
康度を高める手段として、オリゴ糖を含有する飼料を与
える方法が特開平7−39318号公報に提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、抗生
物質に代わり得る安全で優れた効果を有する甲殻類又は
魚類の感染症予防治療剤及びそれを含有する飼料を提供
することにある。即ち、本発明は、魚類の細菌及びウイ
ルスの感染による死亡を予防し、治療する手段の提供を
技術的課題とするものである。また、本発明は、魚類と
は生体防御機構が大きく異なる甲殻類について、細菌及
びウイルスの感染による死亡を予防し、治療する手段の
提供を技術的課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ラクチュロースが
甲殻類又は魚類の感染症の予防あるいは治療に有効であ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、ラクチュロースを有効成
分とする甲殻類又は魚類の感染症予防治療剤及び該予防
治療剤を含有する甲殻類用又は魚類用飼料を提供するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の甲殻類又は魚類の
感染症予防治療剤及び甲殻類用又は魚類用飼料を詳細に
説明する。本発明の感染症予防治療剤の予防ないし治療
の対象となる甲殻類としては、例えば、クルマエビ、ウ
シエビ、大正エビ、ホワイトシュリンプなどが挙げら
れ、また、魚類としては、例えば、ブリ、マダイ、クロ
ダイ、ウナギ、コイ、ニジマス、アユ、ギンザケ、シマ
アジ、ティラピア、ヒラメ、トラフグ、フナ、グッピ
ー、ネオンテトラ、ナマズ、サケ、カワカマス(Pike)
などを挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0008】本発明の感染症予防治療剤の有効成分はラ
クチュロースであり、これは主として牛乳から分離した
乳糖から製造されたものが用いられるが、それ以外にも
ヒト、ヒツジ、ヤギ、水牛、ラクダ、トナカイ、ウマ、
イヌ、ネコの乳糖由来のものも同様に有効である。これ
ら哺乳動物乳汁のうち、最も普遍的な哺乳動物乳汁であ
る牛乳を原料とすることが入手容易性の点で適している
が、経済的な見地から、牛乳からチーズ、バター及びそ
の他の乳成分を分離した際に生じる副産物、乳清あるい
は脱脂乳などを原料として用いてもよい。
【0009】ラクチュロースは、乳糖溶液、あるいは上
記哺乳動物乳汁または脱脂乳に酸または凝乳酵素を加え
て生じる凝固物(カード)を除いた残りの水溶液(ミル
クホエー)に水酸化カルシウムなどのアルカリ剤を加え
て加熱することによって得られる。また、市販のラクチ
ュロースを用いるのが利便で好適であるが、市販のラク
チュロースの使用により本発明の範囲が何ら限定される
ものではない。
【0010】本発明の感染症予防治療剤によって予防な
いし治療される感染症としては、甲殻類又は魚類のウイ
ルス感染症及び細菌感染症が挙げられる。
【0011】上記ウイルス感染症としては、具体的に
は、ヒラメのヒラメラブドウイルス感染症、トラフグの
口白症、ニジマスの伝染性膵臓壊死症、伝染性造血器壊
死症、ウイルス性出血性敗血病、コイの春ウイルス病、
鰾炎症、ナマズのウイルス病、サケのヘルペスウイルス
感染症、カワカマス(Pike)稚魚のウイルス病、シマア
ジのイリドウイルス感染症、マダイのイリドウイルス感
染症、ウナギのウイルス性鰓病、ギンザケの伝染性膵臓
壊死症、伝染性造血器壊死症、ヘルペスウイルス感染
症、イリスロシティック封入体シンドローム(Erythroc
ytic Inclusion Body Syndrome)ウイルス感染症、クル
マエビのロッド形ウイルス−ペニウスジャポニカス(Ro
d shaped virus-Penaeus japonicus)感染症、ウシエビ
の黄頭症、多くの海水及び淡水魚に感染するリンホシス
チス病などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】また、上記細菌感染症としては、具体的に
は、トラフグ、ニジマスのビブリオアングィララム(Vi
brio anguillarum)感染症、ブリのシュードチューバー
キュロシス(Pseudotuberculosis)感染症、類結病、連
鎖球菌感染症、クロダイのフレキシバクターマリチマス
(Flexibacter maritimus)感染症、ウシエビのビブリオ
(Vibrio vulnificus)感染症、クルマエビのビブリオ感
染症、タイのビブリオ感染症、エドワードジェラ・タル
ダ(E.tarda)感染症、ウナギのパラコロ病などが挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0013】本発明にいう感染症予防治療剤とは、上記
の感染症の感染及び発病の予防あるいは発病したものを
治療するものを言う。
【0014】本発明の感染症予防治療剤の投与量及び投
与時期は、適用する甲殻類又は魚類の種類、感染症の種
類により適宜変更しうるが、例えば乾燥したラクチュロ
ースとして1〜6,000mg/kg体重を1日に2〜
3回に分けて与えればよい。
【0015】本発明の感染症予防治療剤は、そのまま直
接甲殻類又は魚類に投与してもよいが、甲殻類又は魚類
の飼料に添加して投与することもでき、該飼料を稚魚期
に与えておけば予防的効果が得られる。
【0016】本発明の感染症予防治療剤を添加した飼料
を調製するには、通常養殖に用いられる飼料原料を、対
象とする甲殻類又は魚類に応じて適宜選択、配合し、こ
の飼料原料に上記のラクチュロースを添加、配合、湿潤
すればよい。上記の飼料原料としては、一般的には魚
粉、エビミール、イカミール、小麦粉、コーングルテ
ン、ビール酵母、コレステロール、ビタミン、ミネラル
などが用いられる。飼料原料にラクチュロースを添加、
配合、湿潤する際には、ラクチュロースが全飼料中0.
01〜5重量%となるようにすればよい。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定
するものではない。
【0018】〔実施例1〕 感染症予防治療剤の調製 ミルクオリゴ糖「MLP−95」〔森永乳業(株)社
製、ラクチュロース含量93%〕200kg、トウモロ
コシデンブン150kg、タルク80kg及びステアリ
ン酸マグネシウム30kgを十分混和し、60メッシュ
の金網を通過させて粒度を調整し、本発明の感染症予防
治療剤を得た。
【0019】〔実施例2〕 感染症予防治療剤を含む養殖エビ用飼料の調製 クルマエビ用基礎飼料〔林兼産業(株)社製〕にミルク
オリゴ糖「MLP−95」〔森永乳業(株)社製、ラク
チュロース含量93%〕を3重量%、1重量%、0.3
重量%、又は0.1重量%添加した。得られた配合物を
それぞれ90℃以上で5分間蒸すことでグルテンを変性
させて要求される保型性を付与し、その後、80℃で数
時間熱風乾燥し、ペレットマシーンを用いてペレット状
(2mmφ×5mm)に成型し、ラクチュロースを有効
成分とする本発明の感染症予防治療剤を含むクルマエビ
用飼料をそれぞれ得た。
【0020】〔実施例3〕 感染症予防治療剤を含む養殖トラフグ用飼料の調製 市販のトラフグ用飼料基礎粉末〔大洋飼料(株)社製〕
にミルクオリゴ糖「MLP−95」〔森永乳業(株)社
製、ラクチュロース含量93%〕を3重量%添加した。
得られた配合物をペレットマシーンを用いて成型(5m
mφ×10mm)して、40℃にて5時間乾燥して、ラ
クチュロースを有効成分とする本発明の感染症予防治療
剤を含むトラフグ用飼料(ドライペレット)を得た。
【0021】〔実施例4〕 感染症予防治療剤を含む養殖マス用飼料の調製 市販のニジマス稚魚用飼料基礎粉末〔大洋飼料(株)社
製〕にミルクオリゴ糖「MLP−95」〔森永乳業
(株)社製、ラクチュロース含量93%〕を3重量%添
加した。得られた配合物をペレットマシーンを用いて成
型(2mmφ×3mm)して、40℃にて5時間乾燥し
て、ラクチュロースを有効成分とする本発明の感染症予
防治療剤を含むニジマス稚魚用飼料(ドライペレット)
を得た。
【0022】〔実施例5〕 感染症予防治療剤を含む養殖ヒラメ用飼料の調製 市販のヒラメ用ドライペレット飼料〔大洋飼料(株〕社
製、5mmφ×5mm)100gに、ミルクオリゴ糖
「MLP−95」〔森永乳業(株)社製、ラクチュロー
ス含量93%〕の水溶液(0.3g/ml)10mlを
噴霧した後、30℃にて3時間乾燥して、ラクチュロー
スを有効成分とする本発明の感染症予防治療剤を含むヒ
ラメ用飼料を得た。
【0023】〔実施例6〕 感染症予防治療剤を含む養殖ギンザケ用飼料の調製 市販のギンザケ用飼料基礎粉末〔大洋飼料(株)社製〕
にミルクオリゴ糖「MLP−95」〔森永乳業(株)社
製、ラクチュロース含量93%〕を3重量%添加した。
得られた配合物をペレットマシーンを用いて成型(2m
mφ×3mm)して、40℃にて5時間乾燥して、ラク
チュロースを有効成分とする本発明の感染症予防治療剤
を含むギンザケ用飼料を得た。
【0024】〔実施例7〕 感染症予防治療剤を含む養殖シマアジ用飼料の調製 市販のシマアジ用飼料基礎粉末〔大洋飼料(株)社製〕
にミルクオリゴ糖「MLP−95」〔森永乳業(株)社
製、ラクチュロース含量93%〕を3重量%添加した。
得られた配合物をペレットマシーンを用いて成型(8m
mφ×10mm)して、40℃にて5時間乾燥して、ラ
クチュロースを有効成分とする本発明の感染症予防治療
剤を含むシマアジ用飼料を得た。
【0025】〔実施例8〕 感染症予防治療剤を含む養殖マダイ用飼料の調製 市販のマダイ用飼料基礎粉末〔大洋飼料(株)社製〕
に、ミルクオリゴ糖「MLP−95」〔森永乳業(株)
社製、ラクチュロース含量93%〕をラクチュロース含
量が3重量%となるように添加した。得られた配合物を
ペレットマシーンを用いて成型(2mmφ×3mm)し
て、40℃にて5時間乾燥して、ラクチュロースを有効
成分とする本発明の感染症予防治療剤を含むマダイ用飼
料を得た。
【0026】〔試験例1〕 エビRod shaped virus-Penaeus japonicus (RV−PJ)
ウイルスに対する感染予防治療効果 RV−PJに感染して死亡したクルマエビの中腸腺周辺を
摘出し、10倍量の緩衝液を加えてホモジナイズした抽
出液をポアサイズ0.2μmのフィルターで濾過したも
の(ウイルス液)を健常なエビの腹部筋中に注入する
と、甲皮の白斑などの本感染症特有の症状を伴って死亡
した。更に、電子顕微鏡観察によって、本感染症はバキ
ュロウイルスに属すると思われるウイルスによって引き
起こされることが解った。そこで、実施例1で得られた
本発明の感染症予防治療剤、及び実施例2で得られたラ
クチュロースを有効成分とする本発明の感染症予防治療
剤を含む4種類のクルマエビ用飼料をクルマエビに与
え、RV−PJ感染症に対する予防治療効果を調べた。健
常なクルマエビ(平均体重22g)に1日2回、実施例
1で得られた感染症予防治療剤を6重量%となるようイ
ガイミンチ肉に十分混和させたもの、又は実施例2で得
られたラクチュロースを有効成分とする本発明の感染症
予防治療剤を含むクルマエビ用飼料を、1日当たり体重
の1%量与えた。各投与群は、一群当たり10尾とし
た。また、本発明の感染症予防治療剤を含まない飼料を
与える群をコントロールとした。飼料投与を始めてから
14日目に一群当たり10尾のクルマエビに、上記と同
様にして得られたウイルス液を80倍希釈したものを1
00μlずつ、又はブランクとして緩衝液を注入し、7
日後の死亡率を調べた。その結果を下記〔表1〕に示
す。
【0027】
【表1】
【0028】上記〔表1〕から明らかなように、健常な
エビにRV−PJウイルスを感染させると7日後には死亡
率が90%となる(コントロール)が、本発明の感染症
予防治療剤、又は該感染症予防治療剤を含む飼料を与え
ていたものは、ある程度添加量に依存した死亡率の低下
が認められた。尚、ウイルスを感染させないエビ(ブラ
ンク)は試験期間中全く死亡しなかった。
【0029】〔試験例2〕 トラフグ(Takifugu rubripes)を用いた口白症ウイルス
に対する感染予防治療効果 健常なトラフグ(平均体重50g)に実施例3で得られ
たラクチュロースを有効成分とする本発明の感染症予防
治療剤を含むトラフグ用飼料を1日当たり体重の5%量
与えた。各飼料投与群は、一群あたり10尾とした。ま
た、本発明の感染症予防治療剤を含まない飼料を与える
群をコントロールとした。飼料投与を始めてから14日
目に一群あたり10尾のトラフグに1×103.7 TCI
50/mlの力価の口白症ウイルス液を0.1mlずつ
背部の皮下に接種し、7日後の死亡率を調べた。その結
果を下記〔表2〕に示す。
【0030】
【表2】
【0031】上記〔表2〕から明らかなように、健常な
トラフグに口白症ウイルスを感染させると7日後には死
亡率が80%となる(コントロール)が、本発明の感染
症予防治療剤を含む飼料を与えていたものは、死亡率の
低下が認められた。尚、ウイルスを感染させないトラフ
グ(ブランク)の死亡率は10%であった。
【0032】〔試験例3〕 ニジマス(Oncorhynchus mykiss)を用いた伝染性膵臓壊
死症ウイルス(IPNV)に対する感染予防治療効果 健常なニジマス(平均体重4g)に実施例4で得られた
ラクチュロースを有効成分とする本発明の感染症予防治
療剤を含むニジマス稚魚用飼料を1日当たり体重の20
%量与えた。各飼料投与群は、一群あたり10尾とし
た。また、本発明の感染症予防治療剤を含まない飼料を
与える群をコントロールとした。飼料投与を始めてから
14日目に一群あたり10尾のニジマスに5×104.8
TCID50/mlの力価のIPNV液を50μlずつ静
脈投与し、10日後の死亡率を調べた。その結果を下記
〔表3〕に示す。
【0033】
【表3】
【0034】上記〔表3〕から明らかなように、健常な
ニジマスにIPNVを感染させると10日後には死亡率
が80%となる(コントロール)が、本発明の感染症予
防治療剤を含む飼料を与えていたものは、死亡率の低下
が認められた。尚、ウイルスを感染させないニジマス
(ブランク)は試験期間中全く死亡しなかった。
【0035】〔試験例4〕 ヒラメを用いたヒラメ(Paralichthys olivaceus) ラブ
ドウイルス(HRV)に対する感染予防治療効果 健常なヒラメ(平均体重80g)に実施例5で得られた
ラクチュロースを有効成分とする本発明の感染症予防治
療剤を含むヒラメ用飼料を1日当たり体重の5%量を2
回に分けて与えた。各飼料投与群は、一群あたり10尾
とした。また、本発明の感染症予防治療剤を含まない飼
料を与える群をコントロールとした。飼料投与を始めて
から14日目に一群あたり10尾のヒラメに5×10
6.8 TCID50/mlの力価のHRV液を0.1mlず
つ静脈投与し、14日後の死亡率を調べた。その結果を
下記〔表4〕に示す。
【0036】
【表4】
【0037】上記〔表4〕から明らかなように、健常な
ヒラメにHRVを感染させると14日後には死亡率が4
0%となる(コントロール)が、本発明の感染症予防治
療剤を含む飼料を与えていたものは、死亡率の低下が認
められた。尚、ウイルスを感染させないヒラメ(ブラン
ク)は試験期間中全く死亡しなかった。
【0038】〔試験例5〕 ギンザケ(Oncorhynchus kisutch) を用いたErythrocyt
ic inclusion body syndrome(EIBS)に対する感染
予防治療効果 健常なギンザケ(平均体重180g)に実施例6で得ら
れたラクチュロースを有効成分とする本発明の感染症予
防治療剤を含むギンザケ用飼料を1日当たり体重の10
%量与えた。各飼料投与群は、一群あたり10尾とし
た。また、本発明の感染症予防治療剤を含まない飼料を
与える群をコントロールとした。飼料投与を始めてから
14日目に一群あたり10尾のギンザケにEIBSウイ
ルス液(感染ギンザケの頭腎抽出液を0.45μmフィ
ルターで濾過したもの)500μlを腹腔内投与し、1
0日後の死亡率を調べた。その結果を下記〔表5〕に示
す。
【0039】
【表5】
【0040】上記〔表5〕から明らかなように、健常な
ギンザケにEIBSウイルスを感染させると10日後に
は死亡率が80%となる(コントロール)が、本発明の
感染症予防治療剤を含む飼料を与えていたものは、死亡
率の低下が認められた。尚、ウイルスを感染させないギ
ンザケ(ブランク)は試験期間中全く死亡しなかった。
【0041】〔試験例6〕 シマアジ(Pseudocaranx dentex)を用いたイリドウイル
ス感染症に対する感染予防治療効果 健常なシマアジ(平均体重12.5g)に実施例7で得
られたラクチュロースを有効成分とする本発明の感染症
予防治療剤を含むシマアジ用飼料を1日当たり体重の5
%量与えた。各飼料投与群は、一群あたり10尾とし
た。また、本発明の感染症予防治療剤を含まない飼料を
与える群をコントロールとした。飼料投与を始めてから
14日目に一群あたり10尾のシマアジにイリドウイル
ス液(感染シマアジの脾臓抽出液を0.45μmフィル
ターで濾過したもの)200μlを腹腔内投与し、10
日後の死亡率を調べた。その結果を下記〔表6〕に示
す。
【0042】
【表6】
【0043】上記〔表6〕から明らかなように、健常な
シマアジにイリドウイルスを感染させると10日後には
死亡率が80%となる(コントロール)が、本発明の感
染症予防治療剤を含む飼料を与えていたものは、死亡率
の低下が認められた。尚、ウイルスを感染させないシマ
アジ(ブランク)は試験期間中全く死亡しなかった。
【0044】〔試験例7〕 マダイ(Pagrus major) を用いたイリドウイルス感染症
に対する感染予防治療効果 健常なマダイ(平均体重15.3g)に実施例8で得ら
れたラクチュロースを有効成分とする本発明の感染症予
防治療剤を含むマダイ用飼料を1日当たり体重の5%量
与えた。各飼料投与群は、一群あたり10尾とした。ま
た、本発明の感染症予防治療剤を含まない飼料を与える
群をコントロールとした。飼料投与を始めてから14日
目に一群あたり10尾のマダイにイリドウイルス液(感
染マダイの脾臓抽出液を0.45μmフィルターで濾過
したもの)200μlを腹腔内投与し、10日後の死亡
率を調べた。その結果を下記〔表7〕に示す。
【0045】
【表7】
【0046】上記〔表7〕から明らかなように、健常な
マダイにイリドウイルスを感染させると10日後には死
亡率が80%となる(コントロール)が、本発明の感染
症予防治療剤を含む飼料を与えていたものは、死亡率の
低下が認められた。尚、ウイルスを感染させないマダイ
(ブランク)は試験期間中全く死亡しなかった。
【0047】〔試験例8〕 ウシエビ(Penaeus monodon)を用いたVibrio vulnificu
s に対する感染予防治療効果 健常なウシエビ(平均体重20g)に1日2回、実施例
2で得られたラクチュロース(3%含有品)を有効成分
とする本発明の感染症予防治療剤を含む養殖エビ用飼料
を1日当たり体重の5%量与えた。各飼料投与群は、一
群あたり10尾とした。また、本発明の感染症予防治療
剤を含まない飼料を与える群をコントロールとした。飼
料投与を始めてから14日目に一群あたり10尾のウシ
エビを、Vibrio vulnificus 5×107 CFU/ml海
水に12時間浸し、7日後の死亡率を調べた。その結果
を下記〔表8〕に示す。
【0048】
【表8】
【0049】上記〔表8〕から明らかなように、健常な
ウシエビにVibrio vulnificus を感染させると7日後に
は死亡率が60%となる(コントロール)が、本発明の
感染症予防治療剤を含む飼料を与えていたものは、死亡
率の低下が認められた。尚、ウイルスを感染させないウ
シエビ(ブランク)は試験期間中全く死亡しなかった。
【0050】〔試験例9〕 ニジマス(Oncorhynchus mykiss)を用いたVibrio angui
llarumに対する感染予防治療効果 健常なニジマス(平均体重4g)に実施例4で得られた
ラクチュロースを有効成分とする本発明の感染症予防治
療剤を含むニジマス稚魚用飼料を1日当たり体重の20
%量与えた。各飼料投与群は、一群あたり10尾とし
た。また、本発明の感染症予防治療剤を含まない飼料を
与える群をコントロールとした。飼料投与を始めてから
14日目に一群あたり10尾のニジマスに2.8×10
7 CFUの力価のVibrio anguillarum液を50μlずつ
静脈投与し、10日後の死亡率を調べた。その結果を下
記〔表9〕に示す。
【0051】
【表9】
【0052】上記〔表9〕から明らかなように、健常な
ニジマスにVibrio anguillarumを感染させると10日後
には死亡率が80%となる(コントロール)が、本発明
の感染症予防治療剤を含む飼料を与えていたものは、死
亡率の低下が認められた。尚、ウイルスを感染させない
ニジマス(ブランク)は試験期間中全く死亡しなかっ
た。
【0053】
【発明の効果】本発明の甲殻類又は魚類の感染症予防治
療剤及び該予防治療剤を含有する甲殻類用又は魚類用飼
料は、甲殻類又は魚類の感染症の予防あるいは治療に有
効であり、かつ安全で優れた効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/20 AFD A61K 35/20 AFD (72)発明者 中島 浩 茨城県つくば市和台16−2 マルハ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 岡田 剛 茨城県つくば市和台16−2 マルハ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 佐藤 信行 茨城県つくば市和台16−2 マルハ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 田辺 宏至 東京都目黒区目黒4−4−22 森永乳業株 式会社原料素材部内 (72)発明者 溝田 輝彦 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社栄養科学研究所内 (72)発明者 関 信夫 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社栄養科学研究所内 (72)発明者 森 哲志 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社栄養科学研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクチュロースを有効成分とする甲殻類
    の感染症予防治療剤。
  2. 【請求項2】 甲殻類のウイルス感染症又は細菌感染症
    の予防ないし治療に用いられる請求項1記載の甲殻類の
    感染症予防治療剤。
  3. 【請求項3】 甲殻類のウイルス感染症が、クルマエビ
    のロッド形ウイルス−ペニウスジャポニカス(Rod shap
    ed virus-Penaeus japonicus)感染症又はウシエビの黄
    頭症である請求項2記載の甲殻類の感染症予防治療剤。
  4. 【請求項4】 甲殻類の細菌感染症が、ウシエビのビブ
    リオ感染症又はクルマエビのビブリオ感染症である請求
    項2記載の甲殻類の感染症予防治療剤。
  5. 【請求項5】 ラクチュロースを有効成分とする魚類の
    感染症予防治療剤。
  6. 【請求項6】 魚類のウイルス感染症又は細菌感染症の
    予防ないし治療に用いられる請求項5記載の魚類の感染
    症予防治療剤。
  7. 【請求項7】 魚類のウイルス感染症が、ヒラメのヒラ
    メラブドウイルス感染症、トラフグの口白症、ニジマス
    の伝染性膵臓壊死症、伝染性造血器壊死症、ウイルス性
    出血性敗血病、コイの春ウイルス病、鰾炎症、ナマズの
    ウイルス病、サケのヘルペスウイルス感染症、カワカマ
    ス(Pike)稚魚のウイルス病、シマアジのイリドウイル
    ス感染症、マダイのイリドウイルス感染症、ウナギのウ
    イルス性鰓病、ギンザケの伝染性膵臓壊死症、伝染性造
    血器壊死症、ヘルペスウイルス感染症、イリスロシティ
    ック封入体シンドローム(Erythrocytic Inclusion Bod
    y Syndrome)ウイルス感染症、又は多くの海水及び淡水
    魚に感染するリンホシスチス病である請求項6記載の魚
    類の感染症予防治療剤。
  8. 【請求項8】 魚類の細菌感染症が、トラフグ、ニジマ
    スのビブリオアングィララム(Vibrio anguillarum)感
    染症、ブリのシュードチューバーキュロシス(Pseudotu
    berculosis)感染症、類結病、連鎖球菌感染症、クロダ
    イのフレキシバクターマリチマス(Flexibacter mariti
    mus)感染症、タイのビブリオ感染症、エドワードジェラ
    ・タルダ(E.tarda)感染症、又はウナギのパラコロ病
    である請求項6記載の魚類の感染症予防治療剤。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の甲殻類の感染症予防治療
    剤を含有する甲殻類用飼料。
  10. 【請求項10】 請求項5記載の魚類の感染症予防治療
    剤を含有する魚類用飼料。
JP8204492A 1996-08-02 1996-08-02 甲殻類又は魚類の感染症予防治療剤及びそれを含有する飼料 Pending JPH1045600A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998042204A1 (fr) * 1997-03-21 1998-10-01 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha Agent prophylactique et therapeutique contre les maladies infectieuses chez les poissons et les crustaces

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WO1998042204A1 (fr) * 1997-03-21 1998-10-01 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha Agent prophylactique et therapeutique contre les maladies infectieuses chez les poissons et les crustaces

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