JPH1045522A - 歯型材及びその取扱い方法 - Google Patents
歯型材及びその取扱い方法Info
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- JPH1045522A JPH1045522A JP8227756A JP22775696A JPH1045522A JP H1045522 A JPH1045522 A JP H1045522A JP 8227756 A JP8227756 A JP 8227756A JP 22775696 A JP22775696 A JP 22775696A JP H1045522 A JPH1045522 A JP H1045522A
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- JP
- Japan
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- tooth
- gum
- water
- mold
- glucomannan
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 安価に製造でき、誤飲の場合の人体への悪影
響がほとんどなく安全であり、さらに煩雑な温度管理が
不要であるような歯型材を提供する。 【解決手段】 歯型採取時に、口腔内で、消石灰、塩基
性アミノ酸、アミン類又はほう酸塩などの塩基性硬化剤
により硬化させることができる歯型材であって、ゲル化
剤としてのグルコマンナンと、水と、増粘剤と、充填剤
とを含むペースト状の組成物から成るものである。ま
た、前記増粘剤は、ローカスビーンガム、アラビアガ
ム、ガッティガム、テイマックマンナン、トラガントガ
ム、カラギーナン、又はグアーガム等の天然高分子物質
であるのがよい。また、前記充填剤は、タルク、ホウ
砂、ケイ藻土、ケイ酸塩等の、前記組成物の硬さ、弾
性、寸法精度、又は表面粗さを改善することができる無
機質である。
響がほとんどなく安全であり、さらに煩雑な温度管理が
不要であるような歯型材を提供する。 【解決手段】 歯型採取時に、口腔内で、消石灰、塩基
性アミノ酸、アミン類又はほう酸塩などの塩基性硬化剤
により硬化させることができる歯型材であって、ゲル化
剤としてのグルコマンナンと、水と、増粘剤と、充填剤
とを含むペースト状の組成物から成るものである。ま
た、前記増粘剤は、ローカスビーンガム、アラビアガ
ム、ガッティガム、テイマックマンナン、トラガントガ
ム、カラギーナン、又はグアーガム等の天然高分子物質
であるのがよい。また、前記充填剤は、タルク、ホウ
砂、ケイ藻土、ケイ酸塩等の、前記組成物の硬さ、弾
性、寸法精度、又は表面粗さを改善することができる無
機質である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用歯型又はマ
ウスガード(マウスピース)成形型の型取りのために使
用される、歯型材及びこの歯型材の取扱い方法に関す
る。
ウスガード(マウスピース)成形型の型取りのために使
用される、歯型材及びこの歯型材の取扱い方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、歯型材として、例えばポリシ
ロキサン系、ポリサルファイド系及びポリエーテル系ゴ
ム等の歯型材が利用されている。また、これ以外に、ア
ルギン酸塩を主成分とした歯型材や、寒天を主成分とす
る歯型材なども、利用されている。
ロキサン系、ポリサルファイド系及びポリエーテル系ゴ
ム等の歯型材が利用されている。また、これ以外に、ア
ルギン酸塩を主成分とした歯型材や、寒天を主成分とす
る歯型材なども、利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の歯型材として汎
用されているポリシロキサン系、ポリサルファイド系及
びポリエーテル系ゴム等の歯型材は、化学反応による常
温硬化性のもので使い勝手は良いが高価であり、また誤
飲の場合は人体への悪影響が生じる可能性がある。ま
た、アルギン酸塩を主成分とした歯型材は、ゲルの構造
間隙に多量に含まれた水を放出するため、寸法精度が低
く、また誤飲の場合は人体への悪影響が生じる可能性が
ある。また、寒天を主剤とする歯型材は、価格は低い
が、加熱により軟化し、冷却により固化する熱可塑性材
料であるため、取扱上温度管理が煩雑で火傷等の危険性
があるという問題がある。
用されているポリシロキサン系、ポリサルファイド系及
びポリエーテル系ゴム等の歯型材は、化学反応による常
温硬化性のもので使い勝手は良いが高価であり、また誤
飲の場合は人体への悪影響が生じる可能性がある。ま
た、アルギン酸塩を主成分とした歯型材は、ゲルの構造
間隙に多量に含まれた水を放出するため、寸法精度が低
く、また誤飲の場合は人体への悪影響が生じる可能性が
ある。また、寒天を主剤とする歯型材は、価格は低い
が、加熱により軟化し、冷却により固化する熱可塑性材
料であるため、取扱上温度管理が煩雑で火傷等の危険性
があるという問題がある。
【0004】本発明はこれら従来の歯型材の問題点に着
目してなされたもので、安価に製造でき、誤飲の場合の
人体への悪影響がほとんどなく安全であり、さらに煩雑
な温度管理が不要であるような歯型材を提供することを
目的とする。
目してなされたもので、安価に製造でき、誤飲の場合の
人体への悪影響がほとんどなく安全であり、さらに煩雑
な温度管理が不要であるような歯型材を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するための本発明による歯型材は、歯型採取時に、口腔
内で、消石灰、塩基性アミノ酸、アミン類又はほう酸塩
などの塩基性硬化剤により硬化させることができる歯型
材であって、ゲル化剤としてのグルコマンナンと、水
と、増粘剤と、充填剤とを含むペースト状の組成物から
成ることを特徴とするものである。
するための本発明による歯型材は、歯型採取時に、口腔
内で、消石灰、塩基性アミノ酸、アミン類又はほう酸塩
などの塩基性硬化剤により硬化させることができる歯型
材であって、ゲル化剤としてのグルコマンナンと、水
と、増粘剤と、充填剤とを含むペースト状の組成物から
成ることを特徴とするものである。
【0006】また、本発明の歯型材においては、前記増
粘剤は、ローカスビーンガム、アラビアガム、ガッティ
ガム、テイマックマンナン、トラガントガム、カラギー
ナン、又はグアーガム等の天然高分子物質であるのがよ
い。
粘剤は、ローカスビーンガム、アラビアガム、ガッティ
ガム、テイマックマンナン、トラガントガム、カラギー
ナン、又はグアーガム等の天然高分子物質であるのがよ
い。
【0007】また、本発明の歯型材においては、前記充
填剤は、タルク、ホウ砂、ケイ藻土、ケイ酸塩等の、前
記組成物の硬さ、弾性、寸法精度、又は表面粗さを改善
することができる無機質であるのがよい。
填剤は、タルク、ホウ砂、ケイ藻土、ケイ酸塩等の、前
記組成物の硬さ、弾性、寸法精度、又は表面粗さを改善
することができる無機質であるのがよい。
【0008】さらに、本発明の歯型材においては、前記
水は、前記グルコマンナンに対して重量比で6倍以上3
5倍以下であること、より好ましくは8倍以上20倍以
下であることがよい。
水は、前記グルコマンナンに対して重量比で6倍以上3
5倍以下であること、より好ましくは8倍以上20倍以
下であることがよい。
【0009】また、本発明の歯型材の取扱い方法は、前
記組成物と前記塩基性硬化剤を混合させ、この混合させ
たものを口腔内に入れて歯型を採取し、その状態で前記
組成物を硬化させ、この硬化させた組成物をPH9〜1
4に調整された水の中で保存する、ことがよい。
記組成物と前記塩基性硬化剤を混合させ、この混合させ
たものを口腔内に入れて歯型を採取し、その状態で前記
組成物を硬化させ、この硬化させた組成物をPH9〜1
4に調整された水の中で保存する、ことがよい。
【0010】以上のように、本発明による歯型材は、蒟
蒻に多く含まれるグルコマンナンのゲル化特性及び硬化
物の機能特性を活かしたものであり、その主剤とされて
いるグルコマンナンは食品素材として健康安全であり且
つ安価であることから、生分解性のプラスチックとして
の応用も期待されているものである。
蒻に多く含まれるグルコマンナンのゲル化特性及び硬化
物の機能特性を活かしたものであり、その主剤とされて
いるグルコマンナンは食品素材として健康安全であり且
つ安価であることから、生分解性のプラスチックとして
の応用も期待されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明はグルコマンナンの有する
吸水ゲル化性能と、アルカリ性化合物による硬化促進性
能を利用することにより、従来はポリシロキサン系化合
物等の触媒による硬化反応以外にはなかった常温硬化可
能な2液性歯型材(歯型材と硬化剤)を提供するもので
ある。
吸水ゲル化性能と、アルカリ性化合物による硬化促進性
能を利用することにより、従来はポリシロキサン系化合
物等の触媒による硬化反応以外にはなかった常温硬化可
能な2液性歯型材(歯型材と硬化剤)を提供するもので
ある。
【0012】主剤のグルコマンナンとしては、マンナン
含有量65%以上のグルコマンナンが適当である。マン
ナン含有量が大きいと得られる硬化物の透明度が大き
く、歯型材としての物性も改善されるが、ゲル化条件の
調節が微妙であり且つコストの観点から経済性に劣る。
含有量65%以上のグルコマンナンが適当である。マン
ナン含有量が大きいと得られる硬化物の透明度が大き
く、歯型材としての物性も改善されるが、ゲル化条件の
調節が微妙であり且つコストの観点から経済性に劣る。
【0013】歯型材に必要な物性は、弾力性と寸法精度
を維持するのに必要な硬度である。グルコマンナンと水
の比率又は重量比を変える事により歯型材に必要な物性
改善はある程度図れるが、改善の程度は実用的には不十
分である。
を維持するのに必要な硬度である。グルコマンナンと水
の比率又は重量比を変える事により歯型材に必要な物性
改善はある程度図れるが、改善の程度は実用的には不十
分である。
【0014】硬化物の硬さに関しては主剤となるグルコ
マンナン粉末に対して水の比率(重量比)を小さくする
と硬さが増大する事が予想され実際にその通りになる
が、驚くべき事に水の量が重量比でグルコマンナン粉末
の5倍以下になると硬化促進剤の使用量の多寡に拘わら
ず硬化物の硬さは急激に減少することが、本発明の研究
過程で判明した。つまり、水のグルコマンナン粉末に対
する比率が5倍以下になると水和不良のため不連続なゲ
ル状となり強度は発現しない。他方、グルコマンナン粉
末に対する水の比率が35倍以上になると、強度不足の
ジェリー状となってしまう。以上より、適当な歯型材と
するためには、グルコマンナンに対する水の比率(重量
比)は、6倍以上35倍以下であることが必要であり、
より好ましくは8倍以上20倍以下であることが望まし
い。
マンナン粉末に対して水の比率(重量比)を小さくする
と硬さが増大する事が予想され実際にその通りになる
が、驚くべき事に水の量が重量比でグルコマンナン粉末
の5倍以下になると硬化促進剤の使用量の多寡に拘わら
ず硬化物の硬さは急激に減少することが、本発明の研究
過程で判明した。つまり、水のグルコマンナン粉末に対
する比率が5倍以下になると水和不良のため不連続なゲ
ル状となり強度は発現しない。他方、グルコマンナン粉
末に対する水の比率が35倍以上になると、強度不足の
ジェリー状となってしまう。以上より、適当な歯型材と
するためには、グルコマンナンに対する水の比率(重量
比)は、6倍以上35倍以下であることが必要であり、
より好ましくは8倍以上20倍以下であることが望まし
い。
【0015】また前述のようにグルコマンナンと水を混
合させて生成したゲル状物を硬化させるためには、この
ゲル状物に対して、消石灰(Ca(OH)2)を1〜1
6重量%とするのがよく、より好ましくは、2〜8重量
%とするのが望ましい。なぜなら、前記ゲルに対して消
石灰が1重量%以下では硬化せず、他方、前記ゲルに対
して消石灰が16重量%以上では柔らかいジェリー状と
なって固まらないからである。なお、以上の1〜16重
量%又は2〜8重量%は、前記ゲル状物の中のグルコマ
ンナン粉末に対する消石灰の好ましい重量比であるが、
前記ゲル状物の中の水に対する消石灰の好ましい重量比
は、0.06〜3.2重量%、より好ましくは0.1〜
1.6重量%である。
合させて生成したゲル状物を硬化させるためには、この
ゲル状物に対して、消石灰(Ca(OH)2)を1〜1
6重量%とするのがよく、より好ましくは、2〜8重量
%とするのが望ましい。なぜなら、前記ゲルに対して消
石灰が1重量%以下では硬化せず、他方、前記ゲルに対
して消石灰が16重量%以上では柔らかいジェリー状と
なって固まらないからである。なお、以上の1〜16重
量%又は2〜8重量%は、前記ゲル状物の中のグルコマ
ンナン粉末に対する消石灰の好ましい重量比であるが、
前記ゲル状物の中の水に対する消石灰の好ましい重量比
は、0.06〜3.2重量%、より好ましくは0.1〜
1.6重量%である。
【0016】蒟蒻は、古来食用に供されその製造条件も
一定のものであるが、本発明で要求される蒟蒻硬化物の
製造条件は、常温で且つ短時間であることが必要であ
る。すなわち、歯型採取が口腔内で行う必要がある事を
考慮すると、最初可塑性のあるゲル状化物の硬化が或る
操作により開始し硬化が完了するまでの環境が常温に保
たれ且つ所要時間が数十秒から3分程度であるという事
が必要である。これらの硬化条件は、次に示す硬化促進
剤を使用する事により達成できる。即ち、主剤をA剤、
硬化促進剤(硬化剤)をB剤としたとき、A剤とB剤を
歯型採取直前に混和して硬化を開始し完結させる事によ
り、前記必要条件を満足させることができる。
一定のものであるが、本発明で要求される蒟蒻硬化物の
製造条件は、常温で且つ短時間であることが必要であ
る。すなわち、歯型採取が口腔内で行う必要がある事を
考慮すると、最初可塑性のあるゲル状化物の硬化が或る
操作により開始し硬化が完了するまでの環境が常温に保
たれ且つ所要時間が数十秒から3分程度であるという事
が必要である。これらの硬化条件は、次に示す硬化促進
剤を使用する事により達成できる。即ち、主剤をA剤、
硬化促進剤(硬化剤)をB剤としたとき、A剤とB剤を
歯型採取直前に混和して硬化を開始し完結させる事によ
り、前記必要条件を満足させることができる。
【0017】歯型採取時に歯型材が硬化した後、細部の
凹凸の印象を歯型材に雌型として保存したまま取り出す
ためには、取り出した後に硬化物が印象を忠実に復元す
るための適度の弾力性が必要である。この物性改善は、
ローカストビーンガム、テイマックマンナン、トラガン
トガム、カラギーナン、又はグアーガムなどの増粘剤と
言われる天然ガム類を配合する事により、達成される。
凹凸の印象を歯型材に雌型として保存したまま取り出す
ためには、取り出した後に硬化物が印象を忠実に復元す
るための適度の弾力性が必要である。この物性改善は、
ローカストビーンガム、テイマックマンナン、トラガン
トガム、カラギーナン、又はグアーガムなどの増粘剤と
言われる天然ガム類を配合する事により、達成される。
【0018】又、歯型採取した歯型材は歯型の雌型を要
しているが、その雌型に石膏などの歯型剤を流し込んで
雄型を採取する場合、採取後の時間経過に拘わらず寸法
精度を維持するために適度の硬度が必要である。そのた
めには、歯型材と石膏模型を組合せることが行われる。
しかし、歯型材と石膏模型を組合せた場合の問題点は、
その表面粗さである。この表面粗さは、石膏を注いだと
きの表面劣化を改善するため各種の添加剤と石膏との相
性を考慮する事により改善される。また、これは、弾
性、硬さの改善にも有効である。この物性改善には、タ
ルク、ホウ砂、ケイ藻土、又はケイ酸塩などのような、
いわゆるフィラーと称される無機系の粉末或いは有機若
しくは無機系の繊維質を配合する事により達成できる。
しているが、その雌型に石膏などの歯型剤を流し込んで
雄型を採取する場合、採取後の時間経過に拘わらず寸法
精度を維持するために適度の硬度が必要である。そのた
めには、歯型材と石膏模型を組合せることが行われる。
しかし、歯型材と石膏模型を組合せた場合の問題点は、
その表面粗さである。この表面粗さは、石膏を注いだと
きの表面劣化を改善するため各種の添加剤と石膏との相
性を考慮する事により改善される。また、これは、弾
性、硬さの改善にも有効である。この物性改善には、タ
ルク、ホウ砂、ケイ藻土、又はケイ酸塩などのような、
いわゆるフィラーと称される無機系の粉末或いは有機若
しくは無機系の繊維質を配合する事により達成できる。
【0019】また、グルコマンナンに含まれる糖鎖高分
子マンナンの硬化剤としては、消石灰、苛性カリ、炭酸
カルシュウム、等のアルカリ、ほう酸塩、アミン、又は
塩基性アミノ酸などのような塩基性物質を用いる。
子マンナンの硬化剤としては、消石灰、苛性カリ、炭酸
カルシュウム、等のアルカリ、ほう酸塩、アミン、又は
塩基性アミノ酸などのような塩基性物質を用いる。
【0020】
実施例1.グルコマンナン100重量部にローカストビ
ーンガム20重量部、珪素土15重量部を加え均一に混
合した。水1200重量部の中に前記混合物を少量ずつ
攪拌しながら加えるとゲル状物が得られた。
ーンガム20重量部、珪素土15重量部を加え均一に混
合した。水1200重量部の中に前記混合物を少量ずつ
攪拌しながら加えるとゲル状物が得られた。
【0021】ゲル状物に硬化剤として微粉状消石灰5重
量部を注意深く攪拌しながら加えた。硬化初期には可塑
性のある半硬化状態を呈し、2〜3分後に可塑性を失い
弾力性に富んだ完全硬化物が得られた。半硬化状態の時
に試験用雄型を押しつけ完全硬化後雄型を取り除いた結
果、精度の高い雌型が得られた。
量部を注意深く攪拌しながら加えた。硬化初期には可塑
性のある半硬化状態を呈し、2〜3分後に可塑性を失い
弾力性に富んだ完全硬化物が得られた。半硬化状態の時
に試験用雄型を押しつけ完全硬化後雄型を取り除いた結
果、精度の高い雌型が得られた。
【0022】なお、ここで、この実施例1により得られ
た歯型材の取扱い方法を図1を参照して説明する。ユー
ザーがマウスガードの製作を注文すると、製作受注先か
ら、チューブ状容器1に入れられた本実施例1による歯
型材と、チューブ状容器2に入れられた硬化剤の入った
水が、送られてくる。ユーザーは、これらの容器1及び
容器2から、歯型材と硬化剤をそれぞれ所定量ずつ出し
て、攪拌容器3に入れて、攪拌棒4で攪拌する(図1
(a)参照)。次に、この歯型材に硬化剤を攪拌し混合
したものを、口腔挿入用容器5に入れる(図1(b)参
照)。次に、この口腔挿入用容器5を口腔内に挿入し、
容器5内の歯型材の中にユーザーの歯を挿入してしばら
くの時間静止する(図1(c)参照)。その後、歯型材
が硬化したら、前記口腔挿入用容器5を口腔から外へ取
り出す。この取り出した前記口腔挿入用容器5とその中
の歯型材が硬化して得られた歯型(雌型)は、PH9〜
14に調整した水7が入った袋6又は容器の中に収容し
て、製作受注先に送る(図1(d))。
た歯型材の取扱い方法を図1を参照して説明する。ユー
ザーがマウスガードの製作を注文すると、製作受注先か
ら、チューブ状容器1に入れられた本実施例1による歯
型材と、チューブ状容器2に入れられた硬化剤の入った
水が、送られてくる。ユーザーは、これらの容器1及び
容器2から、歯型材と硬化剤をそれぞれ所定量ずつ出し
て、攪拌容器3に入れて、攪拌棒4で攪拌する(図1
(a)参照)。次に、この歯型材に硬化剤を攪拌し混合
したものを、口腔挿入用容器5に入れる(図1(b)参
照)。次に、この口腔挿入用容器5を口腔内に挿入し、
容器5内の歯型材の中にユーザーの歯を挿入してしばら
くの時間静止する(図1(c)参照)。その後、歯型材
が硬化したら、前記口腔挿入用容器5を口腔から外へ取
り出す。この取り出した前記口腔挿入用容器5とその中
の歯型材が硬化して得られた歯型(雌型)は、PH9〜
14に調整した水7が入った袋6又は容器の中に収容し
て、製作受注先に送る(図1(d))。
【0023】なお、ここで、前記前記口腔挿入用容器5
とその中の歯型(雌型)とをPH9〜14に調整した水
7の中に入れるようにしているのは、次のような理由に
よる。すなわち、まず、前記歯型(雌型)をそのまま大
気中に置いておくと歯型(雌型)の中の水分が蒸発して
歯型(雌型)が収縮してしまうので、歯型(雌型)は水
に入れておく必要がある。他方、この歯型(雌型)は、
単なる水の中に入れておくと、コンニャク成分が型崩れ
してしまうので、コンニャク成分が型崩れしないように
PH9〜14に調整された水に入れておく必要がある。
なお、図1(d)に示す例では、ユーザーは、念のた
め、歯型材を2つ使用して2つの歯型(雌型)を作るよ
うにしており、前記水7の中には、この2つの歯型(雌
型)を入れて受注製造先に送るようにしている。
とその中の歯型(雌型)とをPH9〜14に調整した水
7の中に入れるようにしているのは、次のような理由に
よる。すなわち、まず、前記歯型(雌型)をそのまま大
気中に置いておくと歯型(雌型)の中の水分が蒸発して
歯型(雌型)が収縮してしまうので、歯型(雌型)は水
に入れておく必要がある。他方、この歯型(雌型)は、
単なる水の中に入れておくと、コンニャク成分が型崩れ
してしまうので、コンニャク成分が型崩れしないように
PH9〜14に調整された水に入れておく必要がある。
なお、図1(d)に示す例では、ユーザーは、念のた
め、歯型材を2つ使用して2つの歯型(雌型)を作るよ
うにしており、前記水7の中には、この2つの歯型(雌
型)を入れて受注製造先に送るようにしている。
【0024】次に、ユーザーからこの歯型(雌型)を受
け取った製作受注先は、次のようにして、マウスガード
を製作する。まず、図2(a)に示すように、容器5内
の硬化された歯型(雌型)の中に、石膏8を流し込む。
その後、固まった石膏を取り出し、それを歯型(雄型)
とする。次に、図2(b)に示すように、この歯型(雄
型)9の上に、マウスガード用ビニール樹脂プレート1
0を載せて加圧成形する。これにより、マウスガードが
製作される。
け取った製作受注先は、次のようにして、マウスガード
を製作する。まず、図2(a)に示すように、容器5内
の硬化された歯型(雌型)の中に、石膏8を流し込む。
その後、固まった石膏を取り出し、それを歯型(雄型)
とする。次に、図2(b)に示すように、この歯型(雄
型)9の上に、マウスガード用ビニール樹脂プレート1
0を載せて加圧成形する。これにより、マウスガードが
製作される。
【0025】比較例1.グルコマンナン100重量部を
水1200重量部の中に少量ずつ攪拌しながら加えると
ゲル状物が得られた。ゲル状物に硬化剤として微粉状消
石灰15重量部を注意深く攪拌しながら加えた。徐々に
硬化が進行し、2〜3分後に可塑性の無い硬化物が得ら
れた。実施例1に比べると硬化物は柔らかく、試験用雄
型に対して雌型の印象が残り難く、又硬化物の硬度が歯
型採取の目的には明らかに不足した。
水1200重量部の中に少量ずつ攪拌しながら加えると
ゲル状物が得られた。ゲル状物に硬化剤として微粉状消
石灰15重量部を注意深く攪拌しながら加えた。徐々に
硬化が進行し、2〜3分後に可塑性の無い硬化物が得ら
れた。実施例1に比べると硬化物は柔らかく、試験用雄
型に対して雌型の印象が残り難く、又硬化物の硬度が歯
型採取の目的には明らかに不足した。
【0026】実施例2.グルコマンナン60重量部にロ
ーカストビーンガム20重量部、テイマックマンナン2
0重量部を加え均一に混合した。水1100重量部の中
に前記混合物を少量ずつ攪拌しながら加えるとゲル状物
が得られた。
ーカストビーンガム20重量部、テイマックマンナン2
0重量部を加え均一に混合した。水1100重量部の中
に前記混合物を少量ずつ攪拌しながら加えるとゲル状物
が得られた。
【0027】ゲル状物に硬化剤として微粉状消石灰3重
量部とアルギニン3重量部を注意深く攪拌しながら加え
た。2〜3分後に可塑性を失い、弾性に富んだ状態が得
られた。
量部とアルギニン3重量部を注意深く攪拌しながら加え
た。2〜3分後に可塑性を失い、弾性に富んだ状態が得
られた。
【0028】比較例2.グルコマンナン70重量部にト
ラガントガム30重量部を加え均一に混合させ、水11
00重量部の中に少量ずつ攪拌しながら加えるとゲル状
物が得られた。ゲル状物に硬化剤として微粉状消石灰5
重量部を注意深く攪拌しながら加えた。結果、流動性が
残り弾性がないので歯型採取には不可であった。
ラガントガム30重量部を加え均一に混合させ、水11
00重量部の中に少量ずつ攪拌しながら加えるとゲル状
物が得られた。ゲル状物に硬化剤として微粉状消石灰5
重量部を注意深く攪拌しながら加えた。結果、流動性が
残り弾性がないので歯型採取には不可であった。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による歯型
材では、ゲル化剤として、こんにゃく粉から得られるグ
ルコマンナンを主剤としているので、もしユーザーが誤
飲したときでも健康への悪影響がない安全性が確保でき
る。また、こんにゃく粉を主な原料としているので歯型
材を安価に製造できるようになる。
材では、ゲル化剤として、こんにゃく粉から得られるグ
ルコマンナンを主剤としているので、もしユーザーが誤
飲したときでも健康への悪影響がない安全性が確保でき
る。また、こんにゃく粉を主な原料としているので歯型
材を安価に製造できるようになる。
【0030】また、本発明の歯型材においては、前記増
粘剤として、ローカスビーンガム、アラビアガム、ガッ
ティガム、テイマックマンナン、トラガントガム、カラ
ギーナン、又はグアーガム等の天然高分子物質を使用し
ているので、もしユーザーが誤飲したときでも健康への
悪影響がない安全性が確保できるようになる。
粘剤として、ローカスビーンガム、アラビアガム、ガッ
ティガム、テイマックマンナン、トラガントガム、カラ
ギーナン、又はグアーガム等の天然高分子物質を使用し
ているので、もしユーザーが誤飲したときでも健康への
悪影響がない安全性が確保できるようになる。
【0031】また、本発明の歯型材においては、前記充
填剤として、タルク、ホウ砂、ケイ藻土、ケイ酸塩等
の、前記組成物の硬さ、弾性、寸法精度、又は表面粗さ
を改善することができる無機質を使用しているので、歯
型材による雌型に石膏などを流し込んで雄型を採取する
場合に、その表面粗さなどが有効に改善されるようにな
る。
填剤として、タルク、ホウ砂、ケイ藻土、ケイ酸塩等
の、前記組成物の硬さ、弾性、寸法精度、又は表面粗さ
を改善することができる無機質を使用しているので、歯
型材による雌型に石膏などを流し込んで雄型を採取する
場合に、その表面粗さなどが有効に改善されるようにな
る。
【0032】さらに、本発明の歯型材においては、水
を、前記グルコマンナンに対して重量比で6倍以上35
倍以下、より好ましくは8倍以上20倍以下の量だけ含
有させているので、歯型材を、歯型採取に適した強度に
保ち、かつ、適当な硬化反応を発揮させられるようにな
る。
を、前記グルコマンナンに対して重量比で6倍以上35
倍以下、より好ましくは8倍以上20倍以下の量だけ含
有させているので、歯型材を、歯型採取に適した強度に
保ち、かつ、適当な硬化反応を発揮させられるようにな
る。
【0033】また、本発明の歯型材の取扱い方法におい
ては、硬化させた前記組成物(雌型の歯型)をPH9〜
14に調整された水の中で保存するようにしているの
で、。前記雌型の歯型は、PH9〜14に調整された水
の中で、水分の蒸発による収縮も起こらず、またこんに
ゃく成分の型崩れも起こらず、有効にその形が維持保存
されるようになる。
ては、硬化させた前記組成物(雌型の歯型)をPH9〜
14に調整された水の中で保存するようにしているの
で、。前記雌型の歯型は、PH9〜14に調整された水
の中で、水分の蒸発による収縮も起こらず、またこんに
ゃく成分の型崩れも起こらず、有効にその形が維持保存
されるようになる。
【図1】 本発明の実施例1による歯型材の取扱い方法
を説明するための図である。
を説明するための図である。
【図2】 同実施例1による歯型材の取扱い方法を説明
するための図である。
するための図である。
1,2 チューブ状容器 3 攪拌容器 4 攪拌棒 5 口腔挿入用容器 6 袋 7 水 8 石膏 9 歯型(雄型) 10 マウスガード用ビニール樹脂プレート
Claims (5)
- 【請求項1】 歯型採取時に、口腔内で、消石灰、塩基
性アミノ酸、アミン類又はほう酸塩などの塩基性硬化剤
により硬化させることができる歯型材であって、 ゲル化剤としてのグルコマンナンと、水と、増粘剤と、
充填剤とを含むペースト状の組成物から成ることを特徴
とする歯型材。 - 【請求項2】 請求項1の歯型材において、前記増粘剤
は、ローカスビーンガム、テイマックマンナン、トラガ
ントガム、カラギーナン、又はグアーガムなどの天然高
分子物質であることを特徴とする歯型材。 - 【請求項3】 請求項1又は2の歯型材において、前記
充填剤は、タルク、ホウ砂、ケイ藻土、ケイ酸塩など
の、前記組成物である生成ゲルの硬さ、弾性、寸法精
度、又は表面粗さを改善することができる無機質である
ことを特徴とする歯型材。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の歯型材にお
いて、前記水は、前記グルコマンナンに対して重量比で
6倍以上35倍以下であることを特徴とする歯型材。 - 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
歯型材の取扱い方法であって、前記組成物と前記塩基性
硬化剤を混合させ、この混合させたものを口腔内に入れ
て歯型を採取し、その状態で前記組成物を硬化させ、こ
の硬化させた組成物をPH9〜14に調整された水の中
で保存する、ことを特徴とする歯型材の取扱い方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8227756A JPH1045522A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 歯型材及びその取扱い方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8227756A JPH1045522A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 歯型材及びその取扱い方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1045522A true JPH1045522A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16865889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8227756A Pending JPH1045522A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 歯型材及びその取扱い方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1045522A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6508874B1 (en) | 1997-11-17 | 2003-01-21 | Giraffe Co., Ltd. | Modeling composition, method of preparing modeling material using said modeling composition, modeling material, and modeling method using said modeling material |
JP2012153633A (ja) * | 2011-01-25 | 2012-08-16 | Dentoro Chem:Kk | 歯科用アルギン酸塩印象材 |
-
1996
- 1996-08-08 JP JP8227756A patent/JPH1045522A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6508874B1 (en) | 1997-11-17 | 2003-01-21 | Giraffe Co., Ltd. | Modeling composition, method of preparing modeling material using said modeling composition, modeling material, and modeling method using said modeling material |
JP2012153633A (ja) * | 2011-01-25 | 2012-08-16 | Dentoro Chem:Kk | 歯科用アルギン酸塩印象材 |
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