JPH1045462A - 水潤滑性セラミックス焼結体 - Google Patents

水潤滑性セラミックス焼結体

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JPH1045462A
JPH1045462A JP8201712A JP20171296A JPH1045462A JP H1045462 A JPH1045462 A JP H1045462A JP 8201712 A JP8201712 A JP 8201712A JP 20171296 A JP20171296 A JP 20171296A JP H1045462 A JPH1045462 A JP H1045462A
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JP
Japan
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water
sintered body
sintered compact
ceramic
ceramic sintered
Prior art date
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Pending
Application number
JP8201712A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Kiyohara
耕一 清原
Katsutoshi Muramatsu
勝利 村松
Toshiaki Kaneko
敏昭 兼子
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水潤滑性セラミックス焼結体の緻密化を図っ
て、高強度化し摺動寿命を長くし、安定した摺動性を得
ることである。 【解決手段】 酸化アルミニウム粉末などの酸化物セラ
ミックス材料に、クロム、アルミニウム、チタンおよび
モリブデンからなる群から選ばれる一種以上の金属粉末
を1〜30重量%混合し、これを窒素雰囲気中で焼結し
た水潤滑性セラミックス焼結体とする。所定の金属を固
溶した焼結体は緻密化し、焼結体中の金属窒化物は、水
に接触したセラミックス焼結体の摺動時に水酸化物を生
じ、焼結体表面を水膜で覆って境界潤滑を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水中または水湿
潤状態で低摩擦係数である水潤滑性セラミックス焼結体
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、セラミックス焼結体を、成形さ
れた摺動材や転動材として機械部品に使用する場合に
は、その表面に潤滑油やグリースで潤滑油膜を形成し、
摩擦係数を低下させている。
【0003】しかし、セラミックス焼結体を、水中また
は水湿潤状態で潤滑油等を使用して繰り返して摺動させ
ると、水流によって摺動面の潤滑膜が失われて摩擦係数
が増加し、安定した摺動特性が得られない。また、水中
では油性の潤滑剤を使用できない場合もある。
【0004】このような問題に対する公知技術として
は、連通気孔を有する多孔性セラミックスに、グラファ
イト、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、フッ素樹脂など
の固体潤滑剤を含浸し、水中または水湿潤状態での摺動
性を高めることが特公平5−50475号公報に開示さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した多孔
性セラミックスは、連通気孔を有して水密性に欠けるの
で、シール性の要求される場合の水潤滑の用途に利用で
きず、また多孔質化によって強度も充分ではなかった。
【0006】また、セラミックス材料にグラファイトや
二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を混合して成形し焼
結された焼結体は、固体潤滑剤がセラミックスの焼結性
を阻害するので、充分に緻密化しないものであり、高強
度は得られなかった。
【0007】ところで、鋼や超硬合金の表面に、イオン
プレーティング法によって、窒化クロムのセラミックコ
ーティングを形成し、金属成形体表面の耐摩耗性、耐食
性および低摩擦化を図る技術も1993年6月に発行さ
れた技術専門誌の「金属プレス」(第33〜38頁)に
記載されている。
【0008】しかし、Al2 3 などの絶縁性セラミッ
クス焼結体の表面に、イオンプレーティング法によって
被膜を形成する場合には、予め、導電性の下地膜を形成
しなければならないので、量産性に欠け、コストも高く
なる。
【0009】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、水中または水湿潤状態で低摩擦係数で摺
動する水潤滑性セラミックス焼結体を、可及的に簡単な
工程で低コストで製造できるようにすると共に、その母
材のセラミックスの緻密化を図り、このものを高強度化
し、摺動寿命の長い水潤滑性セラミックス焼結体とする
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、酸化物セラミックス材料に、
クロム、アルミニウム、チタンおよびモリブデンからな
る群から選ばれる一種以上の金属粉末を混合し、これを
窒素雰囲気中で焼結した水潤滑性セラミックス焼結体と
したのである。
【0011】この発明の水潤滑性セラミックス焼結体
は、窒素雰囲気中で焼結された酸化物セラミックス焼結
体が、所定の金属を固溶して緻密な焼結体を形成してお
り、さらにセラミックス焼結体中に金属窒化物を含有し
ている。
【0012】金属窒化物は、水に接触したセラミックス
焼結体の摺動時に、トライボケミカル反応によって水酸
化物を生じ、焼結体表面の水膜に対する親和性を高め、
すなわち焼結体表面を水膜で覆うことにより、境界潤滑
を防止する。
【0013】特に、酸化物セラミック材料として酸化ア
ルミニウム(Al2O3)を採用し、クロム粉末を配合して窒
素雰囲気中で焼結すると、緻密な焼結体を形成すると共
に、クロムの一部が酸化アルミニウム焼結体に置換固溶
し、残りの一部または全部が窒化されて窒化クロムを生
じる。
【0014】水潤滑下では、前述のように窒化クロムが
トライボケミカル反応によって水酸化物を生じ、水膜に
対する親和性を増してセラミックス焼結体の摺動特性を
良好にする。
【0015】そして、金属粉末を酸化物セラミックス材
料に混合し、これを窒素雰囲気中で焼結して水潤滑性セ
ラミックス焼結体を製造すると、従来のイオンプレーテ
ィングなどの方法に比べて水潤滑性セラミックス焼結体
を簡単で効率よく製造でき、このものを低コストに製造
することも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明に用いる酸化物セラミッ
クス材料は、焼結体の用途に応じて水中での使用に耐え
るように、周知の酸化物セラミックス材料を選択的に採
用する。そのような酸化物セラミックス材料の具体例と
しては、酸化アルミニウム(アルミナ)、ジルコニアな
どが挙げられる。
【0017】この発明に用いる所定の金属粉末は、前記
セラミックス材料に対して均一に混合できるような粉体
であればよい。金属粉末の具体的な粒径としては、10
0μm以下のものが好ましい。
【0018】そして、上記した金属粉末の配合量は、セ
ラミックス焼結体中に1〜30重量%であれば適当であ
る。なぜなら、1重量%未満の少量では、セラミックス
焼結体の摩擦低減の効果が充分でなくなり、30重量%
を越える多量を配合すると、セラミック焼結体の強度が
低下するので好ましくないからである。
【0019】セラミックス材料と所定の金属粉末からセ
ラミック焼結体を形成するには、混合粉を所望の形状に
圧縮成形し、この成形品を高温に保持して焼結した後、
放冷する。通常、放冷後には摺動面に対して研削仕上げ
を行なう。
【0020】前記焼結前の混合粉の状態では、適量の焼
結助剤を配合してもよい。アルミナ質セラミック焼結体
の焼結助剤としては、シリカ(SiO2 )、酸化ナトリ
ウム、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)な
ど、ジルコニア質セラミック焼結体の焼結助剤として
は、イットリア(Y2 3 )、マグネシア(MgO)な
どが挙げられる。
【0021】
【実施例】
〔実施例1〜4〕酸化物セラミックス材料としてアルミ
ナ粉末を採用し、粒子径74μm以下のクロム(Cr)
粉を5〜25重量%添加混合し、外径43mm、内径8
mm、高さ7mmのディスク(円盤)状に加圧成形し
た。
【0022】この成形体を窒素雰囲気中で1600℃で
2時間加熱して焼結し、セラミックス焼結体を得た。
【0023】得られたディスク状の焼結体の端面(摺動
面)を表面粗さ0.01〜0.1μmRaに鏡面仕上
し、これを下記の摩擦摩耗試験機の回転ディスクとして
採用し、水中摺動条件での摩擦係数(最小値〜最大値)
を調べ、結果を表1中に示した。
【0024】(a)水中摩擦摩耗試験 図1に示すように、回転動力が入力される軸1の先端部
分を、水(W)を入れた容器2の底部に滑り軸受3を介
して回転自在にかつ水漏れがないように取付け、軸1の
先端にはネジ4でディスク状焼結体5を固定し、アルミ
ナ製の円筒状焼結体6は非回転の支軸軸7の下向きの先
端部に固定して、ディスク状焼結体5の上面に円筒状焼
結体6の下端面を摺動可能に密接させた。
【0025】ディスク状焼結体5の上面および円筒状焼
結体6の下端面は、いずれも表面粗さ0.01〜0.1
μmRaに鏡面仕上とし、なお両焼結体の摺動面が水面
下で水潤滑されるように、予め容器2内に所要量の水
(W)を入れておいた。そして、支持軸7に一定の荷重
(接触面圧0.39MPa)を負荷し、連続して20時
間にわたり摺動させ、摺動時間中の0.5分毎に摩擦係
数を調べた。
【0026】
【表1】
【0027】〔比較例1〕酸化物セラミックス材料とし
てアルミナ粉末のみを採用し、クロム粉を使用しなかっ
たこと以外は、実施例と全く同様にしてディスク(円
盤)状のセラミックス焼結体を得た。
【0028】得られたディスク状の焼結体を上記の摩擦
摩耗試験機の回転ディスクとして採用し、その他は実施
例1の場合と全く同様の水中摺動条件で摩擦係数を調
べ、結果を表1中に併記した。
【0029】表1の結果からも明らかなように、アルミ
ナ焼結体からなる比較例1は、水潤滑下で0.5〜0.
6という比較的高い摩擦係数を示した。
【0030】これに対して所定量のクロムを配合して焼
結した実施例1〜4は、0.1〜0.2(実施例1、
2)、0.2〜0.3(実施例3)、0.3〜0.4
(実施例4)という安定した低い摩擦係数値を、比較的
高荷重で長時間にわたる摺動実験において示した。この
ことから、実施例の水潤滑性セラミックス焼結体は、機
械的強度が優れ、摺動寿命も長く、水中または水湿潤状
態で低摩擦係数を示すことが判る。
【0031】また、クロム10重量%を含有する(実施
例2)の水潤滑性セラミックス焼結体について、その成
分をX線回折で分析し、そのチャート(分析結果)を図
2に示した。
【0032】図2に最上段に示した実施例2の水潤滑性
セラミックス焼結体のチャートには、図中第2段に実線
で示したアルミナ(Al2 3 )のピークパターンと共
に、図中第3段のクロム(Cr)のピークパターンおよ
び図中第4段の窒化クロム(Cr2 N)のピークパター
ンが認められ、クロムが窒化されていることが判る。
【0033】
【発明の効果】この発明の水潤滑性セラミックス焼結体
は、以上説明したように、窒素雰囲気中で焼結された酸
化物セラミックス焼結体に、所定の金属が固溶したもの
であり、このものは緻密な焼結体であって機械的強度が
優れており、安定した摺動性があり、摺動寿命も長いと
いう利点がある。
【0034】また、この発明の水潤滑性セラミックス焼
結体は、水に接して摺動すると金属窒化物から水酸化物
を生じ、焼結体表面が水膜で覆われ、水中または水湿潤
状態で低摩擦係数を示す利点がある。
【0035】また、酸化物セラミックス材料に金属粉末
を混合し、これを窒素雰囲気中で焼結して効率よく製造
できるので、低コストで製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦摩耗試験機の縦断面図
【図2】Al2 3 −Cr−Cr2 N系セラミックス焼
結体のX線回折チャート
【符号の説明】
1 軸 2 容器 3 軸受 4 ネジ 5 ディスク状焼結体 6 円筒状焼結体 7 支持軸 W 水

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物セラミックス材料に、クロム、ア
    ルミニウム、チタンおよびモリブデンからなる群から選
    ばれる一種以上の金属粉末を混合し、これを窒素雰囲気
    中で焼結したものからなる水潤滑性セラミックス焼結
    体。
  2. 【請求項2】 金属粉末の配合割合が、1〜30重量%
    である請求項1記載の水潤滑性セラミックス焼結体。
  3. 【請求項3】 酸化物セラミックス材料が、酸化アルミ
    ニウム粉末である請求項1または2に記載の水潤滑性セ
    ラミックス焼結体。
JP8201712A 1996-07-31 1996-07-31 水潤滑性セラミックス焼結体 Pending JPH1045462A (ja)

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