JPH1045011A - パワーステアリング試験装置 - Google Patents

パワーステアリング試験装置

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JPH1045011A
JPH1045011A JP8207282A JP20728296A JPH1045011A JP H1045011 A JPH1045011 A JP H1045011A JP 8207282 A JP8207282 A JP 8207282A JP 20728296 A JP20728296 A JP 20728296A JP H1045011 A JPH1045011 A JP H1045011A
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博之 熊倉
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光彦 原良
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隆夫 森田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーステアリング装置のバルブ特性や車両
の緒元等を変えながら、パワーステアリング操舵反力特
性を台上試験により効率的にシミュレートする。 【解決手段】 パワーステアリング装置の操舵トルクT
とパワーステアリング圧力Pとを計測してそのベースバ
ルブ特性Vbを求めると共に、前記パワーステアリング
装置に対する仮想バルブ特性Vtを任意に設定する。そ
して予め設定された車両運動モデルに従って求められる
操舵角θhに対する操舵反力Faを、上記ベースバルブ特
性Vbと仮想バルブ特性Vtとに基づいて補正し、補正し
た操舵反力Fを前記パワーステアリング装置に付与する
ことで、前記パワーステアリング装置上で前記仮想バル
ブ特性に基づく操舵反力特性を実現して、その操舵シミ
ュレーションを実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパワーステアリング
の操舵反力特性を、車両やタイヤの諸元、更には運転状
態や走行環境を変えながら、或いはパワーステアリング
装置に対する仕様を変えながら、台上試験により簡易
に、且つ効率的にシミュレートすることのできるパワー
ステアリング試験装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】ハンドルの操舵力を軽減する機構
として、油圧を利用したパワーステアリング装置が幅広
く利用されている。この種のパワーステアリング装置
は、基本的には油圧回路の切り換えによって駆動される
パワーシリンダと、ハンドルの操舵角に応じて上記パワ
ーシリンダに対する油圧回路の切り換えとその油圧を制
御するコントロールバルブ(パワーステアリングバル
ブ)とにより構成される。
【0003】このようなパワーステアリング装置におけ
る操舵反力特性の台上試験によるシミュレートは、一般
的には前記パワーシリンダの出力軸に連結した反力アク
チュエータを用いて前記パワーシリンダに負荷(反力)
を与えながら行われる。尚、上記反力アクチュエータを
用いて発生させる反力(負荷)Fについては、専ら、予
め車速等に基づいて設定された操舵反力のマップデータ
に従い、ハンドルの操舵角θhに応じて求めるものとな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでパワーステア
リングの操舵反力は、車両やタイヤの諸元、車速等の運
転状態,更には横風の強さ等の走行環境によって様々に
変化する。従って種々の条件における操舵反力特性をシ
ミュレートする場合には、その条件に応じた多数の操舵
反力マップを準備する必要があり、多大な労力を要す
る。しかも操舵反力マップを作成する上でのデータ収集
自体、非常に困難である。ちなみに特開平4−1139
07号公報には、操舵角やタイヤスリップ角等に応じて
操舵反力を演算し、その操舵反力をステアリングホイー
ル(ハンドル)に加えて操舵試験を実行する技術が開示
される。しかしどの様な走行条件の下で操舵反力を演算
するかと言う点で問題が残り、操舵反力マップに相当す
る演算関数を走行条件等に応じて数多く準備しておく必
要がある。
【0005】またパワーステアリング装置のバルブ特性
を変更しようとする場合には、その仕様に応じた複数種
類のコントロールバルブを試作し、これらを選択的にパ
ワーステアリング装置に組み込むことが必要となる。こ
の為、その試作と評価に多大な労力と経費が必要とな
り、バルブ特性を簡単に変更することができないと言う
不具合があった。
【0006】しかも上述したようにパワーステアリング
装置を単体のまま台上試験した場合と、パワーステアリ
ング装置を車両に搭載した場合とで、その操舵反力やコ
ントロールバルブ特性が変化する。これ故、実際のパワ
ーステアリングの操舵フィーリングを確かめるには実車
走行試験が必要となることが否めず、手間と時間が掛か
ると言う問題がある。特に同じパワーステアリング装置
であっても、これを搭載する車両の種別が異なる場合に
は、その車種毎に実車走行試験を行って、そのパワース
テアリングの操舵フィーリングを確かめる必要があっ
た。
【0007】尚、特開平4−133858号公報には反
力を付与するモータとステアリングホイールとの間の動
力伝達系に、増速手段および緩衝性を有するカプラを設
けることで、ステアリングホイールの操作性・操作感を
評価する技術が開示される。しかしこの技術にあって
は、パワーステアリング装置の特性自体を評価すること
ができないと言う問題がある。
【0008】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、車両やタイヤの諸元、更には運
転状態や走行環境を変えながら、或いはパワーステアリ
ング装置の仕様(バルブ特性)を変えながら、パワース
テアリングの操舵反力特性を台上試験によって簡易に、
且つ効率的にシミュレートすることのできるパワーステ
アリング試験装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明に係るパワーステアリング試験装置は、ハン
ドルの操舵角に応じて駆動されるコントロールバルブの
作動によって油圧回路が切り換えられて駆動されるパワ
ーシリンダを備えたパワーステアリング装置を備えると
共に、前記パワーシリンダの出力軸に連結され前記パワ
ーステアリング装置に操舵トルクを発生させる反力付加
手段を有し、前記パワーステアリングの操舵反力特性を
シミュレートするパワーステアリング試験装置であっ
て、前記パワーステアリング装置の操舵トルクTとパワ
ーステアリング圧力Pとを計測して該パワーステアリン
グ装置の基準となるベースコントロールバルブ特性(ベ
ースバルブ特性Vb)を求めこれを記憶するベースバル
ブ特性記憶手段と、前記パワーステアリング装置におい
て実現しようとする仮想のコントロールバルブ特性(仮
想バルブ特性Vt)を設定する仮想バルブ特性設定手段
と、予め車両諸元および運動方程式により設定された車
両運動モデルに従って操舵角θhに対する操舵反力Faを
求める操舵反力算出手段とを備え、前記ベースバルブ特
性Vb,前記仮想バルブ特性Vt,および前記操舵トルク
Tに応じて前記操舵反力Faを補正し(操舵反力補正手
段)、この補正された操舵反力Fを前記パワーステアリ
ング装置に付与するようにしたことを特徴としている。
【0010】つまり車両運動モデルに従って求められた
操舵反力Faを、ベースバルブ特性Vb,仮想バルブ特性
Vt,および操舵トルクTに応じて補正し、この補正操
舵反力Fをパワーステアリング装置に負荷として与える
ことで、その操舵反力特性を精度良く付与し得るように
したことを特徴としている。また請求項2に記載の発明
は、特に前記操舵反力算出手段において、車両およびタ
イヤの諸元,運転状態,走行環境に応じて可変設定され
る車両運動モデルの下で操舵角θhに対する操舵反力Fa
を求めることで、膨大な操舵反力マップを準備すること
なく種々条件下における操舵反力を効率的に求めること
を特徴としている。
【0011】更に請求項3に記載の発明は、前記操舵反
力補正手段として、前記ベースバルブ特性Vbと前記仮
想バルブ特性Vtとの差分ΔPを補正圧力特性として求
め、この補正圧力特性と前記操舵トルクTとに基づいて
求められる反力補正値fを前記操舵反力Faから差し引
いて補正操舵反力Fを求めることを特徴としている。つ
まりベースバルブ特性Vbと仮想バルブ特性Vtとの差分
ΔPを補正圧力特性として求めることで、簡易にして効
率的に操舵反力Faを補正し得るようにしたことを特徴
としている。
【0012】更にまた請求項4に記載の発明は、前記仮
想バルブ特性設定手段において、パワーステアリング装
置に対するシミュレート条件に応じて仮想バルブ特性V
tを可変設定することで、種々のコントロールバルブを
試作することなしに所望とするバルブ特性を設定するこ
とを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
るパワーステアリング試験装置の一実施形態について説
明する。図1はこの実施形態に係るパワーステアリング
試験装置の概略構成を示す機能的なブロック構成図で、
図中10は試験台上に設置されるパワーステアリング装
置である。このパワーステアリング装置10は、その構
成方式に応じてインテグラル型,セミインテグラル型,
リンケージ型等として分類されるが、基本的にはハンド
ル11の操舵角θhに応じて駆動されるコントロールバ
ルブ12と、このコントロールバルブ12の作動によっ
て油圧回路が切り換えられ、且つ油圧制御されて駆動さ
れるパワーシリンダ13とを備えて構成される。
【0014】また図中14は上記コントロールバルブ1
2に接続されて前記パワーシリンダ13に対する油圧回
路を構成する油圧装置であり、15は前記ハンドル11
に連結され、その操舵角θhに応じて移動駆動されるロ
ッドである。このロッド15に連結された前記パワーシ
リンダ13は、油圧により駆動されて前記ハンドル11
の操舵によるロッド15の移動をアシストする役割を果
たす。また前記ハンドル11のシャフト16にはセンサ
17が組み込まれており、このセンサ17によりハンド
ル角(操舵角)θhと操舵トルクTとがそれぞれ検出さ
れるようになっている。
【0015】また前記試験台上には前記パワーシリンダ
13に連結されて、例えば後述するようにサーボ制御さ
れる反力アクチュエータ18が設けられている。この反
力アクチュエータ18の駆動により前記パワーステアリ
ング装置10に対して、具体的には前記パワーシリンダ
13の出力軸に対して前記ハンドル11の操舵角θhに
応じた反力Fが加えられるようになっている。
【0016】さて上述した如く試験台上にパワーステア
リング装置10および反力アクチュエータ18を設置し
た本装置において、前記ハンドル11の操舵角θhに応
じて前記反力アクチュエータ18による反力Fを制御す
る制御ブロック20は次のように構成されている。即
ち、この制御ブロック20は、マイクロプロセッサを主
体とする演算制御ユニットによって実現されるもので、
基本的にはベースバルブ特性取得手段21,仮想バルブ
特性設定手段22,操舵反力算出手段23,および操舵
反力補正手段24を備えている。
【0017】ベースバルブ特性取得手段21は、前記ハ
ンドル11の操舵に伴うパワーステアリング装置10の
操舵トルクTとパワーステアリング圧力Pとを計測し、
操舵トルクTに対するパワーステアリング圧力Pの変化
特性(T-P特性)として該パワーステアリング装置1
0自体のバルブ特性(ベースバルブ特性Vb)を求める
ものである。また仮想バルブ特性設定手段22は、前記
パワーステアリング装置10において仮想的に実現した
いバルブ特性(仮想バルブ特性Vt)を任意に設定する
もので、その仮想バルブ特性Vtは、例えば前記演算制
御ユニットに対するキー入力により任意に設定される。
具体的には、実線で示すベースバルブ特性Vbに対して
図中破線で示すように、操舵トルクTに対するパワース
テアリング圧力Pを変える等して仮想バルブ特性Vtが
設定される。
【0018】補正圧力演算手段25は、上述した如くベ
ースバルブ特性取得手段21に求められるベースバルブ
特性Vbと、前記仮想バルブ特性設定手段22に設定さ
れた仮想バルブ特性Vtとの差分ΔPを補正圧力特性と
して求め、その差分ΔP(補正データ)を前記操舵反力
補正手段24に出力する。尚、補正圧力演算手段25は
独立した演算手段としてではなく、操舵反力補正手段2
4が持つ機能の一部として実現されるものであっても良
い。
【0019】一方、操舵反力算出手段23は、前記セン
サ17によって検出されるハンドル11の操舵角θhの
みならず、キー入力によって設定される車速Vや、任意
に変更可能な車両諸元,タイヤ特性等の諸元データ、更
には運転状態,走行環境等の設定情報に基づいて車両の
運動モデルを3次元的に解析する車両運動モデル解析手
段26を備えている。この車両運動モデル解析手段26
は、例えば文献「三菱自動車テクニカルレビュー」1995
No.7 P50-52(サスペンションアライメント制御による
運動性能向上について)に詳しく紹介されるように、図
2に例示するように車両の重心を基準として、ヨー方向
の運動量Azやロール方向の運動量lx,更には横方向の
運動量等を解析し、フロントタイヤスリップ角βf,リ
ヤタイヤスリップ角βrを、例えば βf =(δf−(y*+AL・ψ*)/U−XX1・φ)/Q
1 βr =(−(y*+BL・ψ*)/U−XX2・φ)/Q2 として求めるものである。但し、上式中 δf ;前輪(フロント)実舵角 y ;横変位(y*;横方向速度) AL ;重心前輪軸間距離 BL ;重心後輪軸間距離 ψ ;ヨー角(ψ*;ヨー角速度) φ ;ロール角 U ;前後方向速度 XX1 ;フロントステア係数 XX2 ;リアステア係数 Q1 ;フロントコーナリングパワー係数 Q2 ;リアコーナリングパワー係数 である。
【0020】
【外1】
【0021】操舵反力計算手段23は、上述した如く3
自由度解析された車両の運動モデルに従って、操舵角θ
hに対する操舵反力Faを、例えば 反力Fa = フロントタイヤスリップ角βf × コーナリ
ングパワー×(キャスタトレール/ナックルアーム長) として計算する。但し、上記コーナリングパワーは、接
地荷重,セルフアライニングトルク(SAT),駆動制
動補正に応じて求められる。
【0022】基本的にはこのようにして求められる操舵
反力Faを前記パワーシリンダ13に付与するべく、サ
ーボコントローラ等を介して前記反力アクチュエータ1
8を駆動することにより、前記パワーステアリング装置
10にその操舵角θhに応じた反力が加えられることに
なる。そしてパワーステアリングの操舵フィーリングが
シミュレートされることになる。
【0023】ところが本装置では上述した如く操舵角θ
hに応じて求められる操舵反力Faに対し、前述した操舵
反力補正手段24において反力補正を施した後、前記反
力アクチュエータ18を駆動するものとなっている。即
ち、操舵反力補正手段24は前記補正圧力演算手段25
において求められた補正圧力特性に従い、操舵トルクT
に応じた補正圧力ΔPを求めている。そして操舵反力補
正手段24は上記補正圧力ΔPに基づき、前記パワーシ
リンダ13のシリンダ面積(P/C面積)に従って前記
操舵反力Faに対する反力補正値fを求め、この反力補
正値fを前記操舵反力Faから差し引くことで、前記反
力アクチュエータ18を介してパワーステアリング装置
10に付与すべき反力Fを設定している。つまり操舵反
力補正手段24は操舵反力Faを補正圧力特性に従って
補正して反力アクチュエータ18に対する反力指令値を
求めている。
【0024】換言すれば前記サーボコントローラ27
は、上述した如く与えられる反力指令値に従って、例え
ば図示するような操舵角θhに対する反力Fの変化とし
て示される操舵反力特性をヒステリシスに設定し、この
特性に従って前記反力アクチュエータ18を駆動して前
記パワーステアリング装置10に対する反力Fを、その
ときの操舵角θhに応じて生起している。
【0025】図3は上述した如く構成された装置におけ
るシミュレーション処理の概略的な流れを示すものであ
る。この処理は、基本的には試験台上に設置したパワー
ステアリング装置のバルブ特性を、予め準備された試験
メニューを用いて計測し、その特性(ベースバルブ特性
Vb)をメモリに格納することから開始される[ステッ
プS1]。しかる後、本装置でシミュレートすべき仮想
のバルブ特性を前記演算制御ユニット上のメモリにイン
プットし、仮想バルブ特性Vtを設定する[ステップS
2]。この状態で前記ベースバルブ特性Vbと仮想バル
ブ特性Vtとの差ΔPを求め、前述したように操舵トル
クTに対する補正圧力特性を求める[ステップS3]。
【0026】しかる後、車両運動モデルの解析結果の下
で操舵反力を求め、この操舵反力を前記補正圧力特性に
従って補正して前記仮想バルブ特性の下での反力指令値
を求め、これをサーボコントローラに出力する[ステッ
プS4]。このようにして設定される条件下で前記パワ
ーステアリング装置10を作動させ、そのハンドル11
を操舵することにより、仮想バルブ特性の下での操舵力
シミュレーションが実行される[ステップS5]。
【0027】かくしてこのように構成された装置によれ
ば、本来的にはパワーステアリング装置10のベースバ
ルブ特性Vbに従い、ハンドル11の操舵角θhに応じた
反力Faが反力アクチュエータ18を介して与えられる
ところ、前記操舵反力補正手段24において仮想バルブ
特性Vtに応じて補正された反力Fが反力アクチュエー
タ18を介して生起されてパワーステアリング装置10
に加えられる。しかも上記操舵反力補正手段24におけ
る反力補正が、パワーステアリング装置10のベースバ
ルブ特性Vbと、仮想バルブ特性Vtとの差に基づいて行
われるようになっている。この結果、パワーステアリン
グ装置10に実際に加わる反力Fは、前記ベースバルブ
特性Vbを前述した差に相当する分だけ補正したもの、
つまり仮想バルブ特性Vtの下で発生したものと等しく
なる。
【0028】従って本装置によれば、パワーステアリン
グ装置10のベースバルブ特性Vbを変更することな
く、仮想バルブ特性設定手段22上で任意に設定した仮
想バルブ特性Vtを前記パワーステアリング装置10上
で実現し、その操舵力をシミュレートすることが可能と
なる。しかも上記仮想バルブ特性Vtを種々の要求に応
じて可変設定することで、その設定したバルブ特性の下
での操舵力のシミュレーションを効率的に実行すること
が可能となる。特に従来のように、種々の仕様に応じた
複数種類のコントロールバルブ12やパワーシリンダ1
3を試作することなく、単一のパワーステアリング装置
10上で仮想バルブ特性Vtを任意に設定すると言う手
法により、効率的に操舵力シミュレーションを実行する
ことが可能となる。
【0029】また本装置においては、車両運動モデルを
解析し、その解析結果に基づいてハンドル11の操舵角
θhに関する操舵反力Faを算出しているので、例えば車
両運動モデル解析手段26に設定する車両の諸元やタイ
ヤの諸元(タイヤ特性)を変えるだけで、これらの諸元
に応じて変化する操舵反力Faを適応的に求めることが
できる。更には路面状況や横風等の走行環境の情報を与
えれば、その環境に応じた車両運動モデル解析の下で、
操舵反力Faを求めることができる。
【0030】従って従来のように種々の条件に応じた数
多くの操舵反力マップを準備しなくても、車両運動モデ
ル解析手段26に与えるべき車両およびタイヤの諸元等
を変更するだけで、それらの条件の下でのパワーステア
リング操舵特性を効果的にシミュレートすることがで
き、そのシミュレーション条件の変更も非常に容易であ
る等の利点がある。従って車種や走行条件に種々変化す
るパワーステアリング操舵特性のフィーリングを試験台
上で、簡易に且つ効果的にシミュレートすることが可能
となるので、実車試験に要する時間と手間を大幅に削減
し、試験経費の低減を図ることが可能となる。
【0031】特に車両運動モデルを解析する際の車両の
諸元等を任意に変更し、また前述したように仮想バルブ
特性Vtを任意に変更すれば、試験台上に設置したパワ
ーステアリング装置10(コントロールバルブ12やパ
ワーシリンダ13)を変更することなしに、種々の条件
下におけるパワーステアリング操舵特性をシミュレート
することができる。具体的には、操舵トルクTに対する
パワーステアリング圧力を変化させた場合、その操舵特
性がどの様に変化するか、また車両の諸元の変更によ
り、そのパワーステアリング装置を別の車種に搭載した
場合、その操舵特性がどの様に変化するか、更にはタイ
ヤの種類を変更した場合、その操舵特性かどの様変化す
るかを、本試験装置上で効率的にシミュレートすること
が可能となる。
【0032】従ってパワーステアリング装置10(コン
トロールバルブ12)と車両諸元等との整合性を複数の
試作装置を準備することなく、バルブ特性の理論計算や
経験に基づく仕様変更等を踏まえながら、その操舵特性
をシミュレートすることが可能となるので、試験効率の
大幅な向上を図ることが可能となる。尚、本発明は上述
した実施形態に限定されるものではない。例えば車両運
動モデルの解析アルゴリズムについては、従来より種々
提唱されている手法を用いることができる。また仮想バ
ルブ特性Vtを、補正圧力特性として直接的に入力設定
し、この補正圧力特性から、そこに設定された仮想バル
ブ特性Vtを逆算することも勿論可能である。その他、
本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施
することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ハ
ンドルの操舵角に応じて駆動されるコントロールバルブ
の作動によって油圧回路が切り換えられて駆動されるパ
ワーシリンダを備えたパワーステアリング装置と、前記
パワーシリンダの出力軸に連結され前記パワーステアリ
ング装置に操舵トルクを発生させる反力付加手段とを有
し、前記パワーステアリングの操舵反力特性をシミュレ
ートするパワーステアリング試験装置であって、パワー
ステアリング装置の操舵トルクTとパワーステアリング
圧力Pとを計測して該パワーステアリング装置の基準と
なるベースコントロールバルブ特性(ベースバルブ特性
Vb)を求めて記憶しておき、このベースバルブ特性Vb
と前記パワーステアリング装置において実現しようとす
る仮想的に設定したコントロールバルブ特性(仮想バル
ブ特性)Vtとに従い、予め車両諸元と運動方程式とに
基づいて設定された車両運動モデルに従って求められた
操舵角θhに対する操舵反力Faを補正し、その補正操舵
反力Fを前記パワーステアリング装置に付与するので、
前記パワーステアリング装置上で上記仮想バルブ特性に
基づく操舵反力特性を精度良く付与し、パワーステアリ
ング操舵特性を効率的にシミュレーションすることが可
能となる。
【0034】また請求項2に記載の発明によれば、車両
およびタイヤの諸元,運転状態,走行環境に応じて可変
設定される車両運動モデルの下で操舵角θhに対する操
舵反力Faを求めるようにしているので、膨大な操舵反
力マップを準備することなく種々条件下における操舵反
力を効率的に設定することができ、試験効率の向上を図
ることができる。
【0035】更に請求項3に記載の発明によれば、ベー
スバルブ特性Vbと仮想バルブ特性Vtとの差分ΔPを補
正圧力特性として求め、車両運動モデル解析結果に基づ
いて求められる操舵反力Faを上記補正圧力特性に従っ
て補正するので、簡易にして効率的に仮想バルブ特性に
基づく操舵反力特性を設定することができる。更にまた
請求項4に記載の発明によれば、パワーステアリング装
置に対するシミュレート条件に応じて仮想バルブ特性V
tを任意に可変設定するので、種々のコントロールバル
ブを試作することなしに所望とするバルブ特性を容易に
設定してその操舵特性をシミュレートできる等の効果が
奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパワーステアリング
試験装置の概略的なブロック構成図。
【図2】解析処理される車両運動モデルの概念を示す
図。
【図3】本発明におけるシミュレーション処理の概略的
な流れを示す図。
【符号の説明】
10 パワーステアリング装置 12 コントロールバルブ 13 パワーシリンダ 18 反力アクチュエータ 20 制御ブロック 21 ベースバルブ特性取得手段(ベースバルブ特性V
b) 22 仮想バルブ特性設定手段(仮想バルブ特性Vt) 23 操舵反力算出手段 24 操舵反力補正手段 25 補正圧力特性算出手段 26 車両運動モデル解析手段 27 サーボコントローラ(操舵反力特性)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルの操舵角に応じて駆動されるコ
    ントロールバルブと、該コントロールバルブの作動によ
    って油圧回路が切り換えられて駆動されるパワーシリン
    ダを備えたパワーステアリング装置と、前記パワーシリ
    ンダの出力軸に連結され前記パワーステアリング装置に
    操舵トルクを発生させる反力付加手段を有し、前記パワ
    ーステアリングの操舵反力特性をシミュレートするパワ
    ーステアリング試験装置であって、 前記パワーステアリング装置の操舵トルクとパワーステ
    アリング圧力とを計測して該パワーステアリング装置の
    基準となるベースコントロールバルブ特性を記憶するベ
    ースバルブ特性記憶手段と、前記パワーステアリング装
    置において実現しようとする仮想のコントロールバルブ
    特性を設定する仮想バルブ特性設定手段と、予め車両諸
    元および運動方程式により設定された車両運動モデルに
    従って操舵角に対する操舵反力を求める操舵反力算出手
    段と、前記ベースバルブ特性,前記仮想バルブ特性,お
    よび前記操舵トルクに応じて前記操舵反力を補正する操
    舵反力補正手段と、この操舵反力補正手段にて補正され
    た操舵反力を前記パワーステアリング装置に付与する反
    力付加手段とを具備したことを特徴とするパワーステア
    リング試験装置。
  2. 【請求項2】 前記操舵反力算出手段は、車両およびタ
    イヤの諸元,運転状態,走行環境に応じて可変設定され
    る車両運動モデルの下で操舵角に対する操舵反力を求め
    ることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリン
    グ試験装置。
  3. 【請求項3】 前記操舵反力補正手段は、前記ベースバ
    ルブ特性と前記仮想バルブ特性との差分を補正圧力特性
    として求め、この補正圧力特性と前記操舵トルクとに基
    づいて求められる反力補正値を前記操舵反力から差し引
    いて該操舵反力を補正することを特徴とする請求項1に
    記載のパワーステアリング試験装置。
  4. 【請求項4】 前記仮想バルブ特性設定手段は、パワー
    ステアリング装置に対するシミュレート条件に応じて仮
    想バルブ特性を可変設定することを特徴とする請求項1
    に記載のパワーステアリング装置。
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